ところが、上記の測定方法には、改善すべき以下の課題が存在する。具体的には、上記の測定方法では、測定対象の抵抗器が特殊な形状を有しているため、上記したように、抵抗体に電流を均一に流す(均一な電流分布を得る)ことができ、これによって抵抗値を正確に測定することが可能となっている。しかしながら、特殊な形状を有していない一般的な形状の抵抗器に上記の測定方法を適用しても、その抵抗器の抵抗値を正確に測定することは困難である。したがって、電子部品の形状に拘わらず、被測定量の測定精度を向上な技術の開発が望まれている。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、電子部品の被測定量の測定精度を向上し得る測定装置および測定方法を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく請求項1記載の測定装置は、第1出力端子および第2出力端子を有すると共に、本体部の一端部および他端部に第1端子および第2端子がそれぞれ設けられた電子部品における当該第1端子および当該第2端子にそれぞれ接続される前記第1出力端子および前記第2出力端子を介して前記電子部品に測定用電流を供給する複数の電流供給部と、第1検出端子および第2検出端子を有すると共に、前記電子部品に前記測定用電流が供給されている状態で前記第1端子および前記第2端子にそれぞれ接続される前記第1検出端子および前記第2検出端子を介して電圧を検出する電圧検出部と、前記電圧検出部によって検出された電圧の電圧値および前記測定用電流の電流値に基づいて前記電子部品の被測定量を測定する測定部とを備えた測定装置であって、前記測定部は、前記第1端子における前記本体部の前記一端部と前記他端部とを結ぶ第1方向に交差する第2方向に沿って互いに離間する複数の第1供給位置にそれぞれ接続された前記各第1出力端子、および前記第2端子における前記第2方向に沿って互いに離間する複数の第2供給位置にそれぞれ接続された前記各第2出力端子を介して前記各電流供給部によってそれぞれ供給される各前記測定用電流の各前記電流値と、前記電圧検出部によって検出された前記電圧値とに基づいて複数の前記被測定量を測定し、当該各被測定量を数値処理した処理値を前記電子部品の前記被測定量として算出する。
また、請求項2記載の測定装置は、本体部の一端部および他端部に第1端子および第2端子がそれぞれ設けられた電子部品における当該第1端子および当該第2端子に第1供給用プローブおよび第2供給用プローブをそれぞれ接触させると共に当該第1端子および当該第2端子に第1検出用プローブおよび第2検出用プローブをそれぞれ接触させるプロービング機構と、前記第1供給用プローブおよび前記第2供給用プローブを介して前記電子部品に測定用電流を供給する電流供給部と、第1検出端子および第2検出端子を有すると共に、前記電子部品に前記測定用電流が供給されている状態で前記第1検出端子に接続された前記第1検出用プローブおよび前記第2検出端子に接続された前記第2検出用プローブを介して電圧を検出する電圧検出部と、前記電圧検出部によって検出された電圧の電圧値および前記測定用電流の電流値に基づいて前記電子部品の被測定量を測定する測定部とを備えた測定装置であって、前記測定用電流をそれぞれ出力する複数の前記電流供給部と、当該各電流供給部に1つずつ接続された複数の前記第1供給用プローブと、当該各電流供給部に1つずつ接続された複数の前記第2供給用プローブとを備え、前記プロービング機構は、前記第1端子における前記本体部の前記一端部と前記他端部とを結ぶ第1方向に交差する第2方向に沿って互いに離間する複数の第1供給位置に前記各第1供給用プローブをそれぞれ接触させると共に、前記第2端子における前記第2方向に沿って互いに離間する複数の第2供給位置に前記各第2供給用プローブをそれぞれ接触させる。
また、請求項3記載の測定装置は、請求項2記載の測定装置において、前記プロービング機構は、隣接する前記各第1供給位置同士の間隔と隣接する前記各第2供給位置同士の間隔とが等しい当該各第1供給位置および当該各第2供給位置に前記各第1供給用プローブおよび前記各第2供給用プローブをそれぞれ接触させる。
また、請求項4記載の測定装置は、請求項2または3記載の測定装置において、前記プロービング機構は、前記電子部品の中心部を対称点として点対称の位置関係にある前記各第1供給位置および前記各第2供給位置に前記各第1供給用プローブおよび前記各第2供給用プローブをそれぞれ接触させる。
また、請求項5記載の測定装置は、請求項2から4のいずれかに記載の測定装置において、前記プロービング機構は、前記電子部品の中心部を通って前記第1方向に直交する直線を対称軸として線対称の位置関係にある前記各第1供給位置および前記各第2供給位置に前記各第1供給用プローブおよび前記各第2供給用プローブをそれぞれ接触させる。
また、請求項6記載の測定装置は、請求項2から5のいずれかに記載の測定装置において、前記プロービング機構は、前記第1端子における前記第2方向の中心部に規定された第1検出位置に前記第1検出用プローブを接触させると共に、前記第2端子における前記第2方向の中心部に規定された第2検出位置に前記第2検出用プローブを接触させる。
また、請求項7記載の前記測定部は、請求項2から6のいずれかに記載の測定装置において、前記測定部は、前記各電流供給部によってそれぞれ供給される各前記測定用電流の各前記電流値と前記電圧検出部によって検出された前記電圧値とに基づいて複数の前記被測定量を測定し、当該各被測定量を数値処理した処理値を前記電子部品の前記被測定量として算出する。
また、請求項8記載の前記測定部は、請求項1または7記載の測定装置において、前記測定部は、前記被測定量をそれぞれ測定する測定回路を前記各電流供給部の数と同数備え、前記各測定回路のいずれか1つは、当該各測定回路によってそれぞれ測定された前記各被測定量を数値処理して前記処理値を算出する請求項1または7記載の測定装置。
また、請求項9記載の前記測定部は、請求項1または7記載の測定装置において、前記測定部は、前記被測定量をそれぞれ測定する測定回路を前記各電流供給部の数と同数備えると共に、当該各測定回路によってそれぞれ測定された各前記被測定量を数値処理して前記処理値を算出する演算回路を備えて構成されている。
また、請求項10記載の前記測定部は、請求項8または9記載の測定装置において、前記各測定回路に1つずつ割り当てられた複数の前記電圧検出部を備え、前記各測定回路は、前記割り当てられた電圧検出部によって検出された前記電圧値に基づいて前記被測定量を測定する。
また、請求項11記載の前記測定部は、請求項10記載の測定装置において、前記各電圧検出部は、各々の前記第1検出端子同士が互いに短絡されると共に、各々の前記第2検出端子同士が互いに短絡されている。
また、請求項12記載の測定装置は、請求項1から11のいずれかに記載の測定装置において、前記各電流供給部は、電流値が互いに同等の前記測定用電流をそれぞれ出力する。
また、請求項13記載の測定方法は、本体部の一端部および他端部に第1端子および第2端子がそれぞれ設けられた電子部品における当該第1端子および当該第2端子に複数の電流供給部の各第1出力端子および各第2出力端子をそれぞれ接続させると共に、前記第1端子および前記第2端子に電圧検出部の第1検出端子および第2検出端子をそれぞれ接続させ、前記各第1出力端子および前記各第2出力端子を介して前記電子部品に前記各電流供給部から出力された前記測定用電流が供給されている状態で前記第1検出端子および前記第2検出端子を介して前記電圧検出部によって検出された電圧の電圧値および当該測定用電流の電流値に基づいて前記電子部品の被測定量を測定する測定方法であって、前記第1端子における前記本体部の前記一端部と前記他端部とを結ぶ第1方向に交差する第2方向に沿って互いに離間する複数の第1供給位置に前記各第1出力端子をそれぞれ接続させると共に、前記第2端子における前記第2方向に沿って互いに離間する複数の第2供給位置に前記各第2出力端子をそれぞれ接続させ、前記各第1出力端子および前記各第2出力端子を介して前記各電流供給部によってそれぞれ供給される各前記測定用電流の各前記電流値と、前記電圧検出部によって検出された前記電圧値とに基づいて複数の前記被測定量を測定し、当該各被測定量を数値処理した処理値を前記電子部品の前記被測定量として算出する。
また、請求項14記載の測定方法は、本体部の一端部および他端部に第1端子および第2端子がそれぞれ設けられた電子部品における当該第1端子および当該第2端子に第1供給用プローブおよび第2供給用プローブをそれぞれ接触させると共に当該第1端子および当該第2端子に第1検出用プローブおよび第2検出用プローブをそれぞれ接触させ、前記第1供給用プローブおよび前記第2供給用プローブを介して前記電子部品に測定用電流を供給している状態で前記第1検出用プローブおよび前記第2検出用プローブを介して電圧を検出し、当該検出した電圧の電圧値および前記測定用電流の電流値に基づいて前記電子部品の被測定量を測定する測定方法であって、前記第1端子における前記本体部の前記一端部と前記他端部とを結ぶ第1方向に交差する第2方向に沿って互いに離間する複数の第1供給位置に、前記測定用電流をそれぞれ出力する複数の電流供給部に1つずつ接続した複数の前記第1供給用プローブをそれぞれ接触させると共に、前記第2端子における前記第2方向に沿って互いに離間する複数の第2供給位置に、前記各電流供給部に1つずつ接続した複数の前記第2供給用プローブをそれぞれ接触させて前記被測定量を測定する。
請求項1記載の測定装置、および請求項13記載の測定方法では、電子部品の第1端子における第2方向に沿って離間する複数の第1供給位置に複数の電流供給部の各第1出力端子をそれぞれ接続させると共に、電子部品の第2端子における第2方向に沿って離間する複数の第2供給位置に各電流供給部の各第2出力端子をそれぞれ接続させて複数の電流供給部によってそれぞれ出力された測定用電流を電子部品に供給させて電子部品の被測定量を測定する。したがって、この測定装置および測定方法では、1つの第1供給位置および1つの第2供給位置に1つの電流供給部の第1出力端子および第2出力端子をそれぞれ接続させて1つの電流供給部から出力された測定用電流を電子部品に供給させて電子部品の被測定量を測定する従来の構成および方法と比較して、第2方向における電位の勾配を全体として緩やかにすることができる。このため、この測定装置および測定方法によれば、電圧検出部の第1検出端子および第2検出端子を接続させる検出位置が、第1端子および第2端子の第2方向において位置ずれした(ばらついた)としても、その位置ずれによる電圧値の変化を少なく抑えることができる。したがって、この測定装置および測定方法によれば、第1検出端子および第2検出端子を接続させる検出位置の位置ずれによる被測定量のばらつきを少なく抑えることができる結果、測定精度を十分に向上させることができる。また、この測定装置および測定方法によれば、第1端子における第2方向に沿って離間する複数の第1供給位置および第2端子における第2方向に沿って離間する複数の第2供給位置に測定用電流を供給することにより、1つの第1供給位置および1つの第2供給位置に測定用電流を供給する従来の構成および方法と比較して、測定処理における測定用電流の供給状態を、電子部品を実際に使用するときの測定用電流の供給状態に近づけることができるため、実際の使用状態における電子部品の被測定量を正確に測定することができる。
また、請求項1記載の測定装置、および請求項13記載の測定方法によれば、各電流供給部によってそれぞれ供給される各測定用電流の各電流値と電圧検出部によって検出された電圧値とに基づいて複数の被測定量を測定し、各被測定量を数値処理した処理値を電子部品の被測定量として算出することにより、例えば、各電流供給部によってそれぞれ供給される各測定用電流の各電流値に差が生じている場合においても、各電流値に基づいて測定した複数の被測定量を数値処理することで、電子部品の被測定量としての処理値を正確に算出することができる。
また、請求項2記載の測定装置、および請求項14記載の測定方法では、電子部品の第1端子における第2方向に沿って離間する複数の第1供給位置に複数の第1供給用プローブを接触させると共に、電子部品の第2端子における第2方向に沿って離間する複数の第2供給位置に複数の第2供給用プローブを接触させて複数の電流供給部によってそれぞれ出力された測定用電流を電子部品に供給させて電子部品の被測定量を測定する。したがって、この測定装置および測定方法では、1つの第1供給位置および1つの第2供給位置に第1供給用プローブおよび第2供給用プローブを1つずつ接触させて1つの電流供給部から出力された測定用電流を電子部品に供給させて電子部品の被測定量を測定する従来の構成および方法と比較して、第2方向における電位の勾配を全体として緩やかにすることができる。このため、この測定装置および測定方法によれば、第1検出用プローブおよび第2検出用プローブを接触させる位置が、第1端子および第2端子の第2方向において位置ずれした(ばらついた)としても、その位置ずれによる電圧値の変化を少なく抑えることができる。したがって、この測定装置および測定方法によれば、第1検出用プローブおよび第2検出用プローブの接触位置の位置ずれによる被測定量のばらつきを少なく抑えることができる結果、測定精度を十分に向上させることができる。また、この測定装置および測定方法によれば、第1端子における第2方向に沿って離間する複数の第1供給位置および第2端子における第2方向に沿って離間する複数の第2供給位置に測定用電流を供給することにより、1つの第1供給位置および1つの第2供給位置に測定用電流を供給する従来の構成および方法と比較して、測定処理における測定用電流の供給状態を、電子部品を実際に使用するときの測定用電流の供給状態に近づけることができるため、実際の使用状態における電子部品の被測定量を正確に測定することができる。
また、請求項3記載の測定装置によれば、隣接する各第1供給位置同士の間隔と隣接する各第2供給位置同士の間隔とが等しい各第1供給位置および各第2供給位置に各第1供給用プローブおよび各第2供給用プローブをそれぞれ接触させることにより、各第1供給位置同士の間隔と隣接する各第2供給位置同士の間隔が異なる構成および方法と比較して、第1端子側における第2方向の電位の勾配と、第2端子側における第2方向の電位の勾配とを等しくすることができる。この場合、第1端子側と第2端子側とで第2方向の電位の勾配が相違するときには、第1検出用プローブおよび第2検出用プローブが第2方向にそれぞれ同じ量だけ位置ずれしたときの第1検出用プローブおよび第2検出用プローブの各接触位置における各電位の電位差である電圧値と、第1検出用プローブおよび第2検出用プローブが第2方向に位置ずれしていないときの第1検出用プローブおよび第2検出用プローブの各接触位置における各電位の電位差である電圧値との差分値、つまり第1検出用プローブおよび第2検出用プローブの第2方向での位置ずれによる電圧値の変化が、勾配の相違分だけ大きくなる。これに対して、この測定装置によれば、第1端子側および第2端子側における第2方向の電位の勾配が等しいため、第1検出用プローブおよび第2検出用プローブの第2方向での位置ずれによる電圧値の変化をさらに少なく抑えることができる結果、第1検出用プローブおよび第2検出用プローブの接触位置の位置ずれによる被測定量のばらつきをさらに少なく抑えて、測定精度をさらに向上させることができる。
また、請求項4記載の測定装置によれば、電子部品の中心部を対称点として点対称の位置関係にある各第1供給位置および各第2供給位置に各第1供給用プローブおよび各第2供給用プローブをそれぞれ接触させることにより、第1端子側における第2方向の電位の勾配と、第2端子側における第2方向の電位の勾配とをさらに等しくすることができるため、第1端子側と第2端子側とで第2方向の電位の勾配が相違することに起因する第1検出用プローブおよび第2検出用プローブの接触位置の第2方向での位置ずれによる電圧値の変化を一層少なく抑えることができる。したがって、この測定装置によれば、第1検出用プローブおよび第2検出用プローブの接触位置の第2方向での位置ずれによる被測定量のばらつきをさらに少なく抑えて、測定精度を一層向上させることができる。
また、請求項5記載の測定装置によれば、電子部品の中心部を通って第2方向に平行な直線を対称軸として線対称の位置関係にある各第1供給位置および各第2供給位置に各第1供給用プローブおよび各第2供給用プローブをそれぞれ接触させることにより、第1端子側における第2方向の電位の勾配と、第2端子側における第2方向の電位の勾配とをさらに等しくすることができるため、第1端子側と第2端子側とで第2方向の電位の勾配が相違することに起因する第1検出用プローブおよび第2検出用プローブの接触位置の第2方向での位置ずれによる電圧値の変化を一層少なく抑えることができる。したがって、この測定装置によれば、第1検出用プローブおよび第2検出用プローブの接触位置の第2方向での位置ずれによる被測定量のばらつきをさらに少なく抑えて、測定精度を一層向上させることができる。
また、請求項6記載の測定装置では、第1端子における第2方向の中心部に規定した第1検出位置に第1検出用プローブを接触させると共に、第2端子における第2方向の中心部に規定された第2検出位置に第2検出用プローブを接触させる。この場合、例えば、2つの第1供給位置を第1端子の第2方向の両端部に規定し、2つの第2供給位置を第2端子の第2方向の両端部に規定したときには、第2方向の中心部において第2方向における電位の勾配が0となる。このため、この測定装置によれば、2つの第1供給位置を第1端子の第2方向の両端部にそれぞれ規定し、2つの第2供給位置を第2端子の第2方向の両端部にそれぞれ規定したときに、第1検出用プローブおよび第2検出用プローブの接触位置での位置ずれによる電圧値の変化をさらに少なく抑えて、被測定量の測定精度をさらに向上させることができる。
また、請求項7記載の測定装置によれば、各電流供給部によってそれぞれ供給される各測定用電流の各電流値と電圧検出部によって検出された電圧値とに基づいて複数の被測定量を測定し、各被測定量を数値処理した処理値を電子部品の被測定量として算出することにより、例えば、各電流供給部によってそれぞれ供給される各測定用電流の各電流値に差が生じている場合においても、各電流値に基づいて測定した複数の被測定量を数値処理することで、電子部品の被測定量としての処理値を正確に算出することができる。
また、請求項8記載の測定装置では、各電流供給部の数と同数の測定回路備えて測定部が構成され、各測定回路が、各電流供給部によってそれぞれ供給される各測定用電流の各電流値と電圧検出部によって検出された電圧値とに基づいて複数の被測定量をそれぞれ測定し、各測定回路のいずれか1つが、各被測定量を数値処理した処理値を電子部品の被測定量として算出する。つまり、この測定装置では、各測定回路が各被測定量を別々に測定し、各測定回路のいずれか1つが各被測定量を数値処理して処理値を算出する。このため、この測定装置によれば、1つの被測定量を測定する機能だけを有する簡易で安価な測定回路を用いて測定部を構成することができるため、測定装置の製造コストを低減させることができる。
また、請求項9記載の測定装置では、各電流供給部の数と同数の測定回路と演算回路とを備えて測定部が構成され、各測定回路が、各電流供給部によってそれぞれ供給される各測定用電流の各電流値と電圧検出部によって検出された電圧値とに基づいて複数の被測定量をそれぞれ測定し、演算回路が各被測定量を数値処理した処理値を電子部品の被測定量として算出する。つまり、この測定装置では、各測定回路が各被測定量を別々に測定し、演算回路が各被測定量を数値処理して処理値を算出する。このため、この測定装置によれば、1つの被測定量を測定する機能だけを有する簡易で安価な測定回路を複数用いて測定部を構成することができるため、測定装置の製造コストを低減させることができる。
また、請求項10記載の測定装置によれば、各測定回路に1つずつ割り当てられた複数の電圧検出部を備え、各測定回路が、割り当てられた電圧検出部によって検出された電圧値に基づいて被測定量を測定することにより、例えば、電流供給部と電圧検出部と測定回路とを1つずつ備えた従来型の測定装置を複数用いてこの測定装置を構成することができるため、測定装置の製造コストを低減することができる。
また、請求項11記載の測定装置によれば、各電圧検出部における各々の第1検出端子同士を互いに短絡させると共に、各電圧検出部における各々の第2検出端子同士を互いに短絡させたことにより、例えば、互いに短絡させた各第1検出端子を電子部品の第1端子における1つの検出位置に接続させると共に互いに短絡させた各第2検出端子を電子部品の第2端子における1つの検出位置に接続させたり、互いに短絡させた各第1検出端子に接続した1つの第1接続検出用プローブを第1端子における1つの検出位置に接触させると共に互いに短絡させた各第2検出端子に接続した1つの第2接続検出用プローブを第2端子における1つの検出位置に接触させたりすることで、各測定回路によって被測定量をそれぞれ測定する際に、同じ検出位置で検出した電圧値を用いることができるため、検出位置が異なることによる電圧値の相違が回避される結果、被測定量を正確に測定することができる。
また、請求項12記載の測定装置では、各電流供給部が互いに同等の電流値の測定用電流をそれぞれ出力する。この場合、各電流供給部が出力する測定用電流の電流値が異なるときには、各電流値の差分値分だけ第2方向における電位の勾配が大きくなる。これに対して、この測定装置によれば、各電流供給部が出力する測定用電流の電流値が同等のため、第2方向における電位の勾配をより緩やかにすることができる。したがって、この測定装置によれば、第1検出端子および第2検出端子を接続させる位置の第2方向での位置ずれや、第1検出用プローブおよび第2検出用プローブの接触位置の第2方向での位置ずれによる被測定量のばらつきをより少なく抑えることができる結果、測定精度をより向上させることができる。
以下、測定装置および測定方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
最初に、測定装置の一例としての図1に示す測定装置1の構成について説明する。測定装置1は、電子部品の一例としての図2,3に示すチップ抵抗100の抵抗値R(被測定量の一例)を測定可能に構成されている。
ここで、チップ抵抗100は、図2に示すように、基板200に実装される抵抗器であって、抵抗体で形成された本体部101と、本体部101の一端部(同図における左端部)に設けられた導電体で形成された端子111(第1端子に相当する)と、本体部101の他端部(同図における右端部)に設けられた導電体で形成された端子112(第2端子に相当する)とを備え、全体として柱状に構成されている。この場合、チップ抵抗100は、同図に示すように、半田300を用いて端子111,112を基板200の導体パターン201に固定することによって基板200に実装される。
また、測定装置1は、図1に示すように、プローブユニット11、プロービング機構12、電流供給部13a,13b(以下、区別しないときには「電流供給部13」ともいう)、電圧検出部14および処理部15を備えて構成されている。
プローブユニット11は、図4に示すように、支持部20と、支持部20によって支持されたプローブ21a,21b,22a,22b,31,32とを備えて構成されている。なお、同図では、プローブユニット11の上面側(図5における上方)から、支持部20を透過してプローブ21a,21b,22a,22b,31,32を見た状態を図示している。
プローブ21a,21b(以下、区別しないときには「プローブ21」ともいう)は、第1供給用プローブに相当し、図1に示すように、電流供給部13a,13bの第1出力端子71a,71b(以下、区別しないときには「第1出力端子71」ともいう)にそれぞれ接続されると共に、チップ抵抗100の端子111における2つの第1供給位置Ps1a,Ps1b(図3参照:以下、区別しないときには「第1供給位置Ps1」ともいう)に接触して(プロービングさせられて)、電流供給部13a,13bからそれぞれ出力される測定用電流Iをチップ抵抗100に供給するために用いられる。
プローブ22a,22b(以下、区別しないときには「プローブ22」ともいう)は、第2供給用プローブに相当し、図1に示すように、電流供給部13a,13bの第2出力端子72a,72b(以下、区別しないときには「第2出力端子72」ともいう)にそれぞれ接続されると共に、チップ抵抗100の端子112における2つの第2供給位置Ps2a,Ps2b(図3参照:以下、区別しないときには「第2供給位置Ps2」ともいい、上記した第1供給位置Ps1と第2供給位置Ps2とを区別しないときには「供給位置Ps」ともいう)に接触して、電流供給部13a,13bからそれぞれ出力される測定用電流Iを、プローブ21a,21bと共にチップ抵抗100に供給するために用いられる。
プローブ31は、第1検出用プローブに相当し、図1に示すように、電圧検出部14の第1検出端子41に接続されると共に、チップ抵抗100の端子111における第1検出位置Pd1(図3参照)に接触して、チップ抵抗100に対する測定用電流Iの供給によってチップ抵抗100に生じる電圧値Vを検出するために用いられる。プローブ32は、第2検出用プローブに相当し、図1に示すように、電圧検出部14の第2検出端子42に接続されると共に、チップ抵抗100の端子112における第2検出位置Pd2(図3参照:(以下、第1検出位置Pd1と第2検出位置Pd2とを区別しないときには「検出位置Pd」ともいう)に接触して、プローブ31と共に、チップ抵抗100に生じる電圧値Vを検出するために用いられる。
ここで、この測定装置1では、図3に示すように、チップ抵抗100の端子111における各第1供給位置Psが、チップ抵抗100の本体部101の一端部と他端部とを結ぶ長さ方向A(第1方向に相当する)に交差する(この例では直交する)幅方向B(第2方向に相当する)に沿って互いに離間する位置に規定されている。また、チップ抵抗100の端子112における各第2供給位置Ps2aが、幅方向Bに沿って互いに離間する位置に規定されている。また、各第1供給位置Ps1の間隔と各第2供給位置Ps2の間隔とが互いに等しくなるように規定されている。
また、この測定装置1では、図3に示すように、各第1供給位置Ps1と各第2供給位置Ps2とが、チップ抵抗100の中心部100aを対称点として点対称の位置関係となり、かつ中心部100aを通って長さ方向Aに直交する直線を対称軸として線対称の位置関係となるように規定されている。
さらに、この測定装置1では、図3に示すように、チップ抵抗100の端子111における第1検出位置Pd1が、端子111における幅方向Bの中心部Pc1に規定され、チップ抵抗100の端子112における第2検出位置Pd2が端子112における幅方向Bの中心部Pc2(以下、中心部Pc1,Pc2を区別しないときには「中心部Pc」ともいう)に規定されている。
したがって、この測定装置1では、図4に示すように、プローブユニット11における各プローブ21,22,31,32の位置関係が、チップ抵抗100における各供給位置Psおよび各検出位置Pdについての上記した位置関係と同じ位置関係に規定され、これによって各プローブ21,22,31,32を各供給位置Psおよび各検出位置Pdにそれぞれ接触させることが可能となっている。
プロービング機構12は、処理部15の制御に従ってプローブユニット11を移動させることにより、各プローブ21,22,31,32を各供給位置Psおよび各検出位置Pdにそれぞれ接触させる。
電流供給部13a,13bは、定電流源であって、第1出力端子71および第2出力端子72をそれぞれ備えると共に、互いに等しい電流値の(電流値が互いに同等の)測定用電流Iを出力可能に構成され、処理部15の制御に従い、出力した測定用電流Iを、第1出力端子71に接続されたプローブ21および第2出力端子72に接続されたプローブ22を介してチップ抵抗100に供給する。この場合、電流供給部13a,13bは、別々の絶縁された電源で構成されている。また、電流供給部13a,13bは、各プローブ21,22を測定対象の被接触部(チップ抵抗100の各供給位置Ps)に接触させていない状態では、互いに絶縁されている。したがって、この測定装置1では、電流供給部13a,13bのいずれか一方から他方への電流の回り込みが防止される。
電圧検出部14は、第1検出端子41および第2検出端子42を備えると共に、第1検出端子41に接続されたプローブ31および第2検出端子42に接続されたプローブ32を介してチップ抵抗100の電圧値V(具体的には、プローブ31,32が接触する第1検出位置Pd1と第2検出位置Pd2との間の電圧値V)を検出する。
処理部15は、測定装置1を構成する各部を制御する。また、処理部15は、測定部として機能し、電圧検出部14によって検出された電圧値Vに基づいてチップ抵抗100の抵抗値Rを測定する。
次に、測定装置1を用いて、基板200に実装されているチップ抵抗100(図2参照)の抵抗値Rを測定する測定方法について、図面を参照して説明する。
まず、図外の載置台に基板200を載置し、載置台に基板200を固定する。次いで、図外の操作部を操作して測定の開始を指示する。これに応じて、処理部15が、測定処理を開始する。この測定処理では、処理部15は、プロービング機構12を制御して、各プローブ21,22,31,32を下向きにした状態のプローブユニット11を基板200に向けて移動させる。
続いて、プローブユニット11の移動により、図5に示すように、プローブユニット11のプローブ21a,21b,31がチップ抵抗100の端子111における第1供給位置Ps1a,Ps1bおよび第1検出位置Pd1にそれぞれ接触して、電流供給部13a,13bの第1出力端子71a,71bが第1供給位置Ps1a,Ps1bにそれぞれ接続されると共に、電圧検出部14の第1検出端子41が第1検出位置Pd1に接続される。また、プローブユニット11のプローブ22a,22b,32がチップ抵抗100の端子112における第2供給位置Ps2a,Ps2bおよび第2検出位置Pd2にそれぞれ接触して、電流供給部13a,13bの第2出力端子72a,72bが第2供給位置Ps2a,Ps2bにそれぞれ接続されると共に、電圧検出部14の第2検出端子42が第2検出位置Pd2に接続される。
次いで、処理部15は、電流供給部13a,13bに対して測定用電流Iの出力を指示する。この際に、電流供給部13a,13bは、互いに等しい電流値の測定用電流Iをそれぞれ出力する。また、電流供給部13aから出力された各測定用電流Iは、第1出力端子71aに接続されたプローブ21aおよび第2出力端子72aに接続されたプローブ22aを介してチップ抵抗100に供給される。また、電流供給部13bから出力された各測定用電流Iは、第1出力端子71bに接続されたプローブ21bおよび第2出力端子72bに接続されたプローブ22bを介してチップ抵抗100に供給される。
続いて、処理部15は、電圧検出部14に対して電圧値Vの検出を指示し、電圧検出部14が、プローブ31,32を介して電圧値Vを検出する。次いで、処理部15は、電圧検出部14によって検出された電圧値Vと、電流供給部13a,13bから出力されている測定用電流Iの電流値とに基づいてチップ抵抗100の抵抗値Rを測定する。具体的には、処理部15は、電流供給部13a,13bによってそれぞれ供給される各測定用電流Iの各電流値と、電圧検出部によって検出された電圧値とに基づいて2つの抵抗値Ra,Rbを測定し、抵抗値Ra,Rbを数値処理した処理値Rpをチップ抵抗100の抵抗値Rとして算出する。
ここで、抵抗値Ra,Rbから処理値Rpを算出する数値処理としては、抵抗値Ra,Rbを平均(相加平均、相乗平均、調和平均等)する処理等の各種の数値処理が考えられるが、基板200の実際の使用状態におけるチップ抵抗100の抵抗値Rをシミュレーションして算出した理論値と、各種の数値処理によって算出した処理値Rpとを比較する検証試験の結果、次の式(1)から算出した処理値Rpが理論値に最も近いことを見いだした。このため、この構成および方法では、処理部15が、数値処理として、次の式(1)から抵抗値Rとしての処理値Rpを算出する。
Rp=1/(1/Ra+1/Rb)・・・・式(1)
一方、この測定装置1および測定方法では、上記したように、2つの電流供給部13からそれぞれ出力された測定用電流Iが4つのプローブ21a,21b,22a,22bを介してチップ抵抗100の端子111における幅方向Bに沿って離間する2つの第1供給位置Ps1a,Ps1b、およびチップ抵抗100の端子112における幅方向Bに沿って離間する2つの第2供給位置Ps2a,Ps2bに供給されている。この状態(以下、「第1の状態」ともいう)におけるチップ抵抗100の等電位線のポイントを結んだ等電位線を図6に示す。また、比較例として、1つの電流供給部13から出力された測定用電流Iが2つのプローブ21b,22bを介して端子111における1つの第1供給位置Ps1b、および端子112における1つの第2供給位置Ps2bに供給されている状態(従来の構成および方法における測定用電流Iの供給状態:以下、「第2の状態」ともいう)におけるチップ抵抗100の等電位線のポイントを結んだ等電位線を図7に示す。また、第1の状態において、プローブ31,32を幅方向Bに沿って移動させつつ測定した各電圧値Vと、プローブ31,32が中心部Pcに位置しているときに測定した電圧値Vとの偏差(中心部Pcにおける電圧値Vと各位置における電圧値Vとの差分値の比率)、およびプローブ31,32の位置の関係(幅方向Bの電位の勾配を示す曲線:図8に実線で示す曲線)を図8に示す。また、第2の状態において、プローブ31,32を幅方向Bに沿って移動させつつ測定した各電圧値Vと、プローブ31,32が中心部Pcに位置しているときに測定した電圧値Vとの偏差、およびプローブ31,32の位置の関係(同図に破線で示す曲線)を同図に示す。
図6〜図8から、第2の状態で測定用電流Iを供給する従来の構成および方法では、幅方向Bにおける電位の勾配が大きいのに対して、第1の状態で測定用電流Iを供給するこの測定装置1および測定方法では、幅方向Bにおける電位の勾配が全体して緩やかであることが明らかである。つまり、この測定装置1および測定方法では、検出位置の変化に対して電圧値Vの変化が少ないため、プローブ31,32を接触させる位置が端子111,112の幅方向Bにおいて位置ずれしたとしても、その位置ずれによる電圧値Vの変化を少なく抑えることができる。したがって、この測定装置1および測定方法では、プローブ31,32の接触位置のばらつきによる抵抗値Rのばらつきを少なく抑えて、測定精度を向上させることが可能となっている。
また、第2の状態で測定用電流Iを供給する構成および方法では、幅方向Bにおける電位の勾配が0となる位置が存在しないのに対して、第1の状態で測定用電流Iを供給するこの測定装置1および測定方法では、幅方向Bの中心部Pcにおいて幅方向Bにおける電位の勾配が0となる。このため、第1検出位置Pd1および第2検出位置Pd2を幅方向Bの中心部Pcに規定することで、プローブ31,32の接触位置が多少位置ずれしたとしても、その位置ずれによる電圧値Vの変化をより少なく抑えて、抵抗値Rの測定精度をさらに向上させることが可能となっている。
また、チップ抵抗100が基板200に実装された状態では、図2に示すように、チップ抵抗100の端子111,112が基板200の導体パターン201に面的に接触しているため、基板200の実際の使用状態では、端子111,112と導体パターン201との接触部分全体から電流が供給される。これに対して、第1の状態および第2の状態では、端子111,112に点的に接触させたプローブ21,22を介して測定用電流Iを供給する。つまり、第1の状態および第2の状態では、実際の使用状態における電流の供給状態とは異なる状態で測定用電流Iが供給されることとなる。したがって、第1の状態および第2の状態で測定したチップ抵抗100の抵抗値Rと基板200の実際の使用状態で測定したチップ抵抗100の抵抗値Rとが異なるおそれがある。そこで、基板200の実際の使用状態におけるチップ抵抗100の抵抗値Rをシミュレーションして算出した理論値と、第1の状態で測定した抵抗値Rおよび第2の状態で測定した抵抗値Rとを比較したところ、第2の状態で測定した抵抗値Rが、理論値の57.5%であるのに対して、第1の状態で測定した抵抗値Rは、理論値の98.2%であった。つまり、第1の状態で測定用電流Iを供給するこの測定装置1および測定方法では、測定処理における測定用電流Iの供給状態を、チップ抵抗100を実際に使用するときの測定用電流Iの供給状態に近づけることができるため、実際の使用状態におけるチップ抵抗100の抵抗値Rを正確に測定することが可能となっている。
一方、抵抗値Rの測定を終了した処理部15は、抵抗値Rを図外の表示部に表示させると共に、抵抗値Rを図外の記憶部に記憶させる。続いて、処理部15は、プロービング機構12を制御して、プローブユニット11を基板200から離間する向き(初期位置)に移動させて、測定処理を終了する。次いで、他のチップ抵抗100の抵抗値Rを測定する際には、他の基板200を載置台に載置して固定し、続いて、操作部を操作して測定の開始を指示して上記した測定処理を処理部15に実行させる。
このように、この測定装置1および測定方法では、チップ抵抗100の端子111における幅方向Bに沿って離間する2つの第1供給位置Ps1に2つのプローブ21を接触させて各電流供給部13の各第1出力端子71を各第1供給位置Ps1にそれぞれ接続させると共に、チップ抵抗100の端子112における幅方向Bに沿って離間する2つの第2供給位置Ps2に2つのプローブ22を接触させて各電流供給部13の各第2出力端子72を各第2供給位置Ps2にそれぞれ接続させ、2つの電流供給部13からそれぞれ出力された測定用電流Iをチップ抵抗100に供給させてチップ抵抗100の抵抗値Rを測定する。したがって、この測定装置1および測定方法では、1つの第1供給位置Ps1および1つの第2供給位置Ps2にプローブ21,22を1つずつ接触させて1つの電流供給部13から出力された測定用電流Iをチップ抵抗100に供給させてチップ抵抗100の抵抗値Rを測定する従来の構成および方法と比較して、幅方向Bにおける電位の勾配を全体として緩やかにすることができる。このため、この測定装置1および測定方法によれば、プローブ31,32を接触させる接触位置(電圧検出部14の第1検出端子41および第2検出端子42を接続させる検出位置)が、端子111,112の幅方向Bにおいて位置ずれした(ばらついた)としても、その位置ずれによる電圧値Vの変化を少なく抑えることができる。したがって、この測定装置1および測定方法によれば、プローブ31,32の接触位置の位置ずれによる抵抗値Rのばらつきを少なく抑えることができる結果、測定精度を十分に向上させることができる。また、この測定装置1および測定方法によれば、端子111における幅方向Bに沿って離間する2つの第1供給位置Ps1および端子112における幅方向Bに沿って離間する2つの第2供給位置Ps2に測定用電流Iを供給することにより、1つの第1供給位置Ps1および1つの第2供給位置Ps2に測定用電流Iを供給する従来の構成および方法と比較して、測定処理における測定用電流Iの供給状態を、チップ抵抗100を実際に使用するときの測定用電流Iの供給状態に近づけることができるため、実際の使用状態におけるチップ抵抗100の抵抗値Rを正確に測定することができる。
また、この測定装置1および測定方法では、各電流供給部13が互いに同等の電流値の測定用電流Iをそれぞれ出力する。この場合、各電流供給部13が出力する測定用電流Iの電流値が異なるときには、各電流値の差分値分だけ幅方向Bにおける電位の勾配が大きくなる。これに対して、この測定装置1および測定方法によれば、各電流供給部13が出力する測定用電流Iの電流値が同等のため、幅方向Bにおける電位の勾配をより緩やかにすることができる。したがって、この測定装置1および測定方法によれば、プローブ31,32の接触位置の幅方向Bでの位置ずれによる抵抗値Rのばらつきをより少なく抑えることができる結果、測定精度をより向上させることができる。
また、この測定装置1および測定方法によれば、隣接する各第1供給位置Ps1同士の間隔と隣接する各第2供給位置Ps2同士の間隔とが等しい各第1供給位置Ps1および各第2供給位置Ps2に各プローブ21,22をそれぞれ接触させることにより、各第1供給位置Ps1同士の間隔と隣接する各第2供給位置Ps2同士の間隔が異なる構成および方法と比較して、端子111側における幅方向Bの電位の勾配と、端子112側における幅方向Bの電位の勾配とを等しくすることができる。この場合、端子111側と端子112側とで幅方向Bの電位の勾配が相違するときには、プローブ31,32が幅方向Bにそれぞれ同じ量だけ位置ずれしたときのプローブ31,32の各接触位置における各電位の電位差である電圧値Vと、プローブ31,32が幅方向Bに位置ずれしていないときのプローブ31,32の各接触位置における各電位の電位差である電圧値Vとの差分値、つまりプローブ31,32の幅方向Bでの位置ずれによる電圧値Vの変化が、勾配の相違分だけ大きくなる。これに対して、この測定装置1および測定方法によれば、端子111側および端子112側における幅方向Bの電位の勾配が等しいため、プローブ31,32の幅方向Bでの位置ずれによる電圧値Vの変化をさらに少なく抑えることができる結果、プローブ31,32の接触位置の位置ずれによる抵抗値Rのばらつきをさらに少なく抑えて、測定精度をさらに向上させることができる。
また、この測定装置1および測定方法によれば、チップ抵抗100の中心部100aを対称点として点対称の位置関係にある各第1供給位置Ps1および各第2供給位置Ps2に各プローブ21a,21bおよび各プローブ22a,22bをそれぞれ接触させることにより、端子111側における幅方向Bの電位の勾配と、端子112側における幅方向Bの電位の勾配とをさらに等しくすることができるため、端子111側と端子112側とで幅方向Bの電位の勾配が相違することに起因するプローブ31,32の幅方向Bでの位置ずれによる電圧値Vの変化を一層少なく抑えることができる。したがって、この測定装置1および測定方法によれば、プローブ31,32の接触位置の幅方向Bでの位置ずれによる抵抗値Rのばらつきをさらに少なく抑えて、測定精度を一層向上させることができる。
また、この測定装置1および測定方法によれば、チップ抵抗100の中心部100aを通って幅方向Bに平行な直線を対称軸として線対称の位置関係にある各第1供給位置Ps1および各第2供給位置Ps2に各プローブ21a,21bおよび各プローブ22a,22bをそれぞれ接触させることにより、端子111側における幅方向Bの電位の勾配と、端子112側における幅方向Bの電位の勾配とをさらに等しくすることができるため、端子111側と端子112側とで幅方向Bの電位の勾配が相違することに起因するプローブ31,32の幅方向Bでの位置ずれによる電圧値Vの変化を一層少なく抑えることができる。したがって、この測定装置1および測定方法によれば、プローブ31,32の接触位置の幅方向Bでの位置ずれによる抵抗値Rのばらつきをさらに少なく抑えて、測定精度を一層向上させることができる。
また、この測定装置1および測定方法では、端子111における幅方向Bの中心部Pc1に規定した第1検出位置Pd1にプローブ31を接触させると共に、端子112における幅方向Bの中心部Pc2に規定された第2検出位置Pd2にプローブ32を接触させる。この場合、各第1供給位置Ps1を端子111の幅方向Bの両端部に規定し、各第2供給位置Ps2を端子112の幅方向Bの両端部に規定したときには、幅方向Bの中心部Pcにおいて幅方向Bにおける電位の勾配が0となる。このため、この測定装置1および測定方法によれば、各供給位置Psを端子111,112の幅方向Bの両端部にそれぞれ規定したときに、プローブ31,32の接触位置の位置ずれによる電圧値Vの変化をさらに少なく抑えて、抵抗値Rの測定精度をさらに向上させることができる。
なお、測定装置および測定方法は、上記の構成および方法に限定されない、例えば、処理部15が、電流供給部13a,13bのいずれか一方によって供給される測定用電流Iの電流値と電圧検出部14によって検出された電圧値Vとに基づいて測定した抵抗値Ra,Rbのいずれか一方のみからチップ抵抗100の抵抗値Rとしての処理値Rpを算出する例について上記したが、他の構成および方法を採用することもできる。具体的には、出力している(チップ抵抗100に供給している)測定用電流Iの電流値を検出可能に電流供給部13a,13bをそれぞれ構成する。また、処理部15が次の処理を実行するように構成する。まず、処理部15は、電流供給部13aによって検出された測定用電流Iの電流値と電圧検出部14によって検出された電圧値Vとに基づいて(電圧値Vを電流値で除算して)抵抗値Raを測定すると共に、電流供給部13bによって検出された測定用電流Iの電流値と電圧検出部14によって検出された電圧値Vとに基づいて(電圧値Vを電流値で除算して)抵抗値Rbを測定する。次いで、処理部15は、抵抗値Ra,Rbを数値処理した処理値Rpをチップ抵抗100の抵抗値Rとして算出する。この場合、処理部15は、上記した式(1)から抵抗値Rとしての処理値Rpを算出する。
この構成および方法によれば、各電流供給部13a,13bによってそれぞれ供給される各測定用電流Iの各電流値と電圧検出部14によって検出された電圧値Vとに基づいて抵抗値Ra,Rbを測定し、抵抗値Ra,Rbを数値処理した処理値Rpをチップ抵抗100の抵抗値Rとして算出することにより、例えば、電流供給部13a,13bによってそれぞれ供給される各測定用電流Iの各電流値に差が生じている場合においても、各電流値に基づいて測定した複数の抵抗値Ra,Rbを数値処理することで、チップ抵抗100の抵抗値Rとしての処理値Rpを正確に算出することができる。
また、図9に示す測定装置1A、およびこの測定装置1Aによって実行される測定方法を採用することもできる。なお、以下の説明において、上記した測定装置1と同様の構成要素については、同じ符号を付して、重複する説明を省略する。この測定装置1Aでは、出力している(チップ抵抗100に供給している)測定用電流Iの電流値を検出する図外の電流検出部を備えて電流供給部13a,13bが構成されている。また、この測定装置1Aは、同図に示すように、上記した処理部15に代えて、測定部としても機能する処理部15Aを備えて構成されている。処理部15Aは、同図に示すように、電流供給部13の数と同数(この例では、2つ)の測定回路51a,51b(以下、区別しないときには「測定回路51」ともいう)を備えて構成されている。
測定回路51aは、電流供給部13aによって供給される測定用電流Iの電流値(電流供給部13aの電流検出部によって検出された電流値)と電圧検出部14によって検出された電圧値Vとに基づいて抵抗値Raを測定する。また、測定回路51bは、電流供給部13bによって供給される測定用電流Iの電流値(電流供給部13bの電流検出部によって検出された電流値)と電圧検出部14によって検出された電圧値Vとに基づいて抵抗値Rbを測定する。また、測定回路51bは、抵抗値Ra,Rb(各測定回路51a,51bによってそれぞれ測定された各被測定量)を数値処理した処理値Rpをチップ抵抗100の抵抗値Rとして算出する。この場合、測定回路51bは、数値処理として、上記した式(1)から抵抗値Rとしての処理値Rpを算出する。
この測定装置1Aおよび測定方法では、測定回路51a,51bが、電流供給部13a,13bによってそれぞれ供給される各測定用電流Iの各電流値と電圧検出部14によって検出された電圧値Vとに基づいて抵抗値Ra,Rb(複数の被測定量)をそれぞれ測定し、測定回路51bが、抵抗値Ra,Rbを数値処理した処理値Rpを電子部品の被測定量として算出する。つまり、この構成および方法では、抵抗値Raおよび抵抗値Rbを測定回路51a,51bで別々に測定し、測定回路51a,51bのいずれか一方(この例では、測定回路51b)が抵抗値Ra,Rbを数値処理して処理値Rpを算出する。このため、この構成および方法によれば、1つの抵抗値Raを測定する機能だけを有する簡易で安価な測定回路を測定回路51aとして用いることができるため、測定装置1Aの製造コストを低減させることができる。
また、図10に示す測定装置1B、およびこの測定装置1Bによって実行される測定方法を採用することもできる。この測定装置1Bは、同図に示すように、上記した測定装置1Aの処理部15Aに代えて、測定部としても機能する処理部15Bを備え、他の構成要素については、測定装置1Aと同様に構成されている。処理部15Bは、同図に示すように、電流供給部13の数と同数(この例では、2つ)の測定回路51c,51d(以下、区別しないときには「測定回路51」ともいう)、および演算回路52を備えて構成されている。
測定回路51cは、電流供給部13aによって供給される測定用電流Iの電流値(電流供給部13aの電流検出部によって検出された電流値)と電圧検出部14によって検出された電圧値Vとに基づいて抵抗値Raを測定する。また、測定回路51dは、電流供給部13bによって供給される測定用電流Iの電流値(電流供給部13bの電流検出部によって検出された電流値)と電圧検出部14によって検出された電圧値Vとに基づいて抵抗値Rbを測定する。また、演算回路52は、抵抗値Ra,Rb(各測定回路51a,51bによってそれぞれ測定された各被測定量)を数値処理した処理値Rpをチップ抵抗100の抵抗値Rとして算出する。この場合、演算回路52は、数値処理として、上記した式(1)から抵抗値Rとしての処理値Rpを算出する。
この測定装置1Bおよび測定方法では、測定回路51c,51dが、電流供給部13a,13bによってそれぞれ供給される各測定用電流Iの各電流値と電圧検出部14によって検出された電圧値Vとに基づいて抵抗値Ra,Rb(複数の被測定量)をそれぞれ測定し、演算回路52が抵抗値Ra,Rbを数値処理した処理値Rpを電子部品の被測定量として算出する。つまり、この構成および方法では、抵抗値Raおよび抵抗値Rbを測定回路51a,51bで別々に測定し、演算回路52が抵抗値Ra,Rbを数値処理して処理値Rpを算出する。このため、この構成および方法によれば、1つの抵抗値Raを測定する機能だけを有する簡易で安価な測定回路を共に測定回路51a,51bとして用いることができるため、測定装置1Bの製造コストを低減させることができる。
また、図11に示す測定装置1C、およびこの測定装置1Cによって実行される測定方法を採用することもできる。この測定装置1Cでは、プローブ21a,21b,22a,22b,31,32がユニット化されずに電流供給部13a,13bまたは電圧検出部14a,14bに接続されている。具体的には、同図に示すように、プローブ21a,21bが電流供給部13aの第1出力端子71aおよび電流供給部13bの第1出力端子71bにそれぞれ接続され、プローブ22a,22bが電流供給部13aの第2出力端子72aおよび電流供給部13bの第2出力端子72bにそれぞれ接続されている。また、プローブ31が電圧検出部14a,14bの第1検出端子41a,41bに接続され、プローブ32が電圧検出部14a,14bの第2検出端子42に接続されている。この構成により、プローブ21a,21b,22a,22b,31,32を個別にプロービングさせることが可能(手動によるプロービングが可能)となっている。このため、この測定装置1Cは、プローブユニット11およびプロービング機構12を備えない構成となっている。また、この測定装置1Cは、出力している測定用電流Iの電流値を検出する図外の電流検出部を備えて電流供給部13a,13bが構成されている。また、この測定装置1Cは、同図に示すように、処理部15に代えて、上記した測定回路51a,51bを有して測定部としても機能する処理部15Aを備えて構成されている。また、この測定装置1Cは、処理部15の各測定回路51a,51bに1つずつ割り当てられた2つの電圧検出部14a,14b(以下、区別しないときには「電圧検出部14」ともいう)を備えて構成されている。この例では、測定回路51aに電圧検出部14aが割り当てられ、測定回路51bに電圧検出部14bが割り当てられている。また、この測定装置1Cでは、同図に示すように、測定回路51a、電流供給部13aおよび電圧検出部14aによって抵抗値Raを測定する機能だけを有する従来型の測定装置60aが構成される。また、この測定装置1Cでは、同図に示すように、測定回路51b、電流供給部13bおよび電圧検出部14bによって抵抗値Rbを測定する機能と、抵抗値Ra,Rbを数値処理してチップ抵抗100の抵抗値Rとしての処理値Rpを算出する機能とを有する非従来型の測定装置60bが構成される。
また、この測定装置1Cでは、電圧検出部14a,14bにおける各々の第1検出端子41a,41b同士が互いに短絡された状態で1つのプローブ31に接続されると共に、電圧検出部14a,14bにおける各々の第2検出端子42a,42b同士が互いに短絡された状態で1つのプローブ32に接続されている。なお、第1検出端子41a,41bを2つのプローブ31に別々に接続すると共に、第2検出端子42a,42bを2つのプローブ32に別々に接続し、チップ抵抗100の端子111における2つの第1検出位置Pd1に各プローブ31をそれぞれ接触させると共に、チップ抵抗100の端子112における2つの第2検出位置Pd2に各プローブ32をそれぞれ接触させる構成を採用することもできる。
また、この測定装置1Cでは、測定回路51aが、電流供給部13aによって供給される測定用電流Iの電流値(電流供給部13aの電流検出部によって検出された電流値)と、測定回路51aに割り当てられている電圧検出部14aによって検出された電圧値Vとに基づいて抵抗値Raを測定し、測定回路51bが、電流供給部13bによって供給される測定用電流Iの電流値(電流供給部13bの電流検出部によって検出された電流値)と、測定回路51bに割り当てられている電圧検出部14bによって検出された電圧値Vとに基づいて抵抗値Rbを測定する。また、測定回路51bは、上記した式(1)を用いて抵抗値Ra,Rbを数値処理した処理値Rpをチップ抵抗100の抵抗値Rとして算出する。
この測定装置1Cによれば、各測定回路51a,51bに1つずつ割り当てられた2つの電圧検出部14a,14bを備え、各測定回路51a,51bが、割り当てられた電圧検出部14によって検出された電圧値Vに基づいて被測定量を測定することにより、例えば、電流供給部13と電圧検出部14と測定回路51とを1つずつ備えた従来型の2つの測定装置60a,60bを用いてこの測定装置1Cを構成することができるため、測定装置1Cの製造コストを低減することができる。
また、この測定装置1Cによれば、電圧検出部14a,14bにおける各々の第1検出端子41a,41b同士を互いに短絡させると共に、電圧検出部14a,14bにおける各々の第2検出端子42a,42b同士を互いに短絡させたことにより、例えば、互いに短絡させた第1検出端子41a,41bに接続した1つのプローブ31をチップ抵抗100の端子111に接触させ、互いに短絡させた第2検出端子42a,42bに接続した1つのプローブ32をチップ抵抗100の端子112に接触させることで、測定回路51a,51bによって抵抗値Ra,Rbを測定する際に、同じ検出位置Pdで検出した電圧値Vを用いることができるため、検出位置Pdが異なることによる電圧値Vの相違が回避される結果、抵抗値Ra,Rbを正確に測定することができる。
また、図12に示すように、上記した測定装置1Cの処理部15Aに代えて、上記した測定回路51c,51dおよび演算回路52を有して測定部としても機能するする処理部15Bを備えて構成され、他の構成要素については、測定装置1Cと同様に構成された測定装置1D、およびこの測定装置1Dによって実行される測定方法を採用することもできる。なお、この測定装置1Dでは、同図に示すように、測定回路51c、電流供給部13aおよび電圧検出部14aによって抵抗値Raを測定する機能だけを有する従来型の測定装置60aが構成され、測定回路51d、電流供給部13bおよび電圧検出部14bによって抵抗値Rbを測定する機能だけを有し測定装置60aと同じ構成である従来型の測定装置60aが構成される。
また、2つの電流供給部13を備えて、端子111における2つの第1供給位置Ps1および端子112における2つの第2供給位置Ps2に各プローブ21,22をそれぞれ接触させて(2つの第1供給位置Ps1および2つの第2供給位置Ps2に各第1出力端子71および各第2出力端子72をそれぞれ接続させて)、各電流供給部13から出力された測定用電流Iを4つの供給位置Ps1,Ps2に供給させて電圧値Vを検出する例について上記したが、3つ以上の電流供給部を備えて、端子111における3つ以上(電流供給部の数と同数)の第1供給位置Ps1および端子112における3つ以上(電流供給部の数と同数)の第2供給位置Ps2に各電流供給部13から出力された測定用電流Iを供給させて電圧値Vを検出する構成および方法を採用することもできる。また、この構成を採用するときには、3つ以上の電流供給部の数と同数の測定回路51を備えた構成およびこの構成によって実行される測定方法や、3つ以上の各測定回路51に1つずつ割り当てられた複数(測定回路51の数と同数)の電圧検出部14を備えた構成およびこの構成によって実行される測定方法を採用することもできる。
また、上記した測定装置1,1A,1Bにおいて、ユニット化されていないプローブ21a,21b,22a,22b,31,32を用いると共に、プロービング機構12を備えない構成を採用することもできる。また、上記した測定装置測定装置1C,1Dにおいて、プローブ21a,21b,22a,22b,31,32をユニット化したプローブユニット11を用いると共に、プロービング機構12を用いてプロービングを行う構成を採用することもできる。
また、各電流供給部13が同等の電流値の測定用電流Iを出力する例について上記したが、各電流供給部13が異なる電流値の測定用電流Iを出力する構成および方法を採用することもできる。
また、各第1供給位置Ps1同士の間隔と各第2供給位置Ps2同士の間隔とが等しくなるように各第1供給位置Ps1および各第2供給位置Ps2を規定した例について上記したが、各第1供給位置Ps1同士の間隔と各第2供給位置Ps2同士の間隔とが異なるように各第1供給位置Ps1および各第2供給位置Ps2を規定する構成および方法を採用することもできる。
また、各第1供給位置Ps1および各第2供給位置Ps2がチップ抵抗100の中心部100aを対称点として点対称で、かつ各第1供給位置Ps1および各第2供給位置Ps2がチップ抵抗100の中心部100aを通って長さ方向Aに直交する直線を対称軸として線対称となるように各第1供給位置Ps1および各第2供給位置Ps2を規定した例について上記したが、各第1供給位置Ps1および各第2供給位置Ps2が点対称および線対称のいずれか一方の位置関係を満たすように各第1供給位置Ps1および各第2供給位置Ps2を規定する構成および方法を採用することもできる。
また、端子111における幅方向Bの中心部Pc1を第1検出位置Pd1として規定し、端子112における幅方向Bの中心部Pc2を第2検出位置Pd2として規定する例について上記したが、中心部Pc1以外の位置を第1検出位置Pd1として規定したり、中心部Pc2以外の位置を第2検出位置Pd2として規定したりする構成および方法を採用することもできる。
また、プローブユニット11をプロービング機構12に移動させて各プローブ21,22,31,32を各供給位置Psおよび各検出位置Pdに接触させる方法について上記したが、別体に構成した各プローブ21,22,31,32を各供給位置Psおよび各検出位置Pdに手動で接触させる方法を採用することもできる。
また、電子部品の一例としてのチップ抵抗100における被測定量の一例としての抵抗値Rを測定する測定装置1に適用した例について上記したが、他の電子部品における他の被測定量を測定する各種の測定装置に適用することができる。例えば、他の電子部品としてのインダクタ素子における他の被測定量としてのインダクタンス値を測定する測定装置や、他の電子部品としてのコンデンサの容量値を他の被測定量として測定する測定装置に適用することができる。
また、上記の例では、電流供給部13aに接続したプローブ21a,22aをチップ抵抗100における第1供給位置Ps1aおよび第2供給位置Ps2aにそれぞれ接触(電流供給部13aの第1出力端子71aおよび第2出力端子72aを第1供給位置Ps1aおよび第2供給位置Ps2aにそれぞれ接続)させ、電流供給部13bに接続したプローブ21b,22bをチップ抵抗100における第1供給位置Ps1bおよび第2供給位置Ps2bにそれぞれ接触(電流供給部13bの第1出力端子71bおよび第2出力端子72bを第1供給位置Ps1bおよび第2供給位置Ps2bにそれぞれ接続)させて、測定用電流Iをチップ抵抗100長さ方向Aに平行な方向に流しているが、例えば、電流供給部13aに接続したプローブ21a,22aを第1供給位置Ps1aおよび第2供給位置Ps2bにそれぞれ接触(電流供給部13aの第1出力端子71aおよび第2出力端子72aを第1供給位置Ps1aおよび第2供給位置Ps2bにそれぞれ接続)させ、電流供給部13bに接続したプローブ21b,22bを第1供給位置Ps1bおよび第2供給位置Ps2aにそれぞれ接触(電流供給部13bの第1出力端子71bおよび第2出力端子72bを第1供給位置Ps1bおよび第2供給位置Ps2aにそれぞれ接続)させて、測定用電流Iをチップ抵抗100長さ方向Aに対して交差する方向に流す構成および方法を採用することもできる。