JP2019109538A - イエロートナーの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】顔料の分散性に優れるため画像濃度が高く、カブリの発生が少ないイエロートナーを提供する。【解決手段】本発明のイエロートナーは、結着樹脂及びイエロー顔料を少なくとも含有するイエロートナーであって、前記結着樹脂は、スチレン系単量体単位67〜88質量%と(メタ)アクリル酸アルキル単量体単位12〜33質量%とを含む共重合体であり、前記スチレン系単量体単位は、スチレン、ビニルトルエン、メチルスチレン、及びエチルスチレンからなる群より選ばれる少なくとも1種の単量体に係る単量体単位であり、前記(メタ)アクリル酸アルキル単量体単位は、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、及びメタクリル酸ジメチルアミノエチルからなる群より選ばれる少なくとも1種の単量体に係る単量体単位であり、前記イエロー顔料の含有量は、前記結着樹脂100質量部に対して3〜15質量部であり、前記イエロー顔料9質量部、スチレン72質量部及びアクリル酸n−ブチル28質量部からなる混合液の水に対する界面張力が5〜19mN/mであることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、複写機、ファクシミリ、及びプリンター等の、電子写真法を利用した画像形成装置の現像に用いることができるイエロートナーに関するものである。
電子写真装置や静電記録装置等の画像形成装置において、感光体上に形成される静電潜像は、先ず、トナーにより現像される。次いで、形成されたトナー像は、必要に応じて紙等の転写材上に転写された後、加熱、加圧または溶剤蒸気等の種々の方式により定着される。
このような画像形成装置において、デジタルフルカラー複写機やデジタルフルカラープリンターが実用化され始めている。デジタルフルカラー複写機は、カラー画像原稿を、ブルー、グリーン及びレッドの各フィルターで色分解した後、オリジナルのカラー原稿に対応した20〜70μmのドット径からなる静電潜像を、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各トナーを用いて現像し、減色混合作用を利用してフルカラー画像を形成する。各色のフルカラー用トナーには、正確な色合の再現が可能となるように同程度の着色力が求められるが、フルカラー用トナーの中でも特にイエロートナーは、着色力が低いことが問題であった。
そこで、着色力向上のために、イエロー顔料の選定を行う方法として、例えば特許文献1及び2に記載されているような、スチレンに顔料を分散させた液の水に対する界面張力を測定する方法が提案されている。
特許文献1には、イエロートナーの製造に、重合性単量体(スチレン等)、イエロー顔料、ワックス、樹脂a(ビニル系共重合体等)及び樹脂b(ポリエステル樹脂等)を含む重合性単量体組成物を用いることが記載されている。特許文献1においては、重合性単量体組成物の油滴を水系媒体中で形成し、前記重合性単量体を重合しトナー粒子を合成するに当たり、上記各材料のスチレン分散液又はスチレンの水に対する界面張力(mN/m)が下記の通り規定されている。
界面張力(スチレン)>界面張力(イエロー顔料)>界面張力(樹脂b) 式I
界面張力(スチレン)>界面張力(樹脂a)>界面張力(樹脂b) 式II
0≦|界面張力(イエロー顔料)−界面張力(樹脂a)|≦10.0 式III
5.0≦界面張力(スチレン)−界面張力(樹脂b)≦17.0 式IV
特許文献1の発明においては、上記式I及びIIを満たすように材料を選択することにより、重合性単量体組成物の油滴において、樹脂bにより最外殻を形成することを目的としている。また、当該発明においては、上記式III及びIVを満たすように材料を選択することにより、重合性単量体組成物の油滴中において樹脂aがイエロー顔料の分散性を高めることを目的としている。
特許文献2には、重合性単量体(スチレン等)、イエロー着色剤(イエロー顔料及びC.I.ソルベントイエロー98)、及びワックスを含む重合性単量体組成物を用いることが記載されている。特許文献2においては、重合性単量体組成物の油滴を水系媒体中で形成し、前記重合性単量体を重合しトナー粒子を合成するに当たり、イエロー着色剤中の各材料の水に対する界面張力(mN/m)を下記の通り規定している。
3.0≦(B−A)≦15.0 式V
(上記式V中、界面張力Aはイエロー顔料をスチレンに分散させた分散液の水に対する界面張力を示し、界面張力BはC.I.ソルベントイエロー98をスチレンに溶解させた溶解液の水に対する界面張力を示す。)
特許文献2の発明においては、上記式Vを満たすようにイエロー着色剤を選択することにより、重合性単量体組成物の油滴中でイエロー顔料と染料(C.I.ソルベントイエロー98)とが層分離を起こしたり、当該油滴中でイエロー顔料が凝集したりすることなく、当該油滴中の重合性単量体の重合反応が完了するまでイエロー顔料の分散状態を維持することを目的としている。
特開2011−215179号公報 特開2013−113981号公報
しかしながら、特許文献1及び2に開示された方法により選定した顔料においても、顔料分散性が低いためイエロートナーの着色力が不足し、画像濃度が低いという問題があった。
特許文献1及び2に開示された方法においては、トナー材料の選択に当たり、スチレンの水に対する界面張力や、トナー材料のスチレン分散液の水に対する界面張力が使用されている。しかし、特許文献1及び2には、重合性単量体として、スチレンの他にも、メチルスチレン等の他のスチレン系単量体、メタクリル酸メチル等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体、シクロヘキセン等のエン系単量体が開示されている。特に(メタ)アクリル酸エステル系単量体の様に極性の高い単量体をスチレンと共に用いる場合には、スチレンのみを用いる場合と比較して、水に対する界面張力が相対的に低くなる。また、水系媒体中において、スチレンは極性の高い単量体より油滴の内側に凝集しやすいため、極性の高い単量体を用いることにより、油滴内部の重合性単量体の分布状態も変化する。したがって、スチレンやスチレン分散液の界面張力を用いた上記式I〜式Vは、実際の重合性単量体組成物の油滴の状態を正確に記述するものとはいえない。
本発明の課題は、上記問題を解決し、顔料の分散性に優れるため画像濃度が高く、カブリの発生が少ないイエロートナーを提供することである。
本発明者は、顔料分散液中のアクリル酸エステルの比率が高まる程、顔料分散性が悪化することを見出し、油滴内外における界面相互作用について鋭意検討を行った。その結果、顔料分散性を界面張力によって評価する際に、評価用の分散液の組成を、トナー粒子製造に使用する重合性単量体の組成により近付けることで、顔料分散性に優れるイエロー顔料が選択できることに着目した。すなわち、スチレン、アクリル酸n−ブチル、及びイエロー顔料を特定の割合で含む混合液の水に対する界面張力が、特定の範囲内に収まるイエロー顔料を使用することで、上記の問題を解決できることを見出した。
即ち、本発明によれば、結着樹脂及びイエロー顔料を少なくとも含有するイエロートナーであって、前記結着樹脂は、スチレン系単量体単位67〜88質量%と(メタ)アクリル酸アルキル単量体単位12〜33質量%とを含む共重合体であり、前記スチレン系単量体単位は、スチレン、ビニルトルエン、メチルスチレン、及びエチルスチレンからなる群より選ばれる少なくとも1種の単量体に係る単量体単位であり、前記(メタ)アクリル酸アルキル単量体単位は、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、及びメタクリル酸ジメチルアミノエチルからなる群より選ばれる少なくとも1種の単量体に係る単量体単位であり、前記イエロー顔料の含有量は、前記結着樹脂100質量部に対して3〜15質量部であり、前記イエロー顔料9質量部、スチレン72質量部及びアクリル酸n−ブチル28質量部からなる混合液の水に対する界面張力が5〜19mN/mであることを特徴とするイエロートナーが提供される。
本発明においては、前記イエロー顔料が、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー155、及びC.I.ピグメントイエロー180からなる群より選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。
上記の如き本発明によれば、特定の組成の重合性単量体単位を特定の範囲内で含む共重合体である結着樹脂、及び特定の組成を有する顔料分散液の水に対する界面張力が特定の範囲内であるイエロー顔料を用いることにより、画像濃度が高く、かつ高温高湿(H/H)環境下におけるカブリ発生の少ないイエロートナーが提供される。
本発明のイエロートナーは、結着樹脂及びイエロー顔料を少なくとも含有するイエロートナーであって、前記結着樹脂は、スチレン系単量体単位67〜88質量%と(メタ)アクリル酸アルキル単量体単位12〜33質量%とを含む共重合体であり、前記スチレン系単量体単位は、スチレン、ビニルトルエン、メチルスチレン、及びエチルスチレンからなる群より選ばれる少なくとも1種の単量体に係る単量体単位であり、前記(メタ)アクリル酸アルキル単量体単位は、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、及びメタクリル酸ジメチルアミノエチルからなる群より選ばれる少なくとも1種の単量体に係る単量体単位であり、前記イエロー顔料の含有量は、前記結着樹脂100質量部に対して3〜15質量部であり、前記イエロー顔料9質量部、スチレン72質量部及びアクリル酸n−ブチル28質量部からなる混合液の水に対する界面張力が5〜19mN/mであることを特徴とする。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル酸アルキル」との表現は、アクリル酸アルキルとメタクリル酸アルキルの両方を意味するものとする。
以下、本発明のイエロートナー(以下、単に「トナー」と称することがある。)について説明する。
本発明のイエロートナーは、少なくとも、結着樹脂及びイエロー顔料を含有する。
以下、着色樹脂粒子の製造方法、当該製造方法により得られる着色樹脂粒子、当該着色樹脂粒子と外添剤の混合方法及び本発明のトナーについて、順に説明する。
1.着色樹脂粒子の製造方法
一般に、着色樹脂粒子の製造方法は、粉砕法等の乾式法、並びに乳化重合凝集法、懸濁重合法、及び溶解懸濁法等の湿式法に大別され、画像再現性等の印字特性に優れたトナーが得られ易いことから湿式法が好ましい。湿式法の中でも、ミクロンオーダーで比較的小さい粒径分布を持つトナーを得やすいことから、乳化重合凝集法、及び懸濁重合法等の重合法が好ましく、重合法の中でも懸濁重合法がより好ましい。
上記乳化重合凝集法は、乳化させた重合性単量体を重合し、樹脂微粒子エマルションを得て、着色剤分散液等と凝集させ、着色樹脂粒子を製造する。また、上記溶解懸濁法は、結着樹脂や着色剤等のトナー成分を有機溶媒に溶解又は分散した溶液を水系媒体中で液滴形成し、当該有機溶媒を除去して着色樹脂粒子を製造する方法であり、それぞれ公知の方法を用いることができる。
本発明の着色樹脂粒子は、湿式法、または乾式法を採用して製造することが出来る。湿式法の中でも好ましい懸濁重合法を採用し、以下のようなプロセスにより行われる。
(A)懸濁重合法
(A−1)重合性単量体組成物の調製工程
まず、重合性単量体、及びイエロー顔料、さらに必要に応じて添加される離型剤等のその他の添加物を混合し、重合性単量体組成物の調製を行う。重合性単量体組成物を調製する際の混合には、例えば、メディア式分散機を用いる。
本発明において重合性単量体とは、重合可能な官能基を有するモノマーのことをいい、重合性単量体が重合して結着樹脂となる。重合性単量体としては、主にスチレン系単量体及び(メタ)アクリル酸アルキル単量体を用いる。
スチレン系単量体としては、スチレン、ビニルトルエン、メチルスチレン、及びエチルスチレンを使用する。これらの単量体は、1種類のみ使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中でも、スチレン、ビニルトルエン、及びメチルスチレンのうち少なくともいずれか1つを使用することが好ましく、スチレンを使用することがより好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキル単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、及びメタクリル酸ジメチルアミノエチルを使用する。これらの単量体は、1種類のみ使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中でも、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチルのうち少なくともいずれか1つを使用することが好ましく、アクリル酸n−ブチルを使用することがより好ましい。
結着樹脂は、少なくとも上記スチレン系単量体単位67〜88質量%と、(メタ)アクリル酸アルキル単量体単位12〜33質量%とを含む共重合体である。スチレン系単量体単位が67質量%未満の場合、及び(メタ)アクリル酸アルキル単量体単位が33質量%を超える場合には、(メタ)アクリル酸アルキル単量体単位に対しスチレン系単量体単位の割合が少なすぎるため、得られるトナーが耐熱保存性に劣るおそれがある。一方、スチレン系単量体単位が88質量%を超える場合、及び(メタ)アクリル酸アルキル単量体単位が12質量%未満の場合には、(メタ)アクリル酸アルキル単量体単位に対しスチレン系単量体単位の割合が多すぎるため、得られるトナーが低温定着性に劣るおそれがある。
得られるトナーの耐熱保存性および低温定着性をバランスよく良好に保つ観点から、前記結着樹脂を構成する共重合体中、上記スチレン系単量体単位の含有割合としては、好ましくは70〜85質量%、より好ましくは70〜80質量%、さらに好ましくは71〜77質量%であり、上記(メタ)アクリル酸アルキル単量体単位の含有割合としては、好ましくは15〜30質量%、より好ましくは20〜30質量%、さらに好ましくは23〜29質量%である。
結着樹脂の製造には、スチレン系単量体及び(メタ)アクリル酸アルキル単量体以外の重合性単量体を用いてもよい。このような重合性単量体として、モノビニル単量体を使用することが好ましい。モノビニル単量体としては、例えば、アクリル酸、及びメタクリル酸;アクリロニトリル、及びメタクリロニトリル等のニトリル化合物;アクリルアミド、及びメタクリルアミド等のアミド化合物;エチレン、プロピレン、及びブチレン等のオレフィン;が挙げられる。これらのモノビニル単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。ただし、モノビニル単量体を用いる場合には、スチレン系単量体及び(メタ)アクリル酸アルキル単量体の総使用量を100質量%としたとき、モノビニル単量体を3質量%以下とすることが好ましい。
ホットオフセット改善及び保存性改善のために、スチレン系単量体及び(メタ)アクリル酸アルキル単量体とともに、任意の架橋性の重合性単量体を用いることが好ましい。架橋性の重合性単量体とは、2つ以上の重合可能な官能基を持つモノマーのことをいう。架橋性の重合性単量体としては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、及びこれらの誘導体等の芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジメタクリレート、及びジエチレングリコールジメタクリレート等の2個以上の水酸基を持つアルコールに炭素−炭素二重結合を有するカルボン酸が2つ以上エステル結合したエステル化合物;N,N−ジビニルアニリン、及びジビニルエーテル等の、その他のジビニル化合物;3個以上のビニル基を有する化合物;等を挙げることができる。これらの架橋性の重合性単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明では、架橋性の重合性単量体を、スチレン系単量体及び(メタ)アクリル酸アルキル単量体の総使用量100質量部に対して、通常、0.1〜5質量部、好ましくは0.3〜2質量部の割合で用いることが望ましい。
また、さらに、重合性単量体の一部として、マクロモノマーを用いると、得られるトナーの保存性と低温での定着性とのバランスが良好になるので好ましい。マクロモノマーは、分子鎖の末端に重合可能な炭素−炭素不飽和二重結合を有するもので、数平均分子量が、通常、1,000〜30,000の反応性の、オリゴマー又はポリマーである。マクロモノマーは、スチレン系単量体及び(メタ)アクリル酸アルキル単量体を重合して得られる重合体のガラス転移温度(以下、「Tg」と称することがある。)よりも、高いTgを有する重合体を与えるものが好ましい。
マクロモノマーは、スチレン系単量体及び(メタ)アクリル酸アルキル単量体の総使用量100質量部に対して、好ましくは0.03〜5質量部、さらに好ましくは0.05〜1質量部用いることが望ましい。
本発明においては、イエロー顔料として、当該イエロー顔料9質量部、スチレン72質量部及びアクリル酸n−ブチル28質量部からなる混合液の水に対する界面張力が5〜19mN/mであるものを用いることが主な特徴の1つである。
ここで、イエロー顔料9質量部、スチレン72質量部及びアクリル酸n−ブチル28質量部からなる混合液(以下、顔料分散液と称する場合がある。)とは、特定の組成の重合性単量体組成物を模擬したものであり、かつ界面張力の測定及び評価に用いるものである。スチレン及びアクリル酸n−ブチルの水溶性は低いため、このような顔料分散液につき水に対する界面張力を測定することによって、顔料分散液における主にイエロー顔料の親水性を測定することができる。
顔料分散液の水に対する界面張力の値が5mN/mより小さい場合には、結着樹脂に対するイエロー顔料の親水性が高すぎるため、当該イエロー顔料をトナーに使用した際、イエロー顔料によるトナー表層への露出が抑制しきれず、トナーの粒度分布が広がる結果、得られるトナーの体積平均粒径が目的とする粒径よりもずれる。また、イエロー顔料の親水性が高い場合には、得られるトナーの画像濃度が劣り、高温高湿環境下にてカブリが生じやすくなる。
一方、顔料分散液の水に対する界面張力の値が19mN/mよりも大きい場合には、結着樹脂に対するイエロー顔料の親水性が低すぎるため、イエロー顔料がトナー粒子内部に埋もれやすくなり、その結果画像濃度に劣る。
顔料分散液の水に対する界面張力は、7〜17mN/mであることが好ましく、10〜15mN/mであることがより好ましい。
顔料分散液の界面張力を調整する手段としては、イエロー顔料の種類を変更する、イエロー顔料に表面処理を行う、等が挙げられる。
イエロー顔料に表面処理を行う方法としては、例えばロジンを用いる方法がある。具体的にロジンを用いてイエロー顔料を表面処理する方法としては、(1)ロジンとイエロー顔料を乾式混合した後、必要に応じて溶融混練等の熱処理を施す乾式混合法、(2)顔料製造時のイエロー顔料の合成溶液中にロジンのアルカリ水溶液を加えた後、カルシウム、バリウム、ストロンチウム、又はマンガン等のレーキ金属塩を添加し、ロジンを不溶化することでイエロー顔料表面に被覆処理を施す湿式処理等が挙げられる。
また、イエロー顔料の結晶構造や一次粒径によっても、界面張力を制御することが可能である。
イエロー顔料の種類に応じて、これらの表面処理の処理剤量や処理時間などを変更することで、処理度合いを調整することが出来、適切な親水性の顔料を得ることが出来る。
顔料分散液の水に対する界面張力の測定方法としては、従来から知られている方法を用いることができる。例えば、固液界面解析装置(協和界面科学(株)製、製品名:Drop Master 501)を用いて、イオン交換水中で顔料分散液の液滴を作製し、かつ当該液滴について水に対する界面張力を測定及び計算することができる。測定温度は室温(15〜30℃)とすればよい。
本発明に使用できるイエロー顔料としては、例えば、モノアゾ顔料、及びジスアゾ顔料等のアゾ系顔料、縮合多環系顔料等の化合物が用いられ、C.I.ピグメントイエロー3、12、13、14、15、17、62、65、73、74、83、93、97、120、138、155、180、181、185、186、及び213等が挙げられる。
これらの中でも、本発明に使用されるイエロー顔料は、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー155、及びC.I.ピグメントイエロー180からなる群より選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。
本発明においては、イエロー顔料は、それぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて使用できる。イエロー顔料の含有量は、重合性単量体100質量部に対して、3〜15質量部である。
重合性単量体100質量部に対して、イエロー顔料が3質量部未満である場合には、着色力が低くなり、画像濃度が低下する。また、重合性単量体100質量部に対して、イエロー顔料が15質量部を超える場合には、低温定着性が低下したり、印字耐久性が低下したりする。
重合性単量体100質量部に対して、イエロー顔料の量は4〜12質量部であることがより好ましく、5〜9質量部であることがさらに好ましい。
その他の添加物として、定着時におけるトナーの定着ロールからの離型性を改善する観点から、重合性単量体組成物に離型剤を添加することができる。離型剤としては、一般にトナーの離型剤として用いられるものであれば、特に制限無く用いることができる。
離型剤は、エステルワックス及び炭化水素系ワックスの少なくともいずれか1つを含有することが好ましい。これらのワックスを離型剤として使用することにより、低温定着性と保存性とのバランスを好適にすることができる。
本発明において離型剤として好適に用いられるエステルワックスは、多官能エステルワックスがより好適であり、例えば、ペンタエリスリトールテトラパルミネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールテトラステアレート等のペンタエリスリトールエステル化合物;ヘキサグリセリンテトラベヘネートテトラパルミネート、ヘキサグリセリンオクタベヘネート、ペンタグリセリンヘプタベヘネート、テトラグリセリンヘキサベヘネート、トリグリセリンペンタベヘネート、ジグリセリンテトラベヘネート、グリセリントリベヘネート等のグリセリンエステル化合物;ジペンタエリスリトールヘキサミリステート、ジペンタエリスリトールヘキサパルミネート等のジペンタエリスリトールエステル化合物;等が挙げられ、中でもジペンタエリスリトールエステル化合物が好ましく、また、ジペンタエリスリトールヘキサミリステートがより好ましい。
本発明において離型剤として好適に用いられる炭化水素系ワックスは、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、フィッシャートロプシュワックス、石油系ワックス等が挙げられ、中でも、フィッシャートロプシュワックス、石油系ワックスが好ましく、石油系ワックスがより好ましい。
炭化水素系ワックスの数平均分子量は、300〜800であることが好ましく、400〜600であることがより好ましい。また、JIS K2235 5.4で測定される炭化水素系ワックスの針入度は、1〜10であることが好ましく、2〜7であることがより好ましい。
上記離型剤の他にも、例えば、ホホバ等の天然ワックス;オゾケライト等の鉱物系ワックス;等を用いることができる。
離型剤は、上述した1種又は2種以上のワックスを組み合わせて用いてもよい。
上記離型剤は、スチレン系単量体及び(メタ)アクリル酸アルキル単量体の総使用量100質量部に対して、好ましくは0.1〜30質量部用いられ、更に好ましくは1〜20質量部用いられる。
その他の添加物として、トナーの帯電性を向上させるために、正帯電性又は負帯電性の帯電制御剤を用いることができる。
帯電制御剤としては、一般にトナー用の帯電制御剤として用いられているものであれば、特に限定されないが、帯電制御剤の中でも、重合性単量体との相溶性が高く、安定した帯電性(帯電安定性)をトナー粒子に付与させることができることから、正帯電性又は負帯電性の帯電制御樹脂が好ましく、さらに、正帯電性トナーを得る観点からは、正帯電性の帯電制御樹脂がより好ましく用いられる。
正帯電性の帯電制御剤としては、ニグロシン染料、4級アンモニウム塩、トリアミノトリフェニルメタン化合物及びイミダゾール化合物、並びに、好ましく用いられる帯電制御樹脂としてのポリアミン樹脂、並びに4級アンモニウム基含有共重合体、及び4級アンモニウム塩基含有共重合体等が挙げられる。
負帯電性の帯電制御剤としては、Cr、Co、Al、及びFe等の金属を含有するアゾ染料、サリチル酸金属化合物及びアルキルサリチル酸金属化合物、並びに、好ましく用いられる帯電制御樹脂としてのスルホン酸基含有共重合体、スルホン酸塩基含有共重合体、カルボン酸基含有共重合体及びカルボン酸塩基含有共重合体等が挙げられる。
本発明では、帯電制御剤を、スチレン系単量体及び(メタ)アクリル酸アルキル単量体の総使用量100質量部に対して、通常、0.01〜10質量部、好ましくは0.03〜8質量部の割合で用いることが望ましい。帯電制御剤の添加量が、0.01質量部未満の場合にはカブリが発生することがある。一方、帯電制御剤の添加量が10質量部を超える場合には印字汚れが発生することがある。
また、その他の添加物として、重合して結着樹脂となる重合性単量体を重合する際に、分子量調整剤を用いることが好ましい。
分子量調整剤としては、一般にトナー用の分子量調整剤として用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、及び2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン−4−チオール等のメルカプタン類;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、N,N’−ジメチル−N,N’−ジフェニルチウラムジスルフィド、N,N’−ジオクタデシル−N,N’−ジイソプロピルチウラムジスルフィド等のチウラムジスルフィド類;等が挙げられる。これらの分子量調整剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明では、分子量調整剤を、スチレン系単量体及び(メタ)アクリル酸アルキル単量体の総使用量100質量部に対して、通常0.01〜10質量部、好ましくは0.1〜5質量部の割合で用いることが望ましい。
(A−2)懸濁液を得る懸濁工程(液滴形成工程)
本発明では、少なくとも重合性単量体、及びイエロー顔料を含む重合性単量体組成物を、好ましくは分散安定化剤を含む水系媒体中に分散させ、重合開始剤を添加した後、重合性単量体組成物の液滴形成を行うことが好ましい。液滴形成の方法は特に限定されないが、例えば、(インライン型)乳化分散機(太平洋機工社製、商品名:マイルダー)、高速乳化分散機(プライミクス株式会社製、商品名:T.K.ホモミクサー MARK II型)等の強攪拌が可能な装置を用いて行う。
重合開始剤としては、過硫酸カリウム、及び過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩:4,4’−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;ジ−t−ブチルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシジエチルアセテート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルブタノエート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、及びt−ブチルパーオキシイソブチレート等の有機過酸化物等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中で、残留重合性単量体を少なくすることができ、印字耐久性も優れることから、有機過酸化物を用いるのが好ましい。
有機過酸化物の中でも、開始剤効率がよく、残留する重合性単量体も少なくすることができることから、パーオキシエステルが好ましく、非芳香族パーオキシエステルすなわち芳香環を有しないパーオキシエステルがより好ましい。
重合開始剤は、前記のように、重合性単量体組成物が水系媒体中へ分散された後、液滴形成前に添加されても良いが、水系媒体中へ分散される前の重合性単量体組成物へ添加されても良い。
重合性単量体組成物の重合に用いられる、重合開始剤の添加量は、スチレン系単量体及び(メタ)アクリル酸アルキル単量体の総使用量100質量部に対して、好ましくは0.1〜20質量部であり、さらに好ましくは0.3〜15質量部であり、特に好ましくは1〜10質量部である。
本発明において、水系媒体は、水を主成分とする媒体のことを言う。
本発明において、水系媒体には、分散安定化剤を含有させることが好ましい。分散安定化剤としては、例えば、硫酸バリウム、及び硫酸カルシウム等の硫酸塩;炭酸バリウム、炭酸カルシウム、及び炭酸マグネシウム等の炭酸塩;リン酸カルシウム等のリン酸塩;酸化アルミニウム、及び酸化チタン等の金属酸化物;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、及び水酸化第二鉄等の金属水酸化物;等の無機化合物や、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、及びゼラチン等の水溶性高分子;アニオン性界面活性剤;ノニオン性界面活性剤;両性界面活性剤;等の有機化合物が挙げられる。上記分散安定化剤は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記分散安定化剤の中でも、無機化合物、特に難水溶性の金属水酸化物のコロイドが好ましい。無機化合物、特に難水溶性の金属水酸化物のコロイドを用いることにより、着色樹脂粒子の粒径分布を狭くすることができ、また、洗浄後の分散安定化剤残存量を少なくできるため、得られるトナーが画像を鮮明に再現することができ、且つ環境安定性に優れたものとなる。
(A−3)重合工程
上記(A−2)のようにして、液滴形成を行い、得られた水系分散媒体を加熱し、重合を開始し、着色樹脂粒子の水分散液を形成する。
重合性単量体組成物の重合温度は、好ましくは50℃以上であり、更に好ましくは60〜95℃である。また、重合の反応時間は好ましくは1〜20時間であり、更に好ましくは2〜15時間である。
着色樹脂粒子は、そのまま、もしくは、外添剤を添加して重合トナーとして用いてもよいが、この着色樹脂粒子をコア層とし、その外側にコア層と異なるシェル層を作ることで得られる、所謂コアシェル型(又は、「カプセル型」ともいう)の着色樹脂粒子とすることが好ましい。コアシェル型の着色樹脂粒子は、低軟化点を有する物質よりなるコア層を、それより高い軟化点を有する物質で被覆することにより、定着温度の低温化と保存時の凝集防止とのバランスを取ることができる。
上述した、上記着色樹脂粒子を用いて、コアシェル型の着色樹脂粒子を製造する方法としては特に制限はなく、従来公知の方法によって製造することができる。in situ重合法や相分離法が、製造効率の点から好ましい。
in situ重合法によるコアシェル型の着色樹脂粒子の製造法を以下に説明する。
着色樹脂粒子が分散している水系分散媒体中に、シェル層を形成するための重合性単量体(シェル用重合性単量体)と重合開始剤を添加し、重合することでコアシェル型の着色樹脂粒子を得ることができる。
シェル用重合性単量体としては、前述の重合性単量体と同様なものが使用できる。その中でも、スチレン、アクリロニトリル、及びメチルメタクリレート等の、Tgが80℃を超える重合体が得られる単量体を、単独であるいは2種以上組み合わせて使用することが好ましい。
シェル用重合性単量体の重合に用いる重合開始剤としては、過硫酸カリウム、及び過硫酸アンモニウム等の、過硫酸金属塩;2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)、及び2,2’−アゾビス−(2−メチル−N−(1,1−ビス(ヒドロキシメチル)2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)等の、アゾ系開始剤;等の水溶性重合開始剤を挙げることができる。これらは、それぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。重合開始剤の量は、シェル用重合性単量体100質量部に対して、好ましくは、0.1〜30質量部、より好ましくは1〜20質量部である。
シェル層の重合温度は、好ましくは50℃以上であり、更に好ましくは60〜95℃である。また、重合の反応時間は好ましくは1〜20時間であり、更に好ましくは2〜15時間である。
(A−4)洗浄、ろ過、脱水、及び乾燥工程
重合により得られた着色樹脂粒子の水分散液は、重合終了後に、常法に従い、ろ過、分散安定化剤の除去を行う洗浄、脱水、及び乾燥の操作が、必要に応じて数回繰り返されることが好ましい。
上記の洗浄の方法としては、分散安定化剤として無機化合物を使用した場合、着色樹脂粒子の水分散液への酸、又はアルカリの添加により、分散安定化剤を水に溶解し除去することが好ましい。分散安定化剤として、難水溶性の無機水酸化物のコロイドを使用した場合、酸を添加して、着色樹脂粒子水分散液のpHを6.5以下に調整することが好ましい。添加する酸としては、硫酸、塩酸、及び硝酸等の無機酸、並びに蟻酸、及び酢酸等の有機酸を用いることができるが、除去効率の大きいことや製造設備への負担が小さいことから、特に硫酸が好適である。
脱水、ろ過の方法は、種々の公知の方法等を用いることができ、特に限定されない。例えば、遠心ろ過法、真空ろ過法、加圧ろ過法等を挙げることができる。また、乾燥の方法も、特に限定されず、種々の方法が使用できる。
(B)粉砕法
粉砕法を採用して着色樹脂粒子を製造する場合、以下のようなプロセスにより行われる。
まず、結着樹脂、及びイエロー顔料、さらに必要に応じて添加される離型剤等のその他の添加物を混合機、例えば、ボールミル、V型混合機、FMミキサー(:商品名、日本コークス工業社製)、高速ディゾルバ、インターナルミキサー等を用いて混合する。次に、上記により得られた混合物を、加圧ニーダー、二軸押出混練機、ローラ等を用いて加熱しながら混練する。得られた混練物を、ハンマーミル、カッターミル、ローラミル等の粉砕機を用いて、粗粉砕する。更に、ジェットミル、高速回転式粉砕機等の粉砕機を用いて微粉砕した後、風力分級機、気流式分級機等の分級機により、所望の粒径に分級して粉砕法による着色樹脂粒子を得る。
なお、粉砕法で用いる結着樹脂、及びイエロー顔料、さらに必要に応じて添加される離型剤等のその他の添加物は、前述の(A)懸濁重合法で挙げたものを用いることができる。また、粉砕法により得られる着色樹脂粒子は、前述の(A)懸濁重合法により得られる着色樹脂粒子と同じく、in situ重合法等の方法によりコアシェル型の着色樹脂粒子とすることもできる。
結着樹脂としては、他にも、従来からトナーに広く用いられている樹脂を使用することができる。粉砕法で用いられる結着樹脂としては、具体的には、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、ポリエステル樹脂、及びエポキシ樹脂等を例示することができる。
2.着色樹脂粒子
上述の(A)懸濁重合法、又は(B)粉砕法等の製造方法により、着色樹脂粒子が得られる。
以下、トナーを構成する着色樹脂粒子について述べる。なお、以下で述べる着色樹脂粒子は、コアシェル型のものとそうでないもの両方を含む。
上述の製造方法で作製された着色樹脂粒子では、結着樹脂100質量部に対し3〜15質量部のイエロー顔料が含有される。
着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)は、好ましくは4〜12μmであり、更に好ましくは5〜10μmである。Dvが4μm未満である場合には、トナーの流動性が低下し、転写性が悪化したり、画像濃度が低下したりする場合がある。Dvが12μmを超える場合には、画像の解像度が低下する場合がある。
また、着色樹脂粒子は、その体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が、好ましくは1.00〜1.30であり、更に好ましくは1.00〜1.25である。Dv/Dnが1.30を超える場合には、転写性、画像濃度及び解像度の低下が起こる場合がある。着色樹脂粒子の体積平均粒径、及び個数平均粒径は、例えば、粒度分析計(ベックマン・コールター製、商品名:マルチサイザー)等を用いて測定することができる。
3.着色樹脂粒子と外添剤の混合方法
上述した着色樹脂粒子はそのままトナーとして使用することもできるが、外添剤と共に混合攪拌することにより、着色樹脂粒子の表面に、外添剤を均一かつ好適に付着添加(外添)させた状態で、トナーとして使用することが好ましい。なお、1成分トナーは、さらにキャリア粒子と共に混合攪拌して2成分トナーとしてもよい。
外添処理を行う攪拌機は、着色樹脂粒子の表面に外添剤を付着させることができる攪拌装置であれば特に限定されず、例えば、FMミキサー(:商品名、日本コークス工業社製)、スーパーミキサー(:商品名、川田製作所社製)、Qミキサー(:商品名、日本コークス工業社製)、メカノフュージョンシステム(:商品名、ホソカワミクロン社製)、及びメカノミル(:商品名、岡田精工社製)等の混合攪拌が可能な攪拌機を用いて外添処理を行うことができる。
外添剤としては、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化錫、炭酸カルシウム、燐酸カルシウム、及び酸化セリウム等からなる無機微粒子;ポリメタクリル酸メチル樹脂、シリコーン樹脂、及びメラミン樹脂等からなる有機微粒子;等が挙げられる。これらの中でも、無機微粒子が好ましく、無機微粒子の中でも、シリカ及び酸化チタンが好ましく、特にシリカからなる微粒子が好適である。
なお、これらの外添剤は、それぞれ単独で用いることもできるが、2種以上を併用して用いることができる。中でも粒径の異なる2種以上のシリカを併用することが好ましい。
本発明では、外添剤を、着色樹脂粒子100質量部に対して、通常、0.05〜6質量部、好ましくは0.2〜5質量部の割合で用いることが望ましい。外添剤の添加量が0.05質量部未満の場合には転写残が発生することがある。外添剤の添加量が6質量部を超える場合にはカブリが発生することがある。
本発明に係るイエロートナーは、特定の組成の重合性単量体単位を特定の範囲内で含む共重合体である結着樹脂、及び特定組成の顔料分散液の水に対する界面張力が5〜19mN/mであるイエロー顔料を用いることにより、画像濃度が高く、かつ高温高湿(H/H)環境下におけるカブリを抑えることができる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。なお、部及び%は、特に断りのない限り質量基準である。
本実施例及び比較例において行った試験方法は以下のとおりである。
1.界面張力の測定
市販のイエロー顔料につき疎水化処理又は親水化処理を行うことにより、親水性を調整したイエロー顔料1〜9を含有する特性組成の評価用顔料分散液について、以下の方法により界面張力を測定した。
スチレン72部、アクリル酸n−ブチル28部、及び各イエロー顔料9部を、メディア式分散機を用いて湿式粉砕し、得られた顔料分散液について、水に対する界面張力を測定した。
具体的には、まず温度25℃の環境下にて固液界面解析装置(協和界面科学(株)製、製品名:Drop Master 501)を用い、レンズ部の視野としてWIDE2にて測定した。針は鉛直方向上向きのものを用い、針の内径をサンプルにより適宜変更し、針の先端部分をイオン交換水に入れた。次に、針をシリンジ部に接続した。シリンジ部には測定する顔料分散液を脱気した状態で入れた。シリンジ部より顔料分散液を針から押し出すことによって、イオン交換水内で針先端部に液滴を作製した。そして、この液滴の形状から水との界面張力を計算した。液滴を作製する上での制御や計算方法については、測定解析システム(協和界面科学(株)製)を用いて行った。なお、計算に必要な水と顔料分散液の密度差は0.10g/cmとして行った。最終的な界面張力の測定結果は、10回の測定値の平均値とした。得られた界面張力の結果は下記表1の通りである。
Figure 2019109538
2.イエロートナーの製造
[実施例1]
スチレンが75部及びアクリル酸n−ブチルが25部、ポリメタクリル酸エステルマクロモノマー(東亜合成化学工業社製、商品名:AA6、Tg=94℃)が0.3部、ジビニルベンゼンが0.6部、t−ドデシルメルカプタンが1.6部、並びにイエロー顔料1が6.0部となるように混合し、メディア式分散機を用いて湿式粉砕した。湿式粉砕により得られた混合物に、帯電制御樹脂(藤倉化成社製、商品名:アクリベースFCA−207P)1部と脂肪酸エステルワックス(日油社製、商品名:WEP7)6部を添加し、混合、溶解して、重合性単量体組成物を調製した。
他方、攪拌槽において、室温下で、イオン交換水220部に塩化マグネシウム10.6部を溶解した水溶液に、イオン交換水50部に水酸化ナトリウム5.9部を溶解した水溶液を、攪拌下で徐々に添加して、水酸化マグネシウムコロイド分散液を調製した。
上記により得られた水酸化マグネシウムコロイド分散液(水酸化マグネシウムコロイド量6.0部)に、室温下で、上記重合性単量体組成物を投入し、さらに液滴が安定するまで攪拌して、そこに重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート5部を添加した。重合開始剤を添加した分散液を、インライン型乳化分散機(太平洋機工社製、商品名:マイルダーMDN303V)により、回転数15,000rpmにて高剪断攪拌して、重合性単量体組成物の液滴を形成した。
上記により得られた重合性単量体組成物の液滴が分散した懸濁液(重合性単量体組成物分散液)を、攪拌翼を装着した反応器内に投入し、90℃に昇温し、重合反応を開始させた。重合転化率がほぼ100%に達したときに、反応器内にメチルメタクリレート(シェル用重合性単量体)2部、及びイオン交換水20部に溶解した2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド)(シェル用重合開始剤、和光純薬社製、商品名:VA−086、水溶性)0.1部を反応器に添加した。その後、95℃まで昇温させて、4時間、95℃で維持して、重合を継続した後、水冷して反応を停止し、着色樹脂粒子の水分散液を得た。
上記により得られた着色樹脂粒子の水分散液を、室温下で、攪拌しながら硫酸を滴下し、pHが6.5以下となるまで酸洗浄を行った。次いで、濾過分離を行い、得られた固形分にイオン交換水500部を加えて再スラリー化させて、水洗浄処理(洗浄、濾過、及び脱水)を数回繰り返し行った。次いで、濾過分離を行い、得られた固形分を乾燥機の容器内に入れ、45℃で48時間乾燥を行い、乾燥した着色樹脂粒子を得た。
得られた着色樹脂粒子100部に、疎水化処理された個数平均一次粒径7nmのシリカ微粒子0.6部と疎水化処理された個数平均一次粒径35nmのシリカ微粒子1部とを添加し、高速攪拌機(日本コークス社製、商品名:FMミキサー)を用いて混合し、外添処理を行い、体積平均粒径Dvが7.6μm、粒径分布Dv/Dnが1.22のイエロートナー1を作製した。試験結果を表2に示す。
[実施例2〜5、及び比較例1〜4]
実施例1において、イエロー顔料1をイエロー顔料2〜9に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例2〜5、及び比較例1〜4のイエロートナーを得た。
[実施例6]
実施例1において、スチレン及びアクリル酸n−ブチルの添加量をスチレン85部及びアクリル酸n−ブチル15部に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例6のイエロートナーを得た。
[実施例7]
実施例1において、スチレン及びアクリル酸n−ブチルの添加量をスチレン70部及びアクリル酸n−ブチル30部に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例7のイエロートナーを得た。
[比較例5]
実施例6において、イエロー顔料1をイエロー顔料7に変更した以外は、実施例6と同様にして比較例5のイエロートナーを得た。
[比較例6]
実施例7において、イエロー顔料1をイエロー顔料7に変更した以外は、実施例7と同様にして比較例6のイエロートナーを得た。
3.着色樹脂粒子及びトナーの特性評価
実施例1〜実施例7及び比較例1〜比較例6、並びにトナーに使用した着色樹脂粒子について、特性を調べた。詳細は以下の通りである。評価結果を表2に示す。
3−1.粒径測定
イエロートナーの体積平均粒径Dv、個数平均粒径Dn、及び粒径分布Dv/Dnは粒径測定機(ベックマン・コールター社製、商品名:マルチサイザー)により測定した。このマルチサイザーによる測定は、アパーチャー径:100μm、分散媒体:アイソトンII(:商品名)、濃度10%、測定粒子個数:100,000個の条件で行った。
具体的には、トナーサンプル0.2gをビーカーに取り、その中に分散剤としてアルキルベンゼンスルホン酸水溶液(富士フィルム社製、商品名:ドライウェル)を加えた。そこへ、更に分散媒体を2mL加え、トナーを湿潤させた後、分散媒体を10mL加え、超音波分散器で1分間分散させてから上記の粒径測定器による測定を行った。
3−2.画像濃度
市販の非磁性一成分現像方式のプリンター(印刷速度:20枚/分)にイエロートナーを入れ、温度23℃及び湿度50%の環境下で、複写紙上に50mm×50mmの正方形のベタ印字を行った。その際、現像バイアス電圧を変化させて、複写紙上のイエロートナーの量である、現像量M/Aを変化させた。現像量M/Aについては、未定着画像をプリンターより取り出し、複写紙上に現像されたイエロートナーをエアーにて吹き飛ばし、吹き飛ばし前後の複写紙の質量に基づき下記式より計算した。
M/A(mg/cm)=(W1−W2)/25cm
W1=重合トナー吹き飛ばし前の複写紙の質量(mg)
W2=重合トナー吹き飛ばし後の複写紙の質量(mg)
M/A=0.45mg/cmの5mm×5mm正方形のベタ印字定着画像の印字濃度を、反射型濃度計(X−rite社製、商品名:スペクトロアイ)を用いて測定した。好ましい画像濃度は1.25以上で、さらに好ましくは1.30以上である。
3−3.高温高湿(H/H)環境下でのカブリ評価
市販の非磁性一成分現像方式のプリンターと、評価対象のイエロートナーを温度35℃、湿度80%の高温高湿(H/H)環境下に一昼夜放置した後、カブリを測定した。
カブリ測定法は以下の通りである。まず、印字に使用していない紙の色相を測定し、この色相を基準値(E)とした。次に、イエロートナーを用いて上記プリンターにより白ベタを印字し、その白ベタの任意の6箇所の色相(E〜E)を測定した。色相(E〜E)と、基準値(E)との差(ΔE)をそれぞれ算出し、最も大きいΔEを、そのトナーのカブリ値とした。カブリ値が小さければ小さいほど、カブリが少なく、印字が良好であることを示す。また、色相は、上記反射型濃度計を用いて測定した。
実施例1〜実施例7及び比較例1〜比較例6のイエロートナーの評価結果を、イエロー顔料の種類と併せて下記表2に示す。
Figure 2019109538
4.トナーの評価
以下、表1及び表2を参照しながら、トナーの評価結果について検討する。
表1より、比較例1のトナーに使用されたイエロー顔料6は、顔料分散液の界面張力が20.4mN/mである。また、比較例3のトナーに使用されたイエロー顔料8は、顔料分散液の界面張力が22.4mN/mである。表2より、比較例1及び比較例3のトナーは、いずれもH/Hカブリの値が0.5であり、カブリの問題は見られない。
しかし、比較例1及び比較例3のトナーの画像濃度は、1.27又は1.21と低い。
これは、スチレン75部及びアクリル酸n−ブチル25部である重合性単量体組成物の極性に対し、イエロー顔料の親水性が低すぎるため、イエロー顔料がトナー粒子内部に偏在しやすくなる結果、画像濃度が低いと考えられる。
表1より、比較例2のトナーに使用されたイエロー顔料7は、顔料分散液の界面張力が3.4mN/mである。また、比較例4のトナーに使用されたイエロー顔料9は、顔料分散液の界面張力が3.0mN/mである。
表2より、比較例2及び比較例4のトナーの粒度分布(Dv/Dn)は、1.31又は1.41と大きい。また、比較例2及び比較例4のトナーの画像濃度は、1.24又は1.17と低く、これらのトナーのH/Hカブリの値は、5.8又は5.7と高い。これは、スチレン75部及びアクリル酸n−ブチル25部である重合性単量体組成物の極性に対し、イエロー顔料の親水性が高すぎるため、イエロー顔料のトナー粒子表層近傍への偏在が抑制しきれず、トナーの粒度分布が広がり、トナーの体積平均粒径が目的とする粒径よりもずれ、さらに画像濃度に劣り、高温高湿環境下にてカブリが生じやすくなるためと考えられる。
一方、表1より、実施例1〜実施例7のトナーに使用されたイエロー顔料1〜5は、顔料分散液の界面張力が5.7〜18.3mN/mである。
表2より、実施例1〜実施例5のトナーの画像濃度は、1.31〜1.37と高く、これらのトナーのH/Hカブリの値は、0.6〜1.4と低い。
したがって、スチレン75部及びアクリル酸n−ブチル25部である重合性単量体組成物に対し、顔料分散液の水に対する界面張力が5〜19mN/mである適度な親水性のイエロー顔料を用いたトナーは、顔料の分散性に優れるため画像濃度が高く、カブリの発生が少ないトナーであることが分かる。
また、表2より、実施例6及び実施例7のトナーの画像濃度は、1.35又は1.32と高く、これらのトナーのH/Hカブリの値は、1.0又は0.7と低い。
これは、顔料分散液の界面張力が11.2mN/mのイエロー顔料1を使用した場合には、スチレン85部及びアクリル酸n−ブチル15部、もしくは、スチレン70部及びアクリル酸n−ブチル30部と重合性単量体組成物の組成を実用上現実的な範囲内で調整し、重合性単量体組成物の極性が変化した場合でも、顔料の分散性に優れるトナーが得られることを示している。
一方、表2より、比較例5及び比較例6のトナーの画像濃度は、1.21又は1.25と低く、これらのトナーのH/Hカブリの値は、6.3又は5.5と高い。これは、顔料分散液の界面張力が3.4mN/mのイエロー顔料7を使用した場合には、スチレン85部及びアクリル酸n−ブチル15部、もしくは、スチレン70部及びアクリル酸n−ブチル30部と重合性単量体組成物の極性を実用上現実的な範囲で調整しても、顔料の分散性に優れるトナーは得られないことを示している。
したがって、スチレン系単量体単位を67〜88質量%及びアクリル酸アルキル単量体単位を12〜33質量%含む結着樹脂100質量部に対し、顔料分散液の水に対する界面張力が5〜19mN/mであるイエロー顔料を3〜15質量部含有するトナーは、顔料の分散性に優れるため画像濃度が高く、カブリの発生が少ないトナーであることが分かる。

Claims (4)

  1. 重合性単量体、及びイエロー顔料を少なくとも含有する重合性単量体組成物を水系媒体中に分散させ、当該水系媒体中で当該重合性単量体組成物の液滴を形成し、当該重合性単量体組成物の当該液滴に含まれる当該重合性単量体を重合することにより、結着樹脂及び当該イエロー顔料を少なくとも含有する着色樹脂粒子を合成する工程を有するイエロートナーの製造方法であって、
    前記結着樹脂は、スチレン系単量体単位67〜88質量%と(メタ)アクリル酸アルキル単量体単位12〜33質量%とを含む共重合体であり、
    前記スチレン系単量体単位は、スチレン、ビニルトルエン、メチルスチレン、及びエチルスチレンからなる群より選ばれる少なくとも1種の単量体に係る単量体単位であり、
    前記(メタ)アクリル酸アルキル単量体単位は、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、及びメタクリル酸ジメチルアミノエチルからなる群より選ばれる少なくとも1種の単量体に係る単量体単位であり、
    前記イエロー顔料の含有量は、前記結着樹脂100質量部に対して3〜15質量部であり、
    前記イエロー顔料9質量部、スチレン72質量部及びアクリル酸n−ブチル28質量部からなる混合液の水に対する界面張力が5〜19mN/mとなるように当該イエロー顔料を疎水化処理又は親水化処理する工程を有することを特徴とするイエロートナーの製造方法。
  2. 前記イエロー顔料が、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー155、及びC.I.ピグメントイエロー180からなる群より選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項1に記載のイエロートナーの製造方法。
  3. 前記重合性単量体組成物が、正帯電性又は負帯電性の帯電制御樹脂を含む、請求項1又は2に記載のイエロートナーの製造方法。
  4. 前記重合性単量体組成物が、離型剤として、エステルワックス及び炭化水素系ワックスの少なくともいずれか1つを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のイエロートナーの製造方法。
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