JP2019112021A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】バットレス領域のプロテクション効果を高めて耐外傷性を向上できる空気入りタイヤを提供する。【解決手段】トレッド部3のショルダー領域3Sからタイヤ幅方向外側に延びてサイドウォール部2のバットレス領域2Bに至る複数本のラグ溝8と、その複数本のラグ溝8によって区画されたブロックとを備える。ラグ溝8によって区画されたブロックは、ショルダーブロック31とバットレスブロック21とを含む。複数本のラグ溝8のうち少なくとも一部のラグ溝8Aは、バットレスブロック21の上端位置からバットレスブロック21のタイヤ径方向長さL21の50%となる位置よりもタイヤ径方向内側に設けられた連結部23で終端している。連結部23のタイヤ径方向位置には、サイドウォール部の外表面を基準としたバットレスブロック21の隆起高さが最大となる段差24が設けられている。【選択図】図2

Description

本発明は、泥濘地や岩場などの悪路での走行を目的とした空気入りタイヤに関する。
泥濘地や岩場などの悪路での走行性能の向上を目的として、サイドウォール部のバットレス領域に複数のバットレスブロックを配列した空気入りタイヤが知られている。このようなバットレスブロックを備えたタイヤでは、悪路を走行する場面で剪断抵抗によるトラクションを発生する効果(トラクション効果)が得られるため、悪路走破性が向上する。また、バットレスブロックが設けられていることにより、岩肌の角張った部分などの外傷因子をサイドウォール部の外表面から遠ざける効果(プロテクション効果)が得られ、耐外傷性が向上する。
特許文献1,2には、それぞれバットレスブロックを横切って環状に延びる環状リブを備えた空気入りタイヤが記載されている。また、特許文献3では、環状リブがバットレスブロックの上端位置に設けられている。一般に、サイドウォール部の外表面を基準としたバットレスブロックの隆起高さは環状リブで最も高く、バットレスブロックは、一定の隆起高さでまたは隆起高さを漸減させながらタイヤ径方向内側に向かって延在する。本発明者は、バットレスブロックの下端位置の周辺において、サイドウォール部の外表面が露出しているにも関わらず、バットレスブロックの隆起高さが然程大きくないことに着目し、これを改善することでプロテクション効果を高める余地があることを見出した。
特開2017−124733号公報 特開2015−168301号公報 特許6194984号公報
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、バットレス領域のプロテクション効果を高めて耐外傷性を向上できる空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的は、下記の如き本発明により達成することができる。即ち、本発明に係る空気入りタイヤは、一対のビード部と、その一対のビード部の各々からタイヤ径方向外側に延びる一対のサイドウォール部と、その一対のサイドウォール部の各々のタイヤ径方向外側端に連なるトレッド部と、前記トレッド部のショルダー領域からタイヤ幅方向外側に延びて前記サイドウォール部のバットレス領域に至る複数本のラグ溝と、その複数本のラグ溝によって区画されたブロックとを備え、前記ブロックは、前記ショルダー領域に設けられたショルダーブロックと、前記バットレス領域に設けられたバットレスブロックとを含み、前記複数本のラグ溝のうち少なくとも一部のラグ溝は、そのラグ溝で区画された一対のバットレスブロックを互いに連結する連結部で終端し、前記バットレスブロックの上端位置から前記バットレスブロックのタイヤ径方向長さの50%となる位置よりもタイヤ径方向内側に前記連結部が設けられており、前記連結部のタイヤ径方向位置に、前記サイドウォール部の外表面を基準とした前記バットレスブロックの隆起高さが最大となる段差または突起が設けられているものである。
かかる構成によれば、バットレスブロックの下端位置の周辺において、サイドウォール部の外表面の露出が連結部により減少する。更に、岩場などの悪路を走行する場面では、バットレスブロックの隆起高さが最大となる段差または突起が、他の部位よりも先に外傷因子に接触しやすくなり、サイドウォール部の外表面から外傷因子を的確に遠ざけることができる。その結果、バットレス領域のプロテクション効果が高められて耐外傷性が向上する。
前記バットレス領域に、前記バットレスブロックを横切ってタイヤ周方向に沿って環状に延びた環状リブが設けられており、前記環状リブからタイヤ径方向内側に離れて前記連結部が設けられているものでもよい。これにより、バットレスブロックの下端位置の周辺において、上記の如くプロテクション効果を高めて耐外傷性を向上できる。
前記連結部が、前記バットレスブロックの下端位置に設けられていることが好ましい。これにより、バットレスブロックの下端位置において、上記の如くプロテクション効果を高めて耐外傷性を向上できる。
前記連結部で終端した一本または二本の前記ラグ溝と、前記連結部で終端していない一本または二本のラグ溝とが、タイヤ周方向に交互に配置されていることが好ましい。これにより、連結部で終端しているラグ溝とそうでないラグ溝とが適度に混在し、トラクション効果とプロテクション効果をバランス良く発揮できる。
前記連結部のタイヤ径方向長さが前記バットレスブロックのタイヤ径方向長さの30〜50%であることが好ましい。この比が30%以上であることにより、連結部のタイヤ径方向長さが適度に確保され、プロテクション効果を高めるうえで有効である。また、この比が80%以下であることにより、連結部のタイヤ径方向長さが必要以上に大きくなり過ぎず、バットレスブロックによるトラクション効果を発揮するうえで好ましい。
本発明に係る空気入りタイヤの一例を概略的に示すタイヤ子午線半断面図 図1の空気入りタイヤのショルダー領域とバットレス領域を概略的に示す展開図 図2のA−A断面を示す概略図 図2のB−B断面を示す概略図 図2のC−C断面を示す概略図 図2のD−D断面を示す概略図 本発明の別実施形態に係るバットレス領域を示す展開図 図4のE−E断面を示す概略図 本発明の別実施形態に係るバットレス領域を示す展開図 本発明の別実施形態に係るバットレス領域を示す断面図
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る空気入りタイヤの一例を概略的に示すタイヤ子午線半断面図であり、図2のC−C断面に相当する。図2は、その空気入りタイヤのショルダー領域とバットレス領域を概略的に示す展開図である。図2では、左右方向がタイヤ周方向、下方向がタイヤ幅方向外側、上方向がタイヤ幅方向内側となる。図3A〜3Dは、それぞれ図2のA−A,B−B,C−C,D−D断面を示す概略図である。
空気入りタイヤTは、泥濘地や岩場を含む悪路での走行を目的としたオフロード用空気入りラジアルタイヤである。図1に示すように、この空気入りタイヤTは、一対のビード部1と、その一対のビード部1の各々からタイヤ径方向外側に延びる一対のサイドウォール部2と、その一対のサイドウォール部2の各々のタイヤ径方向外側端に連なるトレッド部3とを備える。ビード部1には、鋼線等の収束体をゴム被覆してなる環状のビードコア1aと、ビードコア1aのタイヤ径方向外側に配置されたビードフィラー1bとが設けられている。
空気入りタイヤTは、更に、一対のビード部1の間に設けられたカーカス4と、トレッド部3においてカーカス4の外周側に設けられたベルト5と、空気圧保持のためにカーカス4の内周側に設けられたインナーライナー6とを備える。カーカス4は、全体としてトロイド状をなし、その端部がビードコア1aとビードフィラー1bを挟み込むようにして巻き上げられている。ベルト5は、内外に積層された2枚のベルトプライを含む。ベルト5の外周側にはトレッドゴム30が設けられている。インナーライナー6は、空気が充填されるタイヤTの内部空間に面する。サイドウォール部2では、インナーライナー6がカーカス4の内周側に直接的に貼り付けられており、それらの間に他の部材は介在していない。
図1,2に示すように、トレッドゴム30の表面には、タイヤ周方向に沿って延びた複数本の主溝7と、タイヤ周方向と交差する方向に延びた複数本のラグ溝8とが設けられている。ラグ溝8は、タイヤ周方向に間隔を置いて複数配置されている。空気入りタイヤTは、トレッド部3のショルダー領域3Sからタイヤ幅方向外側に延びてサイドウォール部2のバットレス領域2Bに至る複数本のラグ溝8と、その複数本のラグ溝8によって区画されたブロックとを備える。このラグ溝8で区画されたブロックは、ショルダー領域3Sに設けられたショルダーブロック31と、バットレス領域2Bに設けられたバットレスブロック21とを含む。ショルダーブロック31及びバットレスブロック21は、それぞれタイヤ周方向に間隔を置いて複数配置されている。
ショルダー領域3Sは、トレッド部3においてショルダー主溝71よりもタイヤ幅方向外側となる領域である。ショルダー主溝71は、複数本の主溝7の中で最もタイヤ幅方向外側に位置する。ショルダーブロック31は、そのショルダー主溝71のタイヤ幅方向外側に設けられている。本実施形態では、相対的にタイヤ幅方向内側の位置にエッジを有するショルダーブロック31aと、相対的にタイヤ幅方向外側の位置にエッジを有するショルダーブロック31bとをタイヤ周方向に交互に配置した、いわゆるスタッガードショルダーを採用している。かかる構成によれば、ショルダーブロック31aよりも外側にエッジを突き出したショルダーブロック31bの剪断抵抗によるトラクションを発生して、悪路走破性を向上できる。
バットレス領域2Bは、サイドウォール部2のタイヤ径方向外側の領域、より詳しくはタイヤ最大幅位置10よりもタイヤ径方向外側の領域であって、平坦な舗装路での通常走行時には接地しない部分である。泥濘地や砂場のような軟弱路では、車両の重みによりタイヤが沈むため、バットレス領域2Bが擬似的に接地する。タイヤ最大幅位置10は、タイヤTのプロファイルラインがタイヤ幅方向においてタイヤ赤道TEから最も離れる位置である。タイヤTのプロファイルラインは、リムプロテクタ11などの突起物を除いたサイドウォール部2の外表面となる輪郭線であり、通常、複数の円弧を滑らかに接続することで規定される子午線断面形状を持つ。
図2及び図3A〜3Dに示すように、バットレスブロック21は、ショルダーブロック31のタイヤ幅方向外側に配置され、タイヤ径方向に沿って延在している。バットレスブロック21は、タイヤTのプロファイルラインに沿ったサイドウォール部2の外表面2aから隆起している。バットレスブロック21の下端位置P2は、タイヤ最大幅位置10よりもタイヤ径方向外側に配置されている。下端位置P2は、バットレスブロック21の頂面におけるタイヤ径方向内側端である。下端位置P2からタイヤ最大幅位置10までのタイヤ径方向距離Dcは、例えば0〜30mmである。
本実施形態では、ショルダーブロック31aのタイヤ幅方向外側に配置されたバットレスブロック21aと、ショルダーブロック31bのタイヤ幅方向外側に配置されたバットレスブロック21bとがタイヤ周方向に交互に配置されている。図示されていない部分においても、この二種のバットレスブロック21a,21bがタイヤ周方向に並んでおり、それらの配列体が環状ブロック列20を構成している。但し、環状ブロック列20を構成するバットレスブロックは二種に限られず、三種以上であっても構わない。
本実施形態のタイヤTでは、このような複数のバットレスブロック21が設けられていることにより、泥濘地や岩場などの悪路を走行する場面では、バットレスブロック21の剪断抵抗によるトラクション効果を発揮して悪路走破性を向上できる。また、バットレスブロック21が設けられていることにより、岩肌の角張った部分などの外傷因子をサイドウォール部2の外表面2aから遠ざけるプロテクション効果を発揮し、耐外傷性を向上できる。
図2のように、複数本のラグ溝8のうち少なくとも一部のラグ溝8Aは、そのラグ溝8Aで区画された一対のバットレスブロック21,21(即ち、バットレスブロック21aとバットレスブロック21b)を互いに連結する連結部23で終端している。連結部23は、図3Bのようにサイドウォール部2の外表面2aから隆起している。本実施形態では、複数本のラグ溝8が、連結部23で終端しているラグ溝8Aと、連結部23で終端していないラグ溝8Bとを含む。ラグ溝8Aは連結部23によって閉鎖されているのに対し、ラグ溝8Bは閉鎖されておらず、下端位置P2においてタイヤ径方向内側に開放されている。
連結部23は、その連結部23により連結されたバットレスブロック21の上端位置P1からバットレスブロック21のタイヤ径方向長さL21の50%となる位置Xよりもタイヤ径方向内側に設けられている(図3C参照)。上端位置P1は、バットレスブロック21の頂面におけるタイヤ径方向外側端である。長さL21は、上端位置P1から下端位置P2までのタイヤ径方向距離として求められる。上端位置P1から位置Xまでのタイヤ径方向長さLXは、長さL21の50%である。位置Xを定めるうえで、ラグ溝で区画された一対のバットレスブロックのタイヤ径方向長さが互いに異なる場合は、相対的に大きい方のタイヤ径方向長さ(本実施形態では、バットレスブロック21bのタイヤ径方向長さL21)が採用される。
このタイヤTでは、連結部23のタイヤ径方向位置に、サイドウォール部2の外表面2aを基準としたバットレスブロック21の隆起高さが最大となる段差24が設けられている。外表面2aを基準とした段差24の隆起高さH24は、その他の部位におけるバットレスブロック21の隆起高さH21よりも大きい。本実施形態では、バットレスブロック21の隆起高さがタイヤ径方向に沿って変化しており、具体的には後述する環状リブ22からタイヤ径方向内側に向かって緩やかに漸減しているが、その隆起高さが最大となる部位(以下、隆起高さの最大部位)が段差24によって連結部23のタイヤ径方向位置に設けられている。段差24は、連結部23を含んで、その連結部23からタイヤ周方向両側に帯状に延びている。
このような連結部23がバットレス領域2Bに設けられていることにより、位置Xよりもタイヤ径方向内側の領域において、言わばバットレスブロック21の下端位置P2の周辺において、サイドウォール部2の外表面2aの露出が減少する。更に、岩場などの悪路を走行する場面では、バットレスブロック21の隆起高さが最大となる段差24が、他の部位よりも先に外傷因子に接触しやすくなり、サイドウォール部2の外表面2aから外傷因子を的確に遠ざけることができる。その結果、バットレス領域2Bのプロテクション効果が高められて耐外傷性が向上する。かかる改善効果を確保する観点から、段差24の隆起高さH24は0.5〜5mmが好ましい。
本実施形態では、バットレス領域2Bに、バットレスブロック21を横切ってタイヤ周方向に沿って環状に延びた環状リブ22が設けられており、その環状リブ22からタイヤ径方向内側に離れて連結部23が設けられている。環状リブ22は、バットレスブロック21と同様に外表面2aから隆起している。本実施形態において、環状リブ22の断面形状は、頂面が平坦な山状をなし、より具体的には、斜面が緩やかに湾曲して括れた成層火山状をなす。但し、これに限られず、頂面が平坦な矩形状や台形状、或いは頂面が先細りとなる三角形状など、他の形状を採用しても構わない。外表面2aを基準にした環状リブ22の隆起高さH22は、例えば5mm以上であり、好ましくは8mm以上である。隆起高さH22は、隆起高さH21よりも大きいが、隆起高さH24に比べると小さい。
環状リブ22は、例えば、図1に示した距離Daが20〜40mmの範囲内となる位置に設定される。距離Daは、タイヤTの最外径位置35から環状リブ22の頂面のタイヤ径方向外側縁までのタイヤ径方向距離として求められる。また、環状リブ22は、例えば、図1に示した距離Dbがタイヤ断面半幅HWの75%以上となる位置に設定される。距離Dbは、タイヤ赤道TEから環状リブ22の頂面のタイヤ径方向外側縁までのタイヤ幅方向距離として求められる。タイヤ断面半幅HWは、タイヤ赤道TEからタイヤ最大幅位置10までのタイヤ幅方向距離として求められる。
本実施形態では、連結部23が、バットレスブロック21の下端位置P2に設けられている。このため、そうでない場合に比べて、バットレスブロック21の隆起高さの最大部位がタイヤ最大幅位置10の近くに設けられる。タイヤ最大幅位置10の周辺では、サイドウォール部2が特に撓みやすく、外傷によるクラックが伸展しやすいことから、タイヤ最大幅位置10の近くに隆起高さの最大部位を設けて外傷因子を遠ざけることにより、プロテクション効果を適切に高めて耐外傷性を十分に向上できる。但し、これに限られるものではなく、下端位置P2からタイヤ径方向外側に少し離れて連結部23が設けられていてもよい。
図2のように、複数本のラグ溝8のうち、連結部23で終端しているラグ溝8A以外のラグ溝8Bは連結部23で終端していない。連結部23がプロテクション効果を高めるのに対し、ラグ溝8Aよりもエッジ成分を多く含むラグ溝8Bはトラクション効果を発揮するうえで有用である。本実施形態では、その連結部23で終端している一本のラグ溝8Aと、連結部23で終端していない一本のラグ溝8Bとが、タイヤ周方向に交互に配置されている。これにより、ラグ溝8Aとラグ溝8Bとが適度に混在し、トラクション効果とプロテクション効果をバランス良く発揮できる。かかる改善効果を得るうえで、連結部23で終端している一本または二本のラグ溝8Aと、連結部23で終端していない一本または二本のラグ溝8Bとがタイヤ周方向に交互に配置されていることが好ましい。
本実施形態では、ラグ溝8Aとラグ溝8Bとが混在している例を示したが、これに限られず、複数本のラグ溝8が、いずれも連結部23で終端しているラグ溝8Aであっても構わない。この場合、タイヤ周方向に沿って連結部23が連続的に延在することから、タイヤ周方向の何処の位置においても優れたプロテクション効果を発揮して、耐外傷性を大幅に向上できる。
連結部23のタイヤ径方向長さL23は、バットレスブロック21のタイヤ径方向長さL21の30%以上であることが好ましい。これにより、連結部23の長さが適度に確保され、プロテクション効果を高めるうえで有効である。また、その長さL23は、長さL21の50%以下であることが好ましい。これにより、連結部23の長さが必要以上に大きくなり過ぎず、バットレスブロック21によるトラクション効果を発揮するうえで好ましい。本実施形態では、連結部23のタイヤ径方向長さL23が、環状リブ22のタイヤ径方向長さL22よりも大きい。
上述した各寸法値は、タイヤを正規リムに装着して正規内圧を充填した無負荷の正規状態で測定したものである。正規リムとは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば "Design Rim"、或いはETRTOであれば "Measuring Rim" とする。また、正規内圧とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" とする。
上記の如き環状ブロック列20は、少なくとも片側のサイドウォール部2に形成されていればよいが、バットレス領域のプロテクション効果とデコレーション効果をより良好に向上する観点から、両側のサイドウォール部2に形成されていることが好ましい。
図4以降で説明する実施形態は、以下に説明する構成の他は、前述の実施形態と同様の構成であるため、共通点を省略して主に相違点について説明する。前述の実施形態で説明した部位と同一の部位には、同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
図4の例では、上述した段差24に代えて、連結部23のタイヤ径方向位置に、サイドウォール部2の外表面2aを基準としたバットレスブロック21の隆起高さが最大となる突起25が設けられている。バットレスブロック21の隆起高さの最大部位は、突起25によって連結部23のタイヤ径方向位置に設けられている。図5のように、外表面2aを基準とした突起25の隆起高さH25は、その他の部位におけるバットレスブロック21の隆起高さH21よりも大きく、環状リブ22の隆起高さH22よりも大きい。突起25は、連結部23で連結された一対のバットレスブロック21,21に亘ってタイヤ周方向に延びている。突起25のタイヤ径方向長さは、連結部23のタイヤ径方向長さL23(図2、3C参照)よりも小さい。
悪路を走行する場面では、突起25が他の部位よりも先に外傷因子に接触しやすくなり、サイドウォール部2の外表面2aから外傷因子を的確に遠ざけて耐外傷性を向上できる。図4のように一つの突起25が設けられている構成に限られず、図6のように複数の突起26が設けられていてもよい。突起26は、タイヤ周方向に間隔を置いて複数配置されている。図6のF−F断面は、図5と略同じなので省略する。本実施形態では、突起26が円柱形状であるが、これに限られず、三角柱や四角柱などの柱形状、円錐や三角錐、四角錐などの錐体形状、切り株形状、半球形状など、他の形状でもよい。
また、図7のように、前述の実施形態で示した段差24の上に突起26(または突起25)を設けることも可能である。この場合、バットレスブロック21の隆起高さの最大部位は、突起26によって設けられる。したがって、段差24の隆起高さが環状リブ22などの隆起高さよりも小さくて構わない。
本発明に係る空気入りタイヤは、サイドウォール部のバットレス領域を上記の如く構成したこと以外は、通常の空気入りタイヤと同等に構成できる。したがって、従来公知の材料、形状、構造、製法などは、いずれも本発明に採用できる。
本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能である。
1 ビード部
2 サイドウォール部
2a サイドウォール部の外表面
2B バットレス領域
3 トレッド部
3S ショルダー領域
8 ラグ溝
20 環状ブロック列
21 バットレスブロック
22 環状リブ
23 連結部
24 段差
25 突起
26 突起
31 ショルダーブロック

Claims (5)

  1. 一対のビード部と、その一対のビード部の各々からタイヤ径方向外側に延びる一対のサイドウォール部と、その一対のサイドウォール部の各々のタイヤ径方向外側端に連なるトレッド部と、前記トレッド部のショルダー領域からタイヤ幅方向外側に延びて前記サイドウォール部のバットレス領域に至る複数本のラグ溝と、その複数本のラグ溝によって区画されたブロックとを備え、
    前記ブロックは、前記ショルダー領域に設けられたショルダーブロックと、前記バットレス領域に設けられたバットレスブロックとを含み、
    前記複数本のラグ溝のうち少なくとも一部のラグ溝は、そのラグ溝で区画された一対のバットレスブロックを互いに連結する連結部で終端し、前記バットレスブロックの上端位置から前記バットレスブロックのタイヤ径方向長さの50%となる位置よりもタイヤ径方向内側に前記連結部が設けられており、
    前記連結部のタイヤ径方向位置に、前記サイドウォール部の外表面を基準とした前記バットレスブロックの隆起高さが最大となる段差または突起が設けられている空気入りタイヤ。
  2. 前記バットレス領域に、前記バットレスブロックを横切ってタイヤ周方向に沿って環状に延びた環状リブが設けられており、前記環状リブからタイヤ径方向内側に離れて前記連結部が設けられている請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記連結部が、前記バットレスブロックの下端位置に設けられている請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記連結部で終端した一本または二本の前記ラグ溝と、前記連結部で終端していない一本または二本のラグ溝とが、タイヤ周方向に交互に配置されている請求項1〜3いずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記連結部のタイヤ径方向長さが前記バットレスブロックのタイヤ径方向長さの30〜50%である請求項1〜4いずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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