JP2019144585A - 光ファイバケーブル - Google Patents

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Abstract

【課題】補強シートおよび外部シースの引き裂き作業性を改善するとともに、光ファイバケーブルの製造効率を向上させる。【解決手段】光ファイバケーブル1Aは、コア11およびコアを収容する内部シース14を有するケーブル本体10Aと、ケーブル本体を囲繞する補強シート20と、ケーブル本体および補強シートを収容する外部シース30と、内部シースに埋設された外側リップコード12と、を備え、内部シースには、径方向外側に向けて突出する突起部15が形成され、外側リップコードの少なくとも一部が、突起部の内側に位置している。【選択図】図1

Description

本発明は、光ファイバケーブルに関する。
従来から、下記特許文献1に示されるような光ファイバケーブルが知られている。この光ファイバケーブルは、光ファイバを有するケーブル本体と、リップコードと、補強シートと、外部シースと、を備えている。補強シートは、ケーブル本体を囲繞しており、ケーブル本体がネズミやリスなどに噛まれて光ファイバが損傷することを防いでいる。リップコードは、ケーブル本体と補強シートとの間の隙間に設けられており、光ファイバケーブルの解体時や中間後分岐作業の際に、補強シートおよび外部シースを引き裂くために用いられている。
特開2017−72801号公報
ところで、近年では、例えば全長1m程度の短い光ファイバケーブルが用いられる場合がある。このように光ファイバケーブルが短い場合、リップコードを用いて補強シートおよび外部シースを引き裂こうとしても、リップコードが光ファイバケーブル内から不意に抜けてしまい、正常に引き裂き作業を行うことができない場合があった。特に上記特許文献1の構成では、ケーブル本体と補強シートとの間の隙間内にリップコードが配置されており、引き裂き作業の際にリップコードが抜けやすい。
また、補強シートが丸められて重なっている部分がある場合には、リップコードがその重なり部分の内側に位置すると、補強シートを引き裂くために必要な力が極めて大きくなってしまう。そこで光ファイバケーブルの製造時に、補強シートの重なり部分の内側ではない位置にリップコードを位置させようとしても、上記特許文献1の構成ではリップコードの位置が安定せず、製造効率を低下させる要因となっていた。
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、補強シートおよび外部シースの引き裂き作業性を改善するとともに、光ファイバケーブルの製造効率を向上させることを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様に係る光ファイバケーブルは、コアおよび前記コアを収容する内部シースを有するケーブル本体と、前記ケーブル本体を囲繞する補強シートと、前記ケーブル本体および前記補強シートを収容する外部シースと、前記内部シースに埋設された外側リップコードと、を備え、前記内部シースには、径方向外側に向けて突出する突起部が形成され、前記外側リップコードの少なくとも一部が、前記突起部の内側に位置している。
上記第1の態様によれば、補強シートおよび外部シースを引き裂くための外側リップコードが、内部シースに埋設されている。このため、外側リップコードを光ファイバケーブル内から引き抜く際の引き抜き力が大きくなり、引き裂き作業の際に外側リップコードが不意に抜けてしまうことが抑えられる。また、外側リップコードの少なくとも一部が突起部の内側に位置しているため、工具などを用いて突起部ごと外側リップコードを挟持し、この外側リップコードを外部シースの外側に取り出すことができる。従って、外側リップコードを用いた引き裂き作業を行いやすくすることができる。
さらに、外側リップコードが内部シース内で固定されているため、光ファイバケーブルの製造時に、外側リップコードの位置が安定する。これにより、外側リップコードが補強シートの重なり部の内側を除く領域に位置するように光ファイバケーブルを製造することが容易となり、製造効率を向上させることができる。
本発明の上記態様によれば、補強シートおよび外部シースの引き裂き作業性を改善するとともに、光ファイバケーブルの製造効率を向上させることができる。
第1実施形態に係る光ファイバケーブルの横断面図である。 第2実施形態に係る光ファイバケーブルの横断面図である。 図2の光ファイバケーブルからコアを取り出す作業を説明する図である。 第2実施形態の変形例に係る光ファイバケーブルの横断面図である。 第3実施形態に係る光ファイバケーブルの横断面図である。 第4実施形態に係る光ファイバケーブルの横断面図である。 第4実施形態の変形例に係る光ファイバケーブルの横断面図である。 第5実施形態に係る光ファイバケーブルの横断面図である。 第5実施形態の変形例に係る光ファイバケーブルの横断面図である。 第5実施形態の他の変形例に係る光ファイバケーブルの横断面図である。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態に係る光ファイバケーブルの構成を、図1を参照しながら説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため縮尺を適宜変更している。
図1に示すように、光ファイバケーブル1Aは、光ファイバを有するケーブル本体10Aと、補強シート20と、外部シース30と、を備えている。
ここで本実施形態では、ケーブル本体10Aの長手方向を単に長手方向といい、ケーブル本体10Aの中心軸線を単に中心軸線Oという。また、中心軸線Oに直交する断面を横断面という。横断面視で、中心軸線Oに直交する方向を径方向といい、中心軸線O回りに周回する方向を周方向という。
ケーブル本体10Aは、コア11と、一対の外側リップコード12と、一対の抗張力体(テンションメンバ)13と、内部シース14と、を有している。
コア11は、長手方向に延びている。コア11は、複数本の光ファイバを集合することで構成されている。コア11を構成する光ファイバとしては、光ファイバ素線、光ファイバ心線、光ファイバテープ心線などを用いることができる。コア11を構成する複数の光ファイバは、例えば、束ねられた状態で、結束材によって結束されている。複数の光ファイバは、押さえ巻きや吸水テープ(シート)で覆われていてもよい。コア11の横断面形状は、特に限定されず、円形であってもよく、楕円形であってもよく、矩形であってもよい。
一対の抗張力体13は、横断面視においてコア11を挟むように、内部シース14に埋設されている。各抗張力体13は、長手方向に延びている。各抗張力体13は、長手方向でコア11に対して平行に配置されていてもよく、コア11を中心とした螺旋状に配置されていてもよい。
抗張力体13は、光ファイバケーブル1Aに作用する張力から、コア11の光ファイバを保護する役割を有している。抗張力体13の材質は、例えば、金属線(鋼線等)、抗張力繊維(アラミド繊維等)、FRPなどである。抗張力体13は単線であってもよく、複数の素線を束ねたり互いに撚り合わせたりしたものであってもよい。
横断面視において、一対の抗張力体13の各中心を結ぶ直線を、中立線Lという。中立線Lに対して垂直な方向(図1における上下方向)に光ファイバケーブル1Aを曲げると、その他の方向に光ファイバケーブル1Aを曲げた場合と比較して、抗張力体13の伸縮が小さくなる。従って、光ファイバケーブル1Aは、中立線Lに対して垂直な方向に曲げることが比較的容易である。
なお、ケーブル本体10Aには3本以上の抗張力体13が含まれていてもよい。3本以上の抗張力体13を周方向で等間隔に配置した場合、ケーブル本体10Aの曲げの方向性が小さくなり、光ファイバケーブル1Aをより取扱いやすくすることができる。
内部シース14は、コア11および一対の抗張力体13を一括して被覆する。内部シース14の材料としては、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)等の樹脂が使用可能である。
内部シース14は、略円柱状に形成されている。内部シース14の外周面には、径方向外側に向けて突出する一対の突起部15が形成されている。内部シース14および一対の突起部15は、押出し成形などによって一体に形成されている。一対の突起部15は、周方向に等間隔を開けて配置されている。横断面視において、一対の突起部15は、一対の抗張力体13同士を結ぶ直線に直交する直線上に位置している。各突起部15は、横断面視において、略半円形状に形成されている。
外側リップコード12は、補強シート20および外部シース30を引き裂く作業(以下、単に引き裂き作業という)の際に使用される。外側リップコード12には、補強シート20および外部シース30を切り裂くことができる程度の機械的強度(例えば引張強度)が要求される。
一対の外側リップコード12は、横断面視において、一対の抗張力体13同士を結ぶ直線に直交する直線上に位置している。各外側リップコード12は、長手方向に延びている。外側リップコード12としては、ポリエステル、アラミド等の合成繊維を撚り合わせた紐を用いることができる。外側リップコード12は、内部シース14の突起部15に埋設されており、突起部15の内側に位置している。本実施形態では、外側リップコード12は、横断面視において突起部15の外側に露出していない。このため、内部シース14および突起部15を押出し成形した後水槽で冷却しても、外側リップコード12に水分が浸透するのを防止することができる。
補強シート20は、長手方向に延びており、ケーブル本体10Aを囲繞する筒状に形成されている。補強シート20の材質としては、ステンレス鋼、銅、銅合金などの金属を用いることができる。また、ガラス繊維やアラミド繊維などを用いた繊維シートや、FRPなどを補強シート20として用いてもよい。補強シート20は、例えばテープ状とされ、長さ方向をケーブル本体10Aの長さ方向に合わせて設けられることが望ましい。補強シート20の厚さは、例えば0.1〜0.3mm程度である。補強シート20の厚さをこの範囲とすることで、動物の食害によりコア11の光ファイバが損傷するのを防ぎ、かつ、外側リップコード12によって補強シート20を切り裂く操作を容易にすることができる。
補強シート20は、ケーブル本体10Aを全周にわたって囲繞するとともに、周方向の一部で重ねられている。補強シート20が重ねられた部分を重なり部20aという。
ここで、光ファイバケーブル1Aは、上述の通り、中立線Lに対して垂直な方向に曲がりやすい。このため、例えば重なり部20aが中立線L上に位置していると、光ファイバケーブル1Aの取り扱いの際に、重なり部20aと外部シース30とが相対的に動きやすくなる。重なり部20aと外部シース30とが相対的に動くと、重なり部20aにおける外周側の補強シート20の側縁20bが、外部シース30の内面を傷つけてしまう場合がある。そこで本実施形態では、横断面視において、重なり部20aにおける外周側の補強シート20の側縁20bと、抗張力体13とが、周方向において異なる位置に配置されている。
さらに本実施形態では、横断面視において、重なり部20aの全体と抗張力体13とが周方向において異なる位置に配置されている。これにより、側縁20bと中立線Lとの間の距離が大きくなり、外部シース30の内面が傷つくのをより確実に抑えることができる。
補強シート20におけるケーブル本体10Aを向く面には第1接着フィルム21が貼り付けられており、補強シート20における外部シース30を向く面には第2接着フィルム22が貼り付けられている。第1接着フィルム21および第2接着フィルム22に用いられる接着剤としては、例えば熱硬化型の接着剤を用いることができる。なお、接着剤の材質は適宜変更してもよい。第2接着フィルム22は、外部シース30を補強シート20に固定する役割を有している。また、第1接着フィルム21および第2接着フィルム22のうち、重なり部20aにおいて補強シート20同士の間に位置している部分は、重なり部20aで補強シート20同士を固定する役割を果たしている。
外部シース30は、ケーブル本体10Aおよび補強シート20を収容している。外部シース30は、長手方向に延びる筒状に形成されている。外部シース30の材質としては、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)等の樹脂が使用可能である。
光ファイバケーブル1Aからコア11を取り出す場合には、まず、カッターなどの工具によって外部シース30および補強シート20を部分的に切り開く。次に、切り開かれた部分からペンチなどの工具を進入させ、突起部15ごと外側リップコード12を挟持し、外部シース30の外側に引き出す。この操作により、長手方向に延びる外側リップコード12によって補強シート20および外部シース30が引き裂かれ、ケーブル本体10Aを取り出すことができる。そして、ケーブル本体10Aを切り開くことで、コア11を取り出すことができる。
以上説明した構成の光ファイバケーブル1Aによれば、補強シート20および外部シース30を引き裂くための外側リップコード12が、内部シース14の突起部15に埋設されている。このため、外側リップコード12を光ファイバケーブル1A内から引き抜く際の引き抜き力が大きくなり、引き裂き作業の際に外側リップコード12が不意に抜けてしまうことが抑えられる。従って、外側リップコード12を用いた引き裂き作業を行いやすくすることができる。
また、外側リップコード12が突起部15内で固定されているため、光ファイバケーブル1Aの製造時に、外側リップコード12の位置が安定する。これにより、外側リップコード12が補強シート20の重なり部20aの径方向内側を除く領域に位置するように光ファイバケーブル1Aを製造することが容易となり、製造効率を向上させることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態について説明するが、第1実施形態と基本的な構成は同様である。このため、同様の構成には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
第2実施形態の光ファイバケーブル1Bは、第1実施形態の光ファイバケーブル1Aに対してさらに改良を加えたものであり、補強シート20および外部シース30を引き裂いた後、コア11を取り出す作業がより容易になっている。
図2に示すように、本実施形態のケーブル本体10Bは、一対の外側リップコード12に加えて、一対の内側リップコード16を有している。内側リップコード16は、内部シース14のうち、突起部15および外側リップコード12の径方向内側の部分に埋設されている。このため、突起部15の根本部15bの肉厚が薄くなっており、この根本部15bを起点として突起部15が破断し、内部シース14から分断されやすくなっている。
内側リップコード16は、コア11に接している。内側リップコード16の外径をdとし、内部シース14のうち突起部15が形成されていない部分の厚みをtとするとき、d≧tを満足している。なお、光ファイバケーブル1Bはd≧tを満足していなくてもよい。
内側リップコード16の材質としては、ポリエステル、アラミドなどの合成繊維からなる紐の他、PPやナイロン製の円柱状ロッドなどを用いることができる。
本実施形態の突起部15は、横断面視において、略矩形状に形成されている。横断面視において、突起部15の側面15aは直線状に形成されている。また、この側面15aは、突起部15の周方向における幅Wが、径方向外側に向かうに従って漸次大きくなるように傾斜している。すなわち、突起部15の側面15aは、いわゆる逆テーパ状に形成されている。これにより、突起部15の根本部15bには、引張応力が集中しやすくなっている。
次に、以上のような構成の光ファイバケーブル1B内からコア11を取り出す作業の手順について説明する。
まず、カッターなどの工具を用いて、外部シース30および補強シート20を部分的に切開する。次に、切開された部分を通して、図3(a)に示すように、ペンチなどの既存の工具Kを補強シート20内に進入させる。そして、工具Kによって、突起部15ごと外側リップコード12を挟持する。このとき、突起部15の周方向における幅Wが径方向外側に向かうに従って漸次大きくなっているため、突起部15を挟持した工具Kが、突起部15から外れにくい。
次に、図3(b)に示すように、突起部15を挟持した状態で工具Kを引き上げる。これにより、突起部15の根本部15bに引張応力が集中し、根本部15bを起点として破断が生じ、突起部15と内部シース14とが分断される。これにより、突起部15ごと外側リップコード12を外部シース30の外側に引き出すことができる。そして、引き続き外側リップコード12を引き上げることで、外側リップコード12によって補強シート20および外部シース30を引き裂くことができる。
外側リップコード12を用いて、長手方向に沿って補強シート20および外部シース30を引き裂く際に、突起部15は外側リップコード12とともに内部シース14に対して引き離される。このため、突起部15も長手方向に沿って内部シース14から分断される。
ここで、内側リップコード16はコア11に接しており、内側リップコード16の外径dは内部シース14の厚みt以上となっている。このため、突起部15と内部シース14とを長手方向に沿って分断すると、図3(c)に示すように、内部シース14が自ずと二分割される。これにより、コア11を容易に取り出すことができる。
以上説明したように、本実施形態の光ファイバケーブル1Bによれば、外側リップコード12に加えて内側リップコード16が配置されており、外側リップコード12を用いて補強シート20および外部シース30を引き裂くことで、内部シース14が自ずと二分割される。従って、光ファイバケーブル1Bの解体作業や中間後分岐作業等の際に、コア11を容易に取り出すことが可能となり、作業効率を高めることができる。
また、突起部15の周方向における幅Wが径方向外側に向かうに従って大きくなっている。この構成により、突起部15を工具Kで挟持しやすくなり、さらに突起部15の根本部15bに引張応力が集中しやすくなっている。従って、突起部15とともに外側リップコード12を外部シース30の外側に引き出す作業がより容易となる。
また、内側リップコード16の内径dおよび内部シース14の厚みtがd≧tを満足していることで、突起部15と内部シース14とを分断した際に、より確実に内部シース14を分割させることができる。
なお、図2では、一対の内側リップコード16および一対の外側リップコード12が横断面視で一直線上に配置されていたが、本発明はこれに限られない。例えば図4に示すように、外側リップコード12が、内側リップコード16に対して周方向にずれた位置に配置されていてもよい。この場合でも、突起部15の根本部15bにおける肉厚が薄くなるため、根本部15bを起点として破断が生じやすく、容易に内側リップコード16を露出させることができる。
(第3実施形態)
次に、本発明に係る第3実施形態について説明するが、第2実施形態と基本的な構成は同様である。このため、同様の構成には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
本実施形態では、光ファイバケーブルが屋外に設置される場合や、内部シース14および突起部15を押出し成形する際に水槽に浸漬して冷却する場合を考慮して、防水性能を高めている。特に、外側リップコード12および内側リップコード16が繊維を撚り合わせた紐状である場合には、これら外側リップコード12および内側リップコード16に水分が浸透し、ケーブル本体内で走水が発生してしまうおそれがある。
そこで本実施形態の光ファイバケーブル1Cでは、図5に示すように、外側リップコード12が被覆12aによって覆われている。被覆12aの材質としては、水分を透過しないものが好ましい。例えば、接着性樹脂を外側リップコード12の外周に塗布することで、被覆12aを形成してもよい。
本実施形態によれば、図5に示すように外側リップコード12が部分的に突起部15から露出していたとしても、この露出部を通して水分が突起部15の内側に入り込んでしまうことを抑制することができる。従って、ケーブル本体10C内における走水を防止し、防水性能を高めることができる。
(第4実施形態)
次に、本発明に係る第4実施形態について説明するが、第2実施形態と基本的な構成は同様である。このため、同様の構成には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。前記第1〜第3実施形態では、突起部15が、円柱状の内部シース14の外周面から径方向外側に向けて突出していた。本実施形態では、内部シース14を、円柱形状の一部を除去した形状とすることで、突起部を形成している。
図6に示すように、本実施形態の光ファイバケーブル1D(ケーブル本体10D)では、円柱状の内部シース14の外周面に、径方向内側に向けて窪む第1溝部14a1および第2溝部14a2が形成されている。第1溝部14a1および第2溝部14a2は、周方向で間隔を空けて配置されている。内部シース14のうち、第1溝部14a1と第2溝部14a2との間の部分は、径方向外側に向けて突出した形状となっている。つまり、本実施形態では、一対の溝部14a1、14a2によって、第1突起部17aが形成されている。
また、コア11を挟む溝部14a1、14a2の径方向反対側には、第3溝部14a3および第4溝部14a4が形成されている。第3溝部14a3および第4溝部14a4は、内部シース14の外周面から径方向内側に向けて窪み、周方向で間隔を空けて配置されている。内部シース14のうち、第3溝部14a3と第4溝部14a4との間の部分は、径方向外側に向けて突出した形状となっている。つまり、一対の溝部14a1、14a2の径方向反対側に配置された一対の溝部14a3、14a4によって、第2突起部17bが形成されている。
溝部14a1〜14a4の内面は、径方向内側に向けて凸となる曲面状に形成されている。なお、溝部14a1〜14a4の形状は適宜変更してもよい。例えば、溝部14a1〜14a4は、横断面視で三角形状または矩形状であってもよい。また、溝部14a1〜14a4の形状は、互いに異なっていてもよい。
第1突起部17aを形成する一対の溝部14a1、14a2は、外側リップコード12を周方向で挟むように配置されている。同様に、第2突起部17bを形成する一対の溝部14a3、14a4は、外側リップコード12を周方向で挟むように配置されている。これにより、外側リップコード12の少なくとも一部は、第1突起部17aまたは第2突起部17bの内側に位置している。
第1突起部17aおよび第2突起部17bは、長手方向に沿って延びている。本実施形態でも、第1突起部17aまたは第2突起部17bを工具Kで挟持して引き上げることで、外側リップコード12を外部シース30の外側に引き出すことができる(図3(a)〜(c)参照)。
本実施形態では、横断面視において、一対の内側リップコード16、一対の外側リップコード12、および一対の突起部17a、17bが一直線上に配置されている。ただし、この配置は適宜変更してもよい。例えば図7に示すように、突起部17a、17b(外側リップコード12)は、周方向において内側リップコード16と異なる位置に配置されていてもよい。
(第5実施形態)
次に、本発明に係る第5実施形態について説明するが、第4実施形態と基本的な構成は同様である。このため、同様の構成には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図8に示すように、本実施形態の光ファイバケーブル1E(ケーブル本体10E)では、内部シース14に複数の平坦面14b1〜14b4が形成されている。内部シース14は、円柱形状の外周面の一部が切り欠かれた形状となっている。第1平坦面14b1および第2平坦面14b2は、第1突起部17aを周方向で挟むように配置されている。第1突起部17aは、一対の平坦面14b1、14b2によって形成されているということもできる。同様に、第3平坦面14b3および第4平坦面14b4は、第2突起部17bを周方向で挟むように配置されている。第2突起部17bは、一対の平坦面14b3、14b4によって形成されているということもできる。
第1突起部17aおよび第2突起部17bは、長手方向に沿って延びている。本実施形態でも、外側リップコード12の少なくとも一部が、第1突起部17aまたは第2突起部17bの内側に位置している。このため、第1突起部17aまたは第2突起部17bを工具Kで挟持して引き上げることで、外側リップコード12を外部シース30の外側に引き出すことができる(図3(a)〜(c)参照)。
平坦面14b1〜14b4は、長手方向に沿って延びている。また、横断面視において、平坦面14b1〜14b4は、中立線Lと略平行に延びている。ただし、平坦面14b1〜14b4の形状、配置は適宜変更してもよい。例えば図9に示すように、平坦面14b1〜14b4が、周方向で外側リップコード12に向かうに従って漸次径方向内側に向かう傾斜面となっていてもよい。また、第4実施形態における図7と同様に、突起部17a、17b(外側リップコード12)は、周方向において内側リップコード16と異なる位置に配置されていてもよい。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前記実施形態では、突起部15、外側リップコード12、および内側リップコード16はそれぞれ2つずつ設けられていたが、これらの数は適宜変更してもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した実施形態や変形例を適宜組み合わせてもよい。
例えば、第2実施形態における突起部15の形状を、第1実施形態における光ファイバケーブル1Aに適用してもよい。この場合でも、第2実施形態で述べたものと同様の作用効果を得ることができる。
また、第1実施形態の光ファイバケーブル1Aにおける外側リップコード12が、被覆12aで覆われていてもよい。
また、第3実施形態と第5実施形態とを組み合わせて、図10に示すように、傾斜面である平坦面14b1、14b2若しくは平坦面14b3、14b4に挟まれた突起部17a、17bから、外側リップコード12が露出していてもよい。そして、外側リップコード12が被覆12aで覆われていてもよい。この場合、外側リップコード12が取り出しやすくなるととともに、ケーブル本体10Eを製造する際に冷却水に浸漬しても、外側リップコード12の内部や突起部17a、17bの内側に水が入り込むことが抑えられる。
1A〜1E…光ファイバケーブル 10A〜10E…ケーブル本体 11…コア 12…外側リップコード 12a…被覆 13…抗張力体 14…内部シース 14a1〜14a4…溝部 14b1〜14b4…平坦面 15…突起部 16…内側リップコード 17a、17b…突起部 20…補強シート 30…外部シース

Claims (5)

  1. コアおよび前記コアを収容する内部シースを有するケーブル本体と、
    前記ケーブル本体を囲繞する補強シートと、
    前記ケーブル本体および前記補強シートを収容する外部シースと、
    前記内部シースに埋設された外側リップコードと、を備え、
    前記内部シースには、径方向外側に向けて突出する突起部が形成され、
    前記外側リップコードの少なくとも一部が、前記突起部の内側に位置しており、
    前記内部シースのうち、前記外側リップコードよりも径方向内側の部分には、内側リップコードが埋設されている、光ファイバケーブル。
  2. 前記突起部の周方向における幅は、径方向外側に向かうに従って漸次大きくなっている、請求項1に記載の光ファイバケーブル。
  3. 前記内側リップコードの外径をdとし、前記内部シースのうち前記突起部が形成されていない部分の厚みをtとするとき、
    d≧tを満足する、請求項1または2に記載の光ファイバケーブル。
  4. 前記突起部を周方向で挟むように、前記内部シースの外周面に一対の平坦面が形成されている、請求項1から3のいずれか1項に記載の光ファイバケーブル。
  5. 前記外側リップコードが被覆で覆われている、請求項1から4のいずれか1項に記載の光ファイバケーブル。
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