JP2019132843A - 酸素センサ素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】センサ特性を損なうことなく耐湿性等を向上させた酸素センサ素子を提供する。【解決手段】セラミック焼結体からなり、電圧を印加したときの電流値をもとに酸素濃度を検出する酸素センサ素子であって、セラミック焼結体は組成式LnBa2Cu3O7-δ(Lnは希土類元素で、δは酸素不定比量を表す)の一部を周期表第2属の元素より選択したいずれかの元素(例えばカルシウム(Ca))と、ランタノイド系の元素より選択したいずれかの元素(例えばランタン(La))とで置換した組成Ln1-zCazBa2-zLazCu3O7-δ(0.25≦z≦1)を有する。また、組成式LnBa2Cu3O7-δのバリウム(Ba)を、希土類元素(例えばネオジム(Nd))で置換した組成Nd1+xBa2-xCu3O7-δ(0<x≦1.2)を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、セラミック焼結体を用いたガス(酸素)センサ素子の材料組成に関する。
内燃機関の排気ガス等の酸素濃度の検出やボイラの燃焼管理のための酸素濃度の検出等、様々なガス中の酸素濃度検知の要求があり、その酸素濃度の検出素子として種々の材料からなる酸素センサが知られている。例えばセラミック焼結体を用いた酸素センサの材料組成として、LnBa2Cu37-δとLn2BaCuO5(Lnは希土類元素)とを混合した複合セラミックスを用いた酸素センサが知られている(特許文献1)。
上記のようなセラミック焼結体の線材を用いた酸素センサは、電圧を印加すると線材の一部が赤熱するホットスポット現象を用いたホットスポット式酸素センサである。このような酸素センサは、小型化、軽量化、低コスト化、低消費電力化が可能であり、今後の実用化が望まれている。
特開2007-85816号(特許第4714867号)公報
上述した従来の酸素センサは、センサ駆動時に発生するホットスポットにより線材が溶断しやすくなり、その耐久性が課題となる。このような線材の溶断は、ホットスポット内部の局所部分(特に粒界)において液相が生じることに起因すると考えられる。
また、従来の酸素センサ素子を構成する材料が水酸化、炭酸化しやすいという特性があることから、ガス中の酸素濃度検出時において水蒸気や炭酸ガスといった周囲のガス成分によりセンサ素子が劣化して、耐久性に乏しくなるという問題があった。そのため、従来の材料組成では、耐久性を向上させたセンサ素子の実用化が困難であった。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、特にその目的とするところは、耐湿性が高く、同時にセンサ特性を損なうことのない、耐久性(機械的強度)および信頼性の高い酸素センサ素子を提供することである。
上記の目的を達成し、上述した課題を解決する一手段として以下の構成を備える。すなわち、本発明は、セラミック焼結体からなり、電圧を印加したときの電流値をもとに酸素濃度を検出する酸素センサ素子であって、前記セラミック焼結体は組成式LnBa2Cu37-δ(Lnは希土類元素で、δは酸素不定比量を表す)の一部を周期表第2属の元素より選択したいずれかの元素、およびランタノイド系の元素より選択したいずれかの元素で置換した組成を有することを特徴とする。
例えば、前記周期表第2属の元素よりカルシウム(Ca)を選択し、前記ランタノイド系の元素よりランタン(La)を選択したことを特徴とする。例えば、前記カルシウム(Ca)および前記ランタン(La)で置換してなる組成物を組成式Ln1-zCazBa2-zLazCu37-δで表したとき、置換量zは0.25≦z≦1であることを特徴とする。例えば、前記組成式Ln1-zCazBa2-zLazCu37-δで表される組成物において、さらにバリウム(Ba)をストロンチウム(Sr)で置換したことを特徴とする。また、例えば、前記組成式Ln1-zCazBa2-zLazCu37-δで表される組成物に、組成式Ln2BaCuO5(Lnは希土類元素)で表される組成物を混合したことを特徴とする。さらに、例えば、前記組成式Ln1-zCazBa2-zLazCu37-δで表される組成物は複合ペロブスカイト構造を有することを特徴とする。
また、本発明は、セラミック焼結体からなり、電圧を印加したときの電流値をもとに酸素濃度を検出する酸素センサ素子であって、前記セラミック焼結体は組成式LnBa2Cu37-δ(Lnは希土類元素で、δは酸素不定比量を表す)のBaを希土類元素Lnで置換した組成を有することを特徴とする。
例えば、前記組成式中のBaは、前記組成式中の希土類元素Lnと同じ希土類元素Lnで置換した組成を有することを特徴とする。例えば、前記希土類元素(Ln)で置換してなる組成物を組成式Ln1+xBa2-xCu37-δで表したとき、置換量xは0<x≦1.2であることを特徴とする。例えば前記置換量xは、好ましくは0.4≦x≦0.8であることを特徴とする。例えば、前記希土類元素Lnよりネオジム(Nd)を選択したことを特徴とする。例えば、前記組成式Nd1+xBa2-xCu37-δで表される組成物に、組成式Ln2BaCuO5(Lnは希土類元素)で表される組成物を混合したことを特徴とする。また、例えば、前記組成式Nd1+xBa2-xCu37-δで表される組成物は複合ペロブスカイト構造を有することを特徴とする。さらに例えば、前記セラミック焼結体は線状体のセンサ素子であることを特徴とする。
また、本発明の酸素センサは、上記いずれかの酸素センサ素子を酸素濃度の検出素子としたことを特徴とする。例えば、前記酸素センサにおいて、前記酸素センサ素子は、両端に通気孔を有する保護管内に収容されていることを特徴とする。
本発明によれば、耐湿性に優れ、耐溶断性が高く、酸素濃度測定に対して良好なセンサ特性を有する酸素センサ素子およびそれを使用した酸素センサを提供できる。
組成YBa2Cu37-δを有する従来例に係る酸素センサ素子の耐湿試験結果を示す外観写真であり、図1(a)は試験前の外観、図1(b)は試験後の外観である。 本発明の第1の実施形態に係る酸素センサ素子の耐湿試験結果を示す外観写真であり、図2(a)は試験前の外観、図2(b)は試験後の外観である。 第1の実施形態に係る酸素センサ素子について、従来組成の一部についてのCaおよびLaの置換量とサンプルの放置時間を変えたときの耐湿試験結果を示すサンプル外観写真である。 従来組成の試験用サンプル(従来例)と、第1の実施形態に係る試験用サンプル(実施例)のXRD測定結果を示す図である。 従来例に係る試験用サンプルと第1の実施形態の実施例に係る試験用サンプルとについて酸素センサとしての酸素応答性を評価した結果を示す図である。 第1の実施形態に係る酸素センサ素子、およびその酸素センサ素子を用いた酸素センサの製造工程を時系列で示すフローチャートである。 第1の実施形態に係る酸素センサ素子を使用した酸素センサの外観斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る酸素センサ素子の各サンプルについてNd置換量とサンプルの放置時間を変えたときの耐湿試験結果を示すサンプル外観写真である。 Nd置換量を変えた酸素センサ素子サンプルのX線回折(XRD)測定結果を示す図である。 各酸素センサ素子サンプルの耐溶断特性を示す図である。 図9のA部(2θ=46°付近)を拡大して示す図である。 Nd置換量を変えた酸素センサ素子の酸素応答性の測定結果を示す図である。 各酸素センサ素子サンプルの示差熱分析(DTA)測定の結果を示す図である。 Nd置換量を変えた酸素センサ素子の焼結体の破断面をSEM観察した結果を示すSEM写真である。
以下、本発明に係る実施形態について添付図面等を参照して詳細に説明する。本発明の実施形態に係る酸素センサ素子はセラミック焼結体からなり、電源に接続して電流が流れることで焼結体の中央部が高温で発熱し、その発熱箇所(ホットスポットと呼ばれる。)を酸素濃度の検出部としている。また、本実施形態に係る酸素センサ素子をセンサ素子とする酸素センサは、センサ素子である焼結体に流れる電流値をもとに酸素濃度を検出する。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態に係る、酸素濃度の検知体としての酸素センサ素子は、LnBa2Cu37-δの組成(以降において、従来組成ともいう。)からなる材料の一部を、周期表第2属の元素、すなわち、ベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、ラジウム(Ra)より選択したいずれか1つの元素と、ランタノイド系の元素、すなわち、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)より選択したいずれか1つの元素とで置換した組成を有する。
上記の組成において、Lnは希土類元素(例えば、Sc(スカンジウム)、Y(イットリウム)、La(ランタン)、Nd(ネオジム)、Sm(サマリウム)、Eu(ユウロピウム)、Gd(ガドリニウム)、Dy(ジスプロシウム)、Ho(ホルミウム)、Er(エルビウム)、Tm(ツリウム)、Yb(イッテルビウム)、Lu(ルテチウム)等)であり、δは酸素不定比量を表し、例えば0〜1である。
以下の説明では、第1の実施形態に係る酸素センサ素子として、従来組成LnBa2Cu37-δにおいてLnをY(イットリウム)とした組成YBa2Cu37-δの一部をカルシウム(Ca)およびランタン(La)で置換して、その組成をY1-zCazBa2-zLazCu37-δ(0.25≦z≦1)とした組成材料からなるセラミック焼結体を例に説明する。
最初に、第1の実施形態に係る酸素センサ素子材料を使用して作製したサンプルと、従来のセンサ素子材料からなるサンプルとを比較検証した結果を説明する。ここでは、後述する組成からなる圧粉体を焼結して、直径が約16mm、厚さが約2mmの円盤状の酸素センサ素子(以下、試験用サンプルともいう。)を作製し、耐湿試験等を行った。これらのサンプルは、それぞれの組成材料そのものの塊(バルク体)であり、試験前後における外観の変化等を観察し易い形状、大きさとした。
<耐湿試験結果>
従来組成の酸素センサ素子、および第1の実施形態に係る酸素センサ素子の耐湿試験結果について説明する。ここでは、40℃、93%RHの環境下において所定の時間、サンプルを放置する試験を行った。
図1は、組成YBa2Cu37-δを有する従来組成の試験用サンプル(z=0であり、従来例ともいう。)の耐湿試験結果を示すサンプル外観写真である。図1(a)は試験前のサンプル外観であり、図1(b)は、その試験用サンプルを40℃、93%RHの環境下に50時間、放置したときの外観を示している。
一方、図2は、組成Y1-zCazBa2-zLazCu37-δ(zはCaおよびLaの置換量であり、0.25≦z≦1である。)においてz=1とした第1の実施形態に係る酸素センサ素子(実施例ともいう。)の耐湿試験結果を示す外観写真である。図2(a)は試験前の酸素センサ素子の外観であり、図2(b)は、その試験用サンプルを40℃、93%RHの環境下に500時間、放置後の外観を示している。
図3は、従来組成YBa2Cu37-δの一部をカルシウム(Ca)およびランタン(La)で置換した、第1の実施形態に係る酸素センサ素子の組成Y1-zCazBa2-zLazCu37-δにおいて、CaとLaの置換量を変えるとともに(z=0〜1)、それぞれについて40℃、93%RHの環境下における放置時間を変えた(0時間〜500時間)ときの各サンプルの外観を観察した結果を示す外観写真である。
表1は、図3に示す各酸素センサ素子について、X線回折(XRD)測定による素子劣化を判定した結果である。
表1において、×印は炭酸バリウムのピークが発生し、既存のピークが減少したサンプル(素子の劣化あり)であり、○印は炭酸バリウム等の別のピークがみられず、既存のピークに変化もなく、素子に劣化がないと判定されたサンプルである。
図1(b)および図3に示す外観観察の結果、耐湿試験後において従来組成(z=0)の酸素センサ素子の表面に炭酸バリウム等が生成されて白く変色する現象が生じたことが分かる。これより酸素センサ素子が酸素と反応しなくなり、素子の劣化が生じたことが判明した。具体的には、表1のXRD測定結果と、図3の外観観測結果が示すように、従来組成のサンプルは、40℃、93%RHの環境下において50時間で素子が劣化した。
一方、実施例に係る酸素センサ素子は、CaおよびLaの置換量zが0.25の場合、40℃、93%RHの環境下に200時間、放置したときに、サンプル表面が白く変色する現象が見られ、置換量がz=0.5の場合、40℃、93%RHの環境下に500時間、放置したときに、サンプル表面が部分的に白く変色する現象が見られた。これらの実施例サンプルは、表1のXRD測定結果においても素子の劣化が認められた。
また、CaとLaの置換量をz=0.75,z=1とした各実施例のサンプルについては、図2(b)および図3に示す外観観察の結果と、表1のXRD測定の結果より、40℃、93%RHの環境下で500時間、放置後においても素子の劣化は認められなかった。
従来組成の一部をCaおよびLaで置換した組成からなる実施例に係る酸素センサ素子は、このような置換を行うことでセンサ素子の耐湿性が向上することが明らかになった。CaおよびLaの置換量については、z=0.25の場合も耐湿性の向上が見られるが、z=0.75以上が望ましいことが分かる。これより、第1の実施形態に係る酸素センサ素子は、耐湿性に優れていることが判明した。
第1の実施形態に係る酸素センサ素子の耐湿性が向上したメカニズムを考察するため、上述した試験用サンプルのX線回折(XRD)測定結果について、さらに詳細に説明する。
図4は、従来組成の試験用サンプル(従来例であり、z=0)と、第1の実施形態に係る試験用サンプル(実施例であり、0.25≦z≦1)のXRD測定結果である。具体的には、従来組成の一部をカルシウム(Ca)およびランタン(La)で置換したときの置換量をz=0,z=0.25,z=0.5,z=0.75,z=1とした試料を作製し、それぞれについてXRD測定を行った。なお、図4では、2θ=23°付近を拡大して示している。
従来例の酸素センサ素子は組成式LnBa2Cu37-δを有し、結晶構造中の酸素欠損が減少すると、正方晶(a=b≠c)から斜方晶(a≠b≠c)に相転移する。図4は、それぞれの状態での回折パターンを示す(斜方晶はa≠bであるため、(100)、(010)面の両方が存在する)。斜方晶の状態は結晶内部に欠陥を生じさせやすく、また、格子間の隙間も大きいと推測される。
図4に示すように、従来組成の一部をカルシウム(Ca)およびランタン(La)で置換した置換量zが増加するにつれて、斜方晶である(010)面のピークが減少し、正方晶である(100)面のピークが増加することが分かる。上述した外観観察およびXRD測定の結果が示すように、CaおよびLa置換により耐湿性が向上するのは、イオン半径の異なるCa,Laを結晶構造中に導入することで、斜方晶への相転移を抑制する効果があるからと推察される。
図4は、室温でのXRD測定において、LnBa2Cu37-δ複合ペロブスカイト構造の正方晶回折パターンが確認できたことを示している。また、実施例に係る試験用サンプルに使用する希土類元素(Ln)については、イットリウム(Y)≧ガドリニウム(Gd)>Nd(ネオジム)の順でセンサ素子の耐湿性に優れることが確認できた。
<センサ特性の評価結果>
図5は、従来組成の試験用サンプル(z=0)と、実施例に係る試験用サンプル(0.25≦z≦1)とについて、酸素センサとしての酸素応答性を評価した結果を示している。ここでは、各試験用サンプルに対して、図5の期間T1において標準エア(酸素濃度21%)の環境下とし、続く期間T2において酸素濃度1%の環境に切り換え、次の期間T3において標準エア(酸素濃度21%)の環境に切り換えた。
図5に示すように、従来組成の試験用サンプル(z=0)のセンサ出力の変化量(応答性)が32%であり、Ca,La置換した組成からなる実施例に係る試験用サンプル(置換量z=0.25,z=0.5,z=0.75,z=1)それぞれについて、23%,22%,19%,14%のセンサ出力の変化量(応答性)が得られた。
また、T1→T2→T3の酸素濃度の各変化点における電流変化の立上がり、および立下りも急峻であることから、酸素応答性に関して、従来組成の試験用サンプルと実施例に係る試験用サンプルとに差異がないことが分かる。
このように、従来組成の一部をCa,La置換した実施例に係る試験用サンプルについての酸素応答性評価結果より、Ca,Laの置換量zは0≦z≦1のすべての範囲において、良好なセンサ特性(センサ出力、応答速度)が得られることが明らかになった。また、置換量は、応答速度に対してほとんど影響を及ぼさないことも明らかになった。なお、図5の評価結果から、置換量zが増加するにつれて電流変化量が低下する傾向が見られるが、そのような低下があっても酸素センサ素子として十分利用できるレベルであると考えられる。
上述した組成式Y1-zCazBa2-zLazCu37-δで表される第1の実施形態に係る酸素センサ素子において、さらに、バリウム(Ba)をストロンチウム(Sr)で置換してなる組成物の検証を行った。その結果、このような置換を行った組成物においても耐湿性、センサ特性が確保できることが判明した。
次に、第1の実施形態に係る酸素センサ素子と、それを用いた酸素センサの製造方法について説明する。図6は、第1の実施形態に係る酸素センサ素子とその酸素センサ素子を用いた酸素センサの製造工程を時系列で示すフローチャートである。
図6のステップS1において、酸素センサ素子の原料を秤量し、それらを混合する。ここでは、酸素センサ素子の材料として、例えばY23,La23,BaCO3,CaCO3,CuOを、電子天秤等を使用して所定の組成になるように秤量し混合する。
なお、酸素センサ素子材料のLn(希土類元素)として、ここではイットリウム(Y)を例示しているが、他の単一の希土類元素であっても、あるいは複数の希土類元素を混合してもよく、いずれの希土類元素も使用可能である。また、この混合体に、さらにLn2BaCuO5を添加してもよい。
ステップS2では、上記ステップS1で秤量・混合した酸素センサ素子原料を、ボールミル装置で粉砕する。粉砕には、粉砕メディアをビーズとするビーズミル等の固相法、液相法でも可能である。
続くステップS3において、上記粉砕された材料(原料粉末)を、大気中において900℃、5時間、熱処理(仮焼き)する。仮焼きにより、反応性や粒径を調整する。仮焼きの温度は、880〜970℃でもよいが、900℃〜935℃がより好ましい。
次に、造粒工程に移行する。具体的には、ステップS4において造粒粉を作製する。ここでは、仮焼きした混合物にバインダー樹脂(例えば、ポリビニルアルコール(PVA))の水溶液等を加えて造粒粉を作製する。
続くステップS5では、例えば一軸プレス法により造粒粉にプレス圧を印加して成形し、例えば、厚みが300μmの板状部材(プレス成形体)を作製する。成形は、静水圧プレス法、ホットプレス法、ドクターブレード法、印刷法、薄膜法でも可能である。
ステップS6ではダイシングを行なう。ダイシングでは、成形された板状部材を所定の製品サイズおよび形状(例えば、0.3×0.3×7mmの線状体形状)に合わせて切削する。酸素センサ素子は、サイズ径が細い程、省電力に優れることから、製品サイズは上記以外のサイズでもよい。
ステップS7では、上述したダイシング後の酸素センサ素子に対して脱バインダーを行い、その酸素センサ素子を大気中で、例えば、920℃で10時間、焼成する。なお、焼成温度として900〜1000℃が可能であるが、組成によって最適温度が異なるため、組成により焼成温度を変えてもよい。この後、アニール処理を行ってもよい。
ステップS8において、酸素センサ素子の両端部に銀(Ag)をディップ塗布し、150℃で10分、乾燥させて電極を形成する。ステップS9では、ステップS8で形成された電極に、例えばφ0.1mmの銀(Ag)ワイヤをワイヤーボンディング等の接合方法により取り付けて、150℃で10分、乾燥する。このようにして形成された端子電極を、ステップS10で、例えば670℃で20分間、焼付けする。
上記の電極およびワイヤ材料は、銀(Ag)以外の材料、例えば、金(Au)、プラチナ(Pt)、ニッケル(Ni)、スズ(Sn)、銅(Cu)、樹脂電極等であってもよい。また、電極のディップには、印刷法、スパッタ等の着膜方法を使用してもよい。さらに、図6における最終工程として、上記の工程を経て製造された酸素センサ素子の電気的特性を、例えば四端子法により評価してもよい。
<酸素センサについて>
第1の実施形態に係る酸素センサ素子を使用した酸素センサは、酸素センサ素子の中央部の発熱箇所(ホットスポット)が酸素濃度の検出部となる。例えば、図7に示す酸素センサ1は、酸素センサ素子の保護部材として機能する、耐熱ガラスからなる円筒形のガラス管4の内部に酸素センサ素子5を収容した構造となっている。ガラス管4の両端には、酸素センサ1が外部と電気的な接続を行うため、例えば銅(Cu)等からなる金属製の導電キャップ(口金)2a,2bが嵌着されている。
酸素センサ素子5の両端部に取り付けた銀(Ag)ワイヤは、導電キャップ2a,2bと無鉛はんだにより電気的に接続され、酸素センサ素子5がガラス管4に接触しないように、酸素センサ素子5の長手方向がガラス管4の軸方向となるように配置されている。また、導電キャップ2a,2bの端面側それぞれに設けた通気孔3a,3bより、測定対象である気体(酸素)がガラス管4内に円滑に流入して、酸素センサ素子5がその気体に晒され、雰囲気の酸素濃度を正確に測定できる。
酸素センサ1の外形寸法(サイズ)は、例えばガラス管の直径が5.2mm、長さが20mm、通気孔の径が2.5mmであり、上述した寸法(0.3×0.3×7mm)の酸素センサ素子は、ガラス管の通気孔を介して交換可能となる。
なお、酸素センサ素子5の保護部材は、上記のガラス管以外に、例えばセラミックケース、樹脂ケース等であってもよい。また、酸素センサ素子5に取り付けた銀(Ag)ワイヤと導電キャップ2a,2bとの接続には、有鉛はんだ、溶接、カシメ等の接合方法を用いてもよい。
また、図示を省略するが、第1の実施形態に係る酸素センサ素子を使用した酸素センサは、電源により酸素センサに所定電圧を印加すると、酸素センサ素子には、周囲の酸素濃度に応じた電流が流れるため、その電流を電流計で計測した値をもとに、測定対象とする雰囲気の酸素濃度を測定する構成を有する。
以上説明したように、第1の実施形態に係る酸素センサ素子は、組成式LnBa2Cu37-δで表される従来組成の一部を、周期表第2属の元素より選択したいずれかの元素、例えばカルシウム(Ca)と、ランタノイド系の元素より選択したいずれか1つの元素、例えばランタン(La)とで置換した組成式Ln1-zCazBa2-zLazCu37-δ(Lnは希土類元素で、置換量zは0.25≦z≦1)で表される組成を有する。
このような組成とすることで、イオン半径の異なるCa,Laを結晶構造中に導入することで斜方晶への相転移が抑制され、Ca,La置換によりセンサ素子の耐湿性が向上する。その結果、センサ特性を損なうことなく、高耐久性、高信頼性の酸素センサ素子を提供できる。
また、第1の実施形態では、従来組成の一部をCa,La置換した例を挙げたが、Ca以外のベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、バリウム(Ba)、ラジウム(Ra)といった周期表第2属の他の元素から選択したいずれかの元素と、La以外のランタノイド系の他の元素より選択したいずれかの元素とで置換しても、Ca,La置換の場合と同等の効果が奏されることが想定できる。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態に係る酸素センサ素子は、上述した従来組成LnBa2Cu37-δのBaサイトを置換した組成を有する。具体的には、組成式LnBa2Cu37-δのBaを希土類元素Lnで置換して、Ln/Ba比を制御した組成Ln1+xBa2-xCu37-δ(0<x≦1.2)を有する。
そこで、第2の実施形態に係る酸素センサ素子材料で作製したサンプルと、従来のセンサ素子材料で作成したサンプルとを比較検証した結果を説明する。以降において、LnをNdとしたNd1+xBa2-xCu37-δを例に挙げて説明するが、Nd以外の他の希土類元素、あるいは希土類元素を組み合わせた、例えば、NdBa1.4Gd0.6Cu37-δであってもよい。
<耐湿試験結果>
直径が約16mm、厚さが約2mmの円盤状の酸素センサ素子を作製し、40℃、93%RH雰囲気下で所定の時間、サンプルを放置して耐湿試験を行った。
図8は、第2の実施形態に係る酸素センサ素子の組成Nd1+xBa2-xCu37-δにおいて、Ndの置換量xをx=0,0.2,0.3,0.4,0.6,0.8,1.0,1.2として、上記の環境下において放置時間を変えた(0時間〜500時間)ときの各サンプルの外観観察結果(外観の経時変化)を示す写真である。
図8に示すように、Nd置換を行なっていない(x=0)、従来例としてのサンプルには、50時間以内に酸素センサ素子の表面に白い析出物が生じた。また、x=0.4以上のサンプルでは、500時間が経過しても外観が変化しなかったことから、上記組成の酸素センサ素子サンプルは、Nd置換量xの増加にともない耐湿性が向上することが分かる。特に、0.4≦x≦1.2において、500時間以上の耐湿性があることが判明した。
図9は、上記のようにNd置換量を変えた酸素センサ素子のX線回折(XRD)測定結果である。また、表2は、XRD測定による素子劣化の判定結果である。
表2において、×印はセンサ素子サンプルが劣化したことを示し、○印は素子サンプルにほぼ劣化がないことを示している。また、図9に示すXRD測定の結果、すべてのサンプルにおいてNdBa2Cu37-δ(Nd−123)相の結晶構造が主相として確認された。すなわち、各サンプルは、置換量xを増加させても従来例のサンプルとほぼ同様の結晶構造であることが分かった。
また、x=0.8以上のサンプルでは、Nd2CuO4の析出が確認された(図中、▼印で示す)。このためNd1+xBa2-xCu37-δにおけるNdの固溶限は、x=0.6〜0.8と考えられる。サンプルでは、従来例とのピーク数の相違より、Nd置換により結晶構造が斜方晶から正方晶に変化したと考えられる。
なお、図示を省略するが、耐湿試験を50時間行ったx=0〜0.2のサンプルでは、BaCO3,CuOのピークが確認された。一方、x=0.4以上のサンプルでは、500時間が経過してもピークに変化がなかった。
<耐溶断特性の評価結果>
図10は、各サンプルの溶断に至る電力をまとめた耐溶断特性であり、横軸が置換量x、縦軸が溶断電力である。図10に示すように、0.2≦x≦1.0の範囲において、Nd置換により溶断電力が向上することが分かる。
<結晶構造の変化>
基本組成であるNdBa2Cu37-δ(Nd−123)、Sr置換を行なったNdBaSrCu37は、400℃〜950℃で結晶構造の変化が見られ、2θ=47°付近のピークがスプリットしたり、あるいはスプリットしたピークの強度比が変化する。
一方、第2の実施形態に係る酸素センサ素子は、置換量x=0.6の焼結体についての高温XRD測定の結果、室温(25℃)から950℃まで、2θ=47°付近のピークが常に一定となり、結晶構造に変化が見られなかった。このようにNd置換したサンプルは、高温まで安定した結晶構造を有することが、上述した耐溶断特性が向上する要因の一つであると考えられる。
図11は、図9において点線で囲んだ部分A((006)、(020)、(200)面のピーク(2θ=46°付近))であり、これらより格子定数を算出したところ、0.2≦x≦0.8の範囲では、置換量xの増加にともない格子定数は減少した。これは、NdがBaよりもイオン半径が小さいため、Ndが置換固溶しているからと考えられる。
図11より、x=0では、(020)面と(200)面のピークがスプリットしており、結晶構造が斜方晶(a≠b)である。0.2≦x≦0.8では、(020)面と(200)面のピークが重なっており、結晶構造が正方晶(a=b)に変化していると考えられる。この傾向はSr置換でも同様に現れることから、Baサイトをイオン半径の小さいNdイオンで置換することで、結晶構造が変化していると考えられる。このため、Baよりもイオン半径が小さいNd以外の希土類元素においても、同様の効果が得られると考えられる。
また、0.8≦x≦1.2の範囲では、上記のように0.2≦x≦0.8で重なっていた(020)面と(200)面のピークが再度スプリットした。このことは、固溶限界以上にNdを添加したことにより、Ndが別サイトにも固溶している可能性を示唆している。
<センサ特性>
図12は、組成式Nd1+xBa2-xCu37-δの酸素センサ素子について、上記のようにNd置換量を変えたときの酸素応答性の測定結果である。ここでは、第1の実施形態と同様、各試験用サンプルに対して、期間T1を標準エア(酸素濃度21%)の環境下、続く期間T2を酸素濃度1%の環境に切り換え、次の期間T3を再び標準エア(酸素濃度21%)の環境に切り換えて酸素応答性を測定した。
図12に示すように、Nd置換を行なったサンプルは、すべてのサンプルにおいて30%程度の電流変化が生じた。
また、T1→T2→T3の酸素濃度の各変化点における電流変化の立上がり、および立下りともに急峻であることから、従来組成のサンプルと実施例に係るサンプルは、酸素応答性において差異がないことが分かる。
なお、実施例に係るサンプル(x=0.6)は、従来例と比べて電流値を約30%低減できることが分かった。これは、Ba2+をNd3+で置換することで、ホール濃度が低下し、抵抗値が増加したためと考えられる。このことから、第2の実施形態に係るサンプルは、従来例よりも線径を太くして機械的強度を向上させても、消費電力(電流)の増加を抑えることができる。その結果、抵抗値の増加により、線径と消費電力についての設計自由度を上げることができる。
<焼成温度>
次に、第2の実施形態に係る酸素センサ素子の焼成温度について説明する。置換量がx=0,0.2,1.0,1.2のサンプルでは、図8に示すようにペレットの収縮が大きく、易焼結であった。そこで、この原因を調査するために示差熱分析(DTA)測定を行った結果を図13に示す。
図13において、x=0,1.0,1.2のサンプル(仮焼粉)では、下向き矢印で示す箇所に吸熱ピークが見られる。x=0における820℃付近のピークは、仮焼時に残留したBaCO3の脱炭酸(Gd−123相の合成)によるものと考えられる。同じくx=0における970℃付近のピークは、BaO−CuOを主成分とする相の融解ピークであると考えられる。
x=1.0,1.2における吸熱ピークは、図9の結果からNd−Cu−Oに起因する相の融解ピークであると考えられる。このため、x=0,0.2,1.0,1.2のサンプルで焼結が進行した原因は、焼成時の液相生成によるものと考えられる。
図14(a)〜(c)は、Nd置換量をx=0.4,0.6,0.8とし、980℃で10時間焼成した各サンプルの破断面をSEM観察した結果を示すSEM写真である。いずれのSEM写真も1000倍での反射電子像である。また、図13において、x=0.4,0.6,0.8のサンプルでは吸熱ピークが見られないことから、従来よりも高温での焼成によって、安定した多孔質組織を得ることができた。
従来組成であるGd−123は易焼結であるため、例えば920℃−10時間焼成のような、比較的低い温度で焼成を行う必要がある。しかし、酸素センサ素子におけるホットスポット発生部の温度は950℃付近であると考えられるため、酸素センサ稼働時の焼結進行が問題となるが、第2の実施形態に係るセンサ素子の組成では、Nd置換量の制御により液相の生成を抑えることができ、これにより高温での焼成が可能となる。
そのため、酸素センサ稼働時(ホットスポット発生時)のセンサ素子の出力安定性を向上させることができる。また、液相生成が少ないため焼成時の変形も抑えられ、焼結時の形状ばらつきを低減できる。
なお、第2の実施形態に係る酸素センサ素子と、それを用いた酸素センサの製造方法は、図6に示す第1の実施形態に係る製造工程と同様であるため、それらの説明は省略するが、第2の実施形態では、図6のステップS1において、酸素センサ素子の材料として、例えばNd23,BaCO3,CuOを、電子天秤等を使用して所定の組成になるように秤量し、混合する。
また、第2の実施形態に係る酸素センサ素子を使用した酸素センサの構成も、図7に示す構成と同様であるため、ここでは図示および説明を省略する。
上記のように第2の実施形態に係る酸素センサ素子は、LnBa2Cu37-δ(Lnは希土類元素)で表される従来組成において、Ln/Ba比を制御した組成Ln1+xBa2-xCu37-δ(0<x≦1.2)を有し、例えば、希土類元素より選択したネオジム(Nd)で置換した組成式Nd1+xBa2-xCu37-δで表される組成を有する。
このように、Baサイトをイオン半径の小さいNdイオンで置換した組成とすることで、耐湿性、耐久性のみならず、耐熱性(耐溶断性)および焼結性(耐変形)を向上できる。また、組成が3成分系であることから、センサ素子の製造ばらつきを抑えることができ、それにより製造の容易な酸素センサを提供可能となる。
さらに、Ndの置換量xに応じて素子の抵抗率を制御できるので、センサ稼動時の電流値抑制、素子線径の調整等が可能となる。
なお、センサ素子における電流密度は、素子の線径の平方根に反比例するため、電流密度が大きい程、センサ素子への負荷が大きくなる。そのため、線径が太い程、電流密度が低減され、素子の長寿命に繋がると考えられる。従来組成の素子では、素子径を太くすると稼働時の電流値(消費電力)が大きくなってしまうため、線径は細くする必要があった。
これに対して、第2の実施形態に係る酸素センサ素子(組成:Nd1+xBa2-xCu37-δ)では、素子の抵抗率の制御により、線径を太くしても電流値をある程度抑えることができる。加えて、素子径の増加(比表面積の低減)により、断熱性も確保できると考えられる。さらに、線径の増加による機械的強度の増加、量産工程でのハンドリング性の向上も期待できる。
また、第2の実施形態では、従来組成の一部をNdで置換した例を挙げたが、Nd以外の他の希土類元素で置換しても、あるいは、異なる希土類元素を組み合わせて置換しても、Nd置換と同様の効果が奏されることが想定できる。
1 酸素センサ
2a,2b 導電キャップ
3a,3b 通気孔
4 ガラス管
5 酸素センサ素子

Claims (16)

  1. セラミック焼結体からなり、電圧を印加したときの電流値をもとに酸素濃度を検出する酸素センサ素子であって、
    前記セラミック焼結体は組成式LnBa2Cu37-δ(Lnは希土類元素で、δは酸素不定比量を表す)の一部を周期表第2属の元素より選択したいずれかの元素、およびランタノイド系の元素より選択したいずれかの元素で置換した組成を有することを特徴とする酸素センサ素子。
  2. 前記周期表第2属の元素よりカルシウム(Ca)を選択し、前記ランタノイド系の元素よりランタン(La)を選択したことを特徴とする請求項1に記載の酸素センサ素子。
  3. 前記カルシウム(Ca)および前記ランタン(La)で置換してなる組成物を組成式Ln1-zCazBa2-zLazCu37-δで表したとき、置換量zは0.25≦z≦1であることを特徴とする請求項2に記載の酸素センサ素子。
  4. 前記組成式Ln1-zCazBa2-zLazCu37-δで表される組成物において、さらにバリウム(Ba)をストロンチウム(Sr)で置換したことを特徴とする請求項3に記載の酸素センサ素子。
  5. 前記組成式Ln1-zCazBa2-zLazCu37-δで表される組成物に、組成式Ln2BaCuO5(Lnは希土類元素)で表される組成物を混合したことを特徴とする請求項3または4に記載の酸素センサ素子。
  6. 前記組成式Ln1-zCazBa2-zLazCu37-δで表される組成物は複合ペロブスカイト構造を有することを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の酸素センサ素子。
  7. セラミック焼結体からなり、電圧を印加したときの電流値をもとに酸素濃度を検出する酸素センサ素子であって、
    前記セラミック焼結体は組成式LnBa2Cu37-δ(Lnは希土類元素で、δは酸素不定比量を表す)のBaを希土類元素Lnで置換した組成を有することを特徴とする酸素センサ素子。
  8. 前記組成式中のBaを、前記組成式中の希土類元素Lnと同じ希土類元素Lnで置換した組成を有することを特徴とする請求項7に記載の酸素センサ素子。
  9. 前記組成物を組成式Ln1+xBa2-xCu37-δで表したとき、置換量xは0<x≦1.2であることを特徴とする請求項8に記載の酸素センサ素子。
  10. 好ましくは、前記置換量xは0.4≦x≦0.8であることを特徴とする請求項9に記載の酸素センサ素子。
  11. 前記希土類元素Lnよりネオジム(Nd)を選択したことを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載の酸素センサ素子。
  12. 前記組成式Nd1+xBa2-xCu37-δで表される組成物に、組成式Ln2BaCuO5(Lnは希土類元素)で表される組成物を混合したことを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載の酸素センサ素子。
  13. 前記組成式Nd1+xBa2-xCu37-δで表される組成物は複合ペロブスカイト構造を有することを特徴とする請求項9〜12のいずれか1項に記載の酸素センサ素子。
  14. 前記セラミック焼結体は線状体のセンサ素子であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の酸素センサ素子。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の酸素センサ素子を酸素濃度の検出素子としたことを特徴とする酸素センサ。
  16. 前記酸素センサ素子は、両端に通気孔を有する保護管内に収容されていることを特徴とする請求項15に記載の酸素センサ。
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