JP2019216856A - 吸収性物品の吸収体 - Google Patents

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裕樹 合田
章恵 木下
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章恵 木下
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悟 丹下
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Abstract

【課題】高吸水性ポリマーを含む吸収体において、吸収速度が速く、且つ、排尿直後の漏れ感や横漏れを抑制することが可能な吸収体を提供する。【解決手段】吸収性物品1用の吸収体3は、肌側に配置されたエアレイドパルプ不織布を含む第1基材21と、非肌側に配置され、親水性繊維を有するスパンレース不織布を含む第2基材26と、第1基材と第2基材との間に包摂され、高吸水性ポリマーを主成分として含む吸水材23、28と、を備える。エアレイドパルプ不織布の保水性及びスパンレース不織布の保水性を示す保水量は300〜800g/m2である。エアレイドパルプ不織布の液拡散性を示すクレム吸水高さは0〜100mmであり、スパンレース不織布の液拡散性を示すクレム吸水高さは100mm以上である。【選択図】図3

Description

本発明は、吸収性物品用の吸収体に関する。
吸収性物品用の吸収体で液状の排泄物(例示:尿)を吸収する吸水材として実質的に高吸水性ポリマー(Super Absorbent Polymer;SAP)のみを用いた吸収体が知られている。例えば、特許文献1(特許6033236号公報)には、所定の吸水性樹脂(高吸水性ポリマー)及び接着剤を含有してなる吸収層が、不織布により上方及び下方から挟持された構造を有する吸水シート構成体が開示されている。この吸水シート構成体では、上層の不織布として透水性に優れた透水性不織布を用い、下層の不織布として保水性に優れた保水性不織布を用いている。特許文献1によれば、この吸水シート構成体は、薄型で、速い液体浸透性、少ない液体戻り量や少ない液漏れ量等の吸収能力を十分に発揮できる、とされている。
特許第6033236号公報
特許文献1に記載の吸水シート構成体、すなわち吸収体では、吸水材は、パルプ繊維を含まず実質的に高吸水性ポリマーで構成される。この吸収体の厚さは薄いため、この吸収体における液体を保持する容積は、パルプ繊維と高吸水性ポリマーにより構成された吸収体と比較して小さい。更に、この吸収体の吸収速度は、高吸水性ポリマーの吸収速度が遅いことにより、パルプ繊維と高吸水性ポリマーにより構成された吸収体と比較して遅い。そのため、この吸収体では、液状の排泄物(例示:尿)を、まず、透水性の上層の不織布を介して下層の不織布へ到達させ、下層の不織布にて保水しつつ下層側の高吸水性ポリマーから、ある程度の時間をかけて吸収している、と考えられる。
ところが、このような吸収体を適用した吸収性物品を着用した着用者が排泄物、例えば尿を排泄したとき、その尿の量が多い場合には、透水性の上層の不織布を介して下層の不織布へ到達すべき尿が多過ぎて、下層の不織布での尿の保水及び高吸収性ポリマーでの吸収が間に合わず、尿が渋滞してしまう事態が起こり得る。そうなると、上層の不織布の上の表面シート上にしばらくの間、尿が残存してしまい、排尿直後において、着用者が表面シートでの尿の濡れを感じる漏れ感や、表面シートを尿が伝って外側に漏れる横漏れなどが発生するおそれがある。
そこで、本発明の目的は、吸水材の主成分として高吸水性ポリマーを用いた吸収体において、吸収速度が速く、且つ、排尿直後の漏れ感や横漏れを抑制することが可能な吸収性物品用の吸収体を提供することにある。
本発明の吸収性物品用の吸収体は次のとおりである。(1)吸収性物品用の吸収体であって、肌側に配置されたエアレイドパルプ不織布を含む第1基材と、非肌側に配置され、親水性繊維を有するスパンレース不織布を含む第2基材と、前記第1基材と前記第2基材との間に包摂され、高吸水性ポリマーを主成分として含む吸水材と、を備え、前記エアレイドパルプ不織布の保水性及び前記スパンレース不織布の保水性を示す保水量は、300〜800g/mであり、前記エアレイドパルプ不織布の液拡散性を示すクレム吸水高さは、0〜100mmであり、前記スパンレース不織布の液拡散性を示すクレム吸水高さは、100mm以上である、吸収体。
本吸収体では、コアラップとして機能する肌側の第1基材及び非肌側の第2基材において、第1基材におけるエアレイドパルプ不織布の保水性は第2基材におけるスパンレース不織布の保水性と同等であり、保水性を示す保水量は、いずれも300〜800g/mのように高くなっている。更に、この吸収体のエアレイドパルプ不織布の液拡散性はこのスパンレース不織布の液拡散性よりも低く、液拡散性を示すクレム吸水高さは、エアレイドパルプ不織布では0〜100mmであり、スパンレース不織布では100以上である。
そのため、吸収性物品に液状の排泄物(例示:尿)が排泄されたとき、肌側の第1基材は、その高い保水性及び低い液拡散性により、素早くその排泄物を吸収し、あまり拡散させずに狭い領域に、一時的に貯蔵することができる(スポット吸収)。更に、非肌側の第2基材は、第1基材を介して到達する排泄物を、その高い保水性及び高い液拡散性により、吸収しつつ、平面方向へ広範囲に拡散させ、広範囲の高吸水性ポリマーで吸収させることができる。それゆえ、第1基材を介して第2基材へ到達する排泄物が多くても、第2基材での排泄物の保水や高吸水性ポリマーでの吸収が間に合わず、尿が渋滞してしまう、という事態を抑制できる。言い換えると、第1基材が排泄物を一時的に貯蔵する(そして徐々に排泄物を放出する)ことで、第2基材の保水、拡散及びその後の高吸水性ポリマーの吸収ための時間を稼ぐことができる。したがって、表面シート上に排泄物が残存して漏れ感が生じることや、横漏れが生じることを抑制できる。特に、排泄物を狭い領域に貯蔵することで、広い領域に貯蔵する場合(第1基材が高い液拡散性を有する場合)と比較して、着用者が排泄物の存在を感じ難くなり、漏れ感をより覚え難くすることができる。
ただし、高吸水性ポリマーを主成分として含む吸水材とは、通常、吸水材は高吸水性ポリマーやパルプ繊維やその他の成分から構成されるが、吸水材における高吸水性ポリマーの割合が70〜100質量%であることをいう。
本発明の吸収体は、(2)前記エアレイドパルプ不織布は、複数のパルプ繊維を含む複数の親水性繊維と、前記複数の親水性繊維を覆う親水性バインダと、を含む、上記(1)に記載の吸収体、でもよい。
本吸収体では、第1基材のエアレイドパルプ不織布がパルプ繊維を含む親水性繊維と親水性バインダとを含んでいる。そのため、繊維自体も尿のような液状の排泄物を保持することができる。また、繊維同士が交接点で親水性バインダにより接合されるため、繊維による骨格構造(繊維間の空隙)を維持し易く、その空隙に液体を保持し易くできる。これらにより、第1基材は、より確実に、素早くその排泄物を吸収し、一時的に貯蔵することができる。
本発明の吸収体は、(3)前記エアレイドパルプ不織布を構成する複数の繊維の繊維長は、前記スパンレース不織布を構成する複数の繊維の繊維長よりも短い、上記(1)又は(2)に記載の吸収体、でもよい。
本吸収体では、エアレイドパルプ不織布の繊維の繊維長は、スパンレース不織布の繊維の繊維長よりも短い。そのため、第1基材における、尿のような液状の排泄物の液拡散性を相対的に低くすることができる。それにより、第1基材は、より確実に、排泄物をあまり拡散させずに狭い領域に、一時的に貯蔵することができる。
本発明の吸収体は、(4)前記スパンレース不織布を構成する複数の繊維の各々は、繊維の軸線に沿って延設された複数の凸部と、隣り合う凸部間に位置する複数の凹部とを表面に有する、上記(1)乃至(3)のいずれか一項に記載の吸収体、でもよい。
本吸収体では、スパンレース不織布を構成する繊維(例示:レーヨン繊維)の表面に、繊維の軸線に沿って延設された複数の凸部と、隣り合う凸部間に位置する複数の凹部とを有している。そのため、第2基材は、その凸部及び凹部に沿って尿のような液状の排泄物を容易に拡散させることができる。すなわち、第2基材における液状の排泄物の液拡散性を、相対的により高くすることができる。それにより、第2基材は、より確実に、排泄物の保水や平面方向への拡散を行うことができる。
本発明の吸収体は、(5)前記吸収体は、第1吸収層と、第2吸収層と、前記第1吸収層と前記第2吸収層との間に位置する不織布で形成された中間層と、を更に備え、前記第1吸収層は、前記第1基材と、前記第1基材よりも前記中間層側に配置され、高吸水性ポリマーを含み、前記吸水材の一部である第1吸水材と、前記第1基材の前記中間層側の表面及び前記中間層の前記第1基材側の表面の少なくとも一方に位置し、前記第1吸水材を固定する第1接着剤と、を含み、前記第2吸収層は、前記第2基材と、前記第2基材よりも前記中間層側に配置され、高吸水性ポリマーを含み、前記吸水材の一部である第2吸水材と、前記第2基材の前記中間層側の表面及び前記中間層の前記第2基材側の表面の少なくとも一方に位置し、前記第2吸水材を固定する第2接着剤と、を含む、上記(1)乃至(4)のいずれか一項に記載の吸収体、でもよい。
本吸収体では、吸収体が中間層を挟んで第1吸収層と第2吸収層とに分割されている。そのため、肌側の第1基材で吸収された排泄物を、第2基材へ到達させ、保水、拡散させると共に、排泄物の一部をその途中の中間層の不織布において、ある程度、保持、拡散させることができる。すなわち、第1吸収層の非肌側に位置する中間層の不織布に、第2吸収層の非肌側に位置する第2基材と同様の機能を発揮させることができる。それにより、第1基材を介して非肌側の第2基材へ到達する排泄物が多過ぎる事態をより抑制でき、表面シート上に排泄物が残存して漏れ感が生じることや、横漏れが生じることをより抑制できる。それと共に、肌側の第1吸収層の第1吸水材を早期に使用することができ、それにより、吸水材を厚さ方向に効率的に使用することができる。
本発明の吸収体は、(6)前記中間層の前記不織布は、パルプ繊維を含む、上記(5)に記載の吸収体、でもよい。
本吸収体では、中間層の不織布はパルプ繊維を含んでいる。そのため、肌側の第1基材で吸収された排泄物を、第2基材へ到達させ、保水、拡散させると共に、排泄物の一部をその途中の中間層の不織布において、より確実に、保水、拡散させることができる。
本発明の吸収体は、(7)前記吸収体は、平面視で、前記吸収体の幅方向の両端部よりも内側の領域に位置し、前記第1基材と前記第2基材とが接着剤で互いに接合された接合領域を有し、前記接合領域は、前記吸収体において、前記幅方向の中心を通り前記吸収体の長手方向に平行に延びる長手方向中心線に対して、前記幅方向の両側に位置し、前記長手方向の中央部を通り、前記長手方向に延びるスリット状の形状を有する一対の長手方向接合領域を含み、前記幅方向において、前記一対の長手方向接合領域の間の領域における前記吸水材の坪量が、前記一対の長手方向接合領域の各々の外側の領域における前記吸水材の坪量よりも大きい、上記(1)乃至(6)のいずれか一項に記載の吸収体、でもよい。
本吸収体では、一対の長手方向接合領域の間の領域の吸水材の坪量が、一対の長手方向接合領域の各々の外側の領域の吸水材の坪量よりも大きい。すなわち、一対の長手方向接合領域で隔てられた、吸収体の中央の領域及び両端の領域において、中央の領域の吸水材の坪量を相対的に大きくしている。それにより、液状の排泄物の排泄量の大きい中央の領域での吸収容量を確保しつつ、一対の長手方向接合領域により液状の排泄物の幅方向への拡散を制限し、長手方向への拡散を誘導することができ、吸収体全体を効率的に使用することができる。また、両端の領域により、幅方向に漏れた液状の排泄物を吸収することができ、横漏れが生じることを抑制できる。
本発明の吸収性物品用の吸収体は次のように表現することもできる。(8)吸収性物品用の吸収体であって、肌側に配置されたエアレイドパルプ不織布を含む第1基材と、非肌側に配置され、親水性繊維を有するスパンレース不織布を含む第2基材と、前記第1基材と前記第2基材との間に包摂され、高吸水性ポリマーを主成分として含む吸水材と、を備える、吸収体。
本吸収体では、コアラップとして機能する肌側の第1基材及び非肌側の第2基材において、第1基材に使用されるエアレイドパルプ不織布の保水性は不織布の中では相対的に高く、第2基材に使用されるスパンレース不織布の保水性も不織布の中では相対的に高い。したがって、スパンレース不織布の保水性と同様に、この吸収体のエアレイドパルプ不織布の保水性は相対的に高くなっている。更に、エアレイドパルプ不織布の液拡散性は不織布の中では相対的に低く、スパンレース不織布の液拡散性は不織布の中では相対的に高い。したがって、エアレイドパルプ不織布の液拡散性はスパンレース不織布の液拡散性よりも低い。例えば、エアレイドパルプ不織布及びスパンレース不織布の保水性を示す保水量は300〜800g/m2であり、エアレイド不織布の液拡散性を示すクレム吸水高さは、0〜100mmであり、スパンレース不織布の液拡散性を示すクレム吸水高さは、100mm以上である。
そのため、吸収性物品に液状の排泄物(例示:尿)が排泄されたとき、肌側の第1基材は、その高い保水性及び低い液拡散性により、素早くその排泄物を吸収し、あまり拡散させずに狭い領域に、一時的に貯蔵することができる(スポット吸収)。更に、非肌側の第2基材は、第1基材を介して到達する排泄物を、その高い保水性及び高い液拡散性により、吸収しつつ、平面方向へ広範囲に拡散させ、広範囲の高吸水性ポリマーで吸収させることができる。それゆえ、第1基材を介して第2基材へ到達する排泄物が多くても、第2基材での排泄物の保水や高吸水性ポリマーでの吸収が間に合わず、尿が渋滞してしまう、という事態を抑制できる。言い換えると、第1基材が排泄物を一時的に貯蔵する(そして徐々に排泄物を放出する)ことで、第2基材の保水、拡散及びその後の高吸水性ポリマーの吸収ための時間を稼ぐことができる。したがって、表面シート上に排泄物が残存して漏れ感が生じることや、横漏れが生じることを抑制できる。特に、排泄物を狭い領域に貯蔵することで、広い領域に貯蔵する場合(第1基材が高い液拡散性を有する場合)と比較して、着用者が排泄物の存在を感じ難くなり、漏れ感をより覚え難くすることができる。
ただし、高吸水性ポリマーを主成分として含む吸水材とは、通常、吸水材は高吸水性ポリマーやパルプ繊維やその他の成分から構成されるが、吸水材における高吸水性ポリマーの割合が70〜100質量%であることをいう。
本発明の吸収体は、(9)前記エアレイドパルプ不織布の保水性は、前記スパンレース不織布の保水性と同等であり、前記エアレイドパルプ不織布の拡散性は、前記スパンレース不織布の拡散性より低い、上記(8)に記載の吸収体、であってもよい。
本吸収体では、エアレイドパルプ不織布の保水性とスパンレース不織布の保水性は同等であり、エアレイドパルプ不織布の拡散性はスパンレース不織布の拡散性より低い。そのため、第1基材の保水性をより確実に高くすることができ、第1基材の拡散性をより確実に低くすることができるので、排泄物を吸収したとき、排泄物をより狭い領域により確実に一時的に貯蔵することができる。ここで、二つの不織布の保水性が同等とは、例えば保水性を示す保水量の値において、少なくとも一方の値が他方の値の±40%の範囲に入ることをいう。エアレイドパルプ不織布の拡散性はスパンレース不織布の拡散性の1/2以下が好ましい。
本発明の吸収体は、(10)前記エアレイドパルプ不織布は、複数のパルプ繊維を含む複数の親水性繊維と、前記複数の親水性繊維を覆う親水性バインダと、を含む、上記(8)又は(9)に記載の吸収体、でもよい。
本吸収体では、第1基材のエアレイドパルプ不織布がパルプ繊維を含む親水性繊維と親水性バインダとを含んでいる。そのため、繊維自体も尿のような液状の排泄物を保持することができる。また、繊維同士が交接点で親水性バインダにより接合されるため、繊維による骨格構造(繊維間の空隙)を維持し易く、その空隙に液体を保持し易くできる。これらにより、第1基材は、より確実に、素早くその排泄物を吸収し、一時的に貯蔵することができる。
本発明の吸収体は、(11)前記エアレイドパルプ不織布を構成する複数の繊維の繊維長は、前記スパンレース不織布を構成する複数の繊維の繊維長よりも短い、上記(8)乃至(10)のいずれか一項に記載の吸収体、でもよい。
本吸収体では、エアレイドパルプ不織布の繊維の繊維長は、スパンレース不織布の繊維の繊維長よりも短い。そのため、第1基材における、尿のような液状の排泄物の液拡散性を相対的に低くすることができる。それにより、第1基材は、より確実に、排泄物をあまり拡散させずに狭い領域に、一時的に貯蔵することができる。
本発明の吸収体は、(12)前記スパンレース不織布を構成する複数の繊維の各々は、繊維の軸線に沿って延設された複数の凸部と、隣り合う凸部間に位置する複数の凹部とを表面に有する、上記(8)乃至(11)のいずれか一項に記載の吸収体、でもよい。
本吸収体では、スパンレース不織布を構成する繊維(例示:レーヨン繊維)の表面に、繊維の軸線に沿って延設された複数の凸部と、隣り合う凸部間に位置する複数の凹部とを有している。そのため、第2基材は、その凸部及び凹部に沿って尿のような液状の排泄物を容易に拡散させることができる。すなわち、第2基材における液状の排泄物の液拡散性を、相対的により高くすることができる。それにより、第2基材は、より確実に、排泄物の保水や平面方向への拡散を行うことができる。
本発明の吸収体は、(13)前記吸収体は、第1吸収層と、第2吸収層と、前記第1吸収層と前記第2吸収層との間に位置する不織布で形成された中間層と、を更に備え、前記第1吸収層は、前記第1基材と、前記第1基材よりも前記中間層側に配置され、高吸水性ポリマーを含み、前記吸水材の一部である第1吸水材と、前記第1基材の前記中間層側の表面及び前記中間層の前記第1基材側の表面の少なくとも一方に位置し、前記第1吸水材を固定する第1接着剤と、を含み、前記第2吸収層は、前記第2基材と、前記第2基材よりも前記中間層側に配置され、高吸水性ポリマーを含み、前記吸水材の一部である第2吸水材と、前記第2基材の前記中間層側の表面及び前記中間層の前記第2基材側の表面の少なくとも一方に位置し、前記第2吸水材を固定する第2接着剤と、を含む、上記(8)乃至(12)のいずれか一項に記載の吸収体、でもよい。
本吸収体では、吸収体が中間層を挟んで第1吸収層と第2吸収層とに分割されている。そのため、肌側の第1基材で吸収された排泄物を、第2基材へ到達させ、保水、拡散させると共に、排泄物の一部をその途中の中間層の不織布において、ある程度、保持、拡散させることができる。すなわち、第1吸収層の非肌側に位置する中間層の不織布に、第2吸収層の非肌側に位置する第2基材と同様の機能を発揮させることができる。それにより、第1基材を介して非肌側の第2基材へ到達する排泄物が多過ぎる事態をより抑制でき、表面シート上に排泄物が残存して漏れ感が生じることや、横漏れが生じることをより抑制できる。それと共に、肌側の第1吸収層の第1吸水材を早期に使用することができ、それにより、吸水材を厚さ方向に効率的に使用することができる。
本考案の吸収体は、(14)前記中間層の前記不織布は、パルプ繊維を含む、(13)に記載の吸収体、でもよい。
本吸収体では、中間層の不織布はパルプ繊維を含んでいる。そのため、肌側の第1基材で吸収された排泄物を、第2基材へ到達させ、保水、拡散させると共に、排泄物の一部をその途中の中間層の不織布において、より確実に、保水、拡散させることができる。
本考案の吸収体は、(15)前記吸収体は、平面視で、前記吸収体の幅方向の両端部よりも内側の領域に位置し、前記第1基材と前記第2基材とが接着剤で互いに接合された接合領域を有し、前記接合領域は、前記吸収体において、前記幅方向の中心を通り前記吸収体の長手方向に平行に延びる長手方向中心線に対して、前記幅方向の両側に位置し、前記長手方向の中央部を通り、前記長手方向に延びるスリット状の形状を有する一対の長手方向接合領域を含み、前記幅方向において、前記一対の長手方向接合領域の間の領域における前記吸水材の坪量が、前記一対の長手方向接合領域の各々の外側の領域における前記吸水材の坪量よりも大きい、上記(8)乃至(14)のいずれか一項に記載の吸収体、でもよい。
本吸収体では、一対の長手方向接合領域の間の領域の吸水材の坪量が、一対の長手方向接合領域の各々の外側の領域の吸水材の坪量よりも大きい。すなわち、一対の長手方向接合領域で隔てられた、吸収体の中央の領域及び両端の領域において、中央の領域の吸水材の坪量を相対的に大きくしている。それにより、液状の排泄物の排泄量の大きい中央の領域での吸収容量を確保しつつ、一対の長手方向接合領域により液状の排泄物の幅方向への拡散を制限し、長手方向への拡散を誘導することができ、吸収体全体を効率的に使用することができる。また、両端の領域により、幅方向に漏れた液状の排泄物を吸収することができ、横漏れが生じることを抑制できる。
本発明によれば、吸水材の主成分として高吸水性ポリマーを用いた吸収体において、吸収速度が速く、且つ、排尿直後の漏れ感や横漏れを抑制することが可能な吸収性物品用の吸収体を提供することができる。
実施の形態に係る吸収性物品の構成例を示す平面図である。 実施の形態に係る吸収体の構成例を示す平面図である。 図2のIII−III線に沿う断面図である。 試験装置の一例を模式的に示す側面図及び正面図である。 他の試験装置の一例を模式的に示す側面図である。 他の試験装置の一例を模式的に示す部分平面図である。
以下、実施の形態に係る吸収性物品用の吸収体について、使い捨ておむつ1用の吸収体を例に説明する。この場合、使い捨ておむつ1の吸収対象である排泄物は尿である。ただし、吸収性物品の種類及び用途はこの例に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲を逸脱しない限り、他の吸収性物品でもよい。そのような吸収性物品として、例えば、軽失禁パッド、パンティライナー、生理用ナプキンが挙げられる。
図1は実施の形態に係る使い捨ておむつ1の構成例を示す平面図である。ただし、図1は展開した状態の使い捨ておむつ1の平面図を示す。使い捨ておむつ1は、互いに直交する長手方向L、幅方向W及び厚さ方向Tを有し、幅方向Wの中心を通り長手方向Lに延びる長手方向中心線CLと、長手方向Lの中心を通り幅方向Wに延びる幅方向中心線CWとを有する。長手方向中心線CLに近づく方向及び遠ざかる方向をそれぞれ幅方向Wの内側及び外側の方向とする。幅方向中心線CWに近づく方向及び遠ざかる方向をそれぞれ長手方向Lの内側及び外側の方向とする。「平面視」とは長手方向L及び幅方向Wを含む平面に展開した状態の使い捨ておむつ1を厚さ方向Tの上方側から見ることをいい、「平面形状」とは平面視で把握される形状をいう。「平面方向」とは幅方向W及び長手方向Lを含む面と平行な任意の方向である。使い捨ておむつ1における厚さ方向Tの中心を通り、平面方向に広がる面に対して近づく方向及び遠ざかる方向をそれぞれ厚さ方向Tの内側及び外側の方向とする。「肌側」及び「非肌側」とは使い捨ておむつ1が装着者に装着されたときに、厚さ方向Tにおいて相対的に装着者の肌面に近くなる側及び遠くなる側をそれぞれ意味する。これら定義は使い捨ておむつ1だけでなく、使い捨ておむつ1の吸収体やそれらに配置された各資材にも共通に用いる。
なお、部材や構造や形状などが長手方向Lに沿うとは、部材等が長手方向Lに平行な場合だけでなく、部材等の長手方向Lの成分Dxが、部材等の幅方向Wの成分Dyよりも大きい場合(Dx>Dy)も含んでいる。同様に、部材等が幅方向Wに沿うとは、部材等が幅方向Wに平行な場合だけでなく、部材等の幅方向Wの成分Dyが、部材等の長手方向Lの成分Dxよりも大きい場合(Dy>Dx)も含んでいる。曲線状や曲面状の部材等に関しては、曲線等上の各点の接線について、部材等を上記のように評価する。
図1に示すように、使い捨ておむつ1は、表面シート2と、裏面シート(図示されず)と、表面シート2と裏面シートとの間に位置する吸収体3と、を備える。表面シート2と吸収体3と裏面シートとは厚さ方向Tにこの順で積層される。本実施の形態では、使い捨ておむつ1は、更に、表面シート2の幅方向Wの両側に位置する一対のサイドシート4、4と、一対のサイドシート4、4の長手方向Lの一端側かつ幅方向Wの両側に位置する一対のテープファスナ5、5と、を備える。そして、一対のサイドシート4、4の幅方向Wの内側には、一対の立体ギャザー4a、4aが設けられる。これら、表面シート2、裏面シート、サイドシート4(立体ギャザー4aを含む)、テープファスナ5としては、当該技術分野で公知の資材、形状、構造のものを用いることができる。
図2は実施の形態に係る吸収体3の構成例を示す平面図であり、図3は図2のIII−III線に沿う断面図である。吸収体3は、液吸収性能及び液保持性能を有する層であり、本実施の形態では、第1吸収層11と、第2吸収層12と、第1吸収層11と第2吸収層12との間に位置する中間層13と、を備える。第1吸収層11と中間層13と第2吸収層12とは厚さ方向Tにこの順に積層される。第1吸収層11が吸収体3における肌側に位置し、第2吸収層12が吸収体3における非肌側に位置する。本実施の形態の吸収体3は二層構造を有するが、吸収体3の構造はこの例に限定されず、中間層を除いた一層構造でもよいし、第1吸収層11と第2吸収層12との間に他の中間層及び他の吸収層を更に積層した多層構造でもよい。また、本実施の形態では、吸収体3は、略矩形の平面形状を有する。そのとき、第1吸収層11と中間層13と第2吸収層12とは、互いに同一の平面形状を有し、この図の例では吸収体3と同じ略矩形の平面形状を有する。ただし、それらの形状は特に限定されるものではなく、例えば、短辺が円弧状に突出した長方形、角丸長方形、楕円、砂時計が挙げられる。吸収体3の厚さは、例えば0.5〜20mmが挙げられ、好ましくは1〜10mmである。
第1吸収層11は、液透過性を有し、高い保水性及び低い液拡散性を有するシートで形成された第1基材21と、第1基材21よりも中間層13側に配置され、吸水性ポリマーを含む第1吸水材23と、を含む。第1吸収層11は、吸収コアとして第1吸水材23を有し、コアラップとして第1基材21(及び中間層13)を有すると見ることができる。
第1吸収層11は、更に、第1基材21の中間層13側の表面及び中間層13の第1基材21側の表面の少なくとも一方に位置し、第1吸水材23を固定する第1接着剤を含む。具体的には、第1接着剤は、第1基材21の中間層13側の表面に位置する基材側第1接着剤22、及び、中間層13の第1基材21側の表面に位置する中間層側第1接着剤24のうちの少なくとも一方を含む。本実施の形態では、第1吸収層11は、基材側第1接着剤22及び中間層側第1接着剤24の両方を含む。
本実施の形態では、第1基材21は、第1吸収層11の肌側に位置し、略矩形の平面形状を有する。基材側第1接着剤22は、第1基材21の中間層13側の表面に、概ね均一の坪量で塗布されている。基材側第1接着剤22は、主に第1基材21側の第1吸水材23を第1基材21に固定する。中間層側第1接着剤24は、中間層13の第1基材21側の表面に、概ね均一の坪量で塗布されている。中間層側第1接着剤24は、主に中間層13側の第1吸水材23を中間層13に固定する。それにより、第1吸水材23は第1吸収層11内に強固に固定される。
第2吸収層12は、高い保水性及び高い液拡散性を有するシートで形成された第2基材26と、第2基材26よりも中間層13側に配置され、吸水性ポリマーを含む第2吸水材28と、を含む。第2吸収層12は、吸収コアとして第2吸水材28を有し、コアラップとして第2基材26(及び中間層13)を有すると見ることができる。
第2吸収層12は、更に、第2基材26の中間層13側の表面及び中間層13の第2基材26側の表面の少なくとも一方に位置し、第2吸水材28を固定する第2接着剤を含む。具体的には、第2接着剤は、第2基材26の中間層13側の表面に位置する基材側第2接着剤27、及び、中間層13の第2基材26側の表面に位置する中間層側第2接着剤29のうちの少なくとも一方を含む。本実施の形態では、第2吸収層12は、基材側第2接着剤27及び中間層側第2接着剤29の両方を含む。
本実施の形態では、第2基材26は、第2吸収層12の非肌側に位置し、略矩形の平面形状を有する。ただし、第2基材26における幅方向Wの両端部は、厚さ方向Tに起立するように折られて、第2吸収層12における幅方向Wの両端部の両側面をそれぞれ形成し、かつ、第1吸収層11における幅方向Wの両端部の両側面をそれぞれ形成する。第2基材26における幅方向Wの両端部の更に端の部分は、幅方向Wの内側に更に折られて、第1基材21の肌側の表面に基材側第2接着剤27を介して重なる。このように、第2基材26における幅方向Wの両端部が、第2吸収層12の幅方向Wの側面を覆い、更に、第1吸収層11の幅方向Wの側面を覆うことで、第2吸水材28が幅方向Wにおいて第2吸収層12に封入され、更に、第1吸水材23が幅方向Wにおいて第1吸収層11に封入される。基材側第2接着剤27は、第2基材26の中間層13側の表面に、概ね均一の坪量で塗布されている。基材側第2接着剤27は、主に第2基材26側の第2吸水材28を第2基材26に固定する。中間層側第2接着剤29は、中間層13の第2基材26側の表面に、概ね均一の坪量で塗布されている。中間層側第2接着剤29は、主に中間層13側の第2吸水材28を中間層13に固定する。それにより、第2吸水材28は第2吸収層12内に強固に固定される。
なお、本実施の形態では、吸収体3において、第2基材26が、幅方向Wの側面を形成し、第1基材21の幅方向Wの両端部を覆うが、吸収体3はこの例に限定されず、第1基材21が、幅方向Wの側面を形成し、第2基材26の幅方向Wの両端部を覆ってもよい。また、吸収体3では、幅方向Wの両端部が基材で覆われ、長手方向Lの両端部が基材で覆われていないが、吸収体3はこの例に限定されず、長手方向Lの両端部が基材で覆われ、幅方向Wの両端部が基材で覆われていなくてもよいし、幅方向W及び長手方向Lの両端部がいずれも基材で覆われていてもよい。また、吸収体3は、吸収コアとして第1吸水材23及び第2吸水材28を有し、肌側のコアラップとして第1基材21を有し、非肌側のコアラップとして第2基材26を有すると見ることができる。
第1吸水材23及び第2吸水材28は、高吸水性ポリマー(Super Absorbent Polymer;SAP)を含んでいる。高吸水性ポリマーとしては、水分を吸収し保持できるポリマーであれば特に制限はなく、例えば粒子状又は繊維状の高吸水性ポリマーが挙げられる。第1吸水材23及び第2吸水材28の高吸水性ポリマーの坪量は、使い捨ておむつ1に要求される吸収性能に応じて適宜調整され得るが、例えばそれぞれ10〜500g/mが挙げられ、好ましくは100〜400g/mである。第1吸水材23及び第2吸水材28の坪量は、一方が他方よりも多くてもよいし、同等であってもよい。ただし、同等とは、一方が他方の±20%の範囲をいう。パルプ繊維や吸水性繊維のような親水性繊維を更に有してもよい。親水性繊維の含有量は、例えば第1吸水材23及び第2吸水材28の0〜30質量%の範囲が挙げられ、好ましくは0〜10質量%の範囲である。言い換えると、高吸水性ポリマーの含有量は、例えば第1吸水材23及び第2吸水材28の70〜100質量%の範囲が挙げられ、好ましくは90〜100質量%の範囲である。したがって、第1吸水材23及び第2吸水材28は高吸水性ポリマーを主成分(70質量%以上)として含む、ということができる。本実施の形態では、第1吸水材23及び第2吸水材28は、高吸水性ポリマーのみで構成され、親水性繊維を含まない。別の実施の形態では、第1吸水材23及び第2吸水材28は、高吸水性ポリマーの他に、パルプ繊維及び/又は吸水性繊維を含む。
高吸水性ポリマーとしては、例えば、デンプン系、セルロース系、合成ポリマー系の高分子吸収剤が挙げられる。デンプン系又はセルロース系の高吸水性ポリマーとしては、例えば、デンプン−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、デンプン−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物が挙げられる。合成ポリマー系の高吸水性ポリマーとしては、例えば、ポリアクリル酸塩系、ポリスルホン酸塩系、無水マレイン酸塩系、ポリアクリルアミド系、ポリビニルアルコール系、ポリエチレンオキシド系、ポリアスパラギン酸塩系、ポリグルタミン酸塩系、ポリアルギン酸塩系、デンプン系、セルロース系等が挙げられる。本実施の形態では、ポリアクリル酸塩系(特に、ポリアクリル酸ナトリウム系)の高吸水性ポリマーが好ましい。また、本実施の形態では、吸収体3において、高吸水性ポリマーの90〜100質量%が150〜500μmの粒径を有する高吸水性ポリマー粒子から構成されることが好ましい。このような粒径分布を有する高吸水性ポリマー粒子は、粒径が小さく均一であるので、第1接着剤や第2接着剤に保持されやすい。高吸水性ポリマー粒子の粒径は、JIS R 6002:1998に記載のふるい分け試験方法に準拠して測定される。
第1接着剤及び第2接着剤としては、高吸水性ポリマーを固定できる接着剤であれば特に限定はなく、例えばホットメルト接着剤が挙げられる。ホットメルト接着剤としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン、エチレン−α−オレフィン共重合体のようなオレフィン系ホットメルト接着剤、エチレン−酢酸ビニル共重合体系ホットメルト接着剤、ポリアミド系ホットメルト接着剤、スチレン−ブチレン−スチレン共重合体及びスチレン−イソプレン−スチレン共重合体のような熱可塑性エラストマー系ホットメルト接着剤、湿気硬化型ウレタンプレポリマーのような反応型ホットメルト接着剤などが挙げられる。本実施の形態では、第1接着剤及び第2接着剤の少なくとも一方は細長い線の形状に塗布されている。第1接着剤及び第2接着剤の線の幅は、平面視で、50〜500μmが挙げられ、好ましくは75〜400μmであり、より好ましくは100〜300μmである。各接着剤の塗布のパターンとしては、特に制限はないが、例えば連続的又は間欠的なオメガパターン、スパイラルパターン、ラインパターンが挙げられる。第1接着剤及び第2接着剤の坪量は、吸収体3の液体吸収性が著しく低下しないように適宜調整され得るが、例えばそれぞれ3〜50g/mが挙げられ、好ましくは5〜20g/mである。ここで、連続的又間欠的なパターンとは、吸収体3の平面方向の例えば幅方向W及び長手方向Lのうちの少なくとも1つの方向で連続的又は不連続である任意の形状をいう。第1接着剤及び第2接着剤の坪量は、一方が他方よりも多くてもよいし、同等であってもよい。基材側第1接着剤22及び中間層側第1接着剤24の坪量は一方が他方よりも多くてもよく、同等でもよいし、基材側第2接着剤27及び中間層側第2接着剤29の坪量は一方が他方よりも多くてもよく、同等でもよい。
第1基材21としては、液透過性を有し、肌側のコアラップとして高い保水性及び低い液拡散性を有するシートが好ましい。高い保水性としては、保水性を示す保水量が、300〜800g/mが好ましく、400〜700g/mが好ましい。300g/m未満の場合、液状の排泄物が吸収体3に達したとき、第1基材21内に一時的にほとんど留まることができずに、第1吸水材23側へ透過し易くなる。800g/m超の場合、液状の排泄物が吸収体3に達したとき、第1基材21内に留まり過ぎて、第1吸水材23側へ透過し難くなる。低い液拡散性としては、液拡散性を示すクレム吸水高さは、0〜100mmが好ましく、0〜50mがより好ましい。100mm超の場合、液状の排泄物が吸収体3に達したとき、第1基材21内を平面方向に拡散し易くなる。第1基材21の坪量は、例えば10〜100g/mが挙げられ、好ましくは20〜80g/mである。10g/m未満の場合、第1基材21の保水性が低くなり易い。100g/m超の場合、第1基材21の液拡散性が高くなり易い。第1基材21の厚さは、例えば0.1〜5mmが挙げられ、好ましくは0.15〜3mmである。
肌側のコアラップとして高い保水性及び低い液拡散性を有する不織布として、例えばエアレイドパルプ不織布が挙げられる。エアレイドパルプ不織布の保水性は不織布の中では相対的に高く、エアレイドパルプ不織布の液拡散性は不織布の中では相対的に低い。
本実施の形態のエアレイドパルプ不織布は、パルプ繊維を含む親水性繊維とアクリルエマルジョンのような親水性バインダから形成される。親水性繊維として、他の天然繊維やレーヨン繊維のような再生繊維や親水性を付与された熱可塑性繊維を含んでもよい。ただし、エアレイドパルプ不織布は、少なくともパルプ繊維を主成分として、すなわちパルプ繊維を不織布の70質量%以上含む。親水性バインダは主に親水性繊維の表面に付着しており、親水性繊維同士は、それらの交点で親水性バインダにより互いに接着されている。親水性繊維同士の接着により、親水性繊維間に比較的安定な空隙が形成される。そのような空隙は不織布の肌側の表面から非肌側の表面まで連通している。親水性繊維の繊維長は、液拡散性等の観点から、1〜20mmが好ましく、2〜10mmがより好ましい。
このようなエアレイドパルプ不織布(肌側のコアラップ)では、親水性の繊維かつ親水性のバインダを用いているので、繊維自体が液状の排泄物(例示:尿)を一時的に保持できる。また、繊維が交点で接合されて骨格構造(繊維間の空隙)を維持できるので、繊維間の空隙が液状の排泄物を一時的に保持できる。そして、繊維間の空隙は肌側の表面から非肌側の表面に連通していため、一時的に保持した液状の排泄物を吸水材(吸収コア)に移動させることができる。更に、繊維長が比較的短いので、一時的に保持した液状の排泄物を平面方向に拡散し難くすることができる。すなわち、このようなエアレイドパルプ不織布は高い保水性及び低い液拡散性を有することができる。
なお、第1基材21として、上記の不織布のうちの一種類又は複数の種類の不織布を複数層、積層してもよい。
第2基材26としては、非肌側のコアラップとして高い保水性及び高い液拡散性を有するシートが好ましい。高い保水性としては、保水性を示す保水量が、300〜800g/mが好ましく、400〜700g/mが好ましい。300g/m未満の場合、液状の排泄物が第2基材26に達したとき、第2基材26内にほとんど留まることができずに、第2吸水材28側へ戻り易くなる。800g/m超の場合、液状の排泄物が第2基材26に達したとき、第2基材26内に留まり過ぎて、平面方向へ拡散し難くなる。高い液拡散性としては、液拡散性を示すクレム吸水高さは、100mm以上が好ましく、120mm以上がより好ましい。100mm未満の場合、液状の排泄物が第2基材26に達したとき、第2基材26内を平面方向へ拡散し難くなる。上限は特にないが、製造容易な範囲という点で、例えば、300mmが挙げられる。第2基材26の坪量は、10〜200g/mが挙げられ、好ましくは35〜150g/mである。10g/m未満の場合、第2基材26の保水性が低くなり易い。200g/m超の場合、第2基材26の剛性が増して吸収体3の剛性が高くなり、使い捨ておむつ1(吸収性物品)としては硬くなり過ぎる。第2基材26の厚さは、例えば0.1〜5mmが挙げられ、好ましくは0.15〜3mmである。
非肌側のコアラップとして高い保水性及び高い液拡散性を有する不織布として、例えば所定の特性を有するスパンレース不織布が挙げられる。スパンレース不織布の保水性は不織布の中では相対的に高く、スパンレース不織布の液拡散性は不織布の中では相対的に高い。
本実施の形態のスパンレース不織布は、親水性繊維から形成される。親水性繊維としては、レーヨン繊維が挙げられ、他にパルプ繊維のような天然繊維や他の再生繊維や親水性を付与された熱可塑性繊維を含んでもよい。親水性繊維としてレーヨン繊維を用いる場合、レーヨン繊維の断面は不規則な花弁形であり、しがたって、レーヨン繊維の表面には繊維の軸線方向に複数の線条がある。言い換えると、レーヨン繊維は、表面に、繊維の軸線に沿って延設された複数の凸部と、隣り合う凸部間に位置する複数の凹部とを有している。親水性繊維同士は、それらが融着することなく交絡している。親水性繊維同士の交絡により、親水性繊維間に空隙が形成される。親水性繊維の繊維長は、液拡散性等の観点から、20〜80mmが好ましく、30〜60mmがより好ましい。
このようなスパンレース不織布(非肌側のコアラップ)では、親水性の繊維を用いているので、繊維自体が液状の排泄物(例示:尿)を一時的に保持できる。また、繊維は交絡しているだけで繊維間の空隙の形状を維持しにくいため、一時的に保持した液状の排泄物を透過させ難い。また、液状の排泄物を透過させ難いこと、及び、繊維の繊維長が比較的長いことから、保持した液状の排泄物を拡散させ易い。更に、繊維表面に繊維の軸線方向に沿った複数の線条があるので、毛管現象により繊維に沿って保持した体液をより拡散させ易い。すなわち、このようなスパンレース不織布は高い保水性及び高い液拡散性を有することができる。
なお、第2基材26として、上記の不織布のうちの一種類又は複数の種類の不織布を複数層、積層してもよい。
本実施の形態では、第1基材21としてのエアレイドパルプ不織布の保水性を示す保水量は、300〜800g/mであり、コアラップ用の不織布の中では高い。一方、第2基材26としての親水性繊維を有するスパンレース不織布の保水性を示す保水量は、300〜800g/mであり、コアラップ用の不織布の中では高い。したがって、エアレイド不織布の保水性は、親水性繊維を有するスパンレース不織布の保水性と同等で高い。
また、エアレイドパルプ不織布の液拡散性を示すクレム吸水高さは、0〜100mmであり、コアラップ用の不織布の中では低い。一方、親水性繊維を有するスパンレース不織布の液拡散性を示すクレム吸水高さは、100mm以上であり、コアラップ用の不織布の中では高い。より好ましくは、エアレイドパルプ不織布(第1基材21)のクレム吸水高さ(拡散性)は、スパンレース不織布(第2基材26)のクレム吸水高さ(拡散性)の1/2以下である。このような特性が得られる理由の一つとして、エアレイドパルプ不織布を構成する複数の繊維の繊維長が、親水性繊維を有するスパンレース不織布を構成する複数の繊維の繊維長よりも短いことが挙げられる。
中間層13としては、液透過性を有するシートであれば特に制限はない。中間層13としては、例えば液透過性の不織布、親水性の不織布、それらの積層不織布が挙げられる。例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)のようなポリオレフィン繊維、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)のようなポリエステル繊維、又はそれらの組み合わせから形成されるスパンボンド不織布やエアスルー不織布が挙げられる。これらの合成繊維は公知の方法で親水化処理されていることが好ましい。あるいは、例えば、パルプ繊維やレーヨン繊維のような親水性繊維を親水性バインダで被覆したエアレイド不織布や、上記の親水性繊維と上記の合成繊維とを組み合わせたスパンレース不織布が挙げられる。本実施の形態では、親水化処理されたポリエチレン及びポリプロピレンの繊維を用いたエアスルー不織布を用いる。なお、中間層13として、上記の不織布のうちの一種類又は複数の種類の不織布を複数層、積層してもよい。中間層13の坪量は、例えば10〜100g/mが挙げられ、好ましくは15〜80g/mである。中間層13の厚さは、例えば0.1〜5mmが挙げられ、好ましくは0.15〜3mmである。
本実施の形態では、吸収体3は、平面視で、吸収体3の幅方向Wの両端部よりも内側の領域に位置し、第1基材21と中間層13とが第1接着剤で、及び、第2基材26と中間層13とが第2接着剤で、それぞれ厚さ方向Tに互いに接合された接合領域7(長手方向接合領域)を有する。本実施の形態では、吸収体3は、吸収体3の幅方向Wの両端部よりも内側の領域に位置し、長手方向Lに沿って延びる一対の接合領域7、7を有する。ただし、本実施の形態において、吸収体3の幅方向Wの両端部よりも内側とは、吸収体3の幅方向Wの最大寸法を100%とすると、吸収体3の幅方向Wの両端縁から5%の位置より長手方向中心線CLに近い側をいう。また、接合領域7は、幅方向Wに沿って延びていてもよい。
本実施の形態では、吸収体3では、肌側の第1基材21と非肌側の第2基材26との間に形成される空間が、いくつかの接合領域7により、平面視で複数の領域に区画される。接合領域7は、第1基材21の一部分とそれに対向する第2基材26の一部分とを中間層13を介在させつつ、厚さ方向Tに接着剤を介して押圧すること(例示:ホットメルト接着剤)又は圧着すること(例示:エンボス加工)で形成される。したがって、第1吸収層11の接合領域7と第2吸収層12の接合領域7とは厚さ方向Tに完全に一致する。本実施の形態では、接合領域7は、吸水性ポリマー及び親水性繊維を含まない領域(非存在領域)ということができる。したがって、第1吸水材23は、接合領域7を除いて、第1吸収層11内に概ね均一の坪量で配置され、第2吸水材28は、接合領域7を除いて、第2吸収層12内に概ね均一の坪量で配置される。
本実施の形態では、吸収体3は、一対の接合領域7、7により、幅方向Wに吸水材を含む三つの領域(存在領域)に、すなわち中央配置領域Awc、及びその幅方向Wの両外側に位置する一対の外側配置領域Awe、Aweに区画されている。ただし、一対の接合領域7、7は、長手方向Lにスリット状に延設され、長手方向中心線CLを挟んで幅方向Wの両側に所定間隔で並んだ帯状の領域である。接合領域7は、長手方向Lの中央部、特に幅方向中心線CWを跨ぐように形成される。一対の接合領域7、7の平面視でのパターンは、例えば両者の間隔が、長手方向Lに沿って一定であるように形成されたパターンである。ただし、一対の接合領域7、7のパターンが、例えば長手方向Lの中央付近において狭く、長手方向Lの両外側に向かうに連れて拡がるように形成されたパターンであってもよい。本実施の形態では、中央配置領域Awc及び外側配置領域Aweの幅方向Wの寸法は、吸収体3の幅方向Wの最大寸法を100%とすると、例えば30〜60%、20〜10%が挙げられる。また、接合領域7の幅方向Wの寸法は、吸収体3の幅方向Wの最大寸法を100%とすると、例えば5〜10%が挙げられる。また、接合領域7の長手方向Lの寸法は、吸収体3の長手方向Lの最大寸法を100%とすると、例えば30〜100%が挙げられる。
本実施の形態では、吸収体3が、長手方向Lに延設され、幅方向Wに間隔を空けて並んだ一対のエンボス部8、8を備える。一対のエンボス部8、8は、一対の接合領域7、7内に位置する。各エンボス部8は、長手方向Lの中央部を通るように延設され、厚さ方向Tに肌側の表面及び非肌側の表面から内側に向って窪んだ構成を有する。一対のエンボス部8、8は、平面視で、長手方向Lに沿った互いに平行な直線の形状を有する。一対のエンボス部8、8の形状は、長手方向中心線CLに対して線対称である。エンボス部8の幅方向Wの寸法は0.5〜4mmが好ましく、1〜2mmがより好ましい。エンボス部8の長手方向Lの寸法は、吸収体3の長手方向Lの最大寸法を100%とすると、例えば20〜90%が挙げられる。ただし、一対のエンボス部8、8の形状は、この例に限定されず、他の形状を有してもよい。他の形状としては、例えば、平面視で、長手方向Lに沿って中心から両端部に向かうに連れて幅方向Wの互いの距離が増大する形状、すなわち、長手方向中心線CLに対して凸となる緩やかな円弧状の形状や、長手方向中心線CLに対して凹となる緩やかな円弧状の形状や、これらの形状(図2の形状を含む)の組み合わせが挙げられる。本実施の形態では、吸収体3が、接合領域7において、長手方向Lの両端部に、それぞれ、長手方向Lに沿って延設され、幅方向Wに間隔を空けて並んだ一対のエンボス部18、18を更に備える。
次に、吸収体3の製造方法について説明する。
まず、第2基材26用シートを長手方向Lに移動させつつ、基材側第2接着剤27用ホットメルト接着剤を第2基材26用シートの上に塗布する。次いで、高吸水性ポリマー供給装置から高吸水性ポリマーを、基材側第2接着剤27用ホットメルト接着剤を塗布された第2基材26用シートにおける幅方向Wの両端部分及び中央部分の上に長手方向Lに沿って散布する。次いで、両面に中間層側第2接着剤29用及び中間層側第1接着剤24用ホットメルト接着剤が塗布された中間層13用シートを、第2基材26用シート上の高吸水性ポリマーの上に、中間層側第2接着剤29用ホットメルト接着剤を高吸水性ポリマー側にして積層する。次いで、その積層物を長手方向Lに移動させつつ、他の高吸水性ポリマー供給装置から高吸水性ポリマーを、中間層側第1接着剤24用ホットメルト接着剤を塗布された中間層13用のシートにおける幅方向Wの両端部分及び中央部分の上に長手方向Lに沿って散布する。次いで、第2基材26用シート上の高吸水性ポリマーの上に、基材側第1接着剤22用ホットメルト接着剤を塗布した第1基材21用シートを、基材側第1接着剤22用ホットメルト接着剤を高吸水性ポリマー側にして積層する。そして、第2基材26用シートにおける幅方向Wの両側部各を第1基材21用シートの上に折り返した後、一対のプレスロールに積層物を通過させてプレスすることにより厚さを調整して、吸収体3を形成する。
次に、上記吸収体3を用いた吸収性物品の製造方法について説明する。
上記のように作製した吸収体3の上面(第1基材21の表面)に液透過性の表面シート2(立体ギャザー付き一対のサイドシート4、4を含む)を貼り付ける。次いで、吸収体3の下面(第2基材26の表面)に液不透過性の裏面シートを貼り付ける。次いで、裏面シートの長手方向Lの一端部の幅方向Wの両端部に一対のテープファスナ5、5を貼り付ける。それにより、使い捨ておむつ1が製造される。
本吸収体3では、コアラップとして機能する肌側の第1基材21及び非肌側の第2基材26において、第1基材21のエアレイドパルプ不織布及び第2基材26の親水性繊維を有するスパンレース不織布の保水量は、例えば300〜800g/mであり、いずれも高い。すなわち、第1基材21のエアレイドパルプ不織布の保水性は、第2基材26の親水性繊維を有するスパンレース不織布の保水性と同等に高い。更に、第1基材21のエアレイドパルプ不織布及び第2基材26の親水性繊維を有するスパンレース不織布のクレム吸水高さは、例えば0〜100mm及び100mm以上であり、エアレイドパルプ不織布で低く、スパンレース不織布で高い。すなわち、第1基材21のエアレイドパルプ不織布の液拡散性は、第2基材26のスパンレース不織布の液拡散性よりも低い。
そのため、本吸収体3を適用した使い捨ておむつ1(吸収性物品)に液状の排泄物(例示:尿)が排泄されたとき、肌側の第1基材21は、その高い保水性及び低い液拡散性により、素早くその排泄物を吸収し、あまり拡散させずに狭い領域に、一時的に貯蔵することができる(スポット吸収)。更に、非肌側の第2基材26は、第1基材21を介して到達する排泄物を、その高い保水性及び高い液拡散性により、吸収しつつ、平面方向へ広範囲に拡散させ、広範囲の高吸水性ポリマーで吸収させることができる。それゆえ、第1基材21を介して第2基材26へ到達する排泄物が多くても、第2基材26での排泄物の保水や高吸水性ポリマーでの吸収が間に合わず、尿が渋滞してしまう、という事態を抑制できる。言い換えると、第1基材21が排泄物を一時的に貯蔵する(そして徐々に排泄物を放出する)ことで、第2基材26の保水、拡散及びその後の高吸水性ポリマーの吸収ための時間を稼ぐことができる。したがって、表面シート2上に排泄物が残存して漏れ感が生じることや、横漏れが生じることを抑制できる。特に、排泄物を狭い領域に貯蔵することで、広い領域に貯蔵する場合(第1基材21が高い液拡散性を有する場合)と比較して、着用者が排泄物の存在を感じ難くなり、漏れ感をより覚え難くすることができる。
本実施の形態における好ましい態様として、吸収体3では、第1基材21のエアレイドパルプ不織布がパルプ繊維を含む親水性繊維と親水性バインダとを含んでいる。そのため、繊維自体も尿のような液状の排泄物を保持することができる。また、繊維同士が交接点で親水性バインダにより接合されるため、繊維による骨格構造(繊維間の空隙)を維持し易く、その空隙に液体を保持し易くできる。これらにより、第1基材21は、より確実に、素早くその排泄物を吸収し、一時的に貯蔵することができる。
本実施の形態における好ましい態様として、吸収体3では、エアレイドパルプ不織布の繊維の繊維長は、スパンレース不織布の繊維の繊維長よりも短い。そのため、第1基材21における、尿のような液状の排泄物の液拡散性を相対的に低くすることができる。それにより、第1基材21は、より確実に、排泄物をあまり拡散させずに狭い領域に、一時的に貯蔵することができる。
本実施の形態における好ましい態様として、吸収体3では、スパンレース不織布を構成する繊維(例示:レーヨン繊維)の表面に、繊維の軸線に沿って延設された複数の凸部と、隣り合う凸部間に位置する複数の凹部とを有している。そのため、第2基材26は、その凸部及び凹部に沿って尿のような液状の排泄物を容易に拡散させることができる。すなわち、第2基材26における液状の排泄物の液拡散性を、相対的により高くすることができる。それにより、第2基材26は、より確実に、排泄物の保水や平面方向への拡散を行うことができる。
本実施の形態における好ましい態様として、吸収体3が中間層13を挟んで第1吸収層11と第2吸収層12とに分割されている。そのため、肌側の第1基材21で吸収された排泄物を、第2基材26へ到達させ、保水、拡散させると共に、排泄物の一部をその途中の中間層13の不織布において、ある程度、保持、拡散させることができる。すなわち、第1吸収層11の非肌側に位置する中間層13の不織布に、第2吸収層12の非肌側に位置する第2基材26と同様の機能を発揮させることができる。それにより、第1基材21を介して非肌側の第2基材26へ到達する排泄物が多過ぎる事態をより抑制でき、表面シート2上に排泄物が残存して漏れ感が生じることや、横漏れが生じることをより抑制できる。それと共に、肌側の第1吸収層11の第1吸水材23を早期に使用することができ、それにより、吸水材を厚さ方向に効率的に使用することができる。
本実施の形態における好ましい態様として、吸収体3では、中間層13の不織布はパルプ繊維を含んでいてもよい。そのため、肌側の第1基材21で吸収された排泄物を、第2基材26へ到達させ、保水、拡散させると共に、排泄物の一部をその途中の中間層13の不織布において、より確実に、保水、拡散させることができる。
本実施の形態における好ましい態様として、吸収体3では、一対の接合領域(長手方向接合領域)7、7の間の領域(中央配置領域Awc)の吸水材の坪量が、一対の接合領域7、7の各々の外側の領域(外側配置領域Awe)の吸水材の坪量よりも大きい。すなわち、一対の接合領域7、7で隔てられた、吸収体3の中央の領域(中央配置領域Awc)及び両端の領域(外側配置領域Awe)において、中央の領域の吸水材の坪量を相対的に大きくしている。それにより、液状の排泄物の排泄量の大きい中央の領域での吸収容量を確保しつつ、一対の接合領域7、7により液状の排泄物の幅方向Wへの拡散を制限し、長手方向Lへの拡散を誘導することができ、吸収体全体を効率的に使用することができる。また、両端の領域により、幅方向に漏れた液状の排泄物を吸収することができ、横漏れが生じることを抑制できる。
本実施の形態における好ましい態様として、本吸収体3では、接合領域7において、第1基材21と中間層13とを第1接着剤(基材側第1接着剤22及び中間層側第1接着剤24の少なくとも一方)で互いに接合し、かつ、第2基材26と中間層13とを第2接着剤(基材側第2接着剤27及び中間層側第2接着剤29の少なくとも一方)で互いに接合する。そして、接合領域7において、第1接着剤及び第2接着剤が中間層13の複数の連通孔を介して互いに接触することにより、第1基材21と第2基材26とを互いに接合する。すなわち、吸収体3において、強いせん断力応力が生じ得る厚さ方向Tの一方の外表面である第1基材21と他方の外表面である第2基材26とを互いに接合する。それにより、吸収体3では、第1基材21に作用する平面方向の力と第2基材26に作用する平面方向の力により、吸収体3の内部に比較的大きな平面方向のせん断応力が生じて、第1吸収層11の部分と第2吸収層12の部分とが互いに異なる向きに変形したとしても、その変形を小さく抑えることができる。それにより、第1吸収層11の部分と第2吸収層12の部分とが互いに異なる向きに滑ってしまい吸収体3が破断したり、型崩れしたりしてしまう、という事態を抑制できる。このように、本吸収体3は、第1吸収層11と第2吸収層12との結合を強固にすることができ、せん断応力が生じても破断や型崩れし難い構造にすることができる。すなわち、高吸水性ポリマーを含む吸収体3において、排泄物を吸収して膨潤して厚さ方向Tに厚くなっても、せん断応力による破断や型崩れを抑制することが可能となる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を更に具体的に説明する。ただし、本発明はこのような実施例のみに限定されるものではない。
(A)試料
実施例及び比較例の試料として、図2に示す吸収体(ただしエンボス部、接合領域を省略)、及び、その吸収体に表面材(表面シート相当)及び裏面材(裏面シート相当)を張り合わせた吸収性物品、を以下の[吸収体の製造方法]で作製した。ただし、使用した不織布は以下の[不織布]に記載のとおりである。
[不織布]
(1)ALP(エアレイドパルプ)不織布
NBKPフラッフパルプシートをハンマーミルにて粉砕・搬送し、エアレイドフォーミングマシンを用い、53g/mにて積層してウェブを形成する。そのウェブにアクリルバインダー7g/mをスプレー塗布したのちに、サクションバンド型ドライヤーにて乾燥し、アクリルバインダーを硬化させてALP不織布を得る。
(2)スパンレース不織布1
Lenzing社製レーヨン繊維(1.7Dtex−40mm繊維長)のカードウェブ層と、粉砕パルプのエアレイド層と、上記と同様のカードウェブ層とをこの順に積層した三層構造のウェブを形成する。そのウェブをウォータージェット加工にて繊維交絡させてスパンレース不織布2(坪量55g/m)を得る。
(3)スパンレース不織布2
Lenzing社製レーヨン繊維(1.7Dtex−40mm繊維長)のカードウェブ層と、粉砕パルプのエアレイド層と、上記と同様のカードウェブ層とをこの順に積層した三層構造のウェブを形成する。そのウェブをウォータージェット加工にて繊維交絡させてスパンレース不織布3(坪量35g/m)を得る。
(4)スパンレース不織布3
Lenzing社製レーヨン繊維(1.7Dtex−40mm繊維長)のカードウェブを形成する。そのウェブをウォータージェット加工にて繊維交絡させてスパンレース不織布3(坪量43g/m)を得る。
(5)ティッシュ
ニットク製ティッシュ18.5g/mを取得する。
[吸収体(吸収性物品)の製造方法]
(1)第2基材用の不織布を幅140mm×長さ400mmにカットし、スパイラルコーターを用いて、その上面の全面にホットメルト接着剤を坪量7g/mにて塗布する。
(2)第2基材用の不織布の上面における幅方向の中央部の幅100mmの範囲に高吸水性ポリマー(住友精化製アクアキープ)を坪量225g/mにて均一に散布する。
(3)坪量40g/mのエアスルー不織布(中間層用)を幅100mm×長さ400mmにカットし、スパイラルコーターを用いて、その両面かつ全面にホットメルト接着剤を坪量7g/mにて塗布する。
(4)上記(3)のエアスルー不織布を上記(2)の第2基材用の不織布の上に置く。そのエアスルー不織布の上面における幅方向の中央部の幅100mmの範囲に高吸水性ポリマー(住友精化製アクアキープ)を坪量225g/mにて均一に散布する。
(5)第1基材用の不織布を幅100mm×長さ400mmにカットし、スパイラルコーターを用いて、その片面の全面にホットメルト接着剤を坪量7g/mにて塗布する。
(6)第1基材用の不織布を、ホットメルト接着剤を塗布された面を下にして、上記(4)のエアスルー不織布の上面に置く。そして、第2基材用の不織布の幅方向の両側各20mmの部分を内側に折り込んで封をする。それにより、吸収体3が形成される。
(7)その後、吸収体3の厚さが2.5mmになるようにプレス圧が調整されたプレス機で、吸収体3をプレスする。それにより、厚さが揃った吸収体が製造される。
(8)ただし、吸収評価(拡散距離)を行う場合にはエアスルー不織布を用いた親水性表面材(表面シート相当)、通気フィルムを用いた裏面材(裏面シート相当)を更に張り合わせて吸収性物品を製造し、評価を行う。
(2)評価方法
不織布、吸収体、及び吸収性物品を、以下の方法で評価した。
[シート(不織布、吸収体)の坪量]
(1)シートから5cm×5cmの大きさの部分を切り出して試料とする。
(2)試料について、100℃以上の空気雰囲気で乾燥処理を行う。
(3)試料の質量を測定する。
(4)質量の測定値を試料の面積で割り算して試料の坪量を算出する。
(5)10個の試料の坪量を平均した値をシートの坪量とする。
[シート(不織布、吸収体)の厚さ]
(1)シートから5cm×5cmの大きさの部分を切り出して試料とする。
(2)試料について、100℃以上の空気雰囲気で乾燥処理を行う。
(3)15cmの測定子を備えた厚さ計((株)大栄化学精器製作所製 型式FS−60DS)を用い、3g/cmの測定荷重の条件でシートの厚さを測定する。
(4)1個の試料で3か所の厚さを測定し、それらの平均値をシートの厚さとする。
[吸収速度及びリウェット]
図4は、吸収体の性能を評価する測定用の冶具を示す模式図である。図4(a)が側面図であり、図4(b)が正面図である。
(1)図4に示すような形状の治具30の略U字型の表面31に吸収体を置く。そのとき、吸収体の中央部に治具の中央部を合わせる。
(2)吸収体の中央部かつ吸収体の表面より10mm位置に、ビュレット先端が位置するようビュレット(80cc/10Sec)をセットし、人工尿を40cc滴下する。ただし、人工尿は、イオン交換水10Lに、尿素200g、塩化ナトリウム80g、硫酸マグネシウム8g、塩化カルシウム3g及び色素(青色1号)1gを溶解させることにより調製する。
(3)人工尿滴下開始後、吸収体に人工尿が吸収されるまでの時間を測定し、吸収時間として記録する。
(4)人工尿滴下開始25Sec経過後に吸収体を治具より下し、平面状に置く。
(5)人工尿滴下開始30Sec後に滴下位置にろ紙(アドバンテック社製−No.2を50g分)とおもり(3.5kg)を置き、30sec放置する。
(6)30sec放置後のろ紙の重量増加分を測定し、リウェットとして記録する。
(7)吸収時間及びリウェットを5つの試料で測定し、その平均値を求める。
[拡散距離]
(1)図4に示すような形状の治具30の略U字型の表面31に吸収体を置く。そのとき、吸収体の中央部に治具の中央部を合わせる。この場合、吸収体には一方側に表面材、他方側に裏面材が張り合わされている。
(2)吸収体の中央部かつ吸収体の表面より10mm位置に、ビュレット先端が位置するようビュレット(80cc/10Sec)をセットし、人工尿を40cc滴下する。
(3)人工尿滴下開始30Sec後に吸収体の表面(表面材)、裏面(バックフィムル)において、人工尿の拡散の先端部をマジックでなぞり記録する。吸収体を平面状に置き、幅方向の中央部の拡散長さ(拡散における長手方向の一方の先端部から他方の先端部までの距離)を表面及び裏面で測定し、それぞれ上層拡散距離及び下層拡散距離として記録する。
(4)上層拡散距離及び下層拡散距離を5つの試料で測定し、その平均値を求める。
[保水量]
(1)不織布を100mm×100mmの大きさに切断する。そして、試料1個の質量が、1g以上になるように不織布をn枚重ね、この試料の質量Wa(g)を測定する。
(2)ステンレス金網に試料の両端をそれぞれクリップで止める。そして、試料と金網を、20℃の純水を入れた水槽中に、水面下20mmに斜めに入れて気泡の出ないようにした後、60秒間放置した。
(3)試料と金網を取り出し、試料の一端のクリップを残して他端のクリップを外し、垂直に120秒間つるして水分を切る。
(4)金網から試料を外し、吸水後の試料の質量Wb(g)を測定する。
(5)試料の吸水量(保水量)を、次式により求める。
試料の保水量(g/m)=[Wb−Wa](g)/(n×0.01)(m
(6)試料の保水量を5つの試料で測定し、その平均値を求める。
[透水速度(ストライクスルー)]
図5及び図6は、不織布の透水速度(ストライクスルー)を測定する通液度測定機を示す模式図である。図5は側面図であり、図6は部分平面図である。通液度測定機(インテック株式会社製、形式:Lister)である。図5に示すように、ベースプレート46上に置かれた不織布の試料44に、ストライクスループレート43を通して、試験液としての生理食塩水(0.9質量%塩化ナトリウム水溶液)を供給し、試験液が試料44を通過する時間(秒)を測定する。
(1)125×125mmのプレキシグラス(アクリル樹脂製)のベースプレート46上に、100×100mmの濾紙(Ahlstrom社製LISTER用フィルターペーパー グレード989)を5枚置いて濾紙層45とし、その上に125×125mmの不織布の試料44を置く。更にその上に、ストライクスループレート23の内径25mmの中央孔47が、磁気バルブ42の真下にくるように、ストライクスループレート43を置く。
(2)容器41に生理食塩水5mlを入れ、磁気バルブ42により、生理食塩水をストライクスループレート43の中央孔47を通して、試料44に供給する。
(3)ストライクスループレート43において、電気伝導性のある生理食塩水が、中央孔47の底面にある2個の電極48間を通過することで、電流が流れ、タイマーがスタートする。また、試料44を浸透し、生理食塩水が濾紙層45に吸収し終わると、電流が遮断され、タイマーが停止する。この間の時間(秒)を測定する。
(4)試料のこの時間(秒)を5つの試料で測定し、その平均値を求める。
[クレム吸水高さ]
不織布のクレム吸水高さは、クレム法における吸水度試験JIS P 8141:2004のクレム法による吸水度試験方法に準拠して測定される。
(1)不織布を長さ230mm×幅25mmの大きさにカットして試料とし、その試料の初期質量:W0(g)を測定する。
(2)縦170mm×横90mm×深さ40mmの直方体の浸漬容器に、人工尿を、高さ35mmまで充填する。
(3)試料をつり下げ具に固定し、長さ方向の下端:30mmを人工尿に浸漬し、5分間放置する。
(4)5分後、人工尿が上昇した高さを、クレム吸水高さとして測定する。
(5)試料のこのクレム吸水高さを5つの試料で測定し、その平均値を求める。なお、190mmを超える吸い上げ高さを有する場合は適宜、試料の長さを長くして測定する。
(3)評価結果
評価結果を表1〜表3に示す。ただし、表1は、実施例及び比較例の吸収体及び吸収性物品において第1基材(肌側のコアラップ)として使用された不織布の特性を示す。表2は、実施例及び比較例の吸収体及び吸収性物品において第2基材(非肌側のコアラップ)として使用された不織布の特性を示す。表3は、表1の第1基材及び表2の第2基材を用いた実施例及び比較例の吸収体及び吸収性物品の特性を示す。
Figure 2019216856
Figure 2019216856
Figure 2019216856
表1に示すように、エアレイドパルプ(ALP)不織布は、高い保水性(保水量683.5g/m>300g/m)及び低い液拡散性(クレム吸水高さ30.7mm<100mm)を示した。すなわち、上記不織布は第1基材として良好な特性(評価〇)であった。しかし、ティッシュは低い保水性(保水量75.8g/m<300g/m)を示し、スパンレース不織布1は高い液拡散性(クレム吸水高さ173.0mm>100mm)を示した。すなわち、これら不織布は第1基材として良好でない特性(評価×)であった。
表2に示すように、スパンレース不織布1〜3は、高い保水性(保水量458.0、455.7、437.7g/m>300g/m)及び高い液拡散性(クレム吸水高さ173.0、138.0、150.5mm>100mm)を示した。すなわち、これら不織布は第2基材として良好な特性(評価〇)であった。しかし、エアレイドパルプ(ALP)不織布は、既述のように低い液拡散性(クレム吸水高さ30.7mm<100mm)を示した。すなわち、この不織布は第2基材として良好でない特性(評価×)であった。
表1の第1基材及び表2の第2基材を用いた実施例及び比較例の吸収体(吸収性物品)では、評価が良好な不織布の組み合わせ(実施例1〜3)では、高い吸収速度(7.33、8.61、9.21秒<10秒)、少ないリウェット(0.08、0.19、0.08g<1g)、上層での低い液拡散性(上層拡散79、75、91mm<100mm)、下層での高い液拡散性(下層拡散169、155、169mm>100mm)を示した。すなわち、これらは吸収体として良好な特性(評価〇)であった。このような実施例の吸収体(吸収性物品)では、第1基材(肌側のコアラップ)が、液状の排泄物(例示:尿)を、一時的に貯蔵しつつ、平面方向への排泄物の拡散を抑制しながら、下層側(第2基材の側)へ透過させ、第2基材(非肌側のコアラップ)が排泄物を平面方向へ拡散させ、各吸水材(高吸水性ポリマー)が排泄物を吸収する。このように、本実施例の吸収体は、高吸水性ポリマーが排泄物を吸収するまでの間の自由水(各基材又はコアラップにも各吸水材又は高吸水性ポリマーにも保持されていない自由に動ける排泄物)を低減できるので、吸収速度が速く、リウェットが少ない。結果として、排泄物の排出直後でも横漏れすることなく、漏れ感も生じさせず、ドライで快適な装着感を得ることが可能となる。
一方、評価が良好でない不織布を含む組み合わせ(比較例1〜3)では、吸収速度、リウェット、上層拡散、下層拡散のいずれかで良好な特性を示さなかった。比較例1では吸収速度が遅くなった(12.21秒>10秒)。その主な理由は、第1基材の保水量が少ないためと考えられる。この場合、例えば着用者が漏れ感を覚えるおそれがある。比較例2では、上層拡散が大きくなった(177mm>100mm)。その主な理由は、第1基材のクレム吸水高さが高いためと考えられる。この場合、例えば着用者の肌が液状の排泄物と接する接触面積が大きくなるため、着用者の肌が汚れたり、漏れ感を覚えたりするおそれがある。比較例3では、下層拡散が小さくなり(72mm<100mm)、リウェットが多くなった(1.26g>1g)。その主な理由は、第2基材の液拡散性が低いため、液状の排泄物が一箇所に集中し、吸収体内で十分に吸収できないためと考えられる。この場合、例えば、吸収体表面に排泄物が現出するため、着用者の肌が汚れたり、漏れ感を覚えたりするおそれがある。
本発明の吸収性物品用の吸収体は、上述した各実施の形態に制限されることなく、本発明の目的、趣旨を逸脱せず、技術的矛盾の生じない範囲内において、適宜組合せや変更等が可能である。
1 使い捨ておむつ(吸収性物品)
3 吸収体
21 第1基材
23 第1吸水材
26 第2基材
28 第2吸水材

Claims (7)

  1. 吸収性物品用の吸収体であって、
    肌側に配置されたエアレイドパルプ不織布を含む第1基材と、
    非肌側に配置され、親水性繊維を有するスパンレース不織布を含む第2基材と、
    前記第1基材と前記第2基材との間に包摂され、高吸水性ポリマーを主成分として含む吸水材と、
    を備え、
    前記エアレイドパルプ不織布の保水性及び前記スパンレース不織布の保水性を示す保水量は、300〜800g/mであり、
    前記エアレイドパルプ不織布の液拡散性を示すクレム吸水高さは、0〜100mmであり、
    前記スパンレース不織布の液拡散性を示すクレム吸水高さは、100mm以上である、
    吸収体。
  2. 前記エアレイドパルプ不織布は、
    複数のパルプ繊維を含む複数の親水性繊維と、
    前記複数の親水性繊維を覆う親水性バインダと、
    を含む、
    請求項1に記載の吸収体。
  3. 前記エアレイドパルプ不織布を構成する複数の繊維の繊維長は、前記スパンレース不織布を構成する複数の繊維の繊維長よりも短い、
    請求項1又は2に記載の吸収体。
  4. 前記スパンレース不織布を構成する複数の繊維の各々は、繊維の軸線に沿って延設された複数の凸部と、隣り合う凸部間に位置する複数の凹部とを表面に有する、
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載の吸収体。
  5. 前記吸収体は、
    第1吸収層と、
    第2吸収層と、
    前記第1吸収層と前記第2吸収層との間に位置する不織布で形成された中間層と、
    を更に備え、
    前記第1吸収層は、
    前記第1基材と、
    前記第1基材よりも前記中間層側に配置され、高吸水性ポリマーを含み、前記吸水材の一部である第1吸水材と、
    前記第1基材の前記中間層側の表面及び前記中間層の前記第1基材側の表面の少なくとも一方に位置し、前記第1吸水材を固定する第1接着剤と、
    を含み、
    前記第2吸収層は、
    前記第2基材と、
    前記第2基材よりも前記中間層側に配置され、高吸水性ポリマーを含み、前記吸水材の一部である第2吸水材と、
    前記第2基材の前記中間層側の表面及び前記中間層の前記第2基材側の表面の少なくとも一方に位置し、前記第2吸水材を固定する第2接着剤と、
    を含む、
    請求項1乃至4のいずれか一項に記載の吸収体。
  6. 前記中間層の前記不織布は、パルプ繊維を含む、
    請求項5に記載の吸収体。
  7. 前記吸収体は、平面視で、前記吸収体の幅方向の両端部よりも内側の領域に位置し、前記第1基材と前記第2基材とが接着剤で互いに接合された接合領域を有し、
    前記接合領域は、前記吸収体において、前記幅方向の中心を通り前記吸収体の長手方向に平行に延びる長手方向中心線に対して、前記幅方向の両側に位置し、前記長手方向の中央部を通り、前記長手方向に延びるスリット状の形状を有する一対の長手方向接合領域を含み、
    前記幅方向において、前記一対の長手方向接合領域の間の領域における前記吸水材の坪量が、前記一対の長手方向接合領域の各々の外側の領域における前記吸水材の坪量よりも大きい、
    請求項1乃至6のいずれか一項に記載の吸収体。
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