図1は、本発明の一形態に係るゲームシステムとしてのゲーム機の全体図である。ゲーム機1は、所定のプレイ料金の支払いと引換えに、そのプレイ料金に対応した範囲でユーザにゲームをプレイさせる商業用(業務用)のゲーム機として構成されている。この種のゲーム機1は、アーケードゲーム機と呼ばれることがある。ゲーム機1は、多数のユーザにゲームを繰り返しプレイさせて収益を上げることを主たる目的として店舗等の所定の施設に設置される。
ゲーム機1は、遊技媒体としてメダルを利用する、いわゆるメダルゲーム機である。ゲーム機1は、センターユニットCNと、そのセンターユニットCNの周囲を取り囲むようにして配置される複数のステーションユニットSTとを備えている。また、ゲーム機1には、センターユニットCNの上方に位置するセンターモニタ2が設けられている。センターモニタ2は、ゲーム機1で提供されるゲームに付随した様々な映像を表示する。センターモニタ2は、一例として液晶ディスプレイ装置が適用される。
図2は、センターユニットCN及び複数のステーションユニットSTの斜視図である。図2では、説明の便宜上、ゲーム機1の外装の一部が省略されている。センターユニットCNには、複数の要素から少なくとも一つの要素を選択する抽選機構11と、抽選機構11に遊技体の一例としてのボールBを投入する投入機構12と、ボールBを回収する回収機構13(図5にて図示)とが設けられている。抽選機構11は、抽選フィールドLFにボールBが投入され、各要素がそれぞれ対応付けられた遊技体進入部の一例としての複数のポケット22にボールBが進入することにより、ボールBが進入したポケット22の要素が抽選されるルーレット型の抽選機構である。要素として、例えば複数色(赤、黄、緑、ピンク、青の5色)が設定され、各ポケット22に所定の順番で割り当てられている。本形態では、各色が三つのポケット22に割り当てられている。ただし、一部のポケット22に関しては、色以外の要素が割り当てられ、あるいは複数の色が割り当てられている。
抽選機構11には、抽選が行われる抽選フィールドLFと、投入機構12から供給されたボールBを投入するボール投入口21とが設けられている。抽選フィールドLFには、複数のポケット22の一部(ポケット22aということがある。)が周方向に沿って並べられた外側抽選部23と、外側抽選部23の内側に同軸的に配置され、かつ残りのポケット22(ポケット22bということがある。)が並べられた内側抽選部25とが設けられている。外側抽選部23及び内側抽選部25は共通の軸線AXの回りに一体的に回転駆動される。外側抽選部23には、ポケット22aに加えて、ボールBを内側抽選部25に案内する適宜数(図示例では三個)の案内通路24も設けられている。さらに、抽選フィールドLFには、外側抽選部23と内側抽選部25との間に位置し、軸線AXを中心に内側抽選部25及び外側抽選部23と逆方向に回転駆動される回転部としての回転フィールド26と、外側抽選部23の周囲を取り囲むように位置するボール移動フィールド27とが設けられている。
図3は、抽選機構11の要部拡大図である。また、図4は、図3の回転フィールド26を省略した図である。抽選機構11にはさらに、外側抽選部23と内側抽選部25とを支持する支持機構28と、支持機構28を回転駆動する駆動源29とが設けられている。駆動源29は、軸線AXに沿って延びる駆動軸(不図示)を回転させる。支持機構28は駆動軸に固定され、支持機構28が回転することにより外側抽選部23及び内側抽選部25が一体的に回転する。支持機構28には、回転フィールド26を回転駆動する駆動源30が固定されている。駆動源30は、回転フィールド26に固定された伝達部材31を回転させることで回転フィールド26を回転させている。このため、回転フィールド26は、外側抽選部23及び内側抽選部25とは独立して回転することができる。本形態では、回転フィールド26は、各抽選部23、25とは逆回転に駆動される。駆動源30は、スリップリング等の周知技術を利用して給電されている。なお、ボール移動フィールド27は、ゲーム機1に固定されている。
各ポケット22にはそれぞれ、進入したボールBを検出するボール検出センサ32が設けられている。ボール検出センサ32は、一例として接触センサや光電センサ等の各種センサが適用される。外側抽選部23の案内通路24は、ボールBが移動できる程度の幅を有する。ここで、案内通路24には、ボールBの案内通路24への進入を検出するセンサが入口側に設けられ、ボールBの回転フィールド26への進出を制限するストッパー部材が出口側に設けられる(いずれも不図示)。ボールBの案内通路24への進入をセンサが検出した場合、ユーザにその旨を表示や音声で報知して案内通路24への注意を促し、所定時間が経過した後にストッパー部材を下げてボールBの回転フィールド26への進出を許可する。ボールBがいずれかのポケット22に進入すると、ボールBは回収機構13に回収される。図5は、回収機構13の斜視図である。回収機構13は、支持機構28の下方に位置する。なお、図5は、図3、図4で示した抽選機構11の駆動源29により回転される部材(外側抽選部23、内側抽選部25、支持機構28、回転フィールド26及び駆動源30等)を省略した図である。回収機構13には、各ポケット22を通過したボールBが落下する落下面41と、落下面41に落下したボールBが収集される収集部42と、投入機構12にボールBを供給する供給路43と、収集部42から供給路43にボールBを一つずつ移動させる移動部材44とが設けられている。落下面41は、ボールBが収集部42に移動できるように傾斜して設けられている。また、ボールBの収集部42以外への進入を防止するために仕切り45が設けられている。移動部材44は、駆動軸に固定され、駆動源29の動力を受けて内側抽選部25及び外側抽選部23と一体として回転する。移動部材44は、板状の部材で、ボールBを収容する複数のポケット44aが等間隔に設けられている。ボールBは各ポケット44aに一つずつ収容されて移動部材44の回転に伴って移動し、順次供給路43へ案内される。これにより、ボールBを詰まらせることなく回収させることができる。
図6は、投入機構12の斜視図である。なお、図6では、説明の便宜上、ステーションユニットSTを省略している。投入機構12には、回収機構13の供給路43が接続され、抽選機構11から回収されたボールBが供給される。投入機構12には、ボールBを搬送させる搬送部材51と、搬送部材51を駆動する駆動源52とが設けられている。搬送部材51は、スクリュー51aの設けられた棒状の部材で駆動源52の動力を受けて軸線を中心に回転する。供給路43からスクリュー51aにボールBが供給される。スクリュー51aが回転してボールBは上方向に移動する。移動したボールBは、ボール投入口21から抽選フィールドLFへ投入される。なお、投入機構12は、外側抽選部23よりも外側に位置するボール移動フィールド27に対してボールBを投入するように設けられているが、これに加えて、抽選部23、25間の回転フィールド26に対してボールBを投入する機構が設けられてもよい。
図2に戻って、ステーションユニットSTを説明する。ステーションユニットSTには、メダルを投入するメダル投入口61と、モニタ62と、モニタ62に重ね合わされた透明なタッチパネル63と、ユーザが所有するカード64を読み取るカードリーダ65と、メダルを払い出すメダル払出口66とが設けられている。ユーザがメダルをメダル投入口61に投入するとクレジットとしてカウントされる。ステーションユニットSTでは、クレジットの消費に応じた範囲のゲームを提供する。ステーションユニットSTでは、複数種類のゲームが提供され、ユーザはプレイするゲームを選択することができる。一例として、ビンゴゲームや、ブロック消しゲーム、デジタルプッシャーゲーム等のゲームが提供される。各ゲームは、センターユニットCNでの抽選結果に応じて進行する。ゲームの操作はタッチパネル63を介して入力される。モニタ62は一例として液晶ディスプレイ装置が適用される。モニタ62及びタッチパネル63は、周知技術を利用して構成してよい。カード64には、ICチップ、磁気ストライプといった不揮発性記憶媒体(不図示)が設けられ、その媒体にはカード64毎にユニークなユーザ識別情報(以下、カードIDと呼ぶことがある。)等が記録される。カードIDは、ゲーム機1のユーザを識別するための情報として利用される。
ゲーム機1で提供される抽選処理を説明する。センターユニットCNで実行される抽選の抽選結果、すなわち、ボールBがいずれのポケット22に進入したかの結果に基づいて、各ステーションユニットSTにてゲームが進行する。センターユニットCNで実行される抽選は、抽選フィールドLFにボールBが投入され、ボールBが進入したポケット22に対応付けられた要素が選択されることで行われる。センターユニットCNでの抽選は、ボールBの投入動作と関連付けて抽選単位が設定される。抽選単位での抽選は所定の終了条件が成立しない限り繰り返される。抽選単位は一例としてボールBの投入数と関連付けて定められている。例えば、ゲーム開始後の初回の抽選単位では3球のボールBが投入され、その後の抽選単位ではボールBが1球ずつ投入される。ただし、抽選単位は適宜に設定されてよい。また、終了条件は抽選単位を繰り返す回数、時間等に関連付けて設定されている。ただし、終了条件が成立するまでの抽選単位の繰り返し回数は動的に変更され得る。これらについては後述する。
図7は、抽選フィールドLFの模式図である。外側抽選部23には、案内通路24を起点として反時計回りに、赤色の要素が割り当てられたポケット(以下、赤ポケットと呼ぶ。他の色についても同様に表記する。)22p、黄ポケット22q、緑ポケット22r、ピンクポケット22s、青ポケット22t、及びアウトポケット22uが順に並べられている。案内通路24が三箇所に設けられているため、これらのポケット22p〜22uも合計で三組設けられている。アウトポケット22uは、抽選の終了条件と関連付けられたポケットである。例えば、ボールBがアウトポケット22uに進入すると抽選が終了する、といったように終了条件が設定される。アウトポケット22uに設定されたアウトの属性もまた抽選機構11にて選択される要素の一種である。
一方、内側抽選部25には、五つの複数色ポケット22vと一つのスペシャルポケット22wとが周方向に並べて設けられている。複数色ポケット22vのそれぞれには、上述した要素としての赤、黄、緑、ピンク及び青から選択された二色の要素が割り当てられている。図示例では、五色の要素のそれぞれが二つの複数色ポケット22vに適宜に割り当てられている。スペシャルポケット22wには全ての色が割り当てられている。なお、抽選部23、25における各ポケット22への要素の割り当ては適宜に変形が可能である。例えば、内側抽選部25において、一部の色を他の色よりも多くのポケット22vに割り当てる、あるいは一部のポケット22bに単一色の要素を割り当てるといったように内側抽選部25における要素の割り当てが変更されてもよい。外側抽選部23においても、一部のポケット22aを複数色ポケット22v、あるいはスペシャルポケット22wとして設定し、あるいは一部の色を他の色よりも多くのポケット22aに割り当てるといった変更が可能である。
抽選が開始されると、抽選機構11にて抽選単位ごとにボールBが繰り返し投入され、ボールBが進入したポケット22の色と関連付けてゲームが進行する。投入されたボールBがアウトポケット22uに入ると抽選が終了する。終了条件は、一例として、アウトポケット22uへのボールBの進入に加えて、抽選開始からのボールBの投入数が所定の上限値に達した場合にも成立するように設定されてもよい。ポケット22に入ったボールBは、落下面41に落下し、移動部材44により供給路43に案内されて投入機構12に供給される。
一方、ステーションユニットSTでは、複数種類のゲームが提供される。ユーザは、1以上のゲームを選択してクレジットをベットし、センターユニットCNの抽選結果と関連付けてステーションユニットSTで実行されるゲームの結果に応じた報酬を受ける。ゲーム機1では、複数のユーザのそれぞれが複数のゲームを並行してプレイすることができる。モニタ62には各種のゲームのゲーム画面が表示される。ゲーム画面には、ユーザが選択したゲームが画面を分割して表示、あるいは切換可能に表示される。
ステーションユニットSTにて提供されるゲームには、抽選機構11を用いた抽選と、それとは異なる抽選のそれぞれと関連付けて進行が制御されるゲームが含まれている。以下では、その種のゲームの一例を説明する。
図8は、本形態のゲーム制御の概念を示している。図示のように、この形態では、第1抽選部71及び第2抽選部72の二つの抽選部が要素選択手段(又は要素選択装置)の一例として用いられる。第1抽選部71は第1選択手段(又は第1選択装置)の一例に、第2抽選部72は第2選択手段(又は第2選択装置)の一例にそれぞれ相当する。第1抽選部71は、上述した抽選機構11及び投入機構12を含み、物理的な遊戯媒体を利用して要素を選択する。一方、第2抽選部72は抽選機構11を利用せず、第1抽選部72とは異なる仕組みで要素を選択する。例えば、第2抽選部72は乱数その他を用いた電子的な抽選を実行して要素を選択する。第1抽選部71は、上述したポケット22p〜22tに付された赤、黄、緑、ピンク、青の各色、アウトポケット22uに付されたアウトの属性のいずれかを選択する。ただし、内側抽選部25の複数色ポケット22vにボールBが進入した場合には、そのポケット22vに設定された二色が同時に選択され、スペシャルポケット22wにボールBが進入した場合には上記の五色が同時に選択されたものとして扱われる。一方、第2抽選部72にて選択される候補としての要素群は、第1抽選部71にて選択される候補としての要素群とは必ずしも一致しない。この点の具体例は後述する。
第1抽選部71及び第2抽選部72は、互いに同期して要素を選択する。すなわち、第1抽選部71が要素の選択を一回実行すると、これに合わせて第2抽選部72も要素の選択を一回実行する。各抽選部71、72にて選択された要素は所定の判定範囲73に適宜に繰り入れられる。図8では、判定範囲73に繰り入れられた要素を白抜きの円で代表し、参照符号74を付している。以下では要素74と表現する。判定範囲73には、所定数(一例として六つ)の要素74が収容される。ゲームは、判定範囲73に繰り入れられた要素74の組み合わせと関連付けてその進行が制御される。例えば、ゲームの進行制御の一例として、判定範囲73における要素74の組み合わせが所定の入賞条件を満たすか否かが判定され、入賞条件が満たされている場合、プレイヤに対する報酬が加算されるといったようにゲームが進行する。
第1抽選部71にて選択された要素74は第1規則に従って判定範囲73に繰り入れられ、第2抽選部72にて選択された要素74は第1規則とは異なる第2規則に従って判定範囲73に繰り入れられる。例えば、第1規則と第2規則とは、要素74の選択から当該要素74が判定範囲73に繰り入れられるまでに要する時間長と関連付けて差別化されている。その具体的な例として、第1規則は、第1抽選部71にて選択された要素74が、第1抽選部71にて次の要素74が選択されるまでの間に判定範囲73に繰り入れられるように設定される。言い換えれば、第1規則は、第1抽選部71にて要素74が選択されるごとにその要素74が判定範囲73に繰り入れられ、その後に第1抽選部71にて次の要素74が選択されるといったように、要素74の選択と判定範囲73への要素74の繰り入れとが順次繰り返されるように設定される。
一方、第2規則は、第2抽選部72にて選択された要素74が判定範囲73に繰り入れられるまでに要する時間長が、第1抽選部71における上記の時間長よりも大きくなるように設定されている。したがって、第1抽選部71及び第2抽選部72が上記のように同期して要素74の選択を繰り返すものとした場合、第1抽選部71にて選択された要素74が判定範囲73に繰り入れられて次の要素74が第1抽選部71で選択されるまでの間、第2抽選部72にて同時並行的に選択された要素74は判定範囲73に繰り入れられず、その後に遅れて判定範囲73に繰り入れられる。
上記のように、抽選部71、72のそれぞれで選択された要素74を判定範囲73に繰り入れるための規則を差別化すれば、抽選部71、72による抽選結果と、それらの抽選結果が判定範囲73における要素74の組み合わせに与える影響、つまりはゲームの進行に与える影響との対応関係(一例として時間的あるいは時期的な対応関係)に差を生じさせることができる。例えば、第1抽選部71における抽選の繰り返しに応じて判定範囲73における要素74の組み合わせが漸次変化している間に、第2抽選部72にて選択された要素74を判定範囲73に適宜に繰り入れることにより、判定範囲73における要素74の組み合わせの変化に不規則性を生じさせることができる。それにより、両抽選部71、72にて選択された要素74を判定範囲73に対して等しく規則的に繰り入れる場合と比較して、要素の組み合わせの形成過程の単調性を抑制又は解消し、ゲームの進行を多様化することができる。抽選部71、72のそれぞれにて要素が選択されてからそれらの要素が判定範囲に繰り入れられる過程を観察するプレイヤとっては、ゲームの進行に関する予測が困難となり、それによりプレイヤの期待感や緊張感も適宜に変化する。そのため、ゲームの興趣が高まる。
図9は、図8に示したゲーム制御の概念が適用されたゲーム画面の一例を示している。図示のゲーム画面100は、配列表示部101と、配当表示部102とを含んでいる。配列表示部101にはテーブル103の画像が配置されている。テーブル103の上面には、テーブル103の後縁に沿って弧を描くように延びる待機列104と、テーブル103を直径方向左右に横切るように延びる判定列105とが設定されている。判定列105は図8の判定範囲73の一例に相当し、待機列104はその判定列105に繰り入れられるべき要素を一時的に待機させる待機範囲の一例として設定されている。
待機列104及び判定列105のそれぞれには複数のマス106が設定されている。マス106は一例として円形に表示される。マス106のそれぞれは、シンボル107が置かれる場として設定されている。シンボル107は図8における要素74を画像によって表現したものであって、要素の一例に相当する。待機列104に配置されたシンボル107は、抽選の繰り返しに伴って左端から右端に向かって一マスずつ順次移動する。待機列104の右端のマス106に達したシンボル107は判定列105の右端のマス106に移動する。判定列105では、抽選の繰り返しに伴ってシンボル107が右端から左端に向かって一マスずつ順次移動する。判定列105の左端のマス106に達したシンボル107は、新たなシンボル107が判定列105の右端のマス106へと繰り入れられることと引き換えに判定列105から除外される。つまり、待機列104ではシンボル107が左から右へと移動し、判定列105ではシンボル107が右から左へと移動する。以下では、待機列104に関してその右端を先端、左端を後端とそれぞれ称し、判定列105に関してその左端を先端、右端を後端とそれぞれ称することがある。
マス106は、シンボル107が置かれない空の状態となることがある。図9では、待機列104の右端から3個のマス106が空である。そのような空のマス106が生じる理由は後述する。待機列104には4個のマス106が、判定列105には6個のマス106がそれぞれ設けられている。シンボル107の種類については後述する。
配当表示部102には、判定列105にて入賞条件を成立させるシンボル107の組み合わせと、その組み合わせが形成された場合に付与される報酬とが入賞条件ごとに対応付けて表示される。図9の例では、同一色のシンボル107を四つ含んだ組み合わせが形成された場合に成立する「4カラー」、同一色のシンボル107を五つ含んだ組み合わせが形成された場合に成立する「5カラー」、同一色のシンボル107が六つ揃った組み合わせが形成された場合に成立する「6カラー」、赤、黄、緑、ピンク、青のシンボル107p〜107tと、スペシャルポケット22wに対応するシンボル107wとを一つずつ含んだ組み合わせが形成された場合に成立する「6カラー」が入賞条件として設定されている。配当表示部102には、それらの入賞条件ごとに、報酬の一例としてプレイヤに付与されるクレジットの数量(配当量)が表示されている。
なお、入賞条件は一例であり、それらの設定は適宜に変更可能である。例えば、同一色のシンボル107が判定列105にて所定数以上連続して配置された場合に成立するように入賞条件が設定されてもよい。判定列105に配置されているシンボル107が第1抽選部71又は第2抽選部72のいずれで選択されたシンボル107か、を入賞条件の成否と関連付けてもよい。図示例ではスペシャルシンボル107wが第1抽選部71及び第2抽選部72の両者で選択され得る要素であるため、判定列105における入賞条件の成否に対してスペシャルシンボル107wが発揮する価値を、そのスペシャルシンボル107wがいずれの抽選部71、72にて選択されたかに応じて差別化してもよい。
報酬としてのクレジット数もゲームの進行に応じて適宜に変更されてよい。一例として、判定列105におけるシンボル107の組み合わせが所定の条件を満たすとクレジット数が増加するといったように、報酬としてのクレジット数は適宜に変更される。その他にも、配当表示部102のクレジット数はゲームの進行に応じて適宜変更されてよい。抽選部71、72のそれぞれにて要素74が選択されると、ゲーム画面100では選択された要素74に対応するシンボル107が待機列104にまずは配置され、その後、第1規則及び第2規則に従ってシンボル107が判定列105へと適宜に繰り入れられる。すなわち、ゲーム画面100では、第1抽選部71、72のそれぞれにて要素の一例としてのシンボル107が選択されてから、それらのシンボル107が待機列104を介して判定列105に繰り入れられて判定列105におけるシンボル107の組み合わせが変化する一連の過程がプレイヤに提示される。
次に、図10A〜図10Jを参照して、抽選部71、72における抽選と、待機列104及び判定列105におけるシンボル107の配置との対応関係の一例をより詳しく説明する。なお、図10A〜図10Jのそれぞれにおいて、待機列104は簡単のため左右方向に真っ直ぐ延びるように描かれている。図10Aは、ゲームの適宜の段階における判定列105及び待機列104のそれぞれのシンボル107の配置の一例を示している。まず、抽選部71、72のそれぞれにて選択の候補となるべきシンボル107の種類を説明する。上述した説明から明らかなように、第1抽選部71は厳密にはポケット22p〜22t、22v、22wに設定された色又はアウトポケット22uに設定されたアウトの属性を選択する。しかしながら、その選択に従ってシンボル107の色又は属性が選択されることから、それらの色やアウトの属性はシンボル107の種類と1対1に対応し、色やアウトの属性を選択することは結果としてシンボル107の種類を選択することと変わりがない。よって、以下では第1抽選部71、及び第2抽選部72のそれぞれではいずれかの種類のシンボル107が要素として選択されるものと見なす。
図10Aに示すように、第1抽選部71では、抽選機構11の外側抽選部23におけるポケット22p〜22tのそれぞれに対応する赤色のシンボル107p、黄色のシンボル107q、緑色のシンボル107r、ピンクのシンボル107s、及び青色のシンボル107tと、アウトポケット22uに対応するアウトシンボル107uと、内側抽選部25の複数色ポケット22vのそれぞれに対応する複数色シンボル107vと、内側抽選部25のスペシャルポケット22wに対応するスペシャルシンボル107wとが、選択されるべき要素の候補として設定されている。これらのシンボル107p〜107wは、第1選択手段にて選択される候補としての第1の要素群の一例に相当する。なお、図10Aでは、ポケット22p〜22wのそれぞれとシンボル107p〜107vとの対応関係を、アルファベットの添字、及びハッチング又は塗り潰しを一致させることにより示している。図10B〜図10Jにおいても同様である。スペシャルシンボル107wには「SP」の文字列を、アウトシンボル107uには「OUT」の文字列をそれぞれ付してある。
一方、第2抽選部72では、上述したスペシャルシンボル107wの他に、リンゴの形を模したリンゴシンボル107d、オッズアップシンボル107e、外れシンボル107fが選択されるべき要素の候補として設定されている。なお、これらのシンボル107w、107d〜107fは、第2選択手段にて選択される候補としての第2の要素群の一例に相当する。リンゴシンボル107dには、色等が異なる複数種類が存在し、ゲームの進行に与える影響や効果等(以下、これらを総称して価値と呼ぶ。)が種類に応じて異なるが、図ではハッチングの相違にてリンゴシンボル107dの種類を区別して示し、以下の説明ではそれらの種類を総称してリンゴシンボル107dと称する。オッズアップシンボル107eには「UP」の文字列を付してある。
リンゴシンボル107d、及びオッズアップシンボル107eは、単独では判定列105に繰り入れることができず、第1抽選部71にて選択されたシンボル107と結合することによって判定列105に繰り入れられる付加要素の一例として設定されている。付加要素の効果は後述する。リンゴシンボル107dは例えば色によって種類ごとに区別して表示される。図10Aでは二種類のリンゴシンボル107dを示しているが、その種類は一種類又は三種類以上に設定されてもよい。外れシンボル107fは、第2抽選部72における抽選の外れとしての意義を有する要素である。外れシンボル107fは待機列104及び判定列105のいずれにも配置されない。したがって、外れシンボル107fは第2の要素群における外れ要素の一例に相当し、それ以外のシンボル107w、107d、107eは当たり要素の一例に相当する。また、第2抽選部72による選択の候補としてのスペシャルシンボル107wは第2の要素群における共用要素の一例に相当する。
次に、抽選部71、72による抽選と、待機列104及び判定列105におけるシンボル107の配置の変化との対応関係に関する一例を説明する。図10Aの状態では、待機列104の先端のマス106が空の状態である。この状態から第1抽選部71にてシンボル107(図示例ではシンボル107s)が選択されると、そのシンボル107は待機列104の先端の空のマス106に配置される。一方、第1抽選部71による抽選と同期して第2抽選部72でもシンボル107(図示例ではリンゴシンボル107d)が選択されると、そのシンボル107は待機列104の後端のマス106のさらに左側の空きスペースに一旦配置される。
続いて、図10Bに示したように、判定列105の先端のマス106に配置されていたシンボル107、つまり判定列105に最も早い時期に繰り入れられたシンボル107が判定列105から除外され、判定列105の先端以外のマス106に配置されていたシンボル107が一マスずつ左方にシフトするように移動する。これにより、判定列105の右端のマス106が空となり、そのマス106に待機列104の先端のマス106に配置されていたシンボル107が繰り入れられる。これに伴って、待機列104ではシンボル107が一マスずつ右方にシフトするように移動し、第2抽選部72にて選択されたシンボル107が待機列104の後端のマス106へと配置される。なお、第2抽選部72にて外れシンボル107fが選択された場合、その外れシンボル107fは待機列104には繰り入れられない。その場合、待機列104の後端のマス106は待機列104内のシンボル107の移動に伴って空状態のマス106となる。
図10Bの状態からシンボル107が移動した後の状態を図10Cに示す。シンボル107が移動すると、その移動後の判定列105にてシンボル107が入賞条件を満たす組み合わせを形成しているか否かが判定される。図10Cの状態では、同一色のシンボル107が四つ以上含まれていないので入賞条件は成立していない。また、図10Cでは、待機列104の先端のマス106にスペシャルシンボル107wが配置され、待機列104の後端のマス106にリンゴシンボル107dが配置されている。図10A〜図10Cに至る段階で、第1抽選部71にて選択されたシンボル107が判定列105へと繰り入れられているため、図10Cにて待機列104の先端のマス106に位置するスペシャルシンボル107wは、第2抽選部72にて過去に選択済のシンボル107である。
図10Cの状態から次に第1抽選部71及び第2抽選部72にてシンボル107が選択された場合の変化を図10D〜図10Gに示す。図10Cの状態では、待機列104の先端のマス106にシンボル107が配置されている。そのため、図10Dに示すように、第1抽選部71にて選択されたシンボル(図示例では複数色シンボル107v)は待機列104の先端から二番目の空状態のマス106に繰り入れられる。第2抽選部72にて選択されたシンボル107は上記と同様である。なお、図10Dの例では、第2抽選部72にて外れシンボル107fが選択されたため、そのシンボル107gは実際には待機列104に繰り入れられない。一方、判定列105では先端のマス106からのシンボル107の除外、それ以外のシンボル107のシフトが行われる。そして、判定列105の後端に生じた空状態のマス106に、待機列104の先端のマス106に配置されていたスペシャルシンボル107wが繰り入れられる。これにより、図10Eに示すように、判定列105に配置された六つのシンボル107の組み合わせが更新されるため、ここでも入賞条件の成否が判定される。ただし、図10Eでも入賞条件は満たされていない。待機列104から判定列105へのシンボル107の繰り入れに伴って待機列104の先端のマス106が空状態となるため、待機列104ではシンボル107が右方に一マスずつシフトするように移動する。上述したように図10Dでは第2抽選部72にて外れシンボル107fが選択されたため、待機列104の後端のマス106は空状態となる。
図10Eにおいて、待機列104の先端のマス106に配置された複数色シンボル107vは、今回の抽選機会にて第1抽選部71が選択したシンボル107である。図8にて説明したように、第1規則は、第1抽選部71にて要素74が選択される都度、その要素74が判定範囲73に繰り入れられるように設定される。その第1規則を満たすため、図10Eの状態が得られた後、続いて図10Fに示すように、判定列105における先端のマス106からのシンボル107の除外、及びそれ以外のマス106に配置されたシンボル107のシフトが行われ、判定列105の後端に生じた空状態のマス106に待機列104の先端のマス106から複数色シンボル107vが繰り入れられる。さらに、待機列104ではシンボル107のシフトが行われる。その結果として、待機列104及び判定列105は図10Gに示した状態へと変化する。
図10Gの状態に至ることにより判定列105におけるシンボル107の組み合わせが更新される。そのため、図10Gの段階では再び入賞条件の成否が判定される。この状態では、二つの緑色のシンボル107rと、緑色及び黄色として通用する一つの複数色シンボル107vと、全ての色として通用するスペシャルシンボル107wとを含んだシンボル107の組み合わせが形成されている。したがって、緑色に関して「4カラー」の入賞条件が満たされたと判定される。
図10Gの状態に達した後、第1抽選部71及び第2抽選部72にて次の抽選が行われ、それに対応した待機列104及び判定列105の更新が完了すると、図10Hに示すように、待機列104の先端のマス106には付加要素の一種としてのリンゴシンボル107dが移動する。なお、図10Gの状態から図10Hの状態へと変化するときに、例えば第1抽選部71にて緑色のシンボル107rが選択され、そのシンボル107rが判定列105に繰り入れられたとすれば、判定列105では、三つの緑色のシンボル107rと、緑色及び黄色として通用する一つの複数色シンボル107vと、全ての色として通用するスペシャルシンボル107wとを含んだ組み合わせが形成される。それにより、緑色に関して「5カラー」の入賞条件が満たされたと判定される。
図10Hの状態から、さらに第1抽選部71及び第2抽選部72にてシンボル107が選択された場合の一例を図10Iに示す。例えば、第1抽選部71にて青色のシンボル107tが選択されたものとすれば、その青色シンボル107tは待機列104の先端のマス106に一旦繰り入れられてリンゴシンボル107dと結合される。それにより、図10Jに示したように、待機列104の先端のマス106では、青色でかつリンゴシンボル107dの価値を有する結合要素の一例としての結合シンボル107cが生成される。その生成に伴って、判定列105では先端のマス106からのシンボル107の除外とそれ以外のシンボル107のシフトとが行われる。待機列104にて生成された結合シンボル107cは、第1抽選部71にて選択されたシンボル107の一種として、判定列105の後端の空状態のマス106に繰り入れられる。この場合も判定列105におけるシンボル107の組み合わせが更新されるため、再び入賞条件の成否が判定される。
結合シンボル107cが判定列105に含まれている状態で入賞条件が成立した場合には、結合シンボル107cを構成する付加要素としてのリンゴシンボル107d、あるいはオッズアップシンボル107eの価値に応じた報酬が発生することがある。例えば、入賞条件の成立に関与したシンボル107、例えば特定色に関して「4カラー」の入賞条件が成立した場合、その特定色のシンボル107の少なくとも一部が結合シンボル107cであることを条件として、結合シンボル107cを構成する付加要素の価値が発揮される。例えば、結合シンボル107cがリンゴシンボル107dを含むものである場合、プレイヤがリンゴシンボル107dを報酬として獲得する。リンゴシンボル107dは、例えばプレイヤが所定数獲得すると、大量の報酬を獲得する可能性がある(つまり期待値が高い)ボーナスゲームへと進むことができる、といったように、プレイヤに適宜の特典を与える価値を有する付加要素である。入賞条件の成立に関与したシンボル107の少なくとも一部がオッズアップシンボル107eを付加要素として含む結合シンボル107cであった場合、配当表示部102に表示されるクレジット数が増加する、といった特典がプレイヤに付与される。
以上に説明したように、図10A〜図10Jに示した例によれば、第1抽選部71及び第2抽選部72にてシンボル107が一回選択されると、第1抽選部71にて選択されたシンボル107は第1規則に従って判定列105に必ず繰り入れられる。一方、第2抽選部72にて選択されたシンボル107(外れシンボル107fを除く)は、待機列104の先端のマス106まで進んだ後、次回の第1抽選部71の抽選に伴って判定列105に繰り入れられる。したがって、第2抽選部72にてシンボル107が選択された後、そのシンボル107が判定列105に繰り入れられるまでに要する時間長は、第1抽選部71にてシンボル107が選択された後からそのシンボル107が判定列105に繰り入れられるまでに要する時間長よりも大きくなる。それにより、第2抽選部72にて選択されたシンボル107の第2規則に従った判定列105への繰り入れが実現される。
第2抽選部72にて選択されたシンボル107は第1抽選部71にて選択されたシンボル107が判定列105に順次繰り入れられる間、待機列104の先端のマス106に向かって徐々に移動する。したがって、第2抽選部72にてシンボル107が選択された後、そのシンボル107が判定列105に繰り入れられるまでの間、判定列105では第1抽選部71による抽選の繰り返しに応じてシンボル107の組み合わせが順次変化する。その変化に対して第2抽選部72にて選択されたシンボル107が遅れて繰り入れられることにより、判定列105におけるシンボル107の組み合わせの変化に不規則性が生じる。第2抽選部72にて選択されたシンボル107が、判定列105におけるシンボル107の組み合わせにどのような影響を与えるか、言い換えれば判定列105にてどのような価値を発揮するかを、第2抽選部72によるシンボル107の選択時に予測することは困難である。よって、第2抽選部72にて選択されたシンボル107が待機列104内で移動する間にプレイヤの期待感や緊張感が適宜に変化する。
例えば、スペシャルシンボル107wが第2抽選部72で選択された場合、入賞条件の成立に関して有利な状況となり得るものの、そのスペシャルシンボル107wが待機列104の先端のマス106に進んで次の抽選機会で判定列105に繰り入れられる段階、又はそれに近い段階に達しないと、スペシャルシンボル107wの繰り入れによって「4カラー」等の入賞条件が成立するか否かを直ちには予測し難い。あるいは、判定列105に同色のシンボル107が多数配置された状態でスペシャルシンボル107wが待機列104内で徐々に移動するに従って入賞条件の成立の期待は高まる。しかし、入賞条件が成立する前に第1抽選部71にてアウトシンボル107uが選択されてしまえば報酬を獲得することができない。そのため、プレイヤはスペシャルシンボル107wが判定列105に繰り入れられるまでゲームが終了しないよう、期待と不安を抱きながら第1抽選部71の抽選を見守ることになる。それにより、ゲームの進行の単調性を改善してプレイヤの期待感、緊張感等を適宜に変化させ、ゲームの興趣を高めることが可能である。
判定列105に繰り入れられたシンボル107は、その繰り入れの時期が早いものから順次判定列105から除外される。つまり、シンボル107が判定列105における組み合わせに影響する期間は有限である。したがって、判定列105に対してスペシャルシンボル107w、あるいは結合シンボル107cのようにプレイヤに有利となり得るシンボル107が繰り入れられたとしても、そのシンボル107が判定列105に含まれている間に入賞条件が満たされないと、その種のシンボル107がもたらす利益をプレイヤが享受できない。そのため、プレイヤの期待感や緊張感をさらに確実に変化させることが可能である。
第2抽選部72にて選択される要素の候補に、共用要素の一例としてのスペシャルシンボル107w、あるいは付加要素の一例としてのリンゴシンボル107dやオッズアップシンボル107eが含まれているので、第2抽選部72にて選択されたシンボル107が判定列105に繰り入れられた場合には、プレイヤに有利な状況を生じさせ、報酬の獲得等に対するプレイヤの期待感をさらに高めることができる。
次に、上述したゲームを実現するためのゲーム機1の制御系の構成の一例を説明する。図11は、ゲーム機1の制御系の要部の構成を説明する機能ブロック図である。ゲーム機1のセンターユニットCNには、抽選処理を制御する抽選制御装置81が設けられている。抽選制御装置81は、ゲーム機1のセンターユニットCNに実装されたコンピュータハードウエアとソフトウエアとの組合せによって実現される論理的装置である。抽選制御装置81は、抽選機構11及び投入機構12の動作を制御し、抽選機構11からボールBがいずれのポケット22に進入したかを判別するための情報を取得する。抽選制御装置81は、投入機構12によるボールBの投入動作を制御することにより、抽選機構11及び投入機構12と協働して第1抽選部71(図8、図12参照)を構成する。また、各ステーションユニットSTには、制御装置82と記憶装置83とが設けられている。ゲーム機1には、複数のステーションユニットSTが設けられるが、図10では1台のステーションユニットSTのみを表示する。各ステーションユニットSTの構成は互いに等しい。抽選制御装置81と制御装置82とは、相互に接続され、各ユニットCN、STでのゲーム結果等のデータをやりとりする。
ステーションユニットSTの制御装置82は、抽選制御装置81で制御される抽選の抽選結果を取得して各ゲームの進行を制御する。その他、制御装置82には、ステーションユニットSTに設けられるモニタ62、タッチパネル63、メダル投入口に設置され、メダルを検出するメダル検出センサ61a、及びカードリーダ65と接続されている。カードリーダ65は、ユーザ識別情報が記録されたカード64の情報を読み取ってその情報に対応した信号を制御装置82に出力する。記憶装置83は、ハードディスクアレイ等の記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶装置83には、プレイデータ84と、ゲームを実行するためのゲームプログラム85とが記録されている他、ゲームの制御や、各種サービスの提供のために必要な各種のデータが記録される。
制御装置82は、所定のコンピュータプログラムに従って各種の演算処理及び動作制御を実行するプロセッサの一例としてのマイクロプロセッシングユニット(MPU)と、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。制御装置82には、そのハードウエア資源とソフトウエア資源としてのゲームプログラム85との組み合わせによって実現される論理的装置として、上述した第2抽選部72及びゲーム制御部90が設けられている。第2抽選部72はステーションユニットSTごとに設けられている。したがって、第2抽選部72の抽選結果はステーションユニットSTごとに独立して実行される。そのため、第1抽選部71の抽選結果は全てのステーションユニットSTに対して共通に適用されるのに対して、第2抽選部72の抽選結果はステーションユニットSTごとに相違し得る。第2抽選部72は、上述したように、乱数を用いるなどしてシンボル107を無作為に選択する電子的な抽選装置として構成されてよい。あるいは、物理的な抽選機構をソフトウエアによって仮想的な抽選機構に置き換えた論理的な抽選装置が第2抽選部72として用いられてもよい。第2抽選部72がシンボル107w、107d、107e、107fのそれぞれを抽選する確率は、ゲーム機1の全体のペイアウト率を考慮して適宜に設定されてよい。その確率はゲーム機1の稼働中に動的に変化するように制御されてもよい。
図12は、ゲーム制御部90の詳細な構成の一例を示している。ゲーム制御部90には、さらなる論理的装置として、配列制御部91及び進行制御部92が設けられる。配列制御部91は、第1抽選部71の抽選制御装置81及び第2抽選部72のそれぞれから抽選結果を受け取り、待機列104及び判定列105におけるシンボル107の配列を適宜に更新して配列データ93に記録する。配列データ93は、制御装置82の内部記憶装置上に保持され、待機列104及び判定列105のそれぞれにおけるシンボル107の配置を記録したデータである。
進行制御部92は、配列データ93に記録された判定列105のシンボル107の配置に基づいてステーションユニットSTにおけるゲームを進行させる。進行制御部92には、さらなる論理的装置として、評価部94及び報酬制御部95が設けられる。評価部94は、配列データ93に基づいて判定列105におけるシンボル107の組み合わせを評価する。例えば、評価部94は、配列データ93に記録された判定列105のシンボル107の組み合わせが入賞条件を満たすか否か、入賞条件を満たす場合には結合シンボル107cがその成立に関与しているか否か、といった判定処理を実行することにより、配列制御部91にて逐次更新される判定列105のシンボル107の組み合わせを評価する。
報酬制御部95は、評価部94の評価結果に従ってプレイヤに付与すべき報酬量を演算し、その演算結果に従って報酬データ96を適宜に更新する。報酬データ96は制御装置82の内部記憶装置に保持され、必要に応じて記憶装置83に保存される。また、報酬制御部95は評価部94の評価結果に応じて入賞条件ごとの配当量を増減させる処理も実行する。なお、制御装置82には、タッチパネル63を介してユーザのベッド操作等を検出し、その操作をゲームの進行に反映させる操作処理部、配列制御部91及び進行制御部92のそれぞれの処理に応じたゲーム画面100をモニタ62のフレームレートに応じた周期で繰り返し描画する画像描画部、ゲームの進行に応じた演出音を発生させる音再生部等が設けられるが、それらの図示は省略した。なお、画像描画部の処理により、図10A〜図10Jに例示した一連の過程、すなわちシンボル107が抽選された後、それらのシンボル107が待機列104を介して判定列105に繰り入れられて判定列105におけるシンボル107の組み合わせが変化する過程(シンボル107の組み合わせが形成される過程)はプレイヤに対して逐次提示される。
次に、図13〜図15を参照して、図9、並びに図10A〜図10Jに例示したゲームを提供するために制御装置82のゲーム制御部90が実行する処理の一例を説明する。なお、抽選制御装置81による抽選機構11及び投入機構12の制御については、上述したように、抽選単位ごとに所定数のボールBを投入していずれかのポケット22にボールBが進入することにより抽選結果としてのポケット22の色を選択する処理を所定の終了条件が成立するまで繰り返すものである。抽選単位ごとのボールBの投入数等は適宜に変更可能であり、終了条件は一例としてアウトポケット22uにボールBが進入した場合に成立するものとするが、ボールBの投入数が上限値に達した場合にも抽選を終了するといった変形が可能である。これらの制御は公知のゲーム機と同様に行えばよく、詳細な手順は省略する。また、第2抽選部72は、第1抽選部71にて抽選が実行されるごとに抽選指示を受け取り、その指示に応答してシンボル107w、107d〜107fからいずれか一つのシンボル107を選択すれば足りる。よって、第2抽選部72の制御手順の詳細についても説明を省略する。
図13は、第1抽選部71及び第2抽選部72の抽選開始に合わせてゲーム制御部90が実行するゲーム制御処理の手順の一例を示している。抽選制御装置81は、投入機構12に対してボールBの投入開始を指示するとともに、制御装置82に対してゲーム開始を指示する。その指示に応じて第2抽選部72は第1抽選部71と同期した抽選処理を開始し、ゲーム制御部90は図13のゲーム制御処理を開始する。ゲーム制御処理が開始されると、まずゲーム制御部90の配列制御部91及び報酬制御部95は所定の初期設定を実行する(ステップS1)。その初期設定により、モニタ62には図9に例示したゲーム画面100が表示される。また、初期設定ではゲームの進行状態を記述する各種の内部パラメータが初期値に設定される。例えば、配列制御部91は、配列データ93を所定の初期配列の状態に設定し、報酬制御部95は入賞条件ごとの配当量、及びプレイヤに付与された報酬量を初期値にセットする。
初期設定において、判定列105には、例えば先端のマス106から順に三つのシンボル107が配置される。三つのシンボル107を初期に配置する理由は、第1抽選部71にて最初に選択されたシンボル107が判定列105に繰り入れられた場合に「4カラー」の入賞条件が成立する可能性を生じさせるためである。初期設定で配置されるシンボル107の種類は第1抽選部71による選択の候補としてのシンボル107から適宜に選択されてよい。初期設定で配置されるシンボル107は、外側抽選部23にボールBが進入した場合に選択されるシンボル107に限られてもよい。待機列104の初期設定に関しては、第2抽選部72による選択の候補としてのシンボル107から適宜に選択されたシンボル107が適宜のマス106に配置されてもよいし、待機列104の全てのマス106が空の状態に設定されてもよい。なお、判定列105には六つのマス106が設定されているので、初期設定で配置されるシンボル107の数が4以下の場合、判定列105の後端側には2以上の空状態のマス106が生じる。その場合、判定列105に繰り入れられるシンボル107は、空状態のマス106を先端側から埋めるように順次配置され、判定列105に六つのシンボル107が配置された以降は、図10A以下に示した通りに判定列105の後端のマス106にシンボル107が一つずつ順次繰り入れられる。
初期設定が終わると、配列制御部91は第1抽選部71から抽選結果を取得する(ステップS2)。次に、配列制御部91は第1抽選部71にてアウトシンボ107uが選択されたか否かを判別する(ステップS3)。アウトシンボル107uが選択されていなければ、配列制御部91は第2抽選部72の抽選結果を取得する(ステップS4)。これにより、第1抽選部71及び第2抽選部72のそれぞれの抽選結果がゲーム制御部90に取り込まれる。この後、配列制御部91及び進行制御部92が抽選結果処理を実行し、その後、ステップS2へと処理が戻される。ステップS2〜S5の処理は、第1抽選部71にてアウトシンボル107uが選択されるまで繰り返される。ただし、抽選回数が所定の上限値に達した場合ステップS3が肯定判断されてもよい。ステップS3が肯定判断されると、ゲーム制御部90はその時点でゲーム結果を確定させ(ステップS6)、図13の処理を終える。
図14及び図15は、図13のステップS5にて実行される抽選結果処理の手順の一例を示している。抽選結果処理において、まず配列制御部91は配列データ93に基づいて待機列104の先端のマス106が空状態か否かを判別し(ステップS11)、空状態であればそのマス106に第1抽選部71で選択された要素としてのシンボル107を配置する(ステップS12)。次に、配列制御部91は、判定列105のシンボル107の数が上限値である6未満か否かを判別する(ステップS13)。シンボル数が上限値に達している場合、配列制御部91は判定列105の先端のマス106に配置されているシンボル107を判定列105から除外し(ステップS14)、それ以外の判定列105内のシンボル107を左方に一マスずつ移動させる(ステップS15)。続いて、配列制御部91は待機列104の先端のマス106に配置されているシンボル107を判定列105の後端のマス106に繰り入れる(ステップS16)。ステップS13にて判定列105のシンボル107の数が上限値未満と判断された場合、配列制御部91はステップS14及びS15をスキップしてステップS16に進む。この場合には、判定列105の後端のマス106よりも左側に空状態のマス106が存在しているため、判定列105に繰り入れられたシンボル107を、その先端側(左側)に空状態のマス106が存在しないよう、判定列105内でさらに移動させる処理がステップS16で行われる。
その後、配列制御部91は、待機列104に配置されているシンボル107を右方に一マスずつ移動させる(ステップS17)。次に、配列制御部91は、第2抽選部72にて選択されたシンボル107を待機列104に取り込み、その後端のマス106に配置する(ステップS18)。ただし、第2抽選部72にて外れシンボル107fが選択された場合にはその取り込みをスキップし、待機列104の後端のマス106を空状態とする。ここまでの処理により、第1抽選部71にて選択されたシンボル107が判定列105に繰り入れられ、第2抽選部72にて選択されたシンボル107が待機列104に取り込まれて待機列104及び判定列105のそれぞれにおけるシンボル107の配置が一旦確定する。そのため、配列制御部91はステップS18の終了時点の配置が記録されるように配列データ93を更新する(ステップS19)。なお、ステップS11が肯定判断され、ステップS12〜S18へと順次処理が進んだ場合、待機列104及び判定列105は図10A〜図10Cに例示したように順次変化する。
ステップS11にて待機列104の先端のマス106が空状態ではない、すなわちシンボル107が配置されている状態であると判断された場合、配列制御部91はそのシンボル107がスペシャルシンボル107wか否かを判別する(ステップS20)。スペシャルシンボル107wであった場合、配列制御部91は待機列104の空状態のマス106のうち、最も先端側に位置するマス106に対して第1抽選部71が選択したシンボル107を配置し(ステップS21)、その後にステップS13に進む。この場合、ステップS16ではスペシャルシンボル107wが判定列105へと繰り入れられ、第1抽選部71にて選択されたシンボル107は待機列104に残される。例えば、待機列104及び判定列105が図10Cから10Eへと変化した場合がその一例である。その後の処理により、待機列104の先端のシンボル107も続けて判定列105へと繰り入れられるが、この点は後述する。
ステップS20にて待機列104の先端のシンボル107がスペシャルシンボル107wではないと判断された場合、配列制御部91は、そのシンボル107が付加要素としてのリンゴシンボル107d、又はオッズアップシンボル107eであると判断し、その付加要素のシンボル107を第1抽選部71にて選択されたシンボル107と結合させて結合シンボル107cを生成する(ステップS22)。結合シンボル107cの生成後、配列制御部91はステップS13へと処理を進める。この場合には、ステップS16で結合シンボル107cが判定列105に繰り入れられることになる。ステップS11及びステップS20の両者が否定判断され、ステップS22を経てステップS13へと処理が進む場合、待機列104及び判定列105は例えば図10H〜図10Jに示すように変化する。
ステップS19にて配列データ93が更新されると、抽選結果処理は図15のステップS23へと進められる。ステップS23では、配列制御部91から評価部94に対して配列データ93の更新が通知され、これを受けた評価部94は、更新された配列データ93に基づいて判定列105におけるシンボル107の組み合わせが入賞条件を満たしているか否かを判定する。入賞条件が成立している場合、評価部94はその入賞条件の成立に関与したシンボル107に結合シンボル107cが含まれているか否かを判別する(ステップS24)。
ステップS23及びステップS24の判別結果は報酬制御部95に提供される。報酬制御部95は、入賞条件が成立しかつその成立に関与したシンボル107が結合シンボル107cを含む場合(ステップS23、S24の両者が「Yes」)、結合シンボル107cに含まれている付加要素としてのリンゴシンボル107d、又はオッズアップシンボル107eに対応した特典を発生させ(ステップS25)、その後、入賞した組み合わせ(例えば「4カラー」の組み合わせ)に応じたクレジット数がプレイヤに付与されるように報酬データ96を更新する(ステップS26)。報酬制御部95は、入賞条件が成立しても、その成立に関与したシンボル107が結合シンボル107cを含まない場合(ステップS23で「Yes」、S24で「No」)、ステップS25をスキップしてステップS26に進む。入賞条件が成立しない場合(ステップS23で「No」)、報酬制御部95によるステップS25及びS26の処理はいずれもスキップされる。
ステップS26の処理が完了し、あるいはステップS23で否定判断がなされた場合、抽選結果処理はステップS27へと進められる。ステップS27において、配列制御部91は、今回の処理で第1抽選部71が選択したシンボル107が判定列105に繰り入れられたか否かを判別する。そのシンボル107が判定列105に繰入済であれば、今回の抽選に対応した抽選結果処理が完了し、ゲーム制御部90における処理は図13のステップS2に戻る。一方、第1抽選部71にて選択されたシンボル107が判定列105にまだ繰り入れられていないとステップS27で判断された場合、配列制御部91はステップS28以下へと処理を進める。ここからの処理は、第2抽選部72にて選択されたスペシャルシンボル107wが待機列104の先端のマス106まで移動し、図14のステップS16の処理でそのシンボル107が判定列105へと繰り入れられた場合、それに続いて第1抽選部71で選択されたシンボル107を判定列105と繰り入れるための処理である。つまり、図10C〜図10Gの変化を実現するための処理である。
ステップS28へと処理が進められると、配列制御部91は判定列105のシンボル107の数が上限値である6未満か否かを判別する。シンボル数が上限値に達している場合、配列制御部91は判定列105の先端のマス106に配置されているシンボル107を判定列105から除外し(ステップS29)、それ以外の判定列105内のシンボル107を左方に一マスずつ移動させる(ステップS30)。続いて、配列制御部91は待機列104の先端のマス106に配置されているシンボル107を判定列105の後端のマス106に繰り入れる(ステップS31)。ステップS28にて判定列105のシンボル107の数が上限値未満と判断された場合、配列制御部91はステップS29及びS30をスキップしてステップS31に進む。この場合には、判定列105の後端のマス106よりも左側に空状態のマス106が存在しているため、判定列105に繰り入れられたシンボル107を、その先端側(左側)に空状態のマス106が存在しないよう、判定列105内でさらに移動させる処理がステップS31で行われる。
その後、配列制御部91は、待機列104に配置されているシンボル107を右方に一マスずつ移動させる(ステップS32)。次に、配列制御部91は、ステップS32の終了時点の配置が記録されるように配列データ93を更新し(ステップS33)、その後にステップS23へと戻る。ステップS28の処理は、ステップS27が肯定判断されるまで、すなわち、第1抽選部71で選択されたシンボル107が判定列105に繰り入れられるまで繰り返される。なお、待機列104の先端のマス106から後端側に向かって2以上のスペシャルシンボル107wが連続して配置されている場合、図15の処理ではそれらのスペシャルシンボル107wの全てが判定列105に繰り入れられてその後に第1抽選部71で抽選されたシンボル107が判定列105に繰り入れられることになる。第2抽選部72にて選択されたシンボル107を一つに限って判定列105に繰り入れる場合には、図14のステップS21の処理を一旦保留し、ステップS16にて待機列104の先端のマス106のシンボル107が判定列105に繰り入れられた時点で生じた待機列104先端の空状態のマス106に、第1抽選部71にて選択されたシンボル107を配置するようにしてもよい。また、ステップS20にて肯定判断された時点で、待機列104の先端から2番目以降のマス106が付加要素としてのシンボル107d、107eが配置されている場合、それらのシンボル107d、107eは単独では判定列105に繰り入れることができないため、ステップS21の段階で結合シンボル107cを生成するようにしてもよい。
以上の形態では、制御装置82におけるゲーム制御部90がゲーム制御手段の一例として機能し、そのゲーム制御部90の配列制御部91が、図13のステップS13又は図15のステップS31にて第1抽選部71が選択したシンボル107を判定列105に繰り入れることにより要素繰入手段の一例として機能し、図14のステップS14又は図15のステップS29にてシンボル107を除外することにより要素除外手段の一例として機能する。また、進行制御部92が図15のステップS23〜S26の処理を実行することにより進行制御手段の一例として機能する。
本発明は上述した形態及びその変形例に限らず、各種の形態にて実施することができる。例えば、上記の形態では、第1抽選部71にて選択されたシンボル107を一旦待機列104に配置してから判定列105へと繰り入れているが、待機列104を経由する処理を省略し、第1抽選部71にて選択されたシンボル107をその選択が行われるごとに判定列105に直ちに繰り入れ、待機列104を第2抽選部72にて選択されたシンボル107が判定列105に繰り入れられるまでの待機範囲としてのみ機能させるようにしてもよい。その場合、待機範囲は待機列104のように要素を一列に並べる例に限らず、第2抽選部72にて選択されたシンボル107を適宜の配置で収容するように変更されてよい。待機列104におけるシンボル107の収容数(マス106の個数)は図示例に限らず、適宜に変更されてよい。
判定範囲は上記の形態に限らず、適宜の変更が可能である。例えば。上記の形態では、判定範囲の一例として要素を所定の上限値内で一列に並べる判定列105を設定しているが、二列以上の判定列105が判定範囲として設定されてもよい。判定範囲に配置される要素の数も六つに限らず、適宜数に変更されてよい。判定範囲の要素の数に上限値を設定せず、要素を除外する処理を省略してもよい。要素を除外する場合でも、判定範囲に繰り入れられた時期が早いものから順に除外する例に限らず、例えば判定範囲から除外する要素をランダムに選択する、あるいは判定範囲内で価値の低い要素を優先して除外するといったように、判定範囲から除外すべき要素は適宜に決定されてもよい。
第1規則及び第2規則はそれらの間で差が生じる限りにおいて、上記の形態に限らず、適宜の変更が可能である。例えば、上記の形態では、第1抽選部71にてシンボル107が選択されるごとに第2抽選部72にて選択されたシンボル107を待機列104の先端に向けて順次移動させているため、第2抽選部72にて選択されたシンボル107に関しては、第1抽選部71における抽選回数が所定数に達するごとに判定列105に繰り入れられる時期が到来する。これにより、要素が選択されてから判定範囲に繰り入れられるまでの時間長が第1規則と第2規則との間で差別化されているが、両規則を時間長の観点から差別化する場合でも、例えば第1選択手段にて要素が選択された後、所定の待機時間が経過した時点で第2選択手段の選択要素を判定範囲に繰り入れることにより、繰り入れの時期に時間差を生じさせてもよい。第1規則及び第2規則は時間と関連付けて設定される例に限らない。例えば、第1選択手段にて選択された要素はその選択順序に従って判定範囲に逐次繰り入れ、第2選択手段にて選択された要素については、待機列104のような待機範囲に複数プールしておき、そのプールされた要素からいずれかの要素を適宜に選択して判定範囲に繰り入れるようにしてもよい。この場合、例えば、第1選択手段及び第2選択手段のそれぞれで選択された要素が同時に判定範囲に繰り入れられる場合が生じることを排除しなくともよい。第1選択手段が複数の要素を順次選択し、それらの要素が判定範囲に順次繰り入れられる間に、第2選択手段が第1選択手段とは異なる数の要素を選択し、それらの要素を適宜のタイミングで判定範囲に繰り入れる、といったように第1規則及び第2規則を差別化して設定することも可能である。
第1選択手段にて選択される要素の候補としての第1の要素群、及び第2選択手段にて選択される要素の候補としての第2の要素群は適宜に変更可能である。例えば、上記の形態では、第1の要素群及び第2の要素群の両者に重複して含まれる要素としてスペシャルシンボル107wが設定されているが、第1の要素群及び第2の要素群は、両群の間で要素が重複しないよう区別して設定されてもよい、両群の間で全ての要素が一致するように設定されてもよい。
上記の形態では、第1選択手段又は第1選択装置として物理的な抽選機構11を用いる第1抽選部71を、第2選択手段又は第2選択装置として乱数等を用いて電子的な抽選を実行する第2抽選部72を用いたが、要素選択手段又は要素選択装置はそのような形態に限定されない。第1選択手段及び第2選択手段の両者を物理的な抽選機構を用いるように構成してもよいし、両者を電子的な抽選を実行するように構成してもよい。電子的な抽選を実行する場合には、上記のようにペイアウト率を考慮して抽選の確率等が制御されてもよいし、プレイヤのスキルを反映させて抽選の確率が制御されてもよい。第1選択手段及び第2選択手段の少なくともいずれか一方の手段は、無作為に要素を選択せず、プレイヤの操作に応じて要素を選択する、といったように、何らかの入力情報に従って要素を選択するように構成されてもよい。要素の選択に関して何らかの規則性が設定されてもよい。その場合でも、選択された要素を判定範囲に繰り入れるための第1規則又は第2規則を適宜に差別化して設定することにより、判定範囲における要素の組み合わせに不規則性を与えてゲームの進行を多様化することが可能である。
第1選択手段及び第2選択手段は、互いに同期して要素を選択する例に限らず、両選択手段は繰り返し要素を選択する限りにおいて適宜の変更が可能である。例えば、第1選択手段及び第2選択手段は互いに異なる周期で選択を繰り返すように構成されてもよいし、少なくともいずれか一方の選択手段は選択を繰り返す周期が不定となるように構成されてもよい。
上記の形態では、進行制御手段の一例としての進行制御部92が、判定列105におけるシンボル107の組み合わせを評価し、その評価結果に応じて報酬あるいは特典を発生させることによりゲームを進行させたが、ゲームの進行はそのような例に限らない。ゲームの進行は判定範囲における要素の組み合わせと関連付けて制御されるものであればよく、報酬等の発生に限らず、ゲームのスコア、ゲームにおけるステータスやグレード、プレイヤ間のランキング、といったプレイヤの優位性を示す指標となり得るパラメータを上昇させる手段等によってゲームを進行させてもよい。あるいは、要素の組み合わせと関連付けてゲームの進度を制御するといった態様でゲームの進行が制御されてもよい。
上記の形態では、ゲームシステムを、複数のステーションユニットST間でセンターユニットCNを共用するアーケードゲーム機として構成した例を示したが、本発明のゲームシステムはそのような例に限らない。例えば、ネットワークを介して接続された複数の端末装置間で要素選択手段を共用するネットワーク型のゲームシステムに本発明が適用されてもよい。あるいは、要素選択手段を複数の端末装置間で共用せず、プレイヤに対する単一の入出力部と要素選択手段とを1対1で対応付けたゲーム機に本発明が適用されてもよい。
上述した実施の形態及び変形例のそれぞれから導き出される本発明の各種の態様を以下に記載する。なお、以下の説明では、本発明の各態様の理解を容易にするために添付図面に図示された対応する構成要素を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
本発明の一態様に係るゲームシステム(1)は、複数の要素(一例としてシンボル107p〜107w、107d〜107f)からいずれかの要素を選択する要素選択手段(71、72)と、前記要素選択手段による前記要素の選択と関連付けてゲームを制御するゲーム制御手段(90)と、を備えたゲームシステムであって、前記要素選択手段には、前記複数の要素の少なくとも一部に設定された第1の要素群(一例としてシンボル107p〜107w)からいずれかの要素を繰り返し選択する第1選択手段(71)と、前記複数の要素の少なくとも一部に設定された第2の要素群(一例としてシンボル107d〜107f)からいずれかの要素を繰り返し選択する第2選択手段(72)とが設けられ、前記ゲーム制御手段には、前記第1選択手段にて選択された要素を所定の第1規則に従って所定の判定範囲(73、105)に繰り入れる一方で、前記第2選択手段にて選択された要素を前記第1規則とは異なる第2規則に従って前記判定範囲に繰り入れる要素繰入手段(91、S16、S31)と、前記判定範囲内の前記要素の組み合わせと関連付けて前記ゲームの進行を制御する進行制御手段(92、S23〜S26)と、を備えたものである。
本発明の一態様に係るゲームシステム用のコンピュータプログラム(85)は、複数の要素(一例としてシンボル107p〜107w、107d〜107f)からいずれかの要素を選択する要素選択手段(71、72)を備え、前記要素選択手段には、前記複数の要素の少なくとも一部に設定された第1の要素群(一例としてシンボル107p〜107w)からいずれかの要素を繰り返し選択する第1選択手段(71)と、前記複数の要素の少なくとも一部に設定された第2の要素群(一例としてシンボル107d〜107f)からいずれかの要素を繰り返し選択する第2選択手段(72)とが設けられたゲームシステム(1)のコンピュータ(82)を、前記要素選択手段による前記要素の選択と関連付けてゲームを制御するゲーム制御手段(90)として機能させるコンピュータプログラムであって、前記ゲーム制御手段を、前記第1選択手段にて選択された要素を所定の第1規則に従って所定の判定範囲(73、105)に繰り入れる一方で、前記第2選択手段にて選択された要素を前記第1規則とは異なる第2規則に従って前記判定範囲に繰り入れる要素繰入手段(91、S16、S31)、及び前記判定範囲内の前記要素の組み合わせと関連付けて前記ゲームの進行を制御する進行制御手段(92、S23〜S26)、として機能させるように構成されたものである。
本発明の他の態様に係るゲームシステム(1)は、複数の要素(一例としてシンボル107p〜107w、107d〜107f)からいずれかの要素を選択する要素選択装置(71、72)と、所定のコンピュータプログラム(85)を記憶する記憶装置(83)と、前記要素選択装置及び前記記憶装置と接続され、前記コンピュータプログラムに基づいて所定の処理を実行するプロセッサ(82)とを含むゲームシステムであって、前記要素選択装置には、前記複数の要素の少なくとも一部に設定された第1の要素群(一例としてシンボル107p〜107w)からいずれかの要素を繰り返し選択する第1選択装置(71)と、前記複数の要素の少なくとも一部に設定された第2の要素群(一例としてシンボル107d〜107f)からいずれかの要素を繰り返し選択する第2選択装置(72)とが設けられ、前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムに基づいて、前記要素選択装置による前記要素の選択と関連付けてゲームを制御し、当該ゲームの制御においては、前記第1選択手段にて選択された要素を所定の第1規則に従って所定の判定範囲(73、105)に繰り入れる一方で、前記第2選択手段にて選択された要素を前記第1規則とは異なる第2規則に従って前記判定範囲に繰り入れ、前記判定範囲内の前記要素の組み合わせと関連付けて前記ゲームの進行を制御するものである。
上記態様のゲームシステム及びコンピュータプログラムによれば、第1選択手段及び第2選択手段(又は第1選択装置及び第2選択装置)のそれぞれで選択された要素を判定範囲に繰り入れる規則が差別化されているため、第1選択手段及び第2選択手段のそれぞれの選択結果と、それらの選択結果が判定範囲における要素の組み合わせに与える影響、つまりはゲームの進行に与える影響との対応関係に差を生じさせることができる。例えば、第1選択手段又は第2選択手段のいずれか一方の選択手段における選択の繰り返しに応じて判定範囲における要素の組み合わせを漸次変化させつつ、他方の選択手段にて選択された要素を適宜に判定範囲に繰り入れるといった差を生じさせることができる。そのような差を設定すれば、判定範囲における要素の組み合わせの変化に不規則性を生じさせることができる。両選択手段にて選択された要素を判定範囲に対して等しく規則的に繰り入れる場合と比較して、要素の組み合わせの形成過程の単調性を抑制又は解消してゲームの進行の多様性を高めることができる。そのため、組み合わせの形成過程を観察するプレイヤにとってはゲームの進行が予測し難いものとなり、プレイヤの期待感や緊張感が適宜に変化する。よって、ゲームの興趣を高めることができる。
なお、本発明の一態様に係るコンピュータプログラムは、記憶媒体に記憶された状態で提供されてもよい。この記憶媒体を用いれば、例えばコンピュータに本発明に係るコンピュータプログラムをインストールして実行することにより、そのコンピュータを利用して本発明のゲームシステムを実現することができる。コンピュータプログラムを記憶した記憶媒体は、CDROM等の非一過性の記憶媒体であってもよい。
上記態様において、前記第1規則は、前記第1選択手段にて前記要素が選択されるごとに当該要素を前記判定範囲に順次繰り入れるように設定されてもよい。これによれば、第1選択手段にて要素が選択される都度、その選択された要素を判定範囲に対して繰り入れて判定範囲における要素の組み合わせを規則的に変化させつつ、第2選択手段にて選択された要素を第2規則に従って判定範囲に適宜に繰り入れることにより、要素の組み合わせの変化に不規則性を与えることができる。
前記第2規則は、前記第2選択手段にて前記要素が選択された後に当該要素が前記判定範囲に繰り入れられるまでに要する時間長が、前記第1選択手段にて前記要素が選択された後に当該要素が前記判定範囲に繰り入れられるまでに要する時間長よりも大きくなるように設定されてもよい。これによれば、第2選択手段にて選択された要素が判定範囲に繰り入れられるまでに要する時間長が相対的に長くなることにより、第2選択手段にて要素が選択された後、その要素が判定範囲に繰り入れられて判定範囲における要素の組み合わせに関与するまでの期間を相対的に長く確保することができる。その間に第1選択手段にて選択された要素によって判定範囲における要素の組み合わせを変化させることにより、第2選択手段にて選択された要素がゲームの進行に与える影響を適宜に変化させ、それにより、プレイヤの期待感や緊張感を変化させてゲームの興趣を高めることができる。
前記ゲーム制御手段には、前記判定範囲内の前記要素の数が所定の上限値を超えた場合、前記判定範囲内の要素の一部を当該判定範囲から除外する要素除外手段(91、S14、S29)がさらに設けられてもよい。これによれば、判定範囲内の要素の数が上限値内に制限されるため、判定範囲に対する要素の繰り入れに伴って、その判定範囲内における要素の組み合わせを確実に変化させることができる。
前記要素除外手段は、前記判定範囲への繰り入れの時期が早い要素から順に当該判定範囲外へと除外するものとしてもよい。判定範囲への要素の繰り入れに伴って、その判定範囲に早期に繰り入れられた要素が順次除外されることにより、判定範囲内に繰り入れられた要素がゲームの進行に影響を与える期間を有限なものとし、それにより、要素の組み合わせの形成に関する期待感や緊張感をさらに確実に変化させることができる。
前記第2の要素群には、外れ要素(一例として外れシンボル107f)及び当たり要素(一例としてシンボル107w、107d、107e)が含まれ、前記要素繰入手段は、前記当たり要素のみを前記第2規則に従って前記判定範囲に繰り入れてもよい。これによれば、第2選択手段にて外れ要素が選択された場合、その外れ要素は判定範囲における要素の組み合わせに関与せず、当たり要素が選択された場合に限ってその当たり要素が第2規則に従って判定範囲に繰り入れられて要素の組み合わせに変化を生じさせる。そのため、第2選択手段にて選択された要素の判定範囲への繰り入れに関してさらなる不規則性を生じさせることが可能である。
前記第2の要素群には、前記判定範囲内に繰り入れられた場合に、前記第1の要素群に含まれる少なくとも二つの要素として通用する共用要素(一例としてシンボル107w)が含まれてもよい。これによれば、第2選択手段にて選択された共用要素が判定範囲に繰り入れられた場合、その共用要素が少なくとも二つの要素として通用するために、判定範囲における要素の組み合わせの形成に関して有利な状況が生じる。そのため、第2選択手段における要素の選択と、その選択された要素の判定範囲への繰り入れに関するプレイヤの期待感を高めることが可能である。
前記第2の要素群には、前記判定範囲に繰り入れられた場合、当該判定範囲内のいずれかの要素に付加されて一の結合要素(一例としてシンボル107c)を生じさせる付加要素(一例としてシンボル107d、107e)が含まれ、前記進行制御手段は、前記結合要素を含む所定の組み合わせが形成された場合、前記ゲームの進行に特別の影響(一例としてステップS26における特典の発生)を生じさせてもよい。これによれば、付加要素の選択と、その付加要素に基づいて生成された結合要素の判定範囲への繰り入れとを通じてゲームの進行にさらなる多様性を生じさせることができる。
前記進行制御手段は、前記判定範囲内で所定の条件(一例としてステップS23の入賞条件)を満たす組み合わせが形成された場合、報酬を発生させてもよい。これによれば、判定範囲における要素の組み合わせと報酬とを関連付けて、要素の組み合わせの形成に対するプレイヤの期待感を確実に高めることができる。
前記第1選択手段及び第2選択手段のそれぞれは、前記要素を抽選によって選択してもよい。これによれば、抽選による無作為性を利用してゲームの進行における偶然性、あるいは僥倖性を担保し、それに伴ってゲームの興趣をさらに高めることができる。