JP7096680B2 - 吸収性物品 - Google Patents
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Description
失禁パッド1は、図3に示すように、肌対向面を形成する液透過性の表面シート2、非肌対向面を形成する裏面シート3及びこれら両シート2,3間に介在された吸収体4を備えた吸収性本体10と、該吸収性本体10の横方向Yの両側部に配された一対の防漏カフ15とを備えている。
第1折り線FL1及び第2折り線FL2は、前方部Aと後方部Cとの縦方向の長さが等しくなる位置に配されていても良く、吸収性物品を縦方向Xにおいて3等分する位置に配されていても良い。
また、本実施形態の表面シート2は、図3に示すように、肌対向面側、即ち第1シート2aに凹部12b及び凸部12aからなる凹凸領域を有している。第1シート2aの凸部12aと第2シート2bとの間には中空部2cがあり、第1シート2aの凹部12b部分は、第2シート2bと接合されている。
表面シート2は、本実施形態のように凹凸領域を有していても良く、凹凸領域を有さない平坦なものであっても良い。
表面シート2として、例えば、尿などの体液を透過し得る液透過性シートであることを前提として、合成繊維又は天然繊維からなる織布や不織布、多孔性シート等を用いることができる。
裏面シート3として、例えば、液不透過性又は撥水性の樹脂フィルム、樹脂フィルムと不織布とのラミネートシート等を用いることができる。裏面シート3に関し、液不透過性とは、液難透過性も含む概念であり、裏面シート3が液を全く通さない場合も含まれる。
本実施形態における防漏カフ15は、失禁パッドが前記三つ折り状態から展開された状態(図1及び図5参照)では、伸縮部16の収縮によって、端部固定部17間の折り返し部15cが着用者の身体側に向けて起立する。防漏カフ15が着用中に起立することにより、尿等の排泄液の横漏れを防止する。
本実施形態における吸収体4は、図1に示すように平面視して、角が丸みを帯びた略矩形形状であり、前方部Aから排泄部対向部Bを経て後方部Cに亘って延びている。
基材シート20としては、吸収性コア14を保持し得る材料のものが用いられ、液透過性シートであってもよく、液不透過性シート又は液難透過性シートであってもよい。基材シート20は、例えば不織布、紙、織布、及びフィルムなどから構成することができる。これらの2種以上の材料の積層体を基材シートとして用いてもよい。尿等の排泄液を平面方向に拡散させる観点からは、基材シートは液透過性の繊維シートからなることが好ましい。
前記溶解度の測定方法は以下の通りである。100mLのガラスビーカー(5mmΦ)に対象物を所定量、25℃の50mLイオン交換水に添加混合し、長さ20mm、幅7mmのスターラーチップを入れ、アズワン株式会社製マグネチックスターラーHPS-100を用いて600rpm撹拌する。添加した対象物の全量が24時間以内に水に溶解するか否かを確認する。斯かる一連の作業を、評価対象物の総重量(前記ビーカーへの投入量)が異なる複数のサンプルについて行い、評価対象物の全量が溶解した複数のサンプルのうち、その溶解量が最大であったサンプルにおける評価対象物の総重量の2倍の値を、前記溶解度とする。前記溶解度は、好ましくは1g以上、更に好ましくは5g以上、一層好ましくは10g以上である。
吸収性物品の薄型化を容易とする観点から、本発明の吸収性物品において、吸収性コア14は繊維材料を非含有であることが好ましい。
吸水性樹脂43は、自重の20倍以上の水を吸収して保持できるものであることが好ましい。また、吸水性樹脂43は、対象物が尿であれば自重の20倍以上、特に30倍以上を吸収して保持できるものが好ましく、血液であれば1倍以上、好ましくは3倍以上を吸収・保持できるものが好ましい。吸水性樹脂43における水の吸収・保持の上限値に特に制限はないが、自重の1000倍を上限の目安とすることができる。
吸水性樹脂43の形状は特に制限されず、球状、塊状、俵状又は不定形であっても良く、繊維状のものでもよい。
本発明の吸収性物品は、薄型の吸収体を備え、縦方向Xの中央位置を挟んでその前後に位置する2本の折り線FL1,FL2間、即ち折り線間領域FRに伸縮部16を有し、該2本の折り線FL1,FL2より外方に端部固定部17を有しているため、前述の伸縮部を横方向Yの内方側に向かわせる力が、防漏カフの固定端等の伸縮部以外の部分を介して、縦方向X及び横方向Yに伝達する。その結果、縦方向Xについてみると、吸収性物品は縦方向Xの断面視で全体が凹形状となる。また、横方向Yについてみると、伸縮部を横方向Yの内方側に向かわせる力の影響で、吸収性物品は、伸縮部16が存在する領域が、横方向Yの断面視で凹形状となる。この横方向Yの断面視で凹形状となる力は伸縮部16の存在しない外方領域まで伝達しにくく、該外方領域は横方向の断面視で凹形状になりにくい。即ち、本発明の吸収性物品は、横方向Yの断面視で、折り線間領域FRの前後にある外方領域(本実施形態の前方部A及び後方部C)はほぼ平坦であり、折り線間領域FR(本実施形態の排泄部対向部B)は凹形状である一方、縦方向Xの断面視で、物品全体として断面形状が凹である。装着時に折り畳まれた状態から展開した後、このような形状が実現されていると、吸収性物品を着用者の腹部から股間部、臀部にかけて当接させ易く、装着時の作業性に優れる。また、装着中も好ましい形状が安定的に維持されることでフィット性に優れる。
一方、薄型の吸収体を備えたとしても、従来の吸収性物品のように、伸縮部が前記2本の折り線を超えて存在すると、物品全体として縦方向Xの断面視形状が凹形状となると共に、外方領域の横方向Yの断面視形状が凹形状となる。これにより、外方領域の形状が着用者の身体に沿わない形状に歪んでしまい、装着時の違和感や物品の身体からの浮きにつながる可能性がある。このような場合は、装着の作業性やフィット性が低下しやすい。また、伸縮部16及び端部固定部17が2本の折り線FL1,FL2間にあると、端部固定部17を介して2本の折り線FL1,FL2間の内方に向かう力が外方領域にも伝わり、やはり物品全体として歪んだ形状となってしまい、同様の不都合が発生しやすい。
また、伸縮部16の縦方向Xの長さL16は、好ましくは20mm以上、より好ましくは30mm以上であり、また好ましくは180mm以下、より好ましくは150mm以下であり、また好ましくは20mm以上180mm以下、より好ましくは30mm以上150mm以下である。
なお、特に言及しない限り、本明細書に記載の距離や寸法は、吸収性物品を平面状に拡げた状態において測定する。
以下、吸収性コア14において、防漏カフ15の固定端15bの位置よりも横方向Yの外側に位置する部分をサイド吸収部14Sともいい、防漏カフ15の固定端15bの位置よりも横方向Yの内側に位置する部分を中央吸収部14Cともいう。
本実施形態の吸収性コア14においては、サイド吸収部14Sの坪量が、中央吸収部14Cの坪量に比して低い。斯かる構成を有すると、横方向Yへの収縮力が発生する排泄部対向部Bにおける吸収体の剛性が低下し、横方向Yの断面において凹状に湾曲しやすくなるという効果が奏される。斯かる効果は、吸収性コア14における、防漏カフの固定端15bの位置より外側に吸収性コアが存在しない場合にも同様に奏される。但し、吸収体の横方向Yへの剛性を確保する観点から、吸収性コア14は、固定端15bの位置より外方に延出するサイド吸収部14Sを有し、サイド吸収部14Sの坪量が、中央吸収部14Cの坪量に比して低いことがより好ましい。
また、吸収性コア14の重量を測定する場合は、乾燥状態の吸収体4の重量を測定しておき、吸収体4を水に浸漬させる。浸漬させた吸収体4から撹拌などによって吸収性コアをはがしたら、基材シートを乾燥させ、乾燥状態の吸収体4の重量から基材シートの重量を差し引き、これを吸収性コアの重量とする。
また、吸収前の吸収性コア14の厚みD3(図4参照)は、吸収体4の厚みD1(図4参照)に対して、好ましくは50%以上、より好ましくは65%以上、また好ましくは90%以下、より好ましくは80%以下、また好ましくは50%以上90%以下、より好ましくは65%以上80%以下である。
吸収性物品の中には吸収性コアがティッシュペーパーや不織布等のコアラップシートで被覆されたものがあるが、吸収性物品をより薄型化する観点から、吸収体4は、基材シート20の吸収性コア14が形成された面が別体のシートによって被覆されていないことが好ましい。
前記凹部は、吸収性コア14において、吸収性コア14の形成材料が存在しない部分、もしくは他の部分に比して相対的に低坪量である部分である。凹部を有することによって該凹部が屈曲点となり、吸収体をより柔軟に変形させることができる。吸収性コア14は、複数の凹部を有していても良い。
また、吸収性コア14を横方向Yに湾曲しやすくする観点から、凹部は縦方向Xに延びていることが好ましい。特に凹部を防漏カフの固定端15b付近に配置することで、吸収性コア14が横方向Yの断面において凹状に湾曲しやすくなるという効果が奏される。これと同様の効果を奏させる観点から、中央吸収部14Cとサイド吸収部14Sとの間に凹部を有していても良い。この場合、凹部は、サイド吸収部14Sに比して坪量が低い。
さらに、縦方向Xに延びる複数の凹部を横方向Yに間欠的に配置すると、吸収性コア14が横方向Yに容易に湾曲するため、吸収体の柔軟性が向上する。
凹部を有する吸収性コア14は、後述する製造方法により得られる。
吸水性樹脂43のメジアン径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LA-920、堀場製作所社製)を用いて、下記の測定条件にて測定することができる。
測定方法:フロー法
分散媒:エタノール/蒸留水=90/10wt%
分散方法:攪拌、内蔵超音波3分
試料濃度:0.1%
また、吸収性コア14における水溶性高分子47の含有量は、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上であり、また好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下であり、また好ましくは0.05質量%以上10質量%以下、より好ましくは0.1質量%以上8質量%以下含まれている。
また吸収性コアには、以上の成分に加え、必要に応じて該吸収性コアの各種の性能を向上させ得る成分を含有させることもできる。そのような成分としては、例えば増粘剤、pH調整剤などが挙げられる。
このように、塗工ヘッド54は、基材シート20上に、組成物60の非塗工部64を部分的に形成するように、組成物60を塗工して塗布体63を形成しても良い。
また、図7に示すように、塗工ヘッド54は、基材シート20上に、前述の中央吸収部14Cに対応する中央塗布体63Cと、前述のサイド吸収部14Sに対応するサイド塗布体63Sとを形成しても良い。例えば、連続体20Sの搬送方向Dと直交する直交方向Eにおける基材シート20の中央に中央塗布体63Cを、該中央塗布体63Cの両側にサイド塗布体63Sを形成しても良い。この場合、中央吸収部14Cとサイド吸収部14Sとの坪量が、前述の関係となるよう、中央塗布体63Cとサイド塗布体63Sとの組成物60の坪量を異ならせるよう、組成物60を塗工する。
例えば、本発明の吸収性物品は、失禁パッドの他、使い捨ておむつや生理用ナプキン等であっても良い。上述した効果をより確実に奏させる観点から、本発明の吸収性物品は、防漏カフの伸縮部を形成する弾性部材以外の弾性部材であって、装着時に脚周りに配されるものを具備しない吸収性物品であることが好ましい。
また、上述した実施形態の吸収性コア14は、中央吸収部14Cとサイド吸収部14Sとを有していたが、吸収性コア14は、吸収性コア全体が均一な坪量であっても良い。
前述した実施形態において吸収性物品は、該吸収性物品を縦方向Xに折り返している複数の折り線として、縦方向Xの中央位置を挟んでその前後に位置する2本の折り線FL1,FL2のみを有していたが、本発明の吸収性物品は、該2本の折り線FL1,FL2以外の折り線を有していてもよい。2本の折り線FL1,FL2のみを有する場合、吸収性物品は、使用前の包装状態において図8(a)に示すように、該2本の折り線FL1,FL2に沿って折り返されて三つ折り状態に折り畳まれている。2本の折り線FL1,FL2とそれ以外の折り線とを有する場合、例えば前記2本の折り線に加えて他の折り線FL3を1本有する場合、吸収性物品は、使用前の包装状態において図8(b)に示すように4つ折り状態に折り畳まれている。
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
5 サイドシート
6 圧搾溝
10 吸収性本体
20 基材シート
20S 連続体
14 吸収性コア
15 防漏カフ
16 伸縮部
17 端部固定部
43 吸水性樹脂
47 水溶性高分子
50 装置
51 供給部
51a タンク
51b 撹拌翼
51c シャフト
51d 回転駆動源
52 管路
53 塗布部
54 塗工ヘッド
55 乾燥部
60 組成物
63 塗布体
Claims (5)
- 着用者の前後方向に対応する縦方向及び該縦方向に直交する横方向を有し、肌対向面を形成する表面シート、非肌対向面を形成する裏面シート及びこれら両シート間に介在された吸収体を備えた吸収性本体と、該吸収性本体の前記縦方向の両側部に配された防漏カフとを備えた吸収性物品であって、
前記吸収性物品は、前記縦方向の中央位置を挟んでその前後に位置する2本の折り線を含む複数の折り線それぞれに沿って肌対向面側に折り返されて前記縦方向に折り畳まれており、
前記防漏カフは、前記吸収性物品の前記縦方向における前記2本の折り線間のみに、該縦方向に伸縮する伸縮部を有しており、
前記防漏カフは、前記縦方向における前記2本の折り線それぞれの位置より外方側に離間した位置のみに、前記吸収性本体に固定された端部固定部を有しており、
前記吸収体は、基材シートと、該基材シートの片面に形成された吸収性コアとを備え、該吸収性コアは、吸水性樹脂と、該吸水性樹脂を前記基材シートに固定する水溶性高分子とを含み、
前記吸収体の厚みが0.1mm以上2mm以下である、吸収性物品。 - 前記吸収性物品を前記縦方向に折り返している前記複数の折り線が、前記2本の折り線のみであり、
前記吸収性物品が三つ折り状態に折り畳まれている、請求項1に記載の吸収性物品。 - 前記吸収性コアは、前記吸収性物品の横方向における前記防漏カフの固定端の位置より外側の部分が、該固定端の位置より内側の部分に比して坪量が低いか、又は該防漏カフの固定端の位置より外側に吸収性コアが存在しない、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
- 前記吸収体は、前記基材シートの前記吸収性コアが形成された面が別体のシートによって被覆されていない、請求項1~3の何れか1項に記載の吸収性物品。
- 前記吸収体は、前記基材シートの前記吸収性コアが形成された面が前記裏面シート側に向いている、請求項1~4の何れか1項に記載の吸収性物品。
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