JP2015163130A - 吸収性物品及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、柔軟性および吸収速度に優れた吸収性物品およびその製造方法を提供することにある。
(1)本発明の一側面に係る吸収性物品は、液透過性のトップシートと、上記トップシートに対向する液不透過性のバックシートと、上記トップシートと上記バックシートとの間に配置され、フラッフ化パルプなどの木材パルプ繊維と高吸収性樹脂とを含む吸収体と、を備えた吸収性物品であって、上記吸収体は、圧搾溝が設けられた上面と、上記上面に対向する底面と、を規定し、上記圧搾溝は、上記底面と上記圧搾溝の最下部との距離が1mm以上であって2mm以下、かつ、上記上面から見た仕上げ幅が1mm以上であって3mm以下となるように設けられたものであることを特徴とする。
(2) 本発明の他側面に係る吸収性物品は、(1)の吸収性物品において、上記吸収体は、長手方向および短手方向の少なくとも一方に、中央領域と、上記中央領域を囲む側縁領域とを規定し、上記圧搾溝は、上記中央領域に設けられた第1の圧搾溝と、上記側縁領域に設けられた第2の圧搾溝と、を含み、上記第2の圧搾溝の最下部と上記吸収体の底面との距離は、上記第1の圧搾溝の最下部と上記吸収体の底面との距離よりも大きいことを特徴とする。
(3) 本発明の他側面に係る吸収性物品は、(1)または(2)の吸収性物品において、上記吸収体は、厚み方向に、上下中央領域と、上記上下中央領域を挟んで配置された上下表面領域と、を備え、上記上下中央領域における高吸収性樹脂の含有率は、上記上下表面領域における高吸収性樹脂の含有率よりも大きいことを特徴とする。
(4) 本発明の他側面に係る吸収性物品は、(1)〜(3)の吸収性物品において、上記吸収体は、長手方向および短手方向の少なくとも一方に、中央領域と、上記中央領域を囲む側縁領域とを規定し、上記トップシートと上記吸収体との間に、さらに液拡散性シートを備え、上記トップシート及び上記液拡散性シートには、上記中央領域に表面圧搾溝が規定され、上記表面圧搾溝は、上記中央領域の上方に設けられることを特徴とする。
(5) 本発明の他側面に係る吸収性物品は、(4)の吸収性物品において、上記表面圧搾溝は、長手方向に延びる一対の第1の表面圧搾溝と、短手方向に延びる一対の第2の表面圧搾溝と、を有し、上記第1の表面圧搾溝は、吸収性物品の中央側に向かって凸形状で設けられ、上記第2の表面圧搾溝は、吸収性物品の外側に向かって凸形状で設けられ、上記第1の表面圧搾溝は、上記中央領域の長手方向の側縁部に沿って設けられ、上記第2の表面圧搾溝は、上記中央領域の短手方向の側縁部に沿って設けられることを特徴とする。
(6) 本発明の一側面に係る吸収性物品の製造方法は、(1)〜(5)の吸収性物品の製造方法であって、繊維と高吸収性樹脂とを含む吸収体に圧搾溝を形成する工程を含み、上記圧搾溝は、突状部を有する圧搾機によって形成され、上記突状部は、先端部の幅が2mm以上であって4mm以下であることを特徴とする。
(7) 本発明の他側面に係る吸収性物品の製造方法は、(6)の吸収性物品の製造方法であって、上記圧搾機は、エンボスロールであることを特徴とする。
図2は、図1のX−X’線における断面図であって、本発明の実施形態1に係る吸収性物品100を示す断面図である。
図3は、図1のX−X’線における断面図であって、本発明の実施形態2に係る吸収性物品200を示す断面図である。本発明の実施形態2に係る吸収性物品200は、実施形態1の吸収性物品100の第1の圧搾溝と第2の圧搾溝とが、第2の圧搾溝の最下部と吸収体の底面との距離と、第1の圧搾溝の最下部と吸収体の底面との距離とが略等しくなるように設けられている点においてのみ、実施形態1と異なる。従って、実施形態2の説明において、実施形態1と実質的に同一の部分には同一の符号を付して説明することで、重複した説明を省略し、異なる部分についてのみ詳細に説明する。
図4は、図1のX−X’線における断面図であって、本発明の実施形態3に係る吸収性物品300を示す断面図である。本発明の実施形態3に係る吸収性物品300は、吸収体40が第1の吸収体40aと第2の吸収体40bとを含む複数層が積層された吸収体40Cを有する点においてのみ、実施形態1および2の吸収性物品100,200と相違する。ここでは、第1の吸収体40aと第2の吸収体40bとが重なった上下2層構造をなす吸収体40Cを用いたものを説明する。第1の吸収体40aと第2の吸収体40bとは、図4に示すように同じ形状であってもよいし、異なる形状であってもよい。第1の吸収体40aと第2の吸収体40bとが異なる形状である場合としては、例えば、第2の吸収体40bの平面部41bよりも、第2の吸収体40bの上方に配置される第1の吸収体40aの平面部41aほうが、面積が小さいものが挙げられる。図示していないが、第1の吸収体40aと第2の吸収体40bとは、たとえば親水性不織布あるいは木材繊維シートで包まれた状態で形成されている。
[吸収性物品の作成]
[実施例1]
本発明の実施形態の実施例に係る吸収性物品として、長さが480mm、幅が190mmのものを形成し、トップシートを20g/m2のエアースルー不織布とし、バックシートを20g/m2の通気性ポリエチレンとした吸収性パッドを、長さ480mm、幅190mmで設けた。吸収体40は、長さ420mm、幅150mm、含有するSAPの量を4g、および、フラッフの量を21gとして形成した。吸収体40は、吸収体40の厚さ方向の中央にSAPが集中して分布したものを用いた。トップシート20には、表面圧搾溝22を図1に示す形状で設けた。第1の圧搾溝46aと第2の圧搾溝46bとは、吸収体40に格子形状で設けた。吸収体40は、圧搾溝46aおよび圧搾溝46bを形成するエンボスロール60の突状部62,64の先端部の幅を2mmとして、中央領域42に設けられた第1の圧搾溝46aの最下部と吸収体40の底面との距離を1mmとして、側縁領域44に設けられた第2の圧搾溝46bの最下部と吸収体40の底面との距離を3mmとして、第1の圧搾溝46aと第2の圧搾溝46bとの仕上げ幅を1.5mmとしたものを形成して、実施例1の吸収パッドを得た。
吸収体40として、圧搾溝46aおよび圧搾溝46bを形成するエンボスローラの突状部の先端部の幅を3mmとして、中央領域42に設けられた第1の圧搾溝46aの最下部と吸収体40の底面との距離を2mmとして、側縁領域44に設けられた第2の圧搾溝46bの最下部と吸収体40の底面との距離を4mmとして、第1の圧搾溝46aと第2の圧搾溝46bとの仕上げ幅を2mmとしたものを形成して用いた以外は実施例1と同様にして、実施例2の吸収パッドを得た。
吸収体40は、圧搾溝46aおよび圧搾溝46bを形成するエンボスローラの突状部の先端部の幅を4mmとして、中央領域42に設けられた第1の圧搾溝46aの最下部と吸収体40の底面との距離を2mmとして、側縁領域44に設けられた第2の圧搾溝46bの最下部と吸収体40の底面との距離を4mmとして、第1の圧搾溝46aと第2の圧搾溝46bとの仕上げ幅を3mmとしたものを形成して用いた以外は実施例1と同様にして、実施例3の吸収パッドを得た。
吸収体40は、圧搾溝46aおよび圧搾溝46bを形成するエンボスローラの突状部の先端部の幅を2mmとして、中央領域42に設けられた第1の圧搾溝46aの最下部と吸収体40の底面との距離を3mmとして、側縁領域44に設けられた第2の圧搾溝46bの最下部と吸収体40の底面との距離を3mmとして、第1の圧搾溝46aと第2の圧搾溝46bとの仕上げ幅を3.5mmとしたものを形成して用いた以外は実施例1と同様にして、比較例1の吸収パッドを得た。
吸収体40は、圧搾溝46aおよび圧搾溝46bを形成するエンボスローラの突状部の先端部の幅を3mmとして、中央領域42に設けられた第1の圧搾溝46aの最下部と吸収体40の底面との距離を0mmとして、側縁領域44に設けられた第2の圧搾溝46bの最下部と吸収体40の底面との距離を0mmとして、第1の圧搾溝46aと第2の圧搾溝46bとの仕上げ幅を4mmとしたものを形成して用いた以外は実施例1と同様にして、比較例2の吸収パッドを得た。
吸収体40として、SAPが吸収体40の厚さ方向に均一に分布したものを形成して用いた以外は実施例2と同様にして、比較例3の吸収パッドを得た。
トップシート20に表面圧搾溝22を設けない以外は実施例2と同様にして、比較例4の吸収パッドを得た。
吸収体40は、圧搾溝46aおよび圧搾溝46bを形成するエンボスローラの突状部の先端部の幅を5mmとして、中央領域42に設けられた第1の圧搾溝46aの最下部と吸収体40の底面との距離を2mmとして、側縁領域44に設けられた第2の圧搾溝46bの最下部と吸収体40の底面との距離を4mmとして、第1の圧搾溝46aと第2の圧搾溝46bとの仕上げ幅を4mmとしたものを用いた以外は実施例1と同様にして、比較例5の吸収パッドを得た。
1.吸収速度の測定方法
重さ755.6gで中央に内径19mmの穴が設けられた定面積16.8cm2の円筒形の測定治具を、吸収パッド中央上に置き、測定治具の上記穴から生理食塩水40mlを注入した。生理食塩水が吸収パッドに接触した時から測定治具の上記穴の縁に生理食塩水が完全に吸い込まれるまでの時間を計測することで吸収速度を測定した。
20名のパネラーに対して、吸収パッドの柔らかさの評価を実施した。この評価では、実施例および比較例の吸収パッドについて、(a)凹凸感なし、(b)どちらでもない、(c)凹凸感ありのいずれかの評価を選択する官能試験を行った。(a)の評価が14〜20人のときを「○」、(a)の評価が8〜13人のときを「△」、(a)の評価が0〜7人のときを「×」とした。
表1は、このように形成した実施例1乃至3に示す吸収パッドの吸収速度および柔らかさを比較したものである。実施例1ないし3は、吸収速度が25秒/40ml以下であるから早く、規定範囲内の良好な吸収性を示し、官能試験による柔らかさの評価はいずれも「○」であった。一方、比較例1,3,4に示す吸収パッドは吸収速度が遅く、比較例2,3,5に示す吸収パッドは官能試験による柔らかさの評価はいずれも「×」または「△」であった。
従って、表1から、本発明の吸収性物品は、優れた柔軟性および吸収速度を有することが明らかとなった。
22 表面圧搾溝
30 液拡散性シート
40 吸収体
42 吸収体の中央領域
44 吸収体の側縁領域
46 圧搾溝
50 バックシート
60 圧搾機(エンボスロール)
Claims (7)
- 液透過性のトップシートと、
前記トップシートに対向する液不透過性のバックシートと、
前記トップシートと前記バックシートとの間に配置され、木材パルプ繊維と高吸収性樹脂とを含む吸収体と、
を備えた吸収性物品であって、
前記吸収体は、圧搾溝が設けられた上面と、前記上面に対向する底面と、を規定し、
前記圧搾溝は、前記底面と前記圧搾溝の最下部との距離が1mm以上であって2mm以下、かつ、前記上面から見た仕上げ幅が1mm以上であって3mm以下となるように設けられたものであることを特徴とする吸収性物品。 - 前記吸収体は、長手方向および短手方向の少なくとも一方に、中央領域と、前記中央領域を囲む側縁領域とを規定し、
前記圧搾溝は、前記中央領域に設けられた第1の圧搾溝と、前記側縁領域に設けられた第2の圧搾溝と、を含み、
前記第2の圧搾溝の最下部と前記吸収体の底面との距離は、前記第1の圧搾溝の最下部と前記吸収体の底面との距離よりも大きいことを特徴とする請求項1記載の吸収性物品。 - 前記吸収体は、厚み方向に、上下中央領域と、前記上下中央領域を挟んで配置された上下表面領域と、を備え、
前記上下中央領域における高吸収性樹脂の含有率は、前記上下表面領域における高吸収性樹脂の含有率よりも大きいことを特徴とする請求項1または2に記載の吸収性物品。 - 前記吸収体は、長手方向および短手方向の少なくとも一方に、中央領域と、前記中央領域を囲む側縁領域とを規定し、
前記トップシートと前記吸収体との間に、さらに液拡散性シートを備え、
前記トップシート及び前記液拡散性シートには、前記中央領域に表面圧搾溝が規定され、
前記表面圧搾溝は、前記中央領域の上方に設けられることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の吸収性物品。 - 前記表面圧搾溝は、長手方向に延びる一対の第1の表面圧搾溝と、短手方向に延びる一対の第2の表面圧搾溝と、を有し、
前記第1の表面圧搾溝は、吸収性物品の中央側に向かって凸形状で設けられ、
前記第2の表面圧搾溝は、吸収性物品の外側に向かって凸形状で設けられ、
前記第1の表面圧搾溝は、前記中央領域の長手方向の側縁部に沿って設けられ、
前記第2の表面圧搾溝は、前記中央領域の短手方向の側縁部に沿って設けられることを特徴とする請求項4記載の吸収性物品。 - 繊維と高吸収性樹脂とを含む吸収体に圧搾溝を形成する工程を含み、
前記圧搾溝は、突状部を有する圧搾機によって形成され、
前記突状部は、先端部の幅が2mm以上であって4mm以下であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の吸収性物品の製造方法。 - 前記圧搾機は、エンボスロールであることを特徴とする請求項6記載の吸収性物品の製造方法。
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