JP2019104631A - 綾巻きパッケージを製造する繊維機械の作業ユニットに用いられる回転式スプライサ - Google Patents

綾巻きパッケージを製造する繊維機械の作業ユニットに用いられる回転式スプライサ Download PDF

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Abstract

【課題】簡単にかつ低コストで、糸端部が糸クランプ装置に位置決めされる糸スプライシング装置を提供する。【解決手段】綾巻きパッケージを製造する繊維機械の作業ユニットに用いられる回転式スプライサに関し、作業ユニットは、ほぼ閉じた糸ガイド通路を有し、糸ガイド通路は、糸切れ後に上糸(48)および下糸(49)の糸端部を空圧式に搬送するために使用可能であり、回転式スプライサは、空気分配体上に取り付けられたスプライシング角柱体と、スプライシング角柱体に対して間隔を置いて配置された複数の糸切断装置(36)および複数の糸クランプ装置(37)とを具備する。糸クランプ装置(37)は、定位置のクランプジョー(57)と、糸キャッチフック(60)を具備するとともに可動に軸支されたクランプジョー(58)とをそれぞれ有する。【選択図】図3

Description

本発明は、綾巻きパッケージを製造する繊維機械の作業ユニットに用いられる回転式スプライサであって、作業ユニットは、ほぼ閉じた糸ガイド通路を有し、糸ガイド通路は、糸切れ後に上糸および下糸の糸端部を空圧式に搬送するために使用可能であり、回転式スプライサは、空気分配体上に取り付けられたスプライシング角柱体と、スプライシング角柱体に対して間隔を置いて配置された複数の糸切断装置および複数の糸クランプ装置とを具備する、回転式スプライサに関する。
綾巻きパッケージを製造する繊維機械の作業ユニットにおいて、生産プロセスにおいて上流側に配置されたリング精紡機で製造された、比較的少量の糸材料を有する給糸ボビン、たとえば紡績コップが、極めて大きな糸体積を有する綾巻きパッケージへと巻き返されることが知られている。
たとえば自動綾巻き機として構成されたそのような繊維機械の作業ユニットは、多くの場合、たとえば独国特許出願公開第102005001093号明細書(DE 10 2005 001 093 A1)において公知であるように、それぞれ前方へ開いた糸走行路を有する。もちろん、たとえば独国特許出願公開第102010049515号明細書(DE 10 2010 049 515 A1)において記述されているように、作業ユニットがそれぞれ糸走行路を完全に包囲する糸ガイド通路を有する自動綾巻き機も知られている。
自動綾巻き機の作業ユニットは、通常はさらに巻取り装置をそれぞれ有する。巻取り装置は、綾巻きパッケージを回転可能に保持するためのパッケージフレームと、たとえば綾巻きパッケージを摩擦接続に基づき回転させるとともに巻き上げられる糸を綾振りするための糸ガイドドラムとを有する。作業ユニットは、さらに、たいてい下糸センサと、糸テンショナと、糸切断装置を有する糸クリアラと、糸張力センサと、糸キャッチノズルと、パラフィン処理装置とを具備する。
この場合、糸クリアラにより、給糸ボビンから繰り出された、走行している糸の巻き返し過程中に場合によっては生じる糸欠陥が監視され、その際、ある特定の境界値を超える糸欠陥は、直ちに切り離され、ほぼ元の糸と同一の糸継ぎ部、いわゆる糸繋ぎ部により置き換えられる。
この場合、この種の自動綾巻き機の作業ユニットは、たとえば作業ユニットの糸走行路の構成に依存して、その装備に関してもその操作に関してもそれぞれ一部で大きく異なる。つまり、糸スプライシング装置は、全く異なる形態を有することが多い。
独国特許出願公開第102005001093号明細書(DE 10 2005 001 093 A1)に記述されているように、前方へ開いた糸走行路を有する作業ユニットでは、糸スプライシング装置は、たとえば糸走行路に関して、それぞれいくぶんか後退して配置されていて、糸走行路に関して約11°傾斜した組付け姿勢を有する。
このように構成された作業ユニットでは、糸切れまたはコントロールされたクリアリングステップの後で2つの糸端部を操作するために、糸処理装置が使用される。糸処理装置は、揺動可能に軸支されるとともに負圧を供給可能な吸込み管として、また揺動可能に軸支されるとともに同様に負圧を供給可能なグリッパ管として構成されている。つまり、そのような作業ユニットでは、巻取り中断後に作業ユニットのパッケージフレームに保持された綾巻きパッケージの表面上に巻き上げられたいわゆる上糸の糸端部が、作業ユニット独自の吸込みノズルを用いて受け取られ、糸スプライシング装置へ移される。
糸スプライシング装置が糸走行路に関していくぶんか後退していて、11°だけ傾斜して配置されているので、上糸の糸端部は、吸込みノズルにより、まずは下側の糸切断装置だけに、かつ部分的にスプライシング角柱体のスプライシング通路に通すことができる。続いて、グリッパ管が、下糸の糸端部を、糸テンショナまたは繰出し位置に位置決めされた紡績コップから連れ戻し、これを下側の糸クランプ装置に、スプライシング角柱体のスプライシング通路に、かつ上側の糸切断装置に導入する。
グリッパ管は、そのいわゆるグリッパ管フラップの領域に、特別な糸キャッチフックをさらに具備し、糸キャッチフックは、終端位置へのグリッパ管の内方旋回時に上糸に交差する。その際、上糸が連行され、機能通りにスプライシング角柱体のスプライシング通路および上側の糸クランプ装置内に位置決めされる。
そのような作業ユニットにおいて形成される糸継ぎ部がほぼ元の糸と同一の外観とほぼ糸の強度とを有するように、続いて両方の糸端部を、これが空圧式にスプライシングされる前に、それぞれ精確に短く切断し、設定通りに準備し、最終的に規定通りにスプライシング角柱体内に位置決めしなければならない。つまり、これらの作業ユニットの糸スプライシング装置は、糸クランプ装置および糸切断装置の他に、糸寄せ器と、空気供給可能な保持・解撚小管と、空気供給可能なスプライシング角柱体とを具備する。
たとえば独国特許出願公開第102010049515号明細書(DE 10 2010 049 515 A1)に記述されているように、様々な糸監視・糸処理装置のための収容ハウジングまたは収容区分を有するとともに糸走行路を包囲し複数部品から成る糸ガイド通路を有する作業ユニットでは、糸スプライシング装置への、巻取り中断後に必要な糸端部の戻しが空圧式に行われる。つまり、繰出し位置に位置決めされた紡績コップと、綾巻きパッケージが回転可能に軸支された巻取り装置との間に延在する糸ガイド通路に、糸スプライシング装置のための収容ハウジングが組み込まれており、収容ハウジングに、繰出しボビンと繋がれた下糸の糸端部を吸い込むための第1の吸込み空気管片と、綾巻きパッケージの表面上に巻き上げられた上糸の糸端部を吸い込むための第2の吸込み空気管片とが接続されている。
これらの吸込み空気管片を介して、巻取り中断後に糸ガイド通路は、必要な場合、部分的に負圧を供給することが可能であり、これにより糸ガイド通路に負圧流が生じ、その流れ方向は、所定の形で設定可能である。
このように構成された作業ユニットでは、上糸の糸端部のみならず下糸の糸端部も空圧式に、好適には回転式スプライサとして構成された糸スプライシング装置へ移され、スプライシング角柱体のスプライシング通路に、またスプライシング角柱体の領域に配置された下側および上側の糸クランプ・糸切断装置に通されるまたは位置決めされる。
糸スプライシング装置が組み込まれるとともに糸走行路を包囲する糸ガイド通路を有する作業ユニットでは、通常の巻取り運転中、設定通りの糸走行を保証可能にするために、糸スプライシング装置が、通例のように、糸走行路に対してそれぞれいくぶんか後退して配置されている。好適には回転式スプライサとして構成された糸スプライシング装置は、好適にはさらに糸走行路に対して平行に位置決めされている。
このように構成された作業ユニットでも、特に糸クランプ装置に糸端部を空圧式に通すときに障害が生じることが多い。したがって、この問題を解消するために、公知の糸スプライシング装置は、その糸切断・糸クランプ装置に対して追加的に、別の特別な処理装置をさらに具備する。この処理装置は、糸端部をその固定前に糸クランプ装置によりまずは設定通りに糸クランプ装置内に位置決めする。
ただしそのような別の糸処理装置は、追加的なコスト要因を成し、これは、空圧式に作動する回転式スプライサの製造コストに不都合に作用する。
前述の従来技術から出発して、本発明の根底を成す課題は、糸切れ後に上糸および下糸の糸端部を空圧式に搬送するために使用可能であるほぼ閉じた糸ガイド通路を有する作業ユニットに関して、回転式スプライサとして構成された糸スプライシング装置を改良して、簡単にかつ低コストで、糸端部がその加工前に常に規定通りに糸クランプ装置内に位置決めされることが保証されるようにすることである。
本発明によれば、この課題は、糸クランプ装置が、定位置のクランプジョーと、糸キャッチフックを具備するとともに可動に軸支されたクランプジョーとをそれぞれ有することにより解決される。
本発明の好適な形態は、従属請求項の対象である。
糸クランプ装置の本発明に係る構成は、特に、巻取り中断後に空圧式に搬送される、上糸および下糸の糸端部が、糸クランプ装置の、可動に軸支されたクランプジョーの内方旋回時に、このクランプジョーにより常に確実に連行されることが保証されるという利点を有する。つまり、それぞれ可動に軸支されたクランプジョーに配置された糸キャッチフックが、クランプジョーの内方旋回時に、糸クランプ装置のガイドに一時的に貯えられた糸端部を連行して、これを糸クランプ装置の定位置のクランプジョー上に位置決めし、そこで糸端部は、定位置のクランプジョーと可動に軸支されたクランプジョーとの間に固定され、これにより糸端部を設定通りに加工する、つまり規定通りに短く切断することができる。
本発明に従って構成された糸クランプ装置を有する回転式スプライサは、糸端部の加工時に糸端部を設定通りに位置決めするために、たいていはわりあい煩雑であってひいてはコストが嵩む別の補助手段を必要としない。
この場合、好適な形態では、糸キャッチフックは、糸クランプ装置の、可動に軸支されたクランプジョーの自由端部の領域で、クランプジョーの内方旋回時に上糸および下糸の糸端部を糸キャッチフックが上方から掴むように配置されている。糸キャッチフックのそのような構成および配置により、可動に軸支されたクランプジョーの内方旋回時に糸キャッチフックが常にガイドに一時的に貯えられた糸端部に後方で係合し、したがって糸端部がクランプジョーの内方旋回時にクランプジョーから滑落し得ることを阻止することが確実に保証されている。
別の好適な形態によれば、可動に軸支されたクランプジョーの領域に、ばね要素が配置されており、ばね要素は、クランプジョーを「糸を位置決めするかつ糸をクランプする」ように付勢する。そのようなばね要素により、可動に軸支されたクランプジョーは、常に所定の押圧力でもって、固定されるべき糸端部に作用することが保証され、その際、押圧力は、一方では糸クランプ装置における糸端部の確実な固定が保証されていて、しかし他方では糸端部が過度に高い押圧力により損傷されないように選択されている。
可動に軸支されたクランプジョーは、切換えピンを有し、切換えピンは、回転式スプライサの制御要素に配置された制御カムに対応する。つまり、回転式スプライサの制御要素の相応の制御により、糸クランプ装置の、可動に軸支されたクランプジョーは、常に、糸クランプ装置が要求通りに開くように操作可能である。
以下、本発明を、図示された実施の形態に基づいて詳説する。
綾巻きパッケージを製造する繊維機械の作業ユニットを斜視図で示し、作業ユニットは、糸走行路を包囲する糸ガイド通路を有し、糸ガイド通路は、所定の形で負圧を供給可能であるとともに回転式スプライサとして構成された糸スプライシング装置を具備する。 糸切断装置および糸クランプ装置などの付属の糸処理装置を有する回転式スプライサを正面図で示す。 糸処理装置を斜視図で示し、糸クランプ装置は、本発明に係る糸キャッチフックを具備する。 本発明に従って構成された糸クランプ装置を詳細に示す。
図1は、綾巻きパッケージを製造する繊維機械の作業ユニット、本実施の形態ではいわゆる自動綾巻き機の作業ユニット1を斜視図で示している。
そのような自動綾巻き機は、通常は、多数の同一の作業ユニット1を有し、作業ユニット1において、比較的少量の糸材料を有する給糸ボビン、通常はリング精紡機で生産された紡績コップ2が、大きな体積の綾巻きパッケージ5へと巻き返される。
完成した綾巻きパッケージ5は、続いて、たとえば自動で作動するサービス機器を用いて、機械長さの綾巻きパッケージ搬送装置へ引き渡され、繊維機械端部側に配置された積卸しステーションまたはこれに類するものへ向けて搬送される。
そのような自動綾巻き機の作業ユニット1は、公知のように、それぞれ円形マガジンを具備し、円形マガジンには、いくつかの紡績コップ2が貯えられている。または自動綾巻き機は、ボビン・巻管搬送システムの形態の補給装置を有し、ボビン・巻管搬送システムにおいて、鉛直に向けて搬送皿上を紡績コップ2または繰り出された空管が循環走行する。
たとえばボビン・巻管搬送システムを介して搬送される紡績コップ2は、作業ユニット1の領域で、それぞれ繰出し位置ASに位置決めされ、そこで続いて綾巻きパッケージ5へと巻き返される。
個々の作業ユニット1は、そのために様々な糸監視・糸処理装置を有し、糸監視・糸処理装置は、巻き取られた綾巻きパッケージ5が設定通りの品質を有することを保証する。
紡績コップ2から繰り出された糸29は、たとえば巻返し過程の間糸欠陥を監視され、検出された糸欠陥は、直ちに除去される。つまり、綾巻きパッケージ5上に所定の最低基準を有する糸材料だけが巻き取られる。
そのような自動綾巻き機の作業ユニット1は、たとえば巻取り装置4と、空圧式の回転式スプライサ8として構成された糸継ぎ装置と、糸テンショナ9と、糸クリアラ10と、糸張力センサ35と、任意選択的に(図示されていない)パラフィン処理装置とを具備する。この場合、これらの作業ユニット1の巻取り装置4は、公知のように、それぞれ揺動軸線30まわりに可動に軸支されたパッケージフレーム11と、たとえば糸ガイドドラム34の形態の綾巻きパッケージ駆動装置とを有する。糸ガイドドラム34は、綾巻きパッケージ5を摩擦接続に基づき回転させ、さらに、綾巻きパッケージ5上に巻き上げられる糸29が設定通りに綾振りされるように働く。
図1からさらに看取されるように、本実施の形態では、繰出し位置ASに位置決めされた紡績コップ2と巻取り装置4との間に、糸走行路を完全に包囲する糸ガイド通路6が延在する。糸ガイド通路6は、必要な場合、所定の形で負圧を供給可能であり、入口側で、たとえば伸縮可能に構成された吸込み脚部19の形態の繰出し補助装置3を具備する。つまり、吸込み脚部19は、駆動装置7により、鉛直方向に摺動可能に支持されていて、必要な場合、たとえば糸端部を受け取るために、少なくとも部分的に紡績コップ2上へ降下することができる。吸込み脚部19は、必要な場合、さらに閉鎖遮蔽部材59により閉鎖することができる。
糸走行方向Fに見て吸込み脚部19の下流側で、糸ガイド通路6は、さらに糸テンショナ9のための収容区分33を有し、これに続いて空圧式に作動する回転式スプライサ8のスリーブ状の支持要素50のための収容ハウジング18を有する。糸ガイド通路6は、さらに収容区分31,32を具備する。収容区分31,32は、糸走行方向Fに見て収容ハウジング18の下流側に配置されており、収容区分31,32には、たとえば糸クリアラ10または糸張力センサ35が組み込まれている。この領域には、パラフィン処理装置のための(図示されていない)収容ハウジングが配置されてもよい。
図示の実施の形態では、糸ガイド通路6は、さらに出口側に吸込みヘッド・収容ハウジング21を有し、吸込みヘッド・収容ハウジング21に、限定的に揺動運動可能に吸込みヘッド22が配置されている。
この場合、吸込みヘッド・収容ハウジング21は、制御フラップ23を有し、制御フラップ23は、たとえば独国特許出願公開第102010049515号明細書(DE 10 2010 049 515 A1)に詳細に記述されているように、運転条件に応じて様々な位置に位置決め可能である。吸込みヘッド・収容ハウジング21は、吸込み空気管片14が接続された吸込み開口28を介して、自動綾巻き機の、機械長さの吸込み空気通路17と接続されている。
この場合、吸込み空気管片14は、回転式スプライサ8の収容ハウジング18を吸込み空気通路17と接続する吸込み空気管片12,13と同様に、たとえば遮蔽板15を介して、選択的に負圧を供給可能である。つまり、回動可能に支持された遮蔽板15は、所定の形で位置決め可能な吸込み開口16を有し、吸込み開口16は、その位置に応じて、1つまたは複数の吸込み空気管片12,13,14が空圧式に連続して吸込み空気通路17に接続されるように働く。
もちろん、図1に示された遮蔽板15の代わりに、吸込み空気管片12,13,14に関して、他の制御装置も考えられる。たとえば吸込み空気管片の各々が、別個の弁装置またはこれに類するものにより、吸込み空気通路17に接続され得る。
図2は、空圧式に作動するスプライシング角柱体24と付属の糸処理装置とを有する、回転式スプライサ8として構成された糸スプライシング装置を正面図で示している。この場合、糸切断装置は、符号36Aまたは36Bを有する一方、糸クランプ装置は、符号37Aまたは37Bで表されている。図示のように、回転式スプライサ8は、空気分配体20上に配置されたスプライシング角柱体24を具備し、スプライシング角柱体24は、所定の形で圧縮空気を供給可能なスプライシング通路25を有する。
空気分配体20は、保持・解撚小管26のための収容孔を有し、空気分配体20は、回動可能に支持された少なくとも2つの制御要素41,42により包囲されている。制御要素41,42は、それぞれ歯列51または52を有し、歯列51または52は、付属の個別駆動装置39または40のモータ軸上に配置された小歯車45と噛み合う。個別駆動装置39または40は、制御線路を介して、該当する作業ユニット1の作業ユニット電子計算機に接続されていて、作業ユニット電子計算機により、所定の形で、つまり要求通りに制御可能である。
第1の制御要素41は、回転式スプライサ8の領域に組み込まれた糸処理装置36,37の作動のために、制御カムとして構成された第1の切換えカム43と第2の切換えカム44とをさらに有する。つまり、第1の制御要素41は、2つの第1の切換えカム43を具備し、切換えカム43は、それぞれ糸切断装置36Aまたは36Bの切換えピン27に対応し、第1の制御要素41は、2つの第2の切換えカム44を有し、第2の切換えカム44に、それぞれ糸クランプ装置37Aまたは37Bに配置された切換えピン46が当接する。
看取されるように、糸処理装置36,37は、鋏状基板47に取り付けられており、鋏状基板47自体は、糸処理装置36,37がスプライシング角柱体24のスプライシング通路25の出口領域付近に位置決めされていて、制御要素41の第1のまたは第2の切換えカム43,44と切換えピン27,46とにより要求通りに制御可能となるように配置されている。
第2の制御要素42は、糸寄せ器38を有する。糸寄せ器38は、糸切断装置36により短く切断されるとともに保持・解撚小管26において準備された、上糸48および下糸49の糸端部が、その準備後に糸寄せ器38により保持・解撚小管26から引き出され、実際のスプライシング過程のために要求通りにスプライシング角柱体24のスプライシング通路25内に位置決め可能となるように構成されかつ配置されている。
看取されるように、スプライシング角柱体24を支持する空気分配体20のみならず回動可能に支持された制御要素41,42もたとえばスリーブ状の支持要素50の内側に保護されて配置されており、支持要素50は、閉じた糸ガイド通路6の収容ハウジング18内に位置決め可能である。
図3は、回転式スプライサ8の複数の糸処理装置の1つを拡大した尺度で斜視図で示している。本実施の形態では、糸切断装置は、符号36を有し、糸クランプ装置は、符号37を有し、糸クランプ装置37は、本発明に従って糸キャッチフック60を具備する。看取されるように、糸処理装置36,37は、それぞれ鋏状基板47の、相互に所定の角度αを成して配置された支持面53および54に取り付けられている。この場合、角度αは、110°〜160°であり、好適には120°〜130°である。
看取されるように、支持面53に、糸切断装置36が組み込まれている一方、隣り合う支持面54に、糸クランプ装置37が配置されている。糸切断装置36は、通例のように、定位置に配置された切断エッジ55と可動に軸支された切断エッジ56とを有し、この場合、可動に軸支された切断エッジ56に、切換えピン27が接続されており、切換えピン27は、鋏状基板47の組付け状態で、回転式スプライサ8の第1の制御要素41に配置された第1の切換えカム43に対応していて、かつこの場合、糸切断装置36の切断エッジ55,56の間に位置する糸端部が最適な長さに切断されるように機能する。
鋏状基板47の支持面54に取り付けられた糸クランプ装置37は、定位置のクランプジョー57とばね弾性的に可動に軸支されたクランプジョー58とを有する。可動に軸支されたクランプジョー58の領域に、ばね要素62が配置されており、ばね要素62は、クランプジョー58を「糸を位置決めしかつ糸をクランプする」ように付勢する。可動に軸支されたクランプジョー58に、切換えピン46が接続されており、切換えピン46は、鋏状基板47の組付け状態で、第1の制御要素41に配置された第2の切換えカム44に対応する。
前述のように、可動に軸支されたクランプジョー58は、糸キャッチフック60を具備し、糸キャッチフック60は、鋏状基板47のガイド61内に位置決めされた糸端部48,49がクランプジョー58の内方旋回時に上方から掴まれるように配置されている。つまり、糸端部が可動のクランプジョー58の内方旋回時にクランプジョー58から滑り出てしまって、設定通りに連行されず、結局は糸クランプ装置37のクランプジョー57,58の間に保持されないことが、糸キャッチフック60によって確実に阻止される。
図4は、本発明に従って構成された糸クランプ装置37を詳細に再度拡大して示している。看取されるように、閉じた糸ガイド通路6を介して空圧式に回転式スプライサ8の領域へ送られた、上糸48または下糸49の糸端部が、まずは鋏状基板47のガイド61内に位置決めされている。
この場合、ガイド61は、中央で、糸クランプ装置37の定位置のクランプジョー57のいくぶんか上方に配置されている。糸クランプ装置37の、可動に軸支されたクランプジョー58は、その糸キャッチフック60が方向Sに内方旋回するとき、ガイド61内に位置決めされた糸端部を上方から掴み、これを確実に連行する。つまり、糸キャッチフック60は、糸端部がクランプジョー58から滑落することを阻止する。クランプジョー58が完全に内方旋回されているとき、これは図4において破線で示されているが、上糸48または下糸49の糸端部は、定位置のクランプジョー57の上に位置し、可動に軸支されたクランプジョー58により確実に固定される。
閉じた糸ガイド通路と、本発明に従って構成された糸クランプ装置を有する回転式スプライサとを具備する作業ユニットの機能形式:
たとえば糸切れまたはコントロールされた糸クリアラ切断に基づき通常の巻取り運転中に巻取り中断が生じると、上糸48の糸端部は、綾巻きパッケージ5の表面上に巻き上げられる一方、下糸49の糸端部は、糸テンショナ9にクランプされたままであるか、または繰出し位置ASに位置決めされた紡績コップ2へ落下する。
そのような巻取り中断に続いて巻取りプロセスを新たに始動できるようにするために、公知のように、まずは上糸48および下糸49の糸端部を継いで、再び連続する糸を形成しなければならない。そのために、上糸48の糸端部のみならず下糸49の糸端部も、空圧式に、糸ガイド通路6の収容ハウジング18内に配置された、回転式スプライサ8として構成された糸スプライシング装置の領域へもたらされ、そこでまずは準備される。続いて、上糸48および下糸49の糸端部は、回転式スプライサ8により再び糸継ぎされ、その際、糸継ぎ部は、ほぼ元の糸と同一となる。
つまり、下糸49の糸端部を保持するために、まずは遮蔽板15が調整され、これにより吸込み空気管片12が遮蔽板15の吸込み開口16を介して空圧式に連続して機械長さの吸込み空気通路17に接続される一方、吸込み空気管片13,14は閉じたままである。さらに、吸込みヘッド・収容ハウジング21における制御フラップ23が閉鎖位置に位置決めされ、吸込み脚部19における閉鎖遮蔽部材59が開かれる。
このような位置関係では、糸ガイド通路6の領域に、吸込み脚部19から収容ハウジング18と吸込み空気管片12とを介して吸込み空気通路17へ向けられた負圧流が生じる。続いて、通常は糸テンショナ9に保持される、下糸49の糸端部が、解放され、負圧流の作用のもとで収容ハウジング18と吸込み空気管片12とを通って機械長さの吸込み空気通路17へ向けて導かれ、その際、糸端部は、収容ハウジング18内に配置された回転式スプライサ8の領域で、相応のガイド輪郭により的確にガイドされる。つまり、糸端部は、鋏状基板47のガイド61内に位置決めされ、これにより続いて、鋏状基板47に配置された糸クランプ装置37Bが、糸端部を受け取り、設定通りに固定することができる。
糸クランプ装置37Bは、そのために、ばね弾性的に可動に軸支されたクランプジョー58を有し、クランプジョー58は、糸キャッチフック60を具備し、糸キャッチフック60は、可動のクランプジョー58の内方旋回時に糸端部を上方から掴み、下糸49の糸端部を確実に定位置のクランプジョー57へ向けて連行し、そこでクランプジョー57,58の間で糸端部が規定通りに固定されるように作用する。この場合、たとえば吸込み空気管片12の領域に配置された下糸センサが、下糸49の存在を検出し、それに基づき上糸48の糸端部の検出を導入する。
綾巻きパッケージ5の表面上に巻き上げられた、上糸48の糸端部を検出するために、遮蔽板15が調整され、これにより吸込み空気管片13が吸込み開口16の1つを介して空圧式に連続して機械長さの吸込み空気通路17に接続される一方、吸込み空気管片12,14は閉じたままである。さらに、吸込みヘッド・収容ハウジング21に配置された制御フラップ23が、その吸込み位置に位置決めされ、吸込み脚部19の領域における閉鎖遮蔽部材59が閉じられる。
このような位置関係では、糸ガイド通路6の領域に、吸込みヘッド22の開口から収容ハウジング18と吸込み空気管片13とを介して吸込み空気通路17へ向けられた負圧流が生じる。この負圧流は、綾巻きパッケージ5の表面上に巻き上げられた、上糸48の糸端部が、繰出し方向に回転する綾巻きパッケージ5から取り出され、吸込み空気管片13を介して吸込み空気通路17へ達するように働く。その際、保持された上糸48の糸端部は、下糸49の糸端部について説明したのと同様に、収容ハウジング18内に配置された回転式スプライサ8の領域でガイド61内へ導かれる。ガイド61は、中央で、糸クランプ装置37Aの定位置のクランプジョー57の上方に配置されている。
糸クランプ装置37Aも、定位置のクランプジョー57の他に、糸キャッチフック60を具備するとともにばね弾性的に可動に軸支されたクランプジョー58をさらに有する。糸クランプ装置37Aの糸キャッチフック60も、可動のクランプジョー58の内方旋回時、上糸48の糸端部が確実に定位置のクランプジョー57へ向けて連行され、そこで規定通りに固定されるように作用する。好適には吸込み空気管片13の領域に組み込まれた上糸センサが、上糸48を検出し、これに基づき実際のスプライシング過程を導入する。
つまり、上糸48および下糸49の糸端部は、設定通りに回転式スプライサ8のスプライシング角柱体24のスプライシング通路25内に位置決めされ、糸クランプ装置37A,37Bが閉じられているとき、遮蔽板15が調整されて、これにより吸込み空気管片12のみならず吸込み空気管片13も遮蔽板15の吸込み開口16を介して空圧式に連続して吸込み空気通路17に接続され、したがって負圧が供給される。
生じる負圧により、上糸48および下糸49の糸端部が引っ張られ、続いて糸切断装置36A,36Bにより糸端部が設定通りに短く切断される。さらに、残りの糸が吸い出されて廃棄され、その後で実際のスプライシング過程が実行される。
実行されたスプライシング過程に続いて、新たに巻取り過程が作業ユニットにおいて始動される。
1 自動綾巻き機
2 作業ユニット
3 繰出し補助装置
4 巻取り装置
5 綾巻きパッケージ
6 糸ガイド通路
7 駆動装置
8 回転式スプライサ
9 糸テンショナ
10 糸クリアラ
11 パッケージフレーム
12 吸込み空気管片
13 吸込み空気管片
14 吸込み空気管片
15 遮蔽板
16 吸込み開口
17 吸込み空気通路
18 収容ハウジング
19 吸込み脚部
20 空気分配体
21 吸込みヘッド・収容ハウジング
22 吸込みヘッド
23 制御フラップ
24 スプライシング角柱体
25 スプライシング通路
26 保持・解撚小管
27 切換えピン
28 吸込み開口
29 糸
30 揺動軸線
31 収容区分
32 収容区分
33 収容区分
34 糸ガイドドラム
35 糸張力センサ
36 糸切断装置
37 糸クランプ装置
38 糸寄せ器
39 個別駆動装置
40 個別駆動装置
41 制御要素
42 制御要素
43 切換えカム
44 切換えカム
45 小歯車
46 切換えピン
47 鋏状基板
48 上糸
49 下糸
50 支持要素
51 歯列
52 歯列
53 支持部
54 支持部
55 切断エッジ
56 切断エッジ
57 クランプジョー
58 クランプジョー
59 閉鎖遮蔽部材
60 糸キャッチフック
61 ガイド
62 ばね要素
AS 繰出し位置
F 糸走行方向
α 角度
S 揺動方向

Claims (4)

  1. 綾巻きパッケージを製造する繊維機械の作業ユニット(1)に用いられる回転式スプライサ(8)であって、
    前記作業ユニット(1)は、ほぼ閉じた糸ガイド通路(6)を有し、該糸ガイド通路(6)は、糸切れ後に上糸(48)および下糸(49)の糸端部を空圧式に搬送するために使用可能であり、前記回転式スプライサ(8)は、空気分配体(20)上に取り付けられたスプライシング角柱体(24)と、該スプライシング角柱体(24)に対して間隔を置いて配置された複数の糸切断装置(36)および複数の糸クランプ装置(37)とを具備する、回転式スプライサ(8)において、
    前記糸クランプ装置(37A,37B)は、定位置のクランプジョー(57)と、糸キャッチフック(60)を具備するとともに可動に軸支されたクランプジョー(58)とをそれぞれ有することを特徴とする、綾巻きパッケージを製造する繊維機械の作業ユニット(1)に用いられる回転式スプライサ(8)。
  2. 前記糸キャッチフック(60)は、可動に軸支された前記クランプジョー(58)の自由端部の領域に、前記クランプジョー(58)の内方旋回時に前記上糸(48)および前記下糸(49)の糸端部を前記糸キャッチフック(60)が上方から掴めるように配置されていることを特徴とする、請求項1記載の回転式スプライサ(8)。
  3. 可動に軸支された前記クランプジョー(58)の領域に、ばね要素(62)が配置されており、該ばね要素(62)は、前記クランプジョー(58)を「糸を位置決めしかつ糸をクランプする」ように付勢することを特徴とする、請求項1または2記載の回転式スプライサ(8)。
  4. 可動に軸支された前記クランプジョー(58)は、切換えカム(46)を有し、該切換えカム(46)は、前記回転式スプライサ(8)の制御要素(41)に配置された制御カム(44)に対応することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の回転式スプライサ(8)。
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