JP2019116383A - 媒体給送装置及び画像読取装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】より適切に媒体の分離を行うことができる媒体給送装置、或いは前記媒体給送装置を備える画像読取装置を提供する。【解決手段】媒体給送装置10は、給送ローラー14と、給送ローラー14との間で用紙Pをニップして用紙Pの分離を行うローラーであって、用紙Pを下流側に送る第1回転方向Aとは逆の第2回転方向Bに駆動源による駆動トルクが付与される分離ローラー15と、分離ローラー15に対して前記第1回転方向Aに掛かる回転トルクが所定のトルク上限値であるリミットトルクを越えた場合に、分離ローラー15を第1回転方向Aに空転させるトルクリミッター41とを備え、給送の際の条件に応じて分離ローラー15の押圧荷重と、分離ローラー15の回転速度と、リミットトルクと、を含んで構成される分離設定を変更可能に構成される。【選択図】図8

Description

本発明は、原稿を給送する媒体給送装置、及び媒体給送装置によって給送される原稿を読み取る画像読取装置に関する。
画像読取装置の一例であるスキャナーには、原稿としての媒体を自動で送る媒体給送装置(ADF(Auto Document Feeder)とも呼ばれる)が設けられ、複数枚の媒体の自動送りと読み込みとを行える様に構成される場合がある。
そして、前記媒体給送装置としては、複数枚の媒体を載置面に載置する媒体トレイと、前記媒体トレイにセットされた媒体の面に接触して回転することにより、前記媒体を送り出す給送ローラーと、前記給送ローラーに接して媒体を分離する分離ローラーと、を備えて構成されるものがある。
ところで、媒体には様々な種類のものがある。例えば、媒体の剛性が低い薄紙や古紙等に対して前記分離ローラーによる分離力を作用させると、前記媒体に大きなダメージを与えてしまう虞がある。
このため、前記媒体の種類に応じて、前記分離ローラーによる分離を行う分離モードと、前記分離ローラーによる分離を行わずに媒体を給送する非分離モードと、を選択可能に構成された媒体給送装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2012−188279号公報
ここで、従来の媒体給送装置では、前記分離モードと前記非分離モードの選択により、前記分離ローラーによる分離を行うか否かの選択はできるが、前記分離モードにおける媒体の分離抵抗は一律に設定されていた。このため、前記分離モードを選択したとしても、媒体の種類によっては、適切に分離できない場合があった。
本発明はこの様な状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、より適切に媒体の分離を行うことができる媒体給送装置、或いは前記媒体給送装置を備える画像読取装置を提供することにある。
上記課題を解決する為の、本発明の媒体給送装置は、媒体を載置する媒体載置部と、前記媒体載置部から前記媒体を給送する給送ローラーと、前記給送ローラーとの間で前記媒体をニップして前記媒体の分離を行うローラーであって、媒体を下流側に送る第1回転方向とは逆の第2回転方向に駆動源による駆動トルクが付与される分離ローラーと、前記分離ローラーに対して前記第1回転方向に掛かる回転トルクが所定のトルク上限値であるリミットトルクを越えた場合に、前記分離ローラーを前記第1回転方向に空転させるトルクリミッターと、を備え、前記分離ローラーの前記給送ローラーに対する押圧荷重を変える荷重変更手段と、前記駆動源の回転速度を変える速度変更手段と、前記リミットトルクを変えるトルク変更手段と、を有するとともに、給送の際の条件に応じて前記押圧荷重と、前記回転速度と、前記リミットトルクと、を含んで構成される分離設定を変更可能に構成される、ことを特徴とする。
本発明に係るスキャナーを示す外観斜視図。 本発明に係るスキャナーを図1とは別角度から見た斜視図。 本発明に係るスキャナーにおける用紙搬送経路を示す側断面図。 本発明に係るスキャナーの構成を示すブロック図。 第1駆動源の動力を分離ローラーに伝達する動力伝達機構の一部を示す概略図。 分離ローラーの動作について説明する図。 トルク変更手段について説明する斜視図。 分離モードの一例を示すフローチャート。 荷重変更手段について説明する概略側面図。 トルク変更手段の変更例1について説明する斜視図。 トルク変更手段の変更例1について説明する要部拡大図。 トルク変更手段の変更例2について説明する斜視図。 トルク変更手段の変更例2について説明する断面図。 荷重変更手段の変更例1について説明する概略図。 荷重変更手段の変更例2について説明する側面図。 荷重変更手段の変更例3について説明する概略図。 荷重変更手段の変更例4について説明する斜視図。
以下、本発明を概略的に説明する。
本発明の第1の態様に係る媒体給送装置は、媒体を載置する媒体載置部と、前記媒体載置部から前記媒体を給送する給送ローラーと、前記給送ローラーとの間で前記媒体をニップして前記媒体の分離を行うローラーであって、媒体を下流側に送る第1回転方向とは逆の第2回転方向に駆動源による駆動トルクが付与される分離ローラーと、前記分離ローラーに対して前記第1回転方向に掛かる回転トルクが所定のトルク上限値であるリミットトルクを越えた場合に、前記分離ローラーを前記第1回転方向に空転させるトルクリミッターと、を備え、前記分離ローラーの前記給送ローラーに対する押圧荷重を変える荷重変更手段と、前記駆動源の回転速度を変える速度変更手段と、前記リミットトルクを変えるトルク変更手段と、を有するとともに、給送の際の条件に応じて前記押圧荷重と、前記回転速度と、前記リミットトルクと、を含んで構成される分離設定を変更可能に構成される、ことを特徴とする。
本態様によれば、給送の際の条件に応じて前記押圧荷重と、前記回転速度と、前記リミットトルクと、を含んで構成される分離設定を変更可能であるので、より適切に媒体の分離を行うことができる。
尚、「給送の際の条件」とは、媒体の種類、枚数、等の分離性に影響のある全ての条件の少なくとも一つ、或いは複数の組み合わせを意味する。
本発明の第2の態様は、媒体を載置する媒体載置部と、前記媒体載置部から前記媒体を給送する給送ローラーと、前記給送ローラーとの間で前記媒体をニップして前記媒体の分離を行うローラーであって、前記媒体を下流側に送る第1回転方向とは逆の第2回転方向に駆動源による駆動トルクが付与される分離ローラーと、前記分離ローラーに対して前記第1回転方向に掛かる回転トルクが所定のトルク上限値であるリミットトルクを越えた場合に、前記分離ローラーを前記第1回転方向に空転させるトルクリミッターと、を備え、前記リミットトルクを変えるトルク変更手段と、前記分離ローラーの前記給送ローラーに対する押圧荷重を変える荷重変更手段と、を有するとともに、給送の際の条件に応じて前記押圧荷重と、前記リミットトルクと、を含んで構成される分離設定を変更可能に構成されることを特徴とする。
本態様によれば、給送の際の条件に応じて前記押圧荷重と、前記リミットトルクと、を含んで構成される分離設定を変更可能であるので、より適切に媒体の分離を行うことができる。
尚、「給送の際の条件」とは、媒体の種類、枚数、等の分離性に影響のある全ての条件の少なくとも一つ、或いは複数の組み合わせを意味する。
本発明の第3の態様は、媒体を載置する媒体載置部と、前記媒体載置部から前記媒体を給送する給送ローラーと、前記給送ローラーとの間で前記媒体をニップして前記媒体の分離を行うローラーであって、前記媒体を下流側に送る第1回転方向とは逆の第2回転方向に駆動源による駆動トルクが付与される分離ローラーと、前記分離ローラーに対して前記第1回転方向に掛かる回転トルクが所定のトルク上限値であるリミットトルクを越えた場合に、前記分離ローラーを前記第1回転方向に空転させるトルクリミッターと、を備え、前記リミットトルクを変えるトルク変更手段と、前記駆動源の回転速度を変える速度変更手段と、を有するとともに、給送の際の条件に応じて前記回転速度と、前記リミットトルクと、を含んで構成される分離設定を変更可能に構成されることを特徴とする。
本態様によれば、給送の際の条件に応じて前記回転速度と、前記リミットトルクと、を含んで構成される分離設定を変更可能であるので、より適切に媒体の分離を行うことができる。
尚、「給送の際の条件」とは、媒体の種類、枚数、等の分離性に影響のある全ての条件の少なくとも一つ、或いは複数の組み合わせを意味する。
本発明の第4の態様は、第1のまたは第2の態様において、前記荷重変更手段は、第1の押圧部と、前記第1の押圧部とは押圧力が異なる第2の押圧部と、を備え、前記分離ローラーを前記給送ローラーに向けて押圧する押圧部を、前記第1の押圧部と前記第2の押圧部との間で切り換えることにより、前記分離ローラーの前記給送ローラーに対する押圧荷重を変更する構成である、ことを特徴とする。
本態様によれば、第1の押圧部と、前記第1の押圧部とは押圧力が異なる第2の押圧部と、を備え、前記分離ローラーを前記給送ローラーに向けて押圧する押圧部を、前記第1の押圧部と前記第2の押圧部との間で切り換えることにより、前記分離ローラーの前記給送ローラーに対する押圧荷重を変更する構成の前記荷重変更手段を用い、前記分離ローラーの前記給送ローラーに対する押圧力を変更することができる。
本発明の第5の態様は、第1のまたは第2の態様において、前記荷重変更手段は、ばね支持部と前記分離ローラーとの間に配置されて、前記分離ローラーを前記給送ローラーに向けて押圧する押圧ばねを備え、前記ばね支持部を移動させることにより前記押圧ばねのばね長を変更して、前記分離ローラーの前記給送ローラーに対する押圧荷重を変更する構成である、ことを特徴とする。
本態様によれば、ばね支持部と前記分離ローラーとの間に配置されて、前記分離ローラーを前記給送ローラーに向けて押圧する押圧ばねを備え、前記ばね支持部を移動させることにより前記押圧ばねのばね長を変更して、前記分離ローラーの前記給送ローラーに対する押圧力を変更する構成の前記荷重変更手段により、前記分離ローラーの前記給送ローラーに対する押圧荷重を変更することができる。
本発明の第6の態様は、第1のまたは第2の態様において、前記分離ローラーを回転可能に保持するとともに、保持した前記分離ローラーを前記給送ローラーに対して接離させるように揺動する揺動軸を有するローラー保持部と、前記ローラー保持部を介して前記分離ローラーを前記給送ローラーに向けて押圧する押圧部と、を備え、前記荷重変更手段は、前記揺動軸の位置を移動させることにより、前記分離ローラーの前記給送ローラーに対する押圧荷重を変更する構成である、ことを特徴とする。
本態様によれば、前記ローラー保持部の前記揺動軸の位置を移動させることにより、前記分離ローラーの前記給送ローラーに対する押圧荷重を変更する構成の前記荷重変更手段により、前記分離ローラーの前記給送ローラーに対する押圧荷重を変更することができる。
本発明の第7の態様は、第1のまたは第2の態様において、前記分離ローラーを回転可能に保持するとともに、保持した前記分離ローラーを前記給送ローラーに対して接離させるように揺動する揺動軸を有するローラー保持部と、前記ローラー保持部を介して前記分離ローラーを前記給送ローラーに向けて押圧する押圧部と、を備え、前記荷重変更手段は、前記ローラー保持部と当接することにより前記押圧部の押圧力に抗して前記分離ローラーの前記給送ローラーに対する位置を規制するとともに、前記分離ローラーの前記給送ローラーに対する位置が変化する方向に変位可能な変位部材を備える、ことを特徴とする。
本態様によれば、前記分離ローラーの前記給送ローラーに対する位置を規制することで前記分離ローラーの前記給送ローラーに対する押圧荷重を変更する構成であるので、前記分離ローラーの前記給送ローラーに対する押圧荷重を容易に変更することができる。
本発明の第8の態様は、第1のまたは第2の態様において、前記分離ローラーを駆動する駆動源からの動力を伝達する動力伝達機構を備え、前記動力伝達機構は、前記分離ローラーの回転軸に一体に設けられる第1歯車と、前記分離ローラーの回転軸に一体に設けられ、前記第1歯車とは減速比の異なる第2歯車と、前記駆動源の動力を前記第1歯車に伝える第1位置と、前記駆動源の動力を前記第2歯車に伝える第2位置と、に変位可能な切換歯車と、を含み、前記荷重変更手段は、前記切換歯車を前記第1位置と前記第2位置との間で切り換えることにより、前記分離ローラーの前記給送ローラーに対する押圧荷重を変更する構成である、ことを特徴とする。
本態様によれば、前記動力伝達機構の前記切換歯車を前記第1位置と前記第2位置との間で切り換えることにより、前記分離ローラーの前記給送ローラーに対する押圧荷重を変更する構成の前記荷重変更手段によって、前記分離ローラーの前記給送ローラーに対する押圧荷重を変更することができる。
本発明の第9の態様は、第1の態様から第8の態様のいずれかにおいて、前記トルクリミッターとして、第1のトルクリミッターと、前記第1のトルクリミッターとは空転トルクが異なる第2のトルクリミッターとを備え、前記トルク変更手段は、前記第1のトルクリミッターに前記回転トルクが掛かる状態と、前記第2のトルクリミッターに前記回転トルクが掛かる状態と、を切り換える切換部を備えて構成される、ことを特徴とする。
本態様によれば、前記トルク変更手段を容易に構成できる。
本発明の第10の態様は、第1の態様から第8の態様のいずれかにおいて、前記トルクリミッターとして、第1のトルクリミッターと第2のトルクリミッターとを備え、前記トルク変更手段は、前記第1のトルクリミッター及び前記第2のトルクリミッターのうち、一方に前記回転トルクが掛かる状態と、双方に前記回転トルクが掛かる状態と、を切り換える切換部を備えて構成される、ことを特徴とする。
本態様によれば、前記トルク変更手段を容易に構成できる。
本発明の第11の態様は、第1の態様から第3の態様のいずれかにおいて、前記トルクリミッターと前記分離ローラーとの間に動力伝達機構を備え、前記動力伝達機構は、第1動力伝達経路と、前記第1動力伝達経路とは減速比の異なる第2動力伝達経路と、前記第1動力伝達経路と前記第2動力伝達経路とを切り換える切り換え手段と、を備える、ことを特徴とする。
本態様によれば、前記トルク変更手段を容易に構成できる。
本発明の第12の態様は、第1の態様において、前記駆動源を制御する前記速度変更手段としての制御部を備える、ことを特徴とする。
本態様によれば、前記制御部によって前記分離ローラーの回転速度を制御することができる。
本発明の第13の態様は、第12の態様において、前記制御部は、前記荷重変更手段または前記トルク変更手段の少なくとも一方を制御する、ことを特徴とする。
本態様によれば、前記荷重変更手段または前記トルク変更手段の少なくとも一方を制御することができる。
本発明の第14の態様は、第12の態様または第13の態様において、前記分離ローラーは、前記媒体の分離を行う分離状態と、前記媒体の分離を行わない非分離状態と、を切り換え可能であり、前記制御部は、給送される前記媒体の種類に基づき、前記分離ローラーを前記分離状態にして給送を行う分離モードか、前記分離ローラーを前記非分離状態にして給送を行う非分離モードか、を選択可能である、ことを特徴とする。
本態様によれば、前記制御部が、前記媒体の種類に応じて、前記分離モードで給送を行うか、前記非分離モードで給送を行うかを選択でき、多様な媒体を一層適切に給送することができる。
本発明の第15の態様は、第14の態様において、前記駆動源によって前記分離ローラーを前記第1回転方向に回転駆動可能であり、前記制御部は、前記分離モードの実行前に、前記分離ローラーを前記第1回転方向に所定の回転量だけ回転駆動する、ことを特徴とする。
本態様によれば、前記制御部が、前記分離モードの実行前に、前記分離ローラーを前記第1回転方向に所定の回転量だけ回転駆動することにより、前記分離ローラーと前記給送ローラーとの間に前記媒体を確実にニップさせることができ、前記媒体のノンフィードの虞を低減できる。
本発明の第16の態様は、第1の態様において、第1の媒体より相対的に厚みの薄い第2の媒体を分離する際、前記押圧荷重、前記回転速度、前記リミットトルク、の少なくともいずれかを、前記第1の媒体を分離する場合に比して抑制する、ことを特徴とする。
本態様によれば、第1の媒体より相対的に厚みの薄い第2の媒体を分離する際、前記押圧荷重、前記回転速度、前記リミットトルク、の少なくともいずれかを、前記第1の媒体を分離する場合に比して抑制することにより、分離ローラーによる分離抵抗を小さくして、前記分離ローラーによる分離によって前記第2の媒体にダメージを与える虞を低減することができる。
本発明の第17の態様は、第1の態様において、第1の媒体より相対的に摩擦力の高い第2の媒体を分離する際、前記押圧荷重、前記回転速度、前記リミットトルク、の少なくともいずれかを、前記第1の媒体を分離する場合に比して増やす、ことを特徴とする。
本態様によれば、第1の媒体より相対的に摩擦力の高い第2の媒体を分離する際、前記押圧荷重、前記回転速度、前記リミットトルク、の少なくともいずれかを、前記第1の媒体を分離する場合に比して増やすので、分離ローラーによる分離抵抗を大きくして、摩擦力の高い前記第2の媒体、すなわち、分離し難い媒体の分離を、より確実に行うことができる。
本発明の第18の態様は、第1のまたは第2の態様において、第1の媒体より相対的に厚みの厚い第2の媒体を分離する際、前記押圧荷重を、前記第1の媒体を分離する場合に比して増やす、ことを特徴とする。
給送される前記媒体が第1の媒体より相対的に厚みの厚い第2の媒体である場合、給送ローラーによって給送されず、ノンフィードの状態になる場合がある。
本態様によれば、第1の媒体より相対的に厚みの厚い第2の媒体を分離する際、前記押圧荷重を、前記第1の媒体を分離する場合に比して増やすことにより、前記分離ローラーと前記給送ローラーとの間でしっかりとニップさせることができ、以って、前記給送ローラーによる給送性を高めることができる。このことにより、厚紙のノンフィードの虞を低減できる。
本発明の第19の態様に係る画像読取装置は、媒体を読み取る読取部と、前記媒体を前記読取部に向けて給送する、第1から第18の態様のいずれかに係る媒体給送装置と、を備えることを特徴とする。
本態様によれば、媒体を前記読取部に向けて給送する媒体給送装置を備える画像読取装置において、第1の態様から第18の態様のいずれか一つと同様の作用効果が得られる。
以下、本発明を具体的に説明する。
[第1実施形態]
まず、第1実施形態に係る媒体給送装置を備える画像読取装置の概略について説明する。
本実施形態では画像読取装置の一例として、「媒体」としての用紙の表面及び裏面の少なくとも一面を読み取り可能なドキュメントスキャナー(以下、単にスキャナー1と称する)を例に挙げる。
図1は、本発明に係るスキャナーを示す外観斜視図である。図2は、本発明に係るスキャナーを図1とは別角度から見た斜視図である。図3は、本発明に係るスキャナーにおける用紙搬送経路を示す側断面図である。図4は、本発明に係るスキャナーの構成を示すブロック図である。図5は、第1駆動源の動力を分離ローラーに伝達する動力伝達機構の一部を示す概略図である。図6は分離ローラーの動作について説明する図である。図7は、トルク変更手段の斜視図である。図8は、分離モードの一例を示すフローチャートである。図9は、荷重変更手段について説明する概略側面図である。
図10は、トルク変更手段の変更例1について説明する斜視図である。図11は、トルク変更手段の変更例1について説明する要部拡大図である。図12は、トルク変更手段の変更例2について説明する斜視図である。図13は、トルク変更手段の変更例2について説明する断面図である。図14は、荷重変更手段の変更例1について説明する概略図である。図15は、荷重変更手段の変更例2について説明する側面図である。図16は、荷重変更手段の変更例3について説明する概略図である。図17は、荷重変更手段の変更例4について説明する斜視図である。
各図において示すX−Y−Z座標系はX方向が装置幅方向であり用紙幅方向、Y方向が用紙搬送方向である。Z方向はY方向と交差する方向であって、概ね搬送される用紙の面と直交する方向を示している。また、+Y方向側を装置前面側とし、−Y方向側を装置背面側とする。また、装置前面側から見て左側を+X方向、右側を−X方向とする。また、+Z方向を装置上方(上部、上面等を含む)とし、−Z方向側を装置下方(下部、下面等を含む)とする。また、用紙が給送されていく方向(+Y方向側)を「下流」といい、これと反対の方向(−Y方向側)を「上流」という。
■■■スキャナーの概要■■■
以下、主として図1及び図2を参照して、本発明に係るスキャナー1について説明する。
図1及び図2に示すスキャナー1は、装置本体2の内部に、用紙P(媒体)の画像を読み取る読取部20(図3)を備えている。
装置本体2は、下部ユニット3及び上部ユニット4を備えて構成されている。上部ユニット4は下部ユニット3に対して用紙搬送方向下流側を回動支点として開閉可能に取り付けられており、上部ユニット4を装置前面側に回動して開き、用紙Pの用紙搬送経路を露呈させて、用紙Pの紙詰まりの除去やクリーニング等のメンテナンス処理を容易に行うことができる様に構成されている。
装置本体2の装置背面側(−Y軸方向側)には、用紙Pを載置する媒体載置部11が設けられている。符号11aは、用紙Pの載置面11aである。
装置本体2の内部には、媒体載置部11から用紙Pを読取部20に向けて給送する媒体給送装置10(図3)が設けられている。
尚、スキャナー1において、媒体載置部11は、装置本体2に対して着脱可能に設けられている。尚、媒体給送装置10の構成については、後で説明する。
また、媒体載置部11には、用紙Pの給送方向(Y軸方向)と交差する幅方向(X軸方向)の側縁をガイドするガイド面13を備える左右一対のエッジガイド12、12が設けられている。
エッジガイド12、12は、用紙Pのサイズに応じてX軸方向にスライド移動可能に設けられている。本実施形態において、エッジガイド12、12は、公知のラックピニオン機構により一方のエッジガイド12(例えば+X側)のX移動に追従して、他方のエッジガイド12(−X側)が相対する方向に移動するように構成されている。
すなわち、媒体載置部11において、用紙Pは幅方向の中央に揃えられ、後述する給送ローラー14は前記幅方向の中央領域に設けられ、所謂、センター給紙方式で給紙されるように構成されている。図1は、エッジガイド12、12が最も外側の位置にある状態であり、図2は、エッジガイド12、12が最も内側にある状態を示している。
媒体載置部11は、図1に示すように、第1補助ペーパーサポート8及び第2補助ペーパーサポート9を備えている。第1補助ペーパーサポート8及び第2補助ペーパーサポート9は、図2に示すように媒体載置部11の内部に収納可能であり、且つ、図1に示すように媒体載置部11から引き出し可能に構成され、載置面11aの長さを調整可能になっている。
装置本体2は、上部ユニット4の装置前面側に、各種読み取り設定や読み取り実行を操作する操作部と、読み取り設定内容等を表示する表示部と、を兼ねた操作パネル7を備えている。
上部ユニット4の上部には装置本体2内部に連なる給送口6が設けられており、媒体載置部11に載置される用紙Pは、給送口6から装置本体2内部に設けられる読取部20(図3)に向けて送られる。
また、下部ユニット3の装置前面側には、後述する排紙トレイ5が設けられている。
■■■スキャナーにおける用紙搬送経路について■■■
次に、主として図3を参照して、スキャナー1における用紙搬送経路について説明する。尚、図3における点線は用紙Pの搬送経路を示している。
スキャナー1において、原稿である用紙Pは、媒体給送装置10によって読取部20に向けて送られる。
本実施形態において、図3に示す媒体給送装置10は、前述した媒体載置部11と、媒体載置部11から用紙Pを読取部20に向けて給送する給送ローラー14と、給送ローラー14との間で用紙Pをニップして用紙Pの分離を行う分離ローラー15を備えている。分離ローラー15は、図3において、用紙Pを下流側(+Y方向側)に送る第1回転方向Aとは逆の第2回転方向Bに、後述する第1駆動源25(図4)による駆動トルクが付与されるように構成されている。
また、分離ローラー15に対して第1回転方向A(図3)に掛かる回転トルクが所定のトルク上限値であるリミットトルクを越えた場合に、分離ローラー15を第1回転方向Aに空転させるトルクリミッター(一例として図7のトルクリミッター41)が設けられている。
分離ローラー15に掛かる第1回転方向A(図3)の回転トルクは、分離ローラー15と給送ローラー14との間に用紙Pが介在しない場合は給送ローラー14によって付与され、分離ローラー15と給送ローラー14との間に用紙Pが介在する場合は用紙Pによって付与される。分離ローラー15に掛かる第1回転方向A(図3)の回転トルクがリミットトルクを越える場合には、分離ローラー15は、給送ローラー14或いは用紙Pから受ける回転トルクによって第1回転方向A(図3)に連れ回りする。本明細書では、これを分離ローラー15の空転と定義する。この分離ローラー15の連れ回り(空転)は、分離ローラー15と給送ローラー14との間に用紙Pが介在しない状態と、分離ローラー15と給送ローラー14との間に用紙Pが介在するが重送が生じていない状態と、で生じる。
そして分離ローラー15と給送ローラー14との間に例えば複数枚の用紙Pが介在し、即ち重送が生じると、分離ローラー15に掛かる第1回転方向A(図3)の回転トルクがリミットトルクを下回るので、分離ローラー15は第1駆動源25(図4)から受ける駆動トルクによって第2回転方向B(図3)に回転する。これにより、重送されようとした用紙Pが上流側に戻される。
以上の通り、本明細書における「リミットトルク」とは、トルクリミッターそれ自体の空転トルクではなく、分離ローラー15が空転するか否かの境目となるトルクを意味するものであり、リミットトルクが低いほど、分離ローラー15はより簡単に第1回転方向A(図3)に連れ回りすることとなる。逆にリミットトルクが高くなると、分離ローラー15を第1回転方向A(図3)に連れ回りさせる為に必要な力が増えることとなる。後述するトルク変更手段は、このリミットトルクを変更する手段となる。
更に、媒体給送装置10は、分離ローラー15の給送ローラー14に対する押圧荷重を変える荷重変更手段(一例として図4の荷重変更手段60)と、分離ローラー15を駆動する「駆動源」としての第1駆動源の回転速度を変える「速度変更手段」としての制御部19と、前記リミットトルクを変えるトルク変更手段(一例として図4のトルク変更手段40)と、を有している。
制御部19は、分離ローラー15の駆動源としての第1駆動源25(図4)の駆動を制御して分離ローラー15の回転速度を変更可能である。
そして、媒体給送装置10は、給送ローラー14による用紙給送の際の条件に応じて、前記押圧荷重と、前記回転速度と、前記リミットトルクと、を含んで構成される分離設定を変更可能に構成されている。
分離設定の変更の具体的な例と、荷重変更手段60の構成、トルクリミッター41及びトルク変更手段40の構成の詳細については後で説明する。
給送ローラー14は、媒体給送方向(+Y方向)と交差する幅方向(X軸方向)の中央領域に一対で設けられている。また、給送ローラー14と対向する位置に、分離ローラー15が設けられている。分離ローラー15も、図5に示すように、給送ローラー14に対応して一対で設けられている。
媒体載置部11に載置された用紙Pは、下部ユニット3に対して回転可能に設けられた給送ローラー14によりピックアップされて下流側(+Y方向側)に給送される。具体的には、用紙Pの媒体載置部11に対向する面に、給送ローラー14が接触しつつ回転することにより、用紙Pを下流側に向けて給送する。したがって、スキャナー1において複数枚の用紙Pを媒体載置部11にセットした場合には、載置面11a側の用紙Pから順に下流側に向けて給送される。
給送ローラー14の下流側には、搬送ローラー対16と、読取部20と、排出ローラー対17とが設けられている。
搬送ローラー対16は、読取部20の上流側に設けられ、給送ローラー14によって給送された用紙Pを読取部20に向けて搬送する。搬送ローラー対16は、搬送駆動ローラー16aと搬送従動ローラー16bを備えて構成されている。
給送ローラー14の下流側であって搬送ローラー対16の上流側には、用紙Pの重送を検出する重送検出部28が設けられている。重送検出部28としては、例えば、超音波を発する発信部と、搬送される用紙を挟んで前記発信部と対向して設けられる受信部とを備える超音波式センサーを用いることができる。
読取部20は、上部ユニット4側に設けられた上部読取センサー20aと、下部ユニット3側に設けられた下部読取センサー20bとを備えている。本実施形態において、上部読取センサー20a及び下部読取センサー20bは一例として密着型イメージセンサーモジュール(CISM)として構成されている。
用紙Pは、読取部20において用紙Pの表面及び裏面の少なくとも一方の面の画像を読み取られた後、読取部20の下流側に位置する排出ローラー対17にニップされて、下部ユニット3の装置前面側に設けられた排出口18から排出される。排出ローラー対17は、排出駆動ローラー17aと排出従動ローラー17bを備えて構成されている。
本実施形態において給送ローラー14、分離ローラー15、搬送駆動ローラー16a、及び排出駆動ローラー17aは、下部ユニット3内に設けられた少なくとも1つの駆動源により回転駆動される。
分離ローラー15は前述したように第1駆動源25(図4)によって回転駆動される。また、本実施形態において、搬送駆動ローラー16a及び排出駆動ローラー17aも、分離ローラー15と共通の第1駆動源25によって駆動される。給送ローラー14は、第1駆動源25とは別の第2駆動源26によって駆動される。
図4に示すように、第1駆動源25及び第2駆動源26の動作は制御部19により制御され、以って、給送ローラー14、分離ローラー15、搬送駆動ローラー16a、及び排出駆動ローラー17aの駆動が制御されている。言い換えると、制御部19によって用紙Pの送り動作が制御される。
下部ユニット3には、排出口18から装置前面側に向けて引き出し可能に構成された排紙トレイ5が設けられている。排紙トレイ5は、下部ユニット3の底部に収納された状態(図1)と、図示を省略する装置前面側に引き出した状態とを取り得る。排紙トレイ5を引き出した状態において、排出口18から排出された用紙Pを排紙トレイ5上に積載することができる。
尚、図3に示すように、媒体給送方向において給送ローラー14の上流側であって媒体載置部11による用紙の載置領域内には、媒体載置部11に載置される用紙Pの有無を検出する第1検出部21が設けられている。また、給送ローラー14の下流側と、搬送ローラー対16の下流側と、排出ローラー対17の下流側には、順に、第2検出部22、第3検出部23、及び第4検出部24が設けられている。第2検出部22、第3検出部23、及び第4検出部24によって、媒体給送方向における用紙Pの位置を検出することができる。また、第2検出部22、第3検出部23、及び第4検出部24のいずれかによって、送られる用紙Pのスキュー(斜行)を検出するように構成することもできる。
本実施形態において、第1検出部21、第2検出部22、及び第3検出部23、第4検出部24は、前記幅方向の中央領域に設けられている。
また、本実施形態において、第1検出部21、第2検出部22、第3検出部23、及び第4検出部24は、光を発する発光部(図示省略)と、前記発光部から発せられた光の反射光を受光する受光部(図示省略)を備える光センサーが用いられている。
第1検出部21〜第4検出部24には、前記光センサーの他、超音波を発する発信部と、搬送される用紙を挟んで前記発信部と対向して設けられる受信部とを備える超音波式センサーを用いることも可能である。また、搬送される用紙の接触によって動かされる機械式レバーの変位を、光学式或いは電気接触式で検出するレバー式センサーを用いることもできる。
■■■媒体給送装置による給送の際の用紙分離について■■■
◆◆分離モードと非分離モード◆◆
まず、媒体給送装置10において、分離ローラー15は、用紙Pの分離を行う分離状態と、用紙Pの分離を行わない非分離状態と、を切り換え可能に構成されている。そして、媒体載置部11から用紙Pを給送する場合に、制御部19は、分離ローラー15を分離状態にして給送を行う分離モードか、分離ローラー15を非分離状態にして給送を行う非分離モードか、を選択可能である。
分離ローラー15の分離状態と非分離状態との切り換えは、図5に示す分離切換手段27によって行われる。分離切換手段27は、第1駆動源25からの動力を伝達する動力伝達機構30に設けられている。
図5には、動力伝達機構30の一部を構成する第1輪列31が示されている。第1輪列31は、歯車32と、分離切換手段27としての第1移動歯車33と、歯車34と、歯車35と、第2移動歯車36と、周囲に歯が設けられたトルクリミッター41と、を備えて構成されている。尚、第2移動歯車36及びトルクリミッター41は、後述するトルク変更手段40を構成する構成部である。
図5に示す歯車32は、搬送ローラー対16(図5において不図示)の搬送駆動ローラー16aの回転軸37に連結されており、搬送ローラー対16(第1駆動源25の動力で駆動される)を介して、第1駆動源25から動力を受けるように構成されている。第1輪列31の歯車32が受けた動力は、複数の歯車を介して分離ローラー15に伝達される。
尚、動力伝達機構30のうち、第1駆動源25から搬送ローラー対16までの伝達機構は省略するが、第1輪列31と同様、複数の歯車によって構成される輪列やベルト機構等を用いて構成することができる。
ここで、第1移動歯車33は、図5において実線で示す位置と、図5において点線で示す位置と、の間でX軸方向に変位可能に設けられている。第1移動歯車33は、図5において実線で示す位置では、歯車32及び歯車34と噛合し、第1駆動源25(図4)の駆動力が分離ローラー15に伝達され、分離ローラー15が第2回転方向Bに回転する。この状態を用紙Pの分離を行う「分離状態」と称する。
また、第1移動歯車33は、図5において点線で示す位置では、歯車32及び歯車34と噛合しない状態になり、第1駆動源25の駆動力が分離ローラー15に伝達されなくなる。この状態を、用紙Pの分離を行わない「非分離状態」と称する。非分離状態では、分離ローラー15は軽い力で自由回転可能な状態となる。
また、本実施形態において、分離切換手段27による「分離状態」と「非分離状態」の切り換えは、第1移動歯車33のX軸方向への移動を手動で行う場合の他、制御部19によって制御される不図示の電磁クラッチ等の動作により自動で第1移動歯車33のX軸方向に移動させて行うこともできる。尚、分離切換手段27を手動または自動のいずれか一方により切り替える構成とすることもできる。
分離切換手段27による「分離状態」と「非分離状態」の切り換えを制御部19が制御する場合、制御部19は、例えば、操作パネル7で設定された用紙Pの種類に基づき、分離モードで給送を行うか非分離モードで給送を行うかを決定する。
非分離モードは、例えば、分離ローラー15により分離を行うとダメージが生じる様な用紙(一例として、インスタント写真のように表面が複数の層で構成され、層が剥がれ易いような用紙)や、通帳やパスポート等の冊子体を給送する場合に選択される。
用紙Pの種類に応じて、分離モードで給送を行うか非分離モードで給送を行うかを選択することにより、多様な用紙Pを適切に給送することができる。
尚、分離モードで給送を行うか非分離モードで給送を行うかをユーザー自身が判断し、分離切換手段27による「分離状態」と「非分離状態」の切り換えを手動で行うことも可能である。この場合、分離切換手段27が分離モードと非分離モードのいずれに設定されているかを検出するセンサー等を設け、分離切換手段27が現在どの状態にあるかを制御部19が把握できる様に構成することが好適である。
或いは、ユーザーが操作パネル7を用いて分離モードか非分離モードを選択し、「分離状態」と「非分離状態」の切り換えは制御部19が行う構成とすることもできる。
更に、媒体給送装置10は、分離モードで給送を行う場合に、前述したように給送の際の条件に応じて分離設定を変更可能に構成されている。給送の際の条件とは、用紙の種類、媒体載置部11に載置される枚数等の、分離性に影響のある全ての条件の少なくとも一つ、或いは複数の組み合わせを意味する。
分離モードの分離設定としては、分離ローラー15の給送ローラー14に対する押圧荷重と、分離ローラー15の回転速度と、分離ローラー15のリミットトルクと、が含まれる。
この場合、変更対象として、前記押圧荷重、前記回転速度、前記リミットトルク、の全てを対象にしても良いし、前記押圧荷重と前記リミットトルクの2つを対象にしても良いし、前記回転速度と前記リミットトルクの2つを対象にしても良いし、前記押圧荷重と前記回転速度の2つを対象としても良い。
以下において、分離モードにおける具体的な分離設定について説明する。尚、分離設定を変更するための各種変更手段のうちトルク変更手段40及び荷重変更手段60については、分離設定の具体例を説明した後に説明する。
◆◆分離モードにおける分離設定について◆◆
<<分離設定W1>>
分離設定W1は、給送の際の条件のうち、用紙の厚みの違いによって変更される設定である。
分離設定W1は、媒体給送装置10において、第1の用紙(第1の媒体)より相対的に厚みの薄い第2の用紙(第2の媒体)を分離する際、分離ローラー15の押圧荷重、分離ローラー15の回転速度、分離ローラー15のリミットトルク、の少なくともいずれかを、第1の用紙を分離する場合に比して抑制する。
つまり、相対的な意味で薄い(以下、単に薄いという)第2の用紙を分離する際に、第2の用紙より相対的に厚い(以下、単に厚いという)第1の用紙を分離する場合よりも、分離ローラー15の押圧荷重を減少させる、分離ローラー15の回転速度を遅くする、リミットトルクを小さくする、の少なくともいずれかを行う。尚、第1の用紙としては、例えば、A4、A3、B5、B4等の定型サイズの普通紙が挙げられる。
分離ローラー15による用紙の分離は、通常、分離ローラー15と給送ローラー14との間の分離抵抗をある程度大きくすることにより確実に行うことができる。ここで言う「分離抵抗」とは、分離ローラー15の押圧荷重、分離ローラー15の回転速度、分離ローラー15のリミットトルク、のこれらの組み合わせで定まるものであり、例えば分離ローラー15の押圧荷重を大きくすれば、分離抵抗は大きくなり、分離ローラー15の回転速度を高速にすれば、分離抵抗は大きくなり、分離ローラー15のリミットトルクを高くすれば、分離抵抗は大きくなる。
しかし、薄い第2の用紙は剛性が低い傾向にあり、前記分離抵抗が大きすぎると、第2の用紙が破けたり皺が出来たりする虞がある。
第2の用紙(薄い)を分離する際に、分離ローラー15の押圧荷重、分離ローラー15の回転速度、分離ローラー15のリミットトルク、の少なくともいずれかを、第1の用紙(厚い)を分離する場合に比して抑制することにより、第2の用紙(薄い)を分離する場合の分離抵抗を、第1の用紙(厚い)を分離する場合よりも小さくすることができる。以って、分離ローラー15による分離によって薄い第2の用紙に破れや皺等のダメージが生じる虞を低減することができる。
尚、第2の用紙を分離する際に、第1の用紙を分離する場合に比して抑制するのは、押圧荷重、回転速度及びリミットトルクの三つすべてでもよく、一つ、或いは二つを選択して抑制してもよい。
<<分離設定W2>>
次に、分離設定W2は、給送の際の条件のうち、用紙の摩擦力の違いによって変更される設定である。ここで言う用紙の摩擦力とは、用紙同士の摩擦力と同義とする。
分離設定W2は、媒体給送装置10において、第1の用紙(第1の媒体)より相対的に摩擦力の高い第2の用紙(第2の媒体)を分離する際、前記押圧荷重、前記回転速度、前記リミットトルク、の少なくともいずれかを、第1の用紙を分離する場合に比して増やす。
つまり、第2の用紙を分離する際に、第1の用紙を分離する場合よりも、分離ローラー15の押圧荷重を増加させる、分離ローラー15の回転速度を速くする、リミットトルクを大きくする、の少なくともいずれかを行う。
摩擦力の高い用紙を分離する場合、分離ローラー15と給送ローラー14との間の分離抵抗が小さいと分離できず、給送ローラー14による給送が行われない、ノンフィードの状態となる虞がある。摩擦力の高い用紙としては、一例として、印刷面にコート層を有する写真用紙などが挙げられる。これに対し、コート層を有しない普通紙は、相対的に摩擦力は低い。
ここで、相対的に摩擦力が低い(以下、低摩擦という)第1の用紙より相対的に摩擦力の高い(以下、高摩擦という)第2の用紙を分離する際、前記押圧荷重、前記回転速度、前記リミットトルク、の少なくともいずれかを、第1の用紙(低摩擦)を分離する場合に比して増やすので、高摩擦の第2の用紙を分離する際に、低摩擦の第1の用紙を分離する場合よりも分離ローラー15による分離抵抗を大きくして、分離性能を高めることができる。以って、摩擦力の高い第2の用紙、すなわち、分離し難い用紙の分離を、より確実に行うことができる。
この場合も、第2の用紙を分離する際に、第1の用紙を分離する場合に比して増やすのは、押圧荷重、回転速度及びリミットトルクの三つすべてでもよく、一つ、或いは二つを選択して増やしてもよい。
<<分離設定W3>>
次に、分離設定W3は、給送の際の条件のうち、用紙の厚みの違いによって変更される設定である。
分離設定W3は、媒体給送装置10において、第1の用紙(第1の媒体)より相対的に厚みの厚い第2の用紙(第2の媒体)を分離する際、分離ローラー15の押圧荷重を、第1の用紙を分離する場合に比して増やす。
つまり、相対的な意味で厚い(以下、単に厚いという)第2の用紙を分離する際に、第2の用紙より相対的に薄い(以下、単に薄いという)第1の用紙を分離する場合よりも、分離ローラー15の押圧荷重を増加させる。
給送される用紙の厚みが厚いと、分離ローラー15と給送ローラー14との間に用紙が入り難く、給送ローラー14によって用紙が給送されない、ノンフィードの状態になる場合がある。
そこで、第1の用紙より相対的に厚みの厚い第2の用紙を分離する際、分離ローラー15の押圧荷重を、第1の用紙(薄い)を分離する場合に比して増やすことにより、分離ローラー15と給送ローラー14との間で第2の用紙をしっかりとニップさせることができる。以って、給送ローラー14による給送性を高めることができる。このことにより、厚みが厚い第2の用紙のノンフィードの虞を低減できる。
以上のように、給送の際の条件に応じて、分離ローラー15の押圧荷重と、分離ローラー15の回転速度と、リミットトルクと、の少なくとも一つを変更し、異なる分離設定とすることにより、より多くの種類の用紙に対して、適切な分離を行うことができる。
図8を参照して、分離モードで用紙を分離して給送する場合についてまとめる。
分離モードの開始後、用紙給送の際の条件に応じて分離設定を選択する(ステップS1)。分離設定W1(分離される用紙が、第1の用紙よりも相対的に薄い第2の用紙である)を選択する場合、押圧荷重、回転速度、リミットトルク、のいずれかを第1の用紙を分離する場合よりも抑制する(ステップS2)。
分離設定W2(分離される用紙が、第1の用紙よりも相対的に摩擦力の高い第2の用紙である)を選択する場合、押圧荷重、回転速度、リミットトルク、のいずれかを第1の用紙を分離する場合よりも増加する(ステップS3)。
分離設定W3(分離される用紙が、第1の用紙よりも相対的に厚い第2の用紙である)を選択する場合、押圧荷重を第1の用紙を分離する場合よりも増加する(ステップS4)。
各分離設定に応じて、押圧荷重、回転速度、リミットトルク、のいずれかを変更したら、分離ローラー15による分離を行いつつ用紙(第2の用紙)を給送する。
用紙給送の際の条件に応じた分離設定として、分離設定W1〜分離設定W3以外を設定することも可能である。
給送の際の条件に応じた分離ローラー15の分離設定は、例えば、ユーザーが操作パネル7を用いてスキャナー1に用紙Pの種類を入力することにより、制御部19が自動で選択する構成とすることができる。
また、制御部19が、所定の分離設定(例えば上記分離設定W1〜W3)で分離を行うモードを備え、ユーザーが用紙Pの種類に応じた分離設定を判断し、ユーザーが操作パネル7を用いて入力することにより、分離設定W1〜W3のうち、いずれの分離設定で分離するかを制御部19に指示する構成とすることができる。
また、例えば、給送ローラー14と搬送ローラー対16の間において用紙Pを検出する第2検出部22や重送検出部28(いずれも図3を参照)における、先行して給送される先行用紙P1の検出結果に基づいて、制御部19が、先行用紙P1に続いて給送される後続用紙P2…に対する分離設定を決定する構成とすることができる。
例えば、給送ローラー14による給送開始後、所定時間経過後、または給送ローラー14の所定量の駆動後に、第2検出部22(図3)において先行用紙P1が検出されなかった場合、先行用紙P1のノンフィードが発生していることが考えられる。このような場合には、制御部19が、再給送する先行用紙P1や後続用紙P2に対して、前述した分離設定W3の分離モードを実行する。
また、先行用紙P1の給送時に、重送検出部28(図3)によって重送が検出された場合、先行用紙P1及び先行用紙P1と一緒に重送された後続用紙P2は、摩擦力が高い媒体であると考えられる。このような場合には、制御部19が、再給送する先行用紙P1や後続用紙P2に対して、前述した分離設定W2の分離モードを実行する。
このように、先にエラーとなった分離モードの分離設定の条件をフィードバックして、制御部19が、次に行う分離モードの分離設定を決める構成とすることができる。
<<分離ローラーにおける他の構成>>
分離ローラー15は、第1駆動源25によって、第1回転方向A(図3)に回転駆動可能に構成されていても良い。第1回転方向Aは、分離ローラー15が用紙Pを下流側(+Y方向側)に送る回転方向である。
ここで、例えば、媒体載置部11に載置される用紙Pの枚数が多い場合に、図6の上図に示すように、用紙Pの先端がY軸方向において揃っていると、用紙Pの先端が分離ローラー15と給送ローラー14との間に入り込み難くなり、ノンフィードが生じる場合がある。
また、図6の上図のような状態のまま、分離ローラー15が用紙を分離する方向である第2回転方向Bに分離ローラー15を回転させると、積載された用紙Pのうち、上側の方の用紙が捲れてしまう場合がある。
ここで、本実施形態において、制御部19は、給送ローラー14による給送開始後、分離モードの実行前に、分離ローラー15を第1回転方向Aに所定の回転量だけ回転駆動するように構成されている。尚、分離ローラー15を第1回転方向Aにさせる間、給送ローラー14も駆動されている。
図6の上図のように、複数枚の用紙Pの先端がY軸方向において揃った状態から、給送ローラー14を給送方向に回転させつつ、分離ローラー15を第1回転方向Aに回転させると、図6の中図に示すように、複数枚の用紙Pの先端がずれて捌かれた状態となる。
この状態から、給送ローラー14を給送方向への回転は維持して、第2回転方向Bに分離ローラー15を回転させると、図6の下図に示すように、一番下(最も媒体載置部11側)の用紙Pの先端が分離ローラー15と給送ローラー14との間に入り込み易くなり、用紙Pを分離ローラー15と給送ローラー14とに確実にニップさせることができる。以って、前述したノンフィードや用紙捲れの不具合が生じる虞を低減できる。
尚、分離モードの実行前に分離ローラー15を第1回転方向Aに回転駆動する動作は、分離モードを行う場合に常に行う必要はなく、例えば、媒体載置部11に載置された用紙Pの枚数検出部を設け、所定以上の枚数の用紙Pが媒体載置部11に載置されたことが検出された場合にのみ実行するようにしてもよい。
次に、分離ローラー15のリミットトルクを変更するトルク変更手段40と、分離ローラー15の押圧荷重を変更する荷重変更手段60と、について説明する。尚、分離ローラー15の回転速度の変更は、前述した様に、「速度変更手段」としての制御部19が、分離ローラー15を駆動する第1駆動源25(図4)の駆動を制御することにより行われる。
■■■トルク変更手段について■■■
以下、図5及び図7を参照して、トルクリミッター41のリミットトルクを変更するトルク変更手段40について説明する。
トルクリミッター41は、図5及び図7に示すように、第1のトルクリミッター42と第2のトルクリミッター43とを備えて構成されている。本実施形態において、第1のトルクリミッター42と第2のトルクリミッター43のそれぞれの性能(空転トルク)は同じである。それぞれの空転トルクをT1とする。
第1のトルクリミッター42及び第2のトルクリミッター43のそれぞれの外周には歯車の歯が形成されており、動力伝達機構30の第1輪列31の一部を構成している。
言い換えると、第1のトルクリミッター42及び第2のトルクリミッター43は、図5に示す動力伝達機構30に含まれる歯車に設けられている。
そして、トルク変更手段40は、第1のトルクリミッター42及び第2のトルクリミッター43のうち、一方に前記回転トルクが掛かる状態(図7の上図)と、双方に回転トルクが掛かる状態(図7の下図)と、を切り換える切換部46を備えて構成される。
より具体的には、図5に示す動力伝達機構30に含まれる第2移動歯車36が、切換部46を構成している。
第2移動歯車36は、装置幅方向、すなわち、X軸方向にスライド移動可能に構成されている。図5において、実線で示す第2移動歯車36が、−X方向側に位置する状態を示し、点線で示す第2移動歯車36が、+X方向に位置する状態を示している。
そして、第2移動歯車36が−X方向側に位置する場合(図5において実線)に、第2移動歯車36は、トルクリミッター41としての第1のトルクリミッター42及び第2のトルクリミッター43のうち、第2のトルクリミッター43のみと噛合する状態(図7の上図)になり、一方(第1のトルクリミッター42)に回転トルクが掛かる状態となる。
この状態での分離ローラー15のリミットトルクTには、第2のトルクリミッター43の空転トルクT1のみが含まれ、第1のトルクリミッター42の空転トルクT1は含まれていない。
また、第2移動歯車36が+X方向側に位置する場合(図5において点線)に、第2移動歯車36は、第1のトルクリミッター42及び第2のトルクリミッター43の双方と噛合する状態(図7の下図)になり、第1のトルクリミッター42及び第2のトルクリミッター43の双方に回転トルクが掛かる状態となる。
この状態での分離ローラー15のリミットトルクTには、第1のトルクリミッター42の空転トルクT1と、第2のトルクリミッター43の空転トルクT1と、の双方が含まれることとなる。
以上のようなトルク変更手段40の構成により、分離ローラー15のリミットトルクTを変更することができる。
本実施形態において、切換部46としての第2移動歯車36は、図7に示すように、歯車ホルダー44に回転可能に保持されている。歯車ホルダー44には、つまみ部45が設けられており、つまみ部45は、図1及び図2に示すように上部ユニット4から露呈している。ユーザーが、つまみ部45をX軸方向にスライドさせることにより、分離ローラー15のリミットトルクを容易に変更できる。
また、切換部46としての第2移動歯車36のX方向への移動、すなわちリミットトルクの切り換えは、上記のように手動で行う構成とする他、第2移動歯車36のX方向への移動を電磁クラッチ等により行い、制御部19によって制御することも可能である。
尚、本実施形態においては、第1のトルクリミッター42の空転トルクと第2のトルクリミッター43の空転トルクとを同じT1としたが、異なるトルク(T1とT2)としてもよい。
その場合には、以下の様に構成すると、分離ローラー15のリミットトルクの変更の幅が広がる。
すなわち、トルク変更手段40は、空転トルクT1の第1のトルクリミッター42と、第1のトルクリミッター42とは空転トルクが異なる、空転トルクT2の第2のトルクリミッター43とを備え、切換部46としての第2移動歯車36が、第2のトルクリミッター43のみと噛合して(図7の上図)、第2のトルクリミッター43に回転トルクが掛かる状態と、切換部46としての第2移動歯車36が、第1のトルクリミッター42のみと噛合して(図示省略)、第1のトルクリミッター42に回転トルクが掛かる状態と、を切り換えるように構成される。
言い換えると、トルク変更手段40は、第1のトルクリミッター42に回転トルクが掛かる状態と、第2のトルクリミッター43に回転トルクが掛かる状態と、を切り換える切換部46を備えて構成される。
以上の構成により、分離ローラー15のリミットトルクTに、T1のみが含まれる状態と、T2のみが含まれる状態と、の間で容易に変更することができる。更に、前述した様に、第2移動歯車36が、第1のトルクリミッター42及び第2のトルクリミッター43の双方と噛合する状態(図7の下図)にすれば、第1のトルクリミッター42及び第2のトルクリミッター43の双方に回転トルクが掛かる状態となり、分離ローラー15のリミットトルクTに、T1とT2の双方が含まれる状態とすることもできる。
■■■荷重変更手段について■■■
以下、図9を参照して、分離ローラー15の押圧荷重を変更する荷重変更手段60について説明する。
荷重変更手段60は、ばね支持部61と分離ローラー15との間に配置されて、分離ローラー15を給送ローラー14に向けて押圧する押圧ばね62を備え、ばね支持部61を移動させることにより押圧ばね62のばね長Lを変更して、分離ローラー15の前記給送ローラーに対する押圧荷重を変更する構成である。
より具体的には、分離ローラー15はローラー保持部63に回転可能に支持されており、押圧ばね62はローラー保持部63に接触している。つまり、押圧ばね62は、ローラー保持部63を介して分離ローラー15を給送ローラー14に向けて押圧している。
ローラー保持部63は、保持した分離ローラー15を給送ローラー14に対して接離させるように揺動する揺動軸64を有する。
ばね支持部61の上方には偏心カム65が設けられており、偏心カム65が回転軸66を中心に回転することによりばね支持部61がZ軸方向に移動するように構成されている。
偏心カム65において、回転軸66との距離が最も近い外周の部位65aがばね支持部61に接触するとき(図9の左図)、ばね支持部61は最も+Z方向側に位置する。そして、押圧ばね62のばね長Lは最も長いL1となり、このときの押圧荷重Kは最も小さい押圧荷重K1となる。
一方、偏心カム65において、回転軸66との距離が最も遠い外周の部位65bがばね支持部61に接触するとき(図9の右図)、ばね支持部61は最も−Z方向側に位置する。そして、押圧ばね62のばね長Lは最も短いL2となり、このときの押圧荷重Kは最も大きい押圧荷重K2となる。
偏心カム65が回転することにより、押圧荷重Kを押圧荷重K1と押圧荷重K2との間で変更することができる。
偏心カム65は、不図示の駆動源から動力を受けて回転するように構成され、前記駆動源(不図示)の回転を制御部19が制御して、偏心カム65の回転が制御される。
言い換えると、分離ローラー15の回転速度を制御する制御部19は、荷重変更手段60またはトルク変更手段40の少なくとも一方(本実施形態においては、荷重変更手段60)を制御する。
このことによって、分離ローラー15の回転速度と、分離ローラー15の押圧荷重と、を自動で変更することができる。
本実施形態において、リミットトルクTは、トルク変更手段40をユーザーが手動で操作することにより変更されるが、トルク変更手段40の動作も制御部19が制御する構成とすることができる。以って、分離モードを行う際の、給送条件に応じた分離設定の変更を自動で行うことができる。
■■■トルク変更手段の他の例について■■■
<<トルク変更手段の変更例1>>
主として図10及び図11を参照して、トルク変更手段の変更例であるトルク変更手段50について説明する。
図10及び図11に示すトルク変更手段50は、分離ローラー15に対して第1回転方向A(図3)に掛かる回転トルクが所定のリミットトルクを越えた場合に、分離ローラー15を第1回転方向Aに空転させるトルクリミッター51と、分離ローラー15と、の間に動力伝達機構52を備え、動力伝達機構52は、第1動力伝達経路53(図11の左図)と、第1動力伝達経路53とは減速比の異なる第2動力伝達経路54(図11の右図)と、第1動力伝達経路53と第2動力伝達経路54とを切り換える「切り換え手段」としての移動歯車55と、を備える。
以下、トルク変更手段50の構成についてより具体的に説明する。
トルクリミッター51は歯車70に設けられている。第1駆動源25(図4)の動力は、不図示の輪列等の動力伝達機構によってトルクリミッター51の軸51aに伝達される。
図10に示すように、トルクリミッター51が設けられる歯車70から分離ローラー15までの動力伝達機構52は、移動歯車55、第1歯車56、第2歯車57、第3歯車58、第4歯車59(図11を参照)、第4歯車59が設けられる回転軸71、回転軸71と分離ローラー15の回転軸15aとの間に設けられる輪列72と、を備えている。
移動歯車55は、X軸方向に移動可能に構成されており、図11の左図のように第1歯車56と噛合する第1状態と、図11の右図のように第3歯車58と噛合する第2状態と、を切り換えられるようになっている。
移動歯車55が第1歯車56と噛合する場合の減速比(移動歯車55→第1歯車56→第2歯車57→第3歯車58→第4歯車59、の順に動力が伝達される場合の減速比)と、移動歯車55が第3歯車58と噛合する場合の減速比(移動歯車55→第3歯車58→第4歯車59、の順に動力が伝達される場合の減速比)とは、互いに減速比が異なる構成である。
より詳しくは、第1状態(図11の左図)では、歯車70の動力(回転)は、移動歯車55、第1歯車56、第2歯車57、第3歯車58、第4歯車59、回転軸71、輪列72、回転軸15a、分離ローラー15の順に伝達される。この動力伝達経路が第1動力伝達経路53である。
第2状態(図11の右図)では、歯車70の動力(回転)は、移動歯車55、第3歯車58、第4歯車59、回転軸71、輪列72、回転軸15a、分離ローラー15の順に伝達される。この動力伝達経路が第2動力伝達経路54である。
第1動力伝達経路53(図11の左図)と第2動力伝達経路54(図11の右図)では、減速比が異なる(その様に構成されている)。このことにより、第1動力伝達経路53によって動力が伝達される場合の分離ローラー15のリミットトルクT1と、第2動力伝達経路54によって動力が伝達される場合の分離ローラー15のリミットトルクT2と、が異なる。
したがって、「切り換え手段」としての移動歯車55をX軸方向に移動させて、第1動力伝達経路53(図11の左図)と第2動力伝達経路54(図11の右図)とを切り換えることにより、分離ローラー15のリミットトルクをT1からT2、或いはT2からT1に切り換えることができる。
尚、移動歯車55をX軸方向に移動させて行う第1動力伝達経路53と第2動力伝達経路54との切り替えは、手動で行う構成、或いは制御部19の制御によって自動で行う構成のいずれでもよい。
<<トルク変更手段の変更例2>>
主として図12及び図13を参照して、トルク変更手段の変更例であるトルク変更手段80について説明する。
図12に示すトルク変更手段80は、分離ローラー15の回転軸15aと同軸に設けられる歯車81及びトルクリミッター83を備えている。そして、トルクリミッター83は、歯車81を正転させた場合と、逆転させた場合と、で性能(空転トルク)が切り替わる構成である。トルクリミッター83は、図13に示すように、内部にコイルばね87を備えている。
以下、トルク変更手段80の構成についてより具体的に説明する。
図12の上図、及び図13の上図は、歯車81を矢印C方向に回転させた状態を示している。また、図12の下図、及び図13の下図は、歯車81を矢印D方向に回転させた状態を示している。
トルク変更手段80は、歯車81を矢印C方向に回転させた場合(図12の上図、及び図13の上図)に、トルクリミッター83の本体86と、分離ローラー15の回転軸15a側の連結部84とが連結され、トルクリミッター83の軸82と、歯車81側の連結部85とが連結される第1状態となる。
また、トルク変更手段80は、歯車81を矢印D方向に回転させた場合(図12の下図、及び図13の下図)に、トルクリミッター83の本体86と、歯車81側の連結部85とが連結され、トルクリミッター83の軸82と、分離ローラー15の回転軸15a側の連結部84とが連結される第2状態となる。
そして、前記第1状態と、前記第2状態と、を切り替えることにより、トルクリミッター83のコイルばね87の径が変わる様に構成されている。
コイルばね87の径が変わると、コイルばね87と本体86との間の摩擦力が変わるので、トルクリミッター83としての性能(空転トルク)を変えることができる。
■■■荷重変更手段の他の例について■■■
<<荷重変更手段の変更例1>>
図14を参照して、荷重変更手段の変更例である荷重変更手段90について説明する。
荷重変更手段90は、「第1の押圧部」としての第1コイルバネ91と、第1コイルバネ91とは押圧力が異なる「第2の押圧部」としての第2コイルバネ92と、を備え、分離ローラー15を給送ローラー14に向けて押圧するバネ(押圧部)を、第1コイルバネ91と第2コイルバネ92との間で切り換えることにより、分離ローラー15の給送ローラー14に対する押圧荷重Kを変更する構成である、ことを特徴とする。第1コイルバネ91と第2コイルバネ92とは、ばね定数が異なるばねである。
第1コイルバネ91及び第2コイルバネ92は、分離ローラー15を保持するローラー保持部63に接触し、ローラー保持部63を介して分離ローラー15を押圧する。
図14の上図は、第1コイルバネ91がローラー保持部63に接触し、分離ローラー15を押圧している状態を示している。図14の下図は、第2コイルバネ92がローラー保持部63に接触し、分離ローラー15を押圧している状態を示している。
分離ローラー15を押圧するバネの切り換えは、例えば、ラックピニオン機構93を用いて行うことができる。例えば、図14において、ピニオン94を矢印E方向に回転させると、第1コイルバネ91が下がり、第2コイルバネ92が上がる。逆に、ピニオン94を矢印F方向に回転させると、第1コイルバネ91が上がり、第2コイルバネ92が下がる。
第1コイルバネ91によって分離ローラー15が押圧されている場合の押圧荷重KはK1であり、第2コイルバネ92によって分離ローラー15が押圧されている場合の押圧荷重KはK2である。
以上のような荷重変更手段90によっても、分離ローラー15の給送ローラー14に対する押圧荷重Kを、押圧荷重K1と押圧荷重K2との間で変更することができる。
<<荷重変更手段の変更例2>>
図15を参照して、荷重変更手段の変更例である荷重変更手段100について説明する。
媒体給送装置10は、分離ローラー15を回転可能に保持するとともに、保持した分離ローラー15を給送ローラー14に対して接離させるように揺動する揺動軸102を有するローラー保持部101と、ローラー保持部101を介して分離ローラー15を給送ローラー14に向けて押圧する「押圧部」としての押圧ばね103と、を備えている。
そして、荷重変更手段100は、揺動軸102の位置を移動させることにより、分離ローラー15の給送ローラー14に対する押圧荷重Kを変更する構成である。
揺動軸102は、図15の左図に示す位置αと、図15の右図に示す位置βと、の間を変位可能に構成されている。
揺動軸102の位置が変わると、分離ローラー15と給送ローラー14とのニップ位置Nにおける接線と、揺動軸102の中心とニップ位置Nとを結んだ線分とによって形成される角度θが変わる。
押圧ばね103による押圧力は、角度θに応じて、矢印a、矢印b、矢印cのように分解される。角度θが小さいほどニップ位置Nにおける給送ローラー14に対する押圧荷重K(矢印c)は大きくなる。
揺動軸102が図15の左図に示す位置αにあるときの角度θはθ1、このときの押圧荷重KをK1とする。また、揺動軸102が図15の右図に示す位置βにあるときの角度θはθ2、このときの押圧荷重KをK2とする。
角度θはθ1<θ2であり、したがって、押圧荷重KはK1>K2となる。
以上のような荷重変更手段100によって、分離ローラー15の給送ローラー14に対する押圧荷重Kを、押圧荷重K1と押圧荷重K2との間で変更することができる。
<<荷重変更手段の変更例3>>
図16を参照して、荷重変更手段の変更例である荷重変更手段110について説明する。
媒体給送装置10は、分離ローラー15を回転可能に保持するとともに、保持した分離ローラー15を給送ローラー14に対して接離させるように揺動する揺動軸112を有するローラー保持部111と、ローラー保持部111を介して分離ローラー15を給送ローラー14に向けて押圧する「押圧部」としての押圧ばね113と、を備えている。
そして、荷重変更手段110は、ローラー保持部111と当接することにより押圧ばね113の押圧力に抗して分離ローラー15の給送ローラー14に対する位置を規制するとともに、分離ローラー15の給送ローラー14に対する位置が変化する方向に変位可能な変位部材115を備える。
図16において、変位部材115は、変位部材115と一体に設けられるラック部116と、ラック部116と噛合するピニオン歯車117と、によってZ軸方向に変位するように構成されている。ピニオン歯車117が矢印G方向に回転すると、変位部材115が上方(+Z方向)に変位し、ピニオン歯車117が矢印H方向に回転すると、変位部材115が下方(−Z方向)に変位する。
変位部材115は、ローラー保持部111に設けられる当接部114に下方から接触しており、分離ローラー15の給送ローラー14に対する位置を規制している。
変位部材115が上方、すなわち、押圧ばね113の押圧力に抗する方向に変位すると、分離ローラー15の給送ローラー14に対する押圧荷重Kは減少する。上方に変位させた変位部材115を下方に戻すと、押圧荷重Kは増加する。
以上のような荷重変更手段110によって、分離ローラー15の給送ローラー14に対する押圧荷重Kを容易に変更することができる。
<<荷重変更手段の変更例4>>
図17を参照して、荷重変更手段の変更例である荷重変更手段120について説明する。
媒体給送装置10には、分離ローラー15を駆動する第1駆動源25(図17において不図示、図4を参照)からの動力を伝達する動力伝達機構30Aが設けられている。
動力伝達機構30Aは、分離ローラー15の回転軸15aに一体に設けられる第1歯車121と、分離ローラー15の回転軸15aに一体に設けられ、第1歯車121とは減速比の異なる第2歯車122と、第1駆動源25の動力を第1歯車121に伝える第1位置M1(図17の左図)と、第1駆動源25の動力を第2歯車122に伝える第2位置M2(図17の右図)と、に変位可能な切換歯車125と、を含んでいる。
一例として、第1歯車121の減速比R1は、第2歯車122の減速比R2に対して相対的に低く設定されている(R1<R2)。
尚、図17において記載が省略されている第1駆動源25から切換歯車125までの動力伝達機構は、複数の歯車によって構成される輪列やベルト機構等を用いて構成することができる。
そして、荷重変更手段120は、切換歯車125を第1位置M1(図17の左図)と第2位置M2(図17の右図)との間で切り換えることにより、分離ローラー15の給送ローラー14に対する押圧荷重Kを変更する構成である。
動力伝達機構30Aによって第1駆動源25からの動力を分離ローラー15に伝達し、分離ローラー15を第2回転方向Bに回転させる場合、分離ローラー15の回転軸15aに一体に設けられる歯車の減速比が高い程、分離ローラー15の駆動によって分離ローラー15にかかる持ち上げ力(分離ローラー15が給送ローラー14から離れる方向にかかる力)が大きくなる傾向がある。前記持ち上げ力が大きくなると、分離ローラー15の押圧荷重が減少する。
したがって、切換歯車125が第2位置M2に配置され、高い減速比R2の第2歯車122を介して回転軸15aに動力が伝わる図17の右図の状態の押圧荷重K2の方が、切換歯車125が第1位置M1に配置され、低い減速比R1の第1歯車121を介して回転軸15aに動力が伝わる図17の左図の状態の押圧荷重K1より小さくなる(K1>K2)。
このような荷重変更手段120において、切換歯車125の位置を第1位置M1と第2位置M2との間で切り換えることにより、分離ローラー15の給送ローラー14に対する押圧荷重Kを、押圧荷重K1と押圧荷重K2との間で変更することができる。
尚、制御部19が、用紙種別毎に給送制御(上述した分離設定を含む)を切り換える場合、ユーザーによる用紙種別の選択即ち給送制御の選択は、操作パネル7が備える表示部にUI(ユーザインタフェース)を展開し、当該UIを介してユーザーに選択させても良いし、操作パネル7が設けられる装置前面に、用紙種別を選択させるハードスイッチを設けても良い。このハードスイッチは、例えば、電源ボタンとともに配置することができる。この様なハードスイッチを設けることで、ユーザーは、メニュー画面等を開くことなく、ダイレクトに用紙種別の選択を行うことができる。また、このハードスイッチは、用紙種別の選択に加え、スキャンの実行ボタンとして機能する様に設定しても良い。
具体的には、例えば用紙種別として、「ドキュメント」、「通常写真」、「パノラマ写真」、「インスタント写真」、のこれら四種類の用紙の選択を可能にする。この場合、上記ハードスイッチは用紙種別毎に設けられ、合計四つのハードスイッチ(用紙種別選択用のハードスイッチ)が装置前面に設けられることとなる。尚、インスタント写真は、例えば、ポラロイド(ポラロイド社の登録商標)写真のように、複数の層で構成される写真であり、分離ローラー15を分離状態にして分離を行うと層が分離してしまいダメージが生じる虞のある写真である。従ってインスタント写真の場合、給送制御として上述した分離切換手段27(図5)を、分離を行わない「非分離状態」とし、それ以外の用紙種別の場合は、給送制御として上述した「分離状態」とすることが好適である。
そして各ハードスイッチに対応して、用紙種別に応じた分離設定を行えば、適切な分離を行うことができる。また、給送制御には、分離設定のみならず、重送検出部28(図3)を用いた重送検出や、ジャム検出などが含まれる為、これらの設定を用紙種別に応じた適切なものに切り換えれば、より適切な搬送が実現できる。
その他、本発明は上記実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
例えば、上記において説明した媒体給送装置10は、画像読取装置だけでなく、他の装置にも搭載することができる。一例として、搬送される用紙(媒体)に記録を行う記録装置に設けることも可能である。
1…スキャナー(画像読取装置)、2…装置本体、3…下部ユニット、4…上部ユニット、5…排紙トレイ、6…給送口、7…操作パネル、8…第1補助ペーパーサポート、9…第2補助ペーパーサポート、10…媒体給送装置、11…媒体載置部、12…エッジガイド、13…ガイド面、14…給送ローラー(給送部)、15…分離ローラー、16…搬送ローラー対、17…排出ローラー対、18…排出口、19…制御部、20…読取部、20a…上部読取センサー、20b…下部読取センサー、21…第1検出部、22…第2検出部、23…第3検出部、24…第4検出部、25…第1駆動源、26…第2駆動源、27…分離切換手段、28…重送検出部、30…動力伝達機構、31…第1輪列、32…歯車、33…第1移動歯車、34…歯車、35…歯車、36…第2移動歯車、40…トルク変更手段、41…トルクリミッター、42…第1のトルクリミッター、43…第2のトルクリミッター、50…トルク変更手段、52…動力伝達機構、55…移動歯車(切り換え手段)、56…第1歯車、57…第2歯車、58…第3歯車、59…第4歯車、60…荷重変更手段、61…ばね支持部、62…押圧ばね、63…ローラー保持部、64…揺動軸、65…偏心カム、66…回転軸、70…歯車、71…回転軸、80…トルク変更手段、81…歯車、83…トルクリミッター、90…荷重変更手段、91…第1コイルバネ(第1の押圧部)、92…第2コイルバネ(第2の押圧部)、100…荷重変更手段、101…ローラー保持部、102…揺動軸、103…押圧ばね(押圧部)、110…荷重変更手段、111…ローラー保持部、113…押圧ばね(押圧部)、115…変位部材、120…荷重変更手段、121…第1歯車、122…第2歯車、125…切換歯車、P…用紙(媒体)

Claims (19)

  1. 媒体を載置する媒体載置部と、
    前記媒体載置部から前記媒体を給送する給送ローラーと、
    前記給送ローラーとの間で前記媒体をニップして前記媒体の分離を行うローラーであって、前記媒体を下流側に送る第1回転方向とは逆の第2回転方向に駆動源による駆動トルクが付与される分離ローラーと、
    前記分離ローラーに対して前記第1回転方向に掛かる回転トルクが所定のトルク上限値であるリミットトルクを越えた場合に、前記分離ローラーを前記第1回転方向に空転させるトルクリミッターと、を備え、
    前記分離ローラーの前記給送ローラーに対する押圧荷重を変える荷重変更手段と、
    前記駆動源の回転速度を変える速度変更手段と、
    前記リミットトルクを変えるトルク変更手段と、を有するとともに、
    給送の際の条件に応じて前記押圧荷重と、前記回転速度と、前記リミットトルクと、を含んで構成される分離設定を変更可能に構成される、
    ことを特徴とする媒体給送装置。
  2. 媒体を載置する媒体載置部と、
    前記媒体載置部から前記媒体を給送する給送ローラーと、
    前記給送ローラーとの間で前記媒体をニップして前記媒体の分離を行うローラーであって、前記媒体を下流側に送る第1回転方向とは逆の第2回転方向に駆動源による駆動トルクが付与される分離ローラーと、
    前記分離ローラーに対して前記第1回転方向に掛かる回転トルクが所定のトルク上限値であるリミットトルクを越えた場合に、前記分離ローラーを前記第1回転方向に空転させるトルクリミッターと、を備え、
    前記リミットトルクを変えるトルク変更手段と、
    前記分離ローラーの前記給送ローラーに対する押圧荷重を変える荷重変更手段と、を有するとともに、
    給送の際の条件に応じて前記押圧荷重と、前記リミットトルクと、を含んで構成される分離設定を変更可能に構成される、
    ことを特徴とする媒体給送装置。
  3. 媒体を載置する媒体載置部と、
    前記媒体載置部から前記媒体を給送する給送ローラーと、
    前記給送ローラーとの間で前記媒体をニップして前記媒体の分離を行うローラーであって、前記媒体を下流側に送る第1回転方向とは逆の第2回転方向に駆動源による駆動トルクが付与される分離ローラーと、
    前記分離ローラーに対して前記第1回転方向に掛かる回転トルクが所定のトルク上限値であるリミットトルクを越えた場合に、前記分離ローラーを前記第1回転方向に空転させるトルクリミッターと、を備え、
    前記リミットトルクを変えるトルク変更手段と、
    前記駆動源の回転速度を変える速度変更手段と、を有するとともに、
    給送の際の条件に応じて前記回転速度と、前記リミットトルクと、を含んで構成される分離設定を変更可能に構成される、
    ことを特徴とする媒体給送装置。
  4. 請求項1または請求項2に記載の媒体給送装置において、
    前記荷重変更手段は、第1の押圧部と、前記第1の押圧部とは押圧力が異なる第2の押圧部と、を備え、
    前記分離ローラーを前記給送ローラーに向けて押圧する押圧部を、前記第1の押圧部と前記第2の押圧部との間で切り換えることにより、前記押圧荷重を変更する構成である、
    ことを特徴とする媒体給送装置。
  5. 請求項1または請求項2に記載の媒体給送装置において、
    前記荷重変更手段は、ばね支持部と前記分離ローラーとの間に配置されて、前記分離ローラーを前記給送ローラーに向けて押圧する押圧ばねを備え、前記ばね支持部を移動させることにより前記押圧ばねのばね長を変更して、前記押圧荷重を変更する構成である、
    ことを特徴とする媒体給送装置。
  6. 請求項1または請求項2に記載の媒体給送装置において、
    前記分離ローラーを回転可能に保持するとともに、保持した前記分離ローラーを前記給送ローラーに対して接離させるように揺動する揺動軸を有するローラー保持部と、
    前記ローラー保持部を介して前記分離ローラーを前記給送ローラーに向けて押圧する押圧部と、を備え、
    前記荷重変更手段は、前記揺動軸の位置を移動させることにより、前記押圧荷重を変更する構成である、
    ことを特徴とする媒体給送装置。
  7. 請求項1または請求項2に記載の媒体給送装置において、
    前記分離ローラーを回転可能に保持するとともに、保持した前記分離ローラーを前記給送ローラーに対して接離させるように揺動する揺動軸を有するローラー保持部と、
    前記ローラー保持部を介して前記分離ローラーを前記給送ローラーに向けて押圧する押圧部と、を備え、
    前記荷重変更手段は、前記ローラー保持部と当接することにより前記押圧部の押圧力に抗して前記分離ローラーの前記給送ローラーに対する位置を規制するとともに、前記分離ローラーの前記給送ローラーに対する位置が変化する方向に変位可能な変位部材を備える、
    ことを特徴とする媒体給送装置。
  8. 請求項1または請求項2に記載の媒体給送装置において、
    前記駆動源からの動力を伝達する動力伝達機構を備え、
    前記動力伝達機構は、前記分離ローラーの回転軸に一体に設けられる第1歯車と、前記分離ローラーの回転軸に一体に設けられ、前記第1歯車とは減速比の異なる第2歯車と、
    前記駆動源の動力を前記第1歯車に伝える第1位置と、前記駆動源の動力を前記第2歯車に伝える第2位置と、に変位可能な切換歯車と、を含み、
    前記荷重変更手段は、前記切換歯車を前記第1位置と前記第2位置との間で切り換えることにより、前記押圧荷重を変更する構成である、
    ことを特徴とする媒体給送装置。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の媒体給送装置において、
    前記トルクリミッターとして、第1のトルクリミッターと、前記第1のトルクリミッターとは空転トルクが異なる第2のトルクリミッターとを備え、
    前記トルク変更手段は、前記第1のトルクリミッターに前記回転トルクが掛かる状態と、前記第2のトルクリミッターに前記回転トルクが掛かる状態と、を切り換える切換部を備えて構成される、
    ことを特徴とする媒体給送装置。
  10. 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の媒体給送装置において、
    前記トルクリミッターとして、第1のトルクリミッターと第2のトルクリミッターとを備え、
    前記トルク変更手段は、前記第1のトルクリミッター及び前記第2のトルクリミッターのうち、一方に前記回転トルクが掛かる状態と、双方に前記回転トルクが掛かる状態と、を切り換える切換部を備えて構成される、
    ことを特徴とする媒体給送装置。
  11. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の媒体給送装置において、
    前記トルクリミッターと前記分離ローラーとの間に動力伝達機構を備え、
    前記動力伝達機構は、第1動力伝達経路と、
    前記第1動力伝達経路とは減速比の異なる第2動力伝達経路と、
    前記第1動力伝達経路と前記第2動力伝達経路とを切り換える切り換え手段と、を備える、
    ことを特徴とする媒体給送装置。
  12. 請求項1に記載の媒体給送装置において、
    前記駆動源を制御する前記速度変更手段としての制御部を備える、
    ことを特徴とする媒体給送装置。
  13. 請求項12に記載の媒体給送装置において、
    前記制御部は、前記荷重変更手段または前記トルク変更手段の少なくとも一方を制御する、
    ことを特徴とする媒体給送装置。
  14. 請求項12または請求項13に記載の媒体給送装置において、
    前記分離ローラーは、前記媒体の分離を行う分離状態と、前記媒体の分離を行わない非分離状態と、を切り換え可能であり、
    前記制御部は、給送される前記媒体の種類に基づき、前記分離ローラーを前記分離状態にして給送を行う分離モードか、前記分離ローラーを前記非分離状態にして給送を行う非分離モードか、を選択可能である、
    ことを特徴とする媒体給送装置。
  15. 請求項14に記載の媒体給送装置において、
    前記駆動源によって前記分離ローラーを前記第1回転方向に回転駆動可能であり、
    前記制御部は、前記分離モードの実行前に、前記分離ローラーを前記第1回転方向に所定の回転量だけ回転駆動する、
    ことを特徴とする媒体給送装置。
  16. 請求項1に記載の媒体給送装置において、第1の媒体より相対的に厚みの薄い第2の媒体を分離する際、前記押圧荷重、前記回転速度、前記リミットトルク、の少なくともいずれかを、前記第1の媒体を分離する場合に比して抑制する、
    ことを特徴とする媒体給送装置。
  17. 請求項1に記載の媒体給送装置において、第1の媒体より相対的に摩擦力の高い第2の媒体を分離する際、前記押圧荷重、前記回転速度、前記リミットトルク、の少なくともいずれかを、前記第1の媒体を分離する場合に比して増やす、
    ことを特徴とする媒体給送装置。
  18. 請求項1または請求項2に記載の媒体給送装置において、
    第1の媒体より相対的に厚みの厚い第2の媒体を分離する際、前記押圧荷重を、前記第1の媒体を分離する場合に比して増やす、
    ことを特徴とする媒体給送装置。
  19. 媒体を読み取る読取部と、
    前記媒体を前記読取部に向けて給送する、請求項1から請求項18のいずれか一項に記載の媒体給送装置と、を備える、
    ことを特徴とする画像読取装置。
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