JP2005337027A - 内燃機関用ピストン - Google Patents

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健吾 石光
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Abstract

【課題】 内燃機関用ピストンにおいて、スラスト側と反スラスト側とで形状を異ならせることで、冠部の応力集中を緩和しながら軽量化を図り、内燃機関の高回転化・高出力化を図ることにある。
【解決手段】 冠部と、この冠部の縁から筒状に延ばしたランド部74及びスカート部75と、コンロッド小端部とで球面継手を形成するために冠部の裏面77に形成したカップ状支持部78とを備え、このカップ状支持部78とランド部74とを放射状のリブ81A,81Bで一体に連結した内燃機関用ピストン13であって、放射状のリブ81A,81Bを、スラスト側と反スラスト側とで非対称とした。
【選択図】 図6

Description

本発明は、内燃機関用ピストンに関するものである。
内燃機関用ピストンには、燃焼時に燃焼ガス圧力が作用するため、この燃焼ガス圧力に起因した外力がピストン各部に作用する。この外力を図12で説明する。
図12はピストンに作用する外力を説明する断面図であり、シリンダ201内にピストン202を移動可能に配置し、このピストン202にピストンピン203を介してコンロッド204の小端部206を揺動可能に取付け、このコンロッド204の大端部207をクランクシャフトのクランクピンに連結した状態を示す。なお、211,212,213はそれぞれピストン202の冠部、ランド部、スカート部、214は燃焼室、216はクランクピンの軸線を表す点、217はクランクシャフトの軸線を表す点、218はシリンダ201の軸線である。
燃焼室214内で混合気が爆発すると、白抜き矢印で示すように、ピストン202の冠部211に燃焼ガス圧力が下向きに作用し、また、ピストン202は下方へ移動するために上向きの慣性力も作用するから、ピストン202には、これらの燃焼ガス圧力によるガス力と慣性力との合力(即ち、ガス力から慣性力を引いた力である。)が作用し、この合力に等しい力Fが上向きに発生する。このときに、コンロッド204が軸線218に対して角度θだけ傾いた状態では、分力としてスラスト力R(=F・tanθ)が発生する。
ピストン202におけるスラスト力Rが発生する側、即ち、ピストン202に対するコンロッド204の揺動軸(ピストンピン203の軸線(図の表裏方向に延びる線であり、ここでは、点220で示す。)である。)を通り、且つ軸線218に平行な平面よりも図の左側、をスラスト側と呼び、上記平面よりも図の右側を反スラスト側と呼ぶ。
上記したスラスト力を考慮した内燃機関用ピストンとして、冠部の裏面に形成したリブの形状をスラスト側と反スラスト側とで異ならせたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、本出願人は、特願2003−369311(以下、「先行出願」と記す。)で、冠部の裏面に放射状のリブを設けた内燃機関用ピストンを提案した。
特開2000−97105公報
特許文献1を以下に説明する。なお、符号については同公報に記載されているものを使用した。
特許文献1の図5に示される通り、ピストン1は、ヘッド部2と、このヘッド部2から突出させた一対のピンボス部4,4(一方の符号4のみ示す。)と、ヘッド部2の端から延ばしたほぼ円弧状のスカート部3,3とを備える。
また、特許文献1の図4に示される通り、ピストン1は、ピンボス部4,4と、スカート部3,3と、ヘッド部2の下面とを一体に接続する前側リブ部5a,5a、後側リブ部5b,5bを備える。
次に、先行出願の図6を以下の図13で説明する。なお、符号は振り直した。
図13は従来の内燃機関用ピストンの冠部裏面を示す底面図である。
ピストン221は、冠部の縁に設けた周壁としてのランド部222と、コンロッド223とで球面継手を構成するために冠部の裏面に突出させたカップ状支持部224と、冠部の裏面とを一体に複数のリブ226で接続した部材である。なお、227,227はスカート部である。
リブ226は、放射状に設けたものであり、且つ冠部の中心を通って上下に引いたピストン中心線228に対して対称に形成したものである。なお、ピストン中心線228の左側及び右側の一方がスラスト側であり、他方が反スラスト側である。
特許文献1では、例えば、ヘッド部2に燃焼圧力が作用したときに、ヘッド部2に大きな応力が発生する。この応力を緩和するにはヘッド部2の肉厚を厚くする方法があるが、ヘッド部2の裏面は、ピンボス部4,4、スカート部3,3等が形成されて形状が単純ではないため、ヘッド部2に局部的に応力が集中するので、肉厚をヘッド部2の裏面で一様に厚くしても応力を緩和するのは難しい。
また、ヘッド部2の肉厚が厚くなると、ピストン1の重量が増し、即ち慣性重量が増して、ピストン1を組み込んだ内燃機関の高回転化・高出力化が難しくなる。
先行出願のピストン221では、冠部の裏面の中央に球面継手を構成するカップ状支持部224を設けた形状であり、且つカップ状支持部224とランド部222とを放射状のリブ226で接続することで、冠部の裏面を点対称な形状として冠部の応力集中を緩和し、冠部の肉厚を薄くして軽量化を図ったが、ピストン221のスラスト側及び反スラスト側で形状を異ならせてはいない。
内燃機関の高回転化・高出力化の更なる要求に応えるためには、ピストンの更なる軽量化を図る必要がある。
本発明の課題は、内燃機関用ピストンにおいて、スラスト側と反スラスト側とで形状を異ならせることで、冠部の応力集中を緩和しながら軽量化を図り、内燃機関の高回転化・高出力化を図ることにある。
請求項1に係る発明は、冠部と、この冠部の縁から筒状に延ばした周壁と、コンロッド小端部とで球面継手を形成するために冠部の裏面に形成した継手用凸部とを備え、この継手用凸部と周壁とを放射状リブで一体に連結した内燃機関用ピストンであって、放射状リブを、スラスト側と反スラスト側とで非対称としたことを特徴とする。
放射状リブを、スラスト側と反スラスト側とで非対称としたことで、放射状リブによって、冠部の応力集中を緩和することができ、更に、スラスト側と反スラスト側とで非対称な放射状リブによって、スラスト側と反スラスト側とでリブが対称な場合に比べて、スラスト力の作用しない反スラスト側の放射状リブの体積を減らすことができ、放射状リブの重量を軽減することができる。
請求項2に係る発明は、放射状リブを、スラスト側よりも反スラスト側の方が間隔が疎になるようにしたことを特徴とする。
反スラスト側の放射状リブの方が間隔が疎なため、間隔が密なスラスト側の放射状リブでスラスト力を支えることができるとともに、間隔が疎な反スラスト側の放射状リブの全体の重量を軽減することができる。
請求項3に係る発明は、放射状リブを、スラスト側よりも反スラスト側の方が肉厚が薄くなるようにしたことを特徴とする。
反スラスト側の放射状リブの方が肉厚が薄いため、肉厚が厚いスラスト側の放射状リブでスラスト力を支えることができるとともに、肉厚が薄い反スラスト側の放射状リブの全体の重量を軽減することができる。
請求項4に係る発明は、放射状リブを、スラスト側よりも反スラスト側の方が高さが低くなるようにしたことを特徴とする。
反スラスト側の放射状リブの方が高さが低いため、高さが高いスラスト側の放射状リブでスラスト力を支えることができるとともに、高さが低い反スラスト側の放射状リブの全体の重量を軽減することができる。
請求項1に係る発明では、放射状リブを、スラスト側と反スラスト側とで非対称としたことで、放射状リブによって、冠部の応力集中を緩和することができるとともに、スラスト側と反スラスト側とで非対称な放射状リブによって、スラスト側と反スラスト側とで対称な場合に比べて、スラスト力の作用しない反スラスト側の放射状リブの体積を減らすことができ、放射状リブの重量を軽減することができて、ピストンの軽量化を図ることができる。従って、ピストンの慣性重量が小さくなり、内燃機関の高回転化による高出力化を図ることができる。
請求項2に係る発明では、反スラスト側の放射状リブの方が間隔が疎なため、間隔が密なスラスト側の放射状リブでスラスト力を支えることができるとともに、間隔が疎な反スラスト側の放射状リブの全体の重量を軽減することができる。従って、ピストンの軽量化を図ることができる。
請求項3に係る発明では、反スラスト側の放射状リブの方が肉厚が薄いため、肉厚が厚いスラスト側の放射状リブでスラスト力を支えることができるとともに、肉厚が薄い反スラスト側の放射状リブの全体の重量を軽減することができる。従って、ピストンの軽量化を図ることができる。
請求項4に係る発明では、反スラスト側の放射状リブの方が高さが低いため、高さが高いスラスト側の放射状リブでスラスト力を支えることができるとともに、高さが低い反スラスト側の放射状リブの全体の重量を軽減することができる。従って、ピストンの軽量化を図ることができる。
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係るピストンを組み込んだ内燃機関の断面図であり、内燃機関10は、シリンダブロック11と、このシリンダブロック11に設けたシリンダボア12に移動自在に挿入したピストン13と、このピストン13に球面継手14を介して連結したコンロッド16と、シリンダブロック11の下部に回転自在に取付けるとともに中空のクランクピン17でコンロッド16をスイング自在に支持するクランクシャフト18とを備える。
シリンダブロック11は、上部に設けたシリンダ部21と、このシリンダ部21の内側に嵌合させるとともにシリンダボア12を形成した筒状のスリーブ22と、シリンダ部21の下部に取付けたアッパークランクケース23とからなる。
ここで、31はコンロッド16の大端部25とクランクピン17との間に介在させた滑り軸受、32はクランクシャフト18に設けたカウンタウエイト、33はシリンダブロック11の上部にヘッドガスケット(不図示)を介して取付けたシリンダヘッド、34は吸気バルブ、36は排気バルブ、37は燃焼室、38はアッパークランクケース23とでクランクケースを形成するためにアッパークランクケース23の下部にボルト41・・・(・・・は複数個を示す。以下同じ。)で取付けたロワークランクケース、42はロワークランクケース38の下部にボルト44・・・で取付けたオイルパンである。
図2は本発明に係るピストン、コンロッド及びクランクシャフトの組立状態を示す斜視図であり、ピストン13にコンロッド16をスイング自在に取付け、クランクシャフト18にコンロッド16をスイング自在に取付けたことを示す。
ピストン16は、例えば、材質AC8A[JIS H 5202]の素材を鋳造にて製造し、熱処理としてT6処理を施した後に機械加工を施した部材である。
コンロッド16としては、クロム鋼、クロムモリブデン鋼、又はチタン合金製が好適である。
図3は本発明に係るピストンとコンロッドとの連結構造を示す分解斜視図であり、ピストン13の冠部65の裏面側(詳細は後述する。)にコンロッド16の球状とした小端部66の上部を当て、この小端部66の下部を凹状の球面67,67(一方の符号67のみ示す。)を備える2つ割りのホルダ68で保持し、このホルダ68をナット部材71でピストン13の冠部65の裏面側に取付ける構造を示す。69は小端部66の球面である。
コンロッド16は、上記した小端部66と、環状とした大端部25と、これらの小端部66及び大端部25のそれぞれを一体に連結するロッド部73とからなる。
ホルダ68は、2つのホルダ半体68a,68aからなる。なお、68b、68bは2つのホルダ半体68a,68aを合わせる合わせ面である。
ホルダ68及びナット部材71は、球面継手14の一部を構成する部材である。
図4は本発明に係るピストン及びコンロッドの断面図(第1実施形態)であり、ピストン13は、円板状とした冠部65と、この冠部65の縁から下方に延ばした筒状で厚肉としたランド部74と、このランド部74から更に下方に延ばした筒状でランド部74よりも薄肉としたスカート部75,75と、コンロッド16の小端部66と滑り自在に嵌合する凹状半球面76を形成するために冠部65の裏面77に形成したカップ状支持部78と、これらのランド部74及びカップ状支持部78のそれぞれに渡すとともに冠部65の裏面77から下方に延ばしたリブ81・・・とを一体成形した部材である。
冠部65は、燃焼室37(図1参照)の一部を形成する冠面83を備える。
ランド部74は、冠部65の縁に、冠面83側から順に、トップランド74a、トップリング溝74b、セカンドランド74c、セカンドリング溝74d、サードランド74e及びオイルリング溝74fを設けた部分であり、トップリング溝74bにトップリングを嵌め、セカンドリング溝74dにセカンドリングを嵌め、オイルリング溝74fにオイルリングを嵌める。
カップ状支持部78は、下向きに開口する下向き凹部91と、この下向き凹部91の底面92に形成した前述の凹状半球面76と、下向き凹部91の内周面93に形成しためねじ94とを備え、凹状半球面76に当てたコンロッド16の小端部66を、下向き凹部91内に挿入したホルダ68の球面67,67で保持した後に、ナット部材71に設けたおねじ95をカップ状支持部78のめねじ94にねじ込むことで、ピストン13にコンロッド16をスイング自在に取付ける。
上記したカップ状支持部78、ホルダ68、ナット部材71及び小端部66は、前述の球面継手14を構成するものである。
ホルダ68は、回り止め用ピン(不図示)でカップ状支持部78に対して回転しないようにするとともに、ロッド73に当てる案内面(不図示)を設けることでピストン13をコンロッド16に対して回転しないようにする部材である。
ホルダ半体68aは、段部68cを備え、この段部68cにナット部材71の先端を当てることでホルダ半体68aを固定する。
ナット部材71は、前述のおねじ95と、端部外周面に工具を掛けて回すための係合凹部71a・・・とを備える。
コンロッド16は、大端部25及びロッド部73の内部に軽量化のために中空部96,97,98,99,100・・・を設け、小端部66の内部に軽量のための中空部101を設けた部材であり、大端部25に設けた取付穴102側から球面継手14の滑り面にオイルを供給するためにオイル穴103,104,105を設けたものである。
図5は本発明に係るピストン(第1実施形態)の斜視図であり、ピストン13における冠部65(図4参照)の裏面77にランド部74とカップ状支持部78とを繋ぐ複数のリブ81・・・を形成したことを示す。
このようなリブ81・・・を設けることで、ランド部74とカップ状支持部78とを強固に連結することができ、ピストン13の上部の剛性を高めることができる。また、それぞれのリブ81を薄肉とすることで、リブ81を形成することによる重量増を抑えることができる。
図6は本発明に係るピストン(第1実施形態)の裏面を示す底面図であり、ピストン13におけるランド部74の内面74gとカップ状支持部78の外面78aとの間にリブ81A・・・,81B・・・(ここでは、リブ81をリブ81A,81Bとした。)を放射状に設けるとともに、ピストン13に対してコンロッド16がスイングする方向、即ち、図の左右方向と直交する方向にピストン中心線13aを引いたときに、このピストン中心線13aよりも左側であるピストン13のスラスト側と、ピストン中心線13aよりも右側であるピストン13の反スラスト側とで、リブ81A・・・とリブ81B・・・とを非対称に配置したことを示す。即ち、スラスト側のリブ81A・・・を密に配置し、反スラスト側のリブ81B・・・を疎に配置した。
例えば、スラスト側では、隣り合う五つのリブ81Aのそれぞれのなす角度はθ1であり、反スラスト側では、隣り合う四つのリブ81Bのそれぞれのなす角度はθ2で、θ1<θ2となる。
以上に述べたリブ81の作用を次に説明する。
図7は本発明に係るリブの作用を示す第1作用図(第1実施形態)である。
燃焼室37内で混合気が爆発して燃焼圧力が白抜き矢印で示すようにピストン13の冠部65に作用すると、冠部65で発生する応力は複数のリブ81A・・・,81B・・・によって分散するため、冠部65の一部あるいはカップ状支持部78の一部(例えば、カップ状支持部78の付根)に応力が集中しない。従って、冠部65の肉厚を小さくしても応力が大きくならず、ピストン13の重量を軽減することができる。
また、燃焼圧力によるガス力と慣性力との合力Fがピストン13に作用するため、この合力によってスラスト力Rが発生し、このスラスト力Rがピストン13のスラスト側のランド部74T及びスカート部75Tに作用する。(ここでは、スラスト側のランド部74及びスカート部75を、ランド部74T、スカート部75Tとした。図8においても同じ。)
図8は本発明に係るリブの作用を示す第2作用図である。
ピストン13のランド部74T及びスカート部75Tにスラスト力R(ここでは、スリーブ22(図1参照)側からの反力で示す。)が破線で示す矢印の方向に作用すると、スラスト側のリブ81A・・・には、矢印で示すように、反力R1,R2,R3が発生してスラスト力Rを支える。
また、燃焼室37(図7参照)内の爆発によって、冠部65の温度が上昇すると、冠部65の熱は、複数のリブ81A,81Bから逃げるために放熱効果を高めることができ、ピストン13の各部の温度を低減することができる。従って、図7において、球面継手14の温度、詳しくはカップ状支持部78の凹状半球面76の温度を下げることができ、凹状半球面76とコンロッド16の小端部66との間に介在する油膜が切れるのを防止することができる。
更に、ランド部74及びスカート部75の熱膨張量を小さくすることができ、シリンダボア12とランド部74とのクリアランス、及びシリンダボア12とスカート部75とのクリアランスを所定範囲内に確保することができる。
図9は本発明に係るピストン(第2実施形態)の裏面を示す底面図であり、ピストン13におけるランド部74の内面74gとカップ状支持部78の外面78aとの間にリブ181A・・・,181B・・・を放射状に設けるとともに、ピストン13のスラスト側と反スラスト側とで、リブ181A・・・とリブ181B・・・とを非対称に設けたことを示す。即ち、スラスト側のリブ181A・・・の厚さ(即ち、肉厚である。)を厚くし、反スラスト側のリブ181B・・・の厚さを薄くした。
図では、例えば、スラスト側のリブ181Aの厚さ(肉厚)をT1とし、反スラスト側のリブ181Bの厚さ(肉厚)をT2とした(T1>T2)。
リブ181A,181A間、リブ181A,181B間、リブ181B,181B間の角度をそれぞれθ3とした。
図10は本発明に係るピストン(第3実施形態)を示す断面図であり、ピストン13におけるランド部74の内面74gとカップ状支持部78の外面78aとの間にリブ182A・・・,182B・・・(輪郭を太線で示した部分である。)を放射状に設けるとともに、ピストン13のスラスト側と反スラスト側とで、リブ182A・・・とリブ182B・・・とを非対称に設けたことを示す。即ち、スラスト側のリブ182A・・・の高さを高くし、反スラスト側のリブ182B・・・の高さを低くしたことを示す。
例えば、ピストン13の中心線13bを引いたときに、この中心線13bから距離Lだけ離れた位置において、スラスト側のリブ182Aの高さをH1とし、反スラスト側のリブ182Bの高さをH2とすると、H1>H2となる。
図11は本発明に係るピストン(第4実施形態)の裏面を示す底面図であり、ピストン13におけるランド部74の内面74gとカップ状支持部78の外面78aとの間にリブ183A・・・,183B・・・を放射状に設けるとともに、ピストン13のスラスト側と反スラスト側とで、リブ183A・・・を対称に設け、ピストン中心線13a及びピストン中心線13aに直交するピストン中心線13cを引いたときに、ピストン中心線13cよりも上側を、内燃機関の前側に相当するものとしてフロント側とし、ピストン中心線13cよりも下側を、内燃機関の後側に相当するものとしてリヤ側とすると、ピストン13のフロント側とリヤ側とで、リブ183B・・・を対称に設け、スラスト側及び反スラスト側において、ピストン中心線13cから角度αの範囲では、リブ183Aの間隔を密にし、フロント側及びリヤ側において、ピストン中心線13aから角度βの範囲では、リブ183Bの間隔を疎にしたことを示す。
例えば、スラスト側及び反スラスト側では、隣り合うリブ183Aのなす角度はθ4であり、フロント側及びリヤ側では、隣り合うリブ183Bのなす角度はθ5で、θ4<θ5となる。
ピストン13のフロント側及びリヤ側には、スラスト力に相当する力がほとんど作用しないため、リブ183Bの間隔は疎でも問題はない。
以上の図4及び図6で説明したように、本発明は第1に、冠部65と、この冠部65の縁から筒状に延ばした周壁としてのランド部74及び周壁としてのスカート部75と、コンロッド小端部66とで球面継手14を形成するために冠部65の裏面77に形成した継手用凸部としてのカップ状支持部78とを備え、このカップ状支持部78とランド部74とを放射状のリブ81(即ち、リブ81A,81Bである。)で一体に連結した内燃機関用ピストン13であって、放射状のリブ81を、スラスト側と反スラスト側とで非対称としたことを特徴とする。
放射状リブ81A,81Bを、スラスト側と反スラスト側とで非対称としたことで、放射状リブ81A,81Bによって、冠部65の応力集中を緩和することができるとともに、スラスト側と反スラスト側とで非対称な放射状リブ81A,81Bによって、スラスト側と反スラスト側とでリブが対称な場合に比べて、スラスト力の作用しない反スラスト側の放射状リブ81Bの体積を減らすことができ、放射状リブ81Bの重量を軽減することができて、ピストン13の軽量化を図ることができる。従って、ピストン13の慣性重量が小さくなり、内燃機関10の高回転化による高出力化を図ることができる。
本発明は第2に、放射状リブ81A,81Bを、スラスト側よりも反スラスト側の方が間隔が疎になるようにしたことを特徴とする。
反スラスト側の放射状リブ81Bの方が間隔が疎なため、間隔が密なスラスト側の放射状リブ81Aでスラスト力を支えることができるとともに、間隔が疎な反スラスト側の放射状リブ81B・・・の全体の重量を軽減することができる。従って、ピストン13の軽量化を図ることができる。
本発明は第3に、図9で説明したように、放射状リブ181A,181Bを、スラスト側よりも反スラスト側の方が肉厚が薄くなるようにしたことを特徴とする。
反スラスト側の放射状リブ181Bの方が肉厚T2が薄いため、肉厚T1が厚いスラスト側の放射状リブ181Aでスラスト力を支えることができるとともに、肉厚が薄い反スラスト側の放射状リブ181B・・・の全体の重量を軽減することができる。従って、ピストン13の軽量化を図ることができる。
本発明は第4に、図10で説明したように、放射状リブ182A,182Bを、スラスト側よりも反スラスト側の方が高さが低くなるようにしたことを特徴とする。
反スラスト側の放射状リブ182Bの方が高さH2が低いため、高さH1が高いスラスト側の放射状リブ182Aでスラスト力を支えることができるとともに、高さが低い反スラスト側の放射状リブ182B・・・の全体の重量を軽減することができる。従って、ピストン13の軽量化を図ることができる。
尚、本発明では、放射状リブを、ピストンのスラスト側と反スラスト側とで非対称としたが、これに限らず、放射状リブを、ピストンのフロント側とリヤ側とで非対称としてもよい。
本発明の内燃機関用ピストンは、二輪車、四輪車用内燃機関に好適である。
本発明に係るピストンを組み込んだ内燃機関の断面図である。 本発明に係るピストン、コンロッド及びクランクシャフトの組立状態を示す斜視図である。 本発明に係るピストンとコンロッドとの連結構造を示す分解斜視図である。 本発明に係るピストン及びコンロッドの断面図(第1実施形態)である。 本発明に係るピストン(第1実施形態)の斜視図である。 本発明に係るピストン(第1実施形態)の裏面を示す底面図である。 本発明に係るリブの作用を示す第1作用図(第1実施形態)である。 本発明に係るリブの作用を示す第2作用図(第1実施形態)である。 本発明に係るピストン(第2実施形態)の裏面を示す底面図である。 本発明に係るピストン(第3実施形態)を示す断面図である。 本発明に係るピストン(第4実施形態)の裏面を示す底面図である。 ピストンに作用する外力を説明する断面図である。 従来の内燃機関用ピストンの冠部裏面を示す底面図である。
符号の説明
10…内燃機関、13…ピストン、14…球面継手、16…コンロッド、65…冠部、66…コンロッド小端部(小端部)、74,75…周壁(ランド部、スカート部)、77…裏面、78…継手用凸部(カップ状支持部)、81,81A,81B,181A,181B,182A,182B…放射状リブ(リブ)。

Claims (4)

  1. 冠部と、この冠部の縁から筒状に延ばした周壁と、コンロッド小端部とで球面継手を形成するために前記冠部の裏面に形成した継手用凸部とを備え、この継手用凸部と前記周壁とを放射状リブで一体に連結した内燃機関用ピストンであって、
    前記放射状リブは、スラスト側と反スラスト側とで非対称であることを特徴とする内燃機関用ピストン。
  2. 前記放射状リブは、スラスト側よりも反スラスト側の方が間隔が疎であることを特徴とする請求項1記載の内燃機関用ピストン。
  3. 前記放射状リブは、スラスト側よりも反スラスト側の方が肉厚が薄いことを特徴とする請求項1記載の内燃機関用ピストン。
  4. 前記放射状リブは、スラスト側よりも反スラスト側の方が高さが低いことを特徴とする請求項1記載の内燃機関用ピストン。
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