図1は、本発明の一形態に係るゲームシステムとしてのゲーム機の全体図である。ゲーム機1は、所定のプレイ料金の支払いと引換えに、そのプレイ料金に対応した範囲でユーザにゲームをプレイさせる商業用(業務用)のゲーム機として構成されている。この種のゲーム機1は、アーケードゲーム機と呼ばれることがある。ゲーム機1は、多数のユーザにゲームを繰り返しプレイさせて収益を上げることを主たる目的として店舗等の所定の施設に設置される。
ゲーム機1は、遊技媒体としてメダルを利用する、いわゆるメダルゲーム機である。ゲーム機1は、センターユニットCNと、そのセンターユニットCNの周囲を取り囲むようにして配置される複数のステーションユニットSTとを備えている。また、ゲーム機1には、センターユニットCNの上方に位置するセンターモニタ2が設けられている。センターモニタ2は、ゲーム機1で提供されるゲームに付随した様々な映像を表示する。センターモニタ2は、一例として液晶ディスプレイ装置が適用される。
図2は、センターユニットCN及び複数のステーションユニットSTの斜視図である。図2では、説明の便宜上、ゲーム機1の外装の一部が省略されている。センターユニットCNには、複数の要素から少なくとも一つの要素を選択する抽選機構11と、抽選機構11に遊技体の一例としてのボールBを投入する投入機構12と、ボールBを回収する回収機構13(図5にて図示)とが設けられている。抽選機構11は、抽選フィールドLFにボールBが投入され、各要素がそれぞれ対応付けられた遊技体進入部の一例としての複数のポケット22にボールBが進入することにより、ボールBが進入したポケット22の要素が抽選されるルーレット型の抽選機構である。要素として、例えば複数色(赤、黄、緑、ピンク、青の5色)が設定され、各ポケット22に所定の順番で割り当てられている。本形態では、各色が三つのポケット22に割り当てられている。ただし、一部のポケット22に関しては、色以外の要素が割り当てられ、あるいは複数の色が割り当てられている。
抽選機構11には、抽選が行われる抽選フィールドLFと、投入機構12から供給されたボールBを投入するボール投入口21とが設けられている。抽選フィールドLFには、複数のポケット22の一部(ポケット22aということがある。)が周方向に沿って並べられた外側抽選部23と、外側抽選部23の内側に同軸的に配置され、かつ残りのポケット22(ポケット22bということがある。)が並べられた内側抽選部25とが設けられている。外側抽選部23及び内側抽選部25は共通の軸線AXの回りに一体的に回転駆動される。外側抽選部23には、ポケット22aに加えて、ボールBを内側抽選部25に案内する適宜数(図示例では三個)の案内通路24も設けられている。さらに、抽選フィールドLFには、外側抽選部23と内側抽選部25との間に位置し、軸線AXを中心に内側抽選部25及び外側抽選部23と逆方向に回転駆動される回転部としての回転フィールド26と、外側抽選部23の周囲を取り囲むように位置するボール移動フィールド27とが設けられている。
図3は、抽選機構11の要部拡大図である。また、図4は、図3の回転フィールド26を省略した図である。抽選機構11にはさらに、外側抽選部23と内側抽選部25とを支持する支持機構28と、支持機構28を回転駆動する駆動源29とが設けられている。駆動源29は、軸線AXに沿って延びる駆動軸(不図示)を回転させる。支持機構28は駆動軸に固定され、支持機構28が回転することにより外側抽選部23及び内側抽選部25が一体的に回転する。支持機構28には、回転フィールド26を回転駆動する駆動源30が固定されている。駆動源30は、回転フィールド26に固定された伝達部材31を回転させることで回転フィールド26を回転させている。このため、回転フィールド26は、外側抽選部23及び内側抽選部25とは独立して回転することができる。本形態では、回転フィールド26は、各抽選部23、25とは逆回転に駆動される。駆動源30は、スリップリング等の周知技術を利用して給電されている。なお、ボール移動フィールド27は、ゲーム機1に固定されている。
各ポケット22にはそれぞれ、進入したボールBを検出するボール検出センサ32が設けられている。ボール検出センサ32は、一例として接触センサや光電センサ等の各種センサが適用される。外側抽選部23の案内通路24は、ボールBが移動できる程度の幅を有する。ここで、案内通路24には、ボールBの案内通路24への進入を検出するセンサが入口側に設けられ、ボールBの回転フィールド26への進出を制限するストッパー部材が出口側に設けられる(いずれも不図示)。ボールBの案内通路24への進入をセンサが検出した場合、ユーザにその旨を表示や音声で報知して案内通路24への注意を促し、所定時間が経過した後にストッパー部材を下げてボールBの回転フィールド26への進出を許可する。ボールBがいずれかのポケット22に進入すると、ボールBは回収機構13に回収される。図5は、回収機構13の斜視図である。回収機構13は、支持機構28の下方に位置する。なお、図5は、図3、図4で示した抽選機構11の駆動源29により回転される部材(外側抽選部23、内側抽選部25、支持機構28、回転フィールド26及び駆動源30等)を省略した図である。回収機構13には、各ポケット22を通過したボールBが落下する落下面41と、落下面41に落下したボールBが収集される収集部42と、投入機構12にボールBを供給する供給路43と、収集部42から供給路43にボールBを一つずつ移動させる移動部材44とが設けられている。落下面41は、ボールBが収集部42に移動できるように傾斜して設けられている。また、ボールBの収集部42以外への進入を防止するために仕切り45が設けられている。移動部材44は、駆動軸に固定され、駆動源29の動力を受けて内側抽選部25及び外側抽選部23と一体として回転する。移動部材44は、板状の部材で、ボールBを収容する複数のポケット44aが等間隔に設けられている。ボールBは各ポケット44aに一つずつ収容されて移動部材44の回転に伴って移動し、順次供給路43へ案内される。これにより、ボールBを詰まらせることなく回収させることができる。
図6は、投入機構12の斜視図である。なお、図6では、説明の便宜上、ステーションユニットSTを省略している。投入機構12には、回収機構13の供給路43が接続され、抽選機構11から回収されたボールBが供給される。投入機構12には、ボールBを搬送させる搬送部材51と、搬送部材51を駆動する駆動源52とが設けられている。搬送部材51は、スクリュー51aの設けられた棒状の部材で駆動源52の動力を受けて軸線を中心に回転する。供給路43からスクリュー51aにボールBが供給される。スクリュー51aが回転してボールBは上方向に移動する。移動したボールBは、ボール投入口21から抽選フィールドLFへ投入される。なお、投入機構12は、外側抽選部23よりも外側に位置するボール移動フィールド27に対してボールBを投入するように設けられているが、これに加えて、抽選部23、25間の回転フィールド26に対してボールBを投入する機構が設けられてもよい。
図2に戻って、ステーションユニットSTを説明する。ステーションユニットSTには、メダルを投入するメダル投入口61と、モニタ62と、モニタ62に重ね合わされた透明なタッチパネル63と、ユーザが所有するカード64を読み取るカードリーダ65と、メダルを払い出すメダル払出口66とが設けられている。ユーザがメダルをメダル投入口61に投入するとクレジットとしてカウントされる。ステーションユニットSTでは、クレジットの消費に応じた範囲のゲームを提供する。ステーションユニットSTでは、複数種類のゲームが提供され、ユーザはプレイするゲームを選択することができる。一例として、ビンゴゲームや、ブロック消しゲーム、デジタルプッシャーゲーム等のゲームが提供される。各ゲームは、センターユニットCNでの抽選結果に応じて進行する。ゲームの操作はタッチパネル63を介して入力される。モニタ62は一例として液晶ディスプレイ装置が適用される。モニタ62及びタッチパネル63は、周知技術を利用して構成してよい。カード64には、ICチップ、磁気ストライプといった不揮発性記憶媒体(不図示)が設けられ、その媒体にはカード64毎にユニークなユーザ識別情報(以下、カードIDと呼ぶことがある。)等が記録される。カードIDは、ゲーム機1のユーザを識別するための情報として利用される。
ゲーム機1で提供される抽選処理を説明する。センターユニットCNで実行される抽選の抽選結果、すなわち、ボールBがいずれのポケット22に進入したかの結果に基づいて、各ステーションユニットSTにてゲームが進行する。センターユニットCNで実行される抽選は、抽選フィールドLFにボールBが投入され、ボールBが進入したポケット22に対応付けられた要素が選択されることで行われる。センターユニットCNでの抽選は、ボールBの投入動作と関連付けて抽選単位が設定される。抽選単位での抽選は所定の終了条件が成立しない限り繰り返される。抽選単位は一例としてボールBの投入数と関連付けて定められている。例えば、ゲーム開始後の初回の抽選単位では3球のボールBが投入され、その後の抽選単位ではボールBが1球ずつ投入される。ただし、抽選単位は適宜に設定されてよい。また、終了条件は抽選単位を繰り返す回数、時間等に関連付けて設定されている。ただし、終了条件が成立するまでの抽選単位の繰り返し回数は動的に変更され得る。これらについては後述する。
図7は、抽選フィールドLFの模式図である。外側抽選部23には、案内通路24を起点として反時計回りに、赤色の要素が割り当てられたポケット(以下、赤ポケットと呼ぶ。他の色についても同様に表記する。)22p、黄ポケット22q、緑ポケット22r、ピンクポケット22s、青ポケット22t、及びアウトポケット22uが順に並べられている。案内通路24が三箇所に設けられているため、これらのポケット22p〜22uも合計で三組設けられている。アウトポケット22uは、抽選の終了条件と関連付けられたポケットである。例えば、ボールBがアウトポケット22uに進入すると抽選が終了する、といったように終了条件が設定される。アウトポケット22uに設定されたアウトの属性もまた抽選機構11にて選択される要素の一種である。
一方、内側抽選部25には、五つの複数色ポケット22vと一つのスペシャルポケット22wとが周方向に並べて設けられている。複数色ポケット22vのそれぞれには、上述した要素としての赤、黄、緑、ピンク及び青から選択された二色の要素が割り当てられている。図示例では、五色の要素のそれぞれが二つの複数色ポケット22vに適宜に割り当てられている。スペシャルポケット22wには全ての色が割り当てられている。なお、抽選部23、25における各ポケット22への要素の割り当ては適宜に変形が可能である。例えば、内側抽選部25において、一部の色を他の色よりも多くのポケット22vに割り当てる、あるいは一部のポケット22bに単一色の要素を割り当てるといったように内側抽選部25における要素の割り当てが変更されてもよい。外側抽選部23においても、一部のポケット22aを複数色ポケット22v、あるいはスペシャルポケット22wとして設定し、あるいは一部の色を他の色よりも多くのポケット22aに割り当てるといった変更が可能である。
抽選が開始されると、抽選機構11にて抽選単位ごとにボールBが繰り返し投入され、ボールBが進入したポケット22の色と関連付けてゲームが進行する。投入されたボールBがアウトポケット22uに入ると抽選が終了する。終了条件は、一例として、アウトポケット22uへのボールBの進入に加えて、抽選開始からのボールBの投入数が所定の上限値に達した場合にも成立するように設定されてもよい。ポケット22に入ったボールBは、落下面41に落下し、移動部材44により供給路43に案内されて投入機構12に供給される。
一方、ステーションユニットSTでは、複数種類のゲームが提供される。ユーザは、1以上のゲームを選択してクレジットをベットし、センターユニットCNの抽選結果と関連付けてステーションユニットSTで実行されるゲームの結果に応じた報酬を受ける。ゲーム機1では、複数のユーザのそれぞれが複数のゲームを並行してプレイすることができる。モニタ62には各種のゲームのゲーム画面が表示される。ゲーム画面には、ユーザが選択したゲームが画面を分割して表示、あるいは切換可能に表示される。
ステーションユニットSTにて提供されるゲームには、抽選機構11にて選択された要素としての色を複数のグループに対して選択的に振り分けつつ、グループ別に進行を制御するゲームが含まれている。以下では、その種のゲームの一例を説明する。
図8は、グループ別の進行制御が適用されるゲームにて、抽選機構11の抽選結果を各グループに選択的に振り分ける規則の一例を示している。図示例では、グループ1〜3の三つのグループが設定されている。図8において、球数は、抽選開始からのボールBの投入数を示している。ただし、一回の抽選単位で複数のボールBが同時に投入される場合、球数は例えばボールBがポケット22に進入した順序に従って区別されてよい。例えば初回の抽選単位で3球のボールBが投入される場合、最初にポケット22に進入したボールBが1球目(球数1)、次にポケット22に進入したボールBが2球目(球数2)といったごとくである。
図8において、ボールBが進入したボールBの色が振り分けられる対象のグループは「○」又は「◎」にて示され、振り分け対象ではないグループは「−」にて示されている。例えば、1球目のボールBが進入したポケット22の色はグループ1に、2球目のボールBが進入したポケット22の色はグループ2に、3球目のボールBが進入したポケット22の色はグループ3にそれぞれ振り分けられる。以下、同様に抽選で色が選択されるごとにグループ1→2→3の順に振り分け対象が順次変更される。各グループでは、自己に割り当てられた色に従ってゲームが進行する。N−1球目のボールBにて選択された色がグループ1に振り分けられた結果として、グループ1のゲームで入賞条件が成立し、プレイヤに対して報酬が付与されたものとする。この場合、以降の抽選においてグループ1は振り分け対象から除外される。したがって、N球目からの抽選結果はグループ2及びグループ3に交互に振り分けられる。X球目のボールBがアウトポケット22uに進入した場合、抽選の終了条件が成立する。これにより、入賞条件の成否に関わりなく、全てのグループにてゲームが終了する。
以上のように、抽選結果を複数のグループに対して選択的に振り分けつつ、振り分けられた要素と関連付けてグループ別にゲームを進行させた場合には、各回の抽選結果を複数のグループのそれぞれにおけるゲームの進行に対して選択的に反映させつつ、グループごとにゲームを進行させることができる。それにより、グループごとにゲームを多様に進行させることが可能である。各回の抽選結果が全てのグループにおけるゲームの進行に対して一律に反映されるのではなく、抽選結果が反映される対象のグループも適宜に変化するため、抽選と各グループにおけるゲームの進行との対応関係の多様性を十分に高めることが可能である。それにより、ゲームの興趣を高めることができる。例えば、早期に入賞が成立してゲームが終了するグループが生じることにより、抽選終了前に報酬が発生する確率を高める一方で、ゲームが終了していないグループにてその後も継続してゲームを進行させてプレイヤの期待感を高めることができる。なお、図8に示したグループ数は一例であり、2又は4以上のグループが設定されてもよい。振り分けの態様も、抽選が繰り返されている間に振り分け対象のグループが変更される限り、適宜に変更可能である。例えば、一回の抽選で一つのグループに色を振り分ける例に限らず、一回の抽選で選択された色を複数のグループに振り分けつつ、振り分け対象とされるグループの組み合わせを適宜に変化させるといった変形が可能である。
図9は、図8の規則に従って実行されるゲームにおけるゲーム画面の一例を示している。図示のゲーム画面100には、3本の筒101A、101B、101C(以下、これらを総称して筒101と表記することがある。)が表示されている。一本の筒101が一つのグループに対応する。例えば、筒101Aがグループ1、筒101Bがグループ2、筒101Cがグループ3である。各筒101には、抽選機構11にてボールBが進入したポケット22の色と同色の仮想球体(一例として打ち上げ花火の煙火玉を想定したもの。)102が図8に示した規則に従って選択的に振り分けられる。例えば、1球目のボールBによって選択された色と同色の仮想球体102が筒101Aに、2球目のボールBによって選択された色と同色の仮想球体102が筒101Bにそれぞれ振り分けられるといったごとくである。なお、仮想球体102は、抽選機構11の抽選に用いられる物理的な遊技媒体としてのボールBを、ゲーム画面100内における仮想的なボールとして表現したものである。
各筒101では、同一色の仮想球体102を所定数揃えることを目標の一つとするゲームが進行する。一つの筒101にて同一色の仮想球体102が3球揃うと入賞条件が成立し、例えば筒101から花火が打ち上げられるといった演出が行われる。図9では、その時点で赤の仮想球体102が選択された様子がゲーム画面100の中央下部に表示され、かつその仮想球体102が中央の筒101Bに振り分けられることにより、その筒101Bにて赤の仮想球体102が3球揃い、花火が打ち上げられようとしている様子が表現されている。
いずれかの筒101にて入賞条件が成立すると、その筒101の上方の配当表示部103に表示されている配当量と同数のクレジットが報酬としてプレイヤに付与される。入賞条件が成立した筒101についてはゲーム終了となり、それ以降、その筒101には仮想球体102が振り分けられない。一つの筒101において、既に振り分けられている仮想球体102とは異なる色の仮想球体VSが新たに振り分けられると、既に振り分けられている仮想球体102は消滅し、新たに振り分けられた仮想球体102がその筒101に配置される。つまり、筒101内の球数が1にリセットされ、かつ筒101の入賞条件を成立させる仮想球体102の色が変更される。このように、図9のゲームでは、各筒101にて同一色の仮想球体102が3個続けて振り分けられるまで筒101ごとに区別してゲームが進行する。なお、筒101内の仮想球体102の色が変更された場合、あるいは同色の仮想球体102が同一筒101に2球続けて振り分けられた場合等、各筒101における仮想球体102の振り分け履歴が一定の配当増加条件を満たした場合、その条件を満たした筒101に対応する配当表示部103の配当量が増加する。その他にも、配当表示部103の配当量はゲームの進行に応じて適宜変更されてよい。
図10は、図9のゲームにて一定の条件が満たされた場合に、その報酬の一種として提供されるボーナスゲームにおけるゲーム画面の一例を示している。図9のゲームにて所定のボーナス条件が成立した場合、その報酬として図10のボーナスゲームがプレイヤに提供される。例えば、図9のゲームにて全ての筒101で入賞条件が成立した場合、図10のボーナスゲームが提供される。図10のゲーム画面110では、ポケット22に設定された五色の要素のそれぞれに対応して五色の筒111A〜111E(以下、これらを総称して筒111と表記することがある。)が表示される。例えば、ゲーム画面110の左から赤、黄、緑、ピンク及び青にそれぞれ着色された筒111が表示される。図9のゲームでは、仮想球体102を振り分ける対象の筒101が抽選回数(ボールBの球数)と関連付けて適宜変更されたが、図10のボーナスゲームではそのような振り分け対象の変更は適用されず、五つの筒111の全体が一つのグループを形成する。
ボーナスゲームでは、抽選機構11にていずれかの色が選択されるごとに、選択された色と同一色の仮想球体102が同一色の筒111に振り分けられる。いずれかの筒111に1球の仮想球体102が振り分けられると、その筒111に関して入賞条件が成立し、筒111の上方の配当表示部112に表示されている配当量と同数のクレジットが報酬としてプレイヤに付与される。入賞条件成立後の筒111は継続して同一色の仮想球体102に関する振り分け対象として維持される。つまり、アウトポケット22uにボールBが進入しない限り、いずれかの筒111に仮想球体102が振り分けられて入賞条件が成立し、プレイヤに報酬が付与される。配当表示部112に表示される配当量は、所定の配当増加条件が成立するごとに徐々に増加する。配当増加条件は、一例として、同一の筒111に2球以上の仮想球体102が連続して振り分けられた場合に成立するといったように適宜に設定されてよい。なお、いずれかの筒111に関して配当量が増加した場合、他の筒111に対応する配当量が初期値に戻されてもよい。このように、ボーナスゲームでは、抽選でいずれかの色が選択されるごとにプレイヤに報酬が付与される。したがって、ボーナスゲームを適宜に発生させることにより、プレイヤに対して大量の報酬を獲得する機会を提供することが可能である。つまり、ボーナスゲームをプレイする権利、及びそのボーナスゲームで発生するクレジットは、図9のゲームにて所定の条件が満たされた場合に発生する追加的な報酬の一種として位置付けられる。
なお、図9及び図10のいずれのゲームにおいても、ボールBが内側抽選部25のポケット22v又は22wに進入した場合には、仮想球体102がそのポケット22v又は22wに対して設定された複数色に対応したものとして扱われる。例えば、赤及び青が設定されたポケット22vにボールBが進入した場合、仮想球体102は赤及び青の両者の色を帯びた状態となる。この場合、図9のゲームでは、赤及び青の仮想球体102が振り分けられた筒101に赤又は青のいずれかの仮想球体102が既に振り分けられていれば、同一色の2球目の仮想球体102が振り分けられたものとしてゲームが進行し、あるいは同一色の3球目の仮想球体102が振り分けられたものとして入賞条件が成立する。図10のゲームでは、赤及び青の筒111のそれぞれで入賞条件成立となり、それらの筒111に対応した報酬が発生する。スペシャルポケット22wにボールBが進入した場合には、全ての色が選択されたものとみなされて同様の処理が行われる。この場合、図10のゲームでは全ての筒111に関して入賞条件成立となる。
次に、上述したゲームを実現するためのゲーム機1の制御系の構成の一例を説明する。図11は、ゲーム機1の制御系の要部の構成を説明する機能ブロック図である。ゲーム機1のセンターユニットCNには、抽選処理を制御する抽選制御部81が設けられている。抽選制御部81は、抽選機構11及び投入機構12の動作を制御し、抽選機構11からボールBがいずれのポケット22に進入したかを判別するための情報を取得する。抽選制御部81は、投入機構12によるボールBの投入動作を制御することにより、抽選機構11及び投入機構12と協働して要素選択手段又は要素選択装置の一例として機能する。また、各ステーションユニットSTには、ゲームを制御するゲーム制御部82と、記憶部83とが設けられている。ゲーム機1には、複数のステーションユニットSTが設けられるが、図10では1台のステーションユニットSTのみを表示する。抽選制御部81は、ゲーム機1のセンターユニットCNに実装されたコンピュータハードウエアとソフトウエアとの組合せによって実現される論理的装置である。ゲーム制御部82については後述する。抽選制御部81とゲーム制御部82とは、相互に接続され、各ユニットCN、STでのゲーム結果等のデータをやりとりする。
ゲーム制御部82は、抽選制御部81で制御される抽選の抽選結果を取得して各ゲームの進行を制御する。その他、ゲーム制御部82には、ステーションユニットSTに設けられるモニタ62、タッチパネル63、メダル投入口に設置され、メダルを検出するメダル検出センサ61a、及びカードリーダ65と接続されている。カードリーダ65は、ユーザ識別情報が記録されたカード64の情報を読み取ってその情報に対応した信号をゲーム制御部82に出力する。記憶部83は、ハードディスクアレイ等の記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部83には、プレイデータ84と、ゲームを実行するためのゲームプログラム85とが記録されている他、ゲームの制御や、各種サービスの提供のために必要な各種のデータが記録される。
図12は、ゲーム制御部82の詳細な構成の一例を示している。ゲーム制御部82は、所定のコンピュータプログラムに従って各種の演算処理及び動作制御を実行するプロセッサの一例としてのマイクロプロセッシングユニット(MPU)と、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。ゲーム制御部82には、そのハードウエア資源とソフトウエア資源としてのゲームプログラム85との組み合わせによって実現される論理的装置として、振分部90及び進行制御部91が設けられる。振分部90は抽選制御部81から抽選結果を受け取り、これを進行制御部91に対して適宜に振り分ける。進行制御部91は振分部90から振り分けられた抽選結果に基づいてステーションユニットSTにおけるゲームを進行させる。
上述した図9及び図10のゲームを進行させるため、進行制御部91には、さらなる論理的装置として、第1グループ制御部92A、第2グループ制御部92B、及び第3グループ制御部92Cが設けられる。第1グループ制御部92Aは筒101Aに、第2グループ制御部92Bは筒101Bに、第3グループ制御部92Cは筒101Cにそれぞれ対応する。グループ制御部92A、92B、92C(以下、これらを総称してグループ制御部92と表記することがある。)のそれぞれは、自己に振り分けられた抽選結果としての色の履歴を、自己に対応する進行データ93A〜93C(以下、進行データ93と表記することがある。)に記録し、その進行データ93に基づいて筒101ごとの仮想球体102の球数、球の色、配当表示部103の配当量を制御し、かつ筒101ごとの入賞条件の成否を判別する。進行データ93は、ゲーム制御部82の内部記憶装置上に保持された筒101ごとのデータである。グループ制御部92にて制御される仮想球体102の球数、球の色、配当量、入賞条件の成否といったゲームの進行状態と関連する各種の情報も進行データ93に適宜記録される。
進行制御部91には、さらにボーナスゲーム制御部94及び報酬制御部95が設けられる。ボーナスゲーム制御部94は図10のボーナスゲームの進行を制御する。報酬制御部95は、グループ制御部92A〜92C、及びボーナスゲーム制御部94から与えられる配当量に従ってプレイヤに付与すべき報酬量を演算し、その演算結果に従って報酬データ96を適宜に更新する。報酬データ96はゲーム制御部82の内部記憶装置に保持され、必要に応じて記憶部83に保存される。なお、ゲーム制御部82には、タッチパネル63を介してユーザのベッド操作等を検出し、その操作をゲームの進行に反映させる操作処理部、振分部90及び進行制御部91のそれぞれの処理に応じたゲーム画面をモニタ62のフレームレートに応じた周期で繰り返し描画する画像描画部、ゲームの進行に応じた演出音を発生させる音再生部等が設けられるが、それらの図示は省略した。
次に、図13〜図15を参照して、図9及び図10に例示したゲームを提供するためにゲーム制御部82が実行する処理の一例を説明する。なお、抽選制御部81による抽選機構11及び投入機構12の制御については、上述したように、抽選単位ごとに所定数のボールBを投入していずれかのポケット22にボールBが進入することにより抽選結果としてのポケット22の色を選択する処理を所定の終了条件が成立するまで繰り返すものである。抽選単位ごとのボールBの投入数等は適宜に変更可能であり、終了条件は一例としてアウトポケット22uにボールBが進入した場合に成立するものとするが、ボールBの投入数が上限値に達した場合にも抽選を終了するといった変形が可能である。これらの制御は公知のゲーム機と同様に行えばよく、詳細な手順は省略する。
図13は、抽選機構11による抽選開始に合わせてゲーム制御部82が実行するゲーム制御処理の手順の一例を示している。抽選制御部81は、投入機構12に対してボールBの投入開始を指示するとともに、ゲーム制御部82に対してゲーム開始を指示し、これに応じてゲーム制御部82は図13の処理を開始する。ゲーム制御処理が開始されると、まずゲーム制御部82の振分部90及び進行制御部91は所定の初期設定を実行する(ステップS1)。その初期設定により、モニタ62には図9に例示したゲーム画面100が表示される。また、初期設定ではゲームの進行状態を記述する各種の内部パラメータが初期値に設定される。例えば、振分部90にてボールBの球数が初期値1に設定され、グループ制御部92A〜92Cでは配当表示部103に表示すべき配当量が所定の初期値に設定される。
初期設定が終わると、振分部90は抽選制御部81から抽選結果を取得する(ステップS2)。抽選結果を取得すると、振分部90はアウトポケット22uにボールBが進入したか否かを判別する(ステップS3)。ボールBがアウトポケット22uへ進入していないと判断された場合、振分部90は、ボールBが進入したポケット22の色を振り分け対象グループとしての筒101に対応したグループ制御部92に振り分ける(ステップS4)。例えば、図8の振り分け規則に従えば、1球目のボールBによって選択された色は第1グループ制御部92Aに、2球目のボールBによって選択された色は第2グループ制御部92Bにそれぞれ振り分けられるといったごとくである。内側抽選部25のポケット22v又は22wにボールBが進入した場合には、振り分け対象の筒101に対して複数色が一括して振り分けられる。
抽選結果が振り分けられると、グループ制御部92にてグループ別進行制御処理が行われる(ステップS5)。グループ別進行制御処理の詳細な手順は後述するが、その処理は、いずれかの筒101にて入賞条件が成立したか否かを判別する処理を含んでいる。振分部90及び報酬制御部95は、グループ制御部92における処理と連携して、いずれかの筒101にて入賞条件成立と判定されたか否かを判別する(ステップS6)。入賞条件が成立していない場合、ゲーム制御処理はステップS2へと戻される。一方、ステップS6にて入賞条件成立と判断された場合、報酬制御部95は入賞条件成立と判定したグループ制御部92から配当量(図9の配当表示部103に表示された配当量)を取得し、その配当量に等しい数のクレジットを報酬データ96に加算することにより、プレイヤに対する報酬を発生させる(ステップS7)。
また、振分部90は入賞条件が成立したグループとしての筒101を以降の抽選結果の振り分け対象から除外する(ステップS8)。その後、報酬制御部95は、これまでの各グループ制御部92の処理の履歴に基づいて、全てのグループ、つまり全ての筒101にて入賞条件が成立したか否かを判定する(ステップS9)。全てのグループで入賞条件が成立した状態に達しておらず、まだ入賞条件が成立していない筒101が残っていると判断された場合、ゲーム制御処理はステップS2へと戻される。一方、ステップS9に全ての筒101にて入賞条件が成立していると判断された場合、報酬制御部95は追加的な報酬として、ボーナスゲームの実行をボーナスゲーム制御部94に指示し、これを受けてボーナスゲーム制御部94は図10のボーナスゲーム画面110をモニタ62に表示させてボーナスゲームの提供を開始する(ステップS10)。ボーナスゲームの詳細は後述する。ボーナスゲームが終了すると、報酬制御部95は報酬データ96に記録された報酬をプレイヤに支払う等してゲーム結果を確定させる(ステップS11)。以上により、図13のゲーム制御処理が終了する。
図14は、図13のステップS5におけるグループ別進行制御の手順の一例を示している。グループ制御部92は、振分部90から抽選結果が振り分けられると図14の処理を開始する。つまり、図8に例示した振り分け規則に従って振分部90が抽選結果を振り分ける対象のグループとして判別した筒101に対応するグループ制御部92にて図14の処理が実行される。グループ制御部92は、図14のグループ別進行処理を開始すると、まず振分部90から振り分けられた抽選結果、つまり抽選機構11にて選択された色を判別し(ステップS21)、次いでその振り分けられた色を自己に対応する進行データ93に記録する(ステップS22)。
続いて、グループ制御部92は、前回振り分けられた仮想球体102の色と同一色が今回振り分けられたか否かを判別する(ステップS23)。同一色が振り分けられている場合、グループ制御部92は、進行データ93に記録されている筒101内の仮想球体102の球数に1を加算し(ステップS24)、加算後の球数が3球に達したか否かを判別する(ステップS25)。3球に達している場合、グループ制御部92は自己に対応する筒101に関して入賞条件が成立したと判定し、その判定結果を進行データ93に記録する(ステップS26)。
ステップS23にて同一色の仮想球体102が振り分けられなかったと判断された場合、グループ制御部92は筒101の球数を1にリセットし(ステップS27)、その筒101内の仮想球体102の色を今回振り分けられた色に変更する(ステップS28)。ステップS28の処理が終了した後、あるいはステップS25にて球数が3球に達していないと判断された場合、グループ制御部92は配当表示部103に表示されるべき配当量を今回の処理結果に応じて更新する(ステップS29)。この場合、上述した配当増加条件が成立していれば配当表示部103に表示されるべき配当量が増加する。条件が満たされない場合は配当量の更新がスキップされる。ステップS26又はS29の処理が終了すると、グループ制御部92は図14のグループ別進行処理を終え、図13のステップS6へと進む。したがって、図14のステップS26にて入賞判定された場合、図13のステップS6は肯定的に判断される。
図15は、図13のステップS10におけるボーナスゲーム処理の手順の一例を示している。ボーナスゲーム制御部94は、報酬制御部95からボーナスゲームを指示されると図15の処理を開始し、まず振分部90から抽選機構11の選択結果を取得して、ボールBが進入したポケット22を判別する(ステップS31)。次に、ボーナスゲーム制御部94は、ボーナスゲームの終了条件が成立したか否かを判別する(ステップS32)。例えば、抽選機構11にてボールBがアウトポケット22uに進入した場合、終了条件が成立したものと判断される。なお、アウトポケット22uにボールBが進入した場合に加えて、ボーナスゲームが実行されている間のボールBの投入数、実行されている時間等のパラメータと関連付けて有効範囲を設定し、その有効範囲を超えた場合にも終了条件が成立したものと判断する、といった変形がなされてもよい。
ステップS32にて終了条件が成立していないと判断された場合、ボーナスゲーム制御部94は、抽選機構11にて選択された色に応じた報酬の加算を報酬制御部95に指示する(ステップS33)。すなわち、ボーナスゲームでは、抽選機構11にて少なくとも一つの色が選択される限り、いずれかの筒111(図10参照)で入賞条件が成立し、配当表示部112に表示された配当量と同数のクレジットがプレイヤに報酬として付与される。したがって、ステップS33では、抽選機構11にて選択された色に対応する筒111に対して設定された配当量が判別され、その配当量と同数のクレジットが報酬データに加算されるように、報酬制御部95が報酬データ96を更新する。報酬の加算後、ボーナスゲーム制御部94は各筒111に対応する配当表示部112の配当を適宜に更新する(ステップS34)。例えば、上述した配当増加条件が成立した場合、ボーナスゲーム制御部94はその条件を満たす筒111に対応する配当量を増加させ、他の筒111の配当量を初期値にリセットするといった処理を実行してよい。ステップS34の処理が終わるとステップS31へと処理が戻され、以下、ステップS32で終了条件が成立するまで同様の処理が繰り返される。
以上の形態では、ゲーム制御部82がゲーム制御手段の一例として機能し、そのゲーム制御部82の振分部90が図13のステップS4及びS8の処理を実行することにより要素振分手段の一例として機能し、進行制御部91が図13のステップS5〜S7及びS9の処理(図14及び図15の処理を含む。)を実行することにより進行制御手段の一例として機能する。
本発明は上述した形態及びその変形例に限らず、各種の形態にて実施することができる。例えば、上記の形態では、抽選機構11に対して初回に3球のボールBを投入し、2回目以降は1球ずつボールBを投入することとし、ボールBがアウトポケット22uに進入しない限り、初回の3球のボールBにて選択された色を三つのグループに順次振り分け、以降は色が選択されるごとに各グループに順次色を振り分けるものとしたが、要素選択手段にて要素を繰り返し選択する処理、及び選択された要素をグループに振り分ける処理は適宜の変形が可能である。例えば、要素が複数回選択されるごとに振り分け対象のグループを変更するといった変形がなされてもよい。あるいは、振り分け対象のグループを変更する条件となる要素の選択数を動的に変化させてもよい。
上記の形態では、グループをゲーム画面100における筒101として表現したが、これに限らず、グループは要素の振り分け対象として適宜に選択される限り、種々の概念で表現されてよい。上記の形態では、各筒101にて進行するゲームの内容が同一に設定されているが、グループごとに進行するゲームの少なくとも一部を互いに差別化してもよい。上記の形態では、入賞条件が成立したグループに対して報酬を発生させ、かつその入賞条件が成立したグループについては、以降の要素の振り分け対象から除外することにより要素の振り分けに関する制限を設定したが、ゲームの進行制御及び振り分け対象の制限はそのような形態に限定されない。例えば、ゲームの進行は、要素の選択と関連付けてユーザの期待感を高めるように制御されていればよく、その期待感を高める手段としては、報酬の発生に限らず、ゲームのスコア、ゲームにおけるステータスやグレード、プレイヤ間のランキング、といったプレイヤの優位性を示す指標となり得るパラメータを上昇させる手段等によって実現されてもよい。振り分け対象の制限に関しても、例えばゲームが所定の段階まで進んだグループに対して、それ以降の要素の振り分け頻度を低下させるように制限を設定し、それにより、次の段階まで進むための難易度を上昇させつつ、他のグループに対しては要素の振り分け頻度を上昇させて、所定の段階まで達することへの期待感を高める、といった制御が適用されてもよい。
上記の形態では、要素の選択を物理的な抽選機構11を用いた無作為な抽選によって実現しているが、要素選択手段又は要素選択装置はそのような形態に限定されない。例えば、乱数を利用した電子的な抽選手段により要素が選択されてもよい。あるいは、要素の選択に対して、ゲームシステムにおけるペイアウト率、あるいはプレイヤのスキルを反映させる制御が導入されてもよい。
上記の形態では、ゲームシステムを、複数のステーションユニットST間でセンターユニットCNを共用するアーケードゲーム機として構成した例を示したが、本発明のゲームシステムはそのような例に限らない。例えば、ネットワークを介して接続された複数の端末装置間で要素選択手段を共用するネットワーク型のゲームシステムに本発明が適用されてもよい。あるいは、要素選択手段を複数の端末装置間で共用せず、プレイヤに対する単一の入出力部と要素選択手段とを1対1で対応付けたゲーム機に本発明が適用されてもよい。
上述した実施の形態及び変形例のそれぞれから導き出される本発明の各種の態様を以下に記載する。なお、以下の説明では、本発明の各態様の理解を容易にするために添付図面に図示された対応する構成要素を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
本発明の一態様に係るゲームシステム(1)は、複数の要素(一例としてポケット22p〜22t、22v、22wに設定された色及びアウトポケット22uに設定されたアウトの属性)からいずれかの要素を選択する処理を繰り返し実行する要素選択手段(11、12、81)と、前記要素選択手段による前記要素の選択と関連付けてゲームを制御するゲーム制御手段(82)と、を備えたゲームシステム(1)であって、前記ゲーム制御手段は、前記要素選択手段にて選択された要素を複数のグループ(一例として図9に示す筒101A、101B、101C)に対して選択的に振り分ける要素振分手段(90、S4、S8)と、前記ゲームを、前記要素振分手段にて振り分けられた要素と関連付けてグループごとに区別して進行させる進行制御手段(91、S5〜S7、S9〜S11)と、を備え、前記要素振分手段は、前記要素選択手段による要素の選択が繰り返されている間に前記要素が振り分けられる対象のグループが変化するようにして前記要素を振り分けるものである。
本発明の一態様に係るゲームシステム用のコンピュータプログラム(85)は、複数の要素(一例としてポケット22p〜22t、22v、22wに設定された色及びアウトポケット22uに設定されたアウトの属性)からいずれかの要素を選択する処理を繰り返し実行する要素選択手段(11、12、81)を備えたゲームシステムのコンピュータ(82)を、前記要素選択手段による前記要素の選択と関連付けてゲームを制御するゲーム制御手段として機能させるコンピュータプログラムであって、前記ゲーム制御手段を、前記要素選択手段にて選択された要素を複数のグループ(一例として図9に示す筒101A、101B、101C)に対して選択的に振り分ける要素振分手段(90、S4、S8)、及び前記ゲームを、前記要素振分手段にて振り分けられた要素と関連付けてグループごとに区別して進行させる進行制御手段(91、S5〜S7、S9〜S11)として機能させ、前記要素振分手段は、前記要素選択手段による要素の選択が繰り返されている間に前記要素が振り分けられる対象のグループが変化するようにして前記要素を振り分ける、ように構成されたものである。
本発明の他の態様に係るゲームシステムは、複数の要素(一例としてポケット22p〜22t、22v、22wに設定された色及びアウトポケット22uに設定されたアウトの属性)からいずれかの要素を選択する処理を繰り返し実行する要素選択装置(11、12、81)と、所定のコンピュータプログラム(85)を記憶する記憶装置(83)と、前記要素選択装置及び前記記憶装置と接続され、前記コンピュータプログラムに基づいて所定の処理を実行するプロセッサ(82)とを含むゲームシステム(1)であって、前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムに基づいて、前記要素選択装置による前記要素の選択と関連付けてゲームを制御し、かつ当該ゲームの制御においては、前記要素選択装置にて選択された要素を複数のグループ(一例として図9に示す筒101A、101B、101C)に対して選択的に振り分け(S4、S8)、前記ゲームを、前記要素振分手段にて振り分けられた要素と関連付けてグループごとに区別して進行させ(S5〜S7、S9〜S11)、前記要素の振り分けにおいては、前記要素選択手段による要素の選択が繰り返されている間に前記要素が振り分けられる対象のグループが変化するようにして前記要素を振り分けるものである。
上記態様のゲームシステム及びコンピュータプログラムによれば、各回の選択結果を複数のグループのそれぞれに対して選択的に振り分けつつ、各グループで区別してゲームを進行させることにより、要素の選択に対してゲームを多様に進行させることができる。各回の要素の選択結果が全てのグループに対して一律に反映されるのではなく、選択結果が反映される対象のグループが適宜に変化することにより、要素の選択と各グループにおけるゲームの進行との対応関係の多様性を高めることが可能である。したがって、ゲームの進行に関する単調性を解消してゲームの興趣を高めることができる。例えば、早期に所定の進度まで達してゲームが終了するグループが生じても、ゲームが終了していないグループではその後も継続してゲームを進行させてプレイヤの期待感を高めることができる。
なお、本発明の一態様に係るコンピュータプログラムは、記憶媒体に記憶された状態で提供されてもよい。この記憶媒体を用いれば、例えばコンピュータに本発明に係るコンピュータプログラムをインストールして実行することにより、そのコンピュータを利用して本発明のゲームシステムを実現することができる。コンピュータプログラムを記憶した記憶媒体は、CDROM等の非一過性の記憶媒体であってもよい。
上記態様において、前記進行制御手段は、前記ゲームにて所定の条件が満たされたか否かをグループごとに判別し(S25、S6)、前記条件が満たされたグループに対して報酬を発生させてもよい(S7)。この場合は、早期に条件が満たされて報酬が発生するグループが生じても、条件が満たされていないグループでは条件を満たすことを目標として引き続きゲームを進行させることができる。それにより、プレイヤの報酬獲得に対する期待感を高めることが可能である。
前記要素振分手段は、前記条件が満たされたグループに対して、当該条件が満たされた後の前記要素の振り分けを制限してもよい(S8)。条件が満たされて報酬が発生したグループに対して、その後の要素の振り分けが制限されることにより、条件が満たされてないグループに対して要素を優先的に振り分けてゲームの進行を早めることができる。
前記進行制御手段は、前記条件が満たされたグループに関する前記要素の振り分け履歴に基づいて、当該グループに対する報酬を決定してもよい。これによれば、各グループに対して要素がどのように振り分けられたかの履歴が報酬に反映されることにより、グループごとのゲームの進行をより多様化することが可能である。
前記進行制御手段は、2以上の所定数のグループにて前記条件が成立した場合、前記グループに対する報酬に加えて、追加的な報酬(一例として図10のボーナスゲームをプレイする権利及びそのボーナスゲームで発生するクレジット)を発生させてもよい。複数グループでの条件成立に対して追加的な報酬を発生させることにより、いずれかのグループで報酬が発生した後のプレイヤの期待感をさらに高めることが可能である。
前記要素選択手段は、前記要素を抽選によって選択してもよい。これによれば、抽選によって無作為に選択される要素を複数グループに対して選択的に振り分けることによりゲームの進行における偶然性、あるいは僥倖性を担保し、それに伴ってゲームの興趣をさらに高めることができる。