JP2019106969A - 油脂加工澱粉の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】長期間保管しても、保管後にバッター液の粘度が変化せず、酸化臭の発生も抑制される油脂加工澱粉の製造方法の提供。【解決手段】澱粉に油脂を混合して加熱処理した後、(1)有機酸及び/又はリン酸、並びに、(2)有機酸アルカリ塩及び/又はリン酸アルカリ塩、であって、酸化防止剤ではないものを添加する、油脂加工澱粉の製造方法。成分(1)の有機酸が、クエン酸、リンゴ酸、乳酸又はそれらの組合せであり、(2)の有機酸アルカリ塩が、クエン酸3ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム又はそれらの組合せであって、油脂が、大豆油、ハイリノールサフラワー油等のサフラワー油、コーン油、ナタネ油、エゴマ油、アマニ油、ヒマワリ油、落花生油、綿実油、オリーブ油、米油、パーム油又はそれらの組合せである、油脂加工澱粉の製造方法。成分(1)及び(2)の添加量が、澱粉の質量に対して、0.05〜2.0質量%である製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、油脂加工澱粉の製造方法、特に保管によるバッター粘度の経時変化が抑制された油脂加工澱粉の製造方法に関する。
油脂加工澱粉は、澱粉粒子表面を油脂で被覆して、澱粉表面の物性を改変したものである。澱粉の油脂による被覆方法は、澱粉と油脂を均一に混合した後、澱粉と油脂の結合を促進させるために加熱処理を行う(例えば、日本特許3368368号(特許文献1)参照)。油脂で被覆された澱粉は、澱粉表面の濡れ性が変化する。これは単に澱粉と油脂を混合しただけでは得られない性質で、加熱処理によって起こる澱粉表面の改質である。
油脂加工澱粉は、水産練り製品に弾力を与えるために添加したり、揚げ物用衣に優れた食感と具材との結着性を改善したりする目的で使用される。揚げ物に使用する場合、油脂加工澱粉に水や必要に応じて乳化剤を加えて混合したバッターと呼ばれる澱粉水溶液の粘度の安定性が重要視されている。
特開平6−169716号公報(特許文献2)には、油脂加工澱粉にリン酸塩を添加したバッターミックスが開示されている。このバッターミックスは、これまでのものでは良好に付着しなかった冷凍状態の肉に良好に付着するものである。
特開2015−192608号公報(特許文献3)には、チロシンを含有するエビ等の具材を用いた揚げ物の衣の黒変を防止する為に、バッター液に水溶性の酸化防止剤(特に、アスコルビン酸またはその塩)を添加したものが提案されている。この技術では特に、油脂加工澱粉を用いているという記載はないが、バッター液であるため澱粉の使用が提案されている。
日本特許3368368号 特開平6−169716号公報 特開2015−192608号公報
油脂加工澱粉は、上述のようにバッター液等に有用に用いられるが、保管中に油脂の劣化が進行して、保管後バッター液にした際に粘度が高くなっていたり、酸化臭が発生したりすることが報告されていた。粘度の変化はバッター液の付着量に影響を及ぼし、製品の品質にばらつきを与えるので好ましくなく、酸化臭は食品を扱う上で避けなければならない。
本発明は、油脂加工澱粉の上記欠点を克服することを目的とするものであり、油脂加工澱粉を長期間保管しても、保管後にバッター液の粘度が変化せず、酸化臭の発生も抑制されるものを提供する。
即ち、本発明は、澱粉に油脂を混合して加熱処理した後、
(1)有機酸および/またはリン酸、および
(2)有機酸アルカリ塩および/またはリン酸アルカリ塩、
であって、酸化防止剤ではないものを添加することを特徴とする、油脂加工澱粉の製造方法を提供するものである。
本発明には、以下の態様が含まれる。
前記成分(1)の有機酸が、クエン酸、リンゴ酸、乳酸またはそれらの組合せである:
前記成分(2)の有機酸アルカリ塩が、クエン酸3ナトリウム、リンゴ酸ナトリウムまたはそれらの組合せである:
前記油脂が、大豆油、ハイリノールサフラワー油等のサフラワー油、コーン油、ナタネ油、エゴマ油、アマニ油、ヒマワリ油、落花生油、綿実油、オリーブ油、米油、パーム油またはそれらの組合せである:
前記加熱処理が、40〜160℃で0.2〜24時間行われる:
前記成分(1)および(2)の添加量は、澱粉の質量に対して、0.05質量%〜2.0質量%である:
油脂加工澱粉の保管によるバッター粘度の経時変化が抑制される。
本発明の製造方法で得られた油脂加工澱粉は、長期間保管しても劣化が起こらず、バッター液にしても粘度の変化が少なく、酸化臭の発生も抑制される。油脂加工澱粉の劣化は、油脂の劣化、即ち油脂の酸化で起こると考えられているので、通常は酸化防止剤の使用が考えられる。しかし、本発明では、酸化防止剤でないものであって、(1)有機酸および/またはリン酸と、(2)有機酸アルカリ塩および/またはリン酸アルカリ塩との組合せを用いることにより、油脂加工澱粉の劣化が防止できるものであり、添加した成分(1)と成分(2)との組合せが油脂加工澱粉に何らかの化学的または物理的作用を行ったものと考えられる。もちろん、具体的な要因は、これに限定して解釈されないが、単に酸化を防止する酸化防止剤による作用ではなく、上記成分(1)および(2)が何らかの作用を油脂加工澱粉に及ぼしたものと推測する。
本発明の油脂加工澱粉の製造方法は、澱粉に油脂を加えて加熱後すぐに(1)有機酸および/またはリン酸と(2)有機酸アルカリ塩および/またはリン酸アルカリ塩との組合せを添加するだけで効果が得られるので、製造方法においても複雑では無く、多くの利用が期待される。
本発明では、澱粉に油脂を混合して加熱処理した後、(1)有機酸および/またはリン酸、および(2)有機酸アルカリ塩および/またはリン酸アルカリ塩であって、酸化防止剤ではないものを添加することにより油脂加工澱粉を製造する。
本発明の製造方法に使用する澱粉は、通常使用されるものであれば特に限定されるものではないが、例えばコーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、ハイアミロースコーンスターチ、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、小麦澱粉、米澱粉、サゴ澱粉、甘藷澱粉、えんどう豆澱粉、緑豆澱粉、およびこれらの加工澱粉、具体的にはアセチル化、エーテル化、架橋化、湿熱処理したものが挙げられる。これらは、単独であっても、複数のものの組合せでも良い。
本発明の製造方法に使用する油脂は、食用のものであれば特に限定されるものではないが、例えば大豆油、ハイリノールサフラワー油等のサフラワー油、コーン油、ナタネ油、エゴマ油、アマニ油、ヒマワリ油、落花生油、綿実油、オリーブ油、米油またはパーム油等が挙げられる。これらは、単独であっても、複数のものの組合せでも良い。
油脂の使用量は、澱粉の改質効果を得るために、澱粉100質量部に対して、0.005質量部〜10質量部、好ましくは0.008質量部〜7質量部、より好ましくは0.02質量部〜5質量部である。油脂が澱粉100質量部に対して0.005質量部より少ないと、油脂添加の効果が得られず、10質量部より多いと油脂加工後の粉体の流動性が著しく低下し取り扱いが困難になる。
本発明の油脂加工澱粉の製造方法では、澱粉と油脂の混合物を加熱するが、加熱温度は40℃〜160℃、好ましくは40℃〜120℃、より好ましくは40℃〜110℃で、加熱時間は0.2〜24時間、好ましくは0.5〜12時間、より好ましくは0.5〜8時間である。加熱温度が高すぎると、澱粉の粘性が低下して保水性が失われる。逆に加熱温度が40℃より低い場合は、加熱とは言えなくなり、加熱時間が延びる。加熱時間は、24時間より長いと、澱粉がダメージを受けたり油脂の酸化臭が発生したりして良くなく、0.2時間より短いと、加熱効果が得られない。
本発明の油脂加工澱粉の製造方法では、上記加熱後、(1)有機酸および/またはリン酸、および(2)有機酸アルカリ塩および/またはリン酸アルカリ塩であって、酸化防止剤ではないものを添加する。
上記成分(1)の有機酸は、一般的に食品に使用できる有機酸であれば特に制限はないが、例えば酢酸、乳酸、酒石酸、コハク酸、リンゴ酸、クエン酸、アジピン酸、各種アミノ酸、アルギン酸、イノシン酸、グルコン酸、ソルビン酸、フマル酸、プロピオン酸またはそれらの混合物等が挙げられる。風味や価格の観点から、成分(1)の有機酸は、乳酸、リンゴ酸、クエン酸またはそれらの混合物が好ましい。また、成分(1)としては、リン酸も使用できる。
上記成分(2)の有機酸アルカリ塩は、一般的に食品に使用できる有機酸のアルカリ塩であれば特に制限はないが、例えば酢酸カルシウム、酢酸ナトリウム、乳酸カリウム、乳酸カルシウム、乳酸ナトリウム、酒石酸カリウム、酒石酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸カルシウム、クエン酸ナトリウム、グルタミン酸ナトリウム、グルタミン酸アンモニウム、グルタミン酸カリウム、グルタミン酸カルシウム、グルタミン酸マグネシウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸ナトリウム、イノシン酸ナトリウム、グルコン酸カリウム、グルコン酸カルシウム、グルコン酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸カルシウム、フマル酸ナトリウム、プロピオン酸カルシウム、プロピオン酸ナトリウム等が挙げられる。風味や価格・効果の点から、クエン酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、グルタミン酸ナトリウムが好ましい。
さらに上記成分(2)のリン酸アルカリ塩としては、一般的に食品に使用できるリン酸のアルカリ塩であれば特に制限はないが、例えばリン酸三カリウム、リン酸三カルシウム、リン酸三マグネシウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸一水素マグネシウム、リン酸三ナトリウム、ポリリン酸カリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウム、メタリン酸ナトリウムまたはそれらの混合物等が挙げられる。風味や価格および効果の観点から、リン酸三カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウムまたはそれらの混合物が好ましい。
本発明では、(1)有機酸および/またはリン酸、および(2)有機酸アルカリ塩および/またはリン酸アルカリ塩であって、酸化防止剤ではないものを使用する。「酸化防止剤ではないもの」とは、一般社団法人日本食品添加物協会の平成28年10月6日改定の指定添加物に記載されているものの中で、「酸化防止剤」として記載されていないものという意味である。上記「指定添加物」のリストに、L−アスコルビン酸は、「主な用途」の欄に「強化剤、酸化防止剤」と記載されている。従って、L−アスコルビン酸は有機酸ではあるが、酸化防止剤であるので、本発明の上記成分(1)として使用できない。同様に、L−アスコルビン酸ナトリウムは、上記成分(2)の有機酸アルカリ塩であるが、「指定添加物」のリストの「主な用途」に「強化剤、酸化防止剤」と記載されているので、本発明の上記成分(2)として使用できない。
本発明では、上記成分(1)および(2)は、同時に両方を添加する必要があるが、それぞれの成分(1)および(2)の添加量は、澱粉の質量に対して、0.05質量%〜2.0質量%、好ましくは0.1質量%〜1.5質量%、より好ましくは0.1質量%〜1.4質量%である。この範囲内の添加であれば、保管によるバッター液の粘度の経時変化が抑制される。それぞれの成分の添加量が、澱粉の質量に対して、0.05質量%より少ないと、粘度の経時変化の抑制効果が悪くなり、逆に2.0質量%を超えると風味が悪くなる。
上記成分(1)および(2)は、澱粉と油脂の加熱が終わった後、すぐに添加される。添加は、成分(1)および(2)の水溶液をそれぞれ別個にまたは同時に滴下する。成分(1)および(2)の混合物を添加してもよい。成分(1)および(2)の添加後、更に全成分を混合する。この時点の混合は、加熱されない。
本発明の製造方法で得られた油脂加工澱粉は、長期間保管または貯蔵後でも、バッター液にしたときに、粘度の変化が無く、油脂加工澱粉と水の量を一定にして、一定粘度のバッター液が得られるため、工業用途に非常に適している。また、長期間の保管でも、油脂の劣化が起こらず、酸化臭が有効に抑制される。本発明の油脂加工澱粉を用いると、粘度の一定したバッター液が製造でき、揚げ物の工業的な製造あるいは商店やレストランでの品質の一定した揚げ物が供給できる。
バッター粘度の測定は以下の通り行うことができる。即ち、澱粉80質量部(水分12.5%換算)とグアーガム0.65質量部をよく混合する。それを冷水200質量部の中に投入し攪拌羽根により1000rpmで5分間攪拌する。できたバッター液(10℃)をB型粘度計12rpm、1分間にて粘度測定を行う。
油脂加工澱粉の保管によるバッター粘度の安定性は以下のように確認することができる。油脂加工澱粉を密閉したビニル袋に入れ、50℃にて保管する。油脂加工澱粉の作製直後(初発)、50℃保管1週後、50℃保管3週後にそれぞれバッター粘度を測定する。以下の計算式で示す1週間後変動が90〜110%である場合に保管によるバッター粘度の経時変化が抑制されているという。好ましくは、以下の計算式で示す1週間後変動および3週間後変動のいずれも90〜110%であることが必要である。
1週間後変動(%)=(50℃保管1週後のバッター粘度/初発のバッター粘度)×100
3週間後変動(%)=(50℃保管3週後のバッター粘度/初発のバッター粘度)×100
本発明を実施例により更に詳細に説明する。本発明は、これら実施例に限定されるものと解してはならない。
油脂加工澱粉の調製
水150質量部に硫酸ナトリウム10質量部、タピオカ澱粉100質量部を添加してスラリーを作製した。そこに攪拌下で3%苛性ソーダ水溶液を加えてpH11.0とし、トリメタリン酸ソーダを1.2質量部添加して45℃で4時間反応させた。9%塩酸でpH9.5に中和して、脱水、澱粉の水洗を行ってリン酸架橋タピオカ澱粉を得た。
上記リン酸架橋タピオカ澱粉100質量部に、0.15質量部のハイリノールサフラワー油を添加、混合した後、棚式乾燥機にて100℃、5時間の加熱処理を行い、油脂加工澱粉を得た。得られた油脂加工澱粉の水分は0.5%であった。
実施例1〜11および比較例1〜7
得られた油脂加工澱粉100質量部に、表1に示す割合で有機酸および/またはリン酸、および有機酸アルカリ塩および/またはリン酸アルカリ塩を添加した。なお、有機酸および/またはリン酸、および有機酸アルカリ塩および/またはリン酸アルカリ塩は、最終的な澱粉の水分が12.5重量%となるような量の水に溶解して油脂加工澱粉と混合した。
比較例1は、酸化防止剤であるアスコルビン酸およびアスコルビン酸ナトリウムを用いたものである。比較例2〜7は、(1)有機酸および/またはリン酸および(2)有機酸アルカリ塩および/またはリン酸アルカリ塩の片方だけを用いた例である。
作製した18のサンプルについて、最初(初発)のバッター粘度、50℃で1週間保管後のバッター粘度(1週後バッター粘度)および50℃で3週間後保管後のバッター粘度(3週後バッター粘度)を以下の方法で測定した:
澱粉80質量部(水分12.5%換算)とグアーガム0.65質量部をよく混合した。それを冷水200質量部の中に投入し、攪拌羽根により1000rpmで5分間攪拌した。できたバッター液(10℃)をB型粘度計12rpm、1分間にて粘度(mPa・s)の測定を行った。
測定結果を表1に記載した。
また、測定したバッター粘度の値から、1週後変動(%)および3週後変動(%)を以下の計算式から計算し、結果を表1に記載した。
1週間後変動(%)=(50℃保管1週後のバッター粘度/初発のバッター粘度)×100
3週間後変動(%)=(50℃保管3週後のバッター粘度/初発のバッター粘度)×100
Figure 2019106969
表1から明らかなように、実施例では、1週後変動は全て90〜110%の範囲内に入っており、3週後変動でも添加量が2.2質量部のものを除いて、90〜110%の範囲内に入っている。実施例の8〜11では、有機酸/リン酸の添加量が2.2質量部と高く、3週後変動が90〜110%の範囲を超えるが、1週後変動は全て90〜110%の範囲内に入っているので、保存による安定性が高いと言える。比較例1〜7では、1週後変動でもすでに90〜110%の範囲を超えていて、3週後変動も90〜110%の範囲を超えているので、安定性が悪いことが解る。この結果から、有機酸および/またはリン酸、および有機酸アルカリ塩および/またはリン酸アルカリ塩の添加効果が確認できた。さらに実施例1〜11の油脂加工澱粉は油脂の酸化劣化による酸化臭が抑制されていた。
また、実施例1〜11の油脂加工澱粉を使用したバッター液をトンカツに使用したところ、肉と衣の結着が良く、軽く歯切れの良い食感となった。
本発明の油脂加工澱粉を用いると、粘度の一定したバッター液が製造でき、揚げ物の工業的な製造あるいは商店やレストランでの品質の一定した揚げ物が供給できる。

Claims (7)

  1. 澱粉に油脂を混合して加熱処理した後、
    (1)有機酸および/またはリン酸、および
    (2)有機酸アルカリ塩および/またはリン酸アルカリ塩、
    であって、酸化防止剤ではないものを添加することを特徴とする、油脂加工澱粉の製造方法。
  2. 前記成分(1)の有機酸が、クエン酸、リンゴ酸、乳酸またはそれらの組合せである請求項1記載の製造方法。
  3. 前記成分(2)の有機酸アルカリ塩が、クエン酸3ナトリウム、リンゴ酸ナトリウムまたはそれらの組合せである請求項1記載の製造方法。
  4. 前記油脂が、大豆油、ハイリノールサフラワー油等のサフラワー油、コーン油、ナタネ油、エゴマ油、アマニ油、ヒマワリ油、落花生油、綿実油、オリーブ油、米油、パーム油またはそれらの組合せである請求項1〜3いずれかに記載の製造方法。
  5. 前記加熱処理が、40〜160℃で0.2〜24時間行われる請求項1〜4いずれかに記載の製造方法。
  6. 前記成分(1)および(2)の添加量は、澱粉の質量に対して、0.05質量%〜2.0質量%である、請求項1〜5いずれかに記載の製造方法。
  7. 油脂加工澱粉の保管によるバッター粘度の経時変化が抑制された、請求項1〜6いずれかに記載の製造方法。
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