JP2019098186A - 装飾用部品、つまみ細工、及び、装飾用部品の製造方法 - Google Patents

装飾用部品、つまみ細工、及び、装飾用部品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】短時間で、且つ、綺麗に、即ち、固着部位に繊維のはみ出しや糊のバリ等が生じない、人工皮革を使った装飾用部品の製造方法と、その製造方法によって製作された装飾用部品やつまみ細工を提供する。【解決手段】布材10を折り重ねて立体化し、対面接触している部位の少なくとも一部を固着して成る装飾用部品100M。布材10は、不織布の表裏にアクリル樹脂エマルジョン層を有し、各アクリル樹脂エマルジョン層が当該不織布に含浸されて成る素材であり、前記固着は、対面接触しているアクリル樹脂エマルジョン層を、固着対象の部位TCBにて熱圧着して成る。【選択図】図5

Description

本発明は、装飾用部品、装飾用部品を備えたつまみ細工、及び、装飾用部品の製造方法に関する。本発明では、装飾用部品の素材として、従来とは異なり、不織布に本願所定の接着力のある樹脂材料を表裏から含浸させて表裏に層を成した素材を用いている。本願の書類内では、この素材を、適宜、「人工皮革」と称している。
つまみ細工は、江戸時代から、髪飾り、アクセサリー、その他小物等の装飾に用いられている日本古来の伝統的な手芸品である。
このつまみ細工は、装飾用部品と、台紙や糸や金具等とを組み合わせて完成される。従来の装飾用部品は、小サイズの方形に切り出した布材(織布)を折り畳んで立体的に造形した後、該布材の端部の縁(切り口)を揃えて重ねた部位(以下「切口端部」)付近に澱粉糊や木工ボンド等を浸透させて乾燥・接着させつつ、指やピンセット等で形を整えて成る。布材のサイズや折り重ね方は、目的とする装飾用部品に応じて適宜に決められる。
つまみ細工については、例えば、特開2009−201732号公報(特許文献1)に記載されている。
特開2009−201732号公報
つまみ細工の従来の装飾用部品は、澱粉糊や木工ボンド等を用いて、切口端部を接着している。このため、澱粉糊や木工ボンド等の乾燥に時間がかかり、非効率的であった。
また、澱粉糊や木工ボンド等で接着するため、切口端部には、澱粉糊や木工ボンド等によるバリやヨレ、澱粉糊や木工ボンド等のはみだし等が生じ、綺麗にはならなかった。また、それらが塊となって、装飾用部品として立体化する際の作業の妨げとなり、小サイズの装飾用部品を作成することが困難であった。
また、装飾用部品の素材である布材として織布を用いているため、切口端部に繊維のほつれ等が発生し、綺麗にはならなかった。
このように、従来の成形方法では、綺麗な接着箇所や切口端部の品質を得られないことにより、例えば、当初に準備する布材の大きさが1.5cm2 以下のような小さいサイズのつまみ細工の装飾用部品を製作する場合に、その悪影響を受けやすく、小サイズの装飾用部品を製作することが非常に困難であった。
また、従来の成形方法では、綺麗な接着箇所や切口端部の品質を得られないことにより、装飾用部品が組み込まれるつまみ細工において、接着箇所や切口端部を見えにくい箇所とする必要があり、装飾用部品やつまみ細工のデザインに制約があった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、固着に要する時間の短縮、固着品質の向上、はじめに準備する布の大きさが例えば1.5cm2 以下のような小さいサイズのつまみ細工の綺麗な装飾用部品の提供、装飾品の完成品のデザインの幅の拡大、ができる人工皮革、並びに該人工皮革を使った装飾用部品の製造方法と、その製造方法によって製作された装飾用部品やつまみ細工の提供を課題とする。
また、人工皮革に蓄光顔料等の顔料を含ませることにより、装飾用部品及び装飾品に蓄光顔料等の顔料の作用を付加することも課題とする。
本発明の構成を、下記[1]〜[7]に記す。なお、この項([課題を解決するための手段])と次項([発明の効果])に於いて、符号は理解を容易にするために付したものであり、本発明を符号の構成に限定する趣旨ではない。
[1]
布材10(10a/10b/10c/10d/10e/10f)を折り重ねて立体化し、対面接触している部位の少なくとも一部を固着して成る装飾用部品100(100A/100B/100C/100D/100E/100F/100G/100M/100N)であって、
前記布材10は、不織布1の表裏に熱可塑性樹脂エマルジョン層2を有し、各熱可塑性樹脂エマルジョン層2が当該不織布1に含浸されて成る素材であり、
前記固着は、対面接触している熱可塑性樹脂エマルジョン層2を、固着対象の部位にて一体化して成るものである、
ことを特徴とする装飾用部品。
[2]
上記[1]に於いて、
前記固着は、対面接触している熱可塑性樹脂エマルジョン層2を、固着対象の部位にて熱圧着して成るものである、
ことを特徴とする装飾用部品。
[3]
上記[1]又は[2]に於いて、
前記熱可塑性樹脂エマルジョンに顔料3を配合して成る、
ことを特徴とする装飾用部品。
[4]
上記[1]〜[3]の何れかに於いて、
前記熱可塑性樹脂エマルジョンは、アクリル樹脂エマルジョンである、
ことを特徴とする装飾用部品。
[5]
上記[1]〜[4]の何れかの装飾用部品を有する、
ことを特徴とするつまみ細工。
[6]
上記[5]に於いて、
前記装飾用部品は、前記布材の端部の縁が揃うように重ねられた部位を有し、その少なくとも一部を固着されて成り、
前記端部の縁が揃うように重ねられて固着された部位の少なくとも一部が、当該装飾用部品の意匠部として、前記つまみ細工に於いて露出されて成る、
ことを特徴とするつまみ細工。
[7]
切り出された不織布1に熱可塑性樹脂エマルジョンを含浸して当該不織布の表裏に熱可塑性樹脂エマルジョン層2を形成し、
前記熱可塑性樹脂エマルジョン層2の形成された不織布を折り重ねて立体化し、
折り重ねられて対面接触している部位の少なくとも一部を熱圧着する、
ことを特徴とする装飾用部品100(100A/100B/100C/100D/100E/100F/100G/100M/100N)の製造方法。
本発明は、布材10を折り重ねて立体化し、対面接触している部位の少なくとも一部を固着して成る装飾用部品100であって、前記布材10は不織布1の表裏に熱可塑性樹脂エマルジョン層2を有し各熱可塑性樹脂エマルジョン層2が当該不織布1に含浸されて成る素材であり、前記固着は対面接触している熱可塑性樹脂エマルジョン層2を固着対象の部位にて一体化して成るため、固着部位に繊維のほつれが生ぜず、また、接着剤や糊のバリも生じない。このため、固着部位が綺麗であるとともに固着状況も良い。また、綺麗で固着状況も良好であるため、例えば1.5cm2 程度の小サイズの布材10から装飾用部品を作成する場合でも、固着部位が塊となって立体化を妨げるということもなく、したがって、かなり小サイズの装飾用部品を綺麗に仕上げることができる。
また、本発明は、上記に於いて、固着部位の一体化を熱圧着で実現しているため、上記の作用効果を更に確実に達成することができる。
また、本発明は、上記に於いて、熱可塑性樹脂エマルジョン(例:アクリル樹脂エマルジョン)に顔料3を配合して成るため、所望の色の顔料を用意しさえすれば、布材10としては、或る一色(例:白色)のものだけで足りる。言い換えれば、熱可塑性樹脂エマルジョンに配合された顔料が布材10に良好に定着する。このため、種々の色の布材10を調達する必要が無く、コストを低減できる。また、複数種の顔料を配合することで、所望の色の布材10を実現でき、装飾用部品や装飾用部品を組み込む製品(つまみ細工等)のデザインの多様性を高めることができる。
また、本発明の熱可塑性樹脂エマルジョンとしてアクリル樹脂エマルジョンを用いた場合は、不織布への含浸が更に良好であり、更に良好な投錨効果を得ることができ、その結果、装飾用部品の強度を更に高めることができる。
また、本発明は、上記の何れかの装飾用部品を有するつまみ細工であるため、多様なデザインで、強度の良好なつまみ細工を得ることができる。
また、本発明は、上記つまみ細工に於いて、装飾用部品は前記布材の端部の縁が揃うように重ねられた部位(切口端部)を有し、その少なくとも一部を固着されて成り、当該固着された部位の少なくとも一部が当該装飾用部品の意匠部として前記つまみ細工に於いて露出されて成るため、デザインの幅を拡げることができる。言い換えれば、当該固着された部位が綺麗であるため製品に於いて隠す必要が無く、したがって、露出させることができるため、デザインの幅を拡げることができる。
また、本発明は、切り出された不織布1に熱可塑性樹脂エマルジョンを含浸して当該不織布の表裏に熱可塑性樹脂エマルジョン層2を形成し、前記熱可塑性樹脂エマルジョン層2の形成された不織布を折り重ねて立体化し、折り重ねられて対面接触している部位の少なくとも一部を熱圧着することを特徴とする装飾用部品100の製造方法であるため、澱粉糊や木工ボンド等を用いて接着する場合よりも所要時間を短縮できる。また、装飾用部品100の仕上がりも綺麗であり、強度も良好である。
また、本発明では、布材10として、熱可塑性樹脂エマルジョンが含浸された不織布1を用いているため、装飾用部品100に対して、押しつぶされても平面化し難い適度な張りを持たせることができる。
また、本発明では、布材10として、熱可塑性樹脂エマルジョンが含浸された不織布1を用いているため、良好な強度を有する。このため、孔を設けた場合でも、その孔の強度が良好であり、接続用の金具等を取り付けることもできる。また、折り重ねて立体化しなくとも、布材10、それ自体で、装飾用部品としての用途に用いることも可能である。
また、本発明では、布材10として、熱可塑性樹脂エマルジョンが含浸された不織布1を用いているため、適度な張りを有させることができ、例えば、幅0.8mm〜20mm程度の帯形状(リボン形状)にして、適宜、湾曲等させた場合(図4(d)参照)も、その形状を保持することができる。
不織布1にアクリル樹脂エマルジョンを含浸して層構造を形成した人工皮革10(10a/10b/10c/10d/10e/10f)の断面模式図。(a)は不織布1の表裏両面にアクリル樹脂エマルジョン層2を形成した例を示す。なお、不織布1にはアクリル樹脂エマルジョンが含浸されて投錨効果により表裏のアクリル樹脂エマルジョン層2を不織布1に固着しているが、不織布1に含浸している状態の図示は省略する。以下の(b)〜(f)でも同様に省略する。(b)はアクリル樹脂エマルジョンに顔料3を配合して(a)と同様の層構造を形成した例、(c)は(b)に於いてアクリル樹脂エマルジョン層(顔料配合)2の表面に更に顔料無しでアクリル樹脂エマルジョン層(コート)2を形成した例、(d)は不織布1を2枚用い該2枚の不織布の間及び表裏にアクリル樹脂エマルジョン層2を形成した例、(e)はアクリル樹脂エマルジョンに顔料3を配合して(d)と同様の層構造を形成した例、(f)は(e)に於いてアクリル樹脂エマルジョン層(顔料配合)2の表面に更に顔料無しでアクリル樹脂エマルジョン層(コート)2を形成した例を示す。これらで、顔料3は蓄光顔料であってもよい。 (a)は図1(a)〜(f)に例示した布材10(10a/10b/10c/10d/10e/10f)に接合用の孔61を設けた例を示す斜視図。(b)は(a)に於いて孔61に金具62を取り付けた例を示す斜視図。 (a)〜(g)は、それぞれ、つまみ細工用の装飾用部品100(100A〜100G)を例示する斜視図。何れも、図1(a)〜(f)に例示したような人工皮革10(10a/10b/10c/10d/10e/10f)を折り重ねて適宜の部位を熱圧着して成る。 図3とは異なるタイプの装飾用部品101を、図1(a)〜(f)に例示したような布材(人工皮革)10(10a/10b/10c/10d/10e/10f)から作成する手順(a)〜(e)を示す斜視図。 つまみ細工用の装飾用部品100Mを、図1(a)〜(f)に例示したような布材(人工皮革)10(10a/10b/10c/10d/10e/10f)から作成する手順(a)〜(j)を示す斜視図。 つまみ細工用の図5とは異なる装飾用部品100Nを、図1(a)〜(f)に例示したような布材(人工皮革)10(10a/10b/10c/10d/10e/10f)から作成する手順(a〜(i)を示す斜視図。 従来の装飾用部品を組み付けた従来のつまみ細工5を例示する斜視図。従来の装飾用部品は切口端部が綺麗でないため、従来のつまみ細工5では、外から見えないように隠されて組み付けられている。
(1)布材10
図1を参照して、まず、布材10について説明する。なお、布材10は、不織布と熱可塑性樹脂エマルジョンから成るため便宜的に人工皮革とも称しているが、質感は、いわゆる人工皮革から想起されるものとは、若干、異なっている。
図1(a)に例示するように、本発明での布材(人工皮革)10の基本形は、不織布1と、該不織布1の表裏から含浸されて表裏に層として形成された熱可塑性樹脂エマルジョン層2とから成る。熱可塑性樹脂エマルジョンとして、本実施の形態では、アクリル樹脂エマルジョンを用いている。アクリル樹脂エマルジョンを用いると、曲面に加工されたとき、表面のひび割れが発生しない適度な弾性を得ることができる。不織布1には、アクリル樹脂エマルジョンが表裏から含浸されているため、投錨効果によって表裏のアクリル樹脂エマルジョン層2は、不織布1に強固に固着されているが、図1の各図では、その様子の描画は省略されている。
図1(b)はアクリル樹脂エマルジョンに顔料3を配合して(a)と同様の層構造を形成した例、(c)は(b)に於いてアクリル樹脂エマルジョン層(顔料配合)2の表面に更に顔料を配合しないアクリル樹脂エマルジョン層(コート)2を形成した例、(d)は不織布1を2枚用い該2枚の不織布の間及び表裏にアクリル樹脂エマルジョン層2を形成した例、(e)はアクリル樹脂エマルジョンに顔料3を配合して(d)と同様の層構造を形成した例、(f)は(e)に於いてアクリル樹脂エマルジョン層(顔料配合)2の表面に更に顔料を配合しないアクリル樹脂エマルジョン層(コート)2を形成した例をそれぞれ示す。(b)(c)(e)(f)に於いて、顔料3は蓄光顔料でもよい。顔料3は、アクリル樹脂エマルジョンとともに不織布1に良好に定着して、良好に呈色する。
(2)装飾用部品100Mの製造手順
次に、図5を参照して、布材10(10a/10b/10c/10d/10e/10f)から装飾用部品100(100M)を製造する手順について述べる。
図5(a)〜(j)は、熱圧着を行う工程(c)(f)(i)を経て、装飾用部品100Mを製造する手順を示す。熱圧着部位を、図中にTCBで示す。
(a) 布材10(10a/10b/10c/10d/10e/10f,図1参照)を用意する。布材(人工皮革)10のサイズ、層構成、色、厚みは、目的の装飾用部品に応じて、適宜、選択される。なお、図1は層構成の例示であり、図1に例示されていない層構成であってもよい。
(b) 上記(a)で準備した布材10を、一点鎖線(対角線)に沿って折り畳む。このとき、布材10は、折り曲げられた部分で連続する2つの三角形状部分から成る。
(c) 部位TCBを熱圧着で固着する。即ち、2つの三角形状部分の縁に沿う部位にて対面接触するアクリル樹脂エマルジョン層2,2を、ここでは、上記縁に沿う部位の全部で、熱圧着により一体化する。
(d) 上記(c)で熱圧着した布材10を、図示一点鎖線で示す中央線に沿って、さらに折り畳む。
(e) 上記(c)で熱圧着され、更に上記(d)で折り畳まれた布材10は、折り曲げられた部分で連続する2つの三角形状部分から成る。
(f) 部位TCBを熱圧着で固着する。即ち、2つの三角形状部分の縁に沿う部位にて対面接触するアクリル樹脂エマルジョン層2,2を、ここでは、上記縁に沿う部位の一部(図内、上半分)で、熱圧着により一体化する。
(g) 上記(f)で縁に沿う部位の一部を熱圧着した布材10を、熱圧着されていない縁に対応する部位を外側へ開くようにして、図示一点鎖線に沿って折り返す。
(h) 上記(g)を経た布材は、つまみ細工の装飾用部品である丸つまみの原型を成す。即ち、3つの三角形状部分(上記(f)での熱圧着により布材が2層とされた中間の三角形状部分、及び、該布材が2層の三角形状部分の表裏に位置し、上記(g)に一点鎖線で示す部位を縁として当該縁にて上記布材が2層の三角形状部分とそれぞれ連続する2つの三角形状部分)から成る。
(i) 部位TCBを熱圧着で固着する。即ち、3つの三角形状部分の相互に連続せず離れている一縁に沿う部位にて対面接触するアクリル樹エマルジョン層2,2,2を、ここでは、上記一縁に沿う部位の全部で、熱圧着により一体化する。
(j) 適宜、所望の部位をピンセットや指で整え、つまみ細工の所望の形状の装飾用部品100Mを得る。(j)内で、左側が斜視図、右側が背面図である。
こうして出来上がった装飾用部品100Mは、他の装飾用部品とさまざまに組み合わされて、つまみ細工の構成要素とされる。
(3)装飾用部品100Nの製造手順
次に、図6を参照して、布材10(10a/10b/10c/10d/10e/10f)から装飾用部品100(100N)を製造する手順について述べる。
図6(a)〜(i)は、熱圧着を行う工程(c)(h)を経て、装飾用部品100Nを製造する手順を示す。熱圧着部位を、図中にTCBで示す。
装飾用部品100Nは、前述の装飾用部品100Mとは、若干、形状が異なる。
装飾用部品100Nに用いる布材10は、装飾用部品100Mと同様である。即ち、布材(人工皮革)10のサイズ、層構成、色、厚みは、目的の装飾用部品100Nに応じて、適宜、選択される。
(a) 布材10(10a/10b/10c/10d/10e/10f,図1参照)を用意する。なお、図1に例示されていない層構成であってもよい。
(b) 上記(a)で準備した布材10を、一点鎖線(対角線)に沿って折り畳む。このとき、布材10は、折り曲げられた部分で連続する2つの三角形状部分から成る。
(c) 部位TCBを熱圧着で固着する。即ち、2つの三角形状部分の縁に沿う部位にて対面接触するアクリル樹脂エマルジョン層2,2を、ここでは、上記縁に沿う部位の全部で、熱圧着により一体化する。
(d) 上記(c)で熱圧着した布材10を、図示一点鎖線で示す中央線に沿って、さらに折り畳む。
(e) 上記(c)で熱圧着され、更に上記(d)で折り畳まれた布材10は、折り曲げられた部分で連続する2つの三角形状部分から成る。
(f) 前述の装飾用部品100Mの製造手順(f)を経ることなく、同手順(g)と略同様の操作を行う。即ち、上記(c)で熱圧着され、更に上記(d)で折り畳まれた布材10は折り曲げられた部分で連続する2つの三角形状部分から成るのであるが、この2つの三角形状部分を、それぞれ、図示一点鎖線の部分で外側へ折り畳む。
(g) 上記(f)を経た布材は、前述の装飾用部品100Mの原型とは異なる、目的の装飾用部品100Nの原型を成す。即ち、4つの三角形状部分(順に1つの縁で連続する4つの三角形状部分)から成る。
(h) 2箇所の部位TCBを、それぞれ、熱圧着で固着する。即ち、上記(d)に一点鎖線で示す中央線の両側の各一対の三角形状部分を、それぞれ、熱圧着により一体化する。なお、上記中央線を挟む中寄り2つの三角形状部分は熱圧着しない。
(i) 適宜、所望の部位をピンセットや指で整え、つまみ細工の所望の形状の装飾用部品100Nを得る。(i)内で、左側が斜視図、右側が背面図である。
こうして出来上がった装飾用部品100Nもまた、装飾用部品100Mと同様に、さまざまに組み合わされて、つまみ細工の構成要素とされる。
前述の装飾用部品100Mと、上述の装飾用部品100Nの差異は、背面において、図内下の部位が閉じているか、開いているかにある。
前述の装飾用部品100M,100N以外にも、図3(a)〜(g)に示すつまみ細工用の装飾用部品100A〜100G等を、同様に製造できる。
(4)装飾用部品101の製造手順
次に、図4を参照して、布材10(10a/10b/10c/10d/10e/10f)から装飾用部品101を製造する手順について述べる。
図4(a)〜(e)は、熱圧着を行う工程(b)(c)(e)を経て、装飾用部品101を製造する手順を示す。熱圧着部位を、図中にTCBで示す。
装飾用部品101は、リボン形状(帯状)の2つの布材10A,10Bから成る。
装飾用部品101に用いる布材10(10A,10B)は、装飾用部品100M,100N,100A〜100Gと同様である。即ち、布材(人工皮革)10のサイズ、層構成、色、厚みは、目的の装飾用部品101に応じて、適宜、選択される。当然ながら、図1に例示されていない層構成であってもよい。
(a) 布材10として、幅が同じで長さが異なる2つのリボン形状(帯状)の布材10A,10Bを用意する。布材10Aと布材10Bは、その層構成、色、厚みが同じでもよく、異なっていてもよい。
(b) 布材10Aの一端側を折り曲げて、その先端部分を、当該布材10Aの長さ方向中央部分に重ねて、熱圧着する。熱圧着部位をTCBで示す。これにより、輪が一つ構成される。
(c) 上記(b)で折り曲げなかった部分の端部側を同様に折り曲げて、上記(b)での熱圧着部位TCBに重ねて、同様に熱圧着する。これにより、上記(b)で構成した輪と同等の輪が、略対称に構成される。
(d) 図示の湾曲形状を保持できる程度に張りのある布材10Bを用いる。
(e) 湾曲形状が上に凸となるように置いた布材10Bの中央部分の上面に、布材10Aの熱圧着部位の下面を当接させて、熱圧着する。これにより、蝶々結びのリボン形状の原型の装飾用部品101を得る。
こうして出来上がった装飾用部品101は、最終製品の構成要素とされる。この最終製品は、つまみ細工であってもよいが、別の装飾品でもよい。
装飾品としては、例えば、首飾,耳飾,指輪,腕輪(ブレスレット)アンクレット、ヘアゴム、かんざし、カチューシャ、シュシュ、ヘアクリップ、ヘアピン等の装身具、ブローチ、ボタン、ネクタイピン等の衣類用アクセサリー、帽子飾り、靴飾り、バックチャーム、キーホルダー、携帯電話用アクセサリー、スマートフォン用アクセサリー、インテリア用装飾品等を例示することができる。
図7は、従来の装飾用部品を用いて作成したつまみ細工5である。従来の装飾用部品は切口端部を綺麗に仕上げることができなかったため、図7に示すように、切口端部を外から見えないように隠す必要があり、製品であるつまみ細工のデザイン設計でも、それに起因する制約を受けていた。これに対して、本発明の装飾用部品100(100A〜100G,100M,100N)では、切口端部を綺麗に仕上げることができるため、つまみ細工等の製品に於いても意匠部として用いることができ、デザインの自由度が大きい。
蓄光顔料の発光色は蓄光顔料の種類により異なるが、黄緑色、紫青色、青色、緑色、黄色、橙色などがある。
不織布の厚みは0.001mm〜5mm程度であり、目的とする装飾用部品100のサイズ等や、該装飾用部品100が組み付けられる最終製品或いは該最終製品内での組付位置等に応じて、適宜に選定される。小サイズの装飾用部品100を製造する場合は、より薄い不織布を選定する。
前述の「(2)装飾用部品100Mの製造手順」、「(3)装飾用部品100Nの製造手順」、「(4)装飾用部品101の製造手順」では、熱圧着を、80℃〜200℃の範囲で行った。
(5)装飾用部品100Mの性能
一般財団法人カケンテストセンターに依頼して、染色堅牢度、防皺率、剛軟度を測定した。その結果、
染色堅牢度,摩擦,乾:4−5級(試験方法:JIS L 0849 2形)
染色堅牢度,摩擦,湿:4−5級(試験方法:JIS L 0849 2形)
防しわ率:64〜65%(しわ回復角度:113°〜118°)(試験方法:JIS L 1059−1 B法 モンサント法 荷重:4.9N)
剛軟度:11%(試験方法:JIS L 1913準用 カンチレバー法)
であった。
装飾用部品としての性能を備えていることが確認された。
1 不織布
10(10a〜10f) 布材(人工皮革)
100(100A〜100G,100M,100N) 装飾用部品
101 装飾用部品
2 アクリル樹脂エマルジョン層
3 顔料/蓄光顔料
5 従来の装飾用部品が組み付けられたつまみ細工
61 孔
62 金具
TCB 熱圧着された部位

Claims (7)

  1. 布材を折り重ねて立体化し、対面接触している部位の少なくとも一部を固着して成る装飾用部品であって、
    前記布材は、不織布の表裏に熱可塑性樹脂エマルジョン層を有し、各熱可塑性樹脂エマルジョン層が当該不織布に含浸されて成る素材であり、
    前記固着は、対面接触している熱可塑性樹脂エマルジョン層を、固着対象の部位にて一体化して成るものである、
    ことを特徴とする装飾用部品。
  2. 請求項1に於いて、
    前記固着は、対面接触している熱可塑性樹脂エマルジョン層を、固着対象の部位にて熱圧着して成るものである、
    ことを特徴とする装飾用部品。
  3. 請求項1又は請求項2に於いて、
    前記熱可塑性樹脂エマルジョンに顔料を配合して成る、
    ことを特徴とする装飾用部品。
  4. 請求項1〜請求項3の何れかに於いて、
    前記熱可塑性樹脂エマルジョンは、アクリル樹脂エマルジョンである、
    ことを特徴とする装飾用部品。
  5. 請求項1〜請求項4の何れかの装飾用部品を有する、
    ことを特徴とするつまみ細工。
  6. 請求項5に於いて、
    前記装飾用部品は、前記布材の端部の縁が揃うように重ねられた部位を有し、その少なくとも一部を固着されて成り、
    前記端部の縁が揃うように重ねられて固着された部位の少なくとも一部が、当該装飾用部品の意匠部として、前記つまみ細工に於いて露出されて成る、
    ことを特徴とするつまみ細工。
  7. 切り出された不織布に熱可塑性樹脂エマルジョンを含浸して当該不織布の表裏に熱可塑性樹脂エマルジョン層を形成し、
    前記熱可塑性樹脂エマルジョン層の形成された不織布を折り重ねて立体化し、
    折り重ねられて対面接触している部位の少なくとも一部を熱圧着する、
    ことを特徴とする装飾用部品の製造方法。
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