JP2019141089A - 金属製多孔膜、それを用いた分級方法、および分級装置 - Google Patents

金属製多孔膜、それを用いた分級方法、および分級装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2019141089A
JP2019141089A JP2019086498A JP2019086498A JP2019141089A JP 2019141089 A JP2019141089 A JP 2019141089A JP 2019086498 A JP2019086498 A JP 2019086498A JP 2019086498 A JP2019086498 A JP 2019086498A JP 2019141089 A JP2019141089 A JP 2019141089A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal porous
cell
porous membrane
cell aggregate
cell aggregates
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019086498A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6841294B2 (ja
Inventor
近藤 孝志
Takashi Kondo
孝志 近藤
萬壽 優
Masaru Manjiyu
萬壽  優
順子 渡邉
Junko Watanabe
順子 渡邉
長谷川 慎
Shin Hasegawa
慎 長谷川
民夫 水上
Tamio Mizukami
民夫 水上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Murata Manufacturing Co Ltd filed Critical Murata Manufacturing Co Ltd
Publication of JP2019141089A publication Critical patent/JP2019141089A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6841294B2 publication Critical patent/JP6841294B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M47/00Means for after-treatment of the produced biomass or of the fermentation or metabolic products, e.g. storage of biomass
    • C12M47/04Cell isolation or sorting
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D39/00Filtering material for liquid or gaseous fluids
    • B01D39/10Filter screens essentially made of metal
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D39/00Filtering material for liquid or gaseous fluids
    • B01D39/14Other self-supporting filtering material ; Other filtering material
    • B01D39/20Other self-supporting filtering material ; Other filtering material of inorganic material, e.g. asbestos paper, metallic filtering material of non-woven wires
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N15/00Investigating characteristics of particles; Investigating permeability, pore-volume or surface-area of porous materials
    • G01N15/02Investigating particle size or size distribution
    • G01N15/0272Investigating particle size or size distribution with screening; with classification by filtering
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D2239/00Aspects relating to filtering material for liquid or gaseous fluids
    • B01D2239/12Special parameters characterising the filtering material
    • B01D2239/1208Porosity
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N1/00Sampling; Preparing specimens for investigation
    • G01N1/28Preparing specimens for investigation including physical details of (bio-)chemical methods covered elsewhere, e.g. G01N33/50, C12Q
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N15/00Investigating characteristics of particles; Investigating permeability, pore-volume or surface-area of porous materials
    • G01N15/01Investigating characteristics of particles; Investigating permeability, pore-volume or surface-area of porous materials specially adapted for biological cells, e.g. blood cells
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N15/00Investigating characteristics of particles; Investigating permeability, pore-volume or surface-area of porous materials
    • G01N2015/0042Investigating dispersion of solids
    • G01N2015/0053Investigating dispersion of solids in liquids, e.g. trouble

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Sustainable Development (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Geology (AREA)
  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Separation Of Solids By Using Liquids Or Pneumatic Power (AREA)
  • Sampling And Sample Adjustment (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Combined Means For Separation Of Solids (AREA)

Abstract

【課題】細胞凝集塊の回収率を高めることができる金属製多孔膜、それを用いた分級方法および分級装置の提供。【解決手段】第1主面PS1と、前記第1主面に対向する第2主面PS2とを有すると共に、前記第1主面と前記第2主面とを連通する複数の貫通孔12を有する膜部11を備える金属製多孔膜10を準備するステップ、細胞凝集塊を含む液体を前記金属製多孔膜に通過させ、前記細胞凝集塊を前記金属製多孔膜に捕捉することによって、前記細胞凝集塊を分級するステップ、前記金属製多孔膜に捕捉された細胞凝集塊を回収するステップ、回収された前記細胞凝集塊を再培養するステップ、を含む細胞凝集塊の作製方法。【選択図】図1

Description

本発明は、細胞凝集塊を分級する金属製多孔膜、それを用いた分級方法および分級装置に関する。
細胞凝集塊(スフェロイド)を用いた薬効調査等において、均一な寸法の細胞凝集塊が求められている。
例えば、特許文献1には、フィルタを用いて細胞塊を分級することが開示されている。
特開2015−62400号公報
近年、フィルタを用いた細胞凝集塊の分級において、細胞凝集塊の回収率を高めることが望まれている。
本発明は、細胞凝集塊の回収率を高めることができる金属製多孔膜、それを用いた分級方法および分級装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様の金属製多孔膜は、
細胞凝集塊を分級する金属製多孔膜であって、
前記細胞凝集塊が捕捉される第1主面と、前記第1主面に対向する第2主面とを有すると共に、前記第1主面と前記第2主面とを連通する複数の貫通孔を有する膜部を備える。
本発明の一態様の分級方法は、
細胞凝集塊を分級する分級方法であって、
前記細胞凝集塊が捕捉される第1主面と、前記第1主面に対向する第2主面とを有すると共に、前記第1主面と前記第2主面とを連通する複数の貫通孔を有する膜部を備える金属製多孔膜を準備するステップ、
前記細胞凝集塊を含む液体を前記金属製多孔膜に通過させ、前記細胞凝集塊を前記金属製多孔膜に捕捉することによって、前記細胞凝集塊を分級するステップ、
を含む。
本発明の一態様の分級装置は、
細胞凝集塊を分級する分級装置であって、
前記細胞凝集塊が捕捉される第1主面と、前記第1主面に対向する第2主面とを有すると共に、前記第1主面と前記第2主面とを連通する複数の貫通孔を有する膜部を備える金属製多孔膜を備える。
本発明によれば、細胞凝集塊の回収率を高めることができる金属製多孔膜、それを用いた分級方法および分級装置を提供することができる。
本発明に係る実施の形態1における金属製多孔膜の膜部の一部の拡大斜視図である。 図1の金属製多孔膜の膜部の一部を厚み方向から見た概略図である。 図2のA−A線で切断した断面図である。 本発明に係る実施の形態1の分級装置の構成を示す概略図である。 本発明に係る実施の形態1の分級装置のハウジングを示す斜視図である。 図5のハウジングの一部を断面で示す斜視図である。 本発明に係る実施の形態1の分級方法のフローチャートである。 異なる寸法を有する細胞凝集塊を含む液体を示す写真である。 実施例1において細胞凝集塊を捕捉した金属製多孔膜の一部を拡大して撮影した写真である。 比較例1において、細胞凝集塊を捕捉したナイロンメッシュの一部を拡大して撮影した写真である。 比較例1のナイロンメッシュの交差部を拡大して撮影した写真を示す。 異なる寸法の細胞凝集塊を含む液体を示す写真である。 実施例2において、最上段の金属製多孔膜で回収した細胞凝集塊の拡大写真である。 実施例2において、中央の金属製多孔膜で回収した細胞凝集塊の拡大写真である。 実施例2において、最下段の金属製多孔膜で回収した細胞凝集塊の拡大写真である。 実施例2において、最上段の金属製多孔膜を通過した後の液体の一部を拡大して撮影した写真である。 実施例2において、中央の金属製多孔膜を通過した後の液体の一部を拡大して撮影した写真である。 実施例2において、最下段の金属製多孔膜を通過した後の液体の一部を拡大して撮影した写真である。 実施例3において、培養した細胞凝集塊の一部を拡大して撮影した写真である。 実施例3において、最上段の金属製多孔膜で捕捉した細胞凝集塊の拡大写真である。 実施例3において、中央の金属製多孔膜で捕捉した細胞凝集塊の拡大写真である。 実施例3において、最下段の金属製多孔膜で捕捉した細胞凝集塊の拡大写真である。 実施例3において、最下段の金属製多孔膜を通過した後の液体の一部を拡大して撮影した写真である。 実施例3において、細胞凝集塊の直径に対するATP活性量の測定結果を示す図である。 実施例3において、孔サイズ180μmの金属製多孔膜で捕捉された1組の細胞凝集塊の写真である。 実施例3において、孔サイズ100μmの金属製多孔膜で捕捉された1組の細胞凝集塊の写真である。 実施例3において、孔サイズ58μmの金属製多孔膜で捕捉された1組の細胞凝集塊の写真である。 実施例3において、最上段の金属製多孔膜で捕捉した図25に示す3個の細胞凝集塊を培養して作製した1個の細胞凝集塊の写真である。 実施例3において、中央の金属製多孔膜で捕捉した図26に示す3個の細胞凝集塊を培養して作製した1個の細胞凝集塊の写真である。 実施例3において、最下段の金属製多孔膜で捕捉した図27に示す3個の細胞凝集塊を培養して作製した1個の細胞凝集塊の写真である。 実施例4において、ボルテゾミブを1、3、10、20、100nM投入して24時間培養した細胞凝集塊のATP活性量の測定結果を示す図である。 実施例4において、ボルテゾミブを1、3、10、20、100nM投入して48時間培養した細胞凝集塊のATP活性量の測定結果を示す図である。 比較例2において、ボルテゾミブを1、3、10、20、100nM投入して24時間培養した細胞凝集塊のATP活性量の測定結果を示す図である。 比較例2において、ボルテゾミブを1、3、10、20、100nM投入して48時間培養した細胞凝集塊のATP活性量の測定結果を示す図である。 実施例5及び比較例3における細胞66の培養状態を示す図である。 実施例5及び比較例3において、培養された細胞のRLU発光量(ATP活性量)の測定結果を示す図である。 実施例6において、培養した細胞凝集塊の一部を拡大して撮影した写真である。 実施例6において、最上段の金属製多孔膜で捕捉した細胞凝集塊の拡大写真である。 実施例6において、中央の金属製多孔膜で捕捉した細胞凝集塊の拡大写真である。 実施例6において、最下段の金属製多孔膜で捕捉した細胞凝集塊の拡大写真である。 実施例6において、最下段の金属製多孔膜を通過した後の液体の一部を拡大して撮影した写真である。 実施例6において、細胞凝集塊の直径に対するATP活性量の測定結果を示す図である。 実施例6において、孔サイズ180μmの金属製多孔膜で捕捉された1組の細胞凝集塊の写真である。 実施例6において、孔サイズ100μmの金属製多孔膜で捕捉された1組の細胞凝集塊の写真である。 実施例6において、孔サイズ58μmの金属製多孔膜で捕捉された1組の細胞凝集塊の写真である。 実施例6において、最上段の金属製多孔膜で捕捉した図43に示す3個の細胞凝集塊を培養して作製した1個の細胞凝集塊の写真である。 実施例6において、中央の金属製多孔膜で捕捉した図44に示す3個の細胞凝集塊を培養して作製した1個の細胞凝集塊の写真である。 実施例6において、最下段の金属製多孔膜で捕捉した図45に示す3個の細胞凝集塊を培養して作製した1個の細胞凝集塊の写真である。
(本発明に至った経緯)
細胞凝集塊は、例えば、がんの薬効を調査する場合に、がん細胞のモデルとして用いられている。がん細胞は、進行度合いによって細胞の大きさが異なる。また、がん細胞の大きさが異なれば、効果のある薬も異なる。例えば、初期がんや小さながん組織に対して効果のある薬は、進行がんや大きながん組織に対しての効果が小さい場合がある。このため、細胞凝集塊を用いた薬効調査において、異なる寸法の細胞凝集塊を用いて薬効調査を行うと、薬効データにばらつきが生じる。したがって、薬効データのばらつきを抑えるため、均一な寸法の細胞凝集塊を得ることが求められている。
また、細胞凝集塊は、細胞凝集塊を再生医療用の組織として用いられようとしている。この場合、所望の大きさの組織が必要となるが、細胞凝集塊の作製の工夫によって所望の大きさの組織を作製することは難しく、様々な大きさの細胞凝集塊を作製しておいてから所望の大きさの組織を選択した方が効率が良い。従って、高効率に所望の組織を選択することが求められている。
培養した細胞凝集塊を所望の寸法に調製する方法として、例えば、メンブレン又はナイロンメッシュ等のフィルタを用いて所望の寸法の細胞凝集塊を捕捉することによって細胞凝集塊を分級する方法が用いられている。しかしながら、これらのフィルタを用いた場合では、捕捉できる細胞凝集塊の寸法精度が低いため、回収率が低くなるといった問題がある。そこで、本発明者らは、これらの問題を解決するため、以下の発明に至った。
本発明の一態様の金属製多孔膜は、
細胞凝集塊を分級する金属製多孔膜であって、
前記細胞凝集塊が捕捉される第1主面と、前記第1主面に対向する第2主面とを有すると共に、前記第1主面と前記第2主面とを連通する複数の貫通孔を有する膜部を備える。
このような構成により、細胞凝集塊の回収率を高めることができる。
前記金属製多孔膜において、前記膜部の前記第1主面は、平坦状に形成され、
前記複数の貫通孔は、前記膜部の前記第1主面側の開口と前記第2主面側の開口とが連続した壁面を通じて連通していてもよい。
このような構成により、細胞凝集塊の回収率を更に向上させることができる。
前記金属製多孔膜において、前記貫通孔の幅は、前記細胞凝集塊の大きさの100%未満であってもよい。
このような構成により、所望の細胞凝集塊を確実に捕捉することができる。
前記金属製多孔膜において、前記貫通孔の幅は、前記細胞凝集塊の大きさの80%未満であってもよい。
このような構成により、細胞凝集塊が変形したとしても確実に所望の細胞凝集塊を捕捉することができる。
前記金属製多孔膜において、前記貫通孔の幅は、前記細胞凝集塊の大きさの20%以上であってもよい。
このような構成により、捕捉対象ではない流体が通過しやすくなり、作業時間を短縮することができる。
前記金属製多孔膜において、前記貫通孔の幅は、前記細胞凝集塊の大きさの40%以上であってもよい。
このような構成により、捕捉対象ではない流体が更に通過しやすくなり、作業時間を短縮することができる。
本発明の一態様の細胞凝集塊の分級方法は、
細胞凝集塊を分級する分級方法であって、
前記細胞凝集塊が捕捉される第1主面と、前記第1主面に対向する第2主面とを有すると共に、前記第1主面と前記第2主面とを連通する複数の貫通孔を有する膜部を備える金属製多孔膜を準備するステップ、
前記細胞凝集塊を含む液体を前記金属製多孔膜に通過させ、前記細胞凝集塊を前記金属製多孔膜に捕捉することによって、前記細胞凝集塊を分級するステップ、
を含む。
このような構成により、細胞凝集塊の回収率を高めることができる。
前記分級方法において、前記金属製多孔膜を準備するステップは、貫通孔の寸法が異なる複数の金属製多孔膜を準備すると共に、前記細胞凝集塊を含む液体が流れる流路の上流側から、前記複数の金属製多孔膜を前記貫通孔の寸法の大きい順に直列に配列してもよい。
このような構成により、段階的に所望の寸法の細胞凝集塊を効率良く得ることができる。
前記分級方法において、前記細胞凝集塊を分級するステップは、前記複数の金属製多孔膜のうち最下段に位置する金属製多孔膜で前記細胞凝集塊から単離した単離細胞を通過させてもよい。
このような構成により、細胞凝集塊を含まず、単離細胞を含む液体を得ることができる。
前記分級方法において、更に、最下段に位置する前記金属製多孔膜を通過した前記単離細胞を継代するステップを含んでもよい。
このような構成により、最下段の金属製多孔膜を通過した液体に含まれる単離細胞を、新たな培地に移動させて培養することができる。あるいは、単離細胞を細胞凝集塊形成に再び用いることもできる。
前記分級方法において、更に、前記細胞凝集塊を前記金属製多孔膜に捕捉した状態で洗浄するステップを含んでもよい。
このような構成により、分級された細胞凝集塊を容易に洗浄することができる。
前記分級方法において、前記金属製多孔膜で捕捉された前記細胞凝集塊を回収するステップを含んでもよい。
このような構成により、分級された細胞凝集塊を容易に回収することができる。
前記分級方法において、前記金属製多孔膜を準備するステップは、滅菌した金属製多孔膜を準備してもよい。
このような構成により、分級する前に金属製多孔膜に付着している菌によって細胞凝集塊が汚染されるのを防ぐことができる。
前記分級方法において、前記細胞凝集塊を含む液体が前記金属製多孔膜を介して流れる流路は、外気から閉鎖されていてもよい。
このような構成により、外気により細胞凝集塊が汚染されるのを防ぐことができる。
本発明の一態様の細胞凝集塊の分級装置は、
細胞凝集塊を分級する分級装置であって、
前記細胞凝集塊が捕捉される第1主面と、前記第1主面に対向する第2主面とを有すると共に、前記第1主面と前記第2主面とを連通する複数の貫通孔を有する膜部を備える金属製多孔膜を備える。
このような構成により、細胞凝集塊の回収率を高めることができる。
前記分級装置において、貫通孔の寸法が異なる複数の金属製多孔膜を備え、
前記複数の金属製多孔膜は、前記細胞凝集塊を含む液体が流れる流路の上流側から、前記貫通孔の寸法の大きい順に直列に配列されていてもよい。
このような構成により、段階的に所望の寸法の細胞凝集塊を効率良く得ることができる。
前記分級装置において、前記複数の金属製多孔膜のうち最下段に位置する金属製多孔膜の貫通孔の寸法は、前記細胞凝集塊から単離した単離細胞の大きさ以下であってもよい。
このような構成により、最下段の金属製多孔膜によって捕捉する細胞凝集塊を規制することができる。
前記分級装置において、前記複数の金属製多孔膜のうち最下段に位置する金属製多孔膜の貫通孔の寸法は、前記細胞凝集塊から単離した単離細胞を通過させることができる大きさであってもよい。
このような構成により、細胞凝集塊を含まず、且つ単離細胞を含む液体を得ることができる。
前記分級装置において、更に、
前記金属製多孔膜を内包し、前記金属製多孔膜の前記第1主面に対向するように設けられた流体流入路と、前記金属製多孔膜の前記第2主面に対向するように設けられた流体排出路とを有するハウジング、
を備えてもよい。
このような構成により、金属製多孔膜を容易に保持して、回収率の高い分級を行うことができる。
前記分級装置において、前記細胞凝集塊を含む液体が前記金属製多孔膜を介して流れる流路は、外気から閉鎖されていてもよい。
このような構成により、外気により細胞凝集塊が汚染されるのを防ぐことができる。
前記分級装置において、前記金属製多孔膜は、滅菌されていてもよい。
このような構成により、分級する前に金属製多孔膜に付着している菌によって細胞凝集塊が汚染されるのを防ぐことができる。
以下、本発明に係る実施の形態1について、添付の図面を参照しながら説明する。また、各図においては、説明を容易なものとするため、各要素を誇張して示している。
(実施の形態1)
[金属製多孔膜]
図1は、本発明に係る実施の形態1における金属製多孔膜10の一部の拡大斜視図である。図1中のX、Y、Z方向は、それぞれ金属製多孔膜10の縦方向、横方向、厚み方向を示している。図1に示すように、金属製多孔膜10は、互いに対向する第1主面PS1と第2主面PS2とを有し、且つ両主面を貫通する複数の貫通孔12を有する膜部11を備える。金属製多孔膜10は、膜部11においてマトリックス状に一定の間隔で複数の貫通孔12を設けた板状構造体(格子状構造体)である。金属製多孔膜10は、異なる寸法を有する複数の細胞凝集塊を含む液体を通過させることによって、細胞凝集塊を分級する金属製薄膜である。
本明細書において、「細胞凝集塊」とは、複数の細胞が接着することによって形成される細胞の集合塊を意味する。細胞凝集塊は、例えば、がん化細胞、肝細胞、iPS細胞などを使用した細胞凝集塊である。
図1では金属製多孔膜10の全体を示していないが、実施の形態1では、金属製多孔膜10は、例えば、円形の金属メッシュである。金属製多孔膜10の寸法は、例えば、直径7.8mm、厚さ20μmである。金属製多孔膜10を構成する材料は、金、銀、銅、白金、ニッケル、ステンレス鋼、パラジウム、チタン、およびこれらの合金であってもよい。特に、金属製多孔膜10の材料としては、細胞凝集塊との生体親和性の観点から、金、ニッケル、ステンレス、チタンがよい。なお、金属製多孔膜10は、円形に限定されず、例えば、長方形、正方形等の矩形形状、又は楕円等の形状であってもよい。
図2は、金属製多孔膜10の膜部11の一部を厚み方向(Z方向)から見た概略図である。図2に示すように、複数の貫通孔12は、膜部11の第1主面PS1及び第2主面PS2上に周期的に配置されている。具体的には、複数の貫通孔12は、膜部11においてマトリクス状に等間隔で設けられている。複数の貫通孔12は、金属製多孔膜の第1主面PS1側、即ちZ方向から見て、正方形の形状を有する。複数の貫通孔12は、正方形の各辺と平行な2つの配列方向、即ち図2中のX方向とY方向に等しい間隔で設けられている。なお、貫通孔12は、正方形に限定されず、例えば長方形、円、又は楕円などの形状であってもよい。また、孔の配列は、正方格子配列に限定されず、例えば方形配列であれば、2つの配列方向の間隔は等しくない長方形配列でもよく、三角格子配列又は準周期配列などであってもよい。
貫通孔12の形状及び寸法は、細胞凝集塊の大きさ、形状に応じて適宜設計されるものである。実施の形態1において、貫通孔12は、例えば、金属製多孔膜10の膜部11の第1主面PS1側、即ちZ方向から見て正方形であり、一辺dは、細胞凝集塊の大きさの100%未満に設計される。好ましくは細胞凝集塊の大きさの80%未満に設計されることで濾過中に細胞凝集塊が変形したとしても確実に捕捉することができる。また、一辺dを細胞凝集塊の大きさの20%以上とすることで捕捉対象ではない流体が通過しやすくなり、作業時間を短縮することができる。更に好ましくは細胞凝集塊の大きさの40%以上とすることで更に流体が通過しやすくなる。また、貫通孔12間の格子間隔bは、例えば、貫通孔12の一辺dの1倍より大きく10倍以下であり、より好ましくは貫通孔12の一辺dの3倍以下である。あるいは、開口率にして10%以上が好ましい。なお、開口率は、(貫通孔12が占める面積)/(貫通孔12が空いていないと仮定したときの第1主面PS1の投影面積)で計算される。なお、貫通孔12の形状は、正方形に限定されることなく、例えば、円形、楕円形、長方形、菱形などの形状であってもよい。実施の形態1では、正方形状の貫通孔12の寸法を一辺dで説明したが、貫通孔12の寸法を貫通孔12の幅で定義してもよい。貫通孔12の幅とは、貫通孔12が矩形の場合、対向する辺と辺との距離が最大になる線分に相当する。また、貫通孔12の幅は、貫通孔12が円形(楕円含む)の場合、長径に相当する。
金属製多孔膜10は、同じ大きさを有する複数の貫通孔12を含む。ここで、「同じ大きさ」とは、複数の貫通孔12の寸法のばらつきが±5μmの範囲内であることを意味する。なお、複数の貫通孔12のうち一部の貫通孔は、異なる寸法で形成されていてもよい。例えば、分級の精度を損なわない程度で、金属製多孔膜10にかかる圧力を逃がすために、複数の貫通孔12のうち一部の貫通孔の寸法を他の貫通孔の寸法と比べて、大きく形成していてもよい。
なお、本明細書では、細胞凝集塊を液中に配置し、顕微鏡で観察した際、2次元の観察像において、細胞凝集塊の外周の任意の2つの点を結んだ線のうち、最長なものを細胞凝集塊の長さとし、捕捉対象である細胞凝集塊3個以上についての平均値を「細胞凝集塊の大きさ」とした。
図3は、図2の金属製多孔膜10の膜部11の一部をA−A線で切断した断面図である。図3に示すように、貫通孔12は、膜部11の第1主面PS1側の開口と第2主面PS2側の開口とが連続した壁面を通じて連通している。具体的には、貫通孔12は、第1主面PS1側の開口が第2主面PS2側の開口に投影可能に設けられている。即ち、金属製多孔膜10を第1主面PS1側、即ちZ方向から見た場合に、貫通孔12は、第1主面PS1側の開口が第2主面PS2側の開口と重なるように設けられている。実施の形態11において、貫通孔12は、その内壁が第1主面PS1及び第2主面PS2に対して垂直となるように設けられている。尚、第1主面PS1側の開口の大きさと第2主面PS2側の開口の大きさが異なっていてもよい。
また、金属製多孔膜10において、細胞凝集塊が捕捉される膜部11の第1主面PS1は、平坦状に形成されている。即ち、膜部11の第1主面PS1は、面一に形成されており、実質的にZ方向に凹凸が形成されていない。また、膜部11の第2主面PS2についても、平坦状に形成されている。さらには、膜部11の両主面における面精度は、単離細胞の大きさよりも小さいことが好ましい。膜部11の両主面へ単離細胞が付着することを低減できるからである。
[分級装置]
本発明の実施の形態1に係る分級装置について、図4を用いて説明する。図4は、実施の形態1に係る分級装置50の構成を示す概略図である。
図4に示すように、分級装置50は、複数の金属製多孔膜10A、10B、10Cを備える。複数の金属製多孔膜10A、10B、10Cは、細胞凝集塊61a、61b、61cと単離細胞62とを含む液体60が流れる方向70へ直列に配列されている。実施の形態1においては、液体60が流れる流路において、上流側から金属製多孔膜10A、10B、10Cの順に配置されている。即ち、分級装置50において、金属製多孔膜10Aを最上段に配置し、金属製多孔膜10Bを中央に配置し、金属製多孔膜10Cを最下段に配置している。また、金属製多孔膜10A、10B、10Cは、液体60の流れる方向70に対してそれぞれの第1主面PS1が直交するように配置されている。
実施の形態1において、細胞凝集塊61a、61b、61cとは、それぞれ寸法が異なる細胞凝集塊である。細胞凝集塊61a、61b、61cの寸法は、細胞凝集塊61a、61b、61cの順に大きい。即ち、細胞凝集塊61a、61b、61cにおいて、細胞凝集塊61aが最も大きく、細胞凝集塊61cが最も小さい。
本明細書において、「単離細胞」とは、細胞凝集塊を形成する1つの細胞であり、細胞凝集塊に接着せずに独立した状態の1つの細胞を意味する。即ち、「単離細胞」とは、細胞凝集塊から単離した1つの細胞を意味する。あるいは、細胞凝集塊の形成に関与しなかった単離した1つの細胞を意味する。実施の形態1において、単離細胞62の寸法は、細胞凝集塊61a、61b、61cよりも小さい。
金属製多孔膜10A、10B、10Cの膜部11a、11b、11cには、それぞれ異なる寸法の貫通孔12a、12b、12cが設けられている。貫通孔12a、12b、12cの寸法は、貫通孔12a、12b、12cの順に大きい。即ち、貫通孔12a、12b、12cにおいて、貫通孔12aの寸法が最も大きく、貫通孔12cの寸法が最も小さい。
金属製多孔膜10Aの貫通孔12aは、細胞凝集塊61aを通過させずに、細胞凝集塊61b、61cと単離細胞62とを通過させることができる寸法で設計されている。具体的に、貫通孔12aは、細胞凝集塊61aよりも小さく、細胞凝集塊61bよりも大きい寸法で設計されている。このため、細胞凝集塊61a、61b、61cと単離細胞62とを含む液体60が金属製多孔膜10Aを通過することによって濾過されると、細胞凝集塊61aは、貫通孔12aを通り抜けることができず、金属製多孔膜10Aの第1主面PS1上に捕捉される。即ち、金属製多孔膜10Aの第1主面PS1上には、貫通孔12aの寸法より大きい細胞凝集塊61aが捕捉される。一方、液体60に含まれる細胞凝集塊61b、61c及び単離細胞62は、貫通孔12aを通り抜けることができる。このため、金属製多孔膜10Aで濾過された後の液体(濾液)60Aは、細胞凝集塊61b、61c及び単離細胞62を含んでいるが、細胞凝集塊61aを含まない。したがって、金属製多孔膜10Aにおいては、細胞凝集塊61a、61b、61cと単離細胞62とを含む液体60から細胞凝集塊61aを分級することができる。
金属製多孔膜10Bの貫通孔12bは、細胞凝集塊61bを通過させずに、細胞凝集塊61cと単離細胞62とを通過させることができる寸法で設計されている。具体的に、貫通孔12bは、細胞凝集塊61bよりも小さく、細胞凝集塊61cよりも大きい寸法で設計されている。このため、金属製多孔膜10Aで濾過された液体60Aが金属製多孔膜10Bを通過することによって濾過されると、細胞凝集塊61bは、貫通孔12bを通り抜けることができず、金属製多孔膜10Bの第1主面PS1上に捕捉される。一方、液体60Aに含まれる細胞凝集塊61c及び単離細胞62は、貫通孔12bを通り抜けることができる。このため、金属製多孔膜10Bで濾過された後の液体(濾液)60Bは、細胞凝集塊61c及び単離細胞62を含んでいるが、細胞凝集塊61bを含まない。したがって、金属製多孔膜10Bにおいては、細胞凝集塊61b、61cと単離細胞62とを含む液体60Aから細胞凝集塊61bを分級することができる。
金属製多孔膜10Cの貫通孔12cは、細胞凝集塊61cを通過させずに、単離細胞62を通過させることができる寸法で設計されている。具体的に、貫通孔12cは、細胞凝集塊61cよりも小さく単離細胞62よりも大きい寸法で設計されている。このため、金属製多孔膜10Bで濾過された液体60Bが金属製多孔膜10Cを通過することによって濾過されると、細胞凝集塊61cは、貫通孔12cを通り抜けることができず、金属製多孔膜10Cの第1主面PS1上に捕捉される。一方、液体60Bに含まれる単離細胞62は、貫通孔12cを通り抜けることができる。このため、金属製多孔膜10Cで濾過された後の液体(濾液)60Cは、単離細胞62を含んでいるが、細胞凝集塊61cを含まない。したがって、金属製多孔膜10Cにおいては、細胞凝集塊61cと単離細胞62とを含む液体60Bから細胞凝集塊61cを分級することができる。
また、金属製多孔膜10Cで濾過された後の液体(濾液)60Cに含まれる単離細胞62は、継代することができる。あるいは、別の細胞凝集塊の作製に利用することができる。
このように、分級装置50においては、液体60が流れる流路の上流側から、複数の金属製多孔膜10A、10B、10Cを貫通孔12a、12b、12cの寸法が大きい順に直列に配列している。このような構成によって、異なる寸法の細胞凝集塊61a、61b、61cと単離細胞62とを含む液体60から所望の寸法の細胞凝集塊を段階的に分級することができる。
分級装置50は、金属製多孔膜10A、10B、10Cを保持するハウジングを備えてもよい。この場合、分級装置50は、流体流入路と流体排出路とが設けられたハウジングに内包された金属製多孔膜10A、10B、10Cによって流体流入路から流入した流体中の濾過対象物を濾過し、当該金属製多孔膜を通過した流体を流体排出路から排出する。
図5は金属製多孔膜10Aを保持するハウジング20の概略構造を示す分解斜視図であり、図6はその分解断面図である。なお、図5及び図6においては、金属製多孔膜10Aの図示を省略している。
図5及び図6に示すように、ハウジング20は、略円筒形の第1ハウジング部21と、略円筒形の第2ハウジング部22とを備えている。
第1ハウジング部21は、金属製多孔膜10Aの第1主面PS1に対向するように設けられた流体流入路21aを備えている。第1ハウジング部21は、金属製多孔膜10Aの外周部を挟持する第1枠部材51と一体に形成されている。すなわち、第1枠部材51は、第1ハウジング部21の一部として構成されている。第1枠部材51の内径は、例えば、6.0mmである。
第1ハウジング部21の第1枠部材51の周囲には、流体流入路21aの延在方向と交差(例えば、直交)する方向に延びるフランジ部21bが形成されている。フランジ部21bには、当該フランジ部21bの厚み方向に貫通する複数の貫通穴21cが形成されている。実施の形態1において、複数の貫通穴21cは、90度間隔で4つ形成されている。フランジ部21bの厚さは、例えば、2.1mmである。貫通穴21cの直径は、例えば、1.42mmである。貫通穴21cの長さは、例えば、0.9mmである。
第2ハウジング部22は、金属製多孔膜10Aの第2主面PS2に対向するように設けられた流体排出路22aを備えている。第2ハウジング部22は、金属製多孔膜10Aの外周部を挟持する第2枠部材52と一体に形成されている。すなわち、第2枠部材52は、第2ハウジング部22の一部として構成されている。第2枠部材52の内径は、例えば、6.0mmである。
第2ハウジング部22の第2枠部材52の周囲には、流体排出路22aの延在方向と交差(例えば、直交)する方向に延びるフランジ部22bが形成されている。フランジ部22bには、当該フランジ部22bの厚み方向に突出する複数の凸部22cが形成されている。実施の形態1において、複数の凸部22cは、90度間隔で4つ形成されている。凸部22cの直径は、例えば、1.4mmである。凸部22cの高さは、例えば、0.9mmである。
第1ハウジング部21と第2ハウジング部22とは、複数の凸部22cが複数の貫通穴21cに挿入されることで、互いに嵌合するように構成されている。第1ハウジング部21と第2ハウジング部22とが互いに嵌合することで、金属製多孔膜10Aの外周部が第1枠部材51と第2枠部材52との間で保持される。
ハウジング20は、例えば、ルアーロック型シリンジ(図示せず)に取り付けて使用することができる。この場合、第1ハウジング部21の末端部21d(図6では上端部)と第2ハウジング部22の末端部22d(図6では下端部)の少なくとも一方に、ルアーロック型シリンジと接続可能な突条部等を設ければよい。
また、分級装置50においては、液体60、60A、60B、60Cの流れる流路が外気から閉鎖されていてもよい。このように、液体60、60A、60B、60Cを外気から遮断することによって、液体60、60A、60B、60Cに含まれる細胞凝集塊61a、61b、61c及び単離細胞62が汚染されるのを防止することができる。
[分級方法]
本発明の実施の形態1に係る分級方法について、図7を用いて説明する。図7は、実施の形態1に係る分級方法を示すフローチャートである。
実施の形態1に係る分級方法は、複数の金属製多孔膜10A、10B、10Cを用いて細胞凝集塊61a、61b、61cと単離細胞62とを含む液体60を、細胞凝集塊61a、61b、61c及び単離細胞62のそれぞれに分級する。
図7に示すように、ステップST11において、複数の金属製多孔膜10A、10B、10Cを準備する。具体的には、液体60が流れる流路に、上流から金属製多孔膜10A、10B、10Cの順に直列に配列する(図4参照)。金属製多孔膜10A、10B、10Cについては、前述した分級装置50の構成と同じであるため、説明を省略する。
なお、ステップST11で準備する金属製多孔膜10A、10B、10Cは、滅菌処理がされているものであってもよい。滅菌処理は、例えば、ガンマ線照射によるガンマ線滅菌、高温高圧の飽和水蒸気によるオートクレーブ滅菌、酸化エチレンガスを用いた酸化エチレンガス滅菌、又はオゾンによる酸化滅菌などである。
ステップST12において、金属製多孔膜10A、10B、10Cによって細胞凝集塊61a、61b、61cをそれぞれ分級する。ステップST12では、金属製多孔膜10A、10B、10Cに、細胞凝集塊61a、61b、61cと単離細胞62とを含む液体60を通過させることによって濾過を行う。
より詳しく説明すると、まず、液体60を金属製多孔膜10Aに通過させることによって濾過を行う。金属製多孔膜10Aによる液体60の濾過によって、金属製多孔膜10Aの第1主面PS1上に、貫通孔12aの寸法より大きい細胞凝集塊61aを捕捉する。これにより、細胞凝集塊61aを分級する。
次に、金属製多孔膜10Aで濾過された後の濾液、即ち細胞凝集塊61b、61cと単離細胞62とを含む液体60Aを、金属製多孔膜10Aの下流に配置された金属製多孔膜10Bに通過させることによって濾過を行う。金属製多孔膜10Bによる液体60Aの濾過によって、金属製多孔膜10Bの第1主面PS1上に、貫通孔12bの寸法より大きい細胞凝集塊61bを捕捉する。これにより、細胞凝集塊61bを分級する。
次に、金属製多孔膜10Bで濾過された後の濾液、即ち細胞凝集塊61cと単離細胞62とを含む液体60Bを、金属製多孔膜10Bの下流に配置された金属製多孔膜10Cに通過させることによって濾過を行う。金属製多孔膜10Cによる液体60Bの濾過によって、金属製多孔膜10Cの第1主面PS1上に、貫通孔12cの寸法より大きい細胞凝集塊61cを捕捉する。これにより、細胞凝集塊61cを分級する。
また、金属製多孔膜10Cで液体60Bを濾過することによって、濾液として単離細胞62を含む液体60Cを得ることができる。この液体60Cから取り出した単離細胞62は、継代することができる。即ち、液体60Cに含まれる単離細胞62を新しい培地に移動させて、再度培養することができる。
ステップST13において、金属製多孔膜10A、10B、10Cに捕捉された細胞凝集塊61a、61b、61cを洗浄液で洗浄する。例えば、液体60が流れる方向70に洗浄液を流して、金属製多孔膜10A、10B、10Cに捕捉された状態で細胞凝集塊61a、61b、61cを洗浄する。なお、細胞凝集塊61a、61b、61cの洗浄方法については、これに限定されるものではなく、様々な洗浄方法を用いてもよい。また、ステップST13を省略しても良い。
ステップST14において、金属製多孔膜10A、10B、10Cに捕捉された細胞凝集塊61a、61b、61cを回収する。例えば、細胞凝集塊61aを捕捉した状態の金属製多孔膜10Aを取り外し、金属製多孔膜10Aを培地に入れて、金属製多孔膜10Aの厚み方向に振動させる。これにより、金属製多孔膜10Aに捕捉されていた細胞凝集塊61aを、金属製多孔膜10Aの第1主面PS1から分離し、回収することができる。あるいは、細胞凝集塊61aが付着していない第2主面PS2から第1主面PS1に向かって貫通孔12aを通じて回収液を通過させることにより、細胞凝集塊61aを金属製多孔膜10Aの第1主面PS1から分離し、回収することができる。なお、細胞凝集塊61a、61b、61cの回収方法については、これに限定されず、様々な回収方法を用いてもよい。
このようにして回収された細胞凝集塊61a、61b、61cは、薬効の調査に用いられる。例えば、がんに対する薬の効果を調査する場合、初期がんの薬効調査では、細胞凝集塊61a、61bより寸法の小さい細胞凝集塊61cを用いて薬効調査を行う。一方、進行がんの薬効調査では、細胞凝集塊61aを用いて薬効調査を行う。
[効果]
実施の形態1に係る金属製多孔膜10によれば、以下の効果を奏することができる。
金属製多孔膜10においては、細胞凝集塊61が捕捉される第1主面PS1と、第1主面に対向する第2主面PS2とを有すると共に、第1主面PS1と第2主面PS2とを連通する複数の貫通孔12を有する膜部11を備えている。このような構成により、細胞凝集塊61を分級する際の寸法精度を高めることができるため、細胞凝集塊61の回収率を高めることができる。
金属製多孔膜10は、メンブレン又はナイロンメッシュ等のフィルタと比べて、剛性が高い。そのため、細胞凝集塊61を含む液体60を濾過する際、金属製多孔膜10では、メンブレン又はナイロンメッシュ等のフィルタと比べて、膜部11の第1主面PS1に液体60による圧力が加わっても貫通孔12が変形しにくい。したがって、金属製多孔膜10は、メンブレン又はナイロンメッシュ等のフィルタと比べて、貫通孔12より大きい細胞凝集塊61を、金属製多孔膜10の第1主面PS1上に確実に捕捉することができる。なお、メンブレン又はナイロンメッシュ等のフィルタは、膜面に液体60による圧力が加わると、貫通孔が変形しやすいため、貫通孔よりも大きい細胞凝集塊61がフィルタを通過してしまう場合がある。
金属製多孔膜10において、貫通孔12は、膜部11の第1主面PS1側の開口と第2主面PS2側の開口とが連続した壁面を通じて連通している。また、貫通孔12では、膜部11の第1主面PS1側の開口が第2主面PS2側の開口に投影可能に設けられている。このような構成により、貫通孔12より小さい細胞凝集塊61が貫通孔12を通り抜けやすくなっている。なお、メンブレンフィルタでは、貫通孔が膜部の第1主面側の開口と第2主面側の開口とが連続した壁面を通じて連通しておらず、貫通孔12より小さい細胞凝集塊61が貫通孔を通りにくい。このため、メンブレンフィルタでは、フィルタ内に細胞凝集塊61が残ってしまう。
また、金属製多孔膜10において、細胞凝集塊61を捕捉する膜部11の第1主面PS1が平坦状に形成されている。即ち、金属製多孔膜10の膜部11の第1主面PS1は、面一に形成されている。このような構成により、金属製多孔膜10の貫通孔12よりも小さい細胞凝集塊61は、貫通孔12へ流入しやすくなっている。また、金属製多孔膜10の膜部11の第1主面PS1上に捕捉された細胞凝集塊61を回収するとき、細胞凝集塊61を膜部11の第1主面PS1から容易に分離することができる。なお、メンブレン又はナイロンメッシュ等のフィルタでは、細胞凝集塊61を捕捉する膜部の第1主面に凹凸が形成されている。このため、貫通孔より小さい細胞凝集塊61であっても、この凹凸部分に引っ掛かることがあるため、所望の寸法以外の細胞凝集塊61を回収することがある。また、細胞凝集塊61を回収するとき、この凹凸部分に細胞凝集塊61が引っ掛かることがある。
金属製多孔膜10は火炎滅菌によっても変化することなく、さらには、熱伝導性も高いため、高い滅菌効果が得られる。
このように、金属製多孔膜10では、貫通孔12より大きい細胞凝集塊61をより確実に捕捉することができると共に、貫通孔12より小さい細胞凝集塊61を貫通孔12に流入させやすい構成になっている。また、金属製多孔膜10では、膜部11の第1主面PS1から細胞凝集塊61を簡単に分離して回収することができる。このため、金属製多孔膜10は、メンブレン又はナイロンメッシュ等のフィルタに比べて、分級する細胞凝集塊61の寸法精度を向上させると共に、回収率を向上させることができる。
実施の形態1に係る分級装置50によれば、以下の効果を奏することができる。
分級装置50によれば、前述した金属製多孔膜10を用いて細胞凝集塊61の分級を行うため、細胞凝集塊61の回収率を高めることができる。
分級装置50は、異なる寸法の貫通孔12a、12b、12cを有する金属製多孔膜10A、10B、10Cを備える。複数の金属製多孔膜10A、10B、10Cは、細胞凝集塊61a、61b、61cを含む液体60が流れる流路の上流側から、貫通孔12a、12b、12cの寸法の大きい順に直列に配列されている。このような構成により、複数の金属製多孔膜10A、10B、10Cを用いて、液体60から細胞凝集塊61a、61b、61cをそれぞれ分級することができる。即ち、分級装置50によれば、段階的に寸法の異なる細胞凝集塊61a、61b、61cを得ることができる。また、分級装置50では、上流側の金属製多孔膜によって捕捉し損ねた細胞凝集塊61a、61b、61cを、下流側の金属製多孔膜によって確実に回収することができる。
分級装置50において、最下段に位置する金属製多孔膜10Cの貫通孔12cの寸法は、単離細胞62を通過させることができる大きさに設計されている。このような構成により、細胞凝集塊61a、61b、61cを分級した後、単離細胞62を含む液体60Cを得ることができる。そのため、単離細胞62を継代することができる。即ち、単離細胞62を新しい培地に移動させて、再度培養することによって、例えば、細胞の生死判定を行うことができる。あるいは、単離細胞62を別の細胞凝集塊の作製に利用することもできる。
分級装置50において、金属製多孔膜10A、10B、10Cは、当該金属製多孔膜の第1主面PS1に対向するように設けられた流体流入路21aと、当該金属製多孔膜の第2主面PS2に対向するように設けられた流体排出路22aとを有するハウジング20に収容することができる。このような構成により、流体流入路21aと流体排出路22aとを有するハウジング20内に金属製多孔膜10A、10B、10Cを容易に保持することができる。また、金属製多孔膜10A、10B、10Cの外周部を挟持する第1枠部材51及び第2枠部材52が、それぞれ第1ハウジング部21及び第2ハウジング部22と一体に形成されているので、分級装置50の部品点数を減らすことができる。
実施の形態1に係る分級方法によれば、以下の効果を奏することができる。
分級方法によれば、前述した金属製多孔膜10を用いて、細胞凝集塊61の分級を行うため、細胞凝集塊61の回収率を高めることができる。また、分級方法は、前述した分級装置50の効果と同様の効果を有する。
分級方法において、細胞凝集塊61a、61b、61cを金属製多孔膜10A、10B、10Cで捕捉した状態で洗浄することができる。例えば、液体60の流れる方向70の方向に洗浄液を流すことによって、金属製多孔膜10A、10B、10Cで捕捉した細胞凝集塊61a、61b、61cを洗浄することができる。このため、分級した細胞凝集塊61a、61b、61cを容易に洗浄することができる。
分級方法では、例えば、細胞凝集塊61a、61b、61cを捕捉した金属製多孔膜10A、10B、10Cを培地の中で、金属製多孔膜10A、10B、10Cの厚さ方向に振動させる等によって、細胞凝集塊61a、61b、61cを容易に回収することができる。あるいは、細胞凝集塊61aが付着していない第2主面PS2から第1主面PS1に向かって貫通孔12aを通じて回収液を通過させることにより、細胞凝集塊61aを金属製多孔膜10Aの第1主面PS1から分離し、回収することができる。このように、金属製多孔膜10A、10B、10Cのそれぞれに捕捉された細胞凝集塊61a、61b、61cは、金属製多孔膜10A、10B、10Cから容易に分離することができる。
分級方法では、分級された細胞凝集塊61a、61b、61cを用いて薬効調査をすることができる。分級された細胞凝集塊61a、61b、61cは、それぞれ均一な寸法となっているため、薬効調査データのばらつきを低減することができる。
なお、実施の形態1において、分級装置50は、複数の金属製多孔膜10A、10B、10Cを備える構成について説明したが、これに限定されない。分級装置50は、少なくとも1つ以上の金属製多孔膜10を備えていればよい。また、複数の金属製多孔膜10A、10B、10Cは、それぞれ異なる寸法の貫通孔12a、12b、12cを設けた構成について説明したが、これに限定されない。例えば、複数の金属製多孔膜10A、10B、10Cは、同じ寸法の貫通孔12を設けてもよい。このような構成により、上流側の金属製多孔膜10Aで捕捉し損ねた細胞凝集塊61aを下流側の金属製多孔膜10Bで捕捉することができる。
実施の形態1において、最下段の金属製多孔膜10Cの貫通孔12cが、単離細胞62を通過させることができる寸法で設計されている構成について説明したが、これに限定されない。金属製多孔膜10Cの貫通孔12cは、例えば、細胞凝集塊から単離した単離細胞62の大きさ以下で設計されていてもよい。即ち、金属製多孔膜10Cの貫通孔12cは、単離細胞62と同じ寸法で設計されていてもよいし、又は単離細胞62よりも小さい寸法で設計されていてもよい。
実施の形態1において、第1ハウジング部21と第2ハウジング部22とは、複数の凸部22cが複数の貫通穴21cに挿入されることで、互いに嵌合するように構成したが、本発明はこれに限定されない。例えば、第1ハウジング部21に複数の貫通穴を設け、第2ハウジング部22に複数の凸部を設け、当該複数の凸部を複数の貫通穴に挿入することで、第1ハウジング部21と第2ハウジング部22とが互いに嵌合するように構成されてもよい。第1ハウジング部21と第2ハウジング部22とが互いに嵌合する構造であればよい。
実施の形態1において、第1枠部材51及び第2枠部材52が、それぞれ第1ハウジング部21及び第2ハウジング部22と一体に形成される構成について説明したが、これに限定されない。例えば、第1枠部材51及び第2枠部材52は、第1ハウジング部21及び第2ハウジング部22と別々の部材で構成されていてもよい。
以下、実施例について説明する。
(実施例1)
実施例1においては、実施の形態1の金属製多孔膜10を用いて、細胞凝集塊61の分級を行った。また、比較例1として、ナイロンメッシュを用いて、細胞凝集塊61の分級を行った。
実施例1及び比較例1において、細胞凝集塊61を含む液体60を図8に示す。図8に示すように、液体60には、異なる寸法の複数の細胞凝集塊61が含まれている。
図8に示す細胞凝集塊61は、直径35mmのディッシュにNIH3T3/rasが含まれた液量0.2mlの細胞懸濁液を播種し、汎用のインキュベーターで1日培養することによって作製した。このとき、培地は3ml、総細胞凝集塊数は約1×10個であった。
実施例1は、実施の形態1の金属製多孔膜10を用いた。金属製多孔膜10は、ニッケル製の円形のメッシュである。金属製多孔膜10は、外径が7.8mmであり、中央部に直径6mmの膜部11を形成している。膜部11には、正方形の貫通孔12が正方格子配列で設けられている。貫通孔12の一辺は、120μmである。貫通孔12の間隔、即ち2つの貫通孔12、12の間の金属部分の距離は、50μmである。言い換えると、貫通孔12の格子間隔は170μmである。厚みは17μmである。また、金属製多孔膜10は、分級を行う前にガンマ線照射によって滅菌処理が行われている。実施例1では、図8に示す異なる寸法の細胞凝集塊61を含む液体60を、金属製多孔膜10に通過させて濾過することによって、細胞凝集塊61の分級を行った。
比較例1は、ナイロンメッシュを用いた。ナイロンメッシュは、ナイロン6.6製の円形のメッシュである。ナイロンメッシュは、外径が7.8mmであり、中央部に直径6mmの膜部を形成している。膜部には、正方形の貫通孔が正方格子配列で設けられている。貫通孔の一辺は、131μmである。貫通孔の間隔、即ちナイロンメッシュの線径は、72μmである。言い換えると、貫通孔の格子間隔は203μmである。なお、ナイロンメッシュは、ガンマ線を照射すると、メッシュ自体が損傷するため、減菌処理を行っていない。比較例1では、図8に示す異なる寸法の細胞凝集塊61を含む液体60を、ナイロンメッシュに通過させて濾過することによって、細胞凝集塊61の分級を行った。
図9は、実施例1において、細胞凝集塊61を分級した後の金属製多孔膜10の一部の写真を示す。図10は、比較例1において、細胞凝集塊61を分級した後のナイロンメッシュの一部の写真を示す。
図9に示す実施例1の金属製多孔膜10では、図10に示す比較例1のナイロンメッシュと比べて、より多くの細胞凝集塊61が捕捉されていることがわかる。即ち、実施例1では、比較例1と比べて、より多くの細胞凝集塊61を回収できていることがわかる。
比較例1のメッシュ構造体では、液体60が通過することによって膜部に圧力がかかると、貫通孔が変形する。このため、ナイロンメッシュの貫通孔よりも大きい細胞凝集塊61が、変形した貫通孔を通過してしまうことがある。このため、比較例1では、回収されるべき寸法の細胞凝集塊61が、ナイロンメッシュによって回収できなかったものと考えられる。
図11は、ナイロンメッシュの交差部Z1の拡大写真を示す。ナイロンメッシュは、線状のナイロンを編み込んで作製されているため、線状のナイロンが交差する交差部Z1では、ナイロンメッシュの厚み方向に段差部が形成される。即ち、ナイロンメッシュにおいて、細胞凝集塊61を捕捉する主面が、複数の段差部により凹凸を含む面となっている。このため、ナイロンメッシュの貫通孔を通過可能な細胞凝集塊61が、交差部Z1に引っ掛かってしまうことがある。このように、ナイロンメッシュの交差部Z1に引っ掛かった細胞凝集塊61は、回収できなくなることがある。また、ナイロンメッシュの交差部Z1に引っ掛かった細胞凝集塊61を回収できたとしても、この細胞凝集塊61は、所望の寸法のものではないため、分級したい細胞凝集塊61を得ることができない。
一方、実施例1の金属製多孔膜10では、液体60が通過することによって膜部11に圧力がかかっても、貫通孔12が変形しにくい。このため、金属製多孔膜10の貫通孔12よりも大きい細胞凝集塊61は、貫通孔12を通過することが少ない。また、実施例1では、金属製多孔膜10の第1主面PS1は、平坦状に形成されている。このため、実施例1では、金属製多孔膜10の第1主面PS1で、貫通孔12を通過可能な寸法の細胞凝集塊61が引っ掛からずに、貫通孔12を通過することができる。したがって、実施例1では、比較例1よりも多くの細胞凝集塊61を回収することができたと考えられる。また、実施例1では、比較例1よりも寸法精度を向上させた細胞凝集塊61を回収することができると考えられる。
このように、比較例1のナイロンメッシュでは、細胞凝集塊61の回収率の低下、分級の誤差、再現性の低下が生じる。したがって、実施例1の金属製多孔膜10では、ナイロンメッシュと比べて、細胞凝集塊61の回収率、分級の精度、再現性を向上させることができる。
(実施例2)
実施例2においては、実施の形態1の分級装置50を用いて、異なる寸法の複数の細胞凝集塊61a、61b、61cの分級を行った。なお、細胞凝集塊61a、61b、61cの寸法については、細胞凝集塊61aが最も大きく、細胞凝集塊61cが最も小さい寸法とする。
実施例2は、実施の形態1の分級装置50を用いた。分級装置50の金属製多孔膜10A、10B、10Cは、ニッケル製の円形のメッシュである。金属製多孔膜10A、10B、10Cは、外径が7.8mmであり、中央部に直径6mmの膜部11a、11b、11cを形成している。膜部11a、11b、11cには、正方形の貫通孔12a、12b、12cが正方格子配列で設けられている。貫通孔12a、12b、12cの寸法は、それぞれ正方形の一辺が180μm、120μm、58μm、格子間隔が260μm、170μm、76.3μm、厚みが20μm、17μm、20μmである。また、金属製多孔膜10A、10B、10Cは、分級を行う前にガンマ線照射によって滅菌処理が行われている。実施例2の分級装置50では、液体60の流路の上流側から金属製多孔膜10A、10B、10Cの順で直列に配列されている。
図12は、実施例2において異なる寸法の細胞凝集塊を含む液体60を示す。実施例2では、図12に示す異なる寸法の細胞凝集塊を含む液体60を1ml、分級装置50に投与し、デッドエンド方式にて濾過を行うことによって細胞凝集塊61a、61b、61cの分級を行った。濾過を開始してから5分後に、金属製多孔膜10A、10B、10Cをそれぞれ取り出した。次に、各々の金属製多孔膜10A、10B、10Cについて、細胞凝集塊が捕捉された面(第1主面PS1)を下側にした状態で、細胞凝集塊が捕捉されていない面(第2主面PS2)から生理食塩水5mlを通過させることで、シャーレに細胞凝集塊を回収した。回収した細胞凝集塊を顕微鏡にて観察した。
図13は、実施例2において金属製多孔膜10Aで回収した細胞凝集塊の拡大写真を示す。図13に示すように、金属製多孔膜10Aでは、貫通孔12aより大きい細胞凝集塊61aが捕捉されていることがわかる。
図14は、実施例2において金属製多孔膜10Bで回収した細胞凝集塊の拡大写真を示す。図14に示すように、金属製多孔膜10Bでは、貫通孔12bより大きい細胞凝集塊61bが捕捉されていることがわかる。
図15は、実施例2において金属製多孔膜10Cで回収した細胞凝集塊拡大写真を示す。図15に示すように、金属製多孔膜10Cでは、貫通孔12cより大きい細胞凝集塊61cが捕捉されていることがわかる。
また、前述した実施例2の条件と同じ条件で液体60の濾過を行うことによって分級を行い、金属製多孔膜10A、10B、10Cで濾過された後の液体60A、60B、60Cの一部を顕微鏡にて拡大観察した。
図16は、実施例2において金属製多孔膜10Aを通過した後の液体60Aの一部を拡大した写真を示す。図16に示すように、金属製多孔膜10Aを通過した液体60Aには、細胞凝集塊61b、61cと単離細胞62とが含まれているが、細胞凝集塊61aは含まれていないことがわかる。
図17は、実施例2において金属製多孔膜10Bを通過した後の液体60Bの一部を拡大した写真を示す。図17に示すように、金属製多孔膜10Bを通過した液体60Bには、細胞凝集塊61cと単離細胞62とが含まれているが、細胞凝集塊61bは含まれていないことがわかる。
図18は、実施例2において金属製多孔膜10Cを通過した後の液体60Cの一部を拡大した写真を示す。図18に示すように、金属製多孔膜10Cを通過した液体60Cには、単離細胞62が含まれているが、細胞凝集塊61cは含まれていないことがわかる。
このように、実施例2の分級装置50では、金属製多孔膜10A、10B、10Cにおいて所望の寸法の細胞凝集塊61a、61b、61cを捕捉していることができる。即ち、実施例2の分級装置50では、段階的に異なる寸法の細胞凝集塊61a、61b、61cを分級することができる。
(実施例3)
実施例3においては、実施の形態1の分級装置50を用いて、培養した細胞凝集塊(スフェロイド)を大きさ毎に分級した。
細胞凝集塊は、ras遺伝子が導入されたNIH3T3細胞を10%FBSが含まれた1%PCSMのDMEM培地で培養した。使用した容器は、3.5mmディッシュであり、播種細胞数は3×10個/mlであった。37度のインキュベーション内で24時間培養した結果、様々な大きさの細胞凝集塊を生成することができた。
図19は、培養した細胞凝集塊の一部を拡大した写真を示す。図19に示すように、分級する前において、異なるサイズの細胞凝集塊61a、61b、61cが生成されていることがわかる。
実施例3において、分級装置50の金属製多孔膜10A、10B、10Cの貫通孔12a、12b、12cの孔サイズは、それぞれ、180μm、100μm、58μmである。ここで、貫通孔12a、12b、12cの形状は、正方形であり、孔サイズとは正方形の孔の一辺の長さdを意味する。
実施例3では、図19に示す異なるサイズの細胞凝集塊61a、61b、61cを含む培地60を、金属製多孔膜10A、10B、10Cの順に通過させることによって、細胞凝集塊61a、61b、61cの分級を行った。具体的には、新たに培養液を投入した3.5mmディッシュを3個用意し、金属製多孔膜10A、10B、10Cで捕捉された細胞凝集塊61a、61b、61cを、逆洗することによってそれぞれの3.5mmディッシュに移した。
図20は、実施例3において金属製多孔膜10Aで捕捉した細胞凝集塊61aの一部を拡大した写真を示す。図21は、実施例3において金属製多孔膜10Bで捕捉した細胞凝集塊61bの一部を拡大した写真を示す。図22は、実施例3において金属製多孔膜10Cで捕捉した細胞凝集塊61cの一部を拡大した写真を示す。図23は、実施例3において金属製多孔膜10Cを通過した後の液体60の一部を拡大した写真を示す。
図20〜22に示すように、金属製多孔膜10A、10B、10Cでは、それぞれほぼ均等なサイズの細胞凝集塊61a、61b、61cが捕捉されていることがわかる。また、図23に示すように、金属製多孔膜10Cを通過した後の液体60には、細胞凝集塊61a、61b、61cが含まれておらず、細胞凝集塊61a、61b、61cよりも小さいサイズの細胞凝集塊61dが含まれていることがわかる。なお、金属製多孔膜10Cを通過した後の液体60には、細胞凝集塊61dの他に、例えば、単離細胞62などを含んでいてもよい。
このように、実施例3において、異なる大きさの細胞凝集塊61a、61b、61cを含む培地60(図19参照)を、金属製多孔膜10A、10B、10Cに通過させることによって、細胞凝集塊61a、61b、61cをサイズ毎に分級することができたことがわかる(図20〜23参照)。
次に、細胞凝集塊のサイズと活性の関係を調べるために、細胞凝集塊を含む培地をディッシュ毎に等分し、等分した一方の培地に対してATP活性量を測定した。ここで、ATP活性量の測定は、ATP定量アッセイ(CellTiter−Glo(登録商標),Promega)によって行った。ATP活性量とは、細胞の活性、即ち細胞の生存率を意味している。即ち、ATP活性量の値が大きいほど、生きた細胞が多いことを意味する。なお、等分したうちの他方の培地は、後述の再培養に使用した。
各ディッシュ内の細胞凝集塊を、ピペットで無作為に1個ずつ選択し、U底プレート(375ウェル)に投入した。そして、Cell Imagerで各細胞凝集塊の直径とATP活性量を測定した。なお、孔サイズ180μmの金属製多孔膜10Aで捕捉された細胞凝集塊61aは17個、孔サイズ100μmの金属製多孔膜10Bで捕捉された細胞凝集塊61bは20個、孔サイズ58μmの金属製多孔膜10Cで捕捉された細胞凝集塊61cは12個を選択した。
図24は、実施例3において、細胞凝集塊の直径に対するATP活性量の測定結果を示す。図24の横軸は細胞凝集塊の直径、縦軸はATP活性量である。図24において、四角の点は、孔サイズ180μmの金属製多孔膜10Aで捕捉された細胞凝集塊61aに関するデータ、三角の点は、孔サイズ100μmの金属製多孔膜10Bで捕捉された細胞凝集塊61bに関するデータ、菱形の点は、孔サイズ58μmの金属製多孔膜10Cで捕捉された細胞凝集塊61cに関するデータを示す。
図24に示すように、金属製多孔膜10A、10B、10Cのそれぞれで捕捉された細胞の活性が保たれていることがわかる。具体的に説明すると、ATP活性量は、生きている細胞が多いほど、活性量(RLU発光量)の値が大きくなる。細胞凝集塊は、サイズが大きくなるほど、多くの細胞を含んで構成される。そのため、細胞凝集塊のサイズが大きくなるほど、細胞凝集塊に含まれる細胞が生きていれば、ATP活性量の値は大きくなる。
図24に示すように、細胞凝集塊の直径が大きくなるほど、ATPの活性量の値が大きくなっていることがわかる。このことから、金属製多孔膜10A、10B、10Cのそれぞれで捕捉された細胞の活性が保たれていることがわかる。即ち、金属製多孔膜10A、10B、10Cのそれぞれで捕捉された細胞が生存していることがわかる。なお、元来、細胞凝集塊は、表面近傍の細胞のみ活性が保たれており、細胞凝集塊の中心部の細胞の活性は失われている。そのため、細胞凝集塊の直径とATP活性量の関係は、2次から3次の曲線になる。
金属製多孔膜10A、10B、10Cのそれぞれで捕捉された細胞凝集塊に関して、細胞凝集塊の直径の最大値、最小値、平均値、及び標準偏差を表1に示す。
表1に示すように、孔サイズ180μmの金属製多孔膜金属製多孔膜10A、孔サイズ100μmの金属製多孔膜10B、孔サイズ58μmの金属製多孔膜10Cにおいて、捕捉された細胞凝集塊の直径の最大値は、それぞれ、495μm、268μm、158μmであった。捕捉された細胞凝集塊の直径の最小値は、金属製多孔膜金属製多孔膜10A、10B、10Cの順に、267μm、138μm、65μmであった。捕捉された細胞凝集塊の直径の平均値は、金属製多孔膜金属製多孔膜10A、10B、10Cの順に、365μm、203μm、111μmであった。捕捉された細胞凝集塊の標準偏差は、金属製多孔膜金属製多孔膜10A、10B、10Cの順に、68、36、30であった。また、捕捉された細胞凝集塊の平均値に対する標準偏差の割合は、金属製多孔膜金属製多孔膜10A、10B、10Cの順に、19%、18%、27%であった。
更に、分級した細胞凝集塊61a、61b、61cを再培養した。なお、再培養には、前述の等分したうちの他方の培地を用いた。
各ディッシュ内の細胞凝集塊61a、61b、61cを、ピペットで無作為に3個ずつ選択して1組とし、この1組をU底プレート(375ウェル)に投入した。図25は、実施例3において、孔サイズ180μmの金属製多孔膜10Aで捕捉された1組の細胞凝集塊61aの写真を示す。図26は、実施例3において、孔サイズ100μmの金属製多孔膜10Bで捕捉された1組の細胞凝集塊61bの写真を示す。図27は、実施例3において、孔サイズ58μmの金属製多孔膜10Cで捕捉された1組の細胞凝集塊61cの写真を示す。
実施例3では、金属製多孔膜10Aで捕捉された図25に示す細胞凝集塊61aを33組、孔サイズ100μmの金属製多孔膜10Bで捕捉された図26に示す細胞凝集塊61bを43組、孔サイズ58μmの金属製多孔膜10Cで捕捉された図27に示す細胞凝集塊61cを34組作製した。これらを37度のインキュベーション内で24時間培養した結果、3個の細胞凝集塊から1個の細胞凝集塊を作製することができた。
図28は、実施例3において、金属製多孔膜10Aで捕捉した図25に示す3個の細胞凝集塊61aを培養して作製した1個の細胞凝集塊63の写真を示す。図29は、金属製多孔膜10Bで捕捉した図26に示す3個の細胞凝集塊61bを培養して作製した1個の細胞凝集塊64の写真を示す。図30は、金属製多孔膜10Cで捕捉した図27に示す3個の細胞凝集塊61cを培養して作製した1個の細胞凝集塊65の写真を示す。
再培養して作製した図28〜30に示す細胞凝集塊63、64、65について、前述のCell Imagerを使用して大きさを測定した。細胞凝集塊63、64、65の大きさの平均値と標準偏差は、それぞれ、340±81μm、194±34μm、110±30μmであった。また、細胞凝集塊63、64、65の大きさの平均値に対する標準偏差の割合は、それぞれ、24%、18%、27%であった。これらの値は、金属製多孔膜10A、10B、10Cで分級した表1に示す結果と同等であった。
以上の結果は、細胞凝集塊の作製において、金属製多孔膜10A、10B、10Cを使用して、異なるサイズの細胞凝集塊を含む培地から所望のサイズの細胞凝集塊を分級可能であることを示している。また、金属製多孔膜10A、10B、10Cで分級された細胞凝集塊を用いて更に培養した場合、培養される細胞凝集塊の大きさを均一化させやすいことを示している。
(実施例4)
実施例4においては、実施の形態1の分級装置50を用いて分級した細胞凝集塊(スフェロイド)を用いて薬効調査を行った。また、比較例2として、分級していない細胞凝集塊、即ち異なるサイズの細胞凝集塊を用いて薬効調査を行った。
実施例4及び比較例2では、抗がん剤ボルテゾミブ(Bortezomib)に対する薬効を調査した。ボルテゾミブは、再発または難治性多発性骨髄腫の治療に用いられるプロテアーム阻害剤である。作用機序としては、アポトーシス誘導、増殖抑制、血管新生抑制により抗腫瘍作用を示すことが知られている。また、NF−kBの活性化を阻害し、接着阻害及び/又はIL−6分泌の抑制を引き起こすことが知られている。
細胞凝集塊は、ras遺伝子が導入されたNIH3T3/EGFP細胞を10%FBSが含まれた1%PCSMのDMEM培地で培養した。使用した容器は、3.5mmディッシュであり、播種細胞数は1×10個/mlであった。37度のインキュベーション内で24時間培養した結果、様々な大きさの細胞凝集塊を生成することができた。この細胞凝集塊を含む培地を二等分し、一方を実施例4に、他方を比較例2に使用した。
実施例4では、孔サイズ180μmの金属製多孔膜10A、孔サイズ100μmの金属製多孔膜10Bを通過させた後、金属製多孔膜10B上に捕捉された細胞凝集塊を1個ずつ選択し、U底プレート(375ウェル)に投入した。そして、Cell Imagerで各細胞凝集塊の直径と体積を求めた。
実施例4では、次に、各ウェルに対して、ボルテゾミブを1、3、10、20、100nM投入した。その後、37度のインキュベーション内で24時間培養した後、ATP定量アッセイ(CellTiter−Glo(登録商標),Promega)によってATP活性量を測定した。さらにその後、37度のインキュベーション内で24時間培養した後(合計48時間)、ATP活性量を測定した。
図31は、実施例4において、ボルテゾミブを1、3、10、20、100nM投入して24時間培養した細胞凝集塊のATP活性量の測定結果を示す。図32は、実施例4において、ボルテゾミブを1、3、10、20、100nM投入して48時間培養した細胞凝集塊のATP活性量の測定結果を示す。なお、図31及び図32において、縦軸はATP活性率を示し、横軸はボルテゾミブ濃度を示す。
一方、比較例2では、金属製多孔膜による分級を行わずに細胞凝集塊を1個ずつ選択し、U底プレート(375ウェル)に投入した。そして、Cell Imagerで各細胞凝集塊の直径と体積を求めた。
比較例2では、次に、各ウェルに対して、ボルテゾミブを1、3、10、20、100nM投入した。その後、37度のインキュベーション内で24時間培養した後、ATP定量アッセイ(CellTiter−Glo(登録商標),Promega)によってATP活性量を測定した。さらにその後、37度のインキュベーション内で24時間培養した後(合計48時間)、ATP活性量を測定した。
図33は、比較例2において、ボルテゾミブを1、3、10、20、100nM投入して24時間培養した細胞凝集塊のATP活性量の測定結果を示す。図34は、比較例2において、ボルテゾミブを1、3、10、20、100nM投入して48時間培養した細胞凝集塊のATP活性量の測定結果を示す。なお、図33及び図34において、縦軸はATP活性率を示し、横軸はボルテゾミブ濃度を示す。
図31及び図32に示される実施例4のATP活性率と、図33及び図34に示される比較例2のATP活性率とを比較すると、実施例4は比較例2よりもエラーバーが小さいことがわかる。これは、細胞凝集塊を用いた薬効試験(薬効研究又は薬効開発)において、金属製多孔膜10を用いた分級により得られた均一なサイズの細胞凝集塊を用いて薬効試験を行うことにより、信頼性の高い結果が得られることを示している。即ち、金属製多孔膜10を用いて細胞凝集塊の分級を行うことによって、精度の高い薬効試験結果を得られるという効果がある。また、金属製多孔膜10は、ナイロンメッシュ等と比べて機械強度が高いため、分級精度が高い。そのため、金属製多孔膜10によれば、ナイロンメッシュ等と比べて、薬効試験において細胞凝集塊のサイズに起因する試験結果の誤差を小さくすることができる。
(実施例5)
実施例5においては、金属製多孔膜10が細胞凝集塊の培養に与える影響を調べるために、火炎滅菌した金属製多孔膜10を培養液に浸した状態で細胞凝集塊を培養した。また、比較例3として、金属製多孔膜10を培養液に浸さない状態で細胞凝集塊を培養した。
実施例5及び比較例3では、ras遺伝子が導入されたNIH3T3細胞を、ダルベッコ変法イーグル培地DMEM(ナカライテスク製)に5%FCSと1%PCSMを添加した培地で培養した。
図35は、実施例5及び比較例3における細胞66の培養状態を示す。図35に示すように、ウェルプレート80(住友ベークライト製スミロンタイトプレート24F)を準備した。ウェルプレート80において、A列の3つのウェルに比較例3の細胞66及び培地60を播種し、C列の3つのウェルに実施例5の細胞66及び培地60を播種した。なお、1ウェルあたりの播種量は、細胞の数が7.0×10個、培地が2mlであった。
実施例5では、金属製多孔膜10を3枚用意し、1秒間バーナーで曝した。その後、金属製多孔膜10を切断し、ウェル内の培地60に浸漬した。なお、実施例5に用いた金属製多孔膜10は、外形18mm、厚み40μmである。貫通孔12の形状は、正方形であり、正方形の一辺の長さは58μmである。また、2つの貫通孔12の間の距離bは、18μmである。
実施例5では、金属製多孔膜10を培地60に浸漬させた状態で、細胞66の培養を10分間行った後、金属製多孔膜10を取り除いた。一方、比較例3では、金属製多孔膜10を培地に浸漬させずに、細胞66の培養を10分間行った。そして、実施例5及び比較例3で培養された細胞の活性量を以下の方法で確認した。
実施例5及び比較例3の培地60と細胞66を、それぞれ20分割して別のプレートに分注した。分注された培地、細胞それぞれに、TOYOINK製のATP試薬を100μL添加した後に、プレートリーダー(Perkin Elmer製Fusion α−FP)でRLU発光量(ATP活性量)を測定した。
図36は、実施例5及び比較例3において、培養された細胞のRLU発光量(ATP活性量)の測定結果を示す。図36に示すように、実施例5と比較例3と比較すると、RLU発生量(ATP活性量)が同等であることがわかる。これは、火炎滅菌された金属製多孔膜10が、細胞の培養に何ら影響を与えないことを示している。
(実施例6)
実施例6においては、実施の形態1の分級装置50を用いて、培養したマウスES細胞に由来する細胞凝集塊(スフェアまたは胚様体)を大きさ毎に分級した。金属製多孔膜10は、ニッケル製の円形のメッシュである。金属製多孔膜10は、外径が7.8mmであり、中央部に直径6mmの膜部11を形成している。膜部11には、正方形の貫通孔12が正方格子配列で設けられている。貫通孔12の一辺は、120μmである。貫通孔12の間隔、即ち2つの貫通孔12の間の金属部分の距離は、50μmである。言い換えると、貫通孔12の格子間隔は170μmである。厚みは17μmである。また、金属製多孔膜10は、分級を行う前にガンマ線照射によって滅菌処理が行われている。実施例6では、図37に示す異なる寸法の細胞凝集塊61を含む液体60を、金属製多孔膜10に通過させて濾過することによって、細胞凝集塊61の分級を行った。
細胞凝集塊は、マウスES細胞を10%FBSが含まれた1%PCSMのDMEM培地で培養した。使用した容器は、3.5mmディッシュであり、播種細胞数は3×10個/mlであった。37度のインキュベーション内で48時間培養した結果、様々な大きさの細胞凝集塊を生成することができた。
図37は、培養した細胞凝集塊の一部を拡大した写真を示す。図37に示すように、分級する前において、異なるサイズの細胞凝集塊61a、61b、61cが生成されていることがわかる。
実施例6において、分級装置50の金属製多孔膜10A、10B、10Cの貫通孔12a、12b、12cの孔サイズは、それぞれ、180μm、100μm、58μmである。ここで、貫通孔12a、12b、12cの形状は、正方形であり、孔サイズとは正方形の孔の一辺の長さdを意味する。
実施例6では、図37に示す異なるサイズの細胞凝集塊61a、61b、61cを含む培地60を、金属製多孔膜10A、10B、10Cの順に通過させることによって、細胞凝集塊61a、61b、61cの分級を行った。具体的には、新たに培養液を投入した3.5mmディッシュを3個用意し、金属製多孔膜10A、10B、10Cで捕捉された細胞凝集塊61a、61b、61cを、逆洗することによってそれぞれの3.5mmディッシュに移した。
図38は、実施例6において金属製多孔膜10Aで捕捉した細胞凝集塊61aの一部を拡大した写真を示す。図39は、実施例6において金属製多孔膜10Bで捕捉した細胞凝集塊61bの一部を拡大した写真を示す。図40は、実施例6において金属製多孔膜10Cで捕捉した細胞凝集塊61cの一部を拡大した写真を示す。図41は、実施例6において金属製多孔膜10Cを通過した後の液体60の一部を拡大した写真を示す。
図38〜図41に示すように、金属製多孔膜10A、10B、10Cでは、それぞれほぼ均等なサイズの細胞凝集塊61a、61b、61cが捕捉されていることがわかる。また、図41に示すように、金属製多孔膜10Cを通過した後の液体60には、細胞凝集塊61a、61b、61cが含まれておらず、細胞凝集塊61a、61b、61cよりも小さいサイズの細胞凝集塊61dが含まれていることがわかる。なお、金属製多孔膜10Cを通過した後の液体60には、細胞凝集塊61dの他に、例えば、単離細胞62などを含んでいてもよい。
このように、実施例6において、異なる大きさの細胞凝集塊61a、61b、61cを含む培地60(図37参照)を、金属製多孔膜10A、10B、10Cに通過させることによって、細胞凝集塊61a、61b、61cをサイズ毎に分級することができたことがわかる(図38〜図41参照)。
次に、細胞凝集塊のサイズと活性の関係を調べるために、細胞凝集塊を含む培地をディッシュ毎に等分し、等分した一方の培地に対してATP活性量を測定した。ここで、ATP活性量の測定は、ATP定量アッセイ(CellTiter−Glo(登録商標),Promega)によって行った。ATP活性量とは、細胞の活性、即ち細胞の生存率を意味している。即ち、ATP活性量の値が大きいほど、生きた細胞が多いことを意味する。なお、等分したうちの他方の培地は、後述の再培養に使用した。
各ディッシュ内の細胞凝集塊を、ピペットで無作為に1個ずつ選択し、U底プレート(375ウェル)に投入した。そして、Cell Imagerで各細胞凝集塊の直径とATP活性量を測定した。なお、孔サイズ180μmの金属製多孔膜10Aで捕捉された細胞凝集塊61aは13個、孔サイズ100μmの金属製多孔膜10Bで捕捉された細胞凝集塊61bは10個、孔サイズ58μmの金属製多孔膜10Cで捕捉された細胞凝集塊61cは16個を選択した。
図42は、実施例6において、細胞凝集塊の直径に対するATP活性量の測定結果を示す。図42の横軸は細胞凝集塊の直径、縦軸はATP活性量である。図42において、四角の点は、孔サイズ180μmの金属製多孔膜10Aで捕捉された細胞凝集塊61aに関するデータ、三角の点は、孔サイズ100μmの金属製多孔膜10Bで捕捉された細胞凝集塊61bに関するデータ、菱形の点は、孔サイズ58μmの金属製多孔膜10Cで捕捉された細胞凝集塊61cに関するデータを示す。
図42に示すように、金属製多孔膜10A、10B、10Cのそれぞれで捕捉された細胞の活性が保たれていることがわかる。具体的に説明すると、ATP活性量は、生きている細胞が多いほど、活性量(RLU発光量)の値が大きくなる。細胞凝集塊は、サイズが大きくなるほど、多くの細胞を含んで構成される。そのため、細胞凝集塊のサイズが大きくなるほど、細胞凝集塊に含まれる細胞が生きていれば、ATP活性量の値は大きくなる。
図42に示すように、細胞凝集塊の直径が大きくなるほど、ATPの活性量の値が大きくなっていることがわかる。このことから、金属製多孔膜10A、10B、10Cのそれぞれで捕捉された細胞の活性が保たれていることがわかる。即ち、金属製多孔膜10A、10B、10Cのそれぞれで捕捉された細胞が生存していることがわかる。なお、元来、細胞凝集塊は、表面近傍の細胞のみ活性が保たれており、細胞凝集塊の中心部の細胞の活性は失われている。そのため、細胞凝集塊の直径とATP活性量の関係は、2次から3次の曲線になる。
金属製多孔膜10A、10B、10Cのそれぞれで捕捉された細胞凝集塊に関して、細
胞凝集塊の直径の最大値、最小値、平均値、及び標準偏差を表2に示す。
表2に示すように、孔サイズ180μmの金属製多孔膜金属製多孔膜10A、孔サイズ100μmの金属製多孔膜10B、孔サイズ58μmの金属製多孔膜10Cにおいて、捕捉された細胞凝集塊の直径の最大値は、それぞれ、649μm、211μm、136μmであった。捕捉された細胞凝集塊の直径の最小値は、金属製多孔膜金属製多孔膜10A、10B、10Cの順に、276μm、142μm、59μmであった。捕捉された細胞凝集塊の直径の平均値は、金属製多孔膜金属製多孔膜10A、10B、10Cの順に、413μm、178μm、99μmであった。捕捉された細胞凝集塊の標準偏差は、金属製多孔膜金属製多孔膜10A、10B、10Cの順に、68、36、30であった。また、捕捉された細胞凝集塊の平均値に対する標準偏差の割合は、金属製多孔膜金属製多孔膜10A、10B、10Cの順に、31%、12%、23%であった。
更に、分級した細胞凝集塊61a、61b、61cを再培養した。なお、再培養には、前述の等分したうちの他方の培地を用いた。
各ディッシュ内の細胞凝集塊61a、61b、61cを、ピペットで無作為に3個ずつ選択して1組とし、この1組をU底プレート(375ウェル)に投入した。図43は、実施例6において、孔サイズ180μmの金属製多孔膜10Aで捕捉された1組の細胞凝集塊61aの写真を示す。図44は、実施例6において、孔サイズ100μmの金属製多孔膜10Bで捕捉された1組の細胞凝集塊61bの写真を示す。図45は、実施例6において、孔サイズ58μmの金属製多孔膜10Cで捕捉された1組の細胞凝集塊61cの写真を示す。
実施例6では、金属製多孔膜10Aで捕捉された図43に示す細胞凝集塊61aを30組、孔サイズ100μmの金属製多孔膜10Bで捕捉された図44に示す細胞凝集塊61bを17組、孔サイズ58μmの金属製多孔膜10Cで捕捉された図45に示す細胞凝集塊61cを50組作製した。これらを37度のインキュベーション内で24時間培養した結果、3個の細胞凝集塊から1個の細胞凝集塊を作製することができた。
図46は、実施例6において、金属製多孔膜10Aで捕捉した図43に示す3個の細胞凝集塊61aを培養して作製した1個の細胞凝集塊63の写真を示す。図47は、金属製多孔膜10Bで捕捉した図44に示す3個の細胞凝集塊61bを培養して作製した1個の細胞凝集塊64の写真を示す。図48は、金属製多孔膜10Cで捕捉した図45に示す3個の細胞凝集塊61cを培養して作製した1個の細胞凝集塊65の写真を示す。
再培養して作製した図46〜図48に示す細胞凝集塊63、64、65について、前述のCell Imagerを使用して大きさを測定した。細胞凝集塊63、64、65の大きさの平均値と標準偏差は、それぞれ、441±146μm、203±26μm、114±34μmであった。また、細胞凝集塊63、64、65の大きさの平均値に対する標準偏差の割合は、それぞれ、33%、13%、30%であった。これらの値は、金属製多孔膜10A、10B、10Cで分級した表2に示す結果と同等であった。
以上の結果は、細胞凝集塊の作製において、金属製多孔膜10A、10B、10Cを使用して、異なるサイズの細胞凝集塊を含む培地から所望のサイズの細胞凝集塊を分級可能であることを示している。また、金属製多孔膜10A、10B、10Cで分級された細胞凝集塊を用いて更に培養した場合、培養される細胞凝集塊の大きさを均一化させやすいことを示している。
本発明は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した特許請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
本発明は、細胞凝集塊の回収率を高めて分級を行うことができるため、例えば、薬効調査や再生医療薬の製造等の分野に有用である。
10、10A、10B、10C 金属製多孔膜
11、11a、11b、11c 膜部
12、12a、12b、12c 貫通孔
20 ハウジング
21 第1ハウジング部
21a 流体流入路
21b フランジ部
21c 貫通穴
21d 末端部
22 第2ハウジング部
22a 流体排出路
22b フランジ部
22c 凸部
22d 末端部
50 分級装置
60、60A、60B、60C 液体
61、61a、61b、61c、61d 細胞凝集塊
62 単離細胞
63、64、65 細胞凝集塊
66 細胞
70 液体の流れる方向
80 ウェルプレート
PS1 第1主面
PS2 第2主面

Claims (4)

  1. 第1主面と、前記第1主面に対向する第2主面とを有すると共に、前記第1主面と前記第2主面とを連通する複数の貫通孔を有する膜部を備える金属製多孔膜を準備するステップ、
    細胞凝集塊を含む液体を前記金属製多孔膜に通過させ、前記細胞凝集塊を前記金属製多孔膜に捕捉することによって、前記細胞凝集塊を分級するステップ、
    前記金属製多孔膜に捕捉された細胞凝集塊を回収するステップ、
    回収された前記細胞凝集塊を再培養するステップ、
    を含む細胞凝集塊の作製方法。
  2. 前記細胞凝集塊を再培養するステップは、第1細胞凝集塊を再培養する第1再培養ステップと、前記第1細胞凝集塊より大きさが大きい第2細胞凝集塊を再培養する第2再培養ステップと、を含む、請求項1に記載の細胞凝集塊の作製方法。
  3. 前記金属製多孔膜を準備するステップは、第1金属製多孔膜と、第1金属製多孔膜の貫通孔の寸法より大きい複数の貫通孔を有する第2金属製多孔膜と、を準備し、
    前記細胞凝集塊を分級するステップは、前記第1細胞凝集塊を前記第1金属製多孔膜に捕捉することによって前記第1細胞凝集塊を分級する第1分級ステップと、前記第2細胞凝集塊を前記第2金属製多孔膜に捕捉することによって前記第2細胞凝集塊を分級する第2分級ステップと、を有し、
    前記細胞凝集塊を回収するステップは、前記第1金属製多孔膜で捕捉された前記第1細胞凝集塊を回収する第1回収ステップと、前記第2金属製多孔膜で捕捉された前記第2細胞凝集塊を回収する第2回収ステップと、を有し、
    前記第1再培養ステップは、回収された前記第1細胞凝集塊を再培養し、
    前記第2再培養ステップは、回収された前記第2細胞凝集塊を再培養する、
    請求項2に記載の細胞凝集塊の作製方法。
  4. 細胞凝集塊を分級するための金属製多孔膜を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の細胞凝集塊の作製方法を実施するためのキット。
JP2019086498A 2016-03-18 2019-04-26 金属製多孔膜、それを用いた分級方法、および分級装置 Active JP6841294B2 (ja)

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016055475 2016-03-18
JP2016055475 2016-03-18
JP2016172839 2016-09-05
JP2016172839 2016-09-05

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017232785A Division JP6521038B2 (ja) 2016-03-18 2017-12-04 金属製多孔膜、それを用いた分級方法、および分級装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019141089A true JP2019141089A (ja) 2019-08-29
JP6841294B2 JP6841294B2 (ja) 2021-03-10

Family

ID=59851234

Family Applications (3)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017534851A Active JP6256669B1 (ja) 2016-03-18 2017-03-01 金属製多孔膜、それを用いた分級方法、および分級装置
JP2017232785A Active JP6521038B2 (ja) 2016-03-18 2017-12-04 金属製多孔膜、それを用いた分級方法、および分級装置
JP2019086498A Active JP6841294B2 (ja) 2016-03-18 2019-04-26 金属製多孔膜、それを用いた分級方法、および分級装置

Family Applications Before (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017534851A Active JP6256669B1 (ja) 2016-03-18 2017-03-01 金属製多孔膜、それを用いた分級方法、および分級装置
JP2017232785A Active JP6521038B2 (ja) 2016-03-18 2017-12-04 金属製多孔膜、それを用いた分級方法、および分級装置

Country Status (3)

Country Link
US (3) US10889796B2 (ja)
JP (3) JP6256669B1 (ja)
WO (1) WO2017159367A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021020571A1 (ja) 2019-07-31 2021-02-04 東レ株式会社 分離膜

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6863484B2 (ja) 2017-12-28 2021-04-21 株式会社村田製作所 分離回収システム及び分離回収方法
WO2019176427A1 (ja) * 2018-03-12 2019-09-19 富士フイルム株式会社 判定方法
JP7001160B2 (ja) * 2018-07-03 2022-02-04 株式会社村田製作所 濾過回収装置及び濾過回収方法
WO2020008805A1 (ja) * 2018-07-05 2020-01-09 富士フイルム株式会社 細胞分割装置
EP3842518A4 (en) * 2018-08-20 2021-12-01 FUJIFILM Corporation CELL CULTURE METHOD AND CELL CULTURE DEVICE
CN112399880B (zh) * 2018-09-28 2021-12-31 株式会社村田制作所 过滤滤除器及过滤方法
WO2020257247A1 (en) * 2019-06-17 2020-12-24 Georgia Tech Research Corporation Filtration-based systems and methods for isolation of clustered particles

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013541958A (ja) * 2010-10-25 2013-11-21 サイトゲン カンパニー リミテッド 細胞採集装置
WO2015012315A1 (ja) * 2013-07-24 2015-01-29 愛知県 末梢循環腫瘍細胞又は希少細胞分離用デバイス、及び末梢循環腫瘍細胞又は希少細胞分離方法

Family Cites Families (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04142441A (ja) * 1990-10-03 1992-05-15 Fujitsu Ltd 細胞の分取方法
US6949355B2 (en) * 2001-10-11 2005-09-27 Aviva Biosciences Methods, compositions, and automated systems for separating rare cells from fluid samples
US20080248182A1 (en) * 2004-05-03 2008-10-09 Tjeerd Jongsma Device with a Membrane on a Carrier, as Well as a Method for Manufacturing Such a Membrane
WO2006116327A1 (en) * 2005-04-21 2006-11-02 California Institute Of Technology Uses of parylene membrane filters
AU2008223632B2 (en) * 2007-03-02 2012-11-01 Smith & Nephew Plc Apparatus and method for solid/liquid separation by filtration
KR20130123366A (ko) * 2010-07-01 2013-11-12 가부시키가이샤 가네카 세포 배양용 디스포저블 세트, 세포 배양 장치 및 세포 조제 방법
US10195570B2 (en) * 2011-01-07 2019-02-05 Creative Micro Tech, Inc. Fabrication of microfilters and nanofilters and their applications
EP2481847A1 (en) 2011-01-31 2012-08-01 DSM IP Assets B.V. UV-Stabilized high strength fiber
JP5854456B2 (ja) * 2011-08-23 2016-02-09 日立化成株式会社 癌細胞濃縮フィルター
KR20140074321A (ko) * 2011-10-14 2014-06-17 히타치가세이가부시끼가이샤 금속 필터의 제조 방법
EP2796540B1 (en) * 2011-12-19 2019-11-13 Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha Object selecting device
EP2851418A4 (en) * 2012-05-14 2015-12-23 Hitachi Chemical Co Ltd CANCER-DETECTED METAL FILTER, FILM WITH THE CANCER-MEASURING METAL FILTER, CANCER CELL DETECTION DEVICE AND MANUFACTURING METHOD THEREFOR
JP2014233209A (ja) * 2013-05-31 2014-12-15 株式会社古河電工アドバンストエンジニアリング 細胞分離方法および細胞分離装置
JP2015062400A (ja) * 2013-08-30 2015-04-09 独立行政法人放射線医学総合研究所 癌組織由来細胞凝集塊を調製するための方法及び癌組織由来細胞凝集塊を用いる抗癌剤スクリーニング方法、抗癌剤の定量分析又は癌組織の放射線感受性試験
JP6476573B2 (ja) * 2014-03-27 2019-03-06 日立化成株式会社 細胞捕捉金属フィルタシート、細胞捕捉金属フィルタ、細胞捕捉デバイス、及び、細胞捕捉金属フィルタシートの製造方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013541958A (ja) * 2010-10-25 2013-11-21 サイトゲン カンパニー リミテッド 細胞採集装置
WO2015012315A1 (ja) * 2013-07-24 2015-01-29 愛知県 末梢循環腫瘍細胞又は希少細胞分離用デバイス、及び末梢循環腫瘍細胞又は希少細胞分離方法

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
MONOIST[ONLINE],PM2.5の検出も可能、村田製作所が金属メッシュデバイスの標準品を発表,公開日:201, JPN6020020695, ISSN: 0004361252 *

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021020571A1 (ja) 2019-07-31 2021-02-04 東レ株式会社 分離膜

Also Published As

Publication number Publication date
JP6521038B2 (ja) 2019-05-29
JP6841294B2 (ja) 2021-03-10
US10889796B2 (en) 2021-01-12
JP2018065132A (ja) 2018-04-26
JPWO2017159367A1 (ja) 2018-03-22
US20210071132A1 (en) 2021-03-11
JP6256669B1 (ja) 2018-01-10
US20180362917A1 (en) 2018-12-20
US20240018462A1 (en) 2024-01-18
WO2017159367A1 (ja) 2017-09-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6256669B1 (ja) 金属製多孔膜、それを用いた分級方法、および分級装置
JP6624274B2 (ja) 濾過フィルター、濾過装置およびそれを用いた濾過方法
JP6394804B2 (ja) 濾過フィルター
JP6225277B2 (ja) 細胞分離フィルタ及び細胞培養容器
JP6665880B2 (ja) 有核細胞の濾過用フィルターおよびそれを用いた濾過方法
CN114891608A (zh) 用于过滤有核细胞的过滤器和使用了其的过滤方法
TW202020135A (zh) 細胞培養系統及使用該系統之細胞團的製造方法
JP2017038966A (ja) 金属製多孔膜の洗浄判別方法
US20220162539A1 (en) Filtration and collection device
JP6645605B2 (ja) 濾過装置及び濾過方法
JP6323632B2 (ja) 濾過フィルタデバイス
JP2019022867A (ja) 濾過装置
CN104093470A (zh) 用于捕获液体中的颗粒或细胞的柔性过滤装置
JP6669230B2 (ja) 濾過装置及び濾過方法
JP6439902B2 (ja) サンプリングフィルター、サンプリング装置およびそれを用いたサンプリング方法
WO2021039005A1 (ja) 濾過フィルタ
JPWO2019131173A1 (ja) 分離回収システム及び分離回収方法
JP6515675B2 (ja) 濾過容器、濾過装置、及び濾過方法
WO2016139987A1 (ja) 構造体および捕集装置
JP2017086299A (ja) 白血球除去フィルター、及び白血球除去フィルターの設計方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190507

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190507

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200623

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200731

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20201006

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201211

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20201211

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20201221

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20201222

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210119

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210201

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6841294

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150