JP7364434B2 - ゼロアジャスト補正方法及びインピーダンス測定方法 - Google Patents
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Description
以下に、図1を参照して本発明に係るゼロアジャスト補正方法の第1の実施の形態について、測定対象としてバッテリセルを例に挙げて説明する。なお、インピーダンス測定装置の測定対象電子部品(以下、「測定対象」と呼ぶ。)は、バッテリセル(電池セル)、電気回路を構成する素子であり、インピーダンスの測定は、バッテリセルや素子の特性評価等に重要な電気的パラメータとしてのインピーダンスを測定する。
インピーダンス測定装置1は、測定信号を発生する測定信号源10、電流検出部としての電流計15及び電圧検出部としての電圧計20を含んで構成されている。なお、測定信号源10は請求項1の測定信号発生源に相当する。
以下に、インピーダンス測定装置1と測定対象であるバッテリセル30との接続態様について説明する。インピーダンス測定装置1でバッテリセル30のインピーダンスを測定するにあたって、測定信号源10、電流計15および電圧計20とバッテリセル30とを電流計測線12、電圧計測線22を介して接続させる。ここで、プローブについては、測定信号源10からバッテリセル30を介して電流計15に流れる電流の経路である測定電流ループ内に含まれる2つの電流プローブ25、26と、バッテリセル30の電圧検出の経路である電圧検出ループ内に含まれる2つの電圧プローブ27、28が用いられる。また、電流プローブ25、26の電気配線として電流計測線12a,12bを互いに捩って形成されたツイストケーブル12が用いられ、電圧プローブ27、28の電気配線として電圧計測線22a,22bを互いに捩って形成されたツイストケーブル22が用いられる。
以下に、本発明に係るゼロアジャスト補正方法を実施するためのインピーダンス測定装置に用いられるゼロアジャスト治具の構成について説明する。
ゼロアジャスト治具36を用いて測定装置1を構成する電流プローブ25と電圧プローブ27をそれぞれタブ端子31の接続点(ノード)33と接続点32に接続し、電流プローブ26と電圧プローブ28をそれぞれタブ端子35の接続点38と接続点37に接続した上で、測定信号源10から供給される測定電流Isが電流計15により測定され、接続点32と接続点37の間に発生する電圧V1が電圧計20により測定される。測定された電圧Vと測定電流Isに基づいて算出されるインピーダンスのR値とX値(Z=R+jX;R値:レジスタンス値、X値:リアクタンス値)をオフセット値とし、このゼロアジャストを実行した後にゼロアジャスト治具36(接続ループ29が形成されたバッテリセル30)を外し、さらにコンデンサ34も外した上で、測定対象であるバッテリセル30に対してインピーダンス測定をする時に、電圧プローブ27をバッテリセル30のタブ端子31の接続点39(図1右下側のインピーダンス測定時の部分拡大図参照)に接続してHi側センス線22aとLo側センス線22bをバッテリセル30の内部を介して接続させた状態でバッテリセル30のインピーダンスのR値とX値を測定する。測定されたインピーダンスのR値とX値から上記オフセット値を差し引いた値を算出し、その算出された値がゼロアジャスト実行後の測定インピーダンス(R値、X値)となる。なお、電流計測線12aはHi側ソース線(SOURCE Hi)であり電流プローブ25に接続されており、電流計測線12bはLo側ソース線(SOURCE Lo)であり電流プローブ26に接続されている。電圧計測線22aはHi側センス線(SENSE Hi)であり電圧プローブ27に接続されており、電圧計測線22bはLo側センス線(SENSE Lo)であり電圧プローブ28に接続されている。
以下に、本発明のゼロアジャスト補正方法を実施するためのインピーダンス測定装置に用いられるゼロアジャスト治具36、すなわち測定対象のバッテリセル30を用いて構成されるゼロアジャスト治具36と、上記した従来の測定対象であるバッテリセルと同形状のゼロアジャスト治具を用いて行った測定値の再現性試験について説明する。図3は測定値の再現性試験における本実施の形態のゼロアジャスト治具と従来のゼロアジャスト治具を用いて3種類の配線パターンにおいて実施したインピーダンス測定の結果を示したグラフである。なお、3種類の配線パターン(図2参照)で測定を行ったのは、電磁誘導の影響が異なる配線パターンで測定することにより再現性の判定をより正確に行うことができるからである。
上記第1の実施の形態は測定対象そのものを用いて構成されたゼロアジャスト治具を利用してゼロアジャストを実施した例であるが、測定対象と同種のものを用いて上記第1の実施の形態と同様の接続態様で構成したゼロアジャスト治具を用いてゼロアジャストを実施することもできる。例えば、測定対象がバッテリセルの場合には、そのバッテリセルと同種のバッテリセルを用いてゼロアジャストを行い、ゼロアジャスト後は、実際の測定対象のバッテリセルに入れ変えて、かつ、配線(電流計測線、電圧計測線)の状態をインビーダンス測定時の配線の状態と同じにして測定を行う。なお、接続ループは、バッテリセルと同種のバッテリセル(以下、「同種バッテリセル」と呼ぶ。)の一方のタブ端子から所定距離をおいた点に位置する他方のタブ端子にかけてバッテリセル30のセル表面に近接させた状態で、かつバッテリセルの表面に沿って形成させる。なお、同種とは測定対象の形状(規格)と概ね同形状(同一規格)のものをいう。
以下に、図4を参照して本発明に係るゼロアジャスト補正方法の第2の実施の形態について説明する。上記した第1の実施の形態に係るゼロアジャスト補正方法が、一つのゼロアジャスト治具が用いられるバッテリセルの個数が一つ(単数)であったのに対し、本第2の実施の形態では一つのゼロアジャスト治具が用いられるバッテリセルの個数が複数である点が異なる。なお、図4において電圧計測ループ(Hi側センス線、Lo側センス線)およびHi側センス線の一端に接続される接続点、Lo側センス線の一端に接続される接続点については便宜上省略する。
10 測定信号源
12 電流計測線
15 電流計
20 電圧計
22 電圧計測線
25、26 電流プローブ
27,28 電圧プローブ
29、60、62、64、66、68 接続ループ(接続線)
30、40、42、44、46、48、 バッテリセル
31、35 タブ端子
32、33、37、38、39 接続点
34 コンデンサ
36、50、52、54、56、58 ゼロアジャスト治具
Claims (6)
- 一対の端子を有する測定対象電子部品に所定周波数の測定信号を供給する測定信号発生源と、前記測定対象電子部品の両端子間に発生する電圧を測定する電圧検出部とを含み、前記測定対象電子部品のインピーダンスを測定するインピーダンス測定装置におけるゼロアジャスト補正方法であって、
前記測定信号発生源の一対の出力端子の一方と他方をそれぞれ前記測定対象電子部品の一方の端子と他方の端子に接続して電流経路を形成し、
前記電圧検出部の一方の端子を、前記測定対象電子部品の一方の端子に対して直流的に絶縁した状態にして前記測定対象電子部品の外部表面に沿って延在する接続線を介して前記測定対象電子部品の他方の端子に接続し、前記電圧検出部の他方の端子を前記測定対象電子部品の他方の端子に接続してゼロアジャストを実行する、
ことを特徴とするゼロアジャスト補正方法。 - 一対の端子を有する測定対象電子部品に所定周波数の測定信号を供給する測定信号発生源と、前記測定対象電子部品の両端子間に発生する電圧を測定する電圧検出部とを含み、前記測定対象電子部品のインピーダンスを測定するインピーダンス測定装置におけるゼロアジャスト補正方法であって、
前記測定信号発生源の一対の出力端子の一方と他方をそれぞれ前記測定対象電子部品と同種の電子部品の一方の端子と他方の端子に接続して電流経路を形成し、
前記電圧検出部の一方の端子を、前記同種の電子部品の一方の端子に対して直流的に絶縁した状態にして前記同種の電子部品の外部表面に沿って延在する接続線を介して前記同種の電子部品の他方の端子に接続し、前記電圧検出部の他方の端子を前記同種の電子部品の他方の端子に接続してゼロアジャストを実行する、
ことを特徴とするゼロアジャスト補正方法。 - それぞれ一対の端子を有する第1~第N(Nは2以上の整数)の測定対象電子部品に所定周波数の測定信号を供給する測定信号発生源と、前記第1~第Nの測定対象電子部品のそれぞれの両端子間に発生する電圧を測定する電圧検出部とを含み、前記第1~第Nの測定対象電子部品のそれぞれのインピーダンスを測定するインピーダンス測定装置におけるゼロアジャスト補正方法であって、
前記測定信号発生源の一対の出力端子の一方と他方を前記第1~第Nの測定対象電子部品のそれぞれの一方の端子と他方の端子に個別に接続して電流経路を形成し、
前記電圧検出部の一方の端子を、前記第1~第Nの測定対象電子部品の測定ごとに、前記第1~第Nの測定対象電子部品のそれぞれの一方の端子に対して直流的に絶縁した状態にして前記第1~第Nの測定対象電子部品のそれぞれの外部表面に沿って延在する接続線を介して前記第1~第Nの測定対象電子部品の他方の端子のそれぞれに接続し、前記電圧検出部の他方の端子を前記第1~第Nの測定対象電子部品のそれぞれの他方の端子に接続してゼロアジャストを実行する、
ことを特徴とするゼロアジャスト補正方法。 - それぞれ一対の端子を有する第1~第N(Nは2以上の整数)の測定対象電子部品に所定周波数の測定信号を供給する測定信号発生源と、前記第1~第Nの測定対象電子部品のそれぞれの両端子間に発生する電圧を測定する第1~第N(Nは2以上の整数)の電圧検出部とを含み、前記第1~第Nの測定対象電子部品のそれぞれのインピーダンスを測定するインピーダンス測定装置におけるゼロアジャスト補正方法であって、
前記測定信号発生源の一対の出力端子の一方と他方を前記第1~第Nの測定対象電子部品のそれぞれの一方の端子と他方の端子に個別に接続して電流経路を形成し、
前記第1~第Nの電圧検出部の一方の端子を、前記第1~第Nの測定対象電子部品の一方の端子に対してそれぞれ直流的に絶縁した状態にして、前記第1~第Nの測定対象電子部品のそれぞれの外部表面に沿って延在する接続線を介してそれぞれ前記第1~第Nの測定対象電子部品の他方の端子に接続し、前記第1~第Nの電圧検出部の他方の端子をそれぞれ前記第1~第Nの測定対象電子部品の他方の端子に接続してゼロアジャストを実行する、
ことを特徴とするゼロアジャスト補正方法。 - 請求項1に記載のゼロアジャスト補正方法を実施した後に、前記測定対象電子部品の一方の端子に対して直流的に絶縁した状態を解除し、前記接続線を前記測定対象電子部品から外した状態で前記電圧検出部の一方の端子を前記測定対象電子部品の一方の端子に接続し、前記電圧検出部の他方の端子を前記測定対象電子部品の他方の端子に接続して前記測定対象電子部品のインピーダンスを測定する、
ことを特徴とするインピーダンス測定方法。 - 請求項2に記載のゼロアジャスト補正方法を実施した後に、前記測定対象電子部品と同種の電子部品を取り外して、前記測定対象電子部品に入れ替え、前記測定信号発生源の一対の出力端子の一方と他方をそれぞれ測定対象電子部品の一方の端子と他方の端子に接続して電流経路を形成するとともに、前記電圧検出部の一方の端子を測定対象電子部品の前記一方の端子に接続し、前記電圧検出部の他方の端子を前記測定対象電子部品の前記他方の端子に接続して前記測定対象電子部品のインピーダンスを測定する、
ことを特徴とするインピーダンス測定方法。
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