JP2019104843A - 樹脂組成物、積層体、金属積層板及びプリント配線板 - Google Patents

樹脂組成物、積層体、金属積層板及びプリント配線板 Download PDF

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敦美 山邊
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渉 笠井
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達也 寺田
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Abstract

【課題】比誘電率及び誘電正接が充分に低く、吸水率が低く、柔軟性が高い樹脂層を、比較的低温かつ比較的短時間に形成できる樹脂組成物、ならびに比誘電率及び誘電正接が充分に低く、吸水率が低く、柔軟性が高い樹脂層を有する積層体、金属積層板及びプリント配線板の提供。【解決手段】芳香族テトラカルボン酸無水物と、炭素数4〜40の脂肪族ジアミンを含むジアミンとの反応生成物であるポリイミドと、フッ素樹脂を主成分とする樹脂材料からなる樹脂パウダーとを含む、樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物、積層体、金属積層板及びプリント配線板に関する。
高周波信号の伝送に用いられるプリント配線板には、伝送特性に優れることが要求される。伝送特性を高めるには、プリント配線板の絶縁材料として、比誘電率及び誘電正接が低い材料を用いる必要がある。しかし、従来から絶縁材料として用いられている芳香族テトラカルボン酸無水物と芳香族ジアミンとの反応生成物である汎用ポリイミドは、比誘電率及び誘電正接が大きいという問題がある。
比誘電率及び誘電正接が低い絶縁材料としては、汎用ポリイミドと、カルボニル基含有基等の接着性官能基を有するフッ素樹脂を主成分とする樹脂材料からなる樹脂パウダーと、液状媒体とを含む樹脂組成物を、基板や金属箔の表面に塗布し、乾燥、硬化させて形成された樹脂層が提案されている(特許文献1)。
国際公開第2016/017801号
しかし、特許文献1に記載の樹脂層には、下記の問題がある。
・汎用ポリイミドを含む樹脂組成物を用いて樹脂層を形成する場合、硬化温度が高く、かつ硬化時間が長い。
・汎用ポリイミドの硬化物を含む樹脂層は、吸水率が高い。
・汎用ポリイミドの硬化物を含む樹脂層は、柔軟性が低い。
また、特許文献1に記載の樹脂層は、比誘電率及び誘電正接が低いものの、プリント配線板にはさらなる伝送特性の向上が求められており、比誘電率及び誘電正接がさらに低い材料が求められている。
本発明は、比誘電率及び誘電正接が充分に低く、吸水率が低く、柔軟性が高い樹脂層を、比較的低温かつ比較的短時間に形成できる樹脂組成物、ならびに比誘電率及び誘電正接が充分に低く、吸水率が低く、柔軟性が高い樹脂層を有する積層体、金属積層板及びプリント配線板を提供する。
本発明は、下記の態様を有する。
<1>芳香族テトラカルボン酸無水物と、炭素数4〜40の脂肪族ジアミンを含むジアミンとの反応生成物であるポリイミドと、フッ素樹脂を主成分とする樹脂材料からなる樹脂パウダーとを含む、樹脂組成物。
<2>前記フッ素樹脂が、カルボニル基含有基、ヒドロキシ基、エポキシ基及びイソシアネート基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有するフッ素樹脂である、<1>に記載の樹脂組成物。
<3>前記脂肪族ジアミンが、分岐を有する非環式脂肪族ジアミン及び脂環式ジアミンのいずれか一方又は両方である、前記<1>又は<2>の樹脂組成物。
<4>前記炭素数4〜40の脂肪族ジアミンが、ダイマージアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)ヘキサフルオロプロパン、イソホロンジアミン及びノルボルナンジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種である、前記<1>〜<3>のいずれかの樹脂組成物。
<5>前記ダイマージアミンが、下式で表される化合物を含む、前記<4>の樹脂組成物。
Figure 2019104843
<6>前記ジアミンが、ジアミノポリシロキサンをさらに含む、前記<1>〜<5>のいずれかの樹脂組成物。
<7>前記ジアミンが、前記炭素数4〜40の脂肪族ジアミンを30モル%以上含む、前記<1>〜<6>のいずれかの樹脂組成物。
<8>前記樹脂組成物が、前記ポリイミドと反応し得る架橋成分をさらに含む、前記<1>〜<7>のいずれかの樹脂組成物。
<9>基板と、前記基板に接する樹脂層とを有し、前記樹脂層が、前記<1>〜<8>のいずれかの樹脂組成物の硬化物である、積層体。
<10>金属層と、前記金属層に接する樹脂層とを有し、前記樹脂層が、前記<1>〜<8>のいずれかの樹脂組成物の硬化物である、金属積層板。
<11>前記樹脂層に接する基板をさらに有する、前記<10>の金属積層板。
<12>導体回路と、前記導体回路に接する樹脂層とを有し、前記樹脂層が、前記<1>〜<8>のいずれかの樹脂組成物の硬化物である、プリント配線板。
<13>前記樹脂層に接する基板をさらに有する、前記<12>のプリント配線板。
本発明の樹脂組成物によれば、比誘電率及び誘電正接が充分に低く、吸水率が低く、柔軟性が高い樹脂層を、比較的低温かつ比較的短時間に形成できる。
本発明の積層体、金属積層板及びプリント配線板は、比誘電率及び誘電正接が充分に低く、吸水率が低く、柔軟性が高い樹脂層を有する。
以下の用語の定義は、本明細書及び特許請求の範囲にわたって適用される。
「樹脂パウダーのD50」は、レーザー回折・散乱法によって求められる体積基準累積50%径である。すなわち、レーザー回折・散乱法によって粒度分布を測定し、粒子の集団の全体積を100%として累積カーブを求め、その累積カーブ上で累積体積が50%となる点の粒子径である。
「樹脂パウダーのD90」は、レーザー回折・散乱法によって求められる体積基準累積90%径である。すなわち、レーザー回折・散乱法によって粒度分布を測定し、粒子の集団の全体積を100%として累積カーブを求め、その累積カーブ上で累積体積が90%となる点の粒子径である。
「融点」は、示差走査熱量測定(DSC)法で測定した融解ピークの最大値に対応する温度である。
「溶融成形可能」であるとは、溶融流動性を示すことを意味する。
「溶融流動性を示す」とは、荷重49Nの条件下、樹脂の融点よりも20℃以上高い温度において、溶融流れ速度が0.1〜1000g/10分となる温度が存在することを意味する。
「溶融流れ速度」は、JIS K 7210−1:2014(対応国際規格ISO 1133−1:2011)に規定されるメルトマスフローレイト(MFR)である。
「単量体に基づく単位」は、単量体1分子が重合して直接形成される原子団と、該原子団の一部を化学変換して得られる原子団との総称である。本明細書において、単量体に基づく単位を、単に、単量体単位とも記す。
「単量体」とは、重合性炭素−炭素二重結合を有する化合物を意味する。
「カルボニル基含有基」とは、構造中にカルボニル基(−C(=O)−)を有する基を意味する。
「酸無水物残基」とは、−C(=O)−O−C(=O)−で表される基を意味する。
「エーテル性酸素原子」とは、炭素−炭素原子間に1個存在する酸素原子を意味する。
数値範囲を示す「〜」は、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含むことを意味する。
<樹脂組成物>
本発明の樹脂組成物は、特定のポリイミド(以下、「ポリイミドA」とも記す。)と、特定の樹脂パウダーとを含む。
本発明の樹脂組成物は、ポリイミドAと反応し得る架橋成分をさらに含んでいてもよい。
本発明の樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じてポリイミドA、樹脂パウダー及び架橋成分以外の他の成分を含んでいてもよい。
(ポリイミドA)
ポリイミドAは、芳香族テトラカルボン酸無水物と、炭素数4〜40の脂肪族ジアミンを含むジアミンとの反応生成物である。
芳香族テトラカルボン酸無水物としては、特開2013−199645号公報の段落[0019]に記載のもの、特開2017−119361号公報の段落[0011]に記載のもの、特開2017−121807号公報の段落[0023]に記載のもの、特開2012−145676号公報の段落[0055]に記載のもの等が挙げられる。芳香族テトラカルボン酸無水物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
芳香族テトラカルボン酸無水物としては、ポリイミドAの溶解性、相溶性、柔軟性、接着性、耐熱性に優れる点から、下式で表される化合物が好ましい。
Figure 2019104843
ただし、Xは、単結合、−SO−、−C(O)−、−O−、−O−Ph−C(CH−Ph−O−、−C(O)O−R−OC(O)−、又は−CH−CH(−OC(O)CH)−CH−であり、Phは、フェニレン基であり、Rは、炭素数1〜20の直鎖のアルキレン基である。
芳香族テトラカルボン酸無水物としては、ポリイミドAの溶解性、相溶性、柔軟性、接着性、耐熱性に優れる点から、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−[プロパン−2,2−ジイルビス(1,4−フェニレンオキシ)]ジフタル酸二無水物及び4,4’−オキシジフタル酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
ジアミンは、炭素数4〜40の脂肪族ジアミンを含む。脂肪族ジアミンの炭素数は、6〜40が好ましく、6〜36がより好ましい。脂肪族ジアミンは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
炭素数4〜40の脂肪族ジアミンとしては、樹脂層の比誘電率及び誘電正接がさらに低く、吸水率がさらに低く、柔軟性がさらに高い点から、分岐を有する非環式脂肪族ジアミン及び脂環式ジアミンのいずれか一方又は両方が好ましく、ダイマージアミンがより好ましい。
ダイマージアミンは、オレイン酸等の不飽和脂肪酸の二量体であるダイマー酸から誘導される化合物である(特開平9−12712号公報参照)。ダイマージアミンとしては、下式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2019104843
Figure 2019104843
ただし、m+n=6〜17であり、p+q=8〜19である。
ダイマージアミンの市販品としては、バーサミン(登録商標)551(BASFジャパン社製)、バーサミン(登録商標)552(BASFジャパン社製、バーサミン(登録商標)551の水添物)、PRIAMINE1075(クローダジャパン社製)、PRIAMINE1074(クローダジャパン社製)等が挙げられる。
ダイマージアミンは、樹脂層の比誘電率及び誘電正接がさらに低く、吸水率がさらに低く、柔軟性がさらに高い点から、下式で表される化合物を含むことが好ましい。
Figure 2019104843
ダイマージアミン以外の分岐を有する非環式脂肪族ジアミンとしては、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、2−メチル−1,9−ノナンジアミン、2,7−ジメチル−1,8−オクタンジアミン等が挙げられる。
ダイマージアミン以外の脂環式ジアミンとしては、特開2013−199645号公報の段落[0031]に記載のもの、特開2017−119361号公報の段落[0023]に記載のもの、特開2017−121807号公報の段落[0029]に記載のもの等が挙げられる。
ダイマージアミン以外の脂環式ジアミンとしては、樹脂層の比誘電率及び誘電正接がさらに低く、吸水率がさらに低く、柔軟性がさらに高い点から、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)ヘキサフルオロプロパン、イソホロンジアミン及びノルボルナンジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種がより好ましい。
ジアミンは、ポリイミドAが接着性に優れる点から、ジアミノポリシロキサンをさらに含んでいてもよい。ジアミノポリシロキサンとしては、特開2013−199645号公報の段落[0030]に記載のもの、特開2017−119361号公報の段落[0022]に記載のもの、特開2017−121807号公報の段落[0028]に記載のもの等が挙げられる。
ジアミンは、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて炭素数4〜40の脂肪族ジアミン及びジアミノポリシロキサン以外の他のジアミンを含んでいてもよい。他のジアミンとしては、特開2013−199645号公報の段落[0031]に記載のもの、特開2017−119361号公報の段落[0024]に記載のもの、特開2017−121807号公報の段落[0029]に記載のもの等が挙げられる。
ジアミンは、樹脂層の比誘電率及び誘電正接がさらに低く、吸水率がさらに低く、柔軟性がさらに高い点から、炭素数4〜40の脂肪族ジアミンを30モル%以上含むことが好ましく、50モル%以上含むことがより好ましい。ジアミン中の炭素数4〜40の脂肪族ジアミンの割合の上限は、100モル%である。
ポリイミドAは、公知の方法によって製造できる。ポリイミドAの製造方法としては、特開2013−199645号公報に記載の方法、特開2017−119361号公報に記載の方法、特開2017−121807号公報に記載の方法等が挙げられる。
(樹脂パウダー)
樹脂パウダーは、フッ素樹脂を主成分とする樹脂材料からなる。
フッ素樹脂を主成分とする樹脂材料とは、樹脂材料中のフッ素樹脂の割合が80質量%以上であることを意味する。フッ素樹脂の割合は、樹脂材料のうち85質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、100質量%が特に好ましい。フッ素樹脂が主成分であれば、樹脂層に難燃性、耐薬品性、耐候性、耐高温高湿性等を付与できる。
樹脂材料に含まれるフッ素樹脂は、1種であっても2種以上であってもよい。
フッ素樹脂としては、ポリ(テトラフルオロエチレン)、テトラフルオロエチレン−ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリ(フッ化ビニリデン)(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、後述する接着性フッ素樹脂等が挙げられる。
フッ素樹脂としては、樹脂層の形成が容易である点から、溶融成形可能なフッ素樹脂が好ましく、接着性フッ素樹脂がより好ましい。フッ素樹脂が接着性フッ素樹脂であれば、特に、樹脂層と基板又は金属層との接着性に優れる。
フッ素樹脂の融点は、260〜320℃が好ましく、280〜320℃がより好ましく、295〜315℃がさらに好ましく、295〜310℃が特に好ましい。フッ素樹脂の融点が前記範囲の下限値以上であれば、樹脂パウダーの耐熱性に優れる。フッ素樹脂の融点が前記範囲の上限値以下であれば、フッ素樹脂の溶融成形性に優れる。
フッ素樹脂の融点は、フッ素樹脂を構成する単位の種類や割合、フッ素樹脂の分子量等によって調整できる。例えば、テトラフルオロエチレン(以下、「TFE」とも記す。)単位の割合が多くなるほど、融点が上がる傾向がある。
フッ素樹脂の融点よりも20℃以上高い温度におけるフッ素樹脂の溶融流れ速度は、0.1〜1000g/10分が好ましく、0.5〜100g/10分がより好ましく、1〜30g/10分がさらに好ましく、5〜20g/10分が特に好ましい。溶融流れ速度が前記範囲の下限値以上であれば、フッ素樹脂の溶融成形性に優れ、樹脂層の表面の平滑性、外観に優れる。溶融流れ速度が前記範囲の上限値以下であれば、樹脂層の機械的強度に優れる。
溶融流れ速度は、フッ素樹脂の分子量の目安であり、溶融流れ速度が大きいと分子量が小さく、溶融流れ速度が小さいと分子量が大きいことを示す。
フッ素樹脂の溶融流れ速度は、フッ素樹脂の製造条件によって調整できる。例えば、単量体の重合時に重合時間を短縮すると溶融流れ速度が大きくなる傾向がある。
フッ素樹脂の比誘電率は、2.5以下が好ましく、2.4以下がより好ましい。フッ素樹脂の比誘電率が低いほど、プリント配線板の伝送特性がさらに優れる。比誘電率の下限値は、通常2.0である。
フッ素樹脂の比誘電率は、TFE単位の割合によって調整できる。
樹脂材料は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じてフッ素樹脂以外の成分をさらに含んでいてもよい。フッ素樹脂以外の成分としては、フッ素樹脂以外の他の樹脂、無機フィラー、ゴム等が挙げられる。他の樹脂としては、芳香族ポリエステル、ポリアミドイミド、熱可塑性ポリイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンオキシド等が挙げられる。
樹脂パウダーのD50は、0.3〜6μmが好ましく、0.4〜5μmがより好ましく、0.5〜4.5μmがさらに好ましく、0.7〜4μmが特に好ましく、1〜3.5μmが最も好ましい。樹脂パウダーのD50が前記範囲の下限値以上であれば、樹脂パウダーの流動性が充分で、取り扱いが容易である。また、樹脂層の厚さを薄くできる。樹脂パウダーのD50が前記範囲の上限値以下であれば、樹脂パウダーの液状媒体への分散性に優れる。
樹脂パウダーのD90は、8μm以下が好ましく、6μm以下がより好ましく、1.5〜5μmがさらに好ましい。樹脂パウダーのD90が前記範囲の上限値以下であれば、樹脂パウダーの液状媒体への分散性に優れる。樹脂パウダーのD90は、樹脂層の均一性に優れる点から、D50に近づけることが好ましい。
樹脂パウダーの疎充填嵩密度は、0.05g/mL以上が好ましく、0.05〜0.5g/mLがより好ましく、0.08〜0.5g/mLがさらに好ましい。
樹脂パウダーの密充填嵩密度は、0.05g/mL以上が好ましく、0.05〜0.8g/mLがより好ましく、0.1〜0.8g/mLがさらに好ましい。
疎充填嵩密度又は密充填嵩密度が前記範囲の下限値以上であれば、樹脂パウダーのハンドリング性がさらに優れる。疎充填嵩密度又は密充填嵩密度が前記範囲の上限値以下であれば、汎用的なプロセスで用いることができる。
樹脂パウダーは、例えば、下記の方法によって製造できる。
・溶液重合法、懸濁重合法又は乳化重合法によってフッ素樹脂を得て、有機溶媒又は水性媒体を除去して粒状のフッ素樹脂を回収し、必要に応じて粒状のフッ素樹脂を粉砕し、必要に応じて粉砕物を分級する方法。
・フッ素樹脂、必要に応じて他の成分を溶融混練し、混練物を粉砕し、必要に応じて粉砕物を分級する方法。
(接着性フッ素樹脂)
接着性フッ素樹脂は、カルボニル基含有基、ヒドロキシ基、エポキシ基及びイソシアネート基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基(以下、「接着性官能基」とも記す。)を有するフッ素樹脂である。
フッ素樹脂への接着性官能基の導入方法としては、例えば、下記の方法が挙げられる。
・含フッ素単量体と接着性官能基含有単量体とを共重合する方法。
・液状媒体中で表面処理剤の存在下にフッ素樹脂粒子を撹拌する方法。
・プラズマ処理、コロナ処理、電子線処理、放射線処理等をフッ素樹脂に施す方法。
表面処理剤としては、接着性官能基をフッ素樹脂粒子の表面に形成できるものであればよく、例えば、金属ナトリウムとナフタレンとの錯体等の金属ナトリウム溶液が挙げられる。
接着性フッ素樹脂としては、接着性官能基含有単位とTFE単位とを有する含フッ素共重合体(以下、「含フッ素共重合体B」とも記す。)、プラズマ処理、コロナ処理、電子線処理又は放射線処理によって、カルボニル基含有基及びヒドロキシ基のいずれか一方又は両方をフッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン等)に導入したもの等が挙げられる。接着性フッ素樹脂としては、樹脂層と基板又は金属層との接着性に優れる点から、含フッ素共重合体Bが好ましい。含フッ素共重合体Bは、接着性官能基含有単位及びTFE単位以外の他の単位を有していてもよい。
接着性官能基含有単位における接着性官能基としては、含フッ素共重合体Bを含む樹脂材料の機械的粉砕性、樹脂層と基板又は金属層との接着性に優れる点から、カルボニル基含有基が好ましい。
カルボニル基含有基としては、炭化水素基の炭素原子間にカルボニル基を有する基、カーボネート基、カルボキシ基、ハロホルミル基、アルコキシカルボニル基、酸無水物残基、ポリフルオロアルコキシカルボニル基、脂肪酸残基等が挙げられる。カルボニル基含有基としては、含フッ素共重合体Bを含む樹脂材料の機械的粉砕性、樹脂層と基板又は金属層との接着性がさらに優れる点から、炭化水素基の炭素原子間にカルボニル基を有する基、カーボネート基、カルボキシ基、ハロホルミル基、アルコキシカルボニル基及び酸無水物残基からなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、カルボキシ基及び酸無水物残基のいずれか一方又は両方がより好ましい。
炭化水素基の炭素原子間にカルボニル基を有する基における炭化水素基としては、炭素数2〜8のアルキレン基等が挙げられる。アルキレン基の炭素数は、カルボニル基を構成する炭素を含まない状態での炭素数である。アルキレン基は、直鎖状であっても分岐状であってもよい。
ハロホルミル基は、−C(=O)−X(ただし、Xはハロゲン原子である。)で表される。ハロホルミル基におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
アルコキシカルボニル基におけるアルコキシ基は、直鎖状であっても分岐状であってもよく、炭素数1〜8のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基又はエトキシ基がより好ましい。
接着性官能基含有単位としては、接着性官能基含有単量体に基づく単位が好ましい。
接着性官能基含有単量体が有する接着性官能基は、1個であっても2個以上であってもよい。2個以上の接着性官能基を有する場合、2個以上の接着性官能基は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
接着性官能基含有単量体としては、接着性官能基を1つ有し、重合性炭素−炭素二重結合を1つ有する化合物が好ましい。
接着性官能基含有単量体としては、カルボニル基含有基を有する単量体、ヒドロキシ基含有単量体、エポキシ基含有単量体、イソシアネート基含有単量体等が挙げられる。接着性官能基含有単量体としては、含フッ素共重合体Bを含む樹脂材料の機械的粉砕性、樹脂層と基板又は金属層との接着性に優れる点から、カルボニル基含有基を有する単量体が好ましい。
カルボニル基含有基を有する単量体としては、酸無水物残基含有環状単量体、カルボキシ基含有単量体、ビニルエステル、(メタ)アクリレート、CF=CFORf1C(O)OX(ただし、Rf1は、炭素数1〜10のペルフルオロアルキレン基、又は炭素数2〜10のペルフルオロアルキレン基の炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基であり、Xは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基である。)等が挙げられる。
酸無水物残基含有環状単量体としては、不飽和ジカルボン酸無水物等が挙げられる。不飽和ジカルボン酸無水物としては、無水イタコン酸(以下、「IAH」とも記す。)、無水シトラコン酸(以下、「CAH」とも記す。)、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物(別称:無水ハイミック酸。以下、「NAH」ともいう。)、無水マレイン酸等が挙げられる。
カルボキシ基含有単量体としては、不飽和ジカルボン酸(イタコン酸、シトラコン酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、マレイン酸等)、不飽和モノカルボン酸(アクリル酸、メタクリル酸等)等が挙げられる。
ビニルエステルとしては、酢酸ビニル、クロロ酢酸ビニル、ブタン酸ビニル、ピバル酸ビニル、安息香酸ビニル、クロトン酸ビニル等が挙げられる。
(メタ)アクリレートとしては、(ポリフルオロアルキル)アクリレート、(ポリフルオロアルキル)メタクリレート等が挙げられる。
カルボニル基含有基を有する単量体としては、樹脂パウダーの熱安定性に優れ、樹脂層と基板又は金属層との接着性がさらに優れる点から、酸無水物残基含有環状単量体が好ましく、IAH、CAH及びNAHからなる群から選ばれる少なくとも1種がより好ましい。IAH、CAH及びNAHからなる群から選ばれる少なくとも1種を用いると、無水マレイン酸を用いた場合に必要となる特殊な重合方法(特開平11−193312号公報参照)を用いることなく、酸無水物残基を有する含フッ素共重合体Bを容易に製造できる。カルボニル基含有基を有する単量体としては、樹脂組成物中での樹脂パウダーとポリイミドBとの間の密着性に優れる点から、NAHが特に好ましい。
ヒドロキシ基含有単量体としては、ヒドロキシ基含有ビニルエステル、ヒドロキシ基含有ビニルエーテル、ヒドロキシ基含有アリルエーテル、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート、クロトン酸ヒドロキシエチル、アリルアルコール等が挙げられる。
エポキシ基含有単量体としては、不飽和グリシジルエーテル(アリルグリシジルエーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテル、ビニルグリシジルエーテル等)、不飽和グリシジルエステル(アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等)等が挙げられる。
イソシアネート基含有単量体としては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、2−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)エチルイソシアネート、1,1−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート等が挙げられる。
接着性官能基含有単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
接着性官能基含有単位及びTFE単位以外の他の単位としては、ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)(以下、「PAVE」とも記す。)に基づく単位、ヘキサフルオロプロピレン(以下、「HFP」とも記す。)に基づく単位、接着性官能基含有単量体、TFE、PAVE及びHFP以外の他の単量体に基づく単位等が挙げられる。
PAVEとしては、CF=CFORf2(ただし、Rf2は、炭素数1〜10のペルフルオロアルキル基、又は炭素数2〜10のペルフルオロアルキル基の炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基である。)が挙げられる。
f2におけるペルフルオロアルキル基は、直鎖状であっても分岐状であってもよい。Rf2の炭素数は、1〜3が好ましい。
CF=CFORf2としては、CF=CFOCF、CF=CFOCFCF、CF=CFOCFCFCF(以下、「PPVE」とも記す。)、CF=CFOCFCFCFCF、CF=CFO(CFF等が挙げられ、PPVEが好ましい。
PAVEは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
他の単量体としては、他の含フッ素単量体(ただし、接着性官能基含有単量体、TFE、PAVE及びHFPを除く。)、他の非含フッ素単量体(ただし、接着性官能基含有単量体を除く。)等が挙げられる。
他の含フッ素単量体としては、TFE及びHFPを除くフルオロオレフィン(フッ化ビニル、フッ化ビニリデン(以下、「VdF」とも記す。)、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン(以下、「CTFE」とも記す。)等)、CF=CFORf3SO(ただし、Rf3は、炭素数1〜10のペルフルオロアルキレン基、又は炭素数2〜10のペルフルオロアルキレン基の炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基であり、Xはハロゲン原子又はヒドロキシ基である。)、CF=CF(CFOCF=CF(ただし、sは1又は2である。)、CH=CX(CF(ただし、Xは水素原子又はフッ素原子であり、tは2〜10の整数であり、Xは水素原子又はフッ素原子である。)、ペルフルオロ(2−メチレン−4−メチル−1,3−ジオキソラン)等が挙げられる。他の含フッ素単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
他の含フッ素単量体としては、VdF、CTFE及びCH=CX(CFからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
CH=CX(CFとしては、CH=CH(CFF、CH=CH(CFF、CH=CH(CFF、CH=CF(CFH、CH=CF(CFH等が挙げられ、CH=CH(CFF、CH=CH(CFFが好ましい。
他の非含フッ素単量体としては、炭素数3以下のオレフィン(エチレン、プロピレン等)等が挙げられ、エチレン、プロピレンが好ましく、エチレンが特に好ましい。他の非含フッ素単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
他の単量体として、他の含フッ素単量体と他の非含フッ素単量体とを併用してもよい。
含フッ素共重合体Bは、主鎖末端基として接着性官能基を有していてもよい。主鎖末端基としての接着性官能基としては、アルコキシカルボニル基、カーボネート基、カルボキシ基、フルオロホルミル基、酸無水物残基、ヒドロキシ基が好ましい。主鎖末端基としての接着性官能基は、含フッ素共重合体Bの製造時に用いられる、ラジカル重合開始剤、連鎖移動剤等を適宜選定して導入できる。
含フッ素共重合体Bとしては、樹脂パウダーの耐熱性に優れる点から、含フッ素共重合体B1、含フッ素共重合体B2が好ましく、含フッ素共重合体B1が特に好ましい。
含フッ素共重合体B1:接着性官能基含有単位と、TFE単位と、PAVE単位とを有する共重合体。
含フッ素共重合体B2:接着性官能基含有単位と、TFE単位と、HFP単位とを有する共重合体。
含フッ素共重合体B1は、必要に応じてHFP単位及び他の単量体単位のいずれか一方又は両方をさらに有してもよい。すなわち、含フッ素共重合体B1は、接着性官能基含有単位とTFE単位とPAVE単位とからなる共重合体であってもよく、接着性官能基含有単位とTFE単位とPAVE単位とHFP単位とからなる共重合体であってもよく、接着性官能基含有単位とTFE単位とPAVE単位と他の単量体単位とからなる共重合体であってもよく、接着性官能基含有単位とTFE単位とPAVE単位とHFP単位と他の単量体単位とからなる共重合体であってもよい。
含フッ素共重合体B1としては、含フッ素共重合体B1を含む樹脂材料の機械的粉砕性、樹脂層と基板又は金属層との接着性がさらに優れる点から、カルボニル基含有基を有する単量体に基づく単位とTFE単位とPAVE単位とを有する共重合体が好ましく、酸無水物残基含有環状単量体に基づく単位とTFE単位とPAVE単位とを有する共重合体が特に好ましい。含フッ素共重合体B1の好ましい具体例としては、下記のものが挙げられる。
TFE単位とPPVE単位とNAH単位とを有する共重合体、
TFE単位とPPVE単位とIAH単位とを有する共重合体、
TFE単位とPPVE単位とCAH単位とを有する共重合体。
含フッ素共重合体B1における接着性官能基含有単位の割合は、含フッ素共重合体B1を構成する全単位のうち、0.01〜3モル%が好ましく、0.03〜2モル%がより好ましく、0.05〜1モル%がさらに好ましい。接着性官能基含有単位の割合が前記範囲の下限値以上であれば、樹脂組成物中での樹脂パウダーとポリイミドAとの間の密着性に優れ、樹脂層と基板又は金属層との接着性がさらに優れる。接着性官能基含有単位の割合が前記範囲の上限値以下であれば、樹脂パウダーの耐熱性、色目等に優れる。
含フッ素共重合体B1におけるTFE単位の割合は、含フッ素共重合体B1を構成する全単位のうち、90〜99.89モル%が好ましく、95〜99.47モル%がより好ましく、96〜98.95モル%がさらに好ましい。TFE単位の割合が前記範囲の下限値以上であれば、含フッ素共重合体B1の比誘電率及び誘電正接がさらに低く、含フッ素共重合体B2の耐熱性、耐薬品性等に優れる。TFE単位の割合が前記範囲の上限値以下であれば、含フッ素共重合体B1の溶融成形性、耐ストレスクラック性等に優れる。
含フッ素共重合体B1におけるPAVE単位の割合は、含フッ素共重合体B1を構成する全単位のうち、0.1〜9.99モル%が好ましく、0.5〜9.97モル%がより好ましく、1〜9.95モル%がさらに好ましい。PAVE単位の割合が前記範囲内であれば、含フッ素共重合体B1の溶融成形性に優れる。
含フッ素共重合体B1における接着性官能基含有単位、TFE単位及びPAVE単位の合計は、90モル%以上が好ましく、95モル%以上がより好ましく、98モル%以上がさらに好ましい。接着性官能基含有単位、TFE単位及びPAVE単位の合計の上限値は、100モル%である。
含フッ素共重合体B2は、必要に応じてPAVE単位及び他の単量体単位のいずれか一方又は両方をさらに有してもよい。すなわち、含フッ素共重合体B2は、接着性官能基含有単位とTFE単位とHFP単位とからなる共重合体であってもよく、接着性官能基含有単位とTFE単位とHFP単位とPAVE単位とからなる共重合体であってもよく、接着性官能基含有単位とTFE単位とHFP単位と他の単量体単位とからなる共重合体であってもよく、接着性官能基含有単位とTFE単位とHFP単位とPAVE単位と他の単量体単位とからなる共重合体であってもよい。
含フッ素共重合体B2としては、含フッ素共重合体B2を含む樹脂材料の機械的粉砕性、樹脂層と基板又は金属層との接着性がさらに優れる点から、カルボニル基含有基を有する単量体に基づく単位とTFE単位とHFP単位とを有する共重合体が好ましく、酸無水物残基含有環状単量体に基づく単位とTFE単位とHFP単位とを有する共重合体が特に好ましい。含フッ素共重合体B2の好ましい具体例としては、下記のものが挙げられる。
TFE単位とHFP単位とNAH単位とを有する共重合体、
TFE単位とHFP単位とIAH単位とを有する共重合体、
TFE単位とHFP単位とCAH単位とを有する共重合体。
含フッ素共重合体B2における接着性官能基含有単位の割合は、含フッ素共重合体B2を構成する全単位のうち、0.01〜3モル%が好ましく、0.02〜2モル%がより好ましく、0.05〜1.5モル%がさらに好ましい。接着性官能基含有単位の割合が前記範囲の下限値以上であれば、樹脂組成物中での樹脂パウダーとポリイミドAとの間の密着性に優れ、樹脂層と基板又は金属層との接着性がさらに優れる。接着性官能基含有単位の割合が前記範囲の上限値以下であれば、樹脂パウダーの耐熱性、色目等に優れる。
含フッ素共重合体B2におけるTFE単位の割合は、含フッ素共重合体B2を構成する全単位のうち、90〜99.89モル%が好ましく、91〜98モル%がより好ましく、92〜96モル%がさらに好ましい。TFE単位の割合が前記範囲の下限値以上であれば、含フッ素共重合体B2の比誘電率及び誘電正接がさらに低く、含フッ素共重合体B2の耐熱性、耐薬品性等に優れる。TFE単位の割合が前記範囲の上限値以下であれば、含フッ素共重合体B2の溶融成形性、耐ストレスクラック性等に優れる。
含フッ素共重合体B2におけるHFP単位の割合は、含フッ素共重合体B2を構成する全単位のうち、0.1〜9.99モル%が好ましく、1〜9モル%がより好ましく、2〜8モル%がさらに好ましい。HFP単位の割合が前記範囲内であれば、含フッ素共重合体B2の溶融成形性に優れる。
含フッ素共重合体B2における接着性官能基含有単位、TFE単位及びHFP単位の合計は、90モル%以上が好ましく、95モル%以上がより好ましく、98モル%以上がさらに好ましい。接着性官能基含有単位、TFE単位及びHFP単位の合計の上限値は、100モル%である。
含フッ素共重合体Bにおける各単位の割合は、溶融核磁気共鳴(NMR)分析等のNMR分析、フッ素含有量分析、赤外吸収スペクトル分析等によって求めることができる。例えば、特開2007−314720号公報に記載のように、赤外吸収スペクトル分析等の方法を用いて、含フッ素共重合体Bを構成する全単位中の接着性官能基含有単位の割合(モル%)を求めることができる。
含フッ素共重合体Bの製造方法としては、例えば、下記の方法が挙げられる。
・接着性官能基含有単量体及びTFE、必要に応じてPAVE、FEP、他の単量体を重合させる方法。
・熱により分解して接着性官能基を生成する官能基を有する単位とTFE単位とを有する含フッ素共重合体を加熱し、接着性官能基を生成する官能基を熱分解して、接着性官能基(例えばカルボキシ基)を生成させる方法。
・TFE単位を有する含フッ素共重合体に、接着性官能基を有する単量体をグラフト重合する方法。
含フッ素共重合体Bの製造方法としては、接着性官能基含有単量体及びTFE、必要に応じてPAVE、FEP、他の単量体を重合させる方法が好ましい。
重合方法としては、ラジカル重合開始剤を用いる重合方法が好ましい。
重合時には、含フッ素共重合体Bの分子量や溶融粘度を制御するために、連鎖移動剤を用いてもよい。
ラジカル重合開始剤及び連鎖移動剤の少なくとも一方に、接着性官能基を有する化合物を用いてもよい。接着性官能基を有する化合物を用いることによって、含フッ素共重合体Bの主鎖末端に接着性官能基を導入できる。
重合法としては、塊状重合法、有機溶媒を用いる溶液重合法、水性媒体と必要に応じて適当な有機溶媒とを用いる懸濁重合法、水性媒体と乳化剤とを用いる乳化重合法が挙げられ、溶液重合が好ましい。
溶液重合で用いる有機溶媒としては、ペルフルオロカーボン、ヒドロフルオロカーボン、ヒドロクロロフルオロカーボン、ヒドロフルオロエーテル等が挙げられる。
重合温度は、0〜100℃が好ましく、20〜90℃がより好ましい。
重合圧力は、0.1〜10MPaが好ましく、0.5〜3MPaがより好ましい。
重合時間は、1〜30時間が好ましい。
接着性官能基含有単量体として酸無水物残基含有環状単量体を用いる場合、重合中の酸無水物残基含有環状単量体の割合は、全単量体のうち、0.01〜5モル%が好ましく、0.1〜3モル%がより好ましく、0.1〜2モル%がさらに好ましい。酸無水物残基含有環状単量体の割合が前記範囲内にであれば、重合速度が適度である。酸無水物残基含有環状単量体の割合が高すぎると、重合速度が低下する傾向がある。酸無水物残基含有環状単量体が重合で消費されるにしたがって、消費された量を連続的又は断続的に重合槽内に供給し、酸無水物残基含有環状単量体の割合を前記範囲内に維持することが好ましい。
(架橋成分)
ポリイミドAと反応し得る架橋成分としては、熱硬化性樹脂(ただし、ポリイミドAを除く。)が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、ポリフェニレンエーテル、エポキシ樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、ビスマレイミド樹脂及びシアネートエステル樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。エポキシ樹脂を用いる場合、エポキシ樹脂用硬化剤、エポキシ樹脂と硬化剤との反応を促進する触媒等を併用してもよい。
ポリフェニレンエーテルとしては、特開2017−121807号公報の段落[0039]〜[0040]に記載のもの等が挙げられる。
エポキシ樹脂、硬化剤及び触媒としては、特開2013−199645号公報の段落[0041]〜[0043]に記載のもの、特開2017−119361号公報の段落[0031]〜[0033]に記載のもの、特開2017−121807号公報の段落[0041]〜[0044]に記載のもの等が挙げられる。
ベンゾオキサジン樹脂としては、特開2013−199645号公報の段落[0044]に記載のもの、特開2017−119361号公報の段落[0034]に記載のもの、特開2017−121807号公報の段落[0045]に記載のもの等が挙げられる。
ビスマレイミド樹脂としては、特開2013−199645号公報の段落[0045]に記載のもの、特開2017−119361号公報の段落[0035]に記載のもの、特開2017−121807号公報の段落[0046]に記載のもの等が挙げられる。
シアネートエステル樹脂としては、特開2013−199645号公報の段落[0046]に記載のもの、特開2017−119361号公報の段落[0036]に記載のもの、特開2017−121807号公報の段落[0047]に記載のもの等が挙げられる。
(他の成分)
本発明の樹脂組成物が含んでもよい他の成分としては、液状媒体、無機フィラー、反応性アルコキシシラン、脱水剤、可塑剤、耐候剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、増白剤、着色剤、導電剤、離型剤、表面処理剤、粘度調節剤、難燃剤、界面活性剤、消泡剤等が挙げられる。反応性アルコキシシランとしては、特開2017−121807号公報の段落[0052]〜[0056]に記載のもの等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、液状媒体を含む液状組成物としてもよい。
液状媒体としては、水、アルコール(メタノール、エタノール等)、含窒素化合物(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等)、含硫黄化合物(ジメチルスルホキシド等)、エーテル(ジエチルエーテル、ジオキサン等)、エステル(乳酸エチル、酢酸エチル等)、ケトン(メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン等)、グリコールエーテル(エチレングリコールモノイソプロピルエーテル等)、セロソルブ(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等)等が挙げられる。液状媒体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。液状媒体としては、ポリイミドA及び接着性フッ素樹脂と反応しないものが好ましい。
樹脂組成物中の樹脂パウダーの含有量は、ポリイミドAの100質量部に対して、5〜500質量部が好ましく、10〜400質量部がより好ましく、20〜300質量部がさらに好ましい。樹脂パウダーの含有量が前記範囲の下限値以上であれば、樹脂層の比誘電率及び誘電正接がさらに低くなる。樹脂パウダーの含有量が前記範囲の上限値以下であれば、樹脂層の機械的強度に優れる。
樹脂組成物中の架橋成分の含有量は、ポリイミドAの100質量部に対して、1〜150質量部が好ましく、3〜100質量部がより好ましく、3〜75質量部がさらに好ましい。架橋成分の含有量が前記範囲の下限値以上であれば、樹脂層の機械的強度に優れる。架橋成分の含有量が前記範囲の上限値以下であれば、樹脂層の比誘電率及び誘電正接がさらに低くなる。
本発明の樹脂組成物が液状組成物の場合、液状組成物中の固形分の合計の割合は、80〜30質量%が好ましく、70〜40質量%がより好ましく、65〜45質量%がさらに好ましい。液状組成物中の固形分の割合が前記範囲内であれば、樹脂層を形成する際の塗布性が良好となる。
液状組成物が界面活性剤を含む場合、液状組成物中の界面活性剤の含有量は、樹脂パウダー100質量部に対して、1〜30質量部が好ましく、3〜20質量部がより好ましく、5〜10質量部がさらに好ましい。界面活性剤の含有量が前記範囲の下限値以上であれば、樹脂パウダーの分散性がさらに優れる。界面活性剤の含有量が前記範囲の上限値以下であれば、樹脂パウダーによる特性(伝送特性等)を阻害しにくい。
液状組成物が消泡剤を含む場合、液状組成物中の消泡剤の割合は、液状組成物のうち、1質量%以下が好ましい。
本発明の樹脂組成物が無機フィラーを含む場合、樹脂組成物中の無機フィラーの含有量は、ポリイミドAの100質量部に対して、0.1〜100質量部が好ましく、0.1〜60質量部がより好ましい。
本発明の樹脂組成物は、ポリイミドAのワニスに樹脂パウダーを分散させる方法、又はポリイミドAのワニスと樹脂パウダーの分散液とを混合して液状組成物を得る方法等によって製造できる。
本発明の樹脂組成物の用途としては、後述する積層体、金属積層板又はプリント配線板における樹脂層が挙げられる。他の用途としては、層間絶縁膜、ソルダーレジスト、カバーレイフィルムの基材フィルム等が挙げられる。
(作用機序)
以上説明した本発明の樹脂組成物にあっては、比誘電率及び誘電正接が低く、吸水率が低く、柔軟性が高いポリイミドAと、比誘電率及び誘電正接が低いフッ素樹脂を主成分とする樹脂材料からなる樹脂パウダーとを含むため、比誘電率及び誘電正接が充分に低く、吸水率が低く、柔軟性が高い樹脂層を形成できる。
また、本発明の樹脂組成物にあっては、硬化温度が低く、かつ硬化時間が短いポリイミドAを含むため、樹脂層を比較的低温かつ比較的短時間に形成できる。
また、本発明の樹脂組成物にあっては、フッ素樹脂を主成分とする樹脂材料からなる樹脂パウダーを含むため、ポリイミドAへの樹脂パウダーの分散性がよい。特に、樹脂パウダーのフッ素樹脂が接着性フッ素樹脂であると、樹脂層と基板又は金属層との接着性に優れる。
<積層体>
本発明の積層体は、基板と、基板に接する樹脂層とを有する。
本発明の積層体は、基板の片面のみに樹脂層が積層したものであっても、基板の両面に樹脂層が積層したものであってもよい。本発明の積層体の反りを抑制する点、又は電気的信頼性に優れる両面金属積層板を得る点では、基板の両面に樹脂層が積層したものが好ましい。
基板の両面に樹脂層が積層した本発明の積層体においては、各樹脂層の組成、厚さ等は同じでも異なってもよい。本発明の積層体の反りを抑制する点では、各樹脂層の組成及び厚さは同じであることが好ましい。
(基板)
基板としては、耐熱性樹脂フィルム、繊維強化樹脂板、耐熱性樹脂フィルム層を有する積層体、繊維強化樹脂層を有する積層体等が挙げられる。フレキシブルプリント配線板の基板とする場合、基板としては、耐熱性樹脂フィルムが好ましい。
耐熱性樹脂フィルムは、耐熱性樹脂の1種以上を含むフィルムであり、単層フィルムであっても多層フィルムであってもよい。
耐熱性樹脂としては、ポリイミド(芳香族ポリイミド等)、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリアリルスルホン(ポリエーテルスルホン等)、芳香族ポリアミド、芳香族ポリエーテルアミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリルエーテルケトン、ポリアミドイミド、液晶ポリエステル等が挙げられる。
耐熱性樹脂フィルムとしては、ポリイミドフィルムが好ましい。ポリイミドフィルムは、ポリイミドから構成されるフィルムである。ポリイミドフィルムは、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じてポリイミド以外の他の成分を含んでいてもよい。
耐熱性樹脂フィルムの厚さは、プリント配線板の薄肉化及び機械的強度のバランスの点から、0.5〜100μmが好ましく、1〜50μmがより好ましく、3〜25μmがさらに好ましい。
耐熱性樹脂フィルムは、耐熱性樹脂又は耐熱性樹脂を含む組成物を、公知の成形方法(キャスト法、押出成形法、インフレーション成形法等)によってフィルム状に成形する方法等で製造できる。耐熱性樹脂フィルムは、市販品であってもよい。
耐熱性樹脂フィルムの表面は、表面処理が施されてもよい。表面処理方法としては、コロナ放電処理、プラズマ処理等が挙げられる。
(樹脂層)
樹脂層は、本発明の樹脂組成物の硬化物である。
樹脂層の厚さは、プリント配線板の薄肉化と比誘電率及び誘電正接とのバランスの点から、0.5〜300μmが好ましく、3〜200μmがより好ましく、10〜150μmがさらに好ましい。
樹脂層の比誘電率は、2.0〜3.5が好ましく、2.0〜3.0がより好ましい。樹脂層の比誘電率が前記範囲の上限値以下であれば、低誘電率が求められるプリント配線板等に本発明の積層体を好適に用いることができる。樹脂層の比誘電率が前記範囲の下限値以上であれば、樹脂層の電気特性及び接着性の双方がさらに優れる。
本発明の積層体は、例えば、下記の方法によって製造できる。
・本発明の樹脂組成物である液状組成物を基板の表面に塗布し、乾燥によって液状媒体を除去し、必要に応じて樹脂を硬化させる方法。
・本発明の樹脂組成物のフィルムと基板とを熱プレス法等によって積層する方法。
(作用機序)
以上説明した本発明の積層体にあっては、樹脂層が本発明の樹脂組成物の硬化物であるため、樹脂層の比誘電率及び誘電正接が充分に低く、吸水率が低く、柔軟性が高い。
また、本発明の積層体にあっては、樹脂層がポリイミドAへの分散性がよい樹脂パウダーを含むため、樹脂層が均一である。特に、樹脂パウダーのフッ素樹脂が接着性フッ素樹脂であると、樹脂層が接着性に優れる樹脂パウダーを含むため、樹脂層と基板との接着性に優れる。
<金属積層板>
本発明の金属積層板は、金属層と、金属層に接する樹脂層とを有する。本発明の金属積層板は、樹脂層に接する基板をさらに有してもよい。ポリイミド層を金属箔の上に形成し、さらにその上に樹脂パウダーが分散されたポリイミド樹脂層を形成してもよい。
本発明の金属積層板の層構成としては、金属層/樹脂層、金属層/樹脂層/金属層、基板/樹脂層/金属層、金属層/樹脂層/基板/樹脂層/金属層等が挙げられる。「金属層/樹脂層」とは、金属層、樹脂層がこの順に積層されていることを示し、他の層構成も同様である。
(金属層)
金属層を構成する金属としては、銅、銅合金、ステンレス鋼、ニッケル、ニッケル合金(42合金も含む)、アルミニウム、アルミニウム合金等が挙げられる。
金属層としては、金属箔からなる層、金属蒸着膜等が挙げられる。
金属箔としては、圧延銅箔、電解銅箔等が挙げられる。金属箔の表面には、防錆層(クロメート等の酸化物皮膜等)、耐熱層等が形成されていてもよい。また、樹脂層との密着性を向上させるために、金属箔の表面にカップリング剤処理等が施されてもよい。
金属層の厚さは、本発明の金属積層板の用途において充分な機能が発揮できる厚さであればよい。
樹脂層、基板としては、本発明の積層体における樹脂層、基板と同様なものが挙げられ、好ましい形態も同様である。
本発明の金属積層板は、例えば、下記の方法によって製造できる。
・本発明の樹脂組成物である液状組成物を金属箔の表面に塗布し、乾燥によって液状媒体を除去し、樹脂組成物を硬化させる方法。
・本発明の積層体と金属箔とを、本発明の積層体の樹脂層と金属箔とが接するように熱プレス法等によって積層する方法。
・本発明の積層体の樹脂層の表面に金属を、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等によって蒸着する方法。
(作用機序)
以上説明した本発明の金属積層板にあっては、樹脂層が本発明の樹脂組成物の硬化物であるため、樹脂層の比誘電率及び誘電正接が充分に低く、吸水率が低く、柔軟性が高い。
また、本発明の金属積層板にあっては、樹脂層がポリイミドAへの分散性がよい樹脂パウダーを含むため、樹脂層が均一である。特に、樹脂パウダーのフッ素樹脂が接着性フッ素樹脂であると、樹脂層が接着性に優れる樹脂パウダーを含むため、樹脂層と金属層及び基板との接着性に優れる。
<プリント配線板>
本発明のプリント配線板は、導体回路と、導体回路に接する樹脂層とを有する。本発明のプリント配線板は、樹脂層に接する基板をさらに有してもよい。
本発明のプリント配線板においては、導体回路の上に、層間絶縁膜と導体回路とが順次積層されていてもよい。層間絶縁膜は、本発明の樹脂組成物を用いて形成されたものであってもよい。
本発明のプリント配線板においては、導体回路の上に、ソルダーレジストが積層されていてもよい。ソルダーレジストは、本発明の樹脂組成物を用いて形成されたものであってもよい。
本発明のプリント配線板の表面に、カバーレイフィルムが積層されてもよい。カバーレイフィルムは、基材フィルムと、基材フィルムの表面に形成された接着剤層とから構成される。カバーレイフィルムの基材フィルムは、本発明の樹脂組成物を用いて形成されたものであってもよい。
本発明のプリント配線板は、導体回路上に、本発明の樹脂組成物を用いた層間絶縁膜(接着剤層)及びカバーレイフィルムとしてポリイミドフィルムが順次積層されたものであってもよい。
本発明のプリント配線板は、例えば、下記の方法によって製造できる。
・本発明の金属積層板における金属層をエッチング等によって所定のパターンの導体回路に加工する方法。
・本発明の金属積層板を用い、セミアディティブ法(SAP法)又はモディファイドセミアディティブ法(MSAP法)による電解めっきによって導体回路を形成する方法。
(作用機序)
以上説明した本発明のプリント配線板にあっては、樹脂層が本発明の樹脂組成物の硬化物であるため、樹脂層の比誘電率及び誘電正接が充分に低く、吸水率が低く、柔軟性が高い。
また、本発明のプリント配線板にあっては、樹脂層がポリイミドAへの分散性がよい樹脂パウダーを含むため、樹脂層が均一である。特に、樹脂パウダーのフッ素樹脂が接着性フッ素樹脂であると、樹脂層が接着性に優れる樹脂パウダーを含むため、樹脂層と導体回路及び基板との接着性に優れる。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
(実施例1)
国際公開第2016/017801号の段落[0123]に記載の手順で含フッ素共重合体B−1を製造する。ジェットミルを用い、粒状の含フッ素共重合体B−1を粉砕して樹脂パウダーを得る。
芳香族テトラカルボン酸無水物とダイマージアミンを含むジアミンとの反応生成物であるポリイミドA−1を含むワニス(溶媒:シクロヘキサノン、固形分:15質量%)を用意する。
ポリイミドA−1を含むワニスと樹脂パウダーとを、ポリイミドA−1/樹脂パウダー=75/25(質量比)となるように混合し、撹拌機で1000rpmの条件下で1時間撹拌する。真空脱泡処理を2時間行い、液状組成物を得る。
電解銅箔(福田金属箔粉工業社製、CF−T4X−SV−12、厚さ12μm、表面粗さRz:1.2μm)の片面に液状組成物を、下記条件での乾燥後の樹脂層の厚さが25μmとなるように塗布する。下記条件で液状組成物を乾燥、硬化して樹脂層を形成し、片面銅張積層板を得る。
乾燥、硬化条件:オーブンで、90℃で10分、次いで120℃で15分、最後に180℃で30分加熱することによって乾燥、硬化を実施する。
(比較例1)
エポキシ基を有する熱硬化性変性ポリイミドのワニス(ピーアイ研究所社製、溶媒:N−メチルピロリドン、固形分:15質量%)を用意する。
熱硬化性変性ポリイミドのワニスと実施例1の樹脂パウダーとを、熱硬化性変性ポリイミド/樹脂パウダー=75/25(質量比)となるように混合し、撹拌機で1000rpmの条件下で1時間撹拌する。真空脱泡処理を2時間行い、液状組成物を得る。
電解銅箔(福田金属箔粉工業社製、CF−T4X−SV−12、厚さ12μm、表面粗さRz:1.2μm)の片面に液状組成物を、下記条件での乾燥後の樹脂層の厚さが25μmとなるように塗布する。下記条件で液状組成物を乾燥、硬化して樹脂層を形成し、片面銅張積層板を得る。
乾燥、硬化条件:オーブンで、90℃で10分、次いで120℃で15分、最後に350℃で30分加熱することによって乾燥、硬化を実施する。
(吸水率)
片面銅張積層板の銅箔をエッチングによって完全に除去し、5cm×5cmの大きさに切断してサンプルを得る。サンプルを105℃のオーブンで1時間乾燥する。乾燥サンプルの質量を測定する。乾燥サンプルを23℃の蒸留水に24時間浸漬する。24時間後にサンプルを取出し、サンプルの表面についた水分を除去し、湿潤サンプルの質量を測定する。下式から吸水率を求める。吸水率を表1に示す。
吸水率=(湿潤サンプルの質量−乾燥サンプルの質量)/乾燥サンプルの質量×100
(比誘電率、誘電正接)
片面銅張積層板の銅箔を加工して、直径4cmの円形の主電極、及び主電極の同心円上に主電極に対する間隔が1mmのリング状の接地電極を形成する。樹脂層の裏面に、銀ペーストを塗布し、150℃で30分間硬化して直径3cmの円形の副電極を形成する。サンプルを5cm×5cmに切断し、LCR測定器を用いて10GHzの比誘電率及び10GHzの誘電正接を測定する。10GHzの比誘電率及び10GHzの誘電正接を表1に示す。
Figure 2019104843
本発明の樹脂組成物は、プリント配線板において伝送特性を改善するための樹脂層を形成するための原材料として有用である。

Claims (13)

  1. 芳香族テトラカルボン酸無水物と、炭素数4〜40の脂肪族ジアミンを含むジアミンとの反応生成物であるポリイミドと、
    フッ素樹脂を主成分とする樹脂材料からなる樹脂パウダーと
    を含む、樹脂組成物。
  2. 前記フッ素樹脂が、カルボニル基含有基、ヒドロキシ基、エポキシ基及びイソシアネート基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有するフッ素樹脂である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記脂肪族ジアミンが、分岐を有する非環式脂肪族ジアミン及び脂環式ジアミンのいずれか一方又は両方である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記炭素数4〜40の脂肪族ジアミンが、ダイマージアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)ヘキサフルオロプロパン、イソホロンジアミン及びノルボルナンジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  5. 前記ダイマージアミンが、下式で表される化合物を含む、請求項4に記載の樹脂組成物。
    Figure 2019104843
  6. 前記ジアミンが、ジアミノポリシロキサンをさらに含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  7. 前記ジアミンが、前記炭素数4〜40の脂肪族ジアミンを30モル%以上含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  8. 前記樹脂組成物が、前記ポリイミドと反応し得る架橋成分をさらに含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  9. 基板と、前記基板に接する樹脂層とを有し、
    前記樹脂層が、請求項1〜8のいずれか一項に記載の樹脂組成物の硬化物である、積層体。
  10. 金属層と、前記金属層に接する樹脂層とを有し、
    前記樹脂層が、請求項1〜8のいずれか一項に記載の樹脂組成物の硬化物である、金属積層板。
  11. 前記樹脂層に接する基板をさらに有する、請求項10に記載の金属積層板。
  12. 導体回路と、前記導体回路に接する樹脂層とを有し、
    前記樹脂層が、請求項1〜8のいずれか一項に記載の樹脂組成物の硬化物である、プリント配線板。
  13. 前記樹脂層に接する基板をさらに有する、請求項12に記載のプリント配線板。
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