JP2018013056A - 内燃機関の制御装置及び制御方法 - Google Patents

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裕一 外山
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Shigeyuki Sakaguchi
重幸 坂口
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Abstract

【課題】壁温推定値の推定精度及び壁温検出値の検出精度を向上させる。
【解決手段】
壁温推定(検出)値に基づいて内燃機関の燃料噴射量を補正するコントロールユニットは、アイドリングストップを開始してからの経過時間ISTが、内燃機関の冷却水温と燃焼室における壁温との温度差が略零に収束すると判断される収束時間Tmaxに達したと判定したとき(S104)、壁温推定(検出)値を冷却水温の検出値と同一の値に変更して壁温推定値を補正する(S105)。
【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関の制御装置及び制御方法に関する。
従来の内燃機関の制御装置及び制御方法には、燃焼室温度としてシリンダの壁温を検出し又は推定し、この壁温の検出値又は推定値に基づいて算出された目標空燃比と実空燃比との比率により、燃料噴射量の補正を行うものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−231834号公報
しかしながら、壁温の検出値又は推定値には様々な要因によって検出誤差又は推定誤差が生じ、壁温の検出値又は推定値が実際の燃焼室温度から乖離してしまう可能性がある。したがって、壁温の検出値又は推定値を用いて補正された燃料噴射量は、実際の燃焼室温度に適した燃料噴射量から乖離し得るため、特に内燃機関の再始動時において、内燃機関の排気性状、燃料消費率、運転性が低下するおそれがある。
そこで、本発明は以上のような問題点に鑑み、内燃機関の燃焼室温度として検出した壁温の検出精度を向上させ、また、内燃機関の燃焼室温度として推定した壁温の推定精度を向上させた内燃機関の制御装置及び制御方法を提供することを目的とする。
このため、本発明に係る内燃機関の制御装置及び制御方法は、内燃機関の燃焼室に関する温度として検出又は推定した燃焼室の壁温に基づいて、内燃機関の制御に関する制御パラメータを補正するものであり、かかる制御パラメータの補正に用いる燃焼室の壁温を、燃焼室における燃焼を停止しているときの内燃機関の冷却水の水温検出値に基づいて補正している。
本発明の内燃機関の制御装置及び制御方法によれば、内燃機関の燃焼室における温度として検出した壁温の検出精度を向上させることができ、また、内燃機関の燃焼室における温度として推定した燃焼室の壁温の推定精度を向上させることができる。
第1実施形態における車両用の内燃機関の一例を示す概略図である。 同実施形態における壁温推定値(検出値)の補正原理を示す説明図である。 同実施形態における壁温推定値の演算補正処理を示すフローチャートである。 同実施形態における図4の補正処理の変形例を示すフローチャートである。 同実施形態における冷却水の流量に応じて設定される収束時間を示す説明図である。 同実施形態における冷却水の流量と収束時間との関係を示す説明図である。 同実施形態の第1変形例を示すフローチャートである。 同実施形態の第2変形例を示すフローチャートである。 同実施形態の第3変形例を示すフローチャートである。 第2実施形態における車両用の内燃機関の一例を示す概略図である。 同実施形態における壁温検出値の取得補正処理を示すフローチャートである。 同実施形態の第1変形例を示すフローチャートである。 同実施形態の第2変形例を示すフローチャートである。 同実施形態の第3変形例を示すフローチャートである。 同実施形態の第4変形例を示すフローチャートである。 壁温推定(検出)値の推定(検出)誤差を示す説明図である。
以下、添付された図面を参照し、本発明を実施するための実施形態について詳述する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る制御装置を適用した内燃機関の一例を示す。
内燃機関1は、車両に動力源として搭載されたエンジンであり、各気筒の吸気バルブ2よりも上流側の吸気管(吸気ポート)3に燃料噴射弁4を備える。燃料噴射弁4は、各気筒の行程に噴射タイミングを合わせ、吸気管3内に燃料を間欠的に噴射するように制御される。燃料噴射弁4には、燃料タンク5内に配置された電動式の燃料ポンプ6により、燃料タンク5内に貯留されている燃料が圧送される。
燃料噴射弁4が吸気管3内に噴射した燃料は、空気と共に吸気バルブ2を介して燃焼室7内に吸引されて混合気を形成する。燃焼室7内の混合気は、点火プラグ8による火花点火によって着火燃焼する。燃焼室7内の燃焼ガスは、排気バルブ9を介して排気管10に排出される。
電子制御スロットル11は、スロットルモータ12によって開度が変更されることで、内燃機関1の吸入空気量を調整する。電子制御スロットル11は、吸気管3の燃料噴射弁4が配設される部分よりも上流側の各気筒共通の吸気ダクトに設けられる。
内燃機関1の燃焼室7の周囲に設けられたウォータジャケット13内を通過して排出された冷却水は、第1冷却水通路14を介して、電動式のラジエータファン15が併設されたラジエータ16に導かれ、フィンが取り付けられたラジエータコアを通過するときに外気と熱交換をし、その温度が低下する。そして、温度が低下した冷却水は、第2冷却水通路17を介して内燃機関1のウォータジャケット13へと戻される。
また、内燃機関1から排出された冷却水がラジエータ16をバイパスするように、第1冷却水通路14と第2冷却水通路17とがバイパス通路18により連通接続されている。バイパス通路18と第2冷却水通路17との接合箇所には、バイパス通路18の通路面積を全開から全閉へ段階的又は連続的に開閉する電制サーモスタット19が配設され、電制サーモスタット19は、外部からの制御信号を入力することで開度が制御され、ラジエータ16を通過する冷却水の流量割合を変化させる。
第2冷却水通路17のうち内燃機関1と電制サーモスタット19との間には、内燃機関1とラジエータ16との間で冷却水を強制的に循環させる、機械式ウォータポンプ(図示省略)及び電動ウォータポンプ20が夫々配設されている。図外の機械式ウォータポンプは、内燃機関1の冷却水入口に取り付けられており、例えばカムシャフト等、内燃機関1の回転出力によって駆動される。電動ウォータポンプ20は、アイドリングストップ機能により内燃機関1が停止した場合にも駆動できるように、内燃機関1とは異なる駆動源である電動モータ21によって駆動される。
マイクロコンピュータを備えるコントロールユニット22は、内燃機関1の運転状態を検出する各種センサの出力信号を入力する。各種センサとして、内燃機関1から排出された冷却水の水温TWを検出する水温センサ23、内燃機関1の吸入空気温度TAを検出する吸気温センサ24、内燃機関1の吸入空気流量QAを検出するエアフローセンサ25、燃料ポンプ6による燃料の供給圧PFを検出する燃圧センサ26、電動ウォータポンプ20の回転速度NPを検出するポンプ回転センサ27、外気温TEを検出する外気温センサ28、内燃機関1の機関回転速度NEを検出する機関回転センサ29、車速Vを検出する車速センサ30、内燃機関1の潤滑油の油温TOを検出する油温センサ31及びアクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度)ACCを検出するアクセル開度センサ32などを設けてある。
そして、コントロールユニット22は、各種センサからの出力信号に基づいて、燃料噴射弁4による燃料噴射量及び噴射タイミング、点火プラグ8による点火時期、電子制御スロットル11の開度等を制御し、また、水温センサ23からの出力信号に基づいて、冷却水の水温を内燃機関1の運転状態に応じた温度に調節すべく、電動ウォータポンプ20の回転速度、ラジエータファン15の回転速度、電制サーモスタット19の開度等を制御する、内燃機関の制御装置を構成している。
ここで、コントロールユニット22は、水温センサ23、油温センサ31、吸気温センサ24等からの出力信号に基づいて、内燃機関1の燃焼室7に関する温度(燃焼室温度)として燃焼室7の内壁における壁温を推定し、推定された壁温(壁温推定値)により、例えば、燃料噴射量、噴射タイミング、点火時期等の内燃機関1の制御に関する制御パラメータを補正する制御パラメータ補正手段を含んでいる。そして、コントロールユニット22は、例えば、補正した燃料噴射量及び噴射タイミングに基づいて、燃料噴射弁4による噴射動作を制御する噴射パルス信号を設定・出力し、また、補正した点火時期に基づいて点火プラグ8による火花放電がなされるように、図外の点火コイルに対する通電を制御する等、補正した制御パラメータに基づいて内燃機関1の制御を行う。なお、内燃機関1の制御に関する制御パラメータには、VTC(Valve Timing Control)、EGR(Exhaust Gas Recirculation)、VCR(Variable Compression Ratio)等の制御において用いられるアクチュエータの制御パラメータも含み得る。
ところで、図16に示すように、コントロールユニット22で演算された壁温推定値には、時間の経過に伴って、内燃機関1の運転状態の変化(例えば、車両の定速運転走行から減速・停止してアイドリングストップ状態となった後、加速運転を行う等)や、内燃機関1の個体差又は外部環境等、様々な要因によって推定誤差が生じるため、壁温推定値が実際の壁温TCと乖離する可能性がある。したがって、コントロールユニット22が、壁温推定値を用いて直ちに内燃機関1の制御に関する制御パラメータ(例えば、燃料噴射量等)を補正すると、補正された制御パラメータは、実際の燃焼室温度に適した制御パラメータから乖離し得るため、内燃機関1の排気性状、燃料消費率、運転性が低下するおそれがある。
このため、コントロールユニット22は、後述するように、アイドリングストップ中における冷却水の水温TWの検出値(水温検出値)に基づいて壁温推定値を補正する壁温補正手段を含んでいる。なお、この壁温補正手段及び前述の制御パラメータ補正手段は、コントロールユニット22のROM(Read Only Memory)等に予め記憶されたプログラムを読み込んで動作するコンピュータにより実行されるものとして説明する。ただし、これに限らず、ハードウェアの構成により壁温補正手段及び制御パラメータ補正手段の一部又は全部を実現することも可能である。
次に、壁温推定値の補正原理について説明する。
図2は、車両が高負荷走行から減速・停止してアイドリングストップ状態となった後、再び加速したときに、時間に対して壁温TC(図中の破線参照)及び水温TW(図中の実線参照)がどのように変化するかを模式的に示している。
図2において、内燃機関1がアイドリングストップ状態となると燃焼室7では燃焼が停止するため、アイドリングストップ中における冷却水の通水を停止した状態であっても燃焼室7における壁温TCは低下し、アイドリングストップを開始してからアイドリングストップ状態が一定時間継続した後には、水温TWと壁温TCとの温度差が略零に収束する。ここで、アイドリングストップを開始してから水温TWと壁温TCとの温度差が略零に収束するまでの最長時間を収束時間tmaxとすると、収束時間tmaxが経過したときには、壁温TCと水温TWとが略一致しているはずであるので、壁温推定値(図中の一点鎖線参照)と水温TWの検出値との間に差分ΔDがある場合には、この差分ΔDが壁温推定値の推定誤差であることがわかる。したがって、コントロールユニット22が、実験・シミュレーション等によって得られた収束時間tmaxをROM等のメモリに予め記憶することで、収束時間tmaxが経過したときに、差分ΔDで示される推定誤差を壁温推定値から除去して、壁温推定値の補正を行うことができる。
図3は、コントロールユニット22において、イグニッションスイッチのオンを契機として繰り返し実行される壁温推定値の演算・補正処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS101(図中ではS101と略記する。以下同様)では、前回実行したステップS101により演算された壁温推定値と水温TW、油温TO、吸入空気温度TAの変化量等の種々のパラメータとに基づいて、現在の壁温推定値を演算する。なお、イグニッションスイッチをオンにして最初にステップS101を実行するときに、冷間始動である場合には、壁温TCは水温TWと一致しているものと推測されるので、壁温推定値の初期値を水温TWの検出値としてもよい。
ステップS102では、アイドリングストップを開始するか否かを判定する。例えば、水温センサ23及び車速センサ30等からの出力信号に基づいて、水温TWが内燃機関1の暖機完了と判断される温度以上であり、かつ、車速Vが車両停止と判断される速度である場合には、アイドリングストップを開始すると判定することができる。アイドリングストップを開始すると判定した場合にはステップS103へ進む(Yes)。一方、アイドリングストップを開始しないと判定した場合には壁温推定値の演算・補正処理を終了する(No)。なお、内燃機関1がすでにアイドリングストップ状態である場合には、ステップS102からステップS103へ進まず、壁温推定値の補正を行わなくてもよい。以下の実施形態及び変形例でも同様である。
ステップS103では、アイドリングストップを開始してからの経過時間であるIS時間ISTのカウントを行う。
ステップS104では、IS時間ISTが収束時間tmaxに達したか否かを判定する。IS時間ISTが収束時間tmaxに達したと判定されれば、水温TWと壁温TCとの温度差が略零に収束していると判断できるので、壁温推定値の補正を行うべくステップS105へ進み(Yes)、IS時間ISTが収束時間tmaxに達していないと判定されれば、IS時間ISTのカウントを続行すべくステップS103へ戻る(No)。
ステップS105では壁温推定値の補正を行う。具体的には、ステップS105において、現在の壁温推定値を水温TWの検出値と同一の値に強制的に変更することで、壁温推定値の補正を行う。これにより、次回実行されるステップS101では、ステップS105で推定誤差が除去された壁温推定値に基づいて壁温推定値が演算される。
なお、ステップS101において、前回演算した壁温推定値を用いずに、演算周期毎に現在の壁温推定値を演算する場合には、図4に示すように、ステップS104で、IS時間ISTが収束時間tmaxに達していると判定されると(Yes)、ステップS104aで、水温TWの検出値と壁温推定値との差分ΔDを壁温推定値の補正量として演算し、これにより、ステップS105では、壁温推定値に対して差分ΔDを加算又は減算して壁温推定値の補正を行ってもよい。また、ステップS102でアイドリングストップを開始しないと判定されたときには(No)、ステップS105へ進み、前回実行のステップS104aで演算した差分ΔDで、壁温推定値を演算する度に補正する。
このようなコントロールユニット22によれば、燃焼室7における燃焼を停止するアイドリングストップの開始から内燃機関1における水温TWと壁温TCとの温度差が略零に収束するまでの時間である収束時間tmaxが経過したときに、壁温推定値を水温TWの検出値と同一の値にして補正しているので、壁温推定値の推定精度を向上させることができる。そして、このように補正された壁温推定値を用いて、内燃機関1の制御に関する制御パラメータ(例えば、燃料噴射量等)を補正することで、実際の燃焼室温度に適した制御パラメータを算出でき、内燃機関1の排気性状、燃料消費率、運転性の低下を抑制することが可能となる。
(第1実施形態の第1変形例)
次に、第1実施形態の第1変形例について説明する。
図5は、図2と同様に、車両が高負荷走行から減速・停止してアイドリングストップ状態となった後、再び加速したときに、時間に対して壁温TC及び水温TWがどのように変化するかを模式的に示している。壁温TC及び水温TWの変化は、アイドリングストップ中において、冷却水の流通を停止した止水時と、冷却水を通水させた通水時とで異なる。すなわち、図2において説明したように、アイドリングストップ中の冷却水の止水時に、アイドリングストップの開始から水温TW(実線)と壁温TC(破線)との温度差が略零に収束するまでの時間を収束時間tmax0とすると、アイドリングストップ中における冷却水の通水時に、アイドリングストップの開始から水温TW(二重実線)と壁温TC(二重破線)との温度差が略零に収束するまでの時間である収束時間tmax1は収束時間tmax0よりも短くなることがわかる。したがって、図6に示すように、アイドリングストップ中における冷却水の流量が高くなるに従って、収束時間tmaxを徐々に短くして設定することができる。そこで、第1実施形態の第1変形例に係るコントロールユニット22では、第1実施形態における壁温推定値の演算・補正処理(図3参照)に対し、アイドリングストップ中における冷却水の流量に応じて収束時間tmaxを変化させている。
図7は、第1実施形態の第1変形例に係るコントロールユニット22において、イグニッションスイッチのオンを契機として繰り返し実行される壁温推定値の演算・補正処理の一例を示すフローチャートである。なお、第1実施形態と同一構成については、同一符号を付すことでその説明を省略又は簡潔にする。以下、同様である。
第1実施形態の第1変形例に係るコントロールユニット22による壁温推定値の演算・補正処理は、第1実施形態による壁温推定値の演算・補正処理(図3参照)に対して、ステップS102とステップS103との間に、ステップS102aを追加している点で異なる。
ステップS102aでは、アイドリングストップ中における冷却水の流量に応じて収束時間tmaxを設定する。例えば、収束時間tmaxは、電動ウォータポンプ20の回転速度NPの検出値に基づいて設定される。電動ウォータポンプ20の回転速度NPが高くなる場合には冷却水の流量は増大するので、収束時間tmaxを徐々に短くして設定する一方、回転速度NPが低くなる場合には冷却水の流量は低下するので、収束時間tmaxを徐々に長くして設定する。
具体的には、第1実施形態の第1変形例に係るコントロールユニット22は、実験等によって電動ウォータポンプ20の回転速度NPと収束時間tmaxとを関連付けた第1データテーブルをROM等の記憶手段に予め記憶し、ステップS102aを実行する際に、電動ウォータポンプ20の回転速度NPの検出値に基づいて第1データテーブルを参照することで、対応する収束時間tmaxを設定することができる。このようにアイドリングストップ中における冷却水の流量に応じて収束時間tmaxを変化させることで、アイドリングストップ開始から壁温推定値の補正が可能になるまでの時間を短縮することができる。
(第1実施形態の第2変形例)
次に、第1実施形態の第2変形例について説明する。
第1実施形態の第2変形例に係るコントロールユニット22では、収束時間tmaxの設定要素として、アイドリングストップ中における冷却水の流量を用いていた第1実施形態の第1変形例に対し、水温TWと外気温TEとの温度差である水温・外気温差ΔTを追加している。
図8は、第1実施形態の第2変形例に係るコントロールユニット22において、イグニッションスイッチのオンを契機として繰り返し実行される壁温推定値の演算・補正処理の一例を示すフローチャートである。第1実施形態の第2変形例に係るコントロールユニット22による壁温推定値の演算・補正処理は、第1実施形態の第1変形例に係るコントロールユニット22による壁温推定値の演算・補正処理(図7参照)に対し、ステップS102aに代えてステップS102bを実行する点で異なる。
ステップS102bでは、電動ウォータポンプ20の回転速度NPの検出値と、水温TWの検出値と外気温TEの検出値とから演算された水温・外気温差ΔTの算出値と、に基づいて収束時間tmaxを設定する。
外気温TEが低下すれば(水温・外気温差ΔTが大きくなれば)、ラジエータ16における冷却水からの放熱量が増大して壁温TCの低下速度は速くなる一方、外気温TEが上昇すれば(水温・外気温差ΔTが小さくなれば)、ラジエータ16における冷却水からの放熱量が減少して壁温TCの低下速度は遅くなる。したがって、収束時間tmaxは、第1実施形態の第1変形例と同様に、電動ウォータポンプ20の回転速度NPが高くなるに従って徐々に短くし、電動ウォータポンプ20の回転速度NPが低くなるに従って徐々に長くして設定するだけでなく、水温・外気温差ΔTが大きくなるに従って徐々に短くし、水温・外気温差ΔTが小さくなるに従って徐々に長く設定する。
具体的には、第1実施形態の第2変形例に係るコントロールユニット22は、実験等によって電動ウォータポンプ20の回転速度NP及び水温・外気温差ΔTと収束時間tmaxとを関連付けた第2データテーブルをROM等の記憶手段に予め記憶し、ステップS102bを実行する際に、電動ウォータポンプ20の回転速度NPの検出値、及び、水温TWの検出値と外気温TEの検出値とから演算された水温・外気温差ΔTに基づいて第2データテーブルを参照することで、対応する収束時間tmaxを設定することができる。このようにアイドリングストップ中における冷却水の流量及び水温・外気温差ΔTに応じて収束時間tmaxを変化させることで、アイドリングストップ開始から壁温推定値の補正が可能になるまでの時間を第1実施形態の第1変形例よりも精度良く短縮することができる。
(第1実施形態の第3変形例)
次に、第1実施形態の第3変形例について説明する。
前述した第1実施形態の第1変形例及び第2変形例に係るコントロールユニット22では、アイドリングストップ中における冷却水の流量に応じて、あるいは、これと水温・外気温差ΔTとに応じて収束時間tmaxを設定していたが、収束時間tmaxを意図的に短縮化して設定するために、アイドリングストップ中における冷却水の流量を比較的高い流量に変更することができる。このように冷却水の流量を変更して収束時間tmaxを意図的に短縮化して設定することで、水温TWと壁温TCとの温度差が略零に収束する前にアイドリングストップが終了して、壁温推定値の補正頻度が減少することを抑制できる。
収束時間tmaxを意図的に短縮化するために、例えば、第1実施形態の第1変形例及び第2変形例に係るコントロールユニット22による壁温推定値の演算・補正処理の一例を示すフローチャートにおいて(図7及び図8参照)、図9に示すように、ステップS102で、アイドリングストップを開始すると判定された場合には(Yes)、冷却水の流量を比較的高い流量にすべく電動ウォータポンプ20の回転速度NPを増大させるステップS102cを実行し、その後ステップS102a又はステップS102bにおいて、ステップS102cで増大させた回転速度NPあるいはこれと水温・外気温差ΔTとに応じて収束時間tmaxを設定してもよい。この場合、電動ウォータポンプ20の回転速度NPが一定回転速度に上昇するまでの時間を考慮して、収束時間tmaxを延長してもよい。なお、後述する第2実施形態の第3変形例についても同様である。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る制御装置について説明する。
図10は、第2実施形態に係る制御装置を適用した内燃機関1Aの一例を示す。
図10に示すように、第2実施形態は、燃焼室7の壁温TCを検出する壁温センサ33が設けられ、壁温センサ33の出力信号を、内燃機関の制御装置を構成するコントロールユニット22Aに入力している点で第1実施形態と異なる。コントロールユニット22Aは、壁温センサ33で検出された壁温TCの検出値(壁温検出値)により、内燃機関1Aの制御に関する制御パラメータ(例えば、燃料噴射量、噴射タイミング、点火時期等)を補正している。なお、壁温センサ33は、燃焼室7の内壁に単独で設ける他、点火プラグ8や、燃料を燃焼室7に直接噴射する場合の燃料噴射弁に組み込まれて一体的に形成されてもよい。
再び図16を参照すると、壁温検出値には、壁温センサ33におけるリニア出力値及び温度特性等のばらつきや、コントロールユニット22における、電源電圧、A/D(Analog to Digital)変換回路、ハーネス、コネクタ等のばらつきに起因して検出誤差が生じるため、壁温検出値が壁温TCと乖離する可能性がある。したがって、コントロールユニット22Aが、壁温検出値を用いて直ちに内燃機関1Aの制御に関する制御パラメータ(例えば、燃料噴射量等)を補正すると、補正された制御パラメータは、実際の燃焼室温度に適した制御パラメータから乖離し得るため、内燃機関1Aの排気性状、燃料消費率、運転性が低下するおそれがある。
このため、コントロールユニット22は、後述するように、アイドリングストップ中における水温TWの検出値に基づいて、壁温センサ33で検出された壁温検出値を補正する。なお、壁温検出値の補正原理は、第1実施形態において図2を参照して説明した壁温推定値の補正原理と同様であり、壁温推定値及び推定誤差をそれぞれ壁温検出値及び検出誤差に読み替えて説明することができるため省略する。
図11は、コントロールユニット22において、イグニッションスイッチのオンを契機として繰り返し実行される壁温検出値の取得・補正処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS201では、壁温センサ33からの出力信号に基づいて壁温検出値を取得する。
ステップS202〜ステップS204は、それぞれ、第1実施形態のコントロールユニット22による壁温推定値の演算・補正処理の一例を示すフローチャート(図3参照)のステップS102〜ステップS104と同様の処理を実行するので説明を省略する。
ステップS204でIS時間ISTが収束時間tmaxに達していると判定されると(Yes)、ステップS205において、水温TWの検出値と壁温検出値との差分ΔDを壁温検出値の補正量として演算し、これにより、ステップS206では、壁温検出値に対して差分ΔDを加算又は減算して壁温検出値の補正を行う。また、ステップS202でアイドリングストップを開始しないと判定されたときには(No)、ステップS206へ進み、前回実行のステップS205で演算した差分ΔDで壁温検出値を補正する。
このようなコントロールユニット22Aによれば、燃焼室7における燃焼を停止するアイドリングストップの開始から内燃機関1Aにおける水温TWと壁温TCとの温度差が略零に収束するまでの時間である収束時間tmaxが経過したときに、壁温検出値を水温TWの検出値と同一の値にして補正しているので、壁温検出値の検出精度を向上させることができる。そして、このように補正された壁温検出値を用いて、内燃機関1Aの制御に関する制御パラメータ(例えば、燃料噴射量等)を補正することで、実際の燃焼室温度に適した制御パラメータを算出でき、内燃機関1Aの排気性状、燃料消費率、運転性の低下を抑制することが可能となる。
(第2実施形態の第1変形例)
次に、第2実施形態の第1変形例について説明する。
第1実施形態の第1変形例において図5及び図6を参照して前述したように、アイドリングストップ中における冷却水の流量が高くなるに従って、アイドリングストップの開始から水温TWと壁温TCとの温度差が略零に収束するまでの時間である収束時間tmaxが短くなることから、第2実施形態の第1変形例に係るコントロールユニット22Aは、第2実施形態における壁温検出値の取得・補正処理(図11参照)に対し、アイドリングストップ中における冷却水の流量に応じて収束時間tmaxを変化させている。このようにすることで、アイドリングストップ開始から壁温検出値の補正が可能になるまでの時間を短縮することができる。
図12は、第2実施形態の第1変形例に係るコントロールユニット22Aにおいて、イグニッションスイッチのオンを契機として繰り返し実行される壁温検出値の取得・補正処理の一例を示すフローチャートである。
第2実施形態の第1変形例に係るコントロールユニット22Aによる壁温検出値の取得・補正処理では、第2実施形態による壁温検出値の取得・補正処理(図11参照)に対して、ステップS202の実行後、かつステップS203の実行前に、ステップS202aを追加している。ステップS202aでは、第1実施形態の第1変形例に係るステップS102aと同様に、アイドリングストップ中における電動ウォータポンプ20の回転速度NPの検出値に応じて収束時間tmaxを設定している。その他の処理については、第2実施形態と同様であるので説明を省略する。
(第2実施形態の第2変形例)
次に、第2実施形態の第2変形例について説明する。
第2実施形態の第2変形例に係るコントロールユニット22Aでは、収束時間tmaxの設定要素として、アイドリングストップ中における冷却水の流量を用いていた第2実施形態の第1変形例に対し、水温TWと外気温TEとの温度差である水温・外気温差ΔTを追加している。
図13は、第2実施形態の第2変形例に係るコントロールユニット22Aにおいて、イグニッションスイッチのオンを契機として繰り返し実行される壁温検出値の取得・補正処理の一例を示すフローチャートである。第2実施形態の第2変形例に係るコントロールユニット22Aによる壁温推定値の演算・補正処理は、第2実施形態の第1変形例に係るコントロールユニット22Aによる壁温検出値の演算・補正処理(図12参照)に対し、ステップS202aに代えてステップS202bを実行する点で異なる。
ステップS202bでは、第1実施形態の第2変形例に係るステップS102bと同様に、電動ウォータポンプ20の回転速度NPの検出値、及び、水温TWの検出値と外気温TEの検出値とから演算された水温・外気温差ΔTの算出値に基づいて収束時間tmaxを設定している。その他の処理については、第2実施形態と同様であるので説明を省略する。
(第2実施形態の第3変形例)
次に、第2実施形態の第3変形例について説明する。
第2実施形態の第3変形例に係るコントロールユニット22Aは、第1実施形態の第3変形例と同様に、第2実施形態の第1変形例及び第2変形例において、収束時間tmaxを意図的に短縮化して設定するために、アイドリングストップ中における冷却水の流量を比較的高い流量に変更する。これにより、壁温TCが水温TWに収束する前にアイドリングストップが終了して、壁温検出値の補正頻度が減少することを抑制できる。
例えば、第2実施形態の第1変形例及び第2変形例に係るコントロールユニット22Aによる壁温検出値の取得・補正処理の一例を示すフローチャートにおいて(図12及び図13参照)、図14に示すように、ステップS202で、アイドリングストップを開始すると判定された場合には(Yes)、冷却水の流量を比較的高い流量にすべく電動ウォータポンプ20の回転速度NPを増大させるステップS202cを実行し、その後、ステップS202a又はステップS202bにおいて、電動ウォータポンプ20の回転速度NPに応じて、あるいは、これに加えて水温・外気温差ΔTに応じて収束時間tmaxを設定してもよい。
(第2実施形態の第4変形例)
次に、第2実施形態の第4変形例について説明する。
第2実施形態の第4変形例に係るコントロールユニット22Aは、収束時間tmaxが経過したときに、壁温検出値と水温TWの検出値とに基づいて、壁温センサ33に故障が発生しているか否かを診断する壁温センサ33の故障診断処理を行う。
図15は、第2実施形態の第4変形例に係るコントロールユニット22Aにおいて、イグニッションスイッチのオンを契機として繰り返し実行される壁温センサ33の故障診断処理の一例を示すフローチャートである。ステップS301〜ステップS303は、それぞれ、第2実施形態における壁温検出値の取得・補正処理(図11参照)のステップS202〜ステップS204と同様であるので説明を省略する。
ステップS301でアイドリングストップを開始すると判定され(Yes)、ステップS303でIS時間ISTが収束時間tmaxに達したと判定されれば(Yes)、ステップS304において、壁温センサ33の故障診断用閾値を設定する。具体的には、コントロールユニット22Aは、水温TWの検出値に対して壁温検出値の補正による補正誤差αを加算して上限閾値TUを演算し、水温TWの検出値に対して壁温検出値の補正による補正誤差αを減算して下限閾値TLを演算し、上限閾値TUと下限閾値TLとで壁温センサ33が正常であると診断される正常範囲を規定する。
ステップS305では、壁温検出値が下限閾値TL以上かつ上限閾値TU以下であるか否かを判定する。壁温検出値が下限閾値TL以上かつ上限閾値TU以下であると判定された場合にはステップS306へ進み(Yes)、壁温センサ33は正常であると診断する。一方、壁温検出値が下限閾値TL未満あるいは上限閾値TUより大きいと判定された場合にはステップS307へ進み(No)、壁温センサ33は故障していると診断する。なお、ステップS301においてアイドリングストップを開始しないと判定された場合には壁温センサ33の故障診断処理を行わない(No)。
コントロールユニット22Aは、壁温センサ33が故障していると診断した場合には、故障状態を示す故障フラグを例えば0から1に設定してRAM(Random Access Memory)等の記憶手段に記憶し、故障フラグが1に設定されている場合には、第1変形例〜第3変形例を含む第2実施形態における壁温検出値の補正を行わないようにするか、あるいは、壁温検出値による制御パラメータの補正を行わないようにしてもよい。
以上、本発明に係る内燃機関の制御装置及び制御方法を第1実施形態及び第2実施形態並びにそれらの変形例(以下、実施形態等という)に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施形態等に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。例えば、コントロールユニット22,22Aが、冷却水の流量に応じて収束時間tmaxを設定する場合、電動ウォータポンプ20の回転速度の検出値に限らず、例えば冷却水の流量の実測値等、冷却水の流量を示す様々なパラメータを用いることができる。
前記実施形態等において、壁温推定値及び壁温検出値は、内燃機関1,1Aがアイドリングストップ状態であるときの水温TWの検出値に基づいて補正されるものとして説明したが、アイドリングストップ状態であるときに限られず、燃料噴射弁4への燃料供給を遮断して燃焼室7における燃焼を停止しているときの水温TWの検出値に基づいて補正されればよい。
例えば、車両の減速時(エンジンブレーキ時)には、燃焼室7における燃焼を停止してから冷却水の水温TWと実際の壁温TCとの温度差が略零に収束するまでの時間である収束時間tmaxが経過したときに、壁温推定値又は壁温検出値を水温TWの検出値と同一の値にして補正することができる。車両の減速時には内燃機関1,1Aが回転して燃焼室7には外気が導入されるので、壁温TCの低下速度が速くなることを考慮して、車両の減速時における収束時間tmaxを、機関回転速度NEが略零であるアイドリングストップ中の収束時間tmaxよりも短くする等、収束時間tmaxは機関回転速度NEに応じて設定されてもよい。
また、例えば、イグニッションスイッチをオフ状態にして内燃機関1,1Aを停止してから再度イグニッションスイッチをオン状態にして内燃機関1,1Aを始動するまでに収束時間tmaxが経過していれば、水温TWと壁温TCとの温度差が略零に収束していると推測されるので、壁温推定値又は壁温検出値を、イグニッションスイッチをオン状態にしたときであって燃焼室7における燃焼前の水温TWの検出値と同一の値にして補正することができる。なお、コントロールユニット22,22Aは、イグニッションスイッチをオフ状態にしてからの経過時間をカウントする計時手段(タイマ)を備え、この計時手段には、車載電源から常時電力が供給されるように構成される。
前記実施形態では、アイドリングストップ中における冷却水の流量に応じて、あるいは、これに加えて水温・外気温差ΔTに応じて、収束時間tmaxを変化させている。これらのパラメータに加えて、あるいはこれらのパラメータとは別に、アイドリングストップの開始時における壁温推定値と水温TWの検出値との差分に応じて変化させることもできる。
例えば、アイドリングストップの開始時における壁温推定値と水温TWの検出値との差分が大きくなるに従って、水温TWと壁温TCとの温度差が略零に収束するまでの時間は長くなると推定されるので、収束時間tmaxを大きく設定してもよい。
前記実施形態等において、アイドリングストップを開始してから収束時間tmaxが経過したときに、水温TWと壁温TCとの温度差が略零に収束すると判断していた。しかし、アイドリングストップ中等、燃料噴射弁4への燃料供給を遮断して燃焼室7における燃焼を停止しているときに、冷却水の流量が変動した場合や、冷却水がラジエータ16を通過する流量割合が変動した場合には、燃焼室7における燃焼を停止してから収束時間tmaxが経過したときに、水温TWと壁温TCとの温度差が略零に収束するとは限らない。
このため、収束時間tmaxに代えて、例えば、燃料噴射弁4への燃料供給を遮断して燃焼室7における燃焼を停止しているときに流れる冷却水の積算流量を、電動ウォータポンプ20の回転速度NPの積算値に基づいて演算し、演算した積算流量と閾値とを比較した比較結果に基づいて、水温TWと壁温TCとの温度差が略零に収束しているか否かを判断してもよい。また、例えば、電動ウォータポンプ20の回転速度NPを電制サーモスタット19の開度で補正した補正回転速度の積算値に基づいて冷却水の積算流量を演算し、演算した積算流量と閾値とを比較した比較結果に基づいて、水温TWと壁温TCとの温度差が略零に収束しているか否かを判断してもよい。所定値は、実験又はシミュレーション等によって、燃焼室7における燃焼を停止している間に水温TWと壁温TCとの温度差が略零に収束するまでに流れる冷却水の積算流量として得られ、コントロールユニット22,22AのROM等の記憶手段に予め記憶される。
前記実施形態等において、アイドリングストップの開始から収束時間tmaxが経過したときに、すなわち、燃焼室7における燃焼を停止してから水温TWと壁温TCとの温度差が略零に収束していると判断されるタイミングで、壁温推定値又は壁温検出値を補正するものとして説明した。これに代えて、壁温推定値又は壁温検出値の補正頻度を向上すべく、水温TWと壁温TCとの温度差が略零に収束していると判断される前に壁温推定値又は壁温検出値を補正することができる。
例えば、コントロールユニット22,22Aが、アイドリングストップを開始してからの各経過時間における壁温TCの温度データを予め記憶し、アイドリングストップを開始してから収束時間tmaxが経過する前の所定時間において、対応する壁温TCの温度データに壁温推定値又は壁温検出値を合わせ込むことで補正してもよい。なお、アイドリングストップを開始してからの各経過時間における壁温TCの温度データは実験又はシミュレーション等によって予め求められる。
1,1A…内燃機関
4…燃料噴射弁
7…燃焼室
20…電動ウォータポンプ
22,22A…コントロールユニット
23…水温センサ
27…ポンプ回転センサ
28…外気温センサ
29…機関回転センサ
33…壁温センサ
TW…水温
NP…電動ウォータポンプの回転速度
TE…外気温
NE…機関回転速度
TC…壁温

Claims (14)

  1. 内燃機関の燃焼室に関する温度として検出又は推定した前記燃焼室の壁温に基づいて、前記内燃機関の制御に関する制御パラメータを補正する制御パラメータ補正手段と、
    前記燃焼室における燃焼を停止しているときの前記内燃機関の冷却水の水温検出値に基づいて、前記燃焼室の壁温を補正する壁温補正手段と、
    を含んで構成されたことを特徴とする、内燃機関の制御装置。
  2. 前記壁温補正手段は、前記冷却水の水温と実際の壁温との温度差が略零に収束していると判断したときに、前記燃焼室の壁温を前記冷却水の水温検出値と同一の値にして補正することを特徴とする、請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記壁温補正手段は、前記燃焼室における燃焼を停止してから前記冷却水の水温と前記実際の壁温との温度差が略零に収束するまでの収束時間を予め記憶し、前記収束時間が経過したときに、前記燃焼室の壁温を前記冷却水の水温検出値と同一の値にして補正することを特徴とする、請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記収束時間は、前記冷却水の流量に応じて設定されていることを特徴とする、請求項3に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記収束時間は、前記冷却水の流量が高くなるに従って短くなることを特徴とする、請求項4に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記収束時間は、前記冷却水の水温と外気温との温度差と、前記冷却水の流量と、に応じて設定されていることを特徴とする、請求項3に記載の内燃機関の制御装置。
  7. 前記収束時間は、さらに前記内燃機関の機関回転速度に応じて設定されていることを特徴とする、請求項4〜請求項6のいずれか1つに記載の内燃機関の制御装置。
  8. 前記壁温補正手段は、前記冷却水の流量を強制的に増加させて、前記燃焼室の壁温を補正することを特徴とする、請求項4〜請求項7のいずれか1つに記載の内燃機関の制御装置。
  9. 前記壁温補正手段は、前記内燃機関がアイドリングストップ状態であるときの前記冷却水の水温検出値に基づいて、前記燃焼室の壁温を補正することを特徴とする、請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  10. 前記壁温補正手段は、イグニッションスイッチがオフ状態からオン状態に移行したときの前記冷却水の水温検出値に基づいて、前記燃焼室の壁温を補正することを特徴とする、請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  11. 前記壁温補正手段は、前記収束時間が経過したときに、前記内燃機関の燃焼室に関する温度として検出した前記燃焼室の壁温と、前記冷却水の水温検出値と、に基づいて、前記燃焼室の壁温を検出する検出手段に故障が発生しているか否かを診断することを特徴とする、請求項3に記載の内燃機関の制御装置。
  12. 前記壁温補正手段は、前記検出手段に故障が発生していると診断した場合に、前記燃焼室の壁温の補正を中止することを特徴とする、請求項11に記載の内燃機関の制御装置。
  13. 前記壁温補正手段は、前記冷却水の水温と実際の壁温との温度差が略零に収束する前に、前記冷却水の水温検出値に基づいて前記燃焼室の壁温を補正することを特徴とする、請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  14. 内燃機関の燃焼室に関する温度として検出又は推定した前記燃焼室の壁温に基づいて、前記内燃機関の制御に関する制御パラメータを補正し、
    前記燃焼室における燃焼を停止しているときの前記内燃機関の冷却水の水温検出値に基づいて、前記燃焼室の壁温を補正する、
    内燃機関の制御方法。
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