JP2019147971A - Sn合金めっき液へのSn成分補給方法、Sn合金めっき用補給液製造方法及びSn成分補給装置 - Google Patents

Sn合金めっき液へのSn成分補給方法、Sn合金めっき用補給液製造方法及びSn成分補給装置 Download PDF

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Abstract

【課題】Sn合金めっき液中に酸化第一錫粉末を溶解させる際の2価の錫イオンから4価の錫イオンへの酸化を抑制してSn成分の補給効率を高めることができるSn合金めっき液へのSn成分補給方法、Sn合金めっき用補給液製造方法及びSn成分補給装置を提供すること。【解決手段】本発明のSn合金めっき液へのSn成分補給方法は、めっき槽内に貯留したSn合金めっき液にSn成分を補給するSn成分補給方法であって、めっき槽から使用済みのSn合金めっき液の少なくとも一部を抜き出し、抜き出したSn合金めっき液を10℃以下に冷却し、めっき槽とは異なる溶解槽内で、その冷却状態のSn合金めっき液に10℃以下の酸化第一錫粉末を溶解させてSn成分を補給し、Sn成分を補給したSn合金めっき液をめっき槽に供給する。【選択図】図1

Description

本発明は、Snめっき槽に貯留される使用済みのSn合金めっき液にSn成分を補給するSn成分補給方法、Snめっき槽に貯留される使用済みのSn合金めっき液にSn成分を補給するためのSn合金めっき用補給液製造方法及びSn成分補給装置に関する。
めっき装置において、めっき液中の金属成分の濃度を一定に維持するため、金属成分を補給する必要がある。例えば、特許文献1に記載のめっき装置は、めっき槽との間で循環されるめっき液を貯留するタンクと、タンク内のめっき液の液面に酸化第一錫の粉末を散布する散布機とを備えている。この散布機により散布された酸化第一錫粉末は、タンク内のめっき液内で溶解し、めっき液中にSn成分が補給される。そして、Sn成分が補給されためっき液が循環されてめっき槽に圧送されることにより、めっき液中のSn成分の濃度が維持される。
特開2009−234426号公報
しかしながら、特許文献1に記載のめっき装置では、酸化第一錫粉末がめっき液に溶解する際に発熱して温度が上昇することに伴い、めっき液中の2価の錫イオン(Sn2+)が酸化して4価の錫イオン(Sn4+)になりやすい。この4価の錫イオンがめっき液中で増加すると、めっき液が変色したり、不溶性で望ましくないスラッジが発生してめっき液中に沈殿したりして、めっき処理に使用できない状態となっていた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、Sn合金めっき液中に酸化第一錫粉末を溶解させる際の2価の錫イオンから4価の錫イオンへの酸化を抑制してSn成分の補給効率を高めることができるSn合金めっき液へのSn成分補給方法、Sn合金めっき用補給液製造方法及びSn成分補給装置を提供することを目的とする。
本発明のSn合金めっき液へのSn成分補給方法は、前記めっき槽から使用済みの前記Sn合金めっき液の少なくとも一部を抜き出し、抜き出した前記Sn合金めっき液を10℃以下に冷却し、前記めっき槽とは異なる溶解槽内で、その冷却状態のSn合金めっき液に10℃以下の酸化第一錫粉末を溶解させてSn成分を補給し、Sn成分を補給した前記Sn合金めっき液を前記めっき槽に供給する。
Sn合金めっき液を用いてめっき処理を行う場合、このSn合金めっき液の温度は、25℃〜35℃であるのが一般的であるため、このような温度のSn合金めっき液に酸化第一錫粉末を投入すると、2価の錫イオンが酸化して4価の錫イオンとなってしまう。一方、常温(例えば、25℃)の酸化第一錫粉末を冷却したSn合金めっき液内に投入した場合も、酸化第一錫粉末自体の温度が高いため、溶解時の発熱によりSn合金めっき液の温度が上昇し、2価の錫イオンが酸化して4価の錫イオンになってしまう。
これに対し、本発明では、10℃以下に冷却され、冷却状態のSn合金めっき液に、10℃以下の酸化第一錫粉末を溶解させることから、酸化第一錫粉末が溶解時に発熱しても、Sn合金めっき液の温度が常温にまで上昇しないので、酸化第一錫粉末の2価の錫イオンが酸化して4価の錫イオンとなることを抑制でき、酸化第一錫粉末の2価の錫イオン(Sn成分)を2価の状態で維持することができる。したがって、使用済みのSn合金めっき液に酸化第一錫粉末に基づくSn成分を補給したSn合金めっき液をめっき槽に供給することで、Sn合金めっき液へのSn成分の補給効率を高めることができる。
本発明のSn合金めっき液へのSn成分補給方法の好ましい態様としては、前記溶解槽における前記酸化第一錫粉末の前記Sn合金めっき液内での溶解によって上昇する該Sn合金めっき液のピーク温度を15℃以下にするとよい。
ここで、酸化第一錫粉末のSn合金めっき液内での溶解によって上昇するSn合金めっき液のピーク温度が15℃を超えた場合、酸化第一錫粉末の2価の錫イオンの酸化が加速する。
これに対し、上記態様では、酸化第一錫粉末のSn合金めっき液内で溶解した際におけるSn合金めっき液のピーク温度が15℃以下となるようにしているので、2価の錫イオンを2価の状態で確実に維持でき、使用済みのSn合金めっき液へのSn成分の補給効率をより高めることができる。
本発明のSn合金めっき液へのSn成分補給方法の好ましい態様としては、前記溶解槽における前記酸化第一錫粉末の前記Sn合金めっき液内での溶解によって上昇する該Sn合金めっき液の温度が10℃以上となる時間を5分以下にするとよい。
ここで、溶解槽内において酸化第一錫粉末が使用済みのSn合金めっき液内に溶解される際に、Sn合金めっき液内での酸化第一錫粉末の溶解によって上昇するSn合金めっき液の温度が10℃以上となる時間が5分を超えると、2価の錫イオンの一部が酸化して、Sn合金めっき液中における4価の錫イオンが増加する可能性がある。
これに対し、上記態様では、Sn合金めっき液内での酸化第一錫粉末の溶解によって上昇するめっき液の温度が10℃以上となる時間が5分以下となるようにしているので、2価の錫イオンを2価の状態で確実に維持でき、めっき液へのSn成分の補給効率をより高めることができる。
本発明のSn合金めっき用補給液製造方法は、使用済みのSn合金めっき液を10℃以下に冷却し、その冷却状態のSn合金めっき液に10℃以下の酸化第一錫粉末を溶解させる。
本発明では、10℃以下に冷却され、冷却状態の使用済みのSn合金めっき液に、10℃以下の酸化第一錫粉末を溶解させるので、酸化第一錫粉末が溶解時に発熱しても、Sn合金めっき液の温度が常温にまで上昇しないので、2価の錫イオンが酸化して4価の錫イオンとなることを抑制でき、2価の錫イオン(Sn成分)を2価の状態で維持することができる。したがって、使用済みのSn合金めっき液に酸化第一錫粉末に基づくSn成分を補給したSn合金めっき用補給液を効率よく製造できる。
本発明のSn合金めっき用補給液製造方法の好ましい態様としては、前記酸化第一錫粉末の前記Sn合金めっき液内での溶解によって上昇する該Sn合金めっき液のピーク温度を15℃以下にするとよい。
上記態様では、酸化第一錫粉末がSn合金めっき液内で溶解した際におけるSn合金めっき液のピーク温度が15℃以下となるようにしているので、2価の錫イオンを2価の状態で確実に維持でき、酸化第一錫粉末に基づくSn成分を補給したSn合金めっき用補給液をより効率よく製造できる。
本発明のSn合金めっき用補給液製造方法の好ましい態様としては、前記酸化第一錫粉末の前記めっき液内での溶解によって上昇する該Sn合金めっき液の温度が10℃以上となる時間を5分以下にするとよい。
上記態様では、Sn合金めっき液内での酸化第一錫粉末の溶解によって上昇するSn合金めっき液の温度が10℃以上となる時間が5分以下となるようにしているので、2価の錫イオンを2価の状態で確実に維持でき、酸化第一錫粉末に基づくSn成分を補給したSn合金めっき用補給液をさらに効率よく製造できる。
本発明のSn成分補給装置は、めっき槽内に貯留したSn合金めっき液にSn成分を補給するSn成分補給装置であって、前記めっき槽に接続され、前記めっき槽内に貯留した使用済みの前記Sn合金めっき液のうち少なくとも一部を抜き出した前記Sn合金めっき液に酸化第一錫粉末を溶解させる溶解槽と、前記溶解槽に前記めっき槽内に貯留した前記Sn合金めっき液を回収する回収路と、前記溶解槽内のSn成分が補給された前記Sn合金めっき液を前記めっき槽に供給する供給路と、前記溶解槽内の前記Sn合金めっき液、及び前記酸化第一錫粉末のそれぞれを冷却して10℃以下に保持する冷却手段と、を備える。
本発明では、溶解槽によってSn成分が補給されたSn合金めっき液をめっき槽に確実に供給できるので、めっき処理を確実に実行できる。
本発明によれば、10℃以下に冷却された状態のSn合金めっき液に10℃以下の酸化第一錫粉末が溶解されるので、Sn合金めっき液中に酸化第一錫粉末を溶解させる際の2価の錫イオンから4価の錫イオンへの酸化を抑制でき、Sn合金めっき液へのSn成分の補給効率を高めることができる。
本発明の第1実施形態に係るSn成分補給方法の第1実施形態に適用されるめっき装置を示す全体構成図である。 本発明の第2実施形態に係るSn合金めっき液用補給液製造方法及びSn成分補給方法の第2実施形態に適用されるめっき装置を示す全体構成図である。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について図面を用いて説明する。
[めっき装置の構成]
本実施形態のめっき装置1は、図1に示すように、めっき槽3内に貯留されたSn合金めっき液E(以下、めっき液Eという)にSn成分を補給するSn成分補給装置2を備えている。また、めっき液Eには、電源11に接続された陽極12と陰極13とが浸漬されている。この陽極12としては、チタン板等を白金や酸化イリジウムなどで被覆した金属電極、あるいは、カーボン等からなる不溶性陽極が適用される。一方、陰極13には、めっき液E内の2価の錫イオン(Sn2+)により錫めっきの対象となる対象金属が適用される。なお、めっき槽3におけるめっき液Eの温度は、25℃以上35℃以下に設定されている。
[めっき液の組成]
めっき槽3内に貯留されるめっき液Eとしては、Sn−Ag合金めっき液等が用いられている。このめっき液Eには、2価の錫イオン(Sn2+)、銀イオン(Ag)の他、酸、錯化剤及び添加材が含まれている。例えば、このめっき液Eの組成は、Sn2+が50g/L、Agが0.6g/L、酸が120g/L、錯化剤が170g/L、添加材が40ml/Lとなっている。
なお、錯化剤としては、グルコン酸、クエン酸、グルコへプトン酸、グルコノラクトン、グルコヘプトラクトン、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グリコール酸、リンゴ酸酒石酸、ジグリコール酸、乳酸及びこれらの塩、エチレンジアミン、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、イミノジ酢酸、イミノジプロピオン酸及びこれらの塩等が適用されることが好ましい。また、添加材としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等の非イオン性界面活性剤が適用されることが好ましい。
また、酸としては、硫酸、メタンスルホン酸等のアルキルスルホン酸等を用いることができる。
[Sn成分補給装置の構成]
Sn成分補給装置2は、図1に示すように、めっき槽3に接続され、めっき槽3から抜き出しためっき液Eに酸化第一錫粉末を溶解させて該めっき液EにSn成分を補給する溶解槽4と、溶解槽4内のめっき液Eを冷却して10℃以下に保持する温度制御装置5と、溶解槽4にめっき槽3内に貯留しためっき液Eを回収する回収路6と、溶解槽4からSn成分が補給されためっき液(再生液)をめっき槽3に供給する供給路7と、回収路6内にめっき液Eを流通させるポンプ8と、めっき槽3から溶解槽4へと流通するめっき液EにおけるSn成分濃度(2価のイオン錫の成分比率)及び酸濃度を分析する分析装置9と、溶解槽4からめっき槽3へと流通するSn成分が補給されためっき液Eから不純物を除去するフィルタ10と、を備えている。
これらのうち、溶解槽4は、回収路6を介して回収されためっき液Eを貯留する。この溶解槽4内に貯留されためっき液Eには、酸化第一錫粉末が供給される。この溶解槽4には、本発明の冷却手段に相当する温度制御装置5が設けられている。
温度制御装置5は、溶解槽4内に貯留されためっき液Eを10℃以下に冷却する機能を有する。これにより、溶解槽4内のめっき液Eが10℃以下に維持される。なお、溶解槽4内においてめっき液Eの温度が−20℃を下回ると、めっき液Eが凍結する可能性があるため、溶解槽4内に貯留されるめっき液Eの温度は、−20℃以上10℃以下が好ましく、より好ましくは、−20℃以上5℃以下が好ましい。
分析装置9は、溶解槽4に流入する前のめっき液E(回収路6を流通するめっき液E)における2価の錫イオン(Sn2+)の濃度及び酸濃度を分析する。この分析装置9により分析された2価の錫イオンの濃度及び酸濃度に応じて、溶解槽4内に投入される酸化第一錫粉末の量が決定される。具体的には、めっき液Eは、めっき槽3においてめっき処理が実行されると、2価の錫イオンの濃度が低下し、かつ、酸濃度が上昇するため、これらを分析装置9により分析して、酸化第一錫粉末の投入量を決定することとしている。
フィルタ10は、Sn成分が補給されためっき液E内に含まれるスラッジ等の不純物を除去する機能を有する。このフィルタ10をSn成分が補給されためっき液Eが挿通することにより、不純物が除去され、かつSn成分が補給されためっき液Eが供給路7を介してめっき槽3内に供給される。
[酸化第一錫粉末の構成]
溶解槽4に投入される酸化第一錫粉末の平均粒径は、5μm以上25μm以下の範囲であることが好ましい。平均粒径がこの範囲の酸化第一錫粉末は、酸又は酸性めっき液への溶融性が極めて高い、すなわち、酸又は酸性めっき液への易溶性があるからである。
この酸化第一錫粉末は、溶解槽4に投入される直前まで、本発明の冷却手段に相当する保冷庫にて10℃以下で保冷されている。なお、酸化第一錫粉末は、氷結されて保存されていてもよい。
[Sn成分補給方法]
めっき槽3において、電源11の投入により陰極13に対するめっき処理が実行されると、めっき液E内の2価の錫イオンは、陰極13の表面にSnとして析出されることから、めっき液E内の2価の錫イオンの濃度が低下する。また、これに伴い、めっき液E内の酸濃度が上昇する。この2価の錫イオンの濃度が低下すると、陰極13に対するめっき処理の効率が低下するため、Sn成分補給装置2によって、めっき液Eに対する2価の錫イオン(Sn成分)の補給処理が実行される。
まず、Sn成分補給装置2では、ポンプ8が駆動し、めっき槽3からめっき処理後のめっき液Eの全量が回収路6を介して分析装置9に供給される。そして分析装置9によりめっき液Eにおける2価の錫イオン濃度及び酸濃度が分析された後、めっき液Eは、溶解槽4に供給される。この溶解槽4に供給されためっき液Eは、温度制御装置5により冷却され10℃以下の状態が維持される。そして、10℃以下に維持されためっき液Eに対して、分析装置9により分析されためっき液Eの2価の錫イオン濃度及び酸濃度に応じた量の10℃以下に冷却された状態の酸化第一錫粉末が投入される。これにより、溶解槽4において、10℃以下の酸化第一錫粉末が10℃以下に冷却された状態のめっき液E内の酸成分と反応して溶解される。この際、酸化第一錫粉末の溶解によってめっき液Eの温度が上昇するが、温度制御装置5は、そのピーク温度を15℃以下で、かつ酸化第一錫粉末のめっき液E内での溶解によって上昇する該めっき液Eの温度が10℃以上となる時間を5分以下にするように調整する。この調整は、酸化第一錫粉末の量に応じて温度制御装置5の出力を制御することにより行い、例えば、酸化第一粉末の量が多いほど、めっき液Eを冷却する出力を上げて、該めっき液Eの温度が10℃以上となる時間を5分以下にする。
このようにして、酸化第一錫粉末がめっき液E内に溶解されることにより、該めっき液E内にSn成分(2価の錫イオン)が補給されることにより、2価の錫イオン濃度が上昇し、かつ、酸濃度が低下する。そして、Sn成分が補給されためっき液Eは、供給路7を介してフィルタ10に流通され、めっき液E内の不純物が除去され、めっき槽3に供給される。これにより、めっき槽3内には、Sn成分が補給されためっき液Eが供給され、めっき処理が実行される。
なお、上記実施形態では、めっき槽3から使用済みのめっき液Eの全量を回収し、Sn成分を補給しためっき液Eをめっき槽3に供給することとしたが、これに限らず、例えば、使用済みのめっき液Eを一部ずつ回収して、めっき槽3内のめっき液Eに対する補給液を生成してめっき槽3に供給してもよく、分析装置9によりめっき液E内の2価の錫イオン濃度が所定の濃度を超え、かつ、酸濃度が所定の濃度を下回るまで継続して実行すればよい。
本実施形態では、10℃以下に冷却されためっき液Eに、10℃以下の酸化第一錫粉末を溶解させることにより、酸化第一錫粉末が溶解時に発熱しても、めっき液Eの温度が常温にまで上昇しないので、酸化第一錫粉末の2価の錫イオンが酸化して4価の錫イオンとなることを抑制でき、酸化第一錫粉末の2価の錫イオン(Sn成分)を2価の状態で維持できる。したがって、使用済みのめっき液Eに酸化第一錫粉末に基づくSn成分を補給し、Sn成分が補給されためっき液Eをめっき槽3に供給することで、めっき液Eに対するSn成分の補給効率を高めることができる。
また、酸化第一錫粉末のめっき液E内で溶解した際におけるめっき液Eのピーク温度が15℃以下で、かつ、めっき液E内での酸化第一錫粉末の溶解によって上昇するめっき液Eの温度が10℃以上となる時間が5分以下となるようにしているので、酸化第一錫粉末の2価の錫イオンを2価の状態で確実に維持でき、めっき液EへのSn成分の補給効率をより高めることができる。
なお、酸化第一錫粉末を冷却して10℃以下の状態で保持しているので、酸化第一錫粉末自体の酸化も抑制できる。
[第2実施形態]
上記第1実施形態では、Sn成分補給装置2は、溶解槽4に酸化第一錫粉末を投入する方法によりめっき液EにSn成分を補給する構成としたが、これに限らず、例えば図2に示す構成であってもよい。以下、本発明の第2実施形態について、図面を用いて説明する。なお、上記第1実施形態の各構成と同一又は略同一の構成については、同番号を付し、説明を省略又は簡略化する。
図2は、本発明の第2実施形態に係るめっき装置1Aを示す全体構成図である。
本実施形態のめっき装置1Aは、Sn成分補給装置2に代えてSn成分補給装置2Aを備える。Sn成分補給装置2Aは、溶解槽4A、本発明の冷却手段に相当する第1冷却装置5A及び第2冷却装置5B、回収路6、供給路7、ポンプ8並びに分析装置9を備える。
これらのうち溶解槽4Aは、フィルタ41と、酸化第一錫粉末を収容する収容部42とを備えている。フィルタ41は、収容部42におけるめっき液Eが流入する側、及びSn成分が補給されためっき液E(補給液)が流出する側の両側に配置されている。
また、収容部42の周囲には、第2冷却装置5Bが配置され、この第2冷却装置5Bにより酸化第一錫粉末が10℃以下に冷却され、その温度が維持されるようになっている。
一方、第1冷却装置5Aは、回収路6の周囲に配置され、回収路6内を流通するめっき液Eを10℃以下に冷却している。これにより、回収路6により10℃以下に冷却された状態のめっき液Eがフィルタ41を介して収容部42に流入することとなる。
[Sn合金めっき用補給液製造方法及びSn成分補給方法]
Sn成分補給装置2Aでは、ポンプ8が駆動し、めっき槽3からめっき処理後のめっき液Eの一部が回収路6を介して分析装置9に供給される。そして分析装置9によりめっき液Eにおける2価の錫イオン濃度及び酸濃度が分析された後、めっき液Eは、回収路6を流通する際に第1冷却装置5Aにより10℃以下に冷却され、その温度が維持されためっき液Eが流入側のフィルタ41を介して溶解槽4Aに供給される。そして、第2冷却装置5Bにより10℃以下に冷却された状態の酸化第一錫粉末が収容された収容部42内を、10℃以下に維持されためっき液Eが流通することで、溶解槽4A(収容部42)において、10℃以下の酸化第一錫粉末が10℃以下に冷却された状態のめっき液E内に溶解される。この際、酸化第一錫粉末の溶解によってめっき液Eの温度が上昇するが、めっき液E及び酸化第一錫粉末のそれぞれが10℃以下の温度に維持されているため、そのピーク温度は15℃以下となる。
このようにして、酸化第一錫粉末がめっき液E内に溶解されることにより、該めっき液E内にSn成分(2価の錫イオン)が補給され、2価の錫イオン濃度が上昇し、かつ、酸濃度が低下する。そして、Sn成分が補給されためっき液E(補給液)は、流出側に位置するフィルタ41により補給液内の不純物が除去され、供給路7を介してめっき槽3に供給される。これにより、めっき槽3内に貯留されていためっき液EにSn成分が補給されためっき液E(補給液)が混合されることにより、めっき槽3内のめっき液Eの2価の錫イオン濃度が上昇し、かつ、酸濃度が低下する。
なお、このめっき液Eに対するSn成分の補給処理は、分析装置9によりめっき液E内の2価の錫イオン濃度が所定の濃度を超え、かつ、酸濃度が所定の濃度を下回るまで継続して実行される。
本実施形態では、第1実施形態のように、分析装置9により分析されためっき液Eの2価の錫イオン濃度及び酸濃度に応じた量の酸化第一錫粉末を溶解槽4に投入する構成を設ける必要がない。すなわち、本実施形態では、酸化第一錫粉末を収容部42内に過剰に収容しておくことで、連続的にめっき液Eを流通させてめっき液SにSn成分を補給でき、めっき装置1Aを簡略化できる。また、収容部42の流入側及び流出側のいずれにもフィルタ41を備えているので、収容部42内に不純物が流入することを抑制でき、かつ、収容部42内において発生した不純物がめっき槽3に供給されることを抑制できる。
その他、細部構成は上記各実施形態の構成のものに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記各実施形態では、回収路6及び供給路7をそれぞれ設けることとしたが、これに限らず、回収路6及び供給路7のいずれかが回収路及び供給路として機能してもよい。
[試験手順]
めっき槽に25℃〜35℃のSn合金めっき液を貯留し、正極にPtを被覆したチタン板を用い、負極に銅板を用い、液量2LのSn合金めっき液に対して2Aの電流で5時間電解した。この際、Sn合金めっき液として、三菱マテリアル株式会社製TS−140を用いた。電解前のSn合金めっき液の組成は、Sn2+が50g/L、Agが0.6g/L、酸が120g/L、錯化剤が170g/L、添加材が40ml/Lである。また、5時間電解後のSn合金めっき液の組成は、Sn2+が39g/L、Agが0.4g/L、酸が137g/L、錯化剤が170g/L、添加材が40ml/Lである。
上記組成の電解後のSn合金めっき液を1Lずつに分け、それぞれから130ml抜き取り、100gの酸化第一錫粉末と10分間撹拌後、混合液をろ過し、Sn合金めっき液と混合した。この際、酸化第一錫粉末とSn合金めっき液との混合は、以下に示す条件において行った。
実施例1では、Sn合金めっき液が貯留されるビーカーを氷浴中に浸漬させて該Sn合金めっき液を6℃に維持しながら、0℃の酸化第一錫粉末を投入して行った。また、実施例2では、−10℃のSn合金めっき液内に−10℃の酸化第一錫粉末を投入して混合した。
比較例1では、25℃のSn合金めっき液内に25℃の酸化第一錫粉末を投入して混合した。また、比較例2では、25℃のSn合金めっき液内に0℃の酸化第一錫粉末を投入して混合した。さらに、比較例3では、0℃のSn合金めっき液内に25℃の酸化第一錫粉末を投入して混合した。
上記各実施例1,2及び比較例1〜3のそれぞれにおけるSn合金めっき液において、溶解液のピーク温度、溶解液が10℃以上となる時間及びSn成分補給後のSn合金めっき液の2価の錫イオン濃度を検出した。また、Sn成分補給後のSn合金めっき液の2価の錫イオン濃度を電解前の2価の錫イオン濃度で除した値に100を乗じて得た数値をSn成分の補給効率とした。これらの結果を表1に示す。
Figure 2019147971
表1の結果からわかるように、混合時の液温度(混合時のSn合金めっき液の温度)及び粉温度(酸化第一錫粉末の温度)のいずれもが10℃以下の実施例1及び2は、補給後のSn濃度が49.6g/L以上であり、補給効率がいずれも99%以上であり、比較例1〜3に比べてSn合金めっき液のSn成分の補給効率が高いことが分かる。
1 めっき装置
1A めっき装置
2 Sn成分補給装置
2A Sn成分補給装置
3 めっき槽
4 溶解槽
4A 溶解槽
5 温度制御装置
5A 第1冷却装置
5B 第2冷却装置
6 回収路
7 供給路
8 ポンプ
9 分析装置
10 フィルタ
11 電源
12 陽極
13 陰極
E めっき液(Sn合金めっき液)

Claims (7)

  1. めっき槽内に貯留したSn合金めっき液にSn成分を補給するSn成分補給方法であって、
    前記めっき槽から使用済みの前記Sn合金めっき液の少なくとも一部を抜き出し、抜き出した前記Sn合金めっき液を10℃以下に冷却し、前記めっき槽とは異なる溶解槽内で、その冷却状態のSn合金めっき液に10℃以下の酸化第一錫粉末を溶解させてSn成分を補給し、Sn成分を補給した前記Sn合金めっき液を前記めっき槽に供給することを特徴とするSn合金めっき液へのSn成分補給方法。
  2. 前記溶解槽における前記酸化第一錫粉末の前記Sn合金めっき液内での溶解によって上昇する該Sn合金めっき液のピーク温度を15℃以下にすることを特徴とする請求項1に記載のSn合金めっき液へのSn成分補給方法。
  3. 前記溶解槽における前記酸化第一錫粉末の前記Sn合金めっき液内での溶解によって上昇する該Sn合金めっき液の温度が10℃以上となる時間を5分以下にすることを特徴とする請求項1又は2に記載のSn合金めっき液へのSn成分補給方法。
  4. 使用済みのSn合金めっき液を10℃以下に冷却し、その冷却状態のSn合金めっき液に10℃以下の酸化第一錫粉末を溶解させることを特徴とするSn合金めっき用補給液製造方法。
  5. 前記酸化第一錫粉末の前記Sn合金めっき液内での溶解によって上昇する該Sn合金めっき液のピーク温度を15℃以下にすることを特徴とする請求項4に記載のSn合金めっき用補給液製造方法。
  6. 前記酸化第一錫粉末の前記Sn合金めっき液内での溶解によって上昇する該Sn合金めっき液の温度が10℃以上となる時間を5分以下にすることを特徴とする請求項4又は5に記載のSn合金めっき用補給液製造方法。
  7. めっき槽内に貯留したSn合金めっき液にSn成分を補給するSn成分補給装置であって、
    前記めっき槽に接続され、前記めっき槽内に貯留した使用済みの前記Sn合金めっき液のうち少なくとも一部を抜き出した前記Sn合金めっき液に酸化第一錫粉末を溶解させる溶解槽と、
    前記溶解槽に前記めっき槽内に貯留した前記Sn合金めっき液を回収する回収路と、
    前記溶解槽内のSn成分が補給された前記Sn合金めっき液を前記めっき槽に供給する供給路と、
    前記溶解槽内の前記Sn合金めっき液、及び前記酸化第一錫粉末のそれぞれを冷却して10℃以下に保持する冷却手段と、を備えることを特徴とするSn成分補給装置。
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