JP2019100333A - 複リンク式ピストンクランク機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関の音振性能を向上させる。【解決手段】複リンク式ピストンクランク機構のコントロールリンク7は、その大端部17中央の支持ピン嵌合孔19の中心C1と、小端部18中央のコントロールピン嵌合孔14の中心C2とを通る線Aに対し左右対称に形成された基本形状に、重り部15を付加した左右非対称の形状を有する。重り部15は、線Aを挟んでクランクピン5と反対側の小端部18の円弧18cよりもコントロールピン嵌合孔14の径方向外側に張り出している。重り部15を含むコントロールリンク7の重心G2は、基本形状の重心G1に対し、線Aを挟んでクランクピン5と反対側にずれた位置にある。このように構成されたコントロールリンク7によって、アッパリンク3の上下運動に伴う振動成分や、この振動成分に起因する内燃機関のヨー振動が抑制される。従って、内燃機関の音振性能が向上する。【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関のピストンクランク機構、特に、複リンク式ピストンクランク機構に関する。
複リンク式ピストンクランク機構の一例として、特許文献1に記載のものが挙げられる。この複リンク式ピストンクランク機構は、ピストンにピストンピンを介して一端が連結されたアッパリンクと、このアッパリンクの他端にアッパピンを介して連結され、かつクランクシャフトのクランクピンに連結されたロアリンクと、一端が内燃機関本体に支持ピンを介して揺動可能に連結され、かつ他端がロアリンクにコントロールピンを介して連結されたコントロールリンクと、を備えている。このコントロールリンクは、棒状に形成されており、支持ピンが嵌合する支持ピン嵌合孔を有した大端部と、コントロールピンが嵌合するコントロールピン嵌合孔を有した小端部と、を有している。
コントロールリンクは、支持ピン嵌合孔の中心とコントロールピン嵌合孔の中心とを通る線に対して左右対称に形成されている。従って、コントロールリンクの重心は、上記2つの中心を通る線上に位置している。
特開2017−53416号公報
特許文献1の複リンク式ピストンクランク機構では、ピストンおよびアッパリンクの上下運動に起因して上下方向の振動成分が生じる。この振動成分は、奇数気筒内燃機関、例えば3気筒内燃機関においては、相殺されずに依然として残存したままとなる。そして、上記振動成分により、内燃機関にヨー振動が生じ、内燃機関の音振性能が悪化する虞がある。
さらに、燃費向上を目的とした複リンク式ピストンクランク機構のロングストローク化により、内燃機関の音振性能がさらに悪化する虞がある。
本発明では、コントロールリンクの第1端部の外周において、支持ピン嵌合孔の中心とコントロールピン嵌合孔の中心とを通る線を挟んでクランクピンと反対側に、重り部が設けられているか、または上記線を挟んで前記クランクピン側に、相対的に比重の小さい材料からなる軽量部が設けられている。
従って、重り部または軽量部を含むコントロールリンクの重心が、支持ピン嵌合孔とコントロールピン嵌合孔とを通る線を挟んでクランクピンと反対側に位置している。これにより、アッパリンクの上下運動に伴う振動成分の発生が抑制される。
本発明によれば、内燃機関に生じるヨー振動が低減され、これにより、内燃機関の音振性能が向上する。
第1の実施例の複リンク式ピストンクランク機構の構成説明図である。 第1の実施例のロアリンクの斜視図である。 (a)は、第1の実施例のコントロールリンクの平面図であり、(b)は、クランクピンと反対側から見たときの第1の実施例のコントロールリンクの側面図である。 第1の実施例のコントロールリンクを用いた場合におけるヨー振動の振幅に対し、重り部なしの比較例のコントロールリンクを用いた場合におけるヨー振動の振幅を比較したグラフである。 (a)は、第2の実施例のコントロールリンクの平面図であり、(b)は、クランクピンと反対側から見たときの第2の実施例のコントロールリンクの側面図である。 (a)は、小端部を断面で示した第3の実施例のコントロールリンクの部分断面図であり、(b)は、クランクピン側から見たときの第3の実施例のコントロールリンクの側面図である。 (a)は、小端部を断面で示した第4の実施例のコントロールリンクの部分断面図であり、(b)は、クランクピン側から見たときの第4の実施例のコントロールリンクの断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施例について説明する。
図1は、奇数気筒内燃機関、例えば直列3気筒内燃機関の各気筒に適用される第1の実施例の複リンク式ピストンクランク機構を示している。この複リンク式ピストンクランク機構は、ピストン1にピストンピン2を介して一端が連結されたアッパリンク3と、このアッパリンク3の他端にアッパピン(連結ピン)4を介して連結され、かつクランクシャフトのクランクピン5に連結されたロアリンク6と、このロアリンク6の自由度を規制するコントロールリンク7と、を備えている。このコントロールリンク7は、一端が機関本体側の支持ピン8に揺動可能に支持され、他端がロアリンク6にコントロールピン(連結ピン)9を介して連結されている。なお、複リンク式ピストンクランク機構は、支持ピン8の位置を可変とすることで、可変圧縮比機構として構成することも可能である。
図2に示すように、ロアリンク6は、クランクピン5に嵌合する円筒形のクランクピン軸受部10を中央に有し、かつこのクランクピン軸受部10を挟んで互いにほぼ180°反対側となる位置に、互いに対向する2つのアッパピン用ピンボス部11a,11aと、互いに対向する2つのコントロールピン用ピンボス部12a,12a(図2には1つのみを図示)と、がそれぞれ設けられている。このロアリンク6は、全体として、菱形に近い平行四辺形をなしており、クランクピン軸受部10の中心を通る分割面13において、アッパピン用ピンボス部11a,11aを含むロアリンクアッパ6Aと、コントロールピン用ピンボス部12a,12aを含むロアリンクロア6Bと、の2部品に分割して形成されている。これらのロアリンクアッパ6Aおよびロアリンクロア6Bは、クランクピン軸受部10をクランクピン5に嵌め込んだ上で、図示せぬ2本のボルトによって互いに締結されている。
アッパピン用ピンボス部11a,11aおよびコントロールピン用ピンボス部12a,12aは、アッパリンク3やコントロールリンク7を軸方向中央部に挟むように構成されており、ロアリンク6の軸方向端面に沿って延びている。つまり、ピンボス部11a,11a,12a,12aは、円筒状をなすクランクピン軸受部10の軸方向両端部にそれぞれ接続されている。
図3は、第1の実施例のコントロールリンク7を示している。図3(a)に示すように、コントロールリンク7は、該コントロールリンク7の単品として必要な剛性を確保するとともにコントロールリンク7の重量を最少とするように構成された左右対称の基本形状に、この基本形状からコントロールピン嵌合孔14の径方向外側に張り出した重り部15を付加することで、コントロールピン9の軸方向に見て左右非対称に形成されている。コントロールリンク7は、金属材料、例えばSVh40CS1によって形成されている。ここで、SVh40CS1の比重は、7.8である。
図3(b)に示すように、コントロールリンク7は、その厚み方向には概ね対称に形成されている。
コントロールリンク7の上記基本形状は、断面矩形の棒状をなすロッド部16と、このロッド部16の一端と一体に形成され、概ね長方形の外形をなす環状の大端部(第2端部)17と、ロッド部16の他端と一体に形成され、図3(a)に実線および仮想線で示す概ね円形の外形をなす環状の小端部(第1端部)18と、から構成されている。
大端部17は、支持ピン8に組付可能な半割構造をなしており、ロッド部16と一体に形成された本体17Aと、この本体17Aとの間に支持ピン8が嵌合する円形の支持ピン嵌合孔19を形成するキャップ17Bと、を備えている。キャップ17Bは、図示せぬ一対のボルトによって、本体17Aに共締固定される。
小端部18は、コントロールピン9が嵌合する円形のコントロールピン嵌合孔14を有している。ここで、小端部18の基本形状は、一部を仮想線で示すように、コントロールピン嵌合孔14と同心の円環状をなしている。小端部18の基本形状の外形は、クランクピン5側に形成され、かつコントロールピン嵌合孔14と同心の円弧18dと、コントロールピン嵌合孔14と同心となるように円弧18dの一端からクランクピン5と反対側に連続する円弧18c(仮想線で示す)と、によって構成されている。
図3(a)に示すように、小端部18の基本形状においては、支持ピン嵌合孔19の中心C1とコントロールピン嵌合孔14の中心C2とを通る線Aと直交し、かつ中心C2を通る線Bに沿った直径方向の寸法を幅WAとすると、この幅WAは、ロッド部16の幅WBよりも大きく、かつ大端部17の幅WCよりも小さくなっている。
コントロールピン9の軸方向に見たときのコントロールリンク7の基本形状の重心G1は、図3(a)に示すように、ロッド部16において、支持ピン嵌合孔19の中心C1とコントロールピン嵌合孔14の中心C2とを通る線A上に位置している。
また、コントロールリンク7の大端部17の側部20側から見たときのコントロールリンク7の基本形状の重心G1は、図3(b)に示すように、ロッド部16において、コントロールリンク7の厚みの中心線C上に位置している。
第1の実施例のコントロールリンク7においては、上記のような基本形状を有する小端部18の外周の一部である円弧18cに重り部15が付加されている。この重り部15は、上記基本形状の重心G1に対しコントロールリンク7の重心G2を線Aを挟んでクランクピン5と反対側にずらし、アッパリンク3の上下運動に伴う振動成分や、この振動成分に起因する内燃機関のヨー振動を抑制するためのものである。重り部15は、線Aを挟んでクランクピン5と反対側の小端部18の基本形状の円弧18cよりもコントロールピン嵌合孔14の径方向外側に張り出している。つまり、重り部15は、中心C2を通り、かつ線Aと直交する線Bの付近に比較的多く分布するように、円弧18cから、コントロールピン嵌合孔14の径方向外側へと概ね三角形状に張り出している。ここで、重り部15の先端15aは、線Bに沿った方向の位置として、大端部17の側部20よりも外側に位置している。このように構成された重り部15の形状は、コントロールリンク7が支持ピン8を支点として線Aに対し左右に揺れるときに、重り部15が図示せぬシリンダブロックに干渉しないようになっている。
また、コントロールピン嵌合孔14を囲むコントロールリンク7の端面のうちクランクピン5側にある端面18aは、線Aを挟んでクランクピン5と反対側にある端面18bと同一平面上にある。端面18bは、重り部15の端面15bと連続しており、この端面15bと同一平面にある。
このように重り部15を付加した結果、重り部15を含むコントロールリンク7の重心G2は、ロッド部16において線A上に位置する基本形状の重心G1よりも、線Aを挟んでクランクピン5と反対側にずれた位置にある。
また、コントロールリンク7の大端部17の側部20側から見たときの重り部15を含むコントロールリンク7の重心G2は、基本形状の重心G1と同じ位置にある。
ここで、図1に示すように、ピストン1の摺動方向に沿った方向を「Y軸方向」と定義し、Y軸に直交する方向を「X軸方向」と定義し、さらに、X軸方向に沿った図1の左側を「X軸方向一端側」と定義する。
かかる複リンク式ピストンクランク機構において、ロアリンク6は、ピストン1が受けた燃焼圧力をアッパリンク3を介してアッパピン4により受け取り、コントロールピン9を支点とする揺動動作によりクランクピン5に力を伝達する。
ロアリンク6の回転時には、図1に示すように、アッパピン4が嵌合するアッパピン用孔21の中心C3は、クランクピン軸受部10の中心C4よりも常にX軸方向一端側に位置し、一方、クランクピン軸受部10の中心C4は、コントロールピン嵌合孔14の中心C2よりも常にX軸方向一端側に位置している。このようなリンクジオメトリに起因して、特有の振動が発生する。
図4は、第1の実施例のコントロールリンク7を用いた場合におけるヨー振動の振幅に対し、重り部なしの比較例のコントロールリンクを用いた場合におけるヨー振動の振幅を比較したグラフである。実線は、第1の実施例のコントロールリンク7を用いた場合のヨー振動の振幅を示しており、一方、破線は、重り部なしのコントロールリンクを用いた場合のヨー振動の振幅を示している。
図4に示すように、第1の実施例のコントロールリンク7を用いた場合のヨー振動の振幅は、重り部なしのコントロールリンクを用いた場合のヨー振動の振幅よりも小さくなっている。従って、コントロールリンク7の小端部18に重り部15を付加することにより、直列3気筒内燃機関に生じるヨー振動が低減したことが分かる。
上記のように、第1の実施例では、重り部15は、線Aを挟んでクランクピン5と反対側の小端部18の円弧18cよりもコントロールピン嵌合孔14の径方向外側に概ね三角形状に張り出している。従って、重り部15を含むコントロールリンク7の重心G2は、コントロールリンク7の最低限の剛性を確保するために設定された基本形状の重心G1に対して、線Aを挟んでクランクピン5と反対側にずれた位置にある。これにより、アッパリンク3の上下運動に伴う振動成分の発生が抑制され、さらに、この振動成分に伴って直列3気筒内燃機関に生じるヨー振動が減少する。よって、ヨー振動に起因する直列3気筒内燃機関の音振性能が向上する。
また、燃費の向上を目的として、複リンク式ピストンクランク機構をロングストローク化する場合には、直列3気筒内燃機関の音振性能がさらに悪化する虞があるが、第1の実施例のコントロールリンク7は、上記のようなロングストローク化した複リンク式ピストンクランク機構に対しても音振性能を向上させることができる。
図5(a)および図5(b)は、第2の実施例のコントロールリンク7の正面図および側面図をそれぞれ示している。
第2の実施例では、図5(a)に示すように、コントロールリンク7の重り部22は、中心C2を通り、かつ線Aと直交する線Bよりも大端部17側に多く分布している。
これに伴い、重り部22を含むコントロールリンク7の重心G3は、図5(a)および図5(b)に示すように、基本形状を有したロアリンクの重心G1よりも線Aを挟んでクランクピン5と反対側にずれ、さらに、支持ピン嵌合孔19側にずれて位置している。
コントロールリンク7は、支持ピン嵌合孔19の中心C1を支点として線Aに対し左右に揺れるように運動するものであり、重心G3が中心C1から遠くなるほど支持ピン嵌合孔19に掛かる軸受荷重が大きくなる。
第2の実施例では、コントロールリンク7の重り部22を線Bよりも大端部17側に多く分布させて重心G3を支持ピン嵌合孔19の中心C1に近づけることで、第1の実施例と比較して支持ピン嵌合孔19に掛かる軸受荷重を低減することができる。
なお、第2の実施例のように重心G3を支持ピン嵌合孔19の中心C1に近づけてもヨー振動の低減作用は、第1の実施例と同様に作られ、直列3気筒内燃機関の音振性能の向上が図れる。
図6(a)は、小端部18を断面で示した第3の実施例のコントロールリンク7の部分断面図であり、図6(b)は、クランクピン5側から見たときの第3の実施例のコントロールリンク7の側面図である。なお、図6(a)では、軽量部23を樹脂用の断面ハッチングで示し、図6(b)では、軽量部23をドットで示してある。
第3の実施例では、コントロールリンク7は、該コントロールリンク7の単品として必要な剛性を確保するとともにコントロールリンク7の重量を最少とするように構成された上述の左右対称の基本形状に形成されている。コントロールリンク7では、中心C1および中心C2を通る線Aよりもクランクピン5側に、線Aを挟んでクランクピン5と反対側(比重が7.8であるSVh40CS1によって構成されている)よりも比重の小さい材料から形成された軽量部23が設けられている。この軽量部23は、合成樹脂材料、例えばコウベライトKM−9000によって構成されている。ここで、コウベライトKM−9000の比重は、1.32である。
小端部18の厚み方向における中央位置には、図6(b)に長方形の破線で示す凹部24が開口形成されている。図6(a)に示すように、凹部24は、線Aよりもクランクピン5側に設けられており、コントロールピン9の径方向に切断したときの断面が概ね扇形状をなしている。凹部24は、コントロールピン嵌合孔14の内周面から径方向外側に離間した位置で円弧面状に連続した底面24aと、該底面24aの周方向両端部に設けられ、線A付近に位置する一対の周方向端面24b,24bと、底面24aおよび周方向端面24b,24bに接続され、互いに対向する一対の軸方向端面24c,24cと、を有している。このように構成された凹部24内に、コウベライトKM−9000からなる軽量部23が充填される。
底面24a、周方向端面24b,24bおよび軸方向端面24c,24cと軽量部23との間の結合は、周知の異種材料結合方法によって行われる。
なお、凹部24からの軽量部23の脱落を抑制するために、軸方向端面24c,24cに凹凸を設けるようにしても良い。
また、小端部18の厚み方向両端部、つまり図6(b)の軽量部23の両側では、SVh40CS1からなる金属部分が小端部18の全周にわたって連続している。
このように軽量部23を付加した結果、軽量部23を含むコントロールリンク7の重心G4は、ロッド部16において、線A上に位置する基本形状の重心G1よりも、線Aを挟んでクランクピン5と反対側にずれた位置にある。
また、クランクピン5側から見たときの軽量部23を含むコントロールリンク7の重心G4は、基本形状の重心G1と同じ位置にある。
上記のように、第3の実施例では、コントロールリンク7の線Aよりもクランクピン5側に、線Aを挟んでクランクピン5と反対側よりも比重の小さい材料からなる軽量部23が設けられている。従って、軽量部23を含むコントロールリンク7の重心G4は、コントロールリンク7の最低限の剛性を確保するために設定された基本形状の重心G1に対して、線Aを挟んでクランクピン5と反対側にずれた位置にある。これにより、アッパリンク3の上下運動に伴う振動成分の発生が抑制され、さらに、この振動成分に伴って直列3気筒内燃機関に生じるヨー振動が減少する。よって、ヨー振動に起因する直列3気筒内燃機関の音振性能が向上する。
図7(a)は、小端部18を断面で示した第4の実施例のコントロールリンク7の部分断面図であり、図7(b)は、クランクピン5側から見たときの第4の実施例のコントロールリンク7の側面図である。
第4の実施例のコントロールリンク7は、第3の実施例のコントロールリンク7の小端部18の線Aを挟んでクランクピン5と反対側に、第1の実施例の重り部15よりも外形が小さい重り部25を付加したものである。従って、軽量部23および重り部25を含むコントロールリンク7の重心G5は、第3の実施例の重心G4よりも線Aを挟んでクランクピン5と反対側にずれた位置にある。
第4の実施例のように、軽量部23および小型の重り部25を含むコントロールリンク7によっても、線Aを挟んでクランクピン5と反対側に重心G5がずれた構成が得られる。従って、小型の重り部25により、重り部25とシリンダブロックとの干渉を効果的に抑制しながら、直列3気筒内燃機関に生じるヨー振動を減少させることができる。
1・・・ピストン
3・・・アッパリンク
6・・・ロアリンク
7・・・コントロールリンク
8・・・支持ピン
9・・・コントロールピン
14・・・コントロールピン嵌合孔
15・・・重り部
17・・・大端部
18・・・小端部
19・・・支持ピン嵌合孔
22・・・重り部
C1,C2,C3,C4・・・中心
G1,G2,G3,G4,G5・・・重心
23・・・軽量部
24・・・凹部
25・・・重り部

Claims (9)

  1. ピストンにピストンピンを介して一端が連結されたアッパリンクと、このアッパリンクの他端にアッパピンを介して連結され、かつクランクシャフトのクランクピンに連結されたロアリンクと、一端が内燃機関本体に支持ピンを介して揺動可能に連結され、かつ他端が前記ロアリンクにコントロールピンを介して連結されたコントロールリンクと、を備えた複リンク式ピストンクランク機構において、
    前記コントロールリンクは、前記コントロールピンが嵌合するコントロールピン嵌合孔を有した第1端部と、前記支持ピンが嵌合する支持ピン嵌合孔を有した第2端部と、を備え、
    前記第1端部の外周において、前記支持ピン嵌合孔の中心と前記コントロールピン嵌合孔の中心とを通る線を挟んで前記クランクピンと反対側に、重り部が設けられていることを特徴とする複リンク式ピストンクランク機構。
  2. 前記第1端部の外形は、概ね円形の基本形状を有し、
    前記重り部は、前記支持ピン嵌合孔の中心と前記コントロールピン嵌合孔の中心とを通る線を挟んで前記クランクピンと反対側の前記基本形状の円弧よりも前記コントロールピン嵌合孔の径方向外側に張り出していることを特徴とする請求項1に記載の複リンク式ピストンクランク機構。
  3. 前記重り部を含む前記コントロールリンクの重心は、前記支持ピン嵌合孔の中心と前記コントロールピン嵌合孔の中心とを通る線を挟んで前記クランクピンと反対側にずれた位置にあることを特徴とする請求項1または2に記載の複リンク式ピストンクランク機構。
  4. 前記重り部は、前記支持ピン嵌合孔の中心と前記コントロールピン嵌合孔の中心とを通る線と直交し、かつ前記コントロールピン嵌合孔の中心を通る線よりも前記第2端部側に多く分布していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の複リンク式ピストンクランク機構。
  5. 前記重り部を含む前記コントロールリンクの重心は、重り部を具備しない基本形状の重心位置に対して前記支持ピン嵌合孔の中心寄りに位置していることを特徴とする請求項4に記載の複リンク式ピストンクランク機構。
  6. ピストンにピストンピンを介して一端が連結されたアッパリンクと、このアッパリンクの他端にアッパピンを介して連結され、かつクランクシャフトのクランクピンに連結されたロアリンクと、一端が内燃機関本体に支持ピンを介して揺動可能に連結され、かつ他端が前記ロアリンクにコントロールピンを介して連結されたコントロールリンクと、を備えた複リンク式ピストンクランク機構において、
    前記コントロールリンクは、前記コントロールピンが嵌合するコントロールピン嵌合孔を有した第1端部と、前記支持ピンが嵌合する支持ピン嵌合孔を有した第2端部と、を備え、
    前記支持ピン嵌合孔の中心と前記コントロールピン嵌合孔の中心とを通る線を挟んで前記クランクピン側に、相対的に比重の小さい材料からなる軽量部が設けられていることを特徴とする複リンク式ピストンクランク機構。
  7. 前記軽量部は、合成樹脂材料によって形成されており、前記軽量部以外の前記コントロールリンクの部位は、金属材料によって形成されていることを特徴とする請求項6に記載の複リンク式ピストンクランク機構。
  8. 前記軽量部を含む前記コントロールリンクの重心は、前記支持ピン嵌合孔の中心と前記コントロールピン嵌合孔の中心とを通る線を挟んで前記クランクピンと反対側にずれた位置にあることを特徴とする請求項6または7に記載の複リンク式ピストンクランク機構。
  9. 前記コントロールリンクは、奇数気筒内燃機関に用いられることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の複リンク式ピストンクランク機構。
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