JP2014062507A - 内燃機関用ピストン - Google Patents

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Takashi Nishihara
敬 西原
Atsushi Sakane
篤史 坂根
Yuzuru Shinoda
弓弦 信太
Takaki Akiyama
高樹 秋山
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Abstract

【課題】所望の剛性(強度)を確保しつつ、軽量化を図ることができる内燃機関用ピストンを提供する。
【解決手段】
本発明のピストン4は、ピストンリングを保持するリング溝46が形成されたピストンクラウン41と、ピストンクラウン41の裏面47から下方に延び所定空間Sを有して対峙するように設けられ、ピストンピン40が挿入されるピン孔49が形成された一対のピストンピンボス42と、所定空間Sに設けられ、各ピストンピンボス42の内側端部62からピストンクラウン41の裏面47に向かって広がるように形成されたピンボス内側リブ54と、を備え、ピンボス内側リブ54は、各ピストンピンボス42の内側端部62とピストンクラウン41の裏面47の中心部とを結ぶ稜線55を有している。
【選択図】図5

Description

本発明は、内燃機関用ピストンに関する。
従来、天井部(ピストンクラウン)と、天井部の外周部から垂下する一対のピストンスカートと、一対のピストンスカートの端部同士を連結する一対の連結壁と、ピストンピンが挿入されるピン孔が形成され、一対の連結壁の略中央に設けられた一対のピストンピンボスと、ピストンピンボスを挟んで対峙して、一対の連結壁を連結する一対の補強壁と、を備えた内燃機関用ピストンが知られている(例えば、特許文献1参照)。この内燃機関用ピストンは、一対の補強壁を設けることにより、ピストンピンボスが内側に倒れることを防止することができるようになっている。
また、内燃機関用ピストンの重量増加抑制および剛性向上のための一般的な他の技術として、ピストンピンボスと天井部とを滑らかな曲面となるように形成することが知られている。このような他の技術では、更にピストンの軽量化するために、ピストンピンボスと天井部との間に形成された曲面部分に肉抜きを行う場合がある。
特開2011−185214号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、一対の補強壁を形成しているため、ピストン自体の軽量化を図ることが難しかった。仮に、ピストンの軽量化を図るために各補強壁に対して肉抜きを行った場合、ピストンピンボスの強度を確保することができない虞もあった。この場合、ピストンピンボスの曲げ変形が大きくなるため、ピストンピンおよびピン孔の偏磨耗や破損等が発生する虞があった。
また、一般的な他の技術では、肉抜きした部分に応力集中が生じるため、特許文献1に記載の技術と同様に、所望の強度を担保しながら軽量化したピストンを構成することが困難であった。
本発明は、上記した課題を解決すべくなされたものであり、所望の剛性(強度)を確保しつつ、軽量化を図ることができる内燃機関用ピストンを提供することを目的とする。
本発明の内燃機関用ピストンは、ピストンリングを保持するリング溝が形成されたピストンクラウンと、前記ピストンクラウンの裏面から下方に延び、所定空間を有して対峙するように設けられ、ピストンピンが挿入されるピン孔が形成された一対のピストンピンボスと、前記所定空間に設けられ、前記各ピストンピンボスの内側端部から前記ピストンクラウンの前記裏面に向かって広がるように形成されたピンボス内側リブと、を備え、前記ピンボス内側リブは、前記各ピストンピンボスの前記内側端部と前記ピストンクラウンの前記裏面の中心部とを結ぶ稜線を有していることを特徴とする。
この構成によれば、ピンボス内側リブが、ピストンピンボスとピストンクラウンとの連結部分を補強するように設けられている。このため、燃焼圧(爆発荷重)や慣性力等による荷重がピストンピンに加わった場合に生じるピストンピンボスの内側(所定空間側)への曲げ変形を有効に抑制することができる。また、ピンボス内側リブは、ピストンクラウンの裏面に向かって広がり、かつ、当該裏面の中心部に向かう稜線を有している。このため、ピストンピンボスの内側端部とピストンクラウンの裏面とを滑らかな曲面で連結することができる。これにより、ピストンピンボスの剛性(強度)を向上させることができると共に、ピストンクラウンの剛性も向上させることができる。さらに、各ピンボス内側リブ同士の間には、肉抜きされたように窪みが形成されることになる。このため、内燃機関用ピストンを軽量化することができる。すなわち、上記の構成によれば、所望の剛性(強度)を確保しつつ、軽量化した内燃機関用ピストンを構成することができる。これにより、ピストンピンボスの曲げ変形に起因するピストンピンおよびピン孔の偏磨耗や破損等を適切に防止することができる。
この場合、前記各ピストンピンボスの外側端部と前記ピストンクラウンとを連結するピンボス外側リブを更に備え、前記ピンボス外側リブは、前記ピストンクラウンの下端より上方に設けられていることが好ましい。
この構成によれば、ピンボス外側リブは、ピストンピンボスが、ピストンピンの軸方向、特に外側に倒れること(曲げ変形)を有効に抑制する。これにより、ピストンピンボスは、ピストンピンを適切に軸支することができ、ピストンピンおよびピン孔の偏磨耗や破損等を適切に防止することができる。また、ピンボス外側リブは、ピストンクラウンの上側にのみ設けられている。これは、ピンボス内側リブがピストンピンボスの曲げ変形抑制に有効であるため、ピンボス外側リブの高さをピストンクラウンより低くしても十分な剛性を確保することができるからである。これにより、ピンボス外側リブの小型化および重量の低減化を図ることができ、内燃機関用ピストンを軽量化することができる。
また、この場合、前記ピストンクラウンの下方に延び、シリンダーに摺接するように設けられた一対のピストンスカートと、前記ピストンクラウンの裏面から下方に延び、前記ピストンスカートと前記各ピストンピンボスとを連結するサイドウォールと、を更に備え、前記サイドウォールは、前記各ピストンピンボスの下端より上方に設けられていることが好ましい。
この構成によれば、サイドウォールは、ピストンスカートの曲げ変形を抑制すると共に、ピストンピンボスの曲げ変形も抑制する。また、ピンボス内側リブおよびピンボス外側リブがピストンピンボスの曲げ変形を有効に抑制するため、サイドウォールの高さを、ピストンボスの高さよりも低くすることができる。これにより、各サイドウォールを小型化することができ、内燃機関用ピストンの軽量化を図ることができる。
また、この場合、前記ピンボス内側リブは、前記ピストンピンに軸支されたコネクティングロッドの小端部の外周面近傍で、前記小端部の移動領域に対応する形状に形成されていることが好ましい。
この構成によれば、各ピンボス内側リブにより剛性を高めた位置でコネクティングロッドの小端部を軸支することができる。これにより、コネクティングロッドの円滑な回動を担保することができる。
本発明によれば、内燃機関用ピストンの剛性(強度)を確保しつつ、軽量化を図ることができる。
本発明の一実施形態に係るエンジンの左側面図である。 本発明の一実施形態に係るエンジンの要部を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係るピストンをピストンピンの軸に直交する方向から示した側面図である。 本発明の一実施形態に係るピストンをピストンピンの軸方向から示した側面図である。 本発明の一実施形態に係るピストンの下面図である。 図5におけるA−A断面図である。 図5におけるB−B断面図である。 図5におけるB−B断面斜視図である。 本発明の一実施形態の変形例に係る図5におけるB−B断面の一部を示す斜視図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係るエンジン1の左側面図である。図2は、本実施形態に係るエンジン1の要部を示す断面図である。なお、説明の便宜上、車両の前進方向を前方とし、車両に搭乗した運転者を基準にして、図1および図2に矢印で示すように前後および上下を規定する。
図1に示すように、内燃機関としてのエンジン1は、例えば、自動二輪車等の車両に搭載されるDOHC式の水冷単気筒エンジンである。エンジン1は、左右二分割式のクランクケース11と、クランクケース11の前部に一体成型されて上方に延設されるシリンダー12と、シリンダー12の上方に設けられるシリンダーヘッド13と、シリンダーヘッド13の上部開口を覆うシリンダーヘッドカバー14と、を備えている。
図2に示すように、シリンダー12とシリンダーヘッド13との間には、燃焼室21が形成されている。シリンダーヘッド13には、燃焼室21に連通する吸気ポート22が形成されている。吸気ポート22には、吸気バルブ23が設けられている。混合気は、吸気バルブ23により吸気ポート22が開閉されることで、燃焼室21に供給される。
また、シリンダーヘッド13には、燃焼室21に連通する排気ポート24が形成されている。排気ポート24には、排気バルブ25が設けられている。図示は省略するが、排気ポート24は、排気管に接続されている。燃焼室21からの排気は、排気バルブ25により排気ポート24が開閉されることで排出される。
シリンダー12内にはピストン4(内燃機関用ピストン)が往復動可能に設けられている。ピストン4の下方には、コンロッド31(コネクティングロッド)の小端部32がピストンピン40を介して連結されている。なお、ピストンピン40は、コンロッド31の小端部32に挿入されている(図7参照)。コンロッド31の大端部33は、ベアリング34およびクランクピン35を介してクランクシャフト36に連結されている。
次に、図3ないし図8を参照して、ピストン4について詳細に説明する。図3は、本実施形態に係るピストン4をピストンピン40の軸に直交する方向から示した側面図である。図4は、本実施形態に係るピストン4をピストンピン40の軸方向から示した側面図である。図5は、本実施形態に係るピストン4の下面図である。図6は、図5におけるA−A断面図である。図7は、図5におけるB−B断面図である。図8は、図5におけるB−B断面斜視図である。なお、説明の便宜上、このピストン4を有するエンジン1を搭載した車両の前進方向を前方とし、車両に搭乗した運転者を基準にして、図3ないし図7に矢印で示すように前後、左右および上下を規定する。
図3および図4に示すように、ピストン4は、ピストンリング(図示せず)を保持するピストンクラウン41と、ピストンクラウン41の頂部44の裏面47から下方に延びた一対のピストンピンボス42と、ピストンクラウン41の側面下端から下方に延びた一対のピストンスカート43と、を備えている。なお、ピストンクラウン41の頂部44において、コンロッド31が連結される側の面を裏面47とし、裏面47の反対側の面を上面48とする(図7参照)。
また、ピストン4は、所望の剛性を確保するため、複数の補強リブ51と、複数のサイドウォール52と、複数のピンボス外側リブ53(図5参照)と、複数のピンボス内側リブ54(図5参照)と、を備えている。
ピストンクラウン41は、上方から見て円形の頂部44と、頂部44の外周から下方に延びた外周側部45と、を有し、略有底筒状に形成されている。頂部44の上面48は、燃焼室21において燃焼圧を受ける(図2参照)。外周側部45には、ピストンリング(図示せず)を取り付けるための環状のリング溝46が複数設けられている。
図3ないし図6に示すように、一対のピストンピンボス42は、所定空間Sを有して対峙するようにピストンクラウン41の頂部44の裏面47から垂れ下がるようにして設けられている。各ピストンピンボス42には、ピストンピン40が挿入されるピン孔49が形成されている。各ピン孔49は、コンロッド31の小端部32にピストンピン40を遊嵌して保持する(図2および図7参照)。各ピストンピンボス42は、外周側部45側の上方(頂部44側)において、一対のピンボス外側リブ53が接続する一対の外側端部61と、所定空間S側の上方(頂部44側)において、一対のピンボス内側リブ54が接続する一対の内側端部62と、を有している(図5および図6参照)。なお、各ピストンピンボス42の下端は、ピストンスカート43の下端よりも上方に位置している。なお、所定空間Sとは、一対のピストンピンボス42の間と、頂部44の裏面47とで形成された空間を指す。より詳細には、所定空間Sは、一対のピストンピンボス42、一対のピストンスカート43、複数のサイドウォール52および頂部44の裏面47により囲まれた空間である。
図3および図4に示すように、一対のピストンスカート43は、一対のピストンピンボス42の各ピン孔49に挿入されるピストンピン40の軸方向と平行となるように、一対のピストンピンボス42を挟んで対向する位置において、ピストンクラウン41の外周側部45下端から垂れ下がるように設けられている。各ピストンスカート43は、ピストンクラウン41の外周側部45と一体に形成され、シリンダー12の内周面に摺接する。また、各ピストンスカート43には、周方向両端下部が斜めに切り欠かれた一対の欠切部63が形成されている。
次に、図3ないし図5に示すように、各補強リブ51は、各ピストンスカート43の周方向両端部に設けられている。すなわち、各ピストンスカート43に一対の補強リブ51が設けられ、ピストン4全体では4つの補強リブ51が設けられている。一対の補強リブ51は、ピストンスカート43のスラスト方向への曲げ変形(倒れ)を抑制すると共に、後述する一対のサイドウォール52を介して、一対のピストンピンボス42のピン軸方向への曲げ変形(倒れ)を抑制するために設けられている。
各補強リブ51は同様の形状であるため、以下、1つの補強リブ51に着目して説明する。補強リブ51は、ピストンスカート43の外周面よりも径方向内側に設けられている。詳細には、補強リブ51は、スラスト方向から見て、第1辺部71と、第2辺部72と、第3辺部73と、により略三角形状に形成されている(図3に示した二点鎖線の三角形参照)。第1辺部71は、ピストンスカート43の欠切部63からピストンクラウン41の外周側部45下端まで延びている。第2辺部72は、ピストンスカート43から離間する方向に、第1辺部71の上端から外周側部45下端に沿って周方向に延びている。なお、正確には、第2辺部72は、中間に上下方向の段差が設けられている。第3辺部73は、第1辺部71の下端とピストンスカート43から離間した第2辺部72の一端とを接続するように形成されている。第3辺部は、上方にやや湾曲したアーチ状に形成されている。各辺部71,72,73は、ピストンスカート43の外周面およびピストンクラウン41の外周側部45の外周面よりも、径方向内側に向かう段差として形成されている。すなわち、補強リブ51は、シリンダー12の内周面に摺接しないように、ピストンスカート43周方向端部とピストンクラウン41の下端とを連結している。
図4および図5に示すように、各サイドウォール52は、各ピストンスカート43の周方向両端部と各ピストンピンボス42の側面とを連結する。すなわち、各ピストンスカート43に一対のサイドウォール52が設けられ、ピストン4全体では4つのサイドウォール52が設けられている。一対のサイドウォール52は、上記の一対の補強リブ51と同様に、ピストンスカート43の曲げ変形(倒れ)を抑制すると共に、一対のピストンピンボス42の曲げ変形(倒れ)を抑制するために設けられている。
各サイドウォール52は同様の形状であるため、以下、1つのサイドウォール52に着目して説明する。サイドウォール52は、ピストンクラウン41の頂部44の裏面47から垂れ下がり、左右方向から見て上方に湾曲したアーチ状に形成されている(図4参照)。サイドウォール52は、(上下方向の)高さが最も高い部分であっても、ピストンクラウン41とピストンスカート43とを合わせた高さよりも低く形成されている。すなわち、サイドウォール52は、ピストンピンボス42の下端よりも上方(頂部44側)に設けられている。さらに換言すれば、サイドウォール52の最下端は、ピストンピンボス42の下端よりも上方に位置している。
図5および図6に示すように、各ピンボス外側リブ53は、各ピストンピンボス42の外側端部61とピストンクラウン41とを連結する。すなわち、ピストンピンボス42毎に一対のピンボス外側リブ53が設けられ、ピストン4全体では4つのピンボス外側リブ53が設けられている。一対のピンボス外側リブ53は、ピストンピンボス42の外側および内側への曲げ変形を抑制するために設けられている。一対のピンボス外側リブ53は、特に外側への曲げ変形の抑制に有効である。
詳細には、下面から見て、ピストンピンボス42の一対の外側端部61に一端を接続した一対のピンボス外側リブ53は、ピストンクラウン41の外周側部45に向かって放射状に延設され、当該外周側部45の内周面に他端を接続している。また、1つのピンボス外側リブ53と、これに対向する位置にあるピンボス外側リブ53とを結ぶ線(図5の破線参照)が、ピストンクラウン41の頂部44(裏面47)の中心を通るようになっている。
各ピンボス外側リブ53は同様の形状であるため、以下、1つのピンボス外側リブ53に着目して説明する。ピンボス外側リブ53は、ピストンクラウン41の頂部44の裏面47から垂れ下がり、前後方向から見て上方に湾曲したアーチ状に形成されている(図6参照)。ピンボス外側リブ53は、(上下方向の)高さが最も高い部分であっても、ピストンクラウン41の高さよりも低く形成されている。すなわち、ピンボス外側リブ53は、ピストンクラウン41の外周側部45の下端よりも上方(頂部44側)に設けられている。さらに換言すれば、ピンボス外側リブ53の最下端は、ピストンクラウン41の外周側部45の下端よりも上方に位置している。
図5、図7および図8に示すように、各ピンボス内側リブ54は、各ピストンピンボス42の内側端部62とピストンクラウン41の頂部44の裏面47とを連結する。すなわち、ピストンピンボス42毎に一対のピンボス内側リブ54が設けられ、ピストン4全体では4つのピンボス内側リブ54が設けられている。一対のピンボス内側リブ54は、ピストンピンボス42と頂部44の裏面47との連結部分を補強し、ピストンピンボス42の内側(所定空間S側)および外側(外周側部45側)への曲げ変形を抑制するために設けられている。
各ピンボス内側リブ54は同様の形状であるため、以下、1つのピンボス内側リブ54に着目して説明する。ピンボス内側リブ54は、ピストンピンボス42の内側端部62からピストンクラウン41の頂部44の裏面47に向かって広がるように形成されている。すなわち、ピンボス内側リブ54は、ピストンピンボス42の内側端部62、サイドウォール52および当該頂部44の裏面47に対し、略三角錐形状に盛り上がるようにして一体に形成されている(図8に示す二点鎖線参照)。また、略三角錐形状のピンボス内側リブ54は、ピストンピンボス42の内側端部62側の第1曲面54aと、サイドウォール52側の第2曲面54bとの間の境界線で形成される稜線55を有している。稜線55は、ピストンピンボス42の内側端部62と当該頂部44の裏面47の中心部とを結ぶように形成されている。この稜線55は、上方に湾曲したアーチ状に形成されている。ピンボス内側リブ54の第1曲面54aおよび第2曲面54bは、ピストンピンボス42の内側端部62とピストンクラウン41の頂部44(裏面47)とを滑らかな曲面で連結している。なお、稜線55とは、ピンボス内側リブ54が、空間と接している線を指す。すなわち、ピンボス内側リブ54と空間との境界を形成するピンボス内側リブ54の一辺を指す。
1つのピストンピンボス42に対し設けられた一対のピンボス内側リブ54の間には、窪み部56が形成されている。この窪み部56と各ピンボス内側リブ54との各内側境界線57は、ピストンピン40を介してピン孔49に軸支されたコンロッド31の小端部32に対する接線となっている(図7に示す破線参照)。すなわち、一対のピンボス内側リブ54は、ピストンピン40に軸支されたコンロッド31の小端部32の外周面近傍で、小端部32の移動領域に対応する形状に形成されている。
本実施形態によれば、一対のピンボス内側リブ54が、燃焼圧や慣性力等による荷重がピストンピン40に加わった場合に生じるピストンピンボス42の内側(所定空間S側)または外側(外周側部45側)への曲げ変形(倒れ)を有効に抑制することができる。また、各ピンボス内側リブ54は、ピストンピンボス42の内側端部62とピストンクラウン41の頂部44(裏面47)とを滑らかな曲面で連結している。すなわち、第1曲面54aおよび第2曲面54bの曲率(1/R)を小さくすることができる。これにより、各ピストンピンボス42の剛性(強度)を向上させることができると共に、ピストンクラウン41(の頂部44)の剛性も向上させることができ、これらの曲げ変形を抑制できる。さらに、各ピンボス内側リブ54同士の間に形成された窪み部56は、事実上、軽量化のための肉抜き部分に相当する。このため、ピストン4を軽量化することができる。以上より、各ピンボス内側リブ54を有するピストン4は、所望の剛性(強度)を確保しつつ、軽量化を図ることができ、ピストンピンボス42の曲げ変形(倒れ)に起因するピストンピン40およびピン孔49の偏磨耗や破損等を適切に防止することができる。
また、本実施形態によれば、一対のピンボス外側リブ53は、ピストンピンボス42が、ピストンピン40の軸方向、特に外側(ピストンクラウン41の外周側部45側)に倒れること(曲げ変形)を有効に抑制する。これにより、各ピストンピンボス42は、ピストンピン40を適切に軸支することができる。また、各ピンボス内側リブ54がピストンピンボス42の曲げ変形を有効に抑制するため、各ピンボス外側リブ53の高さをピストンクラウンより低くしても十分な剛性を確保することができる。これにより、各ピンボス外側リブ53の小型化および重量の低減化を図ることができ、軽量化したピストン4を構成することができる。
さらに、本実施形態によれば、一対のサイドウォール52は、ピストンスカート43の曲げ変形を抑制すると共に、一対のピストンピンボス42の曲げ変形(倒れ)も抑制する。また、上記したように、各ピンボス内側リブ54および各ピンボス外側リブ53が各ピストンピンボス42の曲げ変形(倒れ)を有効に抑制するため、各サイドウォール52の高さを抑える(各ピストンボス42の高さよりも低くする)ことができる。これにより、ピストン4の軽量化を図ることができる。
また、本実施形態によれば、コンロッド31の小端部32は、各ピンボス内側リブ54の近傍で軸支されている。すなわち、各ピンボス内側リブ54により剛性を高めた位置でコンロッド31の小端部32を軸支することができる。これにより、コンロッド31の円滑な回動を担保することができる。
(変形例)
次に、本実施形態に係るピストン4の変形例について簡単に説明する。図9は、本実施形態の変形例に係る図5におけるB−B断面の一部を示す斜視図である。なお、この変形例において、上記の実施形態と同様の構成については説明を省略する。
上記の実施形態に係るピストン4では、各ピンボス内側リブ54が、略三角錐形状に形成されていたが、例えば、図9(a)に示すように、円錐を頂点から底面に向かって半分に分割したような形状のピンボス内側リブ80としてもよい(図9(a)に示す二点鎖線参照)。このような、半分にした円錐形状のピンボス内側リブ80は、半円底面部81をピストンクラウン41の頂部44の裏面47に接続し、頂点部82をピストンピンボス42の内側端部62に接続している。また、例えば、図9(b)に示すように、略四角錐形状に形成されたピンボス内側リブ90としてもよい(図9(b)に示す二点鎖線参照)。これら本実施形態の変形例に係る各ピンボス内側リブ80,90は、上記の実施形態に係る各ピンボス内側リブ54と同様に、ピストンピンボス42の内側端部62とピストンクラウン41の頂部44の裏面47の中心部とを結ぶ稜線55が形成されている。
これら本実施形態の変形例によれば、上記の実施形態に係るピストン4と同様の作用効果を得ることができる。
なお、本実施形態およびその変形例に係るピストン4は、鍛造加工技術または鋳造加工技術により形成することができる。
なお、上記した本発明の実施形態およびその変形例の説明は、本発明に係るピストン4(内燃機関用ピストン)における好適な実施の形態を説明しているため、技術的に好ましい種々の限定を付している場合もあるが、本発明の技術範囲は、特に本発明を限定する記載がない限り、これらの態様に限定されるものではない。さらに、上記した本発明の実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、かつ、他の既存の構成要素との組合せを含む様々なバリエーションが可能であり、上記した本発明の実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
4 ピストン(内燃機関用ピストン)
31 コンロッド(コネクティングロッド)
32 小端部
40 ピストンピン
41 ピストンクラウン
42 ピストンピンボス
43 ピストンスカート
44 頂部
46 リング溝
49 ピン孔
52 サイドウォール
53 ピンボス外側リブ
54 ピンボス内側リブ
55 稜線
S 所定空間

Claims (4)

  1. ピストンリングを保持するリング溝が形成されたピストンクラウンと、
    前記ピストンクラウンの裏面から下方に延び、所定空間を有して対峙するように設けられ、ピストンピンが挿入されるピン孔が形成された一対のピストンピンボスと、
    前記所定空間に設けられ、前記各ピストンピンボスの内側端部から前記ピストンクラウンの前記裏面に向かって広がるように形成されたピンボス内側リブと、を備え、
    前記ピンボス内側リブは、前記各ピストンピンボスの前記内側端部と前記ピストンクラウンの前記裏面の中心部とを結ぶ稜線を有していることを特徴とする内燃機関用ピストン。
  2. 前記各ピストンピンボスの外側端部と前記ピストンクラウンとを連結するピンボス外側リブを更に備え、
    前記ピンボス外側リブは、前記ピストンクラウンの下端より上方に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用ピストン。
  3. 前記ピストンクラウンの下方に延び、シリンダーに摺接するように設けられた一対のピストンスカートと、
    前記ピストンクラウンの裏面から下方に延び、前記ピストンスカートと前記各ピストンピンボスとを連結するサイドウォールと、を更に備え、
    前記サイドウォールは、前記各ピストンピンボスの下端より上方に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関用ピストン。
  4. 前記ピンボス内側リブは、前記ピストンピンに軸支されたコネクティングロッドの小端部の外周面近傍で、前記小端部の移動領域に対応する形状に形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の内燃機関用ピストン。
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