JP2019118592A - 吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】薄型で尿等の排泄液の拡散性に優れ、さらに装着感に優れる吸収性物品を提供すること。【解決手段】肌対向面を形成する表面シート2、非肌対向面を形成する裏面シート3、及び吸収体4を具備する吸収性物品である。吸収体4は、基材シート20と、該基材シート20の片面に形成された吸収性コア14とを備えている。吸収性コア14は、吸水性樹脂40と、該吸水性樹脂40を基材シート20に固定する水溶性高分子47とを含んでいる。表面シート2は、排泄部対向部Bにおける縦方向Xに沿う両側部に、該表面シート2の肌対向面側又は非肌対向面側に形成され且つ前記縦方向に延びる一対の圧搾溝6を有している。表面シート2における圧搾溝6が形成されている面とは反対側の面65において、圧搾溝6を有する部位における反対側の面26が、圧搾溝6以外の部位における反対側の面65bから突出していない。【選択図】図2

Description

本発明は吸収性物品に関する。
使い捨ておむつや失禁パッド等の吸収性物品は、尿等の排泄液を吸収する吸収体の肌対向面側に表面シートを備えている。吸収体への排泄液の移行のし易さの観点から、表面シートに圧搾溝等の凹部が形成された吸収性物品が提案されている。例えば、特許文献1には、高吸収性ポリマーを有する吸収層と、圧搾条溝とを備え、該吸収層の配置された領域が、高吸収性ポリマー粒子の存在する分布域と、高吸収性ポリマー粒子の存在しない非分布域とに区分されており、圧搾条溝が非分布域に形成され、非分布域が圧搾条溝の周縁部から外方へ延在している、体液吸収性物品が記載されている。この圧搾条溝については、吸収層が圧搾され、圧搾により周辺に比して密度の高い、厚さ方向へ延びる高密度部位が形成されていることが記載されている。
本出願人は、表面シートが複数の凹部の連続線からなる第1親水度領域と、該第1親水度領域の連続線が互いに交差した第2親水度領域とを有し、各第1親水度領域の連続線が、複数本の第1親水度領域の連続線の交差する交点で、その幅が太くなっている、吸収性物品を提案している(特許文献2)。
特開2010−068954号公報 特開2017−113226号公報
一方、良好な装着感を得る観点から、吸収体の薄型化が望まれている。しかし、特許文献1に記載の体液吸収性物品において、薄型化した吸収体を具備すると、圧搾条溝の部分が圧搾により硬くなり、当該硬くなった部分が着用時の違和感を引き起すため、優れた装着感が得られない。また、薄型化した吸収体は、一般的に吸水性樹脂を多く含んでいるが、特許文献1に記載の体液吸収性物品では、圧搾により、吸収層に含まれる吸収性樹脂が漏れ出る虞があった。
特許文献2に記載の吸収性物品は、表面シートにおける排泄液の拡散性に改善の余地があった。
したがって、本発明の課題は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る吸収性物品を提供することにある。
本発明は、着用者の前後方向に対応する縦方向及び該縦方向に直交する横方向を有し、肌対向面を形成する表面シート、非肌対向面を形成する裏面シート、及びこれら両シート間に介在された吸収体を備える吸収性物品であって、前記吸収体は、基材シートと、該基材シートの片面に形成された吸収性コアとを備え、該吸収性コアは、吸水性樹脂と、該吸水性樹脂を前記基材シートに固定する水溶性高分子とを含んでおり、前記表面シートは、排泄部対向部における前記縦方向に沿う両側部に、該表面シートの肌対向面側又は非肌対向面側に形成され且つ前記縦方向に延びる一対の圧搾溝を有し、該表面シートにおける前記圧搾溝が形成されている面とは反対側の面において、前記圧搾溝を有する部位における前記反対側の面が、前記圧搾溝以外の部位における前記反対側の面から突出していない、吸収性物品を提供するものである。
また本発明は、前記吸収性物品の製造方法であって、前記吸収体を、エンボス加工により前記圧搾溝が形成された前記表面シートと、前記裏面シートとの間に介在させる、吸収性物品の製造方法を提供するものである。
本発明の吸収性物品は、薄型で尿等の排泄液の拡散性に優れ、さらに装着感に優れる。
図1は、本発明の吸収性物品の一実施形態である失禁パッドの平面図である。 図2は、図1のI−I線断面を模式的に示す断面図である。 図3(a)は、図2に示す表面シート、吸収体、及び裏面シートの拡大断面図であり、図3(b)は、図3(a)に示す圧搾部の拡大断面図である。 図4は、発明の他の実施形態における図3(a)の相当図である。 図5は、単層構造を有する表面シートを備える吸収性物品の図2相当図である。 図6(a)及び(b)は、非肌対向面側に圧搾溝が形成された表面シートを備える吸収性物品を示す断面図である。 図7は、切欠部が形成された吸収性コアを備える吸収性物品の図2相当図である。 図8は、図2に示す吸収体を製造する装置を示す斜視図である。 図9は、図7に示す吸収体を製造する装置を示す斜視図である。
以下、本発明の吸収性物品を、その好ましい一実施形態である失禁パッド1に基づき図面を参照して説明する。図1には、本実施形態の失禁パッド1を表面シート2側から視た平面図が示されており、図2には、本実施形態の失禁パッド1の断面図が示されている。本実施形態の失禁パッド1は、図2に示すように、肌対向面を形成する液透過性の表面シート2、非肌対向面を形成する裏面シート3、及びこれら両シート2,3間に介在された吸収体4を具備している。
失禁パッド1は、図1に示すように、着用時に着用者の排泄部(膣口等)に対向配置される排泄部対向部Bと、該排泄部対向部Bよりも着用者の腹側(前側)寄りに配される前方部Aと、該排泄部対向部Bよりも着用者の背側(後側)寄りに配される後方部Cとを有している。失禁パッド1は、着用者の前後方向に対応する縦方向X及び該縦方向Xに直交する横方向Yを有し、縦方向Xに、前方部A、排泄部対向部B及び後方部Cの順番で区分される。着用者の前後方向に対応する縦方向Xは、着用時に、着用者の腹側から股下を通って背側に向かう方向である。また、失禁パッド1は、縦方向Xに延びる中心線CLに対して左右対称に形成されている。縦方向Xとは、中心線CLに平行な方向でもある。
また、本明細書において、肌対向面は、失禁パッド1又はその構成部材(例えば吸収体4)における、失禁パッド1の着用時に着用者の肌側に向けられる面であり、非肌対向面は、失禁パッド1又はその構成部材における、失禁パッド1の着用時に肌側とは反対側(着衣側)に向けられる面である。
また、本発明の吸収性物品において、排泄部対向部Bとは、本実施形態の失禁パッド1のようにウイング部を有しない吸収性物品においては、吸収性物品が3つ折りの個装形態に折り畳まれた際に生じる、該吸収性物品を横方向(吸収性物品の横方向、図中のY方向)に横断する2本の折曲線(図示せず)について、該吸収性物品の縦方向Xの前端から数えて第1折曲線と第2折曲線とに囲まれた領域を意味する。尚、ウイング部を有する吸収性物品において排泄部対向部Bは、吸収性物品の縦方向(吸収性物品の長手方向、図中のX方向)において該ウイング部を有する領域(一方のウイング部の縦方向Xに沿う付け根と他方のウイング部の縦方向Xに沿う付け根とに挟まれた領域)を意味する。
失禁パッド1では、表面シート2は、図1及び図2に示すように、吸収体4の肌対向面の全域を被覆し、吸収体4の縦方向Xに沿う両側縁から横方向Yの外方に延出している。一方、裏面シート3は、吸収体4の非肌対向面の全域を被覆し、更に吸収体4の縦方向Xに沿う両側縁から横方向Yの外方に延出して、後述するサイドシート5と共にサイドフラップ部Sを形成している。失禁パッド1の裏面シート3側の非肌対向面には、ショーツ等の下着に固定するための粘着部31が設けられている。裏面シート3とサイドシート5とは、吸収体4の縦方向Xに沿う両側縁からの延出部において、接着剤、ヒートシール、超音波シール等の公知の接合手段によって互いに接合されている。尚、表面シート2及び裏面シート3それぞれと吸収体4との間は接着剤によって接合されていてもよい。
表面シート2として、例えば、尿などの体液を透過し得る液透過性シートであることを前提として、合成繊維又は天然繊維からなる織布や不織布、多孔性シート等を用いることができる。
本実施形態の表面シート2は、図2に示すように、肌対向面側に配された第1シート2aと、非肌対向面側に配された第2シート2bとを有する複合シートからなる。第1シート2a及び第2シート2bは、シート材料から構成されている。シート材料としては、例えば不織布、織布及び編み地などの繊維シートや、フィルムなどを用いることができ、肌触り等の観点から繊維シートを用いることが好ましく、特に不織布を用いることが好ましい。第1シート2aと第2シート2bとをそれぞれ構成するシート材料の種類は同じでもよく、あるいは異なっていてもよい。
第1シート2a及び第2シート2bを構成するシート材料として不織布を用いる場合の不織布としては、例えば、エアスルー不織布、スパンボンド不織布、スパンレース不織布、メルトブローン不織布、レジンボンド不織布、ニードルパンチ不織布などが挙げられる。これらの不織布を2種以上組み合わせた積層体や、これらの不織布とフィルム等とを組み合わせた積層体を用いることもできる。これらのなかでも、エアスルー不織布又はスパンボンド不織布を用いることが好ましい。
不織布を構成する繊維としては、各種の熱可塑性樹脂からなる繊維を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ナイロン6やナイロン66などのポリアミド、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸アルキルエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどが挙げられる。これらの樹脂は1種を単独で又は2種以上のブレンド物として用いることができる。また、芯鞘型やサイド・バイ・サイド型などの複合繊維の形態で用いることができる。
裏面シート3の形成材料としては、吸収性物品に従来使用されている各種のもの等を特に制限なく用いることができる。例えば、液不透過性又は撥水性の樹脂フィルム、樹脂フィルムと不織布とのラミネートシート等を用いることができる。裏面シート3に関し、液不透過性とは、液難透過性も含む概念であり、裏面シート3が液を全く通さない場合も含まれる。
失禁パッド1では、図1及び図2に示すように、肌対向面における縦方向Xに沿う両側部に一対のサイドシート5が配されている。好適には、サイドシート5は、平面視において、吸収体4の縦方向Xに沿う左右両側部に重なるように、失禁パッド1の縦方向Xの全長に亘って配されている。サイドシート5は、吸収体4よりも横方向Yの外方へ延出しており、その延出部位と、裏面シート3の横方向Yの延出部位とが接合されてサイドフラップ部Sを形成している。
横方向Yにおけるサイドシート5の内側縁部には、1本又は複数本の糸状の弾性部材16aが縦方向Xに沿って伸長状態で固定されており、該弾性部材16aの収縮によって、失禁パッド1の縦方向Xの両側部に、該縦方向Xに延びる一対の防漏カフ15が形成される。防漏カフ15は、縦方向Xに延びる固定端15b、縦方向Xに延びる自由端15a、及び自由端15aと固定端15bとの間に外向きに折り返された折り返し部15cを有している。折り返し部15cは、折り曲げ部15dから横方向Yの外方に向かって折り返されている。また、防漏カフ15は、自由端15a側に前述の弾性部材16aが固定された伸縮部16を有している。伸縮部16は縦方向Xに伸縮性を有し、該伸縮部16の収縮により、折り返し部15cが、着用者の身体側に向けて起立する。防漏カフ15は、吸収体4の長手方向に沿う両側縁それぞれの近傍に、接着剤等の接合手段によって表面シート2に固定された固定部5aを有し、該固定部5aの横方向Y内側の端部が、防漏カフ15の固定端15bとなっている。防漏カフ15は、固定端15bと自由端15aとの間が、着用中に起立することにより、尿等の排泄液の横漏れを防止するようになっている。
防漏カフ15は、図1に示すように、縦方向Xにおいて失禁パッド1の該防漏カフ15を有する部位の全長に亘って連続しており、該防漏カフ15の縦方向Xの両端15P,15P間に、前述の伸縮部16を有している。本実施形態の伸縮部16は、防漏カフ15の両端15P,15Pより縦方向Xの内方に配されている。
サイドシート5としては、当該技術分野において従来用いられている各種のものを特に制限なく用いることができ、例えば、液不透過性又は撥水性の不織布や樹脂フィルム、樹脂フィルムと不織布との積層体等を用いることができる。
失禁パッド1では、表面シート2及び裏面シート3は、吸収体4の縦方向Xの前端及び後端それぞれから縦方向Xの外方に延出し、それらの延出部において、接着剤、ヒートシール、超音波シール等の公知の接合手段によって、互いに接合されている。具体的には、表面シート2及び裏面シート3は、図1に示すように、縦方向Xの前端側及び後端側の延出部において、接合部(不図示)により接合されている。
本実施形態における吸収体4は、図1に示すように平面視して、縦方向Xの両端に該縦方向Xの外方に向かって凸の凸部を有する略矩形形状であり、前方部Aから排泄部対向部Bを経て後方部Cに亘って延びている。
本実施形態の吸収体4は、図2に示すように、基材シート20と、該基材シート20の片面に形成された吸収性コア14とを備えている。吸収体4は、吸収性コア14がパルプ繊維を始めとする繊維材料を含有していないため、パルプ繊維を含有した吸収性コアを具備する吸収体に比して、厚みが薄い。
本実施形態における吸収性コア14は、吸水性樹脂43と、該吸水性樹脂43を基材シート20に固定する水溶性高分子47とを含んでいる〔図3(a)参照〕。吸収性コア14において水溶性高分子47は、吸水性樹脂43と結合し、該吸水性樹脂43を基材シート20に固定している。
基材シート20としては、吸収性コア14を保持し得る材料のものが用いられ、液透過性シートであってもよく、液不透過性シート又は液難透過性シートであってもよい。これらの2種以上の材料の積層体を基材シートとして用いてもよい。尿等の排泄液を平面方向に拡散させる観点からは、基材シートは液透過性の繊維シートからなることが好ましい。
不織布としては、各種の製造方法で得られるものを特に制限なく用いることができる。不織布の例としては、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、エアスルー不織布、メルトブローン不織布、ニードルパンチ不織布及びレジンボンド不織布などが挙げられる。これらの不織布は、それぞれ単独で用いることができ、あるいは2種以上の不織布の積層体の形態で用いることもできる。
織布としては、種々の繊維組織を有するものを用いることができる。紙としては、抄紙可能な繊維を原料とし、湿式抄紙法又は乾式抄紙法によって得られたものを用いることができる。フィルムとしては、例えばTダイ法やインフレーション法によって成形され、一軸又は二軸延伸されて得られたものを用いることができる。
基材シート20を構成する前記の各種の材料は、例えば各種の熱可塑性樹脂などの合成高分子材料や、パルプ等のセルロースなどの天然高分子材料を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、例えばポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン繊維、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル繊維、ポリアクリル酸やポリメタクリル酸エステル等のポリアクリル酸系繊維、ポリスチレンやポリ塩化ビニル等のビニル系繊維などを用いることができる。これらの樹脂は単独で用いてもよく、あるいは2種以上をブレンドして用いてもよい。これらの樹脂から繊維を形成する場合には、単一樹脂の繊維を形成してもよく、あるいは芯鞘型やサイドバイサイド型の複合繊維を形成してもよい。
基材シート20は、吸収体4の保形性の観点から、その坪量が10g/m以上であることが好ましく、15g/m以上であることが更に好ましく、20g/m以上であることが一層好ましい。また基材シート20は、吸収体4の薄さ及び柔軟性の観点から、70g/m以下であることが好ましく、65g/m以下であることが更に好ましく、60g/m以下であることが一層好ましい。具体的には、基材シートは、その坪量が10g/m以上70g/m以下であることが好ましく、15g/m以上65g/m以下であることが更に好ましく、20g/m以上60g/m以下であることが一層好ましい。
基材シート20の片面20aには吸収性コア14が形成されている。吸収性コア14は、基材シート20と直接に接した状態で該基材シート20上に位置していてもよく、あるいは、基材シート20と吸収性コア14との間に1又は2以上の部材や層が介在した状態で、基材シート20と吸収性コア14とが間接的に隣接していてもよいが、吸収性物品の薄型化の観点から、基材シート20と吸収性コア14との間には他の部材を介在させないことが好ましい。
本実施形態の吸収性コア14は、吸水性樹脂43と、該吸水性樹脂43を基材シート20に固定する水溶性高分子47とを含んでいる。水溶性高分子47の「水溶性」とは、25℃の水100gに対する溶解度が0.5g以上であることをいい、好ましくは1g以上、更に好ましくは5g以上、一層好ましくは10g以上である。
前記溶解度が0.5g以上であるか否かの確認方法は以下の通りである。100mLのガラスビーカー(5mmΦ)に、所定量の評価対象物(水溶性高分子)と、液温25℃のイオン交換水50mLとを投入して混合し、その混合物に長軸方向の長さ20mm、短軸方向の長さ(幅)7mmのスターラーチップを入れ、マグネチックスターラー(例えばアズワン株式会社製HPS−100)を用いて回転数600rpmで該混合物を撹拌し、評価対象物の全量が攪拌開始から24時間以内に50mLのイオン交換水に溶解するか否かを確認する。斯かる一連の作業を、評価対象物の総重量(前記ビーカーへの投入量)が異なる複数のサンプルについて行い、評価対象物の全量が溶解した複数のサンプルのうち、その溶解量が最大であったサンプルにおける評価対象物の総重量の2倍の値を、該評価対象物の25℃の水100gに対する溶解度とする。
このように本発明に係る水溶性高分子47は、水との接触によって溶解する。
吸収性コア14は、パルプ繊維等の繊維材料を含有しても良いが、吸収性物品の薄型化を容易とする観点から、本発明の吸収性物品において、吸収性コア14は繊維材料を非含有であることが好ましい。
水溶性高分子47として、例えば、例えばポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、デキストリン、ポリエチレンオキシド、水溶性ナイロンなどが挙げられ、これらの中でも、ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール及びデキストリンから選ばれる1種以上が好ましい。水溶性高分子47は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、水溶性高分子のうち、特に水溶性、及び吸水性樹脂43の基材シート20への固定の観点から、ポリビニルピロリドン、中でもK−15、K−30、K−60又はK−90のグレードのポリビニルピロリドンを用いることが好ましい。
吸水性樹脂43は、水との接触によって膨潤して水を吸収保持し得る材料からなる。
吸水性樹脂43は、自重の20倍以上の水を吸収して保持できるものであることが好ましい。また、吸水性樹脂43は、対象物が尿であれば自重の20倍以上、特に30倍以上を吸収して保持できるものが好ましく、血液であれば1倍以上、好ましくは3倍以上を吸収・保持できるものが好ましい。吸水性樹脂43における水の吸収・保持の上限値に特に制限はないが、自重の1000倍を上限の目安とすることができる。
吸水性樹脂43としては、例えば、各種のヒドロゲル材料、例えばアクリル酸若しくはアクリル酸アルカリ金属塩の重合体又は共重合体の架橋物、ポリアクリル酸及びその塩並びにポリアクリル酸塩グラフト重合体の架橋物、デンプン又はカルボキシメチル化セルロースの架橋物、デンプン−アクリル酸塩グラフト共重合体の加水分解生成物の架橋物、ビニルアルコール−アクリル酸塩共重合体の架橋物、無水マレイン酸グラフトポリビニルアルコールの架橋物、架橋イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体のケン化物等を用いることができる。
吸水性樹脂43の形状は特に制限されず、球状、塊状、俵状又は不定形であっても良く、繊維状のものでもよい。
表面シート2は、図1に示すように、排泄部対向部Bにおける縦方向Xに沿う両側部に、該表面シート2の肌対向面側又は非肌対向面側に形成され且つ縦方向Xに延びる一対の圧搾溝6,6を有している。本実施形態における圧搾溝6は、平面視において前方部A側及び後方部C側が、横方向Yの外方に湾曲するように延びている。ここでいう「縦方向Xに延びる」とは、縦方向Xに直線に延びることの他、湾曲するように延びることも含んでおり、圧搾溝6が縦方向に長いことを意味している。
本実施形態における圧搾溝6は、図1に示すように、縦方向Xに間隔を空けて配される複数の圧搾部6aからなる。各圧搾溝6を形成する圧搾部6aは、平面視矩形の形状を有しており、該圧搾部6aの傾きは中心線CLに対して一定である。これら圧搾部6aは、縦方向Xの外方に配されたものほど、横方向Yの長さが漸次短くなっている。図1に示す圧搾部の他に、複数の圧搾部6a全ては、横方向Yの長さが等しくても良い。 また、圧搾溝6は、縦方向Xの外方に向かうにつれ、漸次横方向Yの外方に湾曲するように、該縦方向Xに延びている。即ち、圧搾溝6は、縦方向Xの外方に向かうにつれ、漸次中心線CLから離れるように配されている。圧搾溝6は、本実施形態のように複数の圧搾部6aから構成されていても良く、連続した溝部から構成されていても良い。
表面シート2は、圧搾溝6において、表面シート2の形成材料が圧搾されており、一方の面側から他方の面側に窪んだ凹部を有している。本実施形態においては複数の圧搾部6aに凹部を有しているが、圧搾溝6の長手方向に連続した凹部となっていても良い。表面シート2の前記他方の面、即ち圧搾溝6を有する面とは反対側の面65を、以下、反対面65ともいう。また、圧搾溝6に形成された凹部の窪んでいる方向の奥にある底部の表面を圧搾溝6の底面63、又は単に「底面63」ともいう。図3(b)に示すように、底面63とともに、該底面63を挟んでいるか囲んでいる側壁64が、圧搾溝6の凹部の輪郭を形成している。
圧搾溝6の凹部が肌対向面側(一方の面)から非肌対向面側(他方の面)に向かって窪んでいる場合は、表面シート2の非肌対向面(他方の面)が反対面65である〔図3(a)及び(b)参照〕。この場合、圧搾溝6は、表面シート2の肌対向面に形成されている。逆に、圧搾溝6の凹部が非肌対向面側(一方の面)から肌対向面側(他方の面)に向かって窪んでいる場合は、該表面シートの肌対向面(他方の面)が反対面65である〔図6(a)及び(b)参照〕。この場合、圧搾溝6は、表面シート2の非肌対向面に形成されている。
表面シート2は、平面方向に、圧搾溝6を有する部位26と、圧搾溝6以外の部位とを有している。圧搾溝6が肌対向面に形成されている場合及び非肌対向面に形成されている場合のいずれにおいても、圧搾溝6を有する部位26は、表面シート2の平面視において、圧搾溝6と重なる部位であり、圧搾溝6以外の部位は、表面シート2の平面視において、圧搾溝6と重なっていない部位である。
圧搾溝6を有する部位26は、表面シート2の平面視において圧搾溝6と重なる部位の、表面シート2の厚み方向の全域であり、圧搾溝6以外の部位は、表面シート2の平面視において圧搾溝6と重なっていない部位の表面シート2の厚み方向の全域である。このことから、表面シート2における反対面(圧搾溝が形成されている面とは反対側の面)65も、圧搾溝6と厚み方向に重なる部位の面65a、即ち、圧搾溝6を有する部位における前記反対側の面65aと、圧搾溝6と厚み方向に重ならない部位の面65b、即ち圧搾溝6以外の部位における前記反対側の面65bとを有している。前記反対側の面とは、表面シートにおける圧搾溝が形成されている面とは反対側の面である。
以下、前記反対面65において、圧搾溝6と厚み方向に重なる部位の面65aを、「圧搾溝6を有する部位の面65a」又は単に「圧搾溝6の反対面65a」ともいう。また、「圧搾溝6と厚み方向に重ならない部位の面65b」を「圧搾溝6以外の部位における面65b」又は単に「圧搾溝6以外の反対面65b」ともいう。
表面シート2の厚み方向において、圧搾溝6以外の反対面65bと重なる部位は、該表面シート2の形成材料が圧縮されていない部位である。なお、表面シート2が積層構造である場合、前記反対面65は、最も他方の面側、即ち圧搾溝6(凹部)が形成された面から厚み方向に最も離れた層(シート)の他方の面、即ち前記圧搾溝6が形成された側とは反対側の面となる。
本発明における圧搾溝6には、表面シート2をその厚み方向に貫通したもの、つまり、表面シート2の一方の面に形成された圧搾溝6の底面63が、表面シート2の、圧搾溝6以外の反対面65bを超えて、該反対面65bよりも突出した位置に存在する圧搾溝6は含まれない。
本実施形態において圧搾溝6は、図3(a)及び(b)に示すように、表面シート2の肌対向面側から非肌対向面側へ窪んだ凹部を有している。そのため、表面シート2は、非肌対向面が反対面65である。そして、表面シート2は、図3(b)に示すように、その反対面65において、圧搾溝6を有する部位が、圧搾溝以外の反対面65bから突出しておらず、具体的には、圧搾溝6の反対面65aが、該圧搾溝6以外の反対面65bから突出していない。
また本実施形態の表面シート2は、前述のように2層構造を有しており、第1シート2aの肌対向面側に圧搾溝6が形成されている。表面シート2の第1シート2aは、図3(a)に示すように、圧搾溝6において、第2シート2bに入り込んでいる。一方、圧搾溝の反対面65aは、圧搾溝6以外の部位における第2シート2bの反対面65b(非肌対向面)から吸収体4側に突出していない。
圧搾溝6の反対面65aは、該圧搾溝6以外の反対面65bから突出していなければよく、図4に示すように、表面シート2の厚み方向において、表面シート2の反対面65(第2シート2bの非肌対向面)と、第1シート2aの圧搾溝6の反対面65aとが、厚み方向において同じ位置であってもよい。
なお、後述するように、表面シート2に圧搾溝を形成する加工を行う加工装置の構成により、圧搾溝6の反対面65aが、該圧搾溝6以外の反対面65bから突出しないシートを形成可能である。圧搾溝6の反対面65aが、該圧搾溝6以外の部位における反対面65bから突出しているか否かは、失禁パッド製造中における表面シート2を観察することにより容易に確認可能である。また、失禁パッド1から表面シート2を取り出して確認することもできる。圧搾溝6以外の部位は、圧搾溝6の外縁から平面方向に3mm以上離間した部位である。
失禁パッド1は、吸収性コア14がパルプ繊維を含まずに構成されているため、パルプ繊維を含む吸収性コアを備える失禁パッドに比して薄型である。
また、本発明の吸収性コア14は、前述の構成を有する吸収体4及び表面シート2を有しているため、優れた液拡散性を有する。具体的には、表面シート2における前述の一対の圧搾溝6,6が縦方向Xに延びているため、失禁パッド1に排出された排泄液は、該圧搾溝6を伝って縦方向Xに良好に拡散する。斯かる効果は、圧搾溝6が、表面シート2の非肌対向面側に形成されている場合(図6参照)も同様に奏される。図6に示す実施形態については、後述する。
しかも吸収性コア14に移行した排泄液は、吸収体4内においても良好に拡散する。即ち吸収性コア14が排泄液を吸収すると、該吸収した部分(以下、吸収部分ともいう)において、吸水性樹脂43どうしの間を埋めていた水溶性高分子47が溶解する。水溶性高分子47が溶解すると、吸水性樹脂43が膨張して大きくなり易くなる、つまり吸水性樹脂43による吸水が阻害されにくくなる。また、水溶性高分子47の溶解により、吸収前に比して、吸水性樹脂43どうしの間隙が大きくなり、排泄液を吸収した部分の毛管力が小さくなる。他方、吸収性コア14において排泄液を吸収していない部分(以下、未吸収部分ともいう)では、吸収部分に比して吸水性樹脂43どうしの間隙が小さいため、該吸収部分に比して毛管力が高い。これにより、吸収性コアにおいて毛管力に勾配が形成され、毛管力の低い方から高い方へ排泄液が移動する。その結果、吸収性コア14は、吸収部分から未吸収部分へと排泄液を効率的に移動させる。以上のような作用によって、本発明の吸収性物品は、液拡散性に優れており、特に、圧搾溝6,6の効果により縦方向Xへの拡散性に優れている。
また、圧搾溝6の反対面65aが、圧搾溝6以外の反対面65bから突出していないため、圧搾溝6の反対面65aが圧搾溝6以外の反対面65bから突出している場合に比して、表面シート2と吸収体4との接触面積が大きくなり、表面シート2から吸収体4への排泄液の移行性に優れている。
例えば、図2に示すように、表面シート2の肌対向面側に圧搾溝6が形成されている場合、失禁パッド1に排出された排泄液は、表面シート2の圧搾溝6を伝って縦方向Xに拡散した後、圧搾溝6の底面63や側壁64(肌対向面側)を介して表面シート2の平面方向に広がると共に、圧搾溝6の反対面65a及び圧搾溝6以外の反対面65b(非肌対向面側)へと、表面シート2の厚み方向に移行する。このように移行した後、排泄液は、表面シート2の反対面65(非肌対向面側)から、該反対面65と広範囲に接触している吸収体4へ素早く移行する。
圧搾溝6による液拡散の効果は、表面シート2の非肌対向面側に圧搾溝6が形成されている場合においても同様に奏される。例えば、図6(a)及び(b)に示す失禁パッドにおいても、排泄液は、表面シート2における圧搾溝6の反対面65a(肌対向面側)を介して、圧搾溝6に移行し、該圧搾溝6によって縦方向Xに拡散される。拡散された排泄液は、圧搾溝6の側壁64を介して表面シート2の平面方向にも広がると共に、吸収体4側に厚み方向に移行する。このように移行した排泄液は、表面シート2の圧搾溝6が形成された側の面(非肌対向面側)から当該面と接触する吸収体4に素早く移行する。
本発明の吸収性物品は、その厚さが薄く、液が平面方向に広がり易い。液が横方向に広がると、横漏れが生じる虞があるが、前述したように、本発明の吸収性物品は縦方向Xへの液拡散性に優れている。加えて前述したように、表面シート2から吸収体4への液の移行性に優れることによって、吸収体4の広い範囲の吸収容量が活用され、薄型であるにも拘わらず横漏れが効果的に抑制される。
しかも、圧搾溝6は表面シートのみに形成されるため、吸収体4に圧搾部分は形成されない。その結果、吸収体4は圧搾により剛性が変化せず、着用時に優れた装着感を有する。
また、吸水性樹脂43が水溶性高分子47で固定されているため、水溶性高分子47が溶解すると、吸水性樹脂43が流動可能となる。この結果、吸収体4の厚みを均一に変化させることができる。これにより、吸収後に吸収体4の厚みが局所的に増大することによる違和感の発生も防止される。
本実施形態の表面シート2は、第1シート2a及び第2シート2bが不織布から構成されており、該表面シート2に後述するエンボス加工を施すことによって、一対の圧搾溝6,6が形成される。本実施形態の圧搾溝6の底面63においては、不織布の構成繊維が溶融してフィルム化している。より具体的には、図3(b)に示すように、底面63から表面シート2の厚み方向の一部67における不織布の構成繊維がフィルム化している。一方、圧搾溝6の周辺部や側壁64における表面シート2の繊維は溶融していない〔図3(b)参照〕。その結果、圧搾溝6の周辺部や側壁64と底面63との間に、形成材料の密度が漸次増加する粗密勾配が形成される。そのため、該圧搾溝6において、排泄液に対する高い引き込み力が奏される。これにより、排泄液が圧搾溝6を経由して表面シートの吸収体側に移行し易くなる。
なおフィルム化している部分は、圧搾溝6の平面方向(縦方向X、横方向Y)および厚み方向において、不織布の構成繊維の全体がフィルム化されている場合のみではなく、一部がフィルム化されている場合も含む。
本実施形態の表面シート2は、2枚のシート2a,2bからなる2層構造の複合シートであるが、表面シート2は、図5に示すように、1枚のシートからなる単層構造であっても良い。吸収体4との接触面積を増やす観点から、単層構造を有する表面シート2は、凸部12aの内部が中実であり、かつ、吸収体4と対向する面が平坦であることが好ましい。
単層構造を有する表面シート2においても、圧搾溝6の反対面65aは該圧搾溝6以外の反対面65bから突出していない。そして、図4に示すように、該圧搾溝6の反対面65aは、該圧搾溝6以外の反対面65bと、表面シート2の厚み方向において同じ位置であってもよい。
本実施形態の圧搾溝6は、表面シート2の肌対向面側に形成されているが、圧搾溝6は、図6(a)及び(b)に示すように、表面シート2の非肌対向面側に形成されていても良い。図6(a)に示す圧搾溝6は、表面シート2の第2シート2bの非肌対向面側に形成されている。圧搾溝6が表面シート2の非肌対向面側に形成された場合、圧搾溝6の反対面65aが圧搾溝6以外の反対面65b(表面シート2の肌対向面側)から突出すると、該突出した部分どうしの間に排泄液が滞留することがある。さらに、突出した部分が着用者の肌に触れて違和感が発生すると共に、前記突出した部分が当接して表面シート2の反対面65の肌触りが悪化することがある。これらの点を防止する観点から、図6(a)及び(b)に示すように、圧搾溝6は、表面シート2の非肌対向面側に形成されており、かつ、該圧搾溝6の反対面65aが圧搾溝6以外の反対面65b(表面シート2の肌対向面)から突出していないことが好ましい。図6(a)及び(b)に示す失禁パッドにおいて、圧搾溝6の反対面65aは、該圧搾溝6を有する部位における肌対向面側に位置する。
図6(b)に示す失禁パッドのように、表面シート2が肌対向面に凹凸領域を有し、圧搾溝6の反対面65aが該凹凸領域の一部をなしている場合、圧搾溝6の反対面65aは、圧搾溝6以外の反対面65b、即ち前記肌対向面における凹凸領域の凸部の頂部から突出していないことが好ましい。ここでいう「凸部の頂部から突出していない」とは、厚み方向において凸部の頂部と同じ位置であることを含む。
図6(a)及び(b)に示す圧搾溝6は、表面シート2の非肌対向面側に形成されている。このような圧搾溝6を有する表面シート2は不織布から構成されており、圧搾溝6の底面63においては、該不織布の構成繊維がフィルム化し、圧搾溝6の反対面65aにおいては、前記不織布の構成繊維がフィルム化していないことが好ましい。斯かる構成により、圧搾溝6の反対面65a(肌対向面側)から底面63(非肌対向面側)にかけて、繊維の形成材料が漸次増加する粗密勾配が形成され、圧搾溝6において高い引き込み力が奏される。また、肌面側がフィルム化しないことから表面シート2の肌触りが良好に保たれる。さらに、前記底面63におけるフィルム化により、吸水性樹脂43の漏れを抑制できる。
図6(a)及び(b)に示すように表面シート2の非肌対向面側に圧搾溝6を有する場合、該圧搾溝6を有しない場合に比して、表面シート2と吸収体4との接触面積が減少するため、表面シート2から吸収体4への排泄液の移行性が低下する傾向にある。一方で、表面シート2の肌触りが良好に保たれ、さらに、前述のとおり、液の拡散性は表面シートの肌対向面側に圧搾溝6を有するときと同様に奏される。このような効果を向上させる観点から、表面シート2が非肌対向面側に圧搾溝6を有する場合、圧搾溝6の幅W8〔図3(b)参照〕は5mm以下が好ましく、3mm以下がより好ましい。
圧搾溝6は、失禁パッド1において排泄部対向部Bに形成されているが、圧搾溝6の縦方向Xの長さL6は、排泄部対向部Bの縦方向Xの長さより長くても良い。即ち、圧搾溝6は、縦方向Xにおいて排泄部対向部Bから前方部A側、後方部C側、又はこれら双方側に延出していても良い。
排泄液を後方部Cに向かって容易に拡散させる観点から、圧搾溝6は、図1に示すように、縦方向Xに間隔を空けて形成された複数の圧搾部6aから構成されており、一対の圧搾溝6,6は、縦方向Xにおける後方部C側において、横方向Yにおける一対の圧搾溝6,6間の距離W6が、失禁パッド長手方向中央部分から後方部C側に向かうにつれて拡大していることが好ましい。即ち、縦方向Xにおける後方部C側の部位において、横方向Yにおける圧搾溝6,6どうしの距離W6が、該後方部C側に向かうにつれて拡大していることが好ましい。斯かる構成により、圧搾溝6を伝って縦方向Xに移行した排泄液を、一対の圧搾溝6,6間の前述の未吸収部分に効率的に拡散させることができる。ここで、一対の圧搾溝6,6間の距離W6の最大距離は、最小距離(図示せず)に対して、好ましくは120%以上、より好ましくは140%以上であり、また好ましくは250%以下、より好ましくは200%以下であり、また好ましくは120%以上250%以下、より好ましくは140%以上200%以下である。また、一対の圧搾溝6,6間の距離W6の最大距離は、吸収体4の横方向Yの長さW4(図1参照)に対して、好ましくは50%以上、より好ましくは60%以上であり、また好ましくは90%以下、より好ましくは70%以下であり、また好ましくは50%以上90%以下、より好ましくは60%以上70%以下である。
また、中心線CLに対して線対称となる、一方の圧搾溝6の圧搾部6aと他方の圧搾溝6の圧搾部6aとの距離も拡大している。
また圧搾溝6は、図1に示すように、横方向Yにおける一対の圧搾溝6,6間の距離W6が、失禁パッド長手方向中央部分から前方部Aに向かうにつれて拡大していても良い。
なお、一対の圧搾溝は、縦方向Xにおいて、一対の圧搾溝間の距離W6が一定となる部分を有していてもよい。即ち、一対の圧搾溝6,6はそれぞれ、縦方向Xに沿う直線状の部分を有していても良い。
圧搾溝6が、縦方向Xに排泄液をより効果的に拡散させる観点から、圧搾溝6の縦方向Xの長さL6(図1参照)は、吸収体4の縦方向Xの長さL4(図1参照)に対して、好ましくは25%以上、より好ましくは45%以上であり、また好ましくは80%以下、より好ましくは60%以下であり、また好ましくは25%以上80%以下、より好ましくは45%以上60%以下である。圧搾溝6が平面視において直線ではない場合、圧搾溝6の縦方向Xの長さL6は、縦方向Xにおいて、圧搾溝6の最も前方部A側の端部から最も後方部C側の端部までの長さである。
失禁パッド1において吸収体4は、図2に示すように、基材シート20の吸収性コア14が配されていない面が肌対向面側に向き、吸収性コア14が配された面が非肌対向面側に向いた状態で配されている。斯かる構成により、着用時に吸水性樹脂43の感触が着用者に伝わって違和感が生じることを防ぐことができる。このように吸収体4は、基材シート20の吸収性コア14を備えない側が表面シート2側に向いていることが好ましい。
本実施形態の表面シート2は、図3(a)に示すように、第1シート2a及び第2シート2bの積層構造を有する複合シートであり且つ肌対向面側に凹部12b及び凸部12aからなる凹凸領域を有している。即ち、本実施形態の表面シート2は、第1シート2aに凹凸領域を有している。第1シート2aの凸部12aと第2シート2bとの間には中空部2cがあり、第1シート2aの凹部12b部分は、第2シート2bと接合されている。即ち、第1シート2a及び第2シート2bは、凹部12bにおいて互いに接合されている。クッション性や通気性、装着感を向上させる観点から、表面シート2は、図2に示すように、2枚のシートが接合された複合シートであることが好ましい。
表面シート2は単層構造であってもよい。さらに、表面シート2は、図5に示すように、単層構造であり且つ該単層構造の肌対向面側に凹凸領域を有していても良い。単層構造の場合は、前述のとおり、吸収体4との接触面積を増やす観点から、該凸部12aの内部が中実であり、かつ、吸収体4と対向する面が平坦であることが好ましい。
本実施形態の失禁パッド1は、図2に示すように、表面シート2と吸収体4の基材シート20とが隣接している。排泄液を、表面シート2から吸収体4へ移行させ易くする観点から、吸収体4の肌対向面が、表面シート2の非肌対向面と接着していることが好ましい。表面シート2と吸収体4とは、吸収体4の肌対向面、又は表面シート2の非肌対向面に接着剤を塗工することにより、接着させることができる。
本実施形態における吸収体4は、図2に示すように、基材シート20の片面に、吸収性コア14が平面状に連続して形成されており、その表面が平坦であるが、吸収性コア14は、その表面が平坦でなくても良く、また平面状に連続して形成されていなくとも良い。例えば、図7に示す吸収性コア14は、断面視凹状の部分21を有し、該部分21は、該部分21が形成されていない部分に比して、吸収性コア14の形成材料が少ない。このような断面視凹状の部分を、以下、切欠部21ともいう。吸収性コア14は、切欠部21に代えて、当該部分に吸収性コア14の形成材料が配されていない部分(貫通部)が形成されていても良い。切欠部21及び貫通部は、それぞれ縦方向Xに延びている(不図示)。なお、前記断面視の「断面」は、吸収体4の厚み方向に沿う断面である。
圧搾溝6は、平面視で、吸収性コアの切欠部21又は貫通部と、少なくとも部分的に重なっていることが好ましい。斯かる構成により、圧搾部の剛性の影響を緩和することができる。また、圧搾部以外の部分に比して圧搾部における吸水性樹脂43が少ないことにより、吸収性コア14から吸水性樹脂43が漏れ出ることを抑制することができる。
切欠部21及び貫通部は、その平面視形状が圧搾溝6の平面視形状と同じまたは相似形でもよい。
縦方向Xに延びる切欠部21及び貫通部の縦方向Xの長さは、圧搾溝6の縦方向Xの長さL6に対して、好ましくは100%以上、より好ましくは110%以上である。
また、切欠部21及び貫通部が平面視において直線ではない場合、切欠部21及び貫通部の縦方向Xの長さは、縦方向Xにおいて切欠部21及び貫通部の最も前方部A側の端部から最も後方部C側の端部までの長さである。
失禁パッドを薄型化して、装着感を向上させる観点から、吸収体4の厚みD1〔図3(a)参照〕は、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.3mm以上であり、また好ましくは2.5mm以下、より好ましくは2.0mm以下、さらに好ましくは1.5mm以下である。吸収体4の厚みD1は、吸収前の吸収体4の最大厚みである。
また、吸収前の吸収性コア14の厚みD3は、吸収前の吸収体4の厚みD1に対して、好ましくは50%以上、より好ましくは65%以上であり、また好ましくは90%以下、より好ましくは80%以下であり、また好ましくは50%以上90%以下、より好ましくは65%以上80%以下である。
排泄液を十分に拡散させる観点から、圧搾溝6の深さD5は、吸収前の吸収性コア14の厚みD3に対して、好ましくは50%以上、より好ましくは75%以上であり、また好ましくは200%以下、より好ましくは165%以下であり、また好ましくは50%以上200%以下、より好ましくは75%以上165%以下である。
排泄液を十分に拡散させる観点から、圧搾溝6の深さD5は、表面シート2の厚みD7に対して、好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上であり、また好ましくは100%以下、より好ましくは90%以下であり、また好ましくは50%以上100%以下、より好ましくは70%以上90%以下である。表面シート2の厚みD7は、該表面シート2の最大厚みである。表面シート2が、本実施形態のように凹凸領域を有する複合シートである場合、表面シート2の厚みD7は、第1シート2aの凸部12aの頂部から、第2シート2bの非肌対向面までの長さである〔図3(a)参照〕。
吸収体4の厚みD1、及び吸収性コア14の厚みD3は以下の方法で測定される。先ず、測定対象の吸収体4を水平な場所にシワや折れ曲がりがないように置き、5cN/cmの荷重下での厚みを測定する。具体的には、厚みの測定に、例えば、厚み計(尾崎製作所社製、PEACOCK DIAL UPRIGHT GAUGES R5−C)を用いる。このとき、厚み計の先端部と測定対象物との間に、荷重が5cN/cmとなるように大きさを調整した平面視円形状又は正方形状のプレート(厚さ5mm程度のアクリル板)を配置して、厚みを測定する。この方法により、吸収体4の厚みD1と基材シート20の厚みを測定し、その差分値を吸収性コア14の厚みとする。また、圧搾溝6の深さD5、及び切欠部21の深さは、例えば、断面をキーエンス製デジタルマイクロスコープVHX−900により約20倍程度で拡大することで、各層の厚みを測定することにより測定される。
失禁パッドの良好な吸収性をより確実に奏させる観点から、吸水性樹脂43は、レーザー回折式粒度分布法で測定した累積体積50%での粒径D50、即ちメジアン径が、好ましくは150μm以上、より好ましくは180μm以上であり、また好ましくは500μm以下、より好ましくは400μm以下であり、また好ましくは150μm以上500μm以下、より好ましくは180μm以上400μm以下である。
吸水性樹脂43のメジアン径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LA−920、堀場製作所社製)を用いて、下記の測定条件にて測定することができる。
測定方法:フロー法
分散媒:エタノール/蒸留水=90/10wt%
分散方法:攪拌、内蔵超音波3分
試料濃度:0.1%
前述のメジアン径の測定に関し、吸水性樹脂43は、吸収性物品から吸収体4を取り出し、該吸収体4から採取することができる。
本明細書において、吸収性物品からその構成部材(例えば吸収体)を取り出し、該構成部材を評価測定等する場合において、その構成部材が、接着剤、融着などによって他の構成部材に固定されている場合には、その固定部分を、溶剤の塗布、ドライヤーによる熱風吹き付け、コールドスプレー(例えばニチバン株式会社製の市販品)の吹き付けなどによって除去してから取り出す。
排泄液の吸収後も装着感を良好に維持する観点から、吸収性コア14中の吸水性樹脂43に対する水溶性高分子47の比率は、好ましくは0.1%以上、より好ましくは0.3%以上であり、また好ましくは5%以下、より好ましくは4%以下であり、また好ましくは0.1%以上5%以下、より好ましくは0.3%以上4%以下である。なお、「吸水性樹脂43に対する水溶性高分子47の比率」は、吸収性コア14中に含まれる吸水性樹脂43の質量を分母とし、水溶性高分子47の質量を分子として算出される比率のことである。
また、吸収性コア14における水溶性高分子47の含有量は、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上であり、また好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下であり、また好ましくは0.05質量%以上10質量%以下、より好ましくは0.1質量%以上8質量%以下含まれている。
吸収性コア14は、吸水性樹脂43及び水溶性高分子47以外の他の構成材料を含んでいても良い。例えば、消臭剤、香料、可塑剤、多価アルコール等を含んでいても良い。
また吸収性コアには、以上の成分に加え、必要に応じて該吸収性コアの各種の性能を向上させ得る成分を含有させることもできる。そのような成分としては、例えば増粘剤、pH調整剤などが挙げられる。
吸収性物品の中には吸収性コアがティッシュペーパーや不織布等のコアラップシートで被覆されたものがあるが、吸収性物品をより薄型化する観点から、吸収体4は、吸収性コアが配された面が別体のシートによって被覆されていないことが好ましい。
吸収体4の面積に占める吸収性コア14の割合は、吸収体4の吸収能力及び拡散性を十分に高める観点から、好ましくは50面積%以上、より好ましくは60面積%以上、更に好ましくは70面積%以上であり、また100面積%以下、好ましくは95面積%以下、より好ましくは90面積%以下であり、また好ましくは50面積%以上100面積%以下、より好ましくは60面積%以上95面積%以下、更に好ましくは70面積%以上90面積%以下である。なお、「吸収体4の面積」及び「吸収性コア14の面積」とは、基材シート20上に吸収性コア14が設けられた側の面におけるそれぞれの面積のことである。吸収体4の面積に占める吸収性コア14の割合が100面積%であるとは、吸収性コア14が基材シート20の全面に配されていることである。
以上の説明は、吸収性コア14が基本的に単層のものである場合についてのものであったが、本発明においては、吸収性コア14は、同じ組成を有するか、又は、異なる組成を有する2層以上の積層構造部分を有するものであってもよい。
本実施形態に係る吸収体4は、基材シート20の片面に吸水性樹脂43及び水溶性高分子47を含む組成物を塗工して形成されたものである。以下、吸水性樹脂43及び水溶性高分子47を含む組成物を単に組成物60ともいう。図8には、組成物60を塗工して吸収性コア14を形成し、図2に示す吸収体4を製造する製造方法に好適な装置50が示されている。図8に示す吸収体4を製造する装置50は、組成物60の供給部51と、組成物60の塗布部53と、組成物60の乾燥部55とを備えている。
供給部51は、組成物60の貯蔵タンク51aを備えている。タンク51a内には組成物60が蓄えられている。タンク51a内の組成物60は、撹拌翼51bによって撹拌されて均一化されている。撹拌翼51bは、シャフト51cを介してモータ等の回転駆動源51dに接続されている。タンク51aの底部には管路52の一端が接続されている。管路52の他端は塗布部53に接続されている。
塗布部53は、長尺状の基材シート20の連続体20Sの片面に組成物60を塗工する塗工ヘッド54を備えている。以下、基材シート20の連続体20Sを単に「連続体20S」ともいう。塗工ヘッド54は、管路52を介して供給部51から供給された組成物60を、一方向D、即ち連続体20Sの搬送方向Dに沿って連続的に塗布する。具体的には、塗工ヘッド54は、連続体20Sの両側部域20b,20b間の領域に、組成物60を平面状に塗布して湿潤状態の塗布体68を形成する。このような塗工ヘッド54としては、組成物60のような流動体の塗布が可能なものが用いられる。そのような塗工ヘッド54の例としてはダイコータなどが挙げられるが、これに限られない。
連続体20Sの搬送方向Dにおいて、塗布部53の下流には乾燥部55が配置されている。乾燥部55は、塗布部53によって形成された塗布体68を乾燥させて揮発成分を除去し、塗布体68の乾燥体である吸収性コア14を連続体20S(基材シート20)に固定させる。乾燥部55は、湿潤状態の塗布体68から揮発成分を除去し得る装置であり、その例として、赤外線の放射装置や、加熱された熱風の吹出装置などが挙げられるが、これらに限られない。
上述の装置50により、連続体20Sの片面、即ち基材シート20の片面に吸収性コア14が形成された吸収体4の連続体4Sが得られる。この吸収体4の連続体4Sは必要に応じて後加工に付される。後加工としては、例えば吸収体4の連続体4Sをその長手方向にわたって裁断して毎葉の吸収体4に加工する工程や、吸収体4の連続体4Sを、吸収性物品等の最終製品に組み込む工程や吸収体4の連続体4Sを巻き取って原反化する工程が挙げられる。
以上の方法によれば、組成物60を基材シート20の片面に塗布し、乾燥するというシンプルなプロセスで目的とする吸収性コア14及び吸収体4を得ることができる。また、以上の方法によれば、吸収性コア14の厚みや坪量を高精度に制御することができる。これにより、吸収性コア14の坪量や厚みに局所的なばらつきが生じ難くすることができ、吸収体4は安定した吸収性能を発現し得る。また、基材シート20上の広い領域で任意に吸収性コアの坪量を変更することができる。さらに、組成物60を薄く塗工することにより吸収性コア14を極めて薄く形成することも可能である。
以上の効果を一層顕著なものとする観点から、組成物60は、上述した吸水性樹脂43や水溶性高分子47等の吸収性コア14の構成材料を、溶媒に分散又は溶解させたものであることが好ましい。組成物60には、吸水性樹脂43を膨潤させない程度水を含有してもよいが、吸水性樹脂43が吸水及び膨潤することを防ぐ観点から、組成物60は水を非含有であることが好ましい。水を非含有とは、組成物60中に意図的に有意な量の水を添加すること排除する趣旨である。したがって原料等の不純物として不可避的に混入する微量の水や、大気中から不可避的に混入する微量の水の存在は許容される。
組成物60中に含まれる吸水性樹脂43や水溶性高分子47等の構成材料の割合は、吸収性コア14中の吸水性樹脂43や水溶性高分子47が所望の割合となるよう調整する。また、組成物60はパルプ繊維等の繊維材料を非含有であることが好ましい。
組成物60に含まれる溶媒としては非水溶媒が好適に用いられる。そのような非水溶媒としては、例えばエタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸ブチルなどが挙げられる。これらの非水溶媒は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの非水溶媒のうち、入手容易性や汎用性、安全性の点からエタノールを用いることが好ましい。
組成物60に占める非水溶媒の割合は、組成物60の塗工を容易とする観点から、好ましくは30質量%以上、より好ましくは35質量%以上、一層好ましくは40質量%以上であり、また好ましくは70質量%以下、より好ましくは65質量%以下、一層好ましくは60質量%以下であり、また好ましくは30質量%以上70質量%以下、より好ましくは35質量%以上65質量%以下、一層好ましくは40質量%以上60質量%以下である。
吸収性コア14に前述の貫通部を設ける観点から、塗工ヘッド54は、基材シート20上に、組成物60の非塗工部を部分的に形成するように、組成物60を塗工して塗布体68を形成しても良い。塗布体68の乾燥後、前記非塗工部が貫通部となる。
また、前述の切欠部21を有する吸収性コア14は、例えば図9に示すような、塗布部53が2台以上の塗工ヘッド54を有する装置50Aによって形成することができる。装置50Aが備える塗布部53Aは、第1塗工ヘッド54a及び第2塗工ヘッド54bの2台の塗工ヘッドを有する。これら塗工ヘッド54a,54bは、基材シート20の搬送方向Dに沿って直列に並んでおり、搬送方向Dの上流側には第1塗工ヘッド54aが、それよりも下流側には第2塗工ヘッド54bが配置されている。第1塗工ヘッド54aは、連続体20Sの両側部域20b,20b間の領域に組成物60を塗布して湿潤状態の第1塗布体68Aを形成する。一方、第2塗工ヘッド54cは、図9に示すように、搬送方向Dに延びる非塗工部68Cを部分的に有するよう、第1塗布体68A上に湿潤状態の第2塗布体68Bを形成する。この第2塗工ヘッド54bが形成する非塗工部68Cは、乾燥後、凹状の切欠部21となる。第1塗布体68Aを形成するために用いられる組成物60と、第2塗布体13Bを形成するために用いられる組成物60とは、その組成が互いに相違していても良いし、同じものであっても良い。
また、一台の塗工ヘッド54で切欠部21を形成するように組成物60を吐出してもよい。
装置50は、2台の塗工ヘッド54a,54bを有する塗布部53A、又は複数台の塗工ヘッド54を有する塗布部53によって、2層以上の複数の層が積層された積層構造を有する吸収性コア14を形成することができる。
従来の吸収性物品は、吸収体と表面シートとを重ねた状態で、表面シート側からエンボス加工を施して、該表面シートに圧搾溝を形成する。
一方、本実施形態の失禁パッド1は、上述のように製造された吸収体4を、エンボス加工により圧搾溝6が形成された表面シート2と、裏面シート3との間に介在させて製造される。
例えば、対向して配されたエンボス凸ロールとフラットロールとの間に表面シート2を挟んで圧搾することにより、表面シート2に間欠的又は連続的に圧搾溝6を形成できる。このような方法で形成された圧搾溝6の反対面65aは、圧搾溝6以外の反対面65bから突出しない。
以上、本発明について説明したが、本発明は前述した実施形態に制限されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本発明の吸収性物品は、失禁パッドの他、使い捨ておむつや生理用ナプキン等であっても良い。
1 失禁パッド
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
5 サイドシート
6 圧搾溝
20 基材シート
20S 連続体
14 吸収性コア
43 吸水性樹脂
47 水溶性高分子
50 装置
51 供給部
51a タンク
51b 撹拌翼
51c シャフト
51d 回転駆動源
52 管路
53 塗布部
54 塗工ヘッド
55 乾燥部
60 組成物
63 底面
65 反対面
68 塗布体

Claims (12)

  1. 着用者の前後方向に対応する縦方向及び該縦方向に直交する横方向を有し、肌対向面を形成する表面シート、非肌対向面を形成する裏面シート、及びこれら両シート間に介在された吸収体を備える吸収性物品であって、
    前記吸収体は、基材シートと、該基材シートの片面に形成された吸収性コアとを備え、該吸収性コアは、吸水性樹脂と、該吸水性樹脂を前記基材シートに固定する水溶性高分子とを含んでおり、
    前記表面シートは、排泄部対向部における前記縦方向に沿う両側部に、該表面シートの肌対向面側又は非肌対向面側に形成され且つ前記縦方向に延びる一対の圧搾溝を有し、該表面シートにおける前記圧搾溝が形成されている面とは反対側の面において、前記圧搾溝を有する部位における前記反対側の面が、前記圧搾溝以外の部位における前記反対側の面から突出していない、吸収性物品。
  2. 前記表面シートは不織布から構成されており、前記圧搾溝の底面においては、該不織布の構成繊維がフィルム化している請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記圧搾溝は、前記表面シートの非肌対向面側に形成されている、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
  4. 前記吸収性物品は、前記縦方向に延びる中心線に対して左右対称に形成されており、
    前記圧搾溝は、前記縦方向に間隔を空けて形成された複数の圧搾部から構成されており、
    前記中心線に対する前記複数の圧搾部の傾きはそれぞれ一定である、請求項1〜3の何れか1項に記載の吸収性物品。
  5. 前記吸収性物品は、前記排泄部対向部よりも着用者の腹側寄りに配される前方部と、該排泄部対向部よりも着用者の背側寄りに配される後方部とを有し、
    一対の前記圧搾溝は、前記縦方向における前記後方部側において、前記横方向における前記圧搾溝どうしの距離が、該後方部側に向かうにつれて拡大している、請求項1〜4の何れか1項に記載の吸収性物品。
  6. 前記表面シートは、肌対向面側に凹部及び凸部からなる凹凸領域を有しており、該凸部の内部が中実である、請求項1〜5の何れか1項に記載の吸収性物品。
  7. 前記表面シートは、第1シート及び第2シートが接合された複合シートであり且つ該第1シートに凹部及び凸部からなる凹凸領域を有しており、
    前記第1シートの前記凸部と前記第2シートとの間には中空部があり、
    前記第1シート及び前記第2シートは、前記凹部において互いに接合されている、請求項1〜5の何れか1項に記載の吸収性物品。
  8. 前記吸収体は、前記基材シートの片面のみに前記吸収性コアを備え、該基材シートにおける前記吸収性コアを備えない側が前記表面シート側に向いている、請求項1〜7の何れか1項に記載の吸収性物品。
  9. 前記吸収体の肌対向面が、前記表面シートの非肌対向面と接着している、請求項1〜8の何れか1項に記載の吸収性物品。
  10. 前記吸収性コアには、断面視凹状の、該吸収性コアの形成材料が少ない切欠部又は該吸収性コアの形成材料が配されていない貫通部が形成されており、該凹状の切欠部又は該貫通部は、前記縦方向に延びており、
    前記圧搾溝は、前記切欠部又は前記貫通部と少なくとも部分的に重なっている、請求項1〜9の何れか1項に記載の吸収性物品。
  11. 前記吸収体の厚みが、2.5mm以下である、請求項1〜10の何れか1項に記載の吸収性物品。
  12. 請求項1〜11の何れか1項に記載の吸収性物品の製造方法であって、
    前記吸収体を、エンボス加工により前記圧搾溝が形成された前記表面シートと、前記裏面シートとの間に介在させる、吸収性物品の製造方法。
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