JP2004229767A - 吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】肌側表面に繰り返して与えられる排泄液を速やかに吸収できる吸収性物品を提供することを目的としている。
【解決手段】表面シート21の下に親水性繊維を主体としたエアーレイド不織布で形成された液獲得層18が設けられている。表面シート21に与えられた排泄液は液透過孔23を透過して前記液獲得層18に引き付けられて吸収される。また液獲得層18に吸収された排泄液は、液獲得層18を圧縮した第2の圧着凹部24に引き付けられて拡散するため、液透過孔23の下に位置する液獲得層18が液で飽和し難くなる。よって表面シート21に繰り返して与えられる排泄液を常に速やかに液獲得層18に移行させることができる。
【選択図】 図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば女性の性器から排泄される経血やおりものなどの排泄液の吸収に適した吸収性物品に係り、特に表面シートに与えられた排泄液を速やかに引き込むことができ、且つ表面シートからの排泄液の吸収を持続しやすい吸収性物品に関する。
【0002】
【従来の技術およびその課題】
女性の性器から排泄される経血やおりものなどの排泄液を吸収する吸収性物品の一般的な構造は、液不透過性の裏面シートと液透過性の表面シートとの間に液吸収層が備えられている。
【0003】
前記表面シートに与えられた経血などの比較的粘度の高い排泄液を、前記液吸収層の毛細管作用を利用して速やかに前記液吸収層へ引き込むためには、表面シートと液吸収層を密着させるとともに、さらに表面シートから液吸収層にかけて排泄液が浸透しやすい構造とすることが必要である。そのための構造として、従来から前記表面シートと液吸収層との間にエンボス加工を施して両者を熱融着し、圧着凹部を形成することが一般的に行われてきた。この圧着凹部では繊維密度が他の領域よりも高くなるため、表面シートに与えられた排泄液は、密度の高い圧着凹部を経て液吸収層の内部に浸透しやすくなる。
【0004】
例えば、以下の特許文献1及び特許文献2に記載された生理用ナプキン等の吸収性物品では、前記液吸収層およびその上に重ねられた表面シートのほぼ全域に、ドット状の圧着凹部が多数形成されて、それぞれの圧着凹部で前記表面シートと液吸収層とが熱融着されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−99008号公報
【特許文献2】
特開平8−71105号公報
【特許文献3】
特開平9−299402号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし特許文献1や特許文献2に記載のものは、ドット状の圧着凹部が表面シートおよび液吸収層のほぼ全域に分散して配置されて、性器と当接する吸収性物品の中央領域にも前記圧着凹部が設けられたものとなっている。そのため、性器から排泄された排泄液はその直下の液吸収層にまで引き込まれて、その位置に設けられた多数の圧着凹部の高密度部分に引き付けられるため、前記排泄液は液吸収層において周囲に拡散しにくく、性器の直下において滞留しやくなる。
【0007】
このように排泄液が滞留すると、その部分で液が飽和しやすくなり、その部分に対して排泄液が繰り返して与えられたときに、表面シートから吸収層に排泄液が速やかに吸収されず、表面シートに排泄液が残りやすくなる。そのため、肌に湿潤感を与えやすくなる。また、体圧が吸収性物品に与えられたときに、前記吸収層に滞留した排泄液が、表面シートを透過して性器の部分に逆戻りしやすくなる。
【0008】
また、前記特許文献3に記載の吸収性物品は、液吸収層の上に液濾過層が重ねられ、この液濾過層が表面シートで覆われており、この表面シートに多列の畝部と溝部とが交互に形成され、前記溝部の底部に前記表面シートを貫通する孔が多数設けられている。この吸収性物品は、表面シートに与えられた排泄液が、表面シートに形成された多数の孔を通過して、その下の液濾過層に移行しやすくなるというものである。
【0009】
しかし、この特許文献3に記載の吸収性物品は、前記表面シートと液濾過層とが密着しておらず、表面シートの畝部と液濾過層の間に隙間が形成されやすく、表面シートの前記孔を透過した排泄液が前記隙間に溜まりやすい。また、表面シートの前記孔を透過した排泄液は、液濾過層内に浸透するが、この排泄液を液濾過層内で周囲に浸透させる構造を有していないため、排泄液は、表面シートの孔を浸透した後に液濾過層内に局部的に集中して滞留しやすい。
【0010】
したがって、繰り返して与えられる排泄液が表面シートを透過しにくくなって、表面シートに排泄液が残りやすく湿潤状態に維持されやすい。よって、身体に湿潤感を与えやすくなっている。
【0011】
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、表面シートの下に位置する液を吸収する層に、排泄液が素早く移行できるとともに、表面シートを透過した排泄液が周囲に拡散しやすくして、表面シートに繰り返して与えられる排泄液が表面シートに局部的に滞留しにくくした吸収性物品を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、装着者に向けられる肌側表面に液透過性シートから成る表面シートが設けられ、前記肌側表面と逆向きの着衣側表面に裏面シートが設けられている吸収性物品において、
前記表面シートと前記裏面シートとの間に、少なくとも一部が親水性で且つ層の表裏面を連通させる多数の空隙を有する液獲得層が設けられており、
縦方向に延びる中心線を含む開孔領域で、前記表面シートに多数の液透過孔が形成されており、前記中心線から左右に離れた位置で且つ前記開孔領域から外れた位置に、前記表面シートと前記液獲得層とが圧着された多数の圧着凹部が形成されていることを特徴とするものである。
【0013】
この吸収性物品は、開孔領域において、表面シートに多数の液透過孔が形成され、その下に親水性繊維を含む液獲得層が設けられているため、身体の排泄部から排泄された経血などの排泄液は、液透過孔を経て液獲得層へ速やかに浸透する。特に、前記圧着凹部によって表面シートと液獲得層とが密着しているため、表面シートに与えられた排泄液は液獲得層の親水力や毛細管作用で引き付けられ液獲得層内へ速やかに浸透していくようになる。また液透過孔が形成されている開孔領域の両側に圧着凹部が形成されているため、液透過孔を経て液獲得層に引き込まれた排泄液が密度の高い前記圧着凹部に引き付けられて周囲に浸透していく。よって液透過孔の直下の液獲得層が常に充分な液吸収容量を維持でき、表面シートに繰り返し与えられる排泄液を液獲得層に速やかに移行させることができる。また表面シートの液残りが少ないため、身体に湿潤感を与え難い。
【0014】
本発明では、例えば前記液獲得層は、少なくとも一部が親水性繊維で形成されて、繊維間が接合されたエアーレイド不織布で形成される。
【0015】
エアーレイド不織布は、繊維が三次元骨格を形成して層内に多数の空隙を形成し、繊維の親水性により表面シートに与えられた排泄液を引き込んで前記空隙内に保持する能力を発揮できる。よって、表面シートに繰り返して与えられる排泄液を液獲得層内に迅速に引き込むことができる。また繊維の三次元骨格により前記空隙が維持されやすいため、液獲得層に与えられた排泄液が表面シート側に逆戻りしにくい。また、この液獲得層の下に別の液吸収保持層が設けられている場合には、前記空隙に保持されている排泄液を液吸収保持層へ速やかに移行させることが可能となる。
【0016】
前記のように空隙により排泄液を引き付け、且つ排泄液を保持するためには、前記液獲得層は、目付けが40〜300g/mで、密度が0.03〜0.13g/cmであることか好ましい。
【0017】
また、本発明では、前記表面シートは複数の液透過性のシートが重ねられて形成されており、液透過孔は、前記複数のシートを貫通して形成されていることが好ましい。
【0018】
このような液透過孔を形成すると、表面シートに与えられた排泄液が、液獲得層内に迅速に引き込まれる。また表面シートを複数のシートで形成することにより、液獲得層に保持された排泄液が表面シートの肌側表面に戻りにくくなる。
【0019】
さらに本発明では、前記圧着凹部と圧着凹部との間では、表面シートと液獲得層との嵩が低下しないように、前記圧着凹部が間隔を開けて形成されていることが好ましい。
【0020】
このように、圧着凹部と圧着凹部の距離を充分に保つようにしておくと、密度の高い圧着凹部が排泄液を引き付けるように機能するが、圧着凹部と圧着凹部との間では、液獲得層の密度が高くなっていないため、排泄液は圧着凹部と圧着凹部との間を周囲に向けて浸透するようになり、液獲得層内で排泄液が周囲に拡散しやすくなる。
【0021】
さらに本発明では、前記液獲得層と前記裏面シート間には、液吸収保持層が設けられており、前記液吸収保持層は、前記液獲得層よりも面積が広く、且つ前記液獲得層の前記圧着凹部を除く部分よりも密度が高いものとして構成できる。
【0022】
この吸収性物品では、液獲得層内を拡散し且つ液獲得層内の空隙に保持されている排泄液が、その下に位置する密度の高い液吸収保持層に移行し、液吸収保持層で保持されるようになる。この構造では、開孔領域において液獲得層の液吸収容量を常に大きく維持できるようになり、開孔領域に繰り返し与えられる排泄液を液獲得層で獲得し、さらにその下の液吸収保持層で保持できるようになる。
【0023】
この場合に、前記中心線から左右に離れた位置で且つ前記液獲得層から外れた位置に、前記表面シートと前記液吸収保持層とが圧縮された側方圧着凹部が設けられており、前記側方圧着凹部は、縦方向に間欠的にまたは連続的に形成されているものとすることが好ましい。
【0024】
この構成では、液吸収保持層内において液獲得層から外れる領域に浸透した排泄液が、側方圧着凹部に引き付けられて、さらに外側に拡散するのを防止できるため、吸収性物品の両側部が排泄液で濡れにくくなり、性器の両側が排泄液で汚れることを防止できる。
【0025】
この場合に、前記側方圧着凹部は、縦方向に間欠的に形成されており、この側方圧着凹部と側方圧着凹部との間では、前記表面シートと前記液吸収保持層が実質的に加圧されて液吸収保持層の嵩が減少しているものが好ましい。
【0026】
側方圧着凹部が間欠的に形成されていると、側方圧着凹部を有する部分が必要以上に固くなるのを防止できる。しかも側方圧着凹部との間の密度が高くなっているため、側方圧着凹部を結ぶ仮想線の位置からさらに側方への排泄液の拡散を防止しやすい。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明の吸収性物品は、身体から排泄される経血、尿、おりものなどを吸収することを目的として身体の股間部に着用されるものであるが、以下の実施の形態では、女性の膣口から排泄される経血を吸収することを主な目的とする生理用ナプキンを例として説明する。また吸収性物品の2つの表面のうち股間部に向けられる表面を肌側表面とし、反対側の表面は、その外側に着衣が着用されるか否かに拘らず着衣側表面と表現する。
【0028】
縦方向とは生理用ナプキンの長手方向であり、実際に生理用ナプキンを着用したときに恥丘から臀部に向かう方向を指し、横方向とは前記縦方向と直交する方向であって、生理用ナプキンを着用したときに左足と右足間の方向を指している。
【0029】
また、縦方向中心線とは、吸収性物品を横方向に二分して縦方向に延びる線を意味する。一方、横方向基準線は、必ずしも吸収性物品を縦方向に二分する位置を横断していることを意味せず、以下の実施の形態のように両側部にウイング部を有する場合には、ウイング部を縦方向に二分する中心線を横方向基準線と定義する。また、縦長の吸収性物品で且つウイング部を有しな場合には、身体に装着したときに、膣口に当たる部分での縦方向の中心を通る線を横方向基準線と定義する。
【0030】
さらに、液透過孔とは、不織布の繊維間に必然的に形成される孔を意味するのではなく、不織布などに外力を与えて強制的に形成された孔を意味する。
【0031】
図1は生理用ナプキン11を肌当接面側である表面側を上にして示した平面図、図2は図1に示す生理用ナプキン11を横方向基準線Ox−Oxで切断したII−II矢視の断面図、図3は前記生理用ナプキン11の構造を示す分解斜視図、図4は生理用ナプキン11を横方向基準線Ox−Oxで切断した分解断面図、図5は表面シートから液獲得層に圧着凹部が形成された状態の断面図、図6は表面シートから液吸収保持層に側方圧着凹部が形成された状態を示す部分断面図、図7は圧着凹部の構造を示す図1のVII−VII線の拡大断面図、図8は側方圧着凹部の構造を示す図1のVIII−VIII線の拡大断面図である。
【0032】
図1に示す生理用ナプキン11の平面形状は縦長であり、縦方向中心線Oy−Oyから横方向に等距離を開けて縦方向に延びる右側縁部11aと左側縁部11bを有し、横方向基準線Ox−Oxから前後に間隔を開けた突曲線形状の前縁部11cおよび後縁部11dを有している。また、左右両側部には、ウイング部12a,12bが左右に突出して形成されている。
【0033】
図2ないし図4に示すように、この生理用ナプキン11は、着衣側表面に現れる液不透過性の裏面シート13を有し、この裏面シート13の上に液吸収保持層17が設けられている。この液吸収保持層17は、下側吸収シート14と中間吸収層15および上側吸収シート16が重ねられて一体化されたものである。前記液吸収保持層17の上には液獲得層18が設けられている。そして肌側表面には液透過性の表面シート21が設けられている。この表面シート21は、前記液獲得層18に向けられる下層表面シート19と、この下層表面シート19を覆って肌側表面に現れる上層表面シート20とから構成されている。さらに、肌側表面の左右両側部には、液不透過性のサイドシート22,22が設けられている。
【0034】
前記裏面シート13は、図1に示す生理用ナプキン11の平面形状と同じ形状であり、その右側縁部13aと左側縁部13bおよび前縁部13cと後縁部13dが、それぞれ生理用ナプキン11の右側縁部11aと左側縁部11b、および前縁部13cと後縁部13dに一致している。また、裏面シート13には、前記ウイング部12a,12bを形成するための突出部13e,13fが一体に形成されている。
【0035】
図1と図3に示すように、前記液吸収保持層17は、前記裏面シート13よりも小さい面積を有しており、縦方向に平行に延びる右側縁部17aと左側縁部17b、円弧形状の前縁部17cと後縁部17dを有している。液吸収保持層17の最大の幅寸法はW1で、最大の長さ寸法はL1である。
【0036】
前記下側吸収シート14と上側吸収シート16は共に同じ面積であり、その外縁形状は、前記液吸収保持層17の外縁形状に一致している。中間吸収層15は直方形であり、その面積は、前記下側吸収シート14および上側吸収シート16の面積よりも小さい。前記中間吸収層15は、その中心が、縦方向中心線Oy−Oyと横方向基準線Ox−Oxとの交点にほぼ一致するように配置されている。
【0037】
図3および図4に示すように、前記液吸収保持層17では、上側吸収シート16から下側吸収シート14に向けて熱エンボス加工が施されて、多数のドット状の第1の圧着凹部26が形成されている。個々の第1の圧着凹部26は小径の円形であり、前記液吸収保持層17内で、前記第1の圧着凹部26が規則的に配列されている。液吸収保持層17の中央部分では、前記第1の圧着凹部26により、下側吸収シート14と中間吸収層15および上側吸収シート16が一緒に圧縮されており、中間吸収層15が設けられていない部分では、前記第1の圧着凹部26により下側吸収シート14と上側吸収シート16とが一緒に圧縮されている。この熱エンボス加工により、下側吸収シート14と中間吸収層15および上側吸収シート16とが一体化されている。
【0038】
また、前記熱エンボス加工が施される前、または施された後、あるいは前記熱エンボス加工と同時に、下側吸収シート14と中間吸収層15および上側吸収シート16の積層体の全面が加圧され、その結果、中間吸収層15を有する部分での3層の平均密度が、中間吸収層15を有しない部分での2層の平均密度よりも高くなっている。
【0039】
前記液獲得層18は、その平面形状が直方形であり、縦方向に平行に延びる右側縁部18aと左側縁部18b、および横方向に平行に延びる前縁部18cと後縁部18dを有している。この液獲得層18は、表面シート21に与えられた排泄液を引き込んで獲得するとともに液吸収保持層17に向けて排泄液を透過させる機能を有している。前記液獲得層18の面積は、前記中間吸収層15と同じ大きさかあるいはそれよりもわずかに小さくなっており、この実施の形態では、図4に示すように、液獲得層18は、親水性繊維を含むシートを折り畳んで3枚重ねとしたものである。前記液獲得層18は、その中心が、縦方向中心線Oy−Oyと横方向基準線Ox−Oxとの交点に一致するように配置されている。図3では、液獲得層18の縦方向の長さ寸法がL2で現され、横方向の幅寸法がW2で現されている。
【0040】
前記表面シート21を構成している下層表面シート19は、前記液吸収保持層17と同じ形状であり、且つほぼ同じ面積である。この下層表面シート19は、互いに平行な右側縁部19aと左側縁部19bおよび円弧形状の前縁部19cおよび後縁部19dを有している。この下層表面シート19は、液透過性のシートを2枚重ねとすることにより形成されている。前記上層表面シート20は、生理用ナプキン11の肌側表面に現れるトップシートとして機能するものであり、液透過性である。上層表面シート20の、右側縁部20aと左側縁部20bは、互いに平行で縦方向に延びており、前縁部20cと後縁部20dは、前後方向へ向けて凸状の円弧曲線形状である。生理用ナプキン11が組み立てられた状態では、上層表面シート20の前縁部20cが裏面シート13の前縁部13cに一致し、上層表面シート20の後縁部20dが裏面シート13の後縁部13dに一致する。
【0041】
この生理用ナプキン11は、前記液獲得層18が設けられている直方形の領域が中央吸収領域17Aである。前記液吸収保持層17が設けられている領域内で且つ前記液獲得層18から外れている領域が周辺吸収領域17Bである。すなわち、周辺吸収領域17Bは、液獲得層18の右側縁部18aと液吸収保持層17の右側縁部17aとの間、左側縁部18bと左側縁部17bとの間、前縁部18cと前縁部17cとの間、および後縁部18dと後縁部17dとの間に形成されている。
【0042】
図4に示すように、前記表面シート21では、上層表面シート20の下側に下層表面シート19が重ねられた状態で、上層表面シート20から下層表面シート19にかけて貫通する多数の液透過孔23が形成されている。この液透過孔23は、規則的に配列して形成されており、図1では、この液透過孔23が形成されている開孔領域の幅寸法をW3で示し、縦方向の長さ寸法をL3で示している。前記液透過孔23が形成された開孔領域は、前記中央吸収領域17Aの内部に位置しており、前記開孔領域の幅寸法W3の中心に縦方向中心線Oy−Oyが位置している。
【0043】
前記開孔領域の前記幅寸法W3は、液獲得層18の幅寸法W2よりも小さくなっている。また開孔領域の長さ寸法L3は、液獲得層18の長さ寸法L2と一致しあるいはそれよりもわずかに短くなっている。この実施の形態では、前記下層表面シート19と上層表面シート20は、前記液透過孔23を形成することにより互いに容易に剥がれないように一体化されている。
【0044】
図1に示すように、生理用ナプキン11の肌側表面には、熱エンボス加工により形成された圧着凹部が現れている。図1においては、液獲得層18が設けられている中央吸収領域17Aを点線で示しているが、この中央吸収領域17A内に位置しているのが第2の圧着凹部24である。前記第2の圧着凹部24は、小径の円形のドットパターンであり、少なくとも複数の第2の圧着凹部24のうちのいずれかが前記液透過孔23と重複しない領域に形成されている。前記第2の圧着凹部24は、上層表面シート20から液透過層18に向けて凹形状となるように形成されて、図5および図7に示すように、この第2の圧着凹部24の底部では、液獲得層18、および下層表面シート19と上層表面シート20が一緒に圧縮されている。そしてこの第2の圧着凹部24によって、液獲得層18、および下層表面シート19と上層表面シート20が一体化されている。
【0045】
図1に示すように、開孔領域の右端と液獲得層18の右側縁部18aとの間、および開孔領域の左端と液獲得層18の左側縁部18bとの間のそれぞれにおいて、前記第2の圧着凹部24は、縦方向に間隔を開けて縦方向に列を成し、この列が横方向に間隔を開けて複数列形成されている。そして隣接するそれぞれの列の第2の圧着凹部が、横方向に延びる同一線上に位置しないように、それぞれの第2の圧着凹部24は互い違いに配列されている。その結果、同じ列内で隣接する第2の圧着凹部24と第2の圧着凹部24との間、および隣接する列間でその間隔が最も狭い第2の圧着凹部24と第2の圧着凹部24との間の中間部24aでは、図7に示すように、液獲得層18および表面シート21の双方が実質的に圧縮されておらず、液獲得層18と表面シート21とが積層された積層体の嵩は、ほとんど減少していない。
【0046】
また、図1に示すように、前記点線で囲まれた中央吸収領域17Aの外側で、且つ液吸収保持層17が配置されている周辺吸収領域17B内に、第3の圧着凹部25a,25b,25cおよび25dが形成されている。この第3の圧着凹部25a,25b,25c,25dは、上層表面シート20から前記液吸収保持層17にかけて凹状に形成されている。前記第3の圧着凹部25a,25b,25c,25dは、小径の円形で形成されたドットパターンである。図6および図8に示すように、この第3の圧着凹部25a,25b,25c,25dの底部で、上層表面シート20、下層表面シート19および液吸収保持層17が一緒に圧縮されて、液吸収保持層17と表面シート21とが接合されている。
【0047】
図1に示すように、前記第3の圧着凹部は側方圧着凹部25a,25b、前方圧着凹部25cおよび後方圧着凹部25dを形成している。液獲得層18の右側縁部18aと液吸収保持層17の右側縁部17aとの間に配列しているのが側方圧着凹部25aであり、液獲得層18の左側縁部18bと液吸収保持層17の左側縁部17bとの間に配列しているのが側方圧着凹部25bである。この側方圧着凹部25a,25bは、縦方向に所定の間隔を開けて列を成すように形成されており、この列は横方向基準線Ox−Ox上にて縦方向中心線Oy−Oyに最も接近するように湾曲線パターンを成している。
【0048】
前記前方圧着凹部25cは、液獲得層18の前縁部18cと液吸収保持層17の前縁部17cとの間の領域に位置しており、前方圧着凹部25bは所定の間隔で配列している。この配列線は、右側の側方圧着凹部25aの配列線と左側の側方圧着凹部25bの配列線を結ぶように形成され、またこの配列線は縦方向中心線Oy−Oy上において横方向基準線Ox−Oxから最も離れる湾曲線パターンを成している。
【0049】
また、前記後方圧着凹部25dは、液獲得層18の後縁部18dと液吸収保持層17の後縁部17dとの間の領域に位置しており、後方圧着凹部25bは所定の間隔で配列している。この配列線は、右側の側方圧着凹部25aの配列線と左側の側方圧着凹部25bの配列線を結ぶように形成され、またこの配列線は前記前方圧着凹部25cの配列線に対して、縦方向中心線Oy−Oyを挟んで対称パターンである。
【0050】
前記第3の圧着凹部25a,25b,25cおよび25dの配列線は、前記液獲得層18が設けられている中央吸収領域17Aおよび周辺吸収領域17Bの一部を囲むように形成されており、生理用ナプキン11の肌側表面では、前記第3の圧着凹部25a,25b,25c,および25で囲まれた領域が装着者の肌側に向けて隆起している。
【0051】
ここで、図8に示すように、側方圧着凹部25aの配列線においては、列内で隣接する側方圧着凹部25aどうしの間隔が前記第2の圧着凹部24どうしの間隔よりも狭くなっている。したがって、隣接する側方圧着凹部25aと側方圧着凹部25aとの中間部25eでは、表面シート21と液吸収保持層17とが圧縮されており、表面シートと液吸収保持層17の嵩が低下している。これは、列内で隣接する側方圧着凹部25bと側方圧着凹部25bとの中間部、列内で隣接する前方圧着凹部25cと前方圧着凹部25cとの中間部、および列内で隣接する後方圧着凹部25dと後方圧着凹部25dとの中間部においても同様である。
【0052】
よって、第3の圧着凹部25a,25b,25c,25dの成す配列線により、実質的な圧縮線が形成されている。生理用ナプキン11は前記圧縮線が可撓軸として機能してその部分で折り曲げやすくなるとともに、中央吸収領域17Aから周辺吸収領域に拡散した排泄液が、前記圧縮線に沿うように導かれやすくなり、その結果、前記圧縮線から側方へ排泄液が浸透しにくくなる。
【0053】
なお、第3の圧着凹部25a,24b,25c,25dは、二列に配列し各列の圧着凹部が列に直交する線上に重ならないように互い違いに形成されていてもよい。あるいは第3の圧着凹部25a,24b,25c,25dが、連続線で形成されて、この連続線が前記中央吸収領域17Aおよび周辺吸収領域17Bの一部を囲むように形成されていてもよい。
【0054】
生理用ナプキン11の左右両側には液不透過性のサイドシート22、22が設けられている。図1、図2および図4に示すように、サイドシート22,22は、その対向縁部22a,22aが、液吸収保持層17の右側縁部17aと左側縁部17bおよび下層表面シート19の右側縁部19aと左側縁部19bよりも少し内側部分に位置しており、サイドシート22,22により表面シート21の両側部が覆われている。また、サイドシート22,22には、左右両側へ突出する突出部22b,22bが形成されており、前記ウイング部12a,12bにおいて、前記サイドシート22,22の突出部22b,22bが、前記裏面シート13の突出部13e,13fに重ねられている。
【0055】
図4に示す各層は、ホットメルト型接着剤で互いに接着されている。このホットメルト型接着剤は、前記裏面シート13と液吸収保持層17との間、液吸収保持層17と液獲得層18との間、液獲得層18と下層表面シート19との間、液吸収保持層17と下層表面シート19との間、裏面シート13と上層表面シート20との間、サイドシート22,22と上層表面シート20との間、裏面シート13とサイドシート22との間に塗布されて、それぞれが接着される。なお前記ホットメルト型の塗布量は、液の透過性や吸収性を考慮し、1〜15g/m程度であることが好ましい。なお、液吸収保持層17の中間吸収層15が設けられていない周囲部分で、下側吸収シート14と上側吸収シート16とがホットメルト型接着剤で接着されていてもよい。
【0056】
また、図2に示すように、裏面シート13の外面には、中央部分に感圧接着剤層31が設けられ、またウイング部12a,12bの着衣側表面にも感圧接着剤層32,32が設けられている。
【0057】
次に生理用ナプキン11の構成要素の材質の好ましい例を説明する。
前記液獲得層18は、好ましくは親水性繊維を主体とし、繊維が三次元骨格を形成して繊維間に空隙(親水性のセル)が形成されているものが用いられる。繊維が三次元骨格を形成している液獲得層18では、表面シート21に与えられた排泄液が繊維の親水力により前記空隙内に迅速に引き込まれるとともに、排泄液を前記空隙内に溜める機能を発揮できる。さらに前記空隙に保持された排泄液を、その下に位置する密度の高い液吸収保持層17に移行できるものとなる。
【0058】
また、前記液獲得層18は、嵩高で排泄液を含んだ湿潤状態における強度の高いものが好ましく使用される。嵩高で湿潤強度の高い液獲得層18を用いると、表面シート21に体圧が作用したときに、液獲得層18が潰れにくく、また潰れた後に嵩が回復され、繊維間の空隙を常に保つことができるものとなる。
【0059】
このような機能を発揮するものとしてエアーレイド不織布が好ましく使用される。前記エアーレイド不織布は、例えば繊維長が1〜15mm程度の繊維を空気中に分散させ、スクリーン上に前記繊維を回収して積層した後、その積層物に接着剤(結合剤)を塗布し、さらに加熱されたプレスロール間を通過させることでシート状に製造されたものである。
【0060】
前記エアーレイド不織布は、親水性繊維のみで形成されてもよいが、嵩高性と湿潤強度を高めるために、前記親水性繊維と合成繊維とを混合させたものを用いるのが好ましい。また、前記親水性繊維を主体とするエアーレイド不織布はエアーレイドパルプと称されることもある。
【0061】
親水性繊維と合成繊維とを混合させる場合、両繊維の混合体を100質量%としたときに前記合成繊維を5〜50質量%の範囲で含むことが好ましい。前記範囲未満であると液獲得層18の湿潤強度を高くできず、また前記範囲を越えると、層内に形成される空隙(セル)親水度が低下し、表面シート21に与えられた排泄液を液獲得層18内に引き込む能力が低下する。
【0062】
前記親水性繊維には、木材パルプなどの天然パルプ、マーセル化パルプやクロスリンクパルプなどの化学パルプ、あるいはレーヨン、アセテートレーヨン、異型断面レーヨンなどの再生セルロース繊維が用いられる。
【0063】
前記合成繊維(化学合成繊維)は、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維などの単成分化学合成繊維、ポリエチレン−ポリプロピレン複合繊維、ポリエチレン−ポリエステル複合繊維、低融点ポリエステル−ポリエステル複合繊維、低融点ポリプロピレン−ポリプロピレン複合繊維などの複合合成繊維が用いられる。複合合成繊維は、断面が芯鞘構造で鞘部が前記ポリエチレンや低融点ポリエステルで形成されたもの、またはサイドバイサイド型のものが用いられる。これら合成繊維は、繊度が1.5〜3.3dtex、長さが1〜15mmの範囲内のものが好ましい。この範囲の合成繊維を含むエアーレイド不織布は嵩高性を維持でき、且つ湿潤時の強度の高いものとなる。
【0064】
また、前記接着剤(結合剤)はアクリル樹脂エマルジョンなどが使用され、長さが調整された前記繊維を積層した後に、その積層物に前記接着剤が噴霧されて塗布される。前記アクリル樹脂エマルジョンなどの接着剤は、前記繊維と接着剤との質量の総和を100質量%としたときに、1質量%〜20質量%程度の割合で塗布される。塗布量が20質量%よりも多いと塗布時にエアーレイド不繊布の嵩が潰れ易くなり、また前記塗布量が1質量%より少ないと前記エアーレイド不繊布の引張り強度が弱くなってしまう。
【0065】
上記接着剤を塗布した後に、プレスロールによる乾燥工程を経ることで、所定の引張り強度を備えたエアーレイド不繊布を製造することができる。前記乾燥工程を経て得られるエアーレイド不繊布の水分率は3%〜15%の範囲内であることが好ましい。より好ましくは前記水分率は5%〜12%の範囲内である。ここで言う「水分率」は次のように定義される。
【0066】
すなわち幅寸法10cmとし、縦寸法10cmとした正方形の試験片を80℃のオーブン内に一時間放置して前記試験片を乾燥させ、(オーブンに入れる前の試験片の質量−オーブン内に入れて乾燥させた後の試験片の質量)/(オーブンに入れる前の試験片の質量)×100(%)の計算式で計算された数値が前記「水分率」である。
【0067】
前記エアーレイド不繊布が上記した3%〜15%の水分率を有することで、親水性繊維の親水力に、さらに水分による排泄液の引き付け力が加わって前記エアーレイド不繊布の濡れ性をさらに向上させることが可能である。よって上記範囲の水分率を有するエアーレイド不繊布を液獲得層18として用いることで、排泄液の前記液獲得層18への吸収を素早いものにできる。
【0068】
液獲得層18は、単層のエアーレイド不繊布で構成され、または実施の形態のようにエアーレイド不織布が複数枚に重ねられた状態で使用される。液獲得層18全体の目付けは、40g/m〜300g/mの範囲内であることが好ましく、密度は0.03〜0.13g/cmの範囲内であることが好ましい。さらに好ましい前記密度は、0.05〜0.10g/cmの範囲内である。このように前記エアーレイド不繊布の目付け及び密度を規定することで、前記不繊布内に適切な大きさの空隙を十分に設けることができる。
【0069】
また、単層または複数枚重ねの前記液獲得層18の湿潤時の引っ張り強度は2〜10Nの範囲が好ましい。この測定は、前記液獲得層18を形成する不織布を縦方向に50mm、横方向に25mmの寸法に切断した試験片を用い、これを温度が20℃で相対湿度65%の環境下に2時間放置した後に、蒸留水の中に漬けて直ぐに引き上げ、30秒経過後に測定したものである。その測定は、試験片の長手方向のチャック間距離を25mmとし、引っ張り速度を100mm/分とし、最大荷重を測定したものである。
【0070】
また前記液獲得層18として、前記エアーレイド不繊布の繊維間に高吸収性ポリマーとを混合したものを用いることができる。前記高吸収性ポリマーは、繊維と高吸収性ポリマーとの質量の合計を100%としたときに5〜40質量%の範囲内で添加されることが好ましい。高吸収性ポリマーを混合したエアーレイド不繊布を使用した液獲得層18は、排泄液を層内に引き込むための親水力が向上され、また層内で排泄液の保持を継続でき、また排泄液の貯留容量を大きくできる。そのため、液獲得層18内で排泄液が飽和しにくくなって、表面シート21に繰り返して与えられる排泄液を速やかに引き込むことができる。また、大きな体圧がかかったときに排泄液が表面シート21方向に逆戻りする、いわゆるウエットバック現象を抑制しやすくなる。
【0071】
また前記液獲得層18の材質は上記エアーレイド不繊布に限るものではなく、嵩高で湿潤強度が高く、内部に表裏を貫通する微細孔が形成されたもので、例えば親水性ウレタンフォームパルプや、セルローススポンジといった親水性の発泡性吸収材も使用することができ、これらに高吸収性ポリマーを混合させたものを使用することもできる。
【0072】
液獲得層18は前記の素材を用いることが好ましいが、逆に、パルプやレーヨン、合成繊維などを単独であるいは混合して抄紙して得られる湿式不繊布は不繊布中に形成される液を保留する空隙の占有率が小さくなるため、好ましくない。またエアースルー法やポイントボンド法で形成された不繊布は、内部の空隙が大きく形成されすぎ、空隙内に貯蔵された排泄液が自由に隣接する空隙などに移動しやすいため、ウエットバック現象を引き起こすため好ましくない。
【0073】
上層表面シート20は、化学合成繊維で形成されたエアースルー不織布が好ましく使用される。化学合成繊維としては、例えば芯部が酸化チタンを1.1質量%程度含んだポリエチレンテレフタレート(PET)で、鞘部がポリエチレン(PE)の芯鞘型複合合成繊維(2.2dtex、繊維長44mm)が使用される。エアースルー不織布は、前記芯鞘型複合合成繊維のウエッブに熱風が与えられ、熱融着により繊維間が接着されたものである。上層表面シート20としてエアースルー不織布を使用すると、嵩高で繊維間に空隙が形成されているものであるため、排泄液を液獲得層18に向けて透過させやすくなる。
【0074】
また、前記芯部に酸化チタンを添加した芯鞘型複合合成繊維は、表面の滑り性が良くなって、上層表面シート20の風合いが良くなる。また酸化チタンにより繊維が白色化され、液獲得層18などに吸収された経血の色を隠蔽できる。酸化チタンなどの無機添加物は1質量%〜5質量%の範囲内で含有される。
【0075】
また前記上層表面シート20は、化学合成繊維で形成されたポイントボンド不織布やスパンボンド不織布、あるいはレーヨンなどの親水性繊維と前記撥水性繊維を含んだスパンレース不織布などで形成されていてもよい。
【0076】
前記上層表面シート20は、目付けが15〜60g/mの範囲が好ましい。前記未満であると表面強度を充分に得ることができず、排泄液を含んだ湿潤状態で破れが生じるおそれがある。また前記範囲を超えると、上層表面シート20がごわごわしたものとなり着用者に違和感を与えるおそれがある。また上層表面シート20の密度は0.12g/cm以下であることが好ましい。使用者の生理時の経血は比較的粘度が高いため、この経血を透過させるためには密度が前記値以下であることが好ましい。
【0077】
前記上層表面シート20の下に重ねられる下層表面シート19は、前記上層表面シート20と同じ材質で形成されてもよいし異なる材質で形成されてもよい。前記下層表面シート19に求められる物性としては、まず経血等の排泄液の液獲得層18への浸透速度を邪魔しないように、ある程度空隙を有していることが必要である。そのため前記下層表面シート19の密度は0.016g/cm〜0.08g/cmが好ましく、さらに好ましくは0.03g/cm〜0.06g/cmのものが使用される。また経血等の排泄液の浸透を良好に保つため、湿潤時でもある程度、嵩を維持していることが必要である。前記下層表面シート19は具体的には、化学合成繊維で形成されたエアースルー不織布が使用され、化学合成繊維としては芯部がポリプロピレン(PP)で、鞘部がポリエチレン(PE)の芯鞘型複合合成繊維(4.4dtex、繊維長50mm)が使用される。図の実施の形態では下層表面シート19が2枚の前記エアースルー不繊布で形成されており、その合計の目付けは20〜80g/m程度である。
【0078】
なお図の実施の形態の前記表面シート21は、2枚の不織布で形成された下層表面シート19と1枚の不織布で形成された上層表面シート20とが重ねられたものであるが、表面シート21は1枚の不織布で形成されていてもよいし、さらに多数枚の不織布が重ねられたものであってもよい。ただし、液獲得層18と表面シート21の肌側表面との距離を保って、液獲得層18内の排泄液が前記肌側表面に逆戻りしにくくするためには、表面シート21を複数枚の不織布を重ねて構成することが好ましい。
【0079】
前記表面シート21が1層の不織布で構成される場合、前記表面シート21に空隙を多く設けるには、目付けの高い不繊布を使用しなければならず、かかる場合、不繊布自体の過度なごわつきで使用者に不快感を与えやすい。よって、前記表面シート21は、実施の形態のように表面シート21は3枚の不織布で形成されあるいは2枚の不織布で形成されることことが好ましい。
【0080】
図2、図4および図5に示すように、中央吸収領域17Aにおいて表面シート21には、上層表面シート20と下層表面シート19を貫通する多数の液透過孔23が規則的に配列して形成されて、幅寸法がW3で長さ寸法がL3の範囲の開孔領域が形成されている。前記液透過孔23は上層表面シート20から下層表面シート19にかけて加熱された多数のピンを刺し込むことによって形成される。加熱されたピンを差し込むことによって、上層表面シート20から下層表面シート19の化学合成繊維が溶融されまたは軟化して、前記両シートを連通する液透過孔23が形成されるとともに、上層表面シート20と下層表面シート19とが接合される。
【0081】
前記液透過孔23は、平面形状が円形である。あるいは円形以外の形状、例えば楕円形、長楕円形、長方形、正方形、菱形等、種々の形状を選択することができる。また、個々の液透過孔23の肌側表面での開孔直径の平均は、0.2〜5mmの間であることが好ましく、より好ましくは0.5〜2mmの範囲内である。また、肌当接面での開孔領域に対する前記液透過孔23の開孔占有率は3〜35%が好ましく、さらに好ましくは5〜15%の範囲内である。
【0082】
図5に示すように、前記表面シート21の下に液獲得層18が設置された状態で、第2の圧着凹部24が形成される。この第2の圧着凹部24は、液獲得層18の着衣側表面に、表面が平滑なフラットロールが、表面シート21の肌側表面にピンが突出したエンボスロールが当たるように、両ロール間に前記表面シート21と液獲得層18との積層体が供給される。そして前記積層体に対して、ロール表面温度が60〜160℃、ロール間の加圧力が98〜1470kPaの条件でピンエンボス加工が施される。第2の圧着凹部24の底面の面積は0.3〜5mmの範囲が好ましい。また液獲得層18から表面シート21の肌側表面までの高さに対して、前記圧着凹部の深さは20%〜100%が好ましく、さらに好ましくは50〜100%である。
【0083】
また図7に示すように、第2の圧着凹部24の間隔は、前記液獲得層18と表面シート21とが実質的に圧縮されず、嵩が低減しないように形成される。
【0084】
図9(A)(B)(C)(D)は、前記第2の圧着凹部24の断面を拡大して示したものである。第2の圧着凹部24の一般的な断面形状は、図9(A)に示すように、表面シート21と前記液獲得層18が共に凹状に加圧されている。その結果、第2の圧着凹部24は底部24bと前記底部24bから肌側表面に向けてテーパ状に広がる壁部24cとが形成されている。図9(B)に示す第2の圧着凹部24は、底部24bと壁部24cを有しているが、表面シート21に孔が形成されて、表面シート21が壁部24cを覆っているが、底部24bに設けられていないものとなっている。
【0085】
図9(A)(B)に示す第2の圧着凹部24では、その底部24bおよび壁部24cの双方での密度を前記圧着凹部24が形成されていない領域での前記液獲得層18の密度よりも高くできるため、液獲得層18に吸収された排泄液を、第2の圧着凹部24で効果的に引き付けることができるようになる。また図9(B)の圧着凹部24では、底部24bに前記表面シート21が存在していないため、排泄液が表面シート21の肌側表面を伝ったときに、排泄液を前記底部24bから前記液獲得層18内にすばやく吸収させることができる。
【0086】
図9(C)(D)に示す第2の圧着凹部24は、表面シート21と液獲得層18とが加圧されて圧縮されているとともに、液獲得層18が底部24bで貫通し、その下に位置する液吸収保持層17が露出している。図9(C)では、壁部24cが表面シート21の一部で覆われているが、図9(D)では、表面シート21に孔が形成されて、壁部24cの上方部分のみが表面シート21の一部で覆われている。
【0087】
図9(C)(D)に示す第2の圧着凹部24では、壁部24cにおいて液獲得層18の密度が高くなっているため、液獲得層18に与えられた排泄液を第2の圧着凹部24に向けて引き付けることができる。また、表面シート21の肌側表面を伝わった排泄液や、液獲得層18内で圧着凹部24に引き付けられた排泄液を、圧着凹部24の空隙内に保持できる。あるいは排泄液を、その下の液吸収保持層17に直ちに移行させることができるようになる。
【0088】
次に、液吸収保持層17の上側吸収シート16と下側吸収シート14は、液透過機能を有するエアーレイド不織布が好ましく使用される。
【0089】
例えば前記エアーレイド不織布の組成は、77質量%の親水性繊維と10質量%の高吸収性ポリマーと13質量%のバインダー(エチレン酢酸ビニル共重合体エマルジョン)を混合したものである。親水性繊維としては、例えば木材パルプ、レーヨン、アセテートレーヨン、マーセル化パルプ、クロスリンクパルプなどが使用される。上記した組成比で形成されたエアーレイド不繊布は、目付けが約60g/mで、密度が約0.08g/cmである。あるいは、前記親水性繊維の一部が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレン−ポリプロピレン複合繊維、ポリエチレン−ポリエステル複合繊維、低融点ポリエステル−ポリエステル複合繊維、低融点ポリプロピレン−ポリプロピレン複合合成繊維で置き換えたものであってもよい。
【0090】
前記中間吸収層15は、親水性繊維と高吸収性ポリマーとを混合して形成されたものであり、前記親水性繊維どうしが熱融着や接着剤などで結合されず、単に積層されたまたは絡まった状態である。この中間吸収層15は液吸収機能と液保持機能とが高く、中央吸収領域17Aにおいて上側吸収シート16に与えられた排泄液を中間吸収層15に直ちに引き込んで保持することができる。
【0091】
中間吸収層15を形成する前記親水性繊維は、例えば木材パルプ、レーヨン、アセテートレーヨン、パルプ、マーセル化パルプ、クロスリンクパルプなどであり、中間吸収層15は、例えば目付けが約200g/mである。
【0092】
液吸収保持層17は、下側吸収シート14と中間吸収層15および上側吸収シート16の3層で構成された中央部分での厚みが例えば1.95mmで、平均密度が0.156g/cmであり、前記下側吸収シート14と上側吸収シート16の2層のみで構成された部分の厚みが、例えば0.95mmで、平均密度が0.126g/cmである。
【0093】
また、液吸収保持層17は、少なくとも上側吸収シート16の密度が、液獲得層18の密度よりも高いことが必要であり、また液吸収保持層17の平均密度が、前記液獲得層18の密度よりも高いことが好ましい。液獲得層18から液吸収保持層17にかけて密度勾配を形成することにより、液獲得層18で獲得された排泄液を液吸収保持層17に速やかに移行させることができる。
【0094】
図6に示すように、前記液吸収保持層17の上に液獲得層18と表面シート21とが重ねられた状態で、前記液獲得層18が設けられていない周辺吸収領域17Bに、第3の圧着凹部25a,25b,25c,25dが形成される。この第3の圧着凹部25a,25b,25c,25dの製造工程は、前記第2の圧着凹部24と同様である。ただし、図8に示すように、列を成す圧着凹部と圧着凹部との中間部25eにおいて、前記各層が圧縮されその嵩が減少している。この嵩の減少率は2〜50%程度である。
【0095】
前記裏面シート13は、液不透過性で且つ通気性のシートであり、微細な通気孔が形成されたポリエチレン(PE)フィルム、あるいはポリプロピレン(PP)フィルムなどである。例えば、前記のプラスチックシートにCaCo、BaSo等の無機フィラーを混合させて延伸処理することにより、フィルムに微細な通気孔が適切に分散して形成され、通気性を向上させたものであって、厚みが15〜50μm程度のものである。あるいは、不繊布に熱可塑性樹脂をラミネーションした材料であってもよい。
【0096】
次に、前記サイドシート22,22は、液不透過性の不織布で形成され、例えばスパンボンド不織布、メルトブローン不織布、または前記両不織布の積層体で形成され、撥水処理が施されたものが好ましく使用される。
【0097】
また図2に示す感圧接着剤層31,32は、例えばスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン(SEBS)共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)共重合体等の合成樹脂を主体として製造される感圧型ホットメルトで形成される。
【0098】
以下、各部の好ましい寸法を説明する。
図1に示す生理用ナプキン11は昼間などに使用される通常サイズであり、横方向中心線Ox−Oxでの幅寸法は160mm、縦方向中心線Oy−Oyでの長さ寸法は210mm程度である。
【0099】
液獲得層18が設けられている中央吸収領域17Aは、表面シート21の肌側表面が着用者の排泄部である局部が密着した際に、前記局部よりも大きい面積を有していることが必要である。そのため、前記液獲得層18の横方向の幅寸法W2は20mm〜100mmの範囲内であり、好ましくは30mm〜50mmの範囲内である。この程度の大きさであると女性の局部から排出された経血などの排泄液を横漏れせずに確実に前記液獲得層18に吸収させることができる。
【0100】
前記液獲得層18の縦方向における最大の長さ寸法L2は70〜150mm程度である。
【0101】
また、就寝時の着用などに適したロングタイプの生理用ナプキンでは、前記ウイング部12a,12bと後縁部11dとの間の後方領域の縦方向の長さおよび幅寸法が、前記ウイング部12a,12bよりも前方の領域の前記寸法よりも大きくなっている。このようなロングタイプの生理用ナプキンでは、前記液獲得層18が肛門の後方領域と対向する位置まで延びていることが好ましく、この場合には前記長さ寸法L2の上限は280mm程度である。
【0102】
また、前記液吸収保持層17の縦方向の長さ寸法L1および横方向の幅寸法W1は、前記中間吸収層15の寸法L2およびW2の1.5倍以上であることが好ましい。またL1とW2の最大寸法は生理用ナプキン11の全体寸法と同じである。この範囲であれば、中央吸収領域17Aから外れた位置に排泄液が与えられた場合でも、これを周辺吸収領域17Bで捕捉することができ、排泄液の横漏れを防止しやすくなる。
【0103】
また図1に示す開孔領域の大きさであるが、幅寸法W3は前記幅寸法W2の0.3〜0.8倍の範囲に設定される。液透過孔23を前記範囲で形成することにより、表面シート21に与えられた排泄液が前記液透過孔23を通過して、前記液獲得層18およびその下の中央吸収領域17Aに確実に与えられるようになる。また、開孔領域の長さ寸法L3は、少なくとも前記液獲得層18の長さ寸法L3の0.8倍以上であることが好ましい。前記範囲未満であると、中央吸収領域17Aに与えられた排泄液を液獲得層18に確実に移行させることができなくなる。
【0104】
前記生理用ナプキン11は、表面シート21の下に、親水性繊維を主体とした嵩高で内部に空隙を有するエアーレイド不織布で形成された液獲得層18が重ねられ、さらに、表面シート21に液透過孔23を形成するとともに、開孔領域から外れた位置において、表面シート21と液獲得層18に第2の圧着凹部24を設けた点に特徴がある。しかも隣接する前記第2の圧着凹部24の間の中間部24aは、図7に示すように実質的に圧縮されておらず、嵩が減少していないのも特徴のひとつである。
【0105】
この生理用ナプキン11を使用するときには、まず感圧接着剤層31および32を保護している離型シートを剥がし、感圧接着剤層31によって、前記生理用ナプキン11の着衣側表面を下着のクロッチ部の内側に接着させ、さらに前記クロッチ部の縁部に沿って前記ウイング部12a,12bを曲げ、前記感圧接着剤層32によって前記ウイング部12a,12bを前記クロッチ部の外面に接着する。この装着状態で、中央吸収領域17Aの肌側表面が、女性の排泄部である膣口に密着する。
【0106】
膣口から排出される経血などの粘性の高い排泄液は、主に中央吸収領域17Aにおいて表面シート21の肌側表面に与えられる。表面シート21の下には、親水性繊維を主体とし、繊維が三次元骨格を形成して内部に親水性の空隙(セル)が形成されたエアーレイド不織布の液獲得層18が設けられている。そのため、表面シート21の肌側表面に与えられた排泄液は、液獲得層18の繊維の親水力および前記空隙での毛細管作用により、上層表面シート20と下層表面シート19を透過して、前記液獲得層18内に速やかに引き付けられる。特に、中央吸収領域17Aには、液透過孔23が形成されているため、経血のような比較的粘度の高い排泄液が、表面シート21を貫通する液透過孔23を瞬時に透過して、速やかに液獲得層18に与えられる。
【0107】
液獲得層18は、排泄液を引き付ける力を有するとともに、それ自体が排泄液を保持する機能を有し、しかも液獲得層18は表面シート21に比べて目付けが大きく形成されて、液獲得層18はある程度の液の保持容量を有している。特に液獲得層18の内部に高吸収性ポリマーが含まれていると、前記保持容量が大きくなる。よって液獲得層18で多くの排泄液を一時的に貯留できるようになり、表面シート21の肌側表面に排泄液が繰り返して多く与えられても、この排泄液を液獲得層18で順次貯留でき、表面シート21が排泄液で飽和しにくい。
【0108】
前記のように排泄液は液透過孔23が形成された開孔領域を速やかに透過していくため、液獲得層18のうちの開孔領域の下に位置する領域に主に排泄液が集中して与えられる。ただし、前記開孔領域から外れた両側部分に、第2の圧着凹部24が点在し、この第2の圧着凹部24では液獲得層18の密度が高くなっている。そのため、液獲得層18内で開孔領域の下の領域に与えられた排泄液は、第2の圧着凹部24の周囲に存在している密度の高い繊維の毛細管作用に引き付けられて、液獲得層18内を左右に拡散していく。
【0109】
特に図7に示すように、隣接する前記第2の圧着凹部24の中間部24aでは液獲得層18が実質的に圧縮されていないため、周囲に拡散しようとする排泄液が前記中間部24aに留まることなく、それぞれの圧着凹部24の周囲に向かって拡散しやすくなっている。そのため、液獲得層18に吸収されて一時的に保持される排泄液は、液獲得層18の全体に拡散できるようになり、液獲得層18の全体の液保持容量を有効に使用できる。
【0110】
また、液獲得層18の内部で排泄液が拡散するため、表面シート21の開孔領域の下の部分で、液獲得層18が液で飽和しにくくなる。よって、表面シート21の肌側表面に排泄液が繰り返して与えられても、その下の液獲得層18に常に速やかに吸収されるようになり、表面シート21に液が滞留しにくくなる。
【0111】
さらに、液獲得層18の下には、前記液獲得層18よりも密度の高い液吸収保持層17が接触して設けられているため、液獲得層18内で拡散した排泄液は、その下の液吸収保持層17に順次引き付けられて保持される。よって、液獲得層18は一時的に液を保持するだけであり、液獲得層18内の液は直ちに液吸収保持層17に与えられるようになり、液獲得層18が液で飽和せず、表面シート21に繰り返して与えられる排泄液が、速やかに液獲得層18に移行する状態を継続できる。
【0112】
特に、液吸収保持層17のうち、中央吸収領域17Aに位置する領域、すなわち液獲得層18の下に重ねられている領域は、下側吸収シート14、中間吸収層15および上側吸収シート16の三層構造であり、液の吸収容量が大きく、且つ密度が高くなっている。よって、液獲得層18で一時的に保持された排泄液が、液の保持容量の大きい液吸収保持層17の三層構造部分に与えられて保持されるため、液獲得層18内で液が飽和しにくい。
【0113】
また、液獲得層18は嵩高でしかも湿潤強度が高いものであるため、体圧が作用しても潰れ難く、また潰れた後の嵩の回復率が高い。よって、液獲得層18に一時的に保持されている排泄液が表面シート21側に逆戻りしにくくなっている。
【0114】
また、この実施の形態では、液獲得層18から外れた領域で、表面シート21と液吸収保持層17とが圧縮された第3の圧着凹部25a,25b,25c,25dが形成されている。この第3の圧着凹部は中央吸収領域17Aを囲むように形成され、しかも図8に示すように、列を成す圧着凹部の中間部25eでは、液吸収保持層17が実質的に圧縮されている。したがって、液吸収保持層17内に吸収された排泄液は、前記列の部分で拡散が抑制され前記列に沿って移行していくようになる。よって排泄液が、前記第3の圧着凹部25a,25b,25c,25dが形成されている列を超えて周囲に拡散しにくくなっており、横漏れを防止しやすい。
【0115】
図10は本発明の第2の実施の形態の薄型の吸収性物品11Aを示す平面図、図11は横方向基準線Ox−Oxで切断したXI−XI矢視の断面図である。
【0116】
この吸収性物品11Aは、薄型の生理用ナプキンあるいはおりもの吸収シートとして使用される。
【0117】
この吸収性物品11Aにおいて、前記生理用ナプキン11と同じ符号を付している部分は前記生理用ナプキン11と同じ構造であるため、詳しい説明を省略する。
【0118】
図10と図11に示す吸収性物品11Aは、裏面シート13の上に液獲得層18が設けられており、この液獲得層18は吸収性物品11Aの外周形状よりも少し小さく形成されている。また表面シート21は、1枚の上層表面シート20と1枚の下層表面シート19とが重ねられたものである。ただし、液吸収保持層17は設けられていない。
【0119】
そして、幅寸法がW4で長さ寸法がL4の範囲が開孔領域であり、この開孔領域において、表面シート21を貫通する多数の液透過孔23が形成されている。また前記開孔領域の幅寸法W4および長さ寸法L4の好ましい範囲は、前記生理用ナプキン11の前記幅寸法W3および長さ寸法L3と同じである。
【0120】
また、前記開孔領域から外れた領域に、表面シート21から液獲得層18にかけて凹状に形成された第2の圧着凹部24が点在している。この第2の圧着凹部24の間隔は充分に離れており、図7に示したように、隣接する第2の圧着凹部24と第2の圧着凹部24との中間部24aでは液獲得層18が実質的に圧縮されていない。
【0121】
この吸収性物品11Aでは、表面シート21の肌側表面に与えられた排泄液が、液透過孔23を透過して液獲得層18に与えられ、周囲の圧着凹部24に引き付けられた拡散していく。したがって、液獲得層18の全体で排泄液を保持することができる。また表面シート21が液で飽和し難くなっている。
【0122】
【発明の効果】
以上のように本発明の吸収性物品は、表面シートの下に液を一時保持できる親水性の液獲得層を設けたため、この液獲得層の液の吸引力により、表面シートの肌側表面に与えられる排泄液が速やかに液獲得層に引き込まれる。また液獲得層は液の保持能力を有しているため、表面シートから繰り返して与えられた排泄液を液獲得層内で保持して表面シートへの戻りを防止できる。特に、表面シートに液透過孔が形成されているため、表面シートの肌側表面に与えられた比較的粘度の高い排泄液が、前記液透過孔を通過して液獲得層に吸引されるようになる。さらに液獲得層に吸引された排泄液は開孔領域の外周に設けられた圧着凹部で吸引されるため、液獲得層内を排泄液が広く拡散する。そのため、開孔領域の下に位置する液獲得層内で液が飽和しにくくなり、表面シートから液獲得層に繰り返して液を移行させることができ、表面シートが湿潤状態になりにくいものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸収性物品の第1の実施の形態の生理用ナプキンを示す平面図、
【図2】図1に示す生理用ナプキンを横方向基準線Ox−Oxで切断したII−II矢視方向から見た断面図、
【図3】前記生理用ナプキンの主要な構成部材を示す分解斜視図、
【図4】図1に示す生理用ナプキンを横方向基準線Ox−Oxで切断した分解断面図、
【図5】表面シートの液透過孔および、表面シートと液獲得層に形成された圧着凹部を示す断面図、
【図6】表面シートの液透過孔および、表面シートと液獲得層に形成された圧着凹部、さらに表面シートと液吸収保持層に形成された側部圧着凹部を示す断面図、
【図7】図1に示すVII−VII矢視の拡大断面図、
【図8】図1に示すVIII−VIII矢視の拡大断面図、
【図9】(A)(B)(C)(D)は、表面シートと液獲得層に形成される圧着凹部を、実施の形態別に示す拡大断面図、
【図10】本発明の第2の実施の形態の吸収性物品を示す平面図、
【図11】図10に示す吸収性物品を横方向基準線Ox−Oxで切断したXI−XI矢視の断面図、
【符号の説明】
11 生理用ナプキン
11A 吸収性物品
13 裏面シート
14 下側吸収シート
15 中間吸収層
16 上側吸収シート
17 液吸収保持層
17A 中央吸収領域
17B 周辺吸収領域
18 液獲得層
19 下層吸収シート
20 上層吸収シート
21 表面シート
23 液透過孔
24 第2の圧着凹部
25 第3の圧着凹部
25a,25b 側方圧着凹部
25c 前方圧着凹部
25d 後方圧着凹部

Claims (8)

  1. 装着者に向けられる肌側表面に液透過性シートから成る表面シートが設けられ、前記肌側表面と逆向きの着衣側表面に裏面シートが設けられている吸収性物品において、
    前記表面シートと前記裏面シートとの間に、少なくとも一部が親水性で且つ層の表裏面を連通させる多数の空隙を有する液獲得層が設けられており、
    縦方向に延びる中心線を含む開孔領域で、前記表面シートに多数の液透過孔が形成されており、前記中心線から左右に離れた位置で且つ前記開孔領域から外れた位置に、前記表面シートと前記液獲得層とが圧着された多数の圧着凹部が形成されていることを特徴とする吸収性物品。
  2. 前記液獲得層は、少なくとも一部が親水性繊維で形成されて、繊維間が接合されたエアーレイド不織布である請求項1記載の吸収性物品。
  3. 前記液獲得層は、目付けが40〜300g/mで、密度が0.03〜0.13g/cmである請求項1または2記載の吸収性物品。
  4. 前記表面シートは複数の液透過性のシートが重ねられて形成されており、液透過孔は、前記複数のシートを貫通して形成されている請求項1ないし3のいずれかに記載の吸収性物品。
  5. 前記圧着凹部と圧着凹部との間では、表面シートと液獲得層との嵩が低下しないように、前記圧着凹部が間隔を開けて形成されている請求項1ないし4のいずれかに記載の吸収性物品。
  6. 前記液獲得層と前記裏面シート間には、液吸収保持層が設けられており、前記液吸収保持層は、前記液獲得層よりも面積が広く、且つ前記液獲得層の前記圧着凹部を除く部分よりも密度が高い請求項1ないし5のいずれかに記載の吸収性物品。
  7. 前記中心線から左右に離れた位置で且つ前記液獲得層から外れた位置に、前記表面シートと前記液吸収保持層とが圧縮された側方圧着凹部が設けられており、前記側方圧着凹部は、縦方向に間欠的にまたは連続的に形成されている請求項1ないし6のいずれかに記載の吸収性物品。
  8. 前記側方圧着凹部は、縦方向に間欠的に形成されており、この側方圧着凹部と側方圧着凹部との間では、前記表面シートと前記液吸収保持層が実質的に加圧されて液吸収保持層の嵩が減少している請求項7記載の吸収性物品。
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