JP2021156206A - 分割型ピストン - Google Patents

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Abstract

【課題】上方部材及び下方部材の肉厚が局所的に薄くなるのを抑制し、上方部材及び下方部材の剛性を高める。【解決手段】上方部材8と下方部材9とに分割された分割型ピストン1であって、上方部材8は、冠面17が形成される頂部11と、頂部11から下方に突出し、ピストンピン孔が形成される一対のピンボス部とを有し、下方部材9は、オイルリング溝39が形成される筒状部31と、筒状部31の下方に位置するスカート部32とを有し、上方部材8と下方部材9の分割面51の端部51Aは、オイルリング溝39の上方に形成されたコンプレッションリング溝35に位置している。【選択図】 図7

Description

本発明は、上方部材と下方部材とに分割された分割型ピストンに関する。
従来、上方部材と下方部材とに分割された分割型ピストンが知られている。例えば、上方部材にはピストンピン孔が形成されており、下方部材にはオイルリング溝が形成されている(特許文献1、2参照)。
実開昭64−39454号公報 特公平03−31956号公報
特許文献1、2では、上方部材と下方部材の分割面の端部が、ピストンの外周面に設けられた複数のリング溝の間に位置している。そのため、複数のリング溝の間で上方部材と下方部材が肉厚を分け合っており、上方部材及び下方部材の肉厚が局所的に薄くなっている。これに伴って、上方部材及び下方部材の剛性が局所的に低下する虞がある。
本発明は、以上の背景を鑑み、上方部材及び下方部材の肉厚が局所的に薄くなるのを抑制し、上方部材及び下方部材の剛性を高めることができる分割型ピストンを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために本発明のある態様は、上方部材(8)と下方部材(9)とに分割された分割型ピストン(1)であって、前記上方部材は、冠面(17)が形成される頂部(11)と、前記頂部から下方に突出し、ピストンピン孔(22)が形成される一対のピンボス部(13)とを有し、前記下方部材は、オイルリング溝(39)が形成される筒状部(31)と、前記筒状部の下方に位置するスカート部(32)とを有し、前記上方部材と前記下方部材の分割面(51)の端部(51A)は、前記オイルリング溝の上方に形成されたコンプレッションリング溝(35)に位置している。
この態様によれば、複数のリング溝の上下の壁面や複数のリング溝間の壁面を、上方部材又は下方部材のいずれか一方のみによって形成することができる。これにより、上方部材及び下方部材の肉厚が局所的に薄くなるのを抑制し、上方部材及び下方部材の剛性を高めることができる。
上記の態様において、前記分割面の前記端部は、前記コンプレッションリング溝の上面と連続しており、前記コンプレッションリング溝の上面と同じ高さに位置していても良い。
この態様によれば、分割面の端部がコンプレッションリング溝の底面や内面と同じ高さに位置している場合と比較して、上方部材と下方部材の圧入代を長くすることができる。これに伴って、上方部材と下方部材の間のシール性を高めることができ、燃焼ガスの吹き抜けを抑制することができる。
上記の態様において、前記コンプレッションリング溝の前記上面は、前記頂部の下面によって画定され、前記コンプレッションリング溝の内面及び下面は、前記筒状部の上端外周縁に設けられた切欠き(34)によって画定されていても良い。
この態様によれば、頂部の肉厚を減少させることなく、上方部材と下方部材の圧入代を最大限長くすることができる。そのため、ピストンが小型軽量化されている場合や冠面にバルブ逃げ部が凹設されている場合であっても、頂部の肉厚と剛性を十分に確保することができる。また、切欠きが設けられた筒状部の上面を頂部の下面に突き当てることで、頂部に特別な加工を施すことなく、コンプレッションリング溝を形成することができる。そのため、上方部材と下方部材の製造や組み付けの容易性を向上させることができる。
上記の態様において、前記オイルリング溝は、前記ピストンピン孔の上縁よりも下方に位置していても良い。
この態様によれば、ピストンの軸方向の寸法を減少させることができ、ピストンの小型軽量化を図ることができる。
上記の態様において、前記上方部材は、前記各ピンボス部の両側に位置する複数の固定部(14)を更に有し、前記各固定部には、凹部(23)が形成され、前記スカート部には、複数の薄肉部(45)が形成され、前記スカート部に前記各固定部が挿入された状態で、前記スカート部の前記各薄肉部が前記各固定部の前記凹部にカシメ固定されていても良い。
この態様によれば、簡易な構成によって上方部材と下方部材の抜け止めと回り止めを行い、上方部材と下方部材を安定的且つ確実に固定することができる。
上記の態様において、前記各固定部は、前記各ピンボス部の両側部と一体形成されていても良い。
この態様によれば、各固定部の剛性を向上させ、上方部材と下方部材の固定強度を高めることができる。
上記の態様において、前記スカート部は、隣り合う前記薄肉部の間で、前記ピストンピン孔の径方向外側を覆っていても良い。
この態様によれば、隣り合う薄肉部の間の部分の剛性を高めることで、上方部材と下方部材の固定強度を高めることができる。
以上の構成によれば、上方部材及び下方部材の肉厚が局所的に薄くなるのを抑制し、上方部材及び下方部材の剛性を高めることができる分割型ピストンを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る分割型ピストンを示す断面図 本発明の一実施形態に係る分割型ピストンを示す斜視図 本発明の一実施形態に係る分割型ピストンを示す分解図 本発明の一実施形態に係る上方部材を示す斜視図 本発明の一実施形態に係る分割型ピストンを示す平面図 図5のVI−VI断面における断面図 本発明の一実施形態に係る分割型ピストンの分割面を示す断面図 本発明の他の異なる実施形態に係る分割型ピストンの分割面を示す断面図 本発明の他の異なる実施形態に係る分割型ピストンの分割面を示す断面図
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係る分割型ピストン1(以下、単に「ピストン1」と称する)について説明する。以下、説明の便宜上、前後、上下、左右等の方向を示す用語は、図1を基準として用いる。以下、周方向又は径方向と記載する場合には、ピストン1の周方向又は径方向を示す。
<ピストン1>
図1を参照して、ピストン1は、4サイクルエンジン3(以下、単に「エンジン3」と称する)のシリンダ4に摺動可能に収容されている。ピストン1は、ピストンピン5を介してコンロッド6の小端部6Aに取り付けられている。なお、コンロッド6の大端部6Bには、クランクシャフト(図示せず)が取り付けられている。
図1〜図3を参照して、ピストン1は、上方部材8と下方部材9とに2分割されている。以下、上方部材8と下方部材9とについて順番に説明する。
<上方部材8>
図4を参照して、上方部材8は、一体物の部品である。上方部材8は、例えば、アルミニウムや鉄などの金属材料(合金を含む)、セラミックス、その他の任意の材料によって形成されている。上方部材8は、円盤状の頂部11と、頂部11の下面から下方に突出する環状部12と、頂部11の下面から下方に突出する一対のピンボス部13と、各ピンボス部13の両側に位置する複数(4個)の固定部14とを有する。
図1、図5を参照して、上方部材8の頂部11の上面には、冠面17が形成されている。冠面17は、シリンダ4の内面及びシリンダヘッド(図示せず)の下面と共に、燃焼室18を画定している。冠面17には、複数(4個)のバルブ逃げ部19が周方向に間隔をおいて凹設されている。各バルブ逃げ部19は、燃焼室18に設けられた一対の吸気バルブ及び一対の排気バルブ(いずれも図示せず)と対応する位置に設けられており、上記各バルブのリフト時(下降時)に各バルブとピストン1との干渉を抑制する機能を果たす。
図3、図4を参照して、上方部材8の環状部12は、頂部11の下面の全周にわたって設けられている。環状部12には、各ピンボス部13の径方向外側に、一対のくぼみ部21(図3、図4では1個のみを表示)が設けられている。
上方部材8の一対のピンボス部13は、環状部12と一体形成されており、環状部12から径方向内側に向かって突出している。各ピンボス部13には、ピストンピン孔22が形成されている。各ピンボス部13のピストンピン孔22には、ピストンピン5(図1参照)が挿入(圧入)されている。
図3、図4を参照して、上方部材8の複数の固定部14は、周方向に間隔をおいて設けられている。複数の固定部14は、各ピンボス部13の両側部13Aと一体形成されており、各ピンボス部13を補強するための肉盛部として機能する。複数の固定部14は、環状部12の下端部12Aと各ピンボス部13の両側部13Aをつなぐように設けられている。各固定部14の外面(径方向外側の面)は、環状部12の外周面と滑らかに連続している。各固定部14の外面には、径方向内側に向かって円形の凹部23が設けられている。凹部23は、環状部12の下端部12Aよりも下方に位置している。凹部23は、ピストンピン孔22の軸方向視(図3参照)で、各ピンボス部13の両外側に形成されている。つまり、凹部23は、ピストンピン孔22の軸方向視で、各ピンボス部13と重ならない位置に形成されている。
<下方部材9>
図1〜図3を参照して、下方部材9は、一体物の部品である。下方部材9は、例えば、アルミニウムや鉄などの金属材料(合金を含む)、セラミックス、樹脂、その他の任意の材料によって形成されている。下方部材9は、円筒状を成している。下方部材9は、筒状部31と、筒状部31の下方に位置するスカート部32とを有する。
図6、図7を参照して、下方部材9の筒状部31には、上方部材8の環状部12が挿入(圧入)されている。筒状部31の上面は、上方部材8の環状部12の外周において、上方部材8の頂部11の下面に突き当てられている。筒状部31の上端外周縁(筒状部31の外周面と上面の境界)には、断面L字状の切欠き34が設けられている。切欠き34は、上方部材8の頂部11の下面と共に、トップリング溝35(コンプレッションリング溝の一例)を画定している。つまり、上方部材8の頂部11の下面がトップリング溝35の上面を画定し、切欠き34がトップリング溝35の内面と下面を画定している。トップリング溝35には、トップリング36(コンプレッションリングの一例)が装着されている。
下方部材9の筒状部31の外周面には、トップリング溝35の下方に、セカンドリング溝37(コンプレッションリング溝の一例)が形成されている。セカンドリング溝37は、下方部材9のみによって画定されている。セカンドリング溝37には、セカンドリング38(コンプレッションリングの一例)が装着されている。
下方部材9の筒状部31の外周面には、セカンドリング溝37の下方に、オイルリング溝39が形成されている。オイルリング溝39は、下方部材9のみによって画定されている。オイルリング溝39は、上方部材8の各ピンボス部13のピストンピン孔22の上縁よりも下方に位置している。オイルリング溝39には、オイルリング40が装着されている。
図2、図6を参照して、下方部材9のスカート部32には、上方部材8の各ピンボス部13及び各固定部14が挿入されている。スカート部32の外周面には、オイルリング溝39よりも下方に、一対の摺動部43が周方向に間隔をおいて設けられている。各摺動部43は、シリンダ4の内面に沿って円弧状に湾曲しており、シリンダ4の内面に対して摺動可能に設けられている。
下方部材9のスカート部32の外周面には、オイルリング溝39よりも下方に、一対の接続部44が周方向に間隔をおいて設けられている。各接続部44は、各摺動部43の間に設けられており、各摺動部43の周方向の端部を接続している。各接続部44は、シリンダ4の内面に対して径方向内側に凹んでおり、シリンダ4の内面とは間隔を介して設けられている。
下方部材9のスカート部32の各接続部44には、周方向に間隔をおいて、横長楕円状の一対の薄肉部45が形成されている。つまり、下方部材9のスカート部32には、上方部材8の4個の固定部14に対応して、計4個の薄肉部45が形成されている。各薄肉部45の外面(径方向外側の面)は、各薄肉部45の周囲の部分の外面(径方向外側の面)に対して、径方向内側にくぼんでいる。そのため、各薄肉部45の肉厚は、各薄肉部45の周囲の部分の肉厚よりも薄くなっている。各薄肉部45は、上方部材8の各固定部14の凹部23の径方向外側に位置している。各薄肉部45の中央部は、径方向外側から押圧されて径方向内側に向かって突出しており、各固定部14の凹部23に入り込んでいる。すなわち、各薄肉部45は、各固定部14の凹部23にカシメ固定(押圧固定)されている。各接続部44は、隣り合う薄肉部45の間の部分(薄肉部45よりも肉厚の厚い部分)において、各ピンボス部13のピストンピン孔22の径方向外側を覆っている。
<上方部材8と下方部材9の分割面51>
図7を参照して、上方部材8と下方部材9の分割面51(以下、単に「分割面51」と称する)は、水平に設けられる円環状の突当面52と、突当面52の径方向内側の端部から下方に向かって延びる円筒状の圧入面53と、を含んでいる。
分割面51の突当面52は、下方部材9の筒状部31の上面が上方部材8の頂部11の下面に突き当てられる面である。突当面52は、上方部材8の頂部11の下面と面一に形成されている。突当面52の径方向外側の端部(以下、「分割面51の一端部51A」と称する)は、トップリング溝35の上面と内面の境界に位置している。分割面51の一端部51Aは、トップリング溝35の上面と連続しており、トップリング溝35の上面と同じ高さに位置している。
分割面51の圧入面53は、上方部材8の環状部12が下方部材9の筒状部31に圧入される面である。圧入面53の下端部(以下、「分割面51の他端部51B」と称する)は、筒状部31の下端部と環状部12の下端部12Aの間に位置している。分割面51の他端部51Bは、オイルリング溝39よりも下方に位置している。
<ピストン1の組み立て>
ピストン1を組み立てる際には、まず、コンロッド6の外周(小端部6Aと大端部6Bの間)に下方部材9を仮置きする。次に、各ピンボス部13のピストンピン孔22とコンロッド6の小端部6Aにピストンピン5を挿入し、ピストンピン5を介して上方部材8をコンロッド6の小端部6Aに取り付ける。次に、下方部材9の筒状部31を上方部材8の環状部12に下方から圧入し、上方部材8に下方部材9を組み付ける。次に、スカート部32の各薄肉部45を各固定部14の凹部23にカシメ固定する。これにより、ピストン1の組み立てが完了する。
<効果>
一般的な一体物のピストン1において、各ピンボス部13のピストンピン孔22の上縁よりも下方にオイルリング溝39を形成すると、オイルリング溝39を構成する壁面がピストンピン孔22の延長線上に配置され、ピストンピン孔22にピストンピン5を挿入できなくなる。そのため、一般的な一体物のピストン1では、ピストンピン孔22の上縁よりも上方にオイルリング溝39が形成されている。
これに対して、本実施形態では、ピストン1を上方部材8と下方部材9に分割し、各ピンボス部のピストンピン孔22にピストンピン5を挿入した後に、上方部材8に下方部材9を組み付けている。このようなピストン1の構成及び組み立て方法を採用することで、ピストンピン孔22へのピストンピン5の挿入を可能としつつ、ピストンピン孔22の上縁よりも下方にオイルリング溝39を形成することができる。これにより、ピストンピン孔22の上縁よりも上方にオイルリング溝39が形成される場合と比較して、ピストン1の圧縮高さh(ピストンピン孔22の中心から冠面17までの高さ:図1参照)を低くすることができる。そのため、ピストン1の軸方向(上下方向)の寸法を減少させることができ、ピストン1の小型軽量化を図ることができる。これにより、ピストン1の摺動時に発生する慣性力を減少させ、ピストン1の摺動に伴う振動や騒音を抑制することができると共に、エンジン3の応答性を高めることができる。また、エンジン3のブロック高さ(クランクシャフトの中心から冠面17までの高さ)を増加させることなく、ピストン1のストロークを大きくすることができる。
また、上記のようにピストン1を上方部材8と下方部材9に分割することで、ピストン1を形成する材料の自由度が増加し、異種材料を組み合わせてピストン1を形成することも容易になる。例えば、上方部材8及び/又は下方部材9をアルミニウム系材料で形成したり下方部材9を樹脂材料で形成したりすることで、ピストン1の軽量化を図ることができる。一方で、上方部材8及び/又は下方部材9を鉄系材料で形成することで、ピストン1の強度を高めることができる。また、例えば、上方部材8をアルミニウム系材料で形成し、下方部材9を鉄系材料で形成することで、ピストン1の重心を各ピンボス部13のピストンピン孔22の中心に近づけることができる。これにより、ピストン1の摺動時に発生する慣性モーメントを減少させ、ピストン1の摺動に伴う振動や騒音を抑制することができる。更に、例えば、下方部材9をシリンダ4と同系の材料(例えば、鉄系材料)で形成することで、下方部材9とシリンダ4の熱膨張率の差を低減させることができる。これに伴って、下方部材9とシリンダ4のクリアランスが減少しすぎてピストン1の摺動音が大きくなったり、上記のクリアランスが増加しすぎてピストン1とシリンダ4の摩擦が大きくなったりするのを抑制することができる。
また、本実施形態では、下方部材9のスカート部32に上方部材8の各固定部14が挿入された状態で、スカート部32の各薄肉部45が各固定部14の凹部23にカシメ固定されている。これにより、簡易な構成によって上方部材8と下方部材9の抜け止めと回り止めを行い、上方部材8と下方部材9を安定的且つ確実に固定することができる。特に、本実施形態では、スカート部32の各薄肉部45が各固定部14の凹部23に対向方向を含む4方向からカシメ固定されている。そのため、上方部材8と下方部材9をより安定的且つ確実に固定することができる。更に、本実施形態では、スカート部32の各薄肉部45が各固定部14の凹部23に径方向外側からカシメ固定されている。これにより、スカート部32の各薄肉部45を各固定部14の凹部23に容易に固定することができる。
また、本実施形態では、下方部材9の筒状部31が上方部材8の環状部12に下方(即ち、冠面17とは反対側)から圧入されている。これにより、分割面51の一部を冠面17に露出させることなく、上方部材8と下方部材9を分割することができる。そのため、分割面51を形成することで冠面17の形状に影響が生じるのを抑制することができ、燃焼室18の形状を最適化することができる。
また、各固定部14の凹部23は、各ピンボス部13とは間隔を介した位置に形成されている。そのため、各固定部14に凹部23を形成することで各ピンボス部13の形状に影響が生じるのを抑制することができる。更に、スカート部32の各薄肉部45は、筒状部31の各リング溝35、37、39やスカート部32の各摺動部43とは間隔を介した位置に形成されている。そのため、スカート部32に各薄肉部45を形成することで筒状部31の各リング溝35、37、39やスカート部32の各摺動部43の形状に影響が生じるのを抑制することができる。
また、スカート部32の各接続部44は、隣り合う薄肉部45の間の部分において、各ピンボス部13のピストンピン孔22の径方向外側を覆っている。これにより、隣り合う薄肉部45の間の部分の剛性を高め、上方部材8と下方部材9の固定強度を高めることができる。
ところで、分割面51の一端部51AがトップランドL1(トップリング溝35よりも上方の壁面:図7参照)に位置している場合、上方部材8の頂部11と下方部材9の筒状部31がトップランドL1の肉厚を分け合うことになる。これに伴って、トップランドL1において上方部材8及び下方部材9の肉厚が局所的に薄くなり、上方部材8及び下方部材9の剛性が局所的に低下する虞がある。特に、本実施形態では、上方部材8の頂部11の冠面17に複数のバルブ逃げ部19が凹設されている関係で、トップランドL1において上方部材8の肉厚が局所的に薄くなりやすい。また、分割面51の一端部51AがセカンドランドL2(トップリング溝35とセカンドリング溝37の間の壁面:図7参照)に位置している場合、上方部材8の頂部11と下方部材9の筒状部31がセカンドランドL2の肉厚を分け合うことになる。そのため、セカンドランドL2において上方部材8及び下方部材9の肉厚が局所的に薄くなり、上方部材8及び下方部材9の剛性が局所的に低下する虞がある。
これに対して、本実施形態では、分割面51の一端部51Aは、オイルリング溝39の上方に形成されたトップリング溝35に位置している(図7参照)。そのため、トップランドL1を上方部材8の頂部11のみによって形成し、セカンドランドL2を下方部材9の筒状部31のみによって形成することができる。これにより、上方部材8及び下方部材9の肉厚が局所的に薄くなるのを抑制し、上方部材8及び下方部材9の剛性を高めることができる。更に、分割面51の一端部51Aの形成に伴ってトップランドL1やセカンドランドL2に段差が発生するのを抑制することができる。
また、本実施形態では、分割面51の一端部51Aが、トップリング溝35の上面と同じ高さに位置している(図7参照)。そのため、分割面51の一端部51Aがトップリング溝35の下面と同じ高さに位置している場合(図8参照)、分割面51の一端部51Aがトップリング溝35の内面と同じ高さに位置している場合(図9参照)、及び分割面51の一端部51Aがセカンドリング溝37やオイルリング溝39に位置している場合(図示せず)と比較して、上方部材8と下方部材9の圧入代X(圧入面53の上下方向の長さ)を長くすることができる。これに伴って、上方部材8と下方部材9の間のシール性を高めることができ、燃焼室18で発生した燃焼ガスの吹き抜けを抑制することができる。
また、トップリング溝35の上面は、頂部11の下面によって画定され、トップリング溝35の内面及び下面は、筒状部31の上端外周縁に設けられた切欠き34によって画定されている。これにより、頂部11の肉厚を減少させることなく、上方部材8と下方部材9の圧入代Xを最大限長くすることができる。そのため、ピストン1が小型軽量化されている場合や頂部11の冠面17に複数のバルブ逃げ部19が凹設されている場合であっても、頂部11の肉厚と剛性を十分に確保することができる。また、切欠き34が設けられた筒状部31の上面を頂部11の下面に突き当てることで、頂部11に特別な加工を施すことなく、トップリング溝35を形成することができる。そのため、上方部材8と下方部材9の製造や組み付けの容易性を向上させることができる。
<変形例>
本実施形態では、分割面51の一端部51Aがトップリング溝35の上面と連続しており、トップリング溝35の上面と同じ高さに位置している。一方で、他の異なる実施形態では、分割面51の一端部51Aがトップリング溝35の下面と連続しており、トップリング溝35の下面と同じ高さに位置していても良い(図8参照)。または、他の異なる実施形態では、分割面51の一端部51Aがトップリング溝35の内面と連続しており、トップリング溝35の内面と同じ高さ(トップリング溝35の上面と下面の間の高さ)に位置していても良い(図9参照)。または、他の異なる実施形態では、分割面51の一端部51Aがセカンドリング溝37に位置していても良い。
本実施形態では、筒状部31の外周面にコンプレッションリング溝が2個設けられている。一方で、他の異なる実施形態では、筒状部31の外周面にコンプレッションリング溝が1個だけ設けられていても良い。
本実施形態では、凹部23は、ピストンピン孔22の軸方向視で、各ピンボス部13と重ならない位置に形成されている。一方で、他の異なる実施形態では、凹部23は、ピストンピン孔22の軸方向視で、各ピンボス部13と部分的又は全体的に重なる位置に形成されていても良い。
以上で具体的な実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態や変形例に限定されることなく、幅広く変形実施することができる。
1 :分割型ピストン
8 :上方部材
9 :下方部材
11 :頂部
12 :環状部
13 :ピンボス部
14 :固定部
17 :冠面
22 :ピストンピン孔
23 :凹部
31 :筒状部
32 :スカート部
34 :切欠き
35 :トップリング溝(コンプレッションリング溝の一例)
37 :セカンドリング溝(コンプレッションリング溝の一例)
39 :オイルリング溝
45 :薄肉部
51 :分割面
51A :分割面の一端部

Claims (7)

  1. 上方部材と下方部材とに分割された分割型ピストンであって、
    前記上方部材は、
    冠面が形成される頂部と、
    前記頂部から下方に突出し、ピストンピン孔が形成される一対のピンボス部とを有し、
    前記下方部材は、
    オイルリング溝が形成される筒状部と、
    前記筒状部の下方に位置するスカート部とを有し、
    前記上方部材と前記下方部材の分割面の端部は、前記オイルリング溝の上方に形成されたコンプレッションリング溝に位置していることを特徴とする分割型ピストン。
  2. 前記分割面の前記端部は、前記コンプレッションリング溝の上面と連続しており、前記コンプレッションリング溝の上面と同じ高さに位置していることを特徴とする請求項1に記載の分割型ピストン。
  3. 前記コンプレッションリング溝の前記上面は、前記頂部の下面によって画定され、
    前記コンプレッションリング溝の内面及び下面は、前記筒状部の上端外周縁に設けられた切欠きによって画定されていることを特徴とする請求項2に記載の分割型ピストン。
  4. 前記オイルリング溝は、前記ピストンピン孔の上縁よりも下方に位置していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の分割型ピストン。
  5. 前記上方部材は、前記各ピンボス部の両側に位置する複数の固定部を更に有し、
    前記各固定部には、凹部が形成され、
    前記スカート部には、複数の薄肉部が形成され、
    前記スカート部に前記各固定部が挿入された状態で、前記スカート部の前記各薄肉部が前記各固定部の前記凹部にカシメ固定されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の分割型ピストン。
  6. 前記各固定部は、前記各ピンボス部の両側部と一体形成されていることを特徴とする請求項5に記載の分割型ピストン。
  7. 前記スカート部は、隣り合う前記薄肉部の間で、前記ピストンピン孔の径方向外側を覆っていることを特徴とする請求項5又は6に記載の分割型ピストン。
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