JP2019112777A - 伸縮可能な吊下梯子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 吊り下げるだけで容易に伸長使用状態となり、使用終了時の回収時に簡単に短縮させて短縮収納状態にできる吊下梯子を提供する。【解決手段】 一対の筒状支柱体110と横桟体122を備えた梯子基本部材101を基本単位とし、最上段の梯子基本部材101から最下段の梯子基本部材102にかけて筒状支柱体110の筒軸線方向に摺動可能に順次接続し、梯子基本部材101を収縮した短縮収納状態と梯子基本部材101が伸長した伸長使用状態を持つ。伸縮操作体150が筒状体110の内部の中空を通って最下段の摺動可能な梯子基本部材102に取り付けられている。伸縮操作体150を緩めることで最下段の摺動可能な梯子基本部材102が下降し、伸縮操作体を引き上げることで最下段の摺動可能な梯子基本部材102が上昇する。【選択図】 図1

Description

本発明は長さ方向に伸縮自在の吊下梯子に関する。
一般的に、梯子は広く使用されている。立て掛け梯子もあれば吊下梯子もある。ここでは、吊り下げ梯子とは平常時には壁面に固設されておらず、使用時に動的に吊下箇所から吊り下げられ、使用が終了すれば吊下箇所から取り外されて回収されるタイプを指している。例えば、作業において高所から下方の作業現場へ降りてゆく移動手段として作業時に吊下箇所に吊下される作業用吊り下げ梯子や、建物や電車などお客が外部に避難する必要が生じた緊急時に下方へ避難するための避難手段として吊下箇所に吊下される避難用吊り下げ梯子などがある。その他にも用途に応じて様々なバリエーションがあり得る。
従来技術において、吊り下げ梯子として幾つかの構造が知られている。
例えば、特開2006−299800号公報(特許文献1)に開示された建物のベランダなどに設置される避難梯子が知られている。この避難梯子は、図15に示すように、上下に隣接する2本の横桟1の両端部同士を連結する折り畳み自在な縦材2を横桟端部付近に穿設したスリット1aを通して横桟の内部に導き、横桟と結合ピン4によって結合することにより不使用時には縦材が横桟の内部に折り畳まれて収納され、また使用時には、伸長垂下した縦材の下側部材2bが、縦材と横桟の結合ピンに配設したスプリングバネの先端が延伸された端部の先端に接触して内側にわずかに押し戻される力を受け、避難はしご使用後片づける際、縦材が内側に確実・容易に折り畳まれるように工夫したものである。
特開2001−315640号公報
このような吊り下げ梯子は、用途に応じて様々な構造や特徴が求められるが、概ね、以下の特徴が要求される。
第1の特徴は、収納時の状態がコンパクトであり可搬性に優れていることである。収納時(不使用時)には嵩張らずコンパクトに短縮収納状態となって収納保管が容易で、取り出して持ち運ぶ際にも軽くて可搬性に優れていることが要求される。
第2の特徴は、使用時のセッティングが簡単なことである。吊下箇所から吊り下げるだけで簡単に伸長して伸長使用状態となることである。
第3の特徴は、使用時の強度、安定性、利便性である。吊下箇所から吊り下げてセッティングした状態において、利用者の体重をしっかりと支持できるよう構造的強度が確保されているとともに、使用時に揺動せず、横桟の上に足を載せやすい構造であるなどの使用利便性が確保されていることが要求される。
第4の特徴は、使用終了後に収納状態へ再度戻す作業が簡単なことである。吊下箇所から吊り下げて使用した後、収納状態へ再度戻す作業が必要となるがその回収作業が簡単であることが好ましい。
ここで、上記の吊り下げ梯子のうち、作業用吊り下げ梯子と避難用吊り下げ梯子では、上記列挙した特徴に対する要望の強さが異なる。
避難用吊り下げ梯子は、火災など緊急時の避難が最大の目的であるため、第2の特徴と第3の特徴が最重要であり、他の第1の特徴や第4の特徴の優先度は低い。
しかし、作業用の吊り下げ梯子は、上記の第2の特徴と第3の特徴が重要であることには変わりはないが、作業効率の点から上記の第1の特徴と第4の特徴も重要となってくる。
上記した特許文献1の特開2006−299800号公報に開示された建物のベランダなどに設置される避難梯子は、第1の特徴である収納時の状態がコンパクトであり可搬性に優れている点は満たされており、第2の使用時のセッティングが簡単な点も満たされているが、第3の特徴である使用時の安定性や利便性は欠いている。全体として搖動しやすく、また横桟の面積が小さく、壁面に沿って吊下した場合には横桟に足を載せ置くことが困難である。また、第4の特徴である使用終了後に収納状態へ再度戻す作業の容易性については、ある程度工夫はされているものの、いまだ簡単なものとは言えない。全般的に避難梯子は、特徴3と特徴4が満たされていない。
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたもので、収納状態でコンパクトに収納でき可搬性に優れ、使用時には作業箇所に対して吊り下げるだけで容易に伸長使用状態となる操作性に優れ、伸長使用状態において構造的強度が確保されたものであるとともに、使用終了時の回収時に簡単に短縮させて短縮収納状態にできる吊下梯子を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の伸縮可能な吊下梯子は、所定の間隔を隔てて互いに平行に配置された一対の筒状支柱体と前記筒状支柱体の間に設けられた横桟を備えた梯子基本部材を基本単位とし、前記梯子基本部材同士が前記筒状支柱体の筒軸線方向に入れ子状態で摺動可能に順次接続したものであり、前記梯子基本部材が摺動収納された短縮収納状態と、前記梯子基本部材が摺動伸長した伸長使用状態を持つ伸縮式の梯子本体と、前記梯子基本部材のうち前記摺動可能の最下段の前記梯子基本部材に接続され、前記最下段の梯子基本部材の昇降操作を介して梯子本体を伸縮できるよう配線された伸縮操作体と、前記梯子本体を吊下箇所に対して吊り下げて掛け止めする掛止具を備え、前記伸縮操作体が、前記梯子本体の前記筒状支柱体の中空の内部を通り、前記最下段の前記梯子基本部材にまで到達するよう配線されていることを特徴とする伸縮可能な吊下梯子である。
上記構成により、伸縮操作体で引き上げるだけで、使用終了後に収納状態へ再度戻す作業が簡単な構造とすることができ、かつ、伸縮操作体が外には剥き出しになっていないため、作業時に作業者が伸縮操作体に絡まったりすることがなく、作業者の昇降を邪魔することがない。
伸縮操作体としては、梯子本体の重量の引張に耐え得る構造的強度を持ち、昇降させやすい素材であれば良く、例えば、丈夫なワイヤー、チェーン、紐体などがある。
伸縮操作体の配線であるが、伸縮操作体が左右1本ずつあり、左右各々の伸縮操作体がそれぞれ梯子本体の筒状支柱体の中空の内部を通り、最下段の梯子基本部材の一部に接続する配線方法がある。
また、伸縮操作体が左右1本ずつあり、左右各々の伸縮操作体がそれぞれ梯子本体の左右の筒状支柱体の中空の内部を通り、最下段の梯子基本部材の横桟の中において左右が結ばれるよう接続する配線も可能である。この場合、梯子基本部材自体には接続されないが、左右の伸縮操作体が最下段の梯子基本部材の横桟の内部で結ばれているので、ループ状となっており、左右の伸縮操作体を同時に引き上げれば最下段の梯子基本部材の昇降を操作できる。
ここで、梯子基本部材同士の筒状支柱体の接続には2パターンあり得る。
第1のパターンは、梯子基本部材同士の筒状支柱体が筒軸線方向に入れ子状態で摺動可能に順次接続されている構造において、前記筒状支柱体の径が上段よりも下段の方が大きくなっているパターンである。つまり、下側の段の筒状支柱体の中に上側の段の筒状支柱体があり外側から繰り出されていく仕組みである。
この第1のパターンにおいて、伸縮の構造として、係止式の伸縮構造と、ロック式の伸縮構造があり得る。
係止式の伸縮構造は、当段と下段の梯子基本部材同士が摺動して伸長使用状態になったときに、当段の梯子基本部材の筒状支柱体の外壁面の一部と、下段の梯子基本部材の筒状支柱体の内壁面の一部が当接し合って梯子基本部材同士を摺動方向に摺動不能に係止する係止機構を備え、伸長時は、掛止具を介して吊下箇所に吊り下げると各段の梯子基本部材同士が摺動して下方に伸長し、係止機構によって伸長使用状態で固定される。一方、回収時は、伸縮操作体の引き上げにより摺動可能な最下段の梯子基本部材から順次引き上げられ、係止機構が係止する方向とは逆の方向に梯子基本部材同士が摺動して下段から順々と梯子本体を短縮収納状態に変化させてゆくことが可能となる仕組みである。
次に、ロック式の伸縮構造は、当段と下段の前記梯子基本部材同士が摺動して前記伸長使用状態になったことを契機として前記梯子基本部材同士を一時的に摺動不能に固定するロック機構と、外部からの操作を契機として前記ロック機構のロック状態を解除し、当段と下段の前記梯子基本部材同士を摺動可能にするロック解除機構と、前記掛止具を介して前記吊下箇所に吊り下げると各段の前記梯子基本部材同士が摺動して下方に伸長し、前記ロック機構によって前記伸長使用状態で固定され、前記ロック解除機構により解除された段の前記梯子基本部材同士が摺動可能となり前記伸長使用状態から前記短縮収納状態に変化し、前記ロック解除機構への外部からの前記操作が、前記伸縮操作体の引き上げにより前記最下段の前記ロック解除機構の解除操作を行い、前記最下段の前記横桟のロックを解除して摺動可能とし、前記最下段の梯子基本部材から順次引き上げられ、上段の前記ロック解除機構への衝突による前記ロック機構のロック解除を繰り返し、下段から順々と前記梯子本体を前記短縮収納状態に変化させてゆくことが可能であることを特徴とするものである。
次に、第2のパターンは、梯子基本部材同士の筒状支柱体が筒軸線方向に入れ子状態で摺動可能に順次接続されている構造において、前記筒状支柱体の径が上段よりも下段の方が小さくなっているパターンである。つまり、下側の段の筒状支柱体が上側の段の筒状支柱体の中から繰り出されていく仕組みである。
この第2のパターンにおいても、伸縮の構造として、係止式の伸縮構造と、ロック式の伸縮構造があり得る。
係止式の伸縮構造は、当段と下段の前記梯子基本部材同士が摺動して前記伸長使用状態になったときに、前記当段の前記梯子基本部材の前記筒状支柱体の内壁面の一部と、前記下段の前記梯子基本部材の前記筒状支柱体の外壁面の一部が当接し合って前記梯子基本部材同士を摺動方向に摺動不能に係止する係止機構を備え、伸長時は、前記掛止具を介して前記吊下箇所に吊り下げると各段の前記梯子基本部材同士が摺動して下方に伸長し、前記係止機構によって前記伸長使用状態で固定される。回収時は、前記伸縮操作体の引き上げにより摺動可能な前記最下段の前記梯子基本部材から順次引き上げられ、前記係止機構が係止する方向とは逆の方向に前記梯子基本部材同士が摺動して下段から順々と前記梯子本体を前記短縮収納状態に変化させてゆく仕組みとなっている。
次に、ロック式の伸縮構造は、当段と下段の前記梯子基本部材同士が摺動して前記伸長使用状態になったことを契機として前記梯子基本部材同士を一時的に摺動不能に固定するロック機構と、外部からの操作を契機として前記ロック機構のロック状態を解除し、当段と下段の前記梯子基本部材同士を摺動可能にするロック解除機構と、前記掛止具を介して前記吊下箇所に吊り下げると各段の前記梯子基本部材同士が摺動して下方に伸長し、前記ロック機構によって前記伸長使用状態で固定され、前記ロック解除機構により解除された段の前記梯子基本部材同士が摺動可能となり前記伸長使用状態から前記短縮収納状態に変化し、前記ロック解除機構への外部からの前記操作が、前記伸縮操作体の引き上げにより前記最下段の前記ロック解除機構の解除操作を行い、前記最下段の前記横桟のロックを解除して摺動可能とし、前記最下段の梯子基本部材から順次引き上げられ、上段の前記ロック解除機構への衝突による前記ロック機構のロック解除を繰り返し、下段から順々と前記梯子本体を前記短縮収納状態に変化させてゆくことが可能である仕組みとなっている。
なお、上記したロック式の伸縮構造では、前記ロック機構が、付勢バネと前記付勢バネで付勢が付けられて摺動する嵌入ピンであって、前記梯子基本部材の前記筒状支柱体の所定箇所に穿たれている嵌入孔に対して嵌入することで前記ロック状態となり、前記嵌入孔から抜けることで前記ロック解除状態となる構造であり、前記ロック解除機構が、前記横桟の下面に組み込まれて突出し、前記ロック機構の前記嵌入ピンの動きと連動するレバー構造体であり、前記嵌入ピンが前記嵌入孔に対して嵌入する方向に動けば前記レバー構造体が下方に向けて突出し、前記レバー構造体を前記横桟の下面に押し込めば前記嵌入ピンが前記嵌入孔から抜け出る方向に動くよう連動するものとなっている。
上記構造であれば、横桟の上昇に伴ってレバー構造体を押し上げるだけで梯子基本部材が摺動可能となるため、梯子の使用終了時における回収・収納が簡単にできる。
なお、ロック解除機構が横桟の下面から下方に向けて突出した状態から横桟の下面内に収納されるようにしておけば、上下の横桟同士が当接し合うように収納することができ、短縮収納状態が極めてコンパクトに収まるものとなる。
次に、梯子と壁面との距離を保つため、筒状支柱体を吊下箇所の壁面から所定の距離を離す壁面当て体を筒状支柱体に対して適宜の間隔で設けた構成とすることが好ましい。壁面当てが壁面に当接して筒状支柱体や横桟と壁面との間隔を適度に保つため、筒状支柱体を把持したり横桟に足を載せ置いたりしやすくなり、作業効率が向上する。
また、吊下箇所に吊下された梯子を利用して昇降しやすいように、筒状支柱体が掛止具の高さより高い位置まで上方に延設された構成とし、当該延設箇所に作業員が把持するための把持部を設けることが好ましい。吊下箇所から把持部が上方に突出した状態となれば作業者が把持部を掴みながら昇降することができ、作業効率が向上する。
本発明の伸縮可能な吊下梯子によれば、梯子本体を展開する際には吊下箇所に掛止具を掛け止めて下に垂下させるだけで梯子基本部材同士が摺動し合って重力に従って展開し、回収時は、梯子基本部材の上昇に伴って横桟の上面で一つ上段のレバー構造体を押し上げてロック機構のロック状態が解除され、次々と梯子基本部材が摺動可能となって回収・収納が簡単にできる。
実施例1にかかる伸長使用状態における吊下梯子100の構成例を模式的に示す図である。 内側の筒状体110の下部付近の外側膨出部112と、外側の筒状体110の上部付近の内側膨出部111との係止について説明する図である。 実施例1にかかる吊下梯子100全体が伸長する様子を示す図である。 伸長使用状態にある吊下梯子100を回収して短縮収納状態に変化させる手順を説明する図である。 実施例2にかかる伸長使用状態における吊下梯子100の構成例を模式的に示す図である。 外側の筒状体110の下部付近の内側膨出部111と、内側の筒状体110の上部付近の外側膨出部112との係止について説明する図である。 実施例2にかかる吊下梯子100全体が伸長する様子を示す図である。 伸長使用状態にある吊下梯子100を回収して短縮収納状態に変化させる手順を説明する図である。 実施例3にかかる伸長使用状態における吊下梯子100の構成例を模式的に示す図である。 吊下梯子100の展開時における、梯子基本部材101の接合部分のロック機構130によりロックが掛かる仕組みを簡単に示す図である。 吊下梯子100の回収時におけるロック解除機構140によりロック機構130のロックを解除する仕組みを簡単に示す図である。 最下段のロック機構130を伸縮操作体150で操作してロックを解除する仕組みを簡単に示す図である。 短縮収納状態にある吊下梯子100を吊下箇所に吊下して短縮収納状態から展開して伸長使用状態とする手順を説明する図である。 伸長使用状態にある吊下梯子100を回収して短縮収納状態に変化させる手順を説明する図である。 特開2006−299800号公報(特許文献1)に開示された建物のベランダなどに設置される避難梯子を示す図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の伸縮可能な吊下梯子の実施例を説明する。
本発明の範囲は以下の実施例に示した具体的な形状、デザイン、個数、角度などには限定されないことは言うまでもない。
実施例1および実施例2として、係止式の伸縮構造をもち、回収時に、筒状支柱体内部に仕込まれた伸縮操作体を介して、摺動可能な最下段の基本梯子部材を引き上げて係止を開放しながら短縮状態にする構造例を説明する。
実施例1は、係止式の伸縮構造のうち、梯子基本部材同士の筒状支柱体110の径が上段よりも下段の方が大きくなっているパターン(第1のパターン)である。この第1のパターンは、図1から図4を参照しつつ説明する。
実施例2は、係止式の伸縮構造のうち、梯子基本部材同士の筒状支柱体110の径が上段よりも下段の方が小さくなっているパターン(第2のパターン)である。この第2のパターンは、図5から図8を参照しつつ説明する。
実施例3として、ロック式の伸縮構造をもち、回収時に、筒状支柱体内部に仕込まれた伸縮操作体を介して、摺動可能な最下段の基本梯子部材を引き上げてロックを外しながら短縮状態にする構造例を説明する。
実施例1は、筒状支柱体同士の摺動において係止式の伸縮構造をもつものである。
伸長時には筒状支柱体同士の内部における係止構造で係止し、回収時には筒状支柱体内部に仕込まれた伸縮操作体を介して摺動可能な最下段の基本梯子部材を引き上げて係止を開放しながら短縮状態にする構造例となっている。
図1は、実施例1にかかる伸長使用状態における吊下梯子100の構成例を模式的に示す図である。
図1(a)は伸長使用状態の吊下梯子100の正面図(作業者が昇降する面)を示している。掛け止め具170は背面側に付いており、掛け止め具170以外は正面と背面は同様で良い。
本発明の吊下梯子100は、図1に示すように、梯子基本部材101を基本単位として上下方向に複数個を連続的に組み合わせたものとなっている。なお、梯子基本部材101同士は上下方向にスライド可能な構造となっており、吊下梯子100全体として、伸縮式のものとなっている。梯子基本部材の筒状支柱体110は筒軸線方向に入れ子状態で摺動可能に順次接続したものとなっている。
この梯子基本部材の筒状支柱体110の入れ子状態の接続にはパターンが2つある。
第1のパターンは、梯子基本部材同士の筒状支柱体110の径が上段よりも下段の方が大きくなっているパターンである。実施例1として、図1から図4を参照しつつ、この第1のパターンの構造を説明する。
第2のパターンは、梯子基本部材同士の筒状支柱体110の径が上段よりも下段の方が小さくなっているパターンである。実施例2として、図5から図8を参照しつつ、この第2のパターンの構造を後述する。
梯子基本部材101は、一対の筒状支柱体110と、筒状支柱体110の間に設けられた横桟120を備えた構造となっている。筒状支柱体110の上方に横桟120と内側膨出部111が設けられており、筒状支柱体110の下方に外側膨出部112が設けられている。また、吊下梯子100全体としては、基本構成単位である梯子基本部材101のほか、伸縮操作体150、掛止具170、把持部180を備えている。
この構成例では、基本単位の梯子基本部材101は8段で構成され、横桟の数で言えば最下段のものも含めて10段設けられている例である。この構成例では筒状支柱体110の上部には把持部180が設けられている。
以下、各構成要素を説明する。
筒状支柱体110は、図1に示すように、所定の間隔を隔てて互いに平行に配置された一対の支柱体である。素材は、アルミニウムなどの軽金属で構造的強度が強い素材で形成することが好ましい。
各々の梯子基本部材101にはある程度の剛性・強度が必要である。梯子基本部材101は作業個所において吊下梯子として作業者の昇降を支える機械的強度が必要となるからである。また、作業員が多少の重量の荷物も担った状態で昇降することもあり得るため、その荷重にも耐える必要がある。
梯子基本部材101ごとの筒状支柱体110の長さは特に限定されないが、人間が一段ずつ昇降する際の歩幅に適切な長さであれば良い。
なお、最上段の梯子基本部材101の筒状支柱体110には、後述する掛止具170が設けられている。また、この例では、最上段の梯子基本部材101の筒状支柱体110の高さは掛止具170の位置よりも上方に向けて把持部180が延設されている。
横桟120は、筒状支柱体110の間に設けられた横架された部材であり、作業者が昇降時に足を載せ置く部分である。横桟120は吊下梯子100の梯子1段分となっている。この例では、梯子基本部材101の筒状支柱体110の上端付近同士を横桟120が結ぶ形で設けられた例となっている。
横桟120の素材は、アルミニウムなどの軽金属で構造的強度が強い素材で形成することが好ましい。横桟120にはある程度の剛性・強度が必要である。作業者の昇降を支える機械的強度が必要となるからである。また、作業員が多少の重量の荷物も担った状態で昇降することもあり得るため、その荷重にも耐える必要がある。
横桟120の横方向の長さは特に限定されないが、作業員が1人ずつ昇降することを前提としたものであれば、少なくとも人間の腰幅程度の長さは必要である。
次に、伸縮操作体150について説明する。
伸縮操作体150としては、梯子本体の重量の引張に耐え得る構造的強度を持ち、昇降させやすい素材であれば良い。例えば、丈夫な鋼鉄製のワイヤーやチェーン、丈夫な紐体などがある。これらは十分な構造的強度を持つよう選択すれば、梯子本体の重量の引張に耐え得るものとなり、さらに繰り出し、巻き取りなどを通じて長さを比較的簡単に変化させることができる。
伸縮操作体150は、梯子基本部材101の摺動を操作できるよう配線されたものであり、梯子本体の筒状支柱体110の中空の内部を通り、最下段の梯子基本部材102にまで到達するよう配線されている。
伸縮操作体150の配線には、図3(c)に示すように、幾つかのパターンがある。
例えば、図3(c)左側に示すように、伸縮操作体150が左右1本ずつあり、左右一対の伸縮操作体150を、それぞれ梯子本体の筒状支柱体110の中空の内部空間を通して下方に導き、伸縮操作体150のそれぞれの先端を、摺動可能な最下段の梯子基本部材102のどこか一部に接続したものである。伸縮操作体150のそれぞれの先端が最下段の梯子基本部材102のどこか一部に接続されているので、伸縮操作体150を緩めると最下段の梯子基本部材102が下方に下がり、伸縮操作体150を引き上げると最下段の梯子基本部材102が上方に上がるように操作することができる。
また、例えば、図3(c)右側に示すように、伸縮操作体150が左右1本ずつあり、左右一対の伸縮操作体150を、それぞれ梯子本体の筒状支柱体110の中空の内部空間を通して下方に導き、最下段の梯子基本部材の横桟120の中において、互いに結ばれるよう接続する配線である。この場合は、最下段の梯子基本部材102のどこか一部に直接接続されている訳ではないが、伸縮操作体150を緩めると最下段の梯子基本部材102が下方に下がり、伸縮操作体150を引き上げると最下段の梯子基本部材102が上方に上がるように操作することができる。
伸縮操作体150は作業員の人手で昇降しても良いが、図示しないウィンチなどの機械的駆動装置で昇降しても良い。
この伸縮操作体150を介して、吊下梯子100の伸長、短縮を操作する。
次に、掛止具170について説明する。
掛止具170は、梯子本体110を吊下箇所から吊り下げるために掛け止めする部材である。掛止具170の形状は、掛けやすいものであれば特に限定されないが、この構成例ではコの字型をしており、マンホール等の開口の縁に対して掛け止めしやすい構造をしている。
次に、把持部180について説明する。
吊下箇所に吊下された梯子を利用して昇降しやすいように、筒状支柱体が掛止具170の高さより高い位置まで上方に延設された構成とし、当該延設箇所に作業員が把持するための把持部180を設けることが好ましい。このように最上段の梯子基本部材101の筒状支柱体110を上方に向けて把持部180を延設しておけば、作業者が把持部180を把持すれば安全が確保されやすく、作業効率も向上するというメリットがある。
以上が、各構成の説明である。
次に、梯子基本部材101同士の摺動について説明する。本発明では伸縮操作体150を操作することにより、梯子基本部材101同士の摺動を制御する。
まず、各々の梯子基本部材101の入れ子状態について説明する。
最上段の梯子基本部材101から最下段の梯子基本部材102にかけてそれらの筒状支柱体110の筒部の径の大きさが順次大きくなるように設けられており、それらが入れ子式になっており筒状支柱体110の筒軸線方向に摺動可能に順次接続されたものとなっている。つまり、当段の梯子基本部材101の筒状支柱体110に対してその直下にある下段の梯子基本部材101の筒状支柱体110は筒部の大きさが一回り大きいものとなっており、入れ子式になっている。
つまり、図1(b)に示すように、当段の梯子基本部材101の筒状支柱体110の筒部は、下段の梯子基本部材101の筒状支柱体110の筒部に対して摺動して出し入れできるようになっており、下方に引き出すことにより伸長状態となり、上方に押し込むことにより短縮状態となる。各段の梯子基本部材101がすべて短縮状態となった場合、吊下梯子100全体が短縮収納状態となり、各段の梯子基本部材101がすべて伸長状態となった場合、吊下梯子100全体も伸長状態となる。
図2は、図1(b)に示した内側の梯子基本部材101の筒状体110の下部付近の外側膨出部112と、外側の梯子基本部材101の筒状体110の上部付近の内側膨出部111との係止について説明する図である。
図2は、内側の梯子基本部材101は下部付近の外側膨出部112を中心に描かれている。また外側の梯子基本部材101は上部付近の内側膨出部111を中心に描かれている。なお、本発明では、内部の中空には伸縮操作体150が上下に貫いているが、吊下箇所から最下段の梯子基本部材102につながれており、図2の係止の動きには直接関係はない。
図2左側図に示すように、内側の梯子基本部材101の筒状体110は、吊下により支持固定されている状態となっている。この内側の梯子基本部材101の筒状体110に対して、外側から入れ子となるように、径の大きな下側の梯子基本部材101の筒状体110が摺動可能になっている。
内側の梯子基本部材101の筒状体110の下方には外壁面に盛り上がりがある。これが外側膨出部112である。また、外側の梯子基本部材101の筒状体110の上方には外壁面に絞りがある。これが内側膨出部111である。
図2中央図は内部の係止機構が分かりやすいように断面で示した図である。図2中央図に見るように、内側の筒状体110の外側膨出部112の径は膨らんで大きくなっている。一方、外側の筒状体110の内側膨出部111の径は絞られて小さくなっている。
図2右側図に示すように、内側の梯子基本部材101の筒状体110に対して径の大きな外側の梯子基本部材101の筒状体110が下方に摺動してゆくとやがて内側膨出部111と外側膨出部112が衝突して係止し、それ以上下方へ摺動できないようになっている。
このように、吊下により支持固定されている内側の梯子基本部材101の筒状体110に対して、外側の梯子基本部材101の筒状体110の摺動が制限されて支持固定状態となる。
次に、本発明の吊下梯子100の利用の手順について図3および図4を参照しつつ説明する。
図3は、吊下梯子100全体が伸長する様子を示す図である。
図3は、短縮収納状態にある吊下梯子100を吊下箇所に吊下して短縮収納状態から展開して伸長使用状態とする手順を説明する図である。
作業員等は、短縮収納状態にある本発明の吊下梯子100を運搬して吊下箇所に搬入し、作業個所となるマンホールの縁など吊下箇所において掛止具170を介して本発明の吊下梯子100を吊下する。
作業員は、図3(a)の状態に示すように、掛止具170を介して吊下している吊下梯子100の伸縮操作体150を緩めてゆく。
伸縮操作体150の先端は、摺動可能な最下段の梯子基本部材102に接続されている。この例では、最下段の横桟は固定横桟121となっており、摺動できる最下段の梯子基本部材102は図示したように下側の横桟2段分が一塊となっている。
図3(a)から図3(b)に示すように、伸縮操作体150を徐々に緩めてゆくと、最下段の梯子基本部材102が下降してゆき、図3(b)の状態では、上の4段分の基本部材101が伸長状態となっており、最下段の梯子基本部材102がさらに下降しつつある。
図3(b)の右図に示すように、各段の梯子基本部材101同士の連結部において、図2に示したような摺動と係止が作動し、上段から順次梯子基本部材101同士が伸長してゆく。その連結部においては図3右図に示すように、内側膨出部111と外側膨出部112が衝突して係止し、それ以上下方へ摺動できないようになっている。
次に、短縮状態への変化について述べる。
図4は、伸長使用状態にある吊下梯子100を回収して短縮収納状態に変化させる手順を説明する図である。
図4(a)から図4(b)に示すように、伸縮操作体150を徐々に引き上げてゆくと、最下段の梯子基本部材102が上昇してゆき、図4(b)の状態では、上の4段分の基本部材101を押し上げて短縮状態とし、最下段の梯子基本部材102がさらに上昇しつつある。
図4(b)の右図に示すように、各段の梯子基本部材101同士の連結部において、図2の逆側の流れ、つまり、図2左図から図2右図に示すように、吊下により支持固定されている内側の梯子基本部材101の筒状体110に対して、外側の梯子基本部材101の筒状体110が上側に摺動することは可能であり、短縮収納状態となる。つまり、連結部においては図4右図に示すように、内側膨出部111と外側膨出部112の係止が解かれ、上方へ摺動できる。このように、吊下梯子100は全体として短縮する方向へ摺動でき、下段から順次梯子基本部材101同士が短縮してゆく。
このように、中空の筒状支柱体の内部を通って最下段の梯子基本部材102に接続された伸縮操作体150により最下段の梯子基本部材102の昇降を操作し、梯子本体の伸縮を操作することができる。
図5は、実施例2にかかる伸長使用状態における吊下梯子100の構成例を模式的に示す図である。
実施例2は、筒状支柱体同士の摺動において係止式の伸縮構造をもつものであり、梯子基本部材同士の筒状支柱体110の径が上段よりも下段の方が小さくなっているパターン(第2のパターン)である。
実施例2の構造も、実施例1と同様、伸長時には筒状支柱体同士の内部における係止構造で係止し、回収時には筒状支柱体内部に仕込まれた伸縮操作体150を介して摺動可能な最下段の基本梯子部材を引き上げて係止を開放しながら短縮状態にする構造例となっている。
図5(a)は伸長使用状態の吊下梯子100の正面図(作業者が昇降する面)を示している。掛け止め具170は背面側に付いており、掛け止め具170以外は正面と背面は同様で良い。
梯子基本部材101は、一対の筒状支柱体110と、横桟120を備えた構造となっている点は実施例1と同様であるが、梯子基本部材101の構造は、実施例1の梯子基本部材101とは上下が逆になっている。つまり、筒状支柱体110の上方に外側膨出部112があり、筒状支柱体110の下方に横桟120と内側膨出部111が設けられている。吊下梯子100全体としては、基本構成単位である梯子基本部材101のほか、伸縮操作体150、掛止具170、把持部180を備えている点も実施例1と同様であり、各構成要素の説明は省略する。
なお、伸縮操作体150は、中空の筒状支柱体の内部を通って最下段の梯子基本部材102に接続固定されるが、本実施例2では、梯子基本部材101の構造が実施例1の梯子基本部材101とは上下が逆になっているため、この構成例では、伸縮操作体150を安定的に接続固定する箇所として、固定横桟121を選択した例となっている。
伸縮操作体150の配線には、図7(c)に示すように、幾つかのパターンがある。
例えば、図7(c)左側に示すように、伸縮操作体150が左右1本ずつあり、左右一対の伸縮操作体150を、それぞれ梯子本体の筒状支柱体110の中空の内部空間を通して下方に導き、伸縮操作体150のそれぞれの先端を、最下段の梯子基本部材102の固定横桟121に接続したものである。伸縮操作体150のそれぞれの先端が最下段の梯子基本部材102の固定横桟121に接続されているので、伸縮操作体150を緩めると最下段の梯子基本部材102が下方に下がり、伸縮操作体150を引き上げると最下段の梯子基本部材102が上方に上がるように操作することができる。
また、例えば、図7(c)右側に示すように、伸縮操作体150が左右1本ずつあり、左右一対の伸縮操作体150を、それぞれ梯子本体の筒状支柱体110の中空の内部空間を通して下方に導き、最下段の梯子基本部材の固定横桟121の中において、互いに結ばれるよう接続する配線である。この場合は、最下段の梯子基本部材102の固定横桟121に直接接続されている訳ではないが、伸縮操作体150を緩めると最下段の梯子基本部材102が下方に下がり、伸縮操作体150を引き上げると最下段の梯子基本部材102が上方に上がるように操作することができる。
実施例2にかかる各々の梯子基本部材101の入れ子状態について説明する。
最上段の梯子基本部材101から最下段の梯子基本部材102にかけてそれらの筒状支柱体110の筒部の径の大きさが順次小さくなるように設けられており、それらが入れ子式になっており筒状支柱体110の筒軸線方向に摺動可能に順次接続されたものとなっている。つまり、当段の梯子基本部材101の筒状支柱体110に対してその直下にある下段の梯子基本部材101の筒状支柱体110は筒部の大きさが一回り小さいものとなっており、入れ子式になっている。
つまり、図5(b)に示すように、当段の梯子基本部材101の筒状支柱体110の筒部は、下段の梯子基本部材101の筒状支柱体110の筒部内から摺動して出し入れできるようになっており、下方に引き出すことにより伸長状態となり、上方に押し込むことにより短縮状態となる。各段の梯子基本部材101がすべて短縮状態となった場合、吊下梯子100全体が短縮収納状態となり、各段の梯子基本部材101がすべて伸長状態となった場合、吊下梯子100全体も伸長状態となる。
図6は、図5(b)に示した外側の梯子基本部材101の筒状体110の下部付近の内側膨出部111と、内側の梯子基本部材101の筒状体110の上部付近の外側膨出部112との係止について説明する図である。
図6は、外側の梯子基本部材101は下部付近の内側膨出部111を中心に描かれている。また内側の梯子基本部材101は上部付近の外側膨出部112を中心に描かれている。なお、本発明では、内部の中空には伸縮操作体150が上下に貫いているが、吊下箇所から最下段の梯子基本部材102につながれており、図6の係止の動きには直接関係はない。
図6左側図に示すように、最上段の梯子基本部材101の第1の筒状体110は、吊下により支持固定されている状態となっている。この上側の梯子基本部材101の第1の筒状体110に対して、中から入れ子となるように、径の小さな下側の梯子基本部材101の筒状体110が摺動可能になっている。
外側の梯子基本部材101の第1の筒状体110の上方には外壁面に盛り上がりがある。これが外側膨出部112である。また、内側の梯子基本部材101の筒状体110の下方には外壁面に絞りがある。これが内側膨出部111である。
図6中央図は内部の係止機構が分かりやすいように断面で示した図である。図6中央図に見るように、内側の筒状体110の外側膨出部112の径は膨らんで大きくなっている。一方、外側の筒状体110の内側膨出部111の径は絞られて小さくなっている。
図6右側図に示すように、外側の梯子基本部材101の筒状体110の内側膨出部111に対して径の小さな内側の梯子基本部材101の筒状体110が下方に摺動してゆくとやがて内側膨出部111と外側膨出部112が衝突して係止し、それ以上下方へ摺動できないようになっている。
このように、吊下により支持固定されている外側の梯子基本部材101の筒状体110に対して、内側の梯子基本部材101の筒状体110の摺動が制限されて支持固定状態となる。
次に、本発明の吊下梯子100の利用の手順について図7および図8を参照しつつ説明する。
図7は、実施例2にかかる吊下梯子100全体が伸長する様子を示す図である。
図7は、短縮収納状態にある吊下梯子100を吊下箇所に吊下して短縮収納状態から展開して伸長使用状態とする手順を説明する図である。
作業員等は、短縮収納状態にある本発明の吊下梯子100を運搬して吊下箇所に搬入し、作業個所となるマンホールの縁など吊下箇所において掛止具170を介して本発明の吊下梯子100を吊下する。
作業員は、図7(a)の状態に示すように、掛止具170を介して吊下している吊下梯子100の伸縮操作体150を緩めてゆく。
伸縮操作体150の先端は、摺動可能な最下段の梯子基本部材102に接続されている。この例では、最下段の横桟は固定横桟121となっており、摺動できる最下段の梯子基本部材102は図示したように下側の横桟2段分が一塊となっている。
図7(a)から図7(b)に示すように、伸縮操作体150を徐々に緩めてゆくと、最下段の梯子基本部材102が下降してゆき、図7(b)の状態では、上の4段分の基本部材101が伸長状態となっており、最下段の梯子基本部材102がさらに下降しつつある。
図7(b)の右図に示すように、各段の梯子基本部材101同士の連結部において、図6に示したような摺動と係止が作動し、上段から順次梯子基本部材101同士が伸長してゆく。その連結部においては図7右図に示すように、内側膨出部111と外側膨出部112が衝突して係止し、それ以上下方へ摺動できないようになっている。
次に、短縮状態への変化について述べる。
図8は、伸長使用状態にある吊下梯子100を回収して短縮収納状態に変化させる手順を説明する図である。
図8(a)から図8(b)に示すように、伸縮操作体150を徐々に引き上げてゆくと、最下段の梯子基本部材102が上昇してゆき、図8(b)の状態では、上の4段分の基本部材101を押し上げて短縮状態とし、最下段の梯子基本部材102がさらに上昇しつつある。
図8(b)の右図に示すように、各段の梯子基本部材101同士の連結部において、図6の逆側の流れ、つまり、図6左図から図6右図に示すように、吊下により支持固定されている外側の梯子基本部材101の第1の筒状体110に対して、内側の梯子基本部材101の第2の筒状体110が上側に摺動することは可能であり、短縮収納状態となる。つまり、連結部においては図8右図に示すように、内側膨出部111と外側膨出部112の係止が解かれ、上方へ摺動できる。このように、吊下梯子100は全体として短縮する方向へ摺動でき、下段から順次梯子基本部材101同士が短縮してゆく。
実施例3として、筒状支柱体同士の摺動においてロック式の伸縮構造をもち、回収時に、筒状支柱体内部に仕込まれた伸縮操作体を介して、摺動可能な最下段の基本梯子部材を引き上げてロックを外しながら短縮状態にする構造例を説明する。
伸長時には筒状支柱体同士をロックするロック機構でロックを掛けて固定し、回収時にはロック解除機構を外部から操作してロック機構のロックを解除して摺動可能とする。
図9は、実施例3にかかる伸長使用状態における吊下梯子100の構成例を模式的に示す図である。
図9(a)は伸長使用状態の吊下梯子100の正面図(作業者が昇降する面)を示している。図9(b)は同背面図である。掛け止め具170は背面側に付いており、掛け止め具170以外は正面と背面は同様で良い。
本発明の吊下梯子100は、実施例1の図1や実施例2の図5と同様、梯子基本部材101を基本単位として上下方向に複数個を連続的に組み合わせたものとなっており、梯子基本部材101の筒状支柱体110は筒軸線方向に入れ子状態で摺動可能に順次接続したものとなっている。
実施例1や実施例2で述べたように、筒状支柱体110は筒軸線方向に入れ子の接続は、下側に行くほど筒状支柱体110の径が大きくなる第1のパターンと、下側に行くほど筒状支柱体110の径が小さくなる第2のパターンがあるが、本実施例3のロック式の伸縮構造は、そのどちらでも適用可能である。ここでは一例として、実施例1に示したように下側に行くほど筒状支柱体110の径が大きくなる第1のパターンのものとして説明するが、第2のパターンであっても良い。
実施例3にかかる梯子基本部材101は、一対の筒状支柱体110と、筒状支柱体110の間に設けられた横桟120と、ロック機構130と、ロック解除機構140を備えた構造となっている。内側膨出部111や外側膨出部112は必須ではないが、設置しておいても良い。
吊下梯子100全体としては、基本構成単位である梯子基本部材101のほか、伸縮操作体150、掛止具170、把持部180を備えている。
この構成例では、基本単位の梯子基本部材101は8段で構成され、横桟の数で言えば最下段のものも含めて10段設けられている例である。この構成例では筒状支柱体110の上部には把持部180が設けられている。
以下、各構成要素を説明するが、この実施例3では、ロック式の伸縮構造、つまり、ロック機構130と、ロック解除機構140と、それらと伸縮操作体150との関係を中心に説明するものとし、実施例1や実施例2で説明したその他の構成要素についてはここでの説明を省略する。
ロック機構130は、各段の梯子基本部材101同士の連結部において、伸長使用状態となったことを契機として梯子基本部材101同士の摺動を一時的にロックするロック機構である。
ロック機構130は、最下段の固定横桟121を除く、各段の横桟120の内部に仕込まれている。
ロック解除機構140は、外部からの操作を契機としてロック機構130のロック状態を解除し、梯子基本部材同士を摺動可能にする機構である。
ロック解除機構140は、最下段の固定横桟121を除く、各段の横桟120の内部に仕込まれているが、ロック解除機構140のうち後述する図10および図11に示すレバー構造体141が横桟120の下面から突出する構造は、最下段の固定横桟121の2段上以上に設けられている。また、ロック解除機構140のうち後述する図12に示すレバー構造体141が横桟120の下面から突出しない構造は、最下段の固定横桟121の1段上にのみ設けられている。
図10は、吊下梯子100の展開時における、梯子基本部材101の接合部分のロック機構130によりロックが掛かる仕組みを簡単に示す図である。
図11は、吊下梯子100の回収時における、梯子基本部材101の接合部分のロック解除機構140によりロック機構130のロックを解除する仕組みを簡単に示す図である。
図12は、最下段のロック機構130を伸縮操作体150で操作してロックを解除する仕組みを簡単に示す図である。
なお、図10〜図12は、横桟120の左端部と対向する筒状支柱体110の一部が示されており、内部の構造が分かりやすいように一部が断面図で示されている。当段の筒状支柱体110の方がその径が大きくなっており、上段の筒状支柱体110は当段の筒状支柱体110の中に入れ子式で入り込んでいる。
なお、図示していないが、横桟120の右端部にも図10〜図12とは左右対称の同様の構造が設けられている。
ロック機構130およびロック解除機構140を説明する。
図10に示すように、横桟120の左端部の内部には、突出可能に付勢された嵌入ピン131と付勢バネ132が設けられており、筒状支柱体110の一部には、嵌入孔113が形成されている。このように、嵌入ピン131は左向きに付勢が付けられており、嵌入孔113の位置にくると突出して挿通可能に形成されている。
また、嵌入ピン131の一部には、ロック解除機構140が回動接合部143を介して回動可能に接続されている。嵌入ピン131の動作は左右水平方向にスライドする動作であるが、図11に示すように、ロック解除機構140は回動接合部143および回動軸142を介して垂直面内の回転動作に変換され、レバー構造体141が反時計回りに回転して下方に突出したり時計回りに回転して上方に収納されたりする動作となる。
まず、ロック機構130によりロックが掛かる仕組みを詳しく説明する。
図10(a)に示すように、梯子基本部材101が伸縮操作体150を緩めることにより下降して行く中、嵌入ピン131の先端が嵌入孔113に至ると、図10(b)に示すように、付勢バネ132の付勢力により嵌入ピン131が突出し、嵌入孔113に嵌入するようになっている。そのため、図10(b)に示すように、嵌入孔113がある位置に嵌入ピン131が来れば、付勢バネ132の付勢により嵌入ピン131が突出し、図10(c)に示すように、嵌入ピン131の先端が嵌入孔113内に嵌入し、梯子基本部材101が伸長使用状態において摺動不能に固定されることとなる。
この一連の動きの中で、ロック解除機構140は回動接合部143を介して嵌入ピン131と連動しており、回動軸142を支点として垂直方向に回転し、レバー構造体141が下方に突出する動作を行うようになっている。
なお、この図10は横桟1段分の動きのみを示しているが、吊下梯子100が伸縮操作体150の緩めにより最下段の梯子基本部材102が下降し、それに合わせて各段の梯子基本部材101が下降してゆく中、各段の横桟120において図10に示したロック機構130によるロックが次々と掛かって伸長使用状態となる。
次に、吊下梯子100の回収時の各段におけるロック解除機構140による横桟のロックを外す仕組みについて説明する。なお、最下段のロック機構130に対する伸縮操作体150を介したロック解除操作については後述する。
吊下梯子100の使用の終了時点では、図11(a)に示すように、付勢バネ132により嵌入ピン131が左側の筒状支柱体110の嵌入孔113に押し込まれた状態が維持され、ロックが掛かっている。
ここで、図11(b)に示すように、外部からレバー構造体141が上方に押し上げられる操作を契機として、ロック解除機構140が時計回りに回動軸142を中心として回転し、嵌入ピン131と連動している回動接合部143が梃子の作用点として中心側に移動し、嵌入ピン131が連動して中心側にスライド移動し、その結果、ロック機構130のロック状態が解除される。
ここで、図11(b)には図示されていないが、後述するように、下方から下段の横桟120が上昇してレバー構造体141に対して衝突することにより、レバー構造体141が上方に押し上げられる操作となる。
ロック解除機構140によりロック機構130のロックが解除されると、図11(c)に示すように、当段の横桟120は筒状支柱体110に対して摺動可能となる。ここでは、伸縮操作体150の引き上げが続いており、下方から上に引き上げる力が働いているので、そのまま当段の梯子基本部材101が上昇してゆく。
次に、最下段の固定横桟121の1段上の横桟120内にあるロック機構130に対する、伸縮操作体150を介したロック解除機構140によるロック解除の仕組みを説明する。ここで、最下段のロック機構130とそれに対応するロック解除機構140は、最下段の固定横桟121の1段上の横桟120に設けられている。
図12は、最下段のロック機構130に対する伸縮操作体150を介したロック機構130のロック解除の仕組みを簡単に示す図である。
図12(a)に示すように、左右一対の伸縮操作体150の先端は、最下段の梯子基本部材102の横桟120内に導かれた後、クロスして、左右反対側の嵌入ピン131に強固に連接されている。つまり、右側の伸縮操作体150は、右側の筒状体110の内部の中空を通って最下段の梯子基本部材102に到達した後、横桟120の内部を通って、左側の嵌入ピン131の根元に強固に連接されている。なお、左側の伸縮操作体150については図示していないが、その先端は右側の嵌入ピン131の根元に強固に連接されている。
この最下段のロック機構130に対するロックを解除する図12のロック解除機構140は、嵌入ピン131の端部における伸縮操作体150との接続構造となっている。
最下段のロック機構130に対するロック解除機構140を介して、図12(b)に示すように、それぞれの伸縮操作体150を中央側に引っ張ることにより両端の左右の嵌入ピン131をそれぞれ引き戻すことができ、ロック機構のロック状態を同時に解除できる構造となっている。
嵌入ピン131が外されると、図12(c)に示すように、最下段の梯子基本部材102は摺動可能となり、引き続き伸縮操作体150を引き続き引き上げ続けると、最下段の梯子基本部材102が上方へ摺動してゆく。
次に、実施例3にかかる吊下梯子100の利用の手順について図13および図14を参照しつつ説明する。
図13は、短縮収納状態にある吊下梯子100を吊下箇所に吊下して短縮収納状態から展開して伸長使用状態とする手順を説明する図である。
作業員等は、短縮収納状態にある本発明の吊下梯子100を運搬して吊下箇所に搬入し、作業個所となるマンホールの縁など吊下箇所において掛止具170を介して本発明の吊下梯子100を吊下する。
作業員は、図13(a)の状態に示すように、掛止具170を介して吊下している吊下梯子100の伸縮操作体150を緩めてゆく。
各段の梯子基本部材101は、まだロック機構130が作動していないため、筒状支柱体110同士が摺動し合い、重力により落下を開始して下方に伸長してゆく。
図13(b)は、伸縮操作体150を緩めて吊下梯子100を伸長してゆく途中段階の様子を示した図である。
各段の梯子基本部材101は伸縮操作体150の緩めに従って下方にスライドしてゆくが、その過程において、上段側にある梯子基本部材101から徐々にロック機構130のロックが掛かってゆく。つまり、筒状支柱体110同士の摺動により横桟120のロック機構130の嵌入ピン131が上段側の筒状支柱体110の嵌入孔113に到達すれば、図10(a)から図10(c)に示した流れに従って、嵌入ピン131が上段側の筒状支柱体110の嵌入孔113に突出して嵌入し、ロックがかかって固定されてゆく。
図13(c)は、すべての梯子基本部材101が伸長し、すべての横桟120の筒状支柱体110に対するロックがかかり、伸長使用状態となった様子を示す図である。
このように、図13(a)から図13(c)の流れに従って、短縮収納状態にある吊下梯子100が展開して伸長使用状態となる。
次に、作業個所における吊下梯子100の使用が終了し、伸長使用状態にある吊下梯子100を短縮収納状態にする手順を説明する。
図14は、伸長使用状態にある吊下梯子100を回収して短縮収納状態に変化させる手順を説明する図である。
作業員等は、マンホールなどの作業個所で吊下梯子100の使用が終了すれば、作業者全員が吊下梯子100を上って吊下箇所に移動した後、本発明の吊下梯子100を回収するべく、回収作業を始める。
作業員は、図14(a)の状態に示すように、吊下箇所において伸縮操作体150を操作して引く。図12に示した動作により、伸縮操作体150が接続されているロック機構130の嵌入ピン131が外れ、図12(a)から図12(c)に示すように、最下段の梯子基本部材102のロック機構130が外れ、最下段の梯子基本部材102が摺動可能となる。
図14(b)に示すように、最下段の梯子基本部材102が摺動して上昇し、1つ上段の横桟120の下面に突出していたレバー構造体141に衝突して押し上げ、ロック解除機構140の作動によりロック機構130のロックが外れる。
各段の梯子基本部材101のロック機構130のロックが解除されると、次々と梯子基本部材101が摺動可能となり、引き上げられて上昇してゆく。
図14(c)は、伸縮操作体150を引き上げて吊下梯子100を短縮してゆく途中段階の様子を示した図である。
各段の梯子基本部材101は伸縮操作体150の引き上げに従って上方にスライドして上昇してゆくが、その過程において、1つ上段側にある梯子基本部材101のロック解除機構140によりロック機構130のロックを次々と外してゆく。つまり、図11(a)から図11(c)に示した流れに従って、筒状支柱体110同士の摺動により横桟120の上面が、1つ上段の横桟120の下面から突出しているレバー構造体141を押し上げてロック機構130のロックを外してゆく。
図14(d)は、すべての梯子基本部材101が短縮し、短縮収納状態となった様子を示す図である。
このように、図14(a)から図14(d)の流れに従って、伸長使用状態にある吊下梯子100が収縮して短縮収納状態となる。
以上、本発明の好ましい実施例を図示して説明してきたが、本発明の技術的範囲を逸脱することなく種々の変更が可能であることは理解されるであろう。従って本発明の技術的範囲は添付された特許請求の範囲の記載によってのみ限定されるものである。
本発明の吊下梯子は、マンホールなどの作業個所で吊下する作業用の吊下梯子として、また、列車の車両の異常事態における車両から脱出する避難用の吊下梯子や、マンションやホテルなどのベランダから異常時に避難する避難用の吊下梯子として広く適用することができる。
100 吊下梯子
110 筒状支柱体
120 横桟
130 ロック機構
140 ロック解除機構
150 伸縮操作体
170 掛止具
180 把持部

Claims (10)

  1. 所定の間隔を隔てて互いに平行に配置された一対の筒状支柱体と前記筒状支柱体の間に設けられた横桟を備えた梯子基本部材を基本単位とし、前記梯子基本部材同士が前記筒状支柱体の筒軸線方向に入れ子状態で摺動可能に順次接続したものであり、前記梯子基本部材が摺動収納された短縮収納状態と、前記梯子基本部材が摺動伸長した伸長使用状態を持つ伸縮式の梯子本体と、
    前記梯子基本部材のうち前記摺動可能の最下段の前記梯子基本部材に接続され、前記最下段の梯子基本部材の昇降操作を介して前記梯子本体の伸縮を操作できるよう配線された伸縮操作体と、
    前記梯子本体を吊下箇所に対して吊り下げて掛け止めする掛止具を備え、
    前記伸縮操作体が、前記梯子本体の前記筒状支柱体の中空の内部を通り、前記最下段の前記梯子基本部材にまで到達するよう配線されていることを特徴とする伸縮可能な吊下梯子。
  2. 前記伸縮操作体の前記配線が、前記梯子本体の前記筒状支柱体の中空の内部を通り、上段に対して摺動可能な前記最下段の前記梯子基本部材の一部に接続されたものであることを特徴とする請求項1に記載の伸縮可能な吊下梯子。
  3. 前記伸縮操作体が左右1本ずつあり、前記伸縮操作体の前記配線が、左右各々の前記伸縮操作体が前記梯子本体の左右各々の前記筒状支柱体の中空の内部を通り、上段に対して摺動可能な前記最下段の前記梯子基本部材の横桟の中で左右が結ばれるよう接続されたものであることを特徴とする請求項1に記載の伸縮可能な吊下梯子。
  4. 前記梯子基本部材同士の前記筒状支柱体が筒軸線方向に入れ子状態で摺動可能に順次接続されている構造において、前記筒状支柱体の径が上段よりも下段の方が大きくなっていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の伸縮可能な吊下梯子。
  5. 当段と下段の前記梯子基本部材同士が摺動して前記伸長使用状態になったときに、前記当段の前記梯子基本部材の前記筒状支柱体の外壁面の一部と、前記下段の前記梯子基本部材の前記筒状支柱体の内壁面の一部が当接し合って前記梯子基本部材同士を摺動方向に摺動不能に係止する係止機構を備え、
    伸長時は、前記掛止具を介して前記吊下箇所に吊り下げると各段の前記梯子基本部材同士が摺動して下方に伸長し、前記係止機構によって前記伸長使用状態で固定され、
    回収時は、前記伸縮操作体の引き上げにより摺動可能な前記最下段の前記梯子基本部材から順次引き上げられ、前記係止機構が係止する方向とは逆の方向に前記梯子基本部材同士が摺動して下段から順々と前記梯子本体を前記短縮収納状態に変化させてゆくことが可能であることを特徴とする請求項4に記載の伸縮可能な伸縮可能な吊下梯子。
  6. 当段と下段の前記梯子基本部材同士が摺動して前記伸長使用状態になったことを契機として前記梯子基本部材同士を一時的に摺動不能に固定するロック機構と、
    外部からの操作を契機として前記ロック機構のロック状態を解除し、当段と下段の前記梯子基本部材同士を摺動可能にするロック解除機構と、
    前記掛止具を介して前記吊下箇所に吊り下げると各段の前記梯子基本部材同士が摺動して下方に伸長し、前記ロック機構によって前記伸長使用状態で固定され、前記ロック解除機構により解除された段の前記梯子基本部材同士が摺動可能となり前記伸長使用状態から前記短縮収納状態に変化し、
    前記ロック解除機構への外部からの前記操作が、前記伸縮操作体の引き上げにより前記最下段の前記ロック解除機構の解除操作を行い、前記最下段の前記横桟のロックを解除して摺動可能とし、前記最下段の梯子基本部材から順次引き上げられ、上段の前記ロック解除機構への衝突による前記ロック機構のロック解除を繰り返し、下段から順々と前記梯子本体を前記短縮収納状態に変化させてゆくことが可能であることを特徴とする請求項4に記載の伸縮可能な伸縮可能な吊下梯子。
  7. 前記梯子基本部材同士の前記筒状支柱体が筒軸線方向に入れ子状態で摺動可能に順次接続されている構造において、前記筒状支柱体の径が上段よりも下段の方が小さくなっていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の伸縮可能な吊下梯子。
  8. 当段と下段の前記梯子基本部材同士が摺動して前記伸長使用状態になったときに、前記当段の前記梯子基本部材の前記筒状支柱体の内壁面の一部と、前記下段の前記梯子基本部材の前記筒状支柱体の外壁面の一部が当接し合って前記梯子基本部材同士を摺動方向に摺動不能に係止する係止機構を備え、
    伸長時は、前記掛止具を介して前記吊下箇所に吊り下げると各段の前記梯子基本部材同士が摺動して下方に伸長し、前記係止機構によって前記伸長使用状態で固定され、
    回収時は、前記伸縮操作体の引き上げにより摺動可能な前記最下段の前記梯子基本部材から順次引き上げられ、前記係止機構が係止する方向とは逆の方向に前記梯子基本部材同士が摺動して下段から順々と前記梯子本体を前記短縮収納状態に変化させてゆくことが可能であることを特徴とする請求項7に記載の伸縮可能な伸縮可能な吊下梯子。
  9. 当段と下段の前記梯子基本部材同士が摺動して前記伸長使用状態になったことを契機として前記梯子基本部材同士を一時的に摺動不能に固定するロック機構と、
    外部からの操作を契機として前記ロック機構のロック状態を解除し、当段と下段の前記梯子基本部材同士を摺動可能にするロック解除機構と、
    前記掛止具を介して前記吊下箇所に吊り下げると各段の前記梯子基本部材同士が摺動して下方に伸長し、前記ロック機構によって前記伸長使用状態で固定され、前記ロック解除機構により解除された段の前記梯子基本部材同士が摺動可能となり前記伸長使用状態から前記短縮収納状態に変化し、
    前記ロック解除機構への外部からの前記操作が、前記伸縮操作体の引き上げにより前記最下段の前記ロック解除機構の解除操作を行い、前記最下段の前記横桟のロックを解除して摺動可能とし、前記最下段の梯子基本部材から順次引き上げられ、上段の前記ロック解除機構への衝突による前記ロック機構のロック解除を繰り返し、下段から順々と前記梯子本体を前記短縮収納状態に変化させてゆくことが可能であることを特徴とする請求項7に記載の伸縮可能な伸縮可能な吊下梯子。
  10. 前記ロック機構が、付勢バネと前記付勢バネで付勢が付けられて摺動する嵌入ピンであって、前記梯子基本部材の前記筒状支柱体の所定箇所に穿たれている嵌入孔に対して嵌入することで前記ロック状態となり、前記嵌入孔から抜けることで前記ロック解除状態となる構造であり、
    前記ロック解除機構が、前記横桟の下面に組み込まれて突出し、前記ロック機構の前記嵌入ピンの動きと連動するレバー構造体であり、前記嵌入ピンが前記嵌入孔に対して嵌入する方向に動けば前記レバー構造体が下方に向けて突出し、前記レバー構造体を前記横桟の下面に押し込めば前記嵌入ピンが前記嵌入孔から抜け出る方向に動くよう連動することを特徴とする請求項6または9に記載の伸縮可能な伸縮可能な吊下梯子。
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