JP2015198798A - 吸収性物品 - Google Patents

吸収性物品 Download PDF

Info

Publication number
JP2015198798A
JP2015198798A JP2014079933A JP2014079933A JP2015198798A JP 2015198798 A JP2015198798 A JP 2015198798A JP 2014079933 A JP2014079933 A JP 2014079933A JP 2014079933 A JP2014079933 A JP 2014079933A JP 2015198798 A JP2015198798 A JP 2015198798A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
lower layer
upper layer
layer covering
sheets
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014079933A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015198798A5 (ja
JP6320827B2 (ja
Inventor
央 橋野
Hiroshi Hashino
央 橋野
文彦 谷野
Fumihiko Yano
文彦 谷野
明乃 大槻
Akino Otsuki
明乃 大槻
あゆみ 盛岡
Ayumi Morioka
あゆみ 盛岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Unicharm Corp
Original Assignee
Unicharm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Unicharm Corp filed Critical Unicharm Corp
Priority to JP2014079933A priority Critical patent/JP6320827B2/ja
Publication of JP2015198798A publication Critical patent/JP2015198798A/ja
Publication of JP2015198798A5 publication Critical patent/JP2015198798A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6320827B2 publication Critical patent/JP6320827B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Absorbent Articles And Supports Therefor (AREA)

Abstract

【課題】使用中及び洗浄中に変形しにくい吸収性物品の提供。
【解決手段】液透過性の表面シート11と、液不透過性の裏面シート12と、表面及び裏面シートの間に挟まれる吸収体20を備え、吸収体が、表面シート側に位置する上層被覆シート22と、裏面シート側に位置する下層被覆シート23と、上層及び下層被覆シートとの間に挟まれる吸収コア21を備える縦長の吸収性物品10であって、吸収コアの少なくとも一部が上層及び下層被覆シートに接着剤で接合され、上層及び下層被覆シートは、吸収コアの幅方向及び長手方向の少なくとも一方の外側に延び出し、吸収コアの外側に延び出した上層及び下層被覆シートが、表面シートと裏面シートとの間に接合される。
【選択図】図1

Description

本発明は吸収性物品に関し、より詳しくは、軽失禁パッド、パンティライナ、生理用ナプキン、おりもの吸収用パッド、尿吸収パッド等の吸収性物品に関する。
従来、吸収性コアを備える吸収性物品は公知であり、例えば特許文献1には、吸収性コアと、液体透過性薄層と、液体不透過性バックシートとを備え、吸収性コアは繊維塊と高吸収性ポリマーを含み、吸収性コアは薄層とバックシートとの間に、網状網目からなる接着剤で固着されてなる使い捨て排泄物収納ガーメントが開示されている。また、吸収性コアをティシュペーパーで被覆することが記載されている。
特許第2857085号公報
特許文献1には、同文献の吸収性コアは使い捨ておむつにおいて特に有効であり、使い捨ておむつを関節ダミーに装着して歩行型動作を5分間行ったとき、吸収性コアの幅の減少や、吸収性コアに含まれる繊維塊の硬スポットの発生が起こりにくいことが記載されている。
しかし、成人が使用する吸収性物品の場合、着用者の動きが乳幼児よりも活発であるため、吸収性コアを薄層とバックシートとの間に接着しただけでは、吸収性物品の使用時における変形を十分抑制することが困難である。このため、例えば生理用ナプキンの場合、使用時に生理用ナプキンが着用者の両脚に挟まれて側部がめくれたり、ヨレたりすることがある。生理用ナプキンにこのような変形が生じると、着用者が違和感を覚えることがある。
また、アセアン地域を中心に、使用済みの生理用ナプキンを洗浄してから廃棄する習慣がある。特許文献1に開示されているような、吸収性コアをティシュペーパーで被覆する従来の吸収性物品の場合、吸収性物品を洗浄しているときティシュペーパーが破れ、また吸収体に含まれる高吸収性ポリマーが膨潤して吸収体全体の形状が崩れることがある。このため、吸収体に洗浄水が十分浸透しなくなったり、もみ洗いにより力が加わったとき吸収体の一部が破れて高吸収性ポリマーがこぼれ出したりすることがある。
以上に鑑み、本発明は、使用中及び洗浄中に変形しにくい吸収性物品を提供することを課題とする。
本発明は、液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、表面及び裏面シートの間に挟まれる吸収体を備え、吸収体が、表面シート側に位置する上層被覆シートと、裏面シート側に位置する下層被覆シートと、上層及び下層被覆シートとの間に挟まれる吸収コアを備える縦長の吸収性物品に関する。
本発明の吸収性物品は、吸収コアの少なくとも一部が上層及び下層被覆シートに接着剤で接合され、上層及び下層被覆シートは、吸収コアの幅方向及び長手方向の少なくとも一方の外側に延び出し、吸収コアの外側に延び出した上層及び下層被覆シートが、表面シートと裏面シートとの間に接合されることを特徴とする。
本発明の吸収性物品は、吸収コアの少なくとも一部が、上層及び下層被覆シートに接着剤で接合されている。これにより、吸収性物品の使用時及び洗浄時に吸収性コアが吸収体内を移動しにくくなるので、変形しにくい吸収性物品が提供される。さらに、吸収コアの外側に延び出した上層及び下層被覆シートが、表面シートと裏面シートとの間に接合される部分は、シート部材が少なくとも4枚重ねになっている。このようにシート部材が4枚以上重なる部分を有する吸収性物品は、従来のように表面及び裏面シートの2枚のシート部材で構成される吸収性物品と比較して変形しにくい。これにより、吸収性物品はさらに変形しにくくなる。
表面及び裏面シートを吸収性物品の外周縁に沿って配置される外周シール部において互いに接合し、吸収コアの長手方向外側に延び出す上層及び下層被覆シートの側縁の一部を外周シール部と交わらせ、外周シール部において、上層及び下層被覆シートの側縁の一部を表面シートと裏面シートとの間に接合する態様では、吸収コアを直接挟んでいる上層及び下層被覆シートが外周シール部で接合されることによって、吸収コアがより動きにくくなり、変形しがたくなる。
表面及び裏面シートを、吸収性物品の外周縁に沿って配置される外周シール部において互いに接合するとともに、上層及び下層被覆シートを吸収コアの長手方向両外側に延び出させ、上層及び下層被覆シートの長手方向両端に位置する両端縁の少なくとも一部を、長手方向において外周シール部から離間させ、上層及び被覆シートの両端縁と、外周シール部との間において、表面シートと裏面シートとを互いに接合する態様では、吸収体の両端部にシート部材が4枚以上重なる部分が形成される。これにより、使用時に吸収体の両端部が着用者の体の形状に過度に追随することが防止される結果、肌との摩擦が抑制され、着用者に不快感を覚えさせることが無い。これに加え、洗浄時に吸収体内で吸収コアが偏在したときでも、吸収体の両端部に形成されたシート部材が4枚以上重なる部分により、吸収体の形状が崩れることが防止される。
上層及び下層被覆シートが吸収コアの幅方向両外側に延び出し、表面シートが、吸収体を覆うトップシートと、トップシートの幅方向両側に配置されてトップシートの両側部に接合される一対のサイドシートとを備え、吸収コアの幅方向両外側に長手方向に延びる一対のサイド接合部において、サイドシートとトップシートの側部とが重なり合って接合され、重なり合ったサイドシート及びトップシートと、裏面シートとの間に、上層及び下層被覆シートが接合される態様では、シート部材が4枚以上重なる部分が吸収体の両側部に形成され、吸収性物品の使用時に吸収体の側部が変形してめくれることが抑制される。これに加え、洗浄時に吸収体内で吸収コアが偏在したときでも、吸収体の両側部に配置されたシート部材が4枚以上重なる部分により、吸収体の形状が崩れることが防止される。
図面は、本発明の特定の実施の形態を示し、発明の不可欠な構成ばかりでなく、選択的及び好ましい実施の形態を含む。
吸収性物品の一例の生理用ナプキンを表面シート側から見た平面図。 図1のII−II線断面模式図。 図1のIII−III線断面模式図。 吸収体を下層被覆シート側から見た平面図。 図4のV−V線断面模式図。 図4のVI−VI線断面模式図。 生理用ナプキンを装着する様子を模式的に示す斜視図。
下記の実施の形態は、添付の図面に示す吸収性物品に関し、発明の不可欠な構成ばかりではなく、選択的及び好ましい構成を含む。以下、添付の図面を参照して、本発明に係る吸収性物品の一例である生理用ナプキン10の実施形態を説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明に係る縦長の生理用ナプキン10の平面図である。生理用ナプキン10は、着用者の肌に対向する面(以下、単に「肌対向面」という)と、その反対側の面(以下、単に「非肌対向面」という)とを有する。なお、本願に添付した図の中で、Xは生理用ナプキン10の幅方向を示し、Yは生理用ナプキン10の長手方向を示し、Zは幅方向X及び長手方向Yに直交する厚さ方向を示す。
生理用ナプキン10は、肌対向面側に位置する液透過性の表面シート11と、非肌対向面側に位置する液不透過性の裏面シート12と、表面シート11と裏面シート12との間に挟まれる吸収体20とを含む。吸収体20は、表面シート11側に位置する上層被覆シート22と、裏面シート12側に位置する下層被覆シート23と、上層及び下層被覆シート22,23の間に挟まれる吸収コア21とを備える。裏面シート12は、生理用ナプキン10の外郭形状と同一の形状を有する。本実施形態の表面シート11は、吸収体20を覆うトップシート18と、幅方向Xにおいてトップシート18の両側に配置されてトップシート18の両側部18aに接合される一対のサイドシート35とを含む。これに代えて、表面シート11を裏面シート12と同形同大の1枚のシート部材で形成することもできる。本実施形態の上層及び下層被覆シート22,23は、ほぼ同形同大の矩形のシート部材であり、それぞれ幅方向Xに延びる一対の端縁22a,23aと、縦方向Yに延びる一対の側縁22b、23bとを有する。また、吸収コア21の少なくとも一部が、上層・下層被覆シート22,23に接着剤で接合されている。
生理用ナプキン10の中央域14は、生理用ナプキン10の使用時に着用者の排泄口に対向する領域である。トップシート18において、中央域14の周囲には、複数の外郭圧搾溝15が配置され、外郭圧搾溝15の外側には、囲繞圧搾溝17が配置されている。外郭圧搾溝15及び囲繞圧搾溝17は、トップシート18から吸収体20の中に進入している。また、トップシート18の両側部18aに沿って一対のサイド接合部38が長手方向Yに延びている。さらに、生理用ナプキン10の外周縁沿って外周シール部39が配置されている。
表面シート11に含まれるトップシート18、裏面シート12、上層及び下層被覆シート22,23の幅方向X及び長手方向Y寸法は、いずれも吸収コア21よりも大きく、平面視において、トップシート18、裏面シート12、上層及び下層被覆シート22,23は吸収コア21の幅方向X及び長手方向Y外側に延び出す。表面シート11に含まれるトップシート18は、長手方向Yに延びる両側部18aが直線状で、幅方向Xに延びる両端18bが円弧状のシート部材である。トップシート18の幅方向X寸法は上層及び下層被覆シート22,23と同じか大きく、長手方向Yにおける最大寸法は、上層及び下層被覆シート22,23より大きい。トップシート18の長手方向Yにおける最大寸法は、裏面シート12の長手方向Yにおける最大寸法にほぼ等しい。
トップシート18において長手方向Yに延びる両側部18aに接合されるサイドシート35は、トップシート18の幅方向X両側に延び出すウイング部36に含まれる。ウイング部36では、サイドシート35と裏面シート12とが重なり合って互いに接合されている。裏面シート12の非肌対向面には、ウイング部36を折り返して着用者の下着に一時的に固定するための、粘着剤37が塗布されている。
図1と図2を参照して、吸収コア21の幅方向X外側に延び出すトップシート18と、トップシート18の両側部18aに接合される一対のサイドシート35は、吸収コア21の幅方向X外側を長手方向Yに延びる一対のサイド接合部38において重なり合って互いに接合され、さらに本実施形態では、重なり合ったサイドシート35及びトップシート18と、裏面シート12との間に、上層及び下層被覆シート22,23が接合される。詳しくは、サイド接合部38にはトップシート18の両側部18aが位置し、このトップシート18の両側部18aの肌対向面に、サイドシート35の非肌対向面が接合される。サイド接合部38からさらに幅方向X外側に延び出す裏面シート12及びサイドシート35は、ウイング部36に含まれて互いに接合されるとともに、生理用ナプキン10の外周縁に配置される外周シール部39に達し、外周シール部39においても互いに接合される。
サイド接合部38は、外周シール部39で囲まれる領域内を長手方向Yに連続して直線状に延び、生理用ナプキン10の両端部10aにおいて外周シール部39の一部に重なる。サイド接合部38の形状は直線状に限定されず、例えばなだらかに湾曲する形状であってもよい。また、サイド接合部38を直線状に連続させる代わりに、点線状にすることもできる。本実施形態では、サイド接合部38の長手方向Y全長に沿って、上層及び下層被覆シート22,23の側縁22b,23bが延びている。上層及び下層被覆シート22,23の側縁22b,23bの長手方向Y両端は、外周シール部39に交わって表面シート11と裏面シート12との間に接合される。しかし、本発明では、サイド接合部38の長手方向Y全長に上層及び下層被覆シート22,23の側縁22b,23bが含まれることは必須ではない。例えば、上層及び下層被覆シート22,23の側縁22b,23bの長手方向Y寸法を、サイド接合部38の長手方向Y寸法よりも小さくすることもできる。また、サイド接合部38と上層及び下層被覆シート22,23とが重なる必要はない。例えば、一対のサイド接合部38の幅方向X離間距離を、上層及び下層被覆シート22,23の幅よりも大きくすることもできる。
図3を参照して、吸収コア21から長手方向Yに延び出す上層及び下層被覆シート22,23の長手方向Y両端縁22a,23aは、トップシート18と裏面シート12との間に挟み込まれて、厚さ方向Zにおいて互いに隣り合うシート部材どうしが接合される。また、上層及び下層被覆シート22,23の両端縁22a,23aから、トップシート18及び裏面シート12が長手方向Yに延び出して外周シール部39に達する。すなわち、上層及び下層被覆シート22,23の両端縁22a,23aの少なくとも一部は外周シール部39から離間している。上層及び下層被覆シート22,23の両端縁22a,23aから長手方向Yに延び出すトップシート18及び裏面シート12は、互いに接合されるとともに生理用ナプキン10の外周縁に達し、外周シール部39においても互いに接合される。なお、図1に示す例では、矩形の上層及び下層被覆シート22,23の四隅の全てが外周シール部39に重なっている。しかし、上層及び下層被覆シート22,23の四隅の少なくとも1つが外周シール部39に重ならないようにすることもできる。
液透過性の表面シート11に含まれるトップシート18には、開孔プラスチックフィルム、織布、不織布等の、体液に含まれる液体成分を透過可能なシート材を用いることができる。織布及び不織布の素材としては天然繊維、化学繊維のいずれも使用することができる。熱可塑性疎水性化学繊維を用いて製造された不織布は、水に浸しても強度が低下しないので好ましい。不織布を構成する繊維の繊度は、体液の浸透のし易さや肌触りを考慮すると、1.1〜8.8dtexの範囲が好ましい。また、体液の浸透のし易さや、リウェットバック(吸収体20に吸収された体液が表面側に染み出ること)を考慮して、親水剤や撥水剤などを前述の疎水性合成繊維に練りこんだり、疎水性合成繊維の表面にコーティングしたりすることもできる。さらに、肌面側に凹凸をつけた不織布を用いることができる。不織布の表面にこのような凹凸成形することで、肌との接触面積を低減させることが可能である。
液不透過性の裏面シート12には、ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂を主体とした熱可塑性樹脂フィルム、通気性を付与した熱可塑性樹脂フィルム、スパンボンドまたはスパンレース等の不織布と通気性の熱可塑性樹脂フィルムとを接合した複合シート、SMS等の複数層の不織布などを好適に用いることができる。着用感を損なわない柔軟性を考慮すると、例えば低密度ポリエチレン樹脂を主体とした単位面積当たり質量(以下、目付という)が15〜30g/mの範囲のフィルムを使用することが好ましい。
サイドシート35には、トップシート18と同様のシート材を用いることができる。但し、生理用ナプキン10の外側へ体液が流れにくくするためには、疎水性もしくは撥水性を有するシート材を用いることが好ましい。具体的には、スパンボンド不織布やSMS不織布などが挙げられる。
上層及び下層被覆シート22,23のそれぞれに用いるシート材の種類は、同一でもよいし異なっていてもよい。上層及び下層被覆シート22,23は、一枚のシート部材を折り返して構成することもできるし、異なるシート部材で構成することもできる。上層被覆シート22と下層被覆シート23を異なるシート部材にすれば、上層被覆シート22と下層被覆シート23それぞれに別の機能を付与することができる。上層被覆シート22は、体液を素早く吸収コア21へ移行させるか、または、洗浄中に洗浄水が容易に透過できることが求められるので、親水性のシート材が好ましい。一方、下層被覆シート23は吸収コア21の非肌当接面側にあるので、拡散性や体液の保持性、あるいは、洗浄中に吸収コア21がヨレて洗浄しにくくなることを回避するための回復性が求められるので、柔軟で疎水性のシート部材が好ましい。それぞれ違った機能を付与することで、より吸収性に優れ、且つ、洗浄しやすい生理用ナプキン10が提供される。
サイド接合部38及び外周シール部39における各シート部材の接合は、接着剤による接合、超音波溶着、熱溶着、レーザー溶着等の公知の溶着手段による接合、及びエンボス加工による接合を、単独または組み合わせて行うことができる。また、表面シート11、上層及び下層被覆シート22,23、及び裏面シート12を重ね合わせる際、それぞれのシートの対向面どうしを前述の手段により互いに接合することが好ましい。表面及び裏面シート11,12と、上層及び下層被覆シート22,23とを熱可塑性樹脂繊維からなる不織布で形成する場合、超音波溶着または熱溶着により繊維を溶融させて各シート部材を互いに溶着させることが好ましい。このようにすれば、生理用ナプキン10を水に浸してもシート部材間の接合強度が低下することが無いので、洗浄時にもみ洗いしたときでも、サイド接合部38及び外周シール部39が剥がれにくくなる。
本実施形態では、サイド接合部38及び外周シール部39にエンボス加工を施している。外周シール部39を例にすると、所定の形状に配置された複数の突起部を有するエンボスロールと、アンビルロールとの間に、生理用ナプキン10に含まれるトップシート18及びサイドシート35(すなわち表面シート11)、上層及び下層被覆シート22,23、及び裏面シート12を重ね合わせて通過させて、生理用ナプキン10の外周縁に所定のエンボスパターンを賦形する。エンボスロール及びアンビルロールを加熱して適切な温度に制御することにより、各シート部材を軟化させて明瞭なエンボスパターンを得ることができる。エンボスパターンの例として、格子状、千鳥状、波状等が挙げられる。
本発明で用いる接着剤として、ホットメルト接着剤を好適に用いることができる。ホットメルト接着剤は、万が一生理用ナプキン10の外面に滲み出してしまったとしても、その時点ではタック性を示さないことが好ましい。具体例として、SEBSを5〜25%、脂環族飽和炭化水素を40〜60%、芳香族変性テルペンを1〜10%、添加剤を15〜35%含む組成物を溶融混合したホットメルト接着剤が挙げられる。ホットメルト接着剤の塗工方法としては、スパイラル塗工、スプレー塗工などが挙げられる。
図4と図5を参照して、本実施形態の吸収体20について説明する。図4は吸収体20を下層被覆シート23側から見た平面図であり、図5は図4のV−V線断面模式図である。なお、理解を容易にするために、図4と図5では、トップシート18と裏面シート12との間に挟み込まれる前の吸収体20の形状を表しており、トップシート18から吸収体20の中に進入する外郭圧搾溝15及び囲繞圧搾溝17は図示していない。
吸収体20は、吸収コア21と、表面シート11に含まれるトップシート18側に配置される上層被覆シート22と、裏面シート12側に配置される下層被覆シート23とを備える。吸収コア21は、非肌対向面にホットメルト接着剤(図示せず)が塗布された上層被覆シート22と、肌対向面にホットメルト接着剤が塗布された下層被覆シート23との間に挟まれ、上層及び下層被覆シート22,23にホットメルト接着剤で接合される。これにより、生理用ナプキン10の使用中及び洗浄中に、吸収コア21が上層被覆シート22と下層被覆シート23との間でずれ動いて生理用ナプキン10が変形することが抑制される。
上層及び下層被覆シート22,23にホットメルト接着剤を塗布するとき、上層及び下層被覆シート22,23にホットメルト接着剤を間隔をあけて塗布することが好ましい。別言すれば、上層及び下層被覆シート22,23にホットメルト接着剤が塗布された領域と、ホットメルト接着剤が塗布されていない領域とを設けることが好ましい。具体的には、ホットメルト接着剤を、ドット状、ストライプ状、波形状またはスパイラル状に塗布することが好ましい。ホットメルト接着剤を間隔をあけて塗布することにより、吸収体20から表面シート11へのホットメルト接着剤の滲み出しが抑制され、さらにホットメルト接着剤によって吸収コア21への体液の浸透が妨げられることが抑制される。
本実施形態では、ホットメルト接着剤(図示せず)を、上層及び下層被覆シート22,23の吸収コア21に対向する部分にのみストライプ状に塗布し、上層及び下層被覆シート22,23が吸収コア21の幅方向X外側に延び出す部分には塗布していない。吸収コア21から長手方向Y両外側に延び出す上層及び下層被覆シート22,23の側縁22b、23bは、外周シール部39において表面シート11と裏面シート12との間に接合される。したがって、外周シール部39に含まれる上層被覆シート22と下層被覆シート23との間には、ホットメルト接着剤が塗布されていない。これにより、外周シール部39に上層及び下層被覆シート22,23が重なる部分からホットメルト接着剤が染み出して着用者の肌に接触することが防止され、着用者に不快感を覚えさせることが無いので好ましい。また、吸収コア21から幅方向X外側に延び出す部分は、サイド接合部38に含まれる部分である。すなわち、サイド接合部38に含まれる上層及び下層被覆シート22,23の間には、ホットメルト接着剤は塗布されていない。これにより、サイド接合部38に上層及び下層被覆シート22,23が重なる部分からホットメルト接着剤が染み出して着用者の肌に接触することが防止される。
前述のように、液透過性の上層及び下層被覆シート22,23には、トップシート18と同様のシート部材を用いることができる。熱可塑性樹脂製の合成繊維を用いて製造された不織布は、水に浸しても強度が低下しないので破れにくく、また溶着が可能なので好ましい。好ましい不織布の一例として、スルーエアー法で作られた不織布が挙げられ、上層被覆シート22にスルーエアー法で作られた不織布を用いることが好ましい。上層被覆シート22がスルーエアー法で作られた不織布であることで、サイド接合部38での繊維本数が増え、サイド接合部38におけるトップシート18及びサイドシート35との接合強度が増すので、洗浄中に生理用ナプキン10が分解しにくくなる。
吸収コア21は、親水性素材からなる吸収性繊維32と、吸水性ポリマー31とを含む。吸収性繊維32として、セルロースからなる粉砕パルプ及びコットン等の、公知の吸収性繊維32を特に制限なく用いることができる。コスト及び成形の容易さの観点からは、粉砕パルプが好ましい。吸収性繊維32の目付は、約100〜650g/mにすることができる。吸水性ポリマー31には、デンプン、カルボキシメチル化セルロース、ポリアクリル酸塩系等の、公知の吸水性ポリマー31を特に制限なく用いることができる。
図4〜図6に示すように、吸収体20には、吸収コア21が存在する領域、及び、吸収コア21の幅方向X外側に延び出す上層及び下層被覆シート22,23に、吸収体20の厚さ方向Zに凹む圧搾凹部24が配置されている。本実施形態では、圧搾凹部24には、吸収コア21が存在する領域に点在する第1圧搾凹部24aと、吸収コア21が存在する領域において隣り合う第1圧搾凹部24aどうしを連結する第2圧搾凹部24bと、吸収コア21の幅方向X外側に延び出す上層及び下層被覆シート22,23に点在する第3圧搾凹部24cと、隣り合う第3圧搾凹部24cどうしを連結する第4圧搾凹部24dとが含まれる。吸収体20を下層被覆シート23側から見た平面視において、第1〜第4圧搾凹部24a〜24dの集合体により網目形状のパターンが形成される。
本実施形態では、第1及び第2圧搾凹部24a,24bにおいて、下層被覆シート23が吸収コア21の中に進入している。吸収体20の厚さ方向Zにおいて、第1圧搾凹部24aの圧搾深さは第2圧搾凹部24bより大きい。すなわち、吸収体20の厚さ方向Zにおいて、第2圧搾凹部24bの底部における下層被覆シート23と上層被覆シート22の離間距離は、第1圧搾凹部24aの底部における下層被覆シート23と上層被覆シート22の離間距離より大きい。第1及び第2圧搾凹部24a,24bでは吸収コア21の密度が圧搾により上昇している。吸収コア21の幅方向X外側に延び出す上層及び下層被覆シート22,23に配置される第3圧搾凹部24cの圧搾深さは、第4圧搾凹部24dより大きいが、その差はわずかである。第3及び第4圧搾凹部24c,24dでは上層及び下層被覆シート22,23が吸収体20の厚さ方向Zに凹んで互いに密着している。
第1及び第2圧搾凹部24a,24bは、表面シート11側から見たとき、トップシート18の中央域14の外側に位置する。本実施形態では、隣り合う第1圧搾凹部24aどうしを連結する第2圧搾凹部24b、及び隣り合う第3圧搾凹部24cどうしを連結する第4圧搾凹部24dにより、複数の正六角形で形成される網目形状が形成される。このような網目形状は、複数の正六角形が組み合わされた網目形状に限定されず、一種類または複数種の形状の多角形を組み合わせた網目形状にすることができる。
第1〜第4圧搾凹部24a〜dはエンボス加工により形成することができる。エンボス加工において、エンボスピンによる圧搾深さが大きい部分が第1及び第3圧搾凹部24a,24cとなり、圧搾深さが第1及び第3圧搾凹部24a,24cより小さい部分が第2及び第4圧搾凹部24b,24dとなる。圧搾深さが大きい第1圧搾凹部24aの底部では、吸収コア21に含まれる吸収性繊維32が圧縮されることにより、吸収コア21の密度が上昇する。第2圧搾凹部24bにおいても、下層被覆シート23と上層被覆シート22との間に介在する吸収コア21の密度が上昇するが、第1圧搾凹部24aと比較すると密度の上昇の程度は小さい。また、第3及び第4圧搾凹部24c,24dをエンボス加工で形成するとき、上層被覆シート22と下層被覆シート23とを溶着により互いに接合することが好ましい。さらに、トップシート18の中央域14には、第1〜第4圧搾凹部24a〜dを設けないことが好ましい。これにより、中央域14の厚さが過度に減少したり、剛性が過度に高くなったりすることを防止できる。これに加え、トップシート18の中央域14の密度が過度に上昇することが防止され、流速の速い体液を素早く吸収することができる。
圧搾により吸収性繊維32の密度が上昇した第1及び第2圧搾凹部24a,24bが連なっていることにより、吸収体20は変形しにくくなる。別言すれば、吸収体20の剛性が向上する。さらに、下層被覆シート23が吸収コア21の中に進入していること、及び、吸収コア21が上層及び下層被覆シート22,23に接着されていることにより、吸収体20の中で吸収コア21が幅方向X及び長手方向Yに動くことが抑制される。これらにより、生理用ナプキン10の使用中に、吸収体20を幅方向Xに圧縮したり捩じったりする力が加わったときでも、吸収体20の型崩れやヨレの発生が抑制される。また、第1及び第2圧搾凹部24a,24bを吸収コア21の下層被覆シート23側に配置しているので、生理用ナプキン10の使用中に、着用者がトップシート18を通して第1及び第2圧搾凹部24a,24bの凹凸を感じて不快感を覚えることが無い。
吸収体20は、ホットメルト接着剤が塗布されたトップシート18及び裏面シート12の間に挟まれて、トップシート18の非肌対向面及び裏面シート12の肌対向面に接合される。トップシート18及び裏面シート12にホットメルト接着剤を塗布するとき、ドット状、ストライプ状、波形状、またはスパイラル状に塗布することが好ましい。
複数条の外郭圧搾溝15には、長手方向Yに並行に延びる一対の第1溝部15aと、幅方向に並行に延びる一対の第2溝部15bとが含まれる。第1溝部15aと第2溝部15bとは接続しておらず、隣接する第1溝部15aと第2溝部15bとの間には、分離領域16が位置する。外郭圧搾溝15は、エンボス加工によりトップシート18を上層被覆シート22とともに裏面シート12に向けて圧搾することにより形成される。外郭圧搾溝15の底部は下層被覆シート23から離間しており、上層被覆シート22と下層被覆シート23との間に吸収コア21が介在する。外郭圧搾溝15は、生理用ナプキン10の使用中にトップシート18の中央域14に排泄された体液が幅方向Xに流れ広がることを抑制する。また、吸収体20からトップシート18が剥がれることを抑制する。
図1、図2を参照して、吸収コア21の幅方向X両外側を長手方向Yに延びる一対のサイド接合部38において、表面シート11に含まれるトップシート18及びサイドシート35と、裏面シート12との間に、上層被覆シート22、下層被覆シート23が挟み込まれて、厚さ方向Zにおいて互いに隣り合うシート部材どうしが接合されている。このように、本実施形態のサイド接合部38では5枚のシート部材が重なり合って接合されているので、従来のように表面シート11と裏面シート12との2枚のシート部材のみで吸収体20を覆って吸収コア21の幅方向X外側において接合した場合と比較すると、サイド接合部38は、外力を受けたとき変形しにくい。別言すれば、サイド接合部38は相対的に高剛性になる。なお、表面シート11が一枚のシート部材で形成され、サイド接合部38において4枚のシート部材が重なり合う場合でも、サイド接合部38は上記と同様に相対的に高剛性になる。
本発明の生理用ナプキン10を装着する際、図7に示すように、仮想線で示す下着40(生理用ショーツ)の股下部の内側に生理用ナプキン10を置いた後、ウイング部36を下着40の外面(非肌対向面)に向けて折り返して粘着剤37により一時的に固定する。このとき、前述のようにサイド接合部38は相対的に高剛性になるので、ウイング部36は長手方向Yに延びる一対のサイド接合部38の幅方向X両外側で折り返される。したがって、ウイング部36が折り返された状態のとき、すなわち生理用ナプキン10の使用時には、一対のサイド接合部38が生理用ナプキン10の長手方向Y両側縁部に位置する。サイド接合部38は吸収体20の幅方向X両外側に位置するため、使用中の生理用ナプキン10に、幅方向Xに圧縮したり、捩じったりする力が加わったときでも、相対的に高剛性のサイド接合部38により、吸収体20の側部のめくれが抑制される。これにより、使用時に変形しにくい生理用ナプキン10が提供される。なお、図7では、外郭圧搾溝15、及び囲繞圧搾溝17の図示は省略している。
本実施形態では、長手方向Yに連続して延びるサイド接合部38の一部が、外周シール部39に重なっている。サイド接合部38と外周シール部39とが重なる位置は、ウイング部36が折り返された状態における生理用ナプキン10の角部に相当し、吸収体20の角部に相当する位置でもある。このように、吸収体20の角部に相対的に高剛性のサイド接合部38が位置するとともに、外周シール部39がサイド接合部38に重なることにより、吸収体20の側部に加え、角部のめくれも抑制される。
さらに、サイド接合部38において、上層及び下層被覆シート22,23を、表面シート11に含まれるトップシート18と裏面シート12との間に挟んで接合することにより、吸収体20がトップシート18と裏面シート12との間で幅方向X及び長手方向Yにずれ動くことが防止される。これにより生理用ナプキン10の使用時に吸収体20の位置ずれに起因する吸収体20の型崩れやヨレの発生が防止される。本発明のサイド接合部38は、以上のようにして生理用ナプキン10の使用時における変形を防止することができる。
アセアン地域において生理用ナプキン10を洗浄する際、手でもみ洗いすることが多い。生理用ナプキン10を手でもみ洗いすると、吸収体20が手で圧迫されることにより吸水性ポリマー31及び吸収性繊維32の分布に偏りが生じる結果、吸収体20の中で吸収コア21が偏在しやすい。さらに、吸収体20の中に多量の水が浸透することにより、吸水性ポリマー31が大きく膨潤する。したがって、生理用ナプキン10を洗浄すると吸収体20の変形が生じやすく、最悪の場合、生理用ナプキン10の分解に至ることがある。
本発明では、吸収コア21を上層及び下層被覆シート22,23に接着剤で接合し、さらに、サイド接合部38において、上層及び下層被覆シート22,23をそれぞれトップシート18及び裏面シート12に接合している。このため、生理用ナプキン10を手でもみ洗いしたときでも、吸収体20の中で吸収コア21が偏在することが防止され、さらに吸収体20がトップシート18と裏面シート12との間でずれ動くことが防止される。すなわち、本発明の生理用ナプキン10は、洗浄中においても吸収体20の変形が防止されている。さらに、本実施形態では吸収体20に複数の第1及び第2圧搾凹部24a,24bが配置されていることにより、生理用ナプキン10を手でもみ洗いしたときでも、吸収体20の中で吸水性ポリマー31及び吸収性繊維32の分布に偏りが生じることが防止される。
本発明の生理用ナプキン10は、洗浄中においても吸収体20の変形が防止されていることにより、もみ洗いするとき生理用ナプキン10の形状が崩れて手で掴みにくくなることが防止され、さらに吸収体20の中での吸収コア21の偏在が防止されることにより、吸収コア21全体に水が均等に循環し易くなり、生理用ナプキン10を容易かつ速やかに洗浄することが可能になる。また、本発明では、サイド接合部38において4枚以上(本実施形態では5枚)のシート部材を重ね合わせて接合しているので、洗浄中に誤って生理用ナプキン10を幅方向に引き裂く力を加えてしまった場合でも、サイド接合部38により裂け目が吸収体20に達することが防止される。
ここで、洗浄時に吸水性ポリマー31が大きく膨潤し、サイド接合部38に含まれる上層被覆シート22と下層被覆シート23とが剥離して、吸収コア21(すなわち、吸水性ポリマー31及び吸収性繊維32)が吸収体20の外に漏れ出すこともあり得る。本発明では、サイド接合部38の幅方向X外側に、表面シート11に含まれるサイドシート35と、裏面シート12とを含むウイング部36を配置し、さらに、サイドシート35と裏面シート12との間に上層及び下層被覆シート22,23を挟み込んで各シート部材どうしを接合している。このため、サイド接合部38において上層被覆シート22と下層被覆シート23とが剥離して、吸収体20から吸収コア21が漏れ出したとしても、漏れ出した吸収コア21はサイドシート35と裏面シート12とでせき止められ、生理用ナプキン10の外に漏れ出すことは無い。したがって、生理用ナプキン10全体の形状が大きく変形することは無い。
本発明では、好ましくは、長手方向Yにおいて上層及び下層被覆シート22,23の両端縁22a,23aを外周シール部39から離間させ、上層及び下層被覆シート22,23の両端縁22a,23aと外周シール部39との間において、表面シート11に含まれるトップシート18と、裏面シート12とを互いに接合する。これにより、上層及び下層被覆シート22,23の両端縁22a,23aにおいて剥離が生じて、吸収体20から吸収コア21が漏れ出したときでも、漏れ出した吸収コア21をトップシート18及び裏面シート12でせき止めて、生理用ナプキン10の外に漏れ出すことを防止できる。なお、本発明では、生理用ナプキン10の長手方向Y両端部10aにおいて、上層及び下層被覆シート22,23の両端縁22a,23aを外周シール部39から離間させることは必須ではない。例えば、上層及び下層被覆シート22,23の両端縁22a,23aの形状を三角形または台形にして、両端縁22a,23aの一部が外周シール部39に重なり合うようにすることもできるし、両端縁22a,23aと外周シール部39とが重なり合うようにすることもできる。
<第2の実施形態>
第1の実施形態では、トップシート18、サイドシート35、上層被覆シート22、及び下層被覆シート23を、化学繊維を用いて製造された不織布で形成する場合について説明した。これに代えて、上層及び下層被覆シート22,23の少なくとも一方を、天然繊維を用いて製造された不織布で形成することもできる。このような天然繊維の不織布としてエアレイドパルプが挙げられる。上層被覆シート22にエアレイドパルプを用いれば、排泄された体液を速やかにトップシート18から吸収体20へ浸透させることができるので好ましい。また、下層被覆シート23にエアレイドパルプを用いれば、一時的に多量の体液が排泄され吸収体20で吸収しきれなかったときでも、体液を下層被覆シート23で一旦保持した後、吸収体20に吸収させることができるので好ましい。なお、本実施形態と第1の実施形態との相違点は、上層及び下層被覆シート22,23の材質のみなので、図示は省略する。
一般に、エアレイドパルプは水に浸したとき強度が低下する。しかし第2の実施形態では、上層及び下層被覆シート22,23を構成するエアレイドパルプは、吸収コア21とトップシート18及び裏面シート12にホットメルト接着剤で接合されることにより補強されるので、水に浸したときでも破れが抑制される。また、サイド接合部38において上層及び下層被覆シート22,23に含まれるエアレイドパルプが剥離したときでも、吸収体20から漏れ出した吸収コア21は、幅方向Xに延び出すウイング部36に含まれるサイドシート35及び裏面シート12によりせき止められ、生理用ナプキン10の外に漏れ出すことはない。さらに、両端縁22a,23aを外周シール部39から離間させることにより、上層及び下層被覆シート22,23の両端縁22a,23aにおいて上層被覆シート22と下層被覆シート23とが剥離したときでも、吸収コア21は両端縁22a,23aと外周シール部39との間に位置するトップシート18及び裏面シート12によりせき止められ、生理用ナプキン10の外に漏れ出すことはない。したがって、生理用ナプキン10全体の形状が大きく変形することは無い。なお、第2の実施形態の変形例として、上層及び下層被覆シート22,23のいずれか一方のみにエアレイドパルプを用いることもできる。
以上、本発明について、実施形態とその変形例に基づき説明したが、本発明はこれらに限定されず、種々変更して実施することができる。例えば、トップシート18の形状は、女性の身体及び下着の形状に適合する形状であれば、図示例の長円状の形状に限定されず、例えば角の丸い長方形、または瓢箪型の形状にすることができる。同様に、吸収体20の形状も、図示例の両側縁が直線状である形状に限定されず、例えば楕円形や瓢箪型にすることができる。また、外郭圧搾溝15及び囲繞圧搾溝17を省略することもできるし、外郭圧搾溝15及び囲繞圧搾溝17の少なくとも一方を下層被覆シート23に接合することもできる。本発明の明細書及び特許請求の範囲において、用語「第1」〜「第4」は、同様の要素、位置等を区別するために用いられている。
以上に記載した本発明に関する開示は、少なくとも下記の事項に整理することができる。
液透過性の表面シート11と、液不透過性の裏面シート12と、表面及び裏面シート11,12の間に挟まれる吸収体20を備え、吸収体20が、表面シート11側に位置する上層被覆シート22と、裏面シート12側に位置する下層被覆シート23と、上層及び下層被覆シート22,23との間に挟まれる吸収コア21を備える縦長の吸収性物品10であって、吸収コア21の少なくとも一部が上層及び下層被覆シート22,23に接着剤で接合され、上層及び下層被覆シート22,23は、吸収コア21の幅方向X及び長手方向Yの少なくとも一方の外側に延び出し、吸収コア21の外側に延び出した上層及び下層被覆シート22,23が、表面シート11と裏面シート12との間に接合されることを特徴とする、吸収性物品10。
上記段落0056に開示した本発明は、少なくとも下記の実施の形態を含むことができる。該実施の形態は、分離してまたは互いに組み合わせて採択することができる。
(1)表面及び裏面シート11,12が吸収性物品10の外周縁に沿って配置される外周シール部39において互いに接合され、上層及び下層被覆シート22,23が吸収コア21の長手方向Y外側に延び出し、上層及び下層被覆シート22,23のそれぞれにおいて長手方向Yに延びる一対の側縁22b,23bの一部が、外周シール部39と交わって表面シート11と裏面シート12との間に接合される。
(2)吸収体20において少なくとも吸収コア21が存在する領域に、吸収体20の厚さ方向Zに凹む圧搾凹部24が配置され、圧搾凹部24において吸収コア21の密度が圧搾により上昇している。
(3)吸収体20において、吸収コア21の幅方向X及び長手方向Yの少なくとも一方の外側に延び出す上層及び下層被覆シート22,23にも圧搾凹部24が配置され、圧搾凹部24において上層及び下層被覆シート22,23が吸収体20の厚さ方向Zに凹んで互いに密着する。
(4)上層及び下層被覆シート22,23がそれぞれ、長手方向Y両端に位置して幅方向Xに延びる両端縁22a,23aを有し、長手方向Yにおいて、上層及び下層被覆シート22,23の両端縁22a,23aの少なくとも一部が外周シール部39から離間し、上層及び下層被覆シート22,23の両端縁22a,23aと、外周シール部39との間において、表面シート11と裏面シート12とが互いに接合される。
(5)表面シート11が熱可塑性樹脂製の繊維を含む不織布から形成される。
(6)上層及び下層被覆シート22,23の少なくとも一方が、熱可塑性樹脂製の繊維を含む不織布から形成される。
(7)上層及び下層被覆シート22,23が吸収コア21の幅方向X両外側に延び出し、表面シート11が、吸収体20を覆うトップシート18と、トップシート18の幅方向X両側に配置されてトップシート18の両側部18aに接合される一対のサイドシート35とを備え、吸収コア21の幅方向X両外側に長手方向Yに延びる一対のサイド接合部38が配置され、サイド接合部38において、サイドシート35とトップシート18の側部18aとが重なり合って接合され、さらに、重なり合ったサイドシート35及びトップシート18と、裏面シート12との間に、上層及び下層被覆シート22,23が接合される。
(8)サイド接合部38において、上層被覆シート22と下層被覆シート23とが溶着のみによって接合される。
(9)吸収性物品10の長手方向Y両端部10aにおいて、長手方向Yに延びるサイド接合部38が、外周シール部39の一部に交わる。
(10)吸収コア21が、上層及び下層被覆シート22,23に間隔をあけて塗布されたホットメルト接着剤により、上層及び下層被覆シート22,23に接合される。
10 生理用ナプキン(吸収性物品)
10a 生理用ナプキン(吸収性物品)の両端部
11 表面シート
12 裏面シート
14 中央域
15 外郭圧搾溝
15a 第1溝部
15b 第2溝部
16 分離領域
17 囲繞圧搾溝
18 トップシート
18a トップシートの側部
18b トップシートの両端
20 吸収体
21 吸収コア
22 上層被覆シート
22a 上層被覆シートの端縁
22b 上層被覆シートの側縁
23 下層被覆シート
23a 下層被覆シートの端縁
23b 下層被覆シートの側縁
24 圧搾凹部
31 吸水性ポリマー
32 吸収性繊維
35 サイドシート
36 ウイング部
38 サイド接合部
39 外周シール部

Claims (11)

  1. 液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、前記表面及び裏面シートの間に挟まれる吸収体を備え、前記吸収体が、前記表面シート側に位置する上層被覆シートと、前記裏面シート側に位置する下層被覆シートと、前記上層及び前記下層被覆シートとの間に挟まれる吸収コアを備える縦長の吸収性物品であって、
    前記吸収コアの少なくとも一部が、前記上層及び下層被覆シートに接着剤で接合され、
    前記上層及び下層被覆シートは、前記吸収コアの幅方向及び長手方向の少なくとも一方の外側に延び出し、
    前記吸収コアの外側に延び出した前記上層及び下層被覆シートが、前記表面シートと前記裏面シートとの間に接合されることを特徴とする、前記吸収性物品。
  2. 前記表面及び裏面シートが前記吸収性物品の外周縁に沿って配置される外周シール部において互いに接合され、前記上層及び下層被覆シートが前記吸収コアの長手方向外側に延び出し、前記上層及び下層被覆シートのそれぞれにおいて前記長手方向に延びる一対の側縁の一部が、前記外周シール部と交わって前記表面シートと前記裏面シートとの間に接合される、請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記吸収体において少なくとも前記吸収コアが存在する領域に、前記吸収体の厚さ方向に凹む圧搾凹部が配置され、前記圧搾凹部において前記吸収コアの密度が圧搾により上昇している、請求項1または2に記載の吸収性物品。
  4. 前記吸収体において、前記吸収コアの幅方向及び長手方向の少なくとも一方の外側に延び出す前記上層及び下層被覆シートにも前記圧搾凹部が配置され、前記圧搾凹部において前記上層及び下層被覆シートが前記吸収体の厚さ方向に凹んで互いに密着する、請求項3に記載の吸収性物品。
  5. 前記上層及び下層被覆シートがそれぞれ、前記長手方向両端に位置して前記幅方向に延びる両端縁を有し、前記長手方向において、前記上層及び下層被覆シートの前記両端縁の少なくとも一部が前記外周シール部から離間し、前記上層及び下層被覆シートの前記両端縁と、前記外周シール部との間において、前記表面シートと前記裏面シートとが互いに接合される、請求項2から4のいずれか1項に記載の吸収性物品。
  6. 前記表面シートが熱可塑性樹脂製の繊維を含む不織布から形成される、請求項1から5のいずれか1項に記載の吸収性物品。
  7. 前記上層及び下層被覆シートの少なくとも一方が、熱可塑性樹脂製の繊維を含む不織布から形成される、請求項1から6のいずれか1項に記載の吸収性物品。
  8. 前記上層及び下層被覆シートが前記吸収コアの幅方向両外側に延び出し、
    前記表面シートが、前記吸収体を覆うトップシートと、前記トップシートの幅方向両側に配置されて前記トップシートの両側部に接合される一対のサイドシートとを備え、
    前記吸収コアの前記幅方向両外側に前記長手方向に延びる一対のサイド接合部が配置され、
    前記サイド接合部において、前記サイドシートと前記トップシートの前記側部とが重なり合って接合され、
    さらに、重なり合った前記サイドシート及び前記トップシートと、前記裏面シートとの間に、前記上層及び下層被覆シートが接合される、請求項1から7のいずれか1項に記載の吸収性物品。
  9. 前記サイド接合部において、前記上層被覆シートと前記下層被覆シートとが溶着のみによって接合される、請求項8に記載の吸収性物品。
  10. 前記吸収性物品の前記長手方向両端部において、前記長手方向に延びる前記サイド接合部が、前記外周シール部の一部に交わる、請求項8または9に記載の吸収性物品。
  11. 前記吸収コアが、前記上層及び下層被覆シートに間隔をあけて塗布されたホットメルト接着剤により、前記上層及び下層被覆シートに接合される、請求項1から10のいずれか1項に記載の吸収性物品。
JP2014079933A 2014-04-09 2014-04-09 吸収性物品 Active JP6320827B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014079933A JP6320827B2 (ja) 2014-04-09 2014-04-09 吸収性物品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014079933A JP6320827B2 (ja) 2014-04-09 2014-04-09 吸収性物品

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2015198798A true JP2015198798A (ja) 2015-11-12
JP2015198798A5 JP2015198798A5 (ja) 2017-03-30
JP6320827B2 JP6320827B2 (ja) 2018-05-09

Family

ID=54550699

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014079933A Active JP6320827B2 (ja) 2014-04-09 2014-04-09 吸収性物品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6320827B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020036736A (ja) * 2018-09-04 2020-03-12 花王株式会社 吸収性物品
CN111278396A (zh) * 2017-11-06 2020-06-12 宝洁公司 具有适形特征部的吸收制品
JP2020188935A (ja) * 2019-05-22 2020-11-26 花王株式会社 吸収性物品

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08191851A (ja) * 1995-01-13 1996-07-30 Uni Charm Corp 使い捨ておむつ
JP2001009960A (ja) * 1999-06-29 2001-01-16 Uni Charm Corp 積層パネル
JP2004229767A (ja) * 2003-01-29 2004-08-19 Uni Charm Corp 吸収性物品
JP2012005521A (ja) * 2010-06-22 2012-01-12 Daio Paper Corp 吸収性物品
JP2013078366A (ja) * 2011-09-30 2013-05-02 Unicharm Corp 吸収性物品

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08191851A (ja) * 1995-01-13 1996-07-30 Uni Charm Corp 使い捨ておむつ
JP2001009960A (ja) * 1999-06-29 2001-01-16 Uni Charm Corp 積層パネル
JP2004229767A (ja) * 2003-01-29 2004-08-19 Uni Charm Corp 吸収性物品
JP2012005521A (ja) * 2010-06-22 2012-01-12 Daio Paper Corp 吸収性物品
JP2013078366A (ja) * 2011-09-30 2013-05-02 Unicharm Corp 吸収性物品

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111278396A (zh) * 2017-11-06 2020-06-12 宝洁公司 具有适形特征部的吸收制品
JP2021500174A (ja) * 2017-11-06 2021-01-07 ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニーThe Procter & Gamble Company 適合特徴部を有する吸収性物品
JP7170039B2 (ja) 2017-11-06 2022-11-11 ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー 適合特徴部を有する吸収性物品
US11857397B2 (en) 2017-11-06 2024-01-02 The Procter And Gamble Company Absorbent article with conforming features
JP2020036736A (ja) * 2018-09-04 2020-03-12 花王株式会社 吸収性物品
JP7089443B2 (ja) 2018-09-04 2022-06-22 花王株式会社 吸収性物品
JP2020188935A (ja) * 2019-05-22 2020-11-26 花王株式会社 吸収性物品

Also Published As

Publication number Publication date
JP6320827B2 (ja) 2018-05-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5868172B2 (ja) 吸収性物品
JP5517290B2 (ja) 吸収性物品
JP4502586B2 (ja) 使い捨て吸収性物品
JP5868123B2 (ja) 使い捨て着用物品
JP4416441B2 (ja) 使い捨て吸収性物品
WO2008069279A1 (ja) 吸収性物品
JP5926904B2 (ja) 吸収性物品
JP2016174741A (ja) 吸収性物品
JP6207475B2 (ja) 吸収性物品
WO2013161734A1 (ja) 使い捨ておむつ
JP5693267B2 (ja) 吸収性物品
JP5432753B2 (ja) 吸収性物品
JP2017118924A (ja) 吸収性物品、及び、吸収性物品の製造方法
JP2017104254A (ja) 吸収性物品
JP6320827B2 (ja) 吸収性物品
JP2012050744A (ja) 吸収性物品
JP6932887B2 (ja) 軽失禁用吸収性物品
JP6207557B2 (ja) 吸収性物品
JP2003290277A (ja) 吸収性物品
JP4966841B2 (ja) 使い捨てパンツ型おむつ
JPH0928732A (ja) 吸収性物品
JP2019170626A (ja) 吸収性物品
JP6353237B2 (ja) 吸収性物品
JP2013042881A (ja) 吸収性物品
TWI823849B (zh) 吸收性物品

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170221

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170221

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171113

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171128

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180124

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180306

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180404

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6320827

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250