本発明は、成分(A)として、架橋型ポリエーテル変性シリコーン又は架橋型ポリグリセリン変性シリコーンを配合する。
架橋型ポリエーテル変性シリコーン(ポリエーテル変性シリコーン架橋物とも呼ぶ)は、例えば、(ジメチコン/(PEG−10/15))クロスポリマー等のポリエーテル変性されたシリコーン架橋物である。架橋型ポリエーテル変性シリコーンには、架橋型アルキル・ポリエーテル変性シリコーンが含まれるが、この架橋型アルキル・ポリエーテル変性シリコーンは、架橋型ポリエーテル変性シリコーンを更にアルキル変性したもの(アルキル共変性タイプ)であって、例えば、(PEG−10/ラウリルジメチコン)クロスポリマー、(PEG−15/ラウリルジメチコン)クロスポリマー等が挙げられる。
これらの架橋型ポリエーテル変性シリコーン、架橋型アルキル・ポリエーテル変性シリコーンは市販品をそのまま使用してもよい。例えば、信越シリコーン社から、KSG21、KSG210、KSG240、KSG310、KSG330、KSG340という商品番号で販売されている各種化粧品用油分(例えば、ジメチコン、ミネラルオイル、トリオクタノイン、スクワラン等)で混練したゲル状分散物などが挙げられる。
成分(A)の架橋型ポリグリセリン変性シリコーンとしては、ジメチコン・(ジメチコン/ポリグリセリン−3)クロスポリマー(「KSG−710」;信越化学工業(株)製)等が挙げられる。
成分(A)の架橋型ポリグリセリン変性シリコーンには、アルキル基含有架橋型ポリグリセリン変性シリコーンが含まれるが、このアルキル基含有架橋型ポリグリセリン変性シリコーンとしては、ミネラルオイル・(ラウリルジメチコン/ポリグリセリン3)クロスポリマー(「KSG−810」;信越化学工業(株)製)、イソドデカン・(ラウリルジメチコン/ポリグリセリン3)クロスポリマー(「KSG−820;信越化学工業(株)製」)、トリオクタノイン・(ラウリルジメチコン/ポリグリセリン3)クロスポリマー(「KSG−830」;信越化学工業(株)製)、スクワラン・(ラウリルジメチコン/ポリグリセリン3)クロスポリマー(「KSG−840」;信越化学工業(株)製)等が挙げられる。
成分(A)の配合量は、化粧料全量中0.4〜6質量%とする。成分(A)の配合量は、使用感や毛穴等の補正効果に影響し、配合量が0.4質量%より少ないと、しっとりとした使用感が得られず、毛穴等の補正効果が不十分となる。一方、配合量が6質量%より多いと、みずみずしさが損なわれ、塗布する際ののびが重くなる。
本発明は、成分(B)として、デンドリマー型シロキサン構造を側鎖に有するアクリルポリマー又はシリコーン化プルランを配合する。
デンドリマー型シロキサン構造を側鎖に有するアクリルポリマーとは、アクリルポリマーを主鎖とし、その側鎖にデンドリマー型のポリシロキサンを有するものである。デンドリマーとは、一つの核から放射状に高度に規則的な枝分かれを有する樹脂状高分子をいう。
本発明のアクリルポリマーとしては、下記一般式(1)で示される単量体を構成モノマーとするポリマーが挙げられる。
一般式(1)中、Rは水素原子又はメチル基であり、好ましくはメチル基である。Aは炭素数1〜10のアルキレン基であるが、好ましくは、メチレン基、エチレン基、プロピレン基であり、特に好ましくはプロピレン基である。Dはデンドリマー型ポリシロキサンに相当する基であり、下記一般式(2)で示される。
R1は、炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基であり、アルキル基としては、メチル基、メチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが例示され、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基などが例示される。これらの中でも、メチル基、フェニル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
X1はi=1とした場合の下記式(3)で示されるシリルアルキル基である。
式(3)中、R1は前記と同じである。R2は炭素原子数2〜10のアルキレン基であり、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基などの直鎖状アルキレン基;メチルメチレン基、メチルエチレン基、1−メチルペンチレン基、1,4−ジメチルブチレン基等の分岐状アルキレン基が例示される。これらの中でも、エチレン基、メチルエチレン基、ヘキシレン基、1−メチルペンチレン基、1,4−ジメチルブチレン基が好ましく、特に好ましくはエチレン基である。R3は炭素原子数1〜10のアルキル基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基が例示される。
Xi+1は水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、アリール基、及び上記シリルアルキル基からなる群から選ばれる基である。aiは0〜3の整数である。iは1〜10の整数であり、該シリルアルキル基の階層数、即ち、該シリルアルキル基の繰返し数を示す。 従って、階層数が1である場合には、デンドリマー型ポリシロキサン構造Dは、下記一般式(4)で示され、これは本発明の成分が有するデンドリマー型ポリシロキサン構造の好適な例の一つである。
一般式(4)中、R1、R2、R3は前記と同じであり、R4は水素原子又は前記R1と同じである。a1は前記aiと同じであるが、1分子中のa1の平均合計数は0〜7である。
また、好適なデンドリマー型ポリシロキサン構造の一つとして、下記一般式(5)で示される基が挙げられる。
本発明のアクリルポリマーは、上記一般式(1)で示されるデンドリマー型ポリシロキサン含有(メタ)アクリル酸系単量体に加えて、他の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体を構成モノマーとするアクリルポリマーであることが好ましい。例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピルなどの低級アルキル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸グリシジル;(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル等の高級(メタ)アクリレートが挙げられる。本発明においては、少なくともメタクリル酸メチルを構成モノマーとして有することが好ましい。
さらに、本発明のアクリルポリマーは、その他のビニル系単量体を構成モノマーとすることも可能である。例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどの低級脂肪酸ビニルエステル;酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ステアリン酸ビニル等の高級脂肪酸エステル;スチレン、ビニルトルエン、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ビニルピロリドン等の芳香族ビニル型単量体;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、イソブトキシメトキシ(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有ビニル型単量体;(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルアルコール等の水酸基含有ビニル型単量体;(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸等のカルボン酸含有ビニル型単量体、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチルビニルエーテル、セチルビニルエーテル、2ーエチルヘキシルビニルエーテル等のエーテル結合含有ビニル型単量体;(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、片末端に(メタ)アクリル基を含有したポリジメチルシロキサン、片末端にスチリル基を含有するポリジメチルシロキサンなどの不飽和基含有シリコ−ン化合物;ブタジエン;塩化ビニル;塩化ビニリデン;(メタ)アクリロニトリル;フマル酸ジブチル;無水マレイン酸;ドデシル無水コハク酸;(メタ)アクリルグリシジルエーテル:(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸等のラジカル重合性不飽和カルボン酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩;スチレンスルホン酸のようなスルホン酸基を有するラジカル重合性不飽和単量体、およびそれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩;2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライドのような(メタ)アクリル酸から誘導される4級アンモニウム塩、メタクリル酸ジエチルアミンエステルのような3級アミン基を有するアルコールのメタクリル酸エステル、およびそれらの4級アンモニウム塩が例示される。
また多官能ビニル系単量体も使用可能であり、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリオキシエチル(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、スチリル基封鎖ポリジメチルシロキサンなどの不飽和基含有シリコ−ン化合物等が例示される。
また、フッ素化有機基を含有するビニル系単量体も使用可能であり、例えば、一般式:CH2=CR5COORfで表されるものが好適に用いられる。式中、R5は水素原子またはメチル基であり、Rfはフッ素化有機基であり、例えば、−(CH2)x−(CF2)y−R6[x=0〜3の整数、y=1〜20の整数、R6=H、F、−CH(CF3)2又は−CF(CF3)2である]で示される直鎖又は分岐のフルオロアルキル基や、−CH2CH2−(CF2)m−CFR7−[OCF2CF(CF3)]n−OC3F7[m=0または1、n=0〜5の整数、R7はFまたはCF3である]で表されるフルオロアルキルオキシフルオロアルキレン基が挙げられる。
本発明のデンドリマー型ポリシロキサン構造を側鎖に有するアクリルポリマーは、上記単量体を用いラジカル重合法など公知の方法により重合させることにより製造できる。ラジカル重合は、例えば、溶液中、ラジカル開始剤を用いて加温することにより行うことができ、必要に応じて連鎖移動剤も添加できる。具体的には、例えば特許文献1〜2に記載された方法に従って製造することができる。
アクリルポリマーの数平均分子量は、好ましくは3,000〜2,000,000、さらに好ましくは5,000から800,000である。
また、本発明の成分(A)のアクリルポリマーとしては市販品も利用可能であり、例えばDow Corning(R) FA4001CM Silicone Acrylate[(アクリレーツ/メタクリル酸ポリトリメチルシロキシ)コポリマー30%及びデカメチルシクロペンタシロキサン70%の混合物、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製]、Dow Corning(R) FA4002ID Silicone Acrylate[(アクリレーツ/メタクリル酸ポリトリメチルシロキシ)コポリマー40%及びイソドデカン60%の混合物、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製]が挙げられる。
成分(B)のシリコーン化プルランは、下記一般式(6)で示される化合物である。
上記式(6)において、Rは水素原子または[(CH3)3SiO] 3Si(CH2)3NHCO基を意味する。シリコーン化プルランにおいて、プルランの反応性官能基に対するシリコーン化合物の結合割合はその種類によって異なるが、通常、多糖化合物の構成糖1単位当たりのシリコーン化合物の平均結合数(置換度)が0.5〜3.0であることが好適である。なお、本発明において置換度は化合物中のSi含有量(質量%)から換算したものである。なお、シリコーン化プルランの配合の際には、低分子量シリコーン油や軽質イソパラフィンに溶解して配合すると、配合のしやすさや使用感等を高めることができる。
本発明において用いるシリコーン化プルランとして、好ましいものは下記式(7)で示されるトリ(トリメチルシロキシ)シリルプロピルカルバミド酸プルランである。
上記式(7)において、PLはプルランのグルコース残基を表す。
シリコーン化プルランは、公知の製法により製造したものを用いることができる(例えば、特開平10−29910号公報)。また、市販品としては、例えば、TSPL−30−ID(トリ(トリメチルシロキシ)シリルプロピルカルバミド酸プルラン、信越化学工業社製、30%イソドデカン溶液)、TSPL−30−D5(トリ(トリメチルシロキシ)シリルプロピルカルバミド酸プルラン、信越化学工業社製、30%デカメチルシクロペンタシロキサン溶液)が挙げられる。
成分(B)の配合量は、化粧料全量中0.3〜8質量%とする。配合量が0.3質量%より少ないと、塗布した際にしっとりとした使用感が得られず、フィット感も不十分となる。また、毛穴を補正する効果も時間の経過とともに低下しやすい傾向にある。一方、配合量8質量%をこえると、べたつきが生じ、使用感に劣るとともに、よれが生じやすく化粧崩れしやすくなる。
本発明の含浸用油中水型乳化化粧料は、含浸体に含浸し、かかる含浸体から指又は塗布具で取り肌に塗布して使用する含浸用の油中水型乳化化粧料である。
本発明の含浸用油中水型乳化化粧料を含浸するための含浸体としては、樹脂、パルプ、綿等の単一又は混合素材からなる不織布、樹脂加工した繊維体、スポンジなどの発泡体、連続機構を備えた多孔質体などが挙げられる。また素材としては、NBR(アクリロニトリルブタジエンゴム)、SBR(スチレンブタジエンゴム)、NR(天然ゴム)、ウレタン、ナイロン、ポリオレフィン、ポリエステル、EVA(エチレン酢酸ビニル)、PVA(ポリビニルアルコール)、シリコン、エラストマー、などの例が挙げられるが、内容物を含むことのできる含浸体であればこれらの素材に限られるものではないが、ポリエステル繊維を用いて成形した繊維体であって、硬度は40〜60(F硬度計測定値)、密度は0.006〜0.1g/cm3としたものを用いることが好ましい。
含浸用油中水型乳化化粧料を含浸体から取り、肌に塗布するための塗布具としては、通常、液状化粧料を肌に塗布する際に使用するスポンジ、パフ、チップ等が挙げられる。
本発明の含浸用油中水型乳化化粧料に配合する油分は、通常化粧料に配合され得る油性成分であれば特に限定されるものでなく、例えば、シリコーン油、合成エステル油、炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、油脂、ロウ類等が挙げられる。
シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、デカメチルポリシロキサン、ドデカメチルポリシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンポリシロキサン等の環状ポリシロキサンなどが例示される。
合成エステル油としては、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキシル酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキシル酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ペンタンエリスリトール、トリー2−エチルヘキシル酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オイル、アセトグリセライド、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−クチルドデシルエステル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、セバチン酸ジイソプロピル、コハク酸2−エチルヘキシル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、クエン酸トリエチル、クロタミトン(C13H17NO)などが例示される。
炭化水素油としては、流動パラフィン、オゾケライト、スクワレン、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワレン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックスなどが例示される。
高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン(ベヘニン)酸、オレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸、トール酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)などが例示される。
高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール等の直鎖アルコール;モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、2−デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等の分枝鎖アルコールなどが例示される。
油脂としては、アボガド油、ツバキ油、月見草油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン等の液体油脂;カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、モクロウ核油、硬化油、牛脚脂、モクロウ、硬化ヒマシ油等の固体油脂などが例示される。
ロウ類としては、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテルなどが例示される。
本発明に配合する水分としては、水や水溶性成分などが挙げられる。水溶性成分としては、例えば低級アルコール、保湿剤、水溶性高分子(天然、半合成、合成、無機)などが挙げられる。
低級アルコールとしては、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノールなどが例示される。
保湿剤としては、グリセリン、ジエチレングリコール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、エラスチン、アミノ酸、核酸、コレステリル−12−ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、dl−ピロリドンカルボン酸塩、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン(EO)PO付加物、イサイヨバラ抽出物、セイヨウノキギリソウ抽出物、メリロート抽出物などが例示される。
天然の水溶性高分子としては、アラアビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、グアーガム、ローカストビーンガム、タマリントガム、キャロブガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、アルゲコロイド(カッソウエキス)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、グリチルリチン酸等の植物系水溶性高分子;キサンタンガム、デキストラン、サクシノグリカン、ブルラン等の微生物系水溶性高分子;コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系水溶性高分子などが例示される。
半合成水溶性高分子としては、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系水溶性高分子;メチルセルロース、ニトロセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、結晶セルロース、セルロース末等のセルロース系水溶性高分子;アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系水溶性高分子などが例示される。
合成水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー(カーボポール)等のビニル系水溶性高分子;ポリエチレングリコール20,000、同4,000,000、同600,000等のポリオキシエチレン系水溶性高分子;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体等の共重合系水溶性高分子;ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等のアクリル系水溶性高分子のほか、ポリエチレンイミン、カチオンポリマーなどが例示される。
本発明の含浸用油中水型乳化化粧料は、乳化剤として、HLB7以下の乳化剤を用いることができる。HLB7以下の乳化剤としては、例えば、ポリエーテル変性シリコーン等のポリエーテル系のシリコーン;POE(5)、POE(7.5)、POE(10)硬化ひまし油等のポリオキシエチレン硬化ひまし油;ジポリヒドロキシステアリン酸エステル類:ジポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル−2、PEG30 ジポリヒドロキシステアレート等の高分子量親油性活性剤;セチルジメチコンコポリオール等が挙げられる。
前記乳化剤のうち、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体、ポリオキシエチレンメチルポリシロキサン共重合体、シリコーン鎖分岐型メチルポリシロキサン共重合体、アルキル鎖分岐型ポリオキシエチレンメチルポリシロキサン共重合体、アルキル鎖・シリコーン鎖分岐型ポリオキシエチレンメチルポリシロキサン共重合体、架橋型ポリオキシエチレンメチルポリシロキサン、アルキル基含有架橋型ポリオキシエチレンメチルポリシロキサン、分岐型ポリグリセリン変性シリコーン、アルキル基分岐型ポリグリセリン変性シリコーン等のポリエーテル変性シリコーンを用いることが好ましい。
ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体としては、市販品では、DOW CORNING TORAY TSポリマー 50−D5;東レダウコーニング社製、PEG/PPG−20/22ブチルエーテルジメチコン(「KF−6012」;信越化学工業社製)、PEG/PPG−20/20ジメチコン(「SH3749」;東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)、ラウリルPEG/PPG−18/18メチコン(「5200 Formulation Aid」;東レ・ダウコーニング社製)、PEG/PPG−19/19ジメチコン(「BY22―008」;東レ・ダウコーニング社製)等が挙げられる。
ポリオキシエチレンメチルポリシロキサン共重合体としては、市販品では、PEG−3ジメチコン(「KF−6015」;信越化学工業社製)、PEG−9メチルエーテルジメチコン(「KF−6016」;信越化学工業社製)、PEG−10ジメチコン(「KF−6017」;信越化学工業社製)、PEG−11メチルエーテルジメチコン(「KF−6011」;信越化学工業社製)、PEG−9ジメチコン(「KF−6013」;信越化学工業社製)、PEG−12ジメチコン(「SH3771M」、「SH3772M」、「SH3773M」、「SH3775M」等;東レ・ダウコーニング社製)等が挙げられる。
乳化剤は配合量や数種類の併用を特に限定するものではないが、粉末が通常10%以上配合される乳化メーキャップ製品においては、乳化剤は粉末に吸着するため乳化剤の配合量は多くなる。乳化剤の配合量を多くすると使用性が劣る傾向にあるが、デンドリマー型シロキサン含有アクリルポリマーを併用する場合は、乳化剤の配合量を少なくすることが可能となり、例えば 成分(A)以外の乳化剤(活性剤)を5%未満に抑えれば、使用性において好ましい。
本発明の含浸用油中水型乳化化粧料は、その他の成分を本発明の効果が損なわれない範囲で配合し、常法により製造することができる。
その他の成分としては、微粒子粉体、顔料級粉体、増粘剤、金属イオン封鎖剤、アミノ酸、有機アミン、pH調整剤、皮膚栄養剤、ビタミン、酸化防止剤、酸化防止助剤、香料等が挙げられる。
増粘剤としては、アラビアガム、カラギーナン、カラヤガム、トラガカントガム、キャロブガム、クインスシード(マルメロ)、カゼイン、デキストリン、ゼラチン、ペクチン酸ナトリウム、アラギン酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、CMC、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、PVA、PVM、PVP、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ローカストビーンガム、グアガム、タマリントガム、ジアルキルジメチルアンモニウム硫酸セルロース、キサンタンガム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ベントナイト、ヘクトライト、ケイ酸A1Mg(ビーガム)、ラポナイト、無水ケイ酸、デキストリン脂肪酸エステル、有機変性粘土鉱物、などが挙げられる。デキストリン脂肪酸エステルとしては、パルミチン酸デキストリンエステル、パルミチン酸/2−エチルヘキサン酸)デキストリンエステルが知られている。ジステアルジモニウムヘクトライトが安定性の面で好ましい反面、使用性が重くなること知られている。本発明によれば、このような増粘剤を配合することなく、安定な組成物を得ることができる。
使用性を調整する粉末として、3次元網目構造を形成しているシリコ−ン樹脂、シリコーンゴム等を配合することができる。
本発明の含浸用油中水型乳化化粧料は、広く外皮に適用されている化粧料、医薬品、および医薬部外品に応用することが可能である。応用の例として、例えば、ファンデーション、化粧下地、美容液、乳液、クリーム、皮膚科用軟膏等の製品が挙げられる。
本発明の含浸用油中水型乳化化粧料は、含浸体に含浸した後、気密性を備えたコンパクト容器に収容することにより携帯に適した容器形態とすることができる。
以下、実施例に沿って本発明をさらに詳細に説明するが、これらの実施例は本発明を限定するものではない。表中の配合量を示す数値は、化粧料全量中の質量%を示している。また、市販の原料製品を用いた場合は、溶媒等を除いた実分(固形分)の配合量を表示する。
表1に記載する架橋型ポリエーテル変性シリコーンについては、(ジメチコン/(PEG−10/15))クロスポリマー20−30質量%とジメチコン70−80質量%からなる信越シリコーン社製KSG-210を用い、デンドリマー型シロキサン含有アクリルポリマーについては、ポリマー30質量%とデカメチルオペンタシロキサン70質量%からなるDow CorningR FA4001CM Silicone Acrylate、又は、ポリマー40質量%とイソドデカン60質量%からなるDow CorningR FA4002CM Silicone Acrylateを用い、トリメチルシロキシケイ酸については、トリメチルシロキシケイ酸50質量%とデカメチルシクロペンタシロキサン50質量%からなる信越シリコーン社製SSD−R3を用いて、それぞれ表中の実分量となるよう配合した。
評価項目である「しっとりさ」、「べたつきの無さ」、「毛穴補正効果」については、指で塗布した場合とパフを塗布した場合のそれぞれについて、パネラー10名による官能試験により評価した。尚、含浸体は、ポリエステル繊維を用いて成形した繊維体(硬度40〜60(F硬度計測定値)、密度0.018g/cm3)を用いた。
表1に示すように、実施例1〜8においては、全ての評価項目について良好な結果を得ることができた。
通常、ファンデーション等では、SPFを付与のために、微粒子酸化チタンを配合する。例えば、3質量%以上の微粒子酸化チタンを配合すると、一般的には、きしみ感、粉っぽさを感じやすくなり、3時間後のよれや粉っぽさの評価が劣る傾向にあるが、本発明の含浸用油中水型乳化化粧料においては、微粒子酸化チタンを配合した場合にも、全ての評価項目において良好な結果を得ることができることを確認した。
実施例1〜8の粘度は、B型回転粘度計を用いて30℃の温度で測定した粘度が約4000〜28000mPa・Sであり、いずれも含浸体への充填・含浸を容易に行うことができるとともに、含浸後は長期にわたり安定して含浸体に保持されることを確認した。また、4000mPa・s未満である場合、フィット感が不十分で、毛穴補正効果も得られにくく、28000mPa・sを超えると、経時でのよれが生じやすくなる。全油分に対する不揮発性油分の割合は、15〜60%であることが好ましく、15%未満または60%を超える場合、本発明の効果が得られにくい。
以下、本発明にかかる含浸用油中水型乳化化粧料の処方例を示す。配合量の単位は質量%とする。また、市販の原料製品を用いた場合は、溶媒等を除いた実分(固形分)の配合量を表示する。
処方例1,2は、成分(A)の架橋型ポリグリセリン変性シリコーンとして、ジメチコン・(ジメチコン/ポリグリセリン−3)クロスポリマーを配合し、処方例3,4は、成分(A)の架橋型ポリエーテル変性シリコーンとして、(ジメチコン/(PEG−10/15))クロスポリマーを配合する。
処方例に示す何れの化粧料も使用感、毛穴補正効果、保存安定性に優れるものであり、様々なメーキャップ製品に応用することが可能である。