JP2019097359A - 磁束可変機構付の回転電機 - Google Patents

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Abstract

【課題】磁束可変機構付の回転電機において、ロータコアの磁気回路を変更する等の影響を伴わずに、特別なアクチュエータを不要とすることである【解決手段】回転電機の磁束可変機構30は、ロータコア22の軸方向端面に固定されるケース体32の内部に遠心力で移動する移動子40と、磁束短絡部材42と、カム部材44と、付勢ばね46,47とを有する。カム部材44は、所定の傾斜角度θで傾斜して移動子40に向かい合い移動子40と接触するカム面50を有し、カム面50で受け止めた移動子40の径方向移動を磁束短絡部材42の軸方向の移動に変換する。付勢ばね46,47は、磁束短絡部材42に対しロータコア22の軸方向の端面28から離間させる方向に付勢力を与え、カム部材44を介して移動子に働く遠心力と釣合った状態で磁束短絡部材42の軸方向に沿った位置を定める。【選択図】図2

Description

本開示は、磁束可変機構付の回転電機に関する。
電動車両に用いられる回転電機として、小型軽量と出力効率の向上とを図るために、ロータコアの周方向に沿って複数の永久磁石を埋め込んで磁極を形成する埋込磁石型(Interior Permanent Magnet:IPM)の回転電機が用いられる。埋込磁石型の回転電機では、ロータの永久磁石から発生する磁束は通常は一定であるので、ロータの回転速度が上昇するに従い、ステータコイルに発生する誘起電圧が高くなり、誘起電圧が駆動電圧を超えると制御不能となる場合がある。これを回避するための方法として、回路的な弱め界磁制御を用いる他に、ロータの永久磁石からステータに向かいステータコイルに鎖交する磁束をロータの回転速度に応じて変化させる磁束可変機構が用いられる。
特許文献1には、回転軸を囲んで設けられた4つの磁石挿入孔に埋め込んだ永久磁石を有する回転子において、磁石挿入孔の端部から回転子の外周端面付近まで延びるスリット部の中に遠心力で径方向に移動可能な磁気短絡鉄片を設ける構成が開示されている。
ここでは、磁石挿入孔とスリット部とは非磁性体の中空部で接続され、磁気短絡鉄片はスリット部内においてばねによって内周側の非磁性体の部分に付勢される。磁石挿入孔とスリット部と回転子の外周端面で囲まれた部分をポールピース部と呼ぶと、回転子が低回転速度で回転する場合、磁気短絡鉄片はスリット部の内周側の非磁性体の部分に留り、隣接するポールピース部の間に磁気短絡鉄片を介した漏れ磁束は生じない。回転子が高回転速度で回転すると、磁気短絡鉄片は、遠心力によってばねの付勢力に抗して非磁性体の部分よりも外周側に移動し、隣接するポールピース部の間に漏れ磁束を生じさせ、回転子から出る有効な磁束を減少させることで、磁束可変を行っている。
特許文献2は、特許文献1の構成では、磁気短絡鉄片の位置制御をロータの遠心力とばねの弾性力との力学的釣合いに委ねているので、各磁極における磁束可変効果が異なり、安定的な磁束可変効果を期待できないと指摘する。さらに、磁束可変機構として、ロータコア内に磁気短絡鉄片を作動させる機構を設けるので、ロータコアの構造が複雑になり、製品の耐久性が問題になると指摘する。そこで、ロータの永久磁石に近接または離間する磁束短絡部材をロータ側でなくステータ側に設け、これを、モータ、油圧、空圧等で作動するアクチュエータで駆動する磁束可変機構を開示する。
特開平11−275789号公報 特開2001−275326号公報
回転電機の磁束可変機構として、ロータと磁束短絡部材の間隔をアクチュエータで可変する構成は、モータ、あるいは油圧装置、あるいは空圧装置等を要し、これらの制御装置も要するので、コストが高く、回転電機全体が大型化する。ロータと磁束短絡部材の間隔を遠心力で可変する構成であれば特別なアクチュエータが不要であるが、ロータコア内に遠心力による磁束可変機構を設けると、ロータの磁気回路の変更を伴い設計が複雑になり、また、ロータコアが大型化する。
そこで、ロータコアの磁気回路を変更する等の影響を伴わず、特別なアクチュエータを用いずに、永久磁石からステータコイルに向かう磁束を可変できる磁束可変機構付の回転電機が要望される。
本開示に係る磁束可変機構付の回転電機は、ステータコイルが巻回されたステータと、永久磁石が埋め込まれたロータコアを有しステータの内周側に所定の隙間を空けて配置されたロータと、ロータコアの永久磁石からステータコイルに向かう磁束をロータの回転速度に応じて変化させる磁束可変機構と、を備え、磁束可変機構は、永久磁石に向い合う位置でロータコアの軸方向端面に固定されるケース体と、ケース体内で軸方向の移動が規制されると共にロータの回転速度に応じた遠心力を受けて径方向に移動可能な移動子と、ケース体内で径方向の移動が規制されると共に軸方向に沿って移動可能な磁束短絡部材と、磁束短絡部材に固定され、径方向に沿って外周側に行くほどロータコアの軸方向端面から離間する方向に所定の傾斜角度で傾斜して移動子に向かい合い移動子と接触するカム面を有し、カム面で受け止めた移動子の径方向の移動を磁束短絡部材の軸方向の移動に変換するカム部材と、磁束短絡部材に対しロータコアの軸方向端面から離間させる方向に付勢力を与え、カム部材を介して移動子に働く遠心力と釣合った状態で磁束短絡部材の軸方向に沿った位置を定める付勢ばねと、を有する。
上記構成によれば、磁束可変機構は、ロータコアの軸方向端面に固定されるケース体の内部に、遠心力で移動する移動子と、磁束短絡部材と、カム部材と、付勢ばねとを有する。カム部材は、所定の傾斜角度で傾斜して移動子に向かい合い移動子と接触するカム面を有し、カム面で受け止めた移動子の径方向の移動を磁束短絡部材の軸方向の移動に変換する。付勢ばねは、磁束短絡部材に対しロータコアの軸方向の端面から離間させる方向に付勢力を与え、カム部材を介して移動子に働く遠心力と釣合った状態で磁束短絡部材の軸方向に沿った位置を定める。このように、磁束可変機構は、ロータコアの外側である軸方向の端面に固定して配置され、移動子に働く遠心力を用いて磁束短絡部材を移動させる。したがって、上記構成の磁束可変機構付の回転電機は、ロータコアの磁気回路を変更する等の影響を伴わず、特別なアクチュエータを用いずに、永久磁石からステータコイルに向かう磁束を可変できる。
本開示に係る磁束可変機構付の回転電機において、磁束可変機構は、ロータコアの軸方向端面に配置されたエンドプレートに組み込まれた状態であることが好ましい。上記構成によれば、磁束可変機構は、エンドプレートに組み込まれるので、エンドプレートの機能を併せ持つことができる。
本開示に係る磁束可変機構付の回転電機において、磁束可変機構は、ロータコアの軸方向の両端面に配置された2つのエンドプレートの内の1つに組み込まれた状態であることが好ましい。上記構成によれば、ロータの2つのエンドプレートの内の1つに磁束可変機構を組み込めばよいので、2つのエンドプレートにそれぞれ磁束可変機構を組み込む場合に比べ、エンドプレートを含むロータの全体の大きさの小型化を図れる。
本開示に係る磁束可変機構付の回転電機において、移動子は、カム部材の所定の傾斜角度と同じ傾斜角度の傾斜面を有することが好ましい。上記構成によれば、斜面を利用する簡単な構成で、移動子の径方向の移動を磁束短絡部材の軸方向の移動に変換できる。
本開示に係る磁束可変機構付の回転電機において、移動子は、カム面に球形面で接触した状態の転がり球であることが好ましい。上記構成によれば、移動子の径方向の移動と磁束短絡部材の軸方向の移動との間の変換が転がり接触によって行われるので、斜面の摺動接触によって移動の方向を変換することに比べ、少ない接触抵抗となる。これによって、移動子が滑らかに移動できる。
上記構成の磁束可変機構付の回転電機によれば、ロータコアの磁気回路を変更する等の影響を伴わず、特別なアクチュエータを用いずに、永久磁石からステータコイルに向かう磁束を可変できる。
実施の形態に係る磁束可変機構付の回転電機の断面図である。 図1における磁束可変機構の断面図である。 図2について、移動子とカム部材との間の移動方向の変換と、カム部材のカム面と移動子の傾斜面における力関係を示す図である。 ロータが高回転速度で回転する場合について、移動子とカム部材との間の移動方向の変換と、移動子の傾斜面とカム部材のカム面における力関係を示す図である。 図2において、ロータが高回転速度で回転する場合を示す断面図である。 磁束可変機構が組み込まれたエンドプレートを備える磁束可変機構付の回転電機の断面図である。 図6における磁束可変機構の断面図である。 図6において、ロータが高回転速度で回転した場合を示す断面図である。 磁束可変機構の他の例を示す図である。 図9において、ロータが高回転速度で回転した場合を示す断面図である。
以下に図面を用いて本実施の形態につき詳細に説明する。以下では、ロータコアとして磁性体薄板の積層体を述べるが、これは説明のための例示であって、永久磁石を埋め込みできる磁性体であれば、一体型のロータコアであってもよい。以下に述べる形状、材質等は、説明のための例示であって、磁束可変機構付の回転電機の仕様等により、適宜変更が可能である。また、以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、車両に搭載される磁束可変機構付の回転電機10の断面図である。以下では、特に断らない限り、磁束可変機構付の回転電機10を、回転電機10と呼ぶ。回転電機10は、車両が力行するときは電動機として機能し、車両が制動時にあるときは発電機として機能するモータ・ジェネレータで、三相同期型回転電機である。回転電機10は、ステータ12と、ロータ20と、磁束可変機構30とを含む。
ステータ12は、回転電機10の固定子で、ステータコア14と、ステータコア14に巻回されたステータコイル16とを含む。ステータコア14は、ロータ20が配置される中心穴を有する磁性体部品であり、図示を省略するが、円環状のバックヨーク、バックヨークから内周側に突き出す複数のティース、及び、隣接するティース間の空間である複数のスロットを含む。
ステータコイル16は、三相の分布巻巻線で、各相の巻線は、絶縁皮膜付き導体線が、ステータコア14において、所定のスロットに挿通され、所定の複数のティースに跨って巻回される。各相の巻線がステータコア14に巻回され、ステータコア14の軸方向の両端面から突き出した部分は、コイルエンド18,19と呼ばれる。コイルエンド18,19の内、ステータコイル16からの動力線はコイルエンド18から引き出される。
絶縁皮膜付き導体線の素線としては、銅線、銅錫合金線、銀メッキ銅錫合金線等が用いられる。絶縁皮膜としては、ポリアミドイミドのエナメル皮膜が用いられる。三相の分布巻巻線は、ステータコイル16の説明のための例示であって、回転電機10の仕様によっては、集中巻巻線のステータコイル16であってもよい。
ロータ20は、回転電機10の回転子であり、円環状のロータコア22と、ロータコア22の中心穴に固定されるロータ軸24とを含む。ロータ軸24は、回転電機10の出力軸である。
ロータコア22は、所定枚数の磁性体薄板23を軸方向に積層した積層体である。ロータコア22を磁性体薄板23の積層体とするのは、ロータコア22に生じ得る渦電流を抑制するためで、所定の形状に成形される前の磁性体薄板23の両面には、絶縁コート等の絶縁処理が施される。これによって、積層された各磁性体薄板23の間が電気的に絶縁されて、外部変動磁界により発生し得る渦電流が小さなループに分割され、渦電流損失が抑制される。
ロータコア22には、複数の磁石挿入孔(図示せず)が設けられ、それぞれの磁石挿入孔に永久磁石が配置される。各永久磁石は、ロータ20の磁極を構成し、ステータコイル16に向けて磁束を発生する。磁極数、1つの磁極当りの永久磁石の数は、回転電機10の仕様によって定まる。図1では、複数の永久磁石の内で、断面図に現れる2つの永久磁石26,27を示す。永久磁石26,27は、軸方向に垂直な断面形状が矩形で、軸方向の長さはロータコア22の軸方向の長さよりやや短めの直方形の棒磁石である。
永久磁石26,27の着磁方向は、矩形断面の短辺方向に沿って外周側と内周側との間で行われる。例えば、永久磁石26,27において、外周側の極性がNであると、内周側の極性がS極になるように着磁される(図2、図3参照)。なお、周方向に沿って隣接する磁極の間では、着磁方向が互いに逆である。即ち、各磁極を構成する複数の永久磁石は、ステータ12側を向く外周側の極性が、N,S,N,S,N,S,N,Sと周方向に沿って交互に異なる極性で配置される。かかる永久磁石26,27の材質としては、ネオジムと鉄とホウ素を主成分とするネオジム磁石、サマリウムとコバルトを主成分とするサマリウムコバルト磁石等の希土類磁石が用いられる。これ以外にフェライト磁石、アルニコ磁石等を用いてもよい。
図1に、軸方向、周方向、径方向を示す。軸方向は、ロータ軸24の軸方向に平行な方向である。軸方向の両方向を区別する場合は、動力線が引き出されるコイルエンド18の方向を一方側、動力線が引き出されないコイルエンド19の方向を他方側と呼ぶ。ロータコア22の軸方向両端面を区別する場合は、図1に示すように、一方側の軸方向端面を端面28、他方側の軸方向端面を端面29とする。周方向は軸方向周りの方向である。径方向は、ロータ軸24を通り軸方向に直交する方向である。径方向の両方向を区別する場合は、ロータ軸24に向かう方向を内周側、その反対側を外周側と呼ぶ。
磁束可変機構30は、ロータコア22の永久磁石26,27からステータ12のステータコイル16に向かう磁束をロータ20の回転速度に応じて変化させる機構である。ロータ20が低回転速度で回転する場合には、磁束可変機構30は、永久磁石26,27が発生する磁束のほぼ全てをステータコイル16に向かわせる。ロータ20が高回転速度で回転する場合には、磁束可変機構30は、永久磁石26,27が発生する磁束を短絡し、ステータコイル16に向かう磁束を減少させる。これによって、ロータ20が高回転速度で回転する場合に、ステータコイル16に鎖交する磁束によって生じる逆起電圧が過大となることを防止する。
図1では、2つの永久磁石26,27について、ロータコア22の軸方向の両端面28,29にそれぞれ1つずつ、合計で4つ設けられる磁束可変機構30を示す。ロータコア22にN個の永久磁石が設けられる場合には、2N個の磁束可変機構30が設けられる。これは説明のための例示であり、各永久磁石について、ロータコア22の軸方向の片側の端面にのみ磁束可変機構30を設けてもよい。図1についての一例を述べると、2つの永久磁石26,27について、ロータコア22の一方側の端面28にのみ1つずつ、合計で2つの磁束可変機構30を設けてもよい。あるいはロータコア22の他方側の端面29にのみ1つずつ、合計で2つの磁束可変機構30を設けてもよい。ロータコア22にN個の永久磁石が設けられる場合には、N個の磁束可変機構30を設けることで済む。また、回転電機10の滑らかな動作を確保できれば、全ての永久磁石でなく、例えば、周方向に沿って1つ飛ばしで、半数の永久磁石に磁束可変機構30を設けてもよい。場合によっては、1つ飛ばし以外のn個飛ばしで、半数よりもさらに少ない永久磁石に磁束可変機構30を設けてもよい。
図2は、永久磁石26について、ロータコア22の一方側の端面28に設けられる磁束可変機構30の構成を示す断面図である。図2では、ロータ20が停止状態あるいは、低回転速度で回転している場合で、永久磁石26の発生する磁束φAのほぼ全部がステータ12のステータコイル16に向かい、ステータコイル16における鎖交磁束となる場合を示す。なお、図2以下においては、永久磁石26の極性は、外周側がNで、内周側がSの場合を示す。
磁束可変機構30は、ケース体32、移動子40、磁束短絡部材42、カム部材44、及び付勢ばね46,47を含んで構成される。
ケース体32は、ロータコア22の一方側の端面28に固定される箱体で、壁部材33,34,35,36で構成される。壁部材33,34は、径方向に平行な壁部材で、壁部材33は、軸方向における一方側に配置され、壁部材34は、軸方向における他方側に配置される。壁部材33,34によって、ケース体32の内部の要素の軸方向の移動が規制される。なお、永久磁石26の一方側端面に向い合う壁部材34の一部は、磁束短絡部材42が軸方向に沿って移動可能なように適当な開口部が設けられる。壁部材35,36は、軸方向に平行な壁部材で、壁部材35は、径方向に沿って外周側に配置され、壁部材36は、径方向に沿って内周側に配置される。壁部材35,36によってケース体32の内部の要素の径方向の移動が規制される。かかるケース体32は、非磁性体で構成される。
ロータコア22の端面28へケース体32を固定する手段としては、壁部材34をロータコア22の一方側の端面28に接着する接着手段が用いられる。接着手段に代えて、ケース体32から図示しない接続部材をロータ軸24側に延ばし、接続部材とロータ軸24とを接続固定するカシメ手段を用いてもよい。カシメ手段に代えて、ねじ締結手段を用いてもよい。場合によっては、ケース体32とロータコア22の外周面との間を固定する溶接手段を用いてもよい。
移動子40は、ケース体32の壁部材33によって軸方向の移動が規制される一方側の平坦面と、カム部材44のカム面50と向かい合って接触する他方側の斜面である傾斜面52とを有する楔形部材である。移動子40は、傾斜面52がカム面50の上を摺動することで、径方向に移動可能である。かかる移動子40は、非磁性体で構成される。
磁束短絡部材42は、ケース体32の壁部材34に設けられた開口部を通して、永久磁石26の一方側端面に向い合って配置され、径方向に所定の長さで延びる磁性体の板部材である。所定の長さは、永久磁石26の径方向に沿った長さよりも長めに設定される。
カム部材44は、板部材である磁束短絡部材42の一方側の平坦面に固定される他方側の平坦面と、移動子40の傾斜面52と向かい合って接触する一方側の斜面であるカム面50とを有する楔形部材である。カム部材44は、移動子40の断面形状と軸方向及び径方向に対し対称形の断面形状を有する。換言すれば、同じ断面形状を有する楔形部材を2つ用いて、1つは、斜面の反対側の平坦面を磁束短絡部材42の一方側の平坦面に固定してカム部材44とし、他の1つは、斜面の反対側の平坦面をケース体32の壁部材33に当接配置して移動子40とする。カム面50は、径方向に沿って外周側に行くほどロータコア22の端面28から離間する方向に所定の傾斜角度θで傾斜する傾斜面である。移動子40の傾斜面52は、カム面50の所定の傾斜角度θと同じ傾斜角度を有する。この関係によって、移動子40は、カム面50に沿って径方向に摺動可能となる。
カム部材44のカム面50と、移動子40の傾斜面52とは、互いに面接触しているので、磁束短絡部材42における軸方向の移動と、移動子40における径方向の移動との間の変換ができる。例えば、移動子40が受けた遠心力による径方向の移動は、傾斜面52とカム面50の間において、磁束短絡部材42の軸方向の移動に変換される。このように、カム部材44のカム面50と傾斜面52とを接触させることで、斜面を利用する簡単な構成によって、径方向の移動と軸方向の移動との間の変換ができる。かかるカム部材44は、非磁性体で構成される。
脚部54,56は、磁束短絡部材42の径方向両端部にそれぞれ固定されて一体化され、軸方向の一方側に向って立設される非磁性体部材である。脚部54,56は、磁束短絡部材42の径方向の端部からやや斜めに立設された後、ケース体32の壁部材33に当接し、そこからさらに径方向に延びる張出部を有する。脚部54における張出部の端部は、ケース体32の壁部材35に向い合い、径方向の外周側の移動が規制される。同様に、脚部56における張出部の端部は、ケース体32の壁部材36に向い合い、径方向の内周側の移動が規制される。脚部54,56は、磁束短絡部材42と一体であるので、磁束短絡部材42は、軸方向に沿って移動可能であるが、径方向に沿った移動が規制される。
付勢ばね46,47は、磁束短絡部材42に対しロータコア22の端面28から離間させる方向に付勢力を与える弾性部材である。付勢ばね46の一端はケース体32の壁部材35に固定され、他端は、脚部54の張出部に固定される。同様に、付勢ばね47の一端はケース体32の壁部材36に固定され、他端は、脚部56の張出部に固定される。
図3は、図2について、付勢ばね46,47が磁束短絡部材42を介してカム部材44に与える付勢力に基づく移動子40とカム部材44との間の移動方向の変換と、カム面50と傾斜面52との間における力関係を示す図である。図2は、ロータ20が停止状態あるいは、低回転速度で回転している場合であるので、移動子40に働く遠心力を無視して示す。カム部材44は、磁束短絡部材42を介して、付勢ばね46,47から軸方向の一方側に向かう付勢力fを受ける。付勢力fは、カム面50において、カム面50に垂直な抗力成分f0と、カム面50に平行な力成分とに分けられる。カム面50に接触する傾斜面52は、f0と同じ大きさの抗力成分g0を受け取る。抗力成分g0は、径方向に平行な力gに変換される。力gの向きは、径方向の内周側に向かう方向であるので、力gによって移動子40は、径方向の内周側に向って移動し、脚部56で径方向の移動が止められる。この移動子40の移動に対応して、カム部材44は、軸方向の一方側に移動し、カム部材44と一体化されている磁束短絡部材42は、ロータコア22の端面28から離間する。
図2に戻り、ロータコア22の端面28と磁束短絡部材42との間の離間距離をL0で示す。離間距離L0は、ステータコア14の内周面とロータコア22の外周面の隙間である磁気ギャップSよりも大きく設定される。したがって、永久磁石26の発生する磁束φAのほぼ全部がステータ12のステータコイル16に向かい、ステータコイル16における鎖交磁束となる。
図4は、ロータ20が高回転速度で回転する場合について、移動子40が受けた遠心力に基づいて、移動子40の径方向の移動とカム部材44の軸方向の移動との間の移動方向の変換と、傾斜面52とカム面50との間における力関係を示す図である。ここでは、移動子40が受ける遠心力と、磁束短絡部材42が付勢ばね46,47から受ける付勢力とが、カム部材44を介して釣合う関係となる。ロータ20が高回転速度で回転すると、移動子40は、径方向の外周側に向かう遠心力Gを受ける。これによって移動子40は、径方向の外周側に移動する。遠心力Gは、傾斜面52において、傾斜面52に垂直な抗力成分G0と、傾斜面52に平行な力成分とに分けられる。傾斜面52に接触するカム面50は、G0と同じ大きさの抗力成分F0を受け取る。抗力成分F0は、軸方向に平行な押付力Fに変換される。押付力Fによってカム部材44は、軸方向の他方側に向って移動し、カム部材44と一体化されている磁束短絡部材42は、ロータコア22の端面28に近接する。カム部材44の軸方向に沿った移動に伴い、付勢ばね46,47は圧縮され、付勢力f’は、図3で述べたロータ20が停止状態等における付勢力fよりも増加する。増加した付勢力f’と、遠心力Gから変換された押付力Fとが釣合う状態で、カム部材44の軸方向に沿った位置が定まる。このように、付勢ばね46,47は、磁束短絡部材42に対しロータコア22の端面28から離間させる方向に付勢力を与え、押付力Fと釣合った状態で磁束短絡部材42の軸方向に沿った位置を定める。
図5は、図4の状態における磁束可変機構30の断面図である。すなわち、図5は、ロータ20が高回転速度で回転している場合を示す図である。図4で述べたように、移動子40は遠心力を受け、図2の状態に比べて、軸方向の移動が規制されながら、径方向の外周側に移動する。これに伴って、カム部材44は、軸方向の他方側に移動し、磁束短絡部材42は、ロータコア22の端面28に近接する。ロータコア22の端面28と磁束短絡部材42との間の離間距離をL1で示す。離間距離L1は、図2の離間距離L0よりも小さく、磁気ギャップSよりも小さく設定される。したがって、永久磁石26の発生する磁束φAの一部が磁束可変機構30の磁束短絡部材42に向かい、ステータ12のステータコイル16に向かう磁束はφAの全部よりも少なくなる。これによって、ロータ20が高回転速度で回転する場合に、ステータコイル16に鎖交する磁束によって生じる逆起電圧が過大となることを防止する。離間距離L1は、回転電機10の駆動電圧、最大回転速度、永久磁石26,27が発生する磁束等の仕様に基づいて、ロータ20の回転速度とステータコイル16における逆起電圧の関係を考慮し、実験的あるいはシミュレーション等によって設定される。
上記では、磁束可変機構30は、ロータコア22の軸方向の端面28に固定して取り付けられるものとした。そして、磁束可変機構30のケース体32を構成する壁部材の内、永久磁石26に向い合う壁部材34には、磁束短絡部材42が軸方向に移動可能な開口部を設けた。これに代えて、壁部材34に設ける開口部に、適当な厚さt0の非磁性体の薄板(図7参照)を嵌め込んでもよい。これによって、ロータ20が高回転速度で回転する場合に、永久磁石26が磁石挿入孔から飛び出すことを効果的に防止できる。
さらに、磁束可変機構をエンドプレートに組み込むこともできる。図6に、磁束可変機構70が組み込まれたエンドプレート60,62を備える回転電機11の構成を示す。磁束可変機構70が組み込まれたエンドプレート60,62は、一般的なエンドプレートと同様に、複数の永久磁石の軸方向への飛び出しを防止し、ロータコア22における複数の磁性体薄板23の積層の崩れを防止する等の機能を有する。
エンドプレート60,62は、ロータコア22の軸方向の両端面にそれぞれ配置される円板状の部材で、その外周端側に磁束可変機構70が組み込まれる。エンドプレート60,62は、適当な接合手段によってロータコア22と一体化固定される。適当な接合手段としては、接着材、溶接、かしめ、爪部等による係止固定等が用いられる。一体化の際に、円環状のロータコア22の中心穴と円板状のエンドプレート60,62の中心穴とは位置合わせされ、一体化されたロータ21を貫通する中心穴となり、その中心穴に、回転電機11の出力軸であるロータ軸25が固定される。ロータ軸25の他方側には、エンドプレート60,62と一体化されたロータ21の軸方向の他方側を受け止める鍔部64を備える。ロータ軸25の一方側には、一体化されたロータ21の軸方向の他方側をロータ軸25に締結固定する締結手段66が設けられる。締結手段66としては、ロータ軸25におねじを設け、そのおねじと噛み合うナットを用いることができる。
エンドプレート60,62は、非磁性体で構成される。非磁性体の材料としては、非磁性のステンレススチール(SUS)が用いられる。これに代えて、アルミニウム、銅等の非磁性金属材料、あるいは、適当な強度を有する樹脂材料を用いることができる。エンドプレート60,62の外周端側の板厚は、磁束可変機構70を組み込むために必要な厚さを有するが、それ以外の部分は、適当な強度を有する範囲で、軽量化を図るため薄くすることが好ましい。図7では、エンドプレート60,62のいずれにも磁束可変機構70を組み込むものとした。磁束可変機構70の軸方向厚さが一般的なエンドプレートの板厚よりも厚い場合には、2つのエンドプレート60,62の内、一方のエンドプレートにのみ磁束可変機構70を組み込み、他方のエンドプレートは一般的なエンドプレートとしてもよい。これにより、ロータ21、回転電機11を軸方向の寸法を抑制して小型化を図ることができる。
図7は、図2に対応し、ロータ21が停止状態あるいは低回転速度で回転する場合の磁束可変機構70の断面図である。磁束可変機構70はエンドプレート60の径方向の外周端側に組み込まれる。磁束可変機構70と図2の磁束可変機構30との相違点は、ケース体32の壁部材34に磁束短絡部材42が軸方向に移動可能なように開けられた開口部において、非磁性体の薄板72が嵌め込まれていることである。薄板72は、ロータコア22の端面28に固定される。薄板72の板厚t0は、図5で述べたL1以下で、適当な強度を有する寸法に設定される。t0とL1と磁気ギャップSとの間の大小関係は、t0≦L1<Sである。その他の構成は図2で述べた内容と同じである。したがって、ロータコア22の端面28と磁束短絡部材42との間の離間距離L0は、磁気ギャップSよりも大きく、これにより永久磁石26が発生する磁束φAのほとんど全部がステータ12に向かい、ステータコイル16の鎖交磁束となる。
図8は、図5に対応し、ロータ21が高回転速度で回転する場合の磁束可変機構70の断面図である。磁束可変機構70と図5の磁束可変機構30との相違点は、図7で述べた板厚t0の薄板72が設けられていることである。図5で述べたように、ロータ21が高回転速度で回転することで移動子40は遠心力を受けて径方向の外周側に移動し、カム部材44は軸方向の他方側に移動し、磁束短絡部材42は、ロータコア22の端面28に近接する。ロータコア22の端面28と磁束短絡部材42との間の離間距離L1は、磁気ギャップSよりも小さく設定される。ここで、ロータコア22の端面28と磁束短絡部材42との間には、薄板72が設けられているが、薄板72の板厚t0は、L1以下に設定されているので、ロータコア22の端面28と磁束短絡部材42との間の距離はL1より大きくなることはない。したがって、永久磁石26の発生する磁束φAの一部が磁束可変機構70の磁束短絡部材42に向かい、ステータ12のステータコイル16に向かう磁束はφAの全部よりも少なくなる。これによって、ロータ21が高回転速度で回転する場合に、ステータコイル16に鎖交する磁束によって生じる逆起電圧が過大となることを防止する。
上記の磁束可変機構30では、移動子40として、カム部材44のカム面50に摺動可能な傾斜面52を有する楔形部材を用いた。移動子は、カム部材44のカム面50を利用して、磁束短絡部材42における軸方向の移動と移動子40の径方向の移動との間の変換を行うことができれば、楔形以外の形状であってもよい。図9の磁束可変機構80は、転がり球82を移動子として用いる例を示す。転がり球82は、カム部材44のカム面50に球形面で接触して径方向に移動可能である。移動子を転がり球82とする以外は、図2で述べた磁束可変機構30と同じ構成である。
図9は、図2と同様に、ロータ20が停止状態あるいは、低回転速度で回転している場合を示す図で、移動子である転がり球82に径方向の遠心力が働かず、カム部材44は付勢ばね46,47の作用で、軸方向の一方側に移動している。ロータコア22の端面28と磁束短絡部材42との間の離間距離は、図2で説明した離間距離L0となる。離間距離L0は、ステータコア14の内周面とロータコア22の外周面との間の磁気ギャップSよりも大きく設定される。したがって、永久磁石26の発生する磁束φAのほぼ全部がステータ12のステータコイル16に向かい、ステータコイル16における鎖交磁束となる。
図10は、図5に対応する図で、ロータ20が高回転速度で回転する場合を示す。図5で述べた内容と同様に、ロータ20が高回転速度で回転することで移動子である転がり球82は遠心力を受けて径方向の外周側に移動し、カム部材44は軸方向の他方側に移動し、磁束短絡部材42は、ロータコア22の端面28に近接する。ロータコア22の端面28と磁束短絡部材42との間の離間距離L1は、磁気ギャップSよりも小さく設定される。したがって、永久磁石26の発生する磁束φAの一部が磁束可変機構70の磁束短絡部材42に向かい、ステータ12のステータコイル16に向かう磁束はφAの全部よりも少なくなる。これによって、ロータ20が高回転速度で回転する場合に、ステータコイル16に鎖交する磁束によって生じる逆起電圧が過大となることを防止する。
移動子として転がり球82を用いる磁束可変機構80は、図2の磁束可変機構30、あるいは図7の磁束可変機構70と同様の作用効果を生じる。ここで、移動子として転がり球82を用いることで、径方向の移動と軸方向の移動との間の変換が転がり接触によって行われる。図2、図7の楔形部材の移動子40を用いる場合には、斜面の摺動接触によって径方向の移動と軸方向の移動との間の変換が行われる。したがって、転がり球82を用いる方が、楔形部材である移動子40を用いる場合に比べ、少ない接触抵抗となり、移動子が滑らかに移動できる。
上記構成の磁束可変機構付の回転電機10,11によれば、磁束可変機構30,70,80は、ロータコア22の軸方向端面に固定されるケース体32の内部に、遠心力で移動する移動子、磁束短絡部材42、カム部材44、及び付勢ばね46,47とを有する。カム部材44は、所定の傾斜角度θで傾斜して移動子に向かい合い移動子と接触するカム面50を有し、カム面50で受け止めた移動子40の径方向の移動を磁束短絡部材42の軸方向の移動に変換する。付勢ばね46,47は、磁束短絡部材42に対しロータコア22の軸方向の端面28から離間させる方向に付勢力を与え、カム部材44を介して移動子40に働く遠心力と釣合った状態で磁束短絡部材42の軸方向に沿った位置を定める。このように、磁束可変機構30,70,80は、ロータコア22の外側である軸方向の端面に固定して配置され、移動子に働く遠心力を用いて磁束短絡部材42を移動させる。したがって、上記構成の磁束可変機構付の回転電機10,11は、ロータコア22の磁気回路を変更する等の影響を伴わず、特別なアクチュエータを用いずに、永久磁石からステータコイル16に向かう磁束を可変できる。
10,11 (磁束可変機構付の)回転電機、12 ステータ、14 ステータコア、15,16 ステータコイル、18,19 コイルエンド、20,21 ロータ、22 ロータコア、23 磁性体薄板、24,25 ロータ軸、26,27 永久磁石、28,29 (軸方向の)端面、30,70,80 磁束可変機構、32 ケース体、33,34,35,36 壁部材、40 移動子、42 磁束短絡部材、44 カム部材、46,47 付勢ばね、50 カム面、52 傾斜面、54,56 脚部、60,62 エンドプレート、64 鍔部、66 締結手段、72 薄板、82 転がり球。

Claims (5)

  1. ステータコイルが巻回されたステータと、
    永久磁石が埋め込まれたロータコアを有し前記ステータの内周側に所定の隙間を空けて配置されたロータと、
    前記ロータコアの前記永久磁石から前記ステータコイルに向かう磁束を前記ロータの回転速度に応じて変化させる磁束可変機構と、
    を備え、
    前記磁束可変機構は、
    前記永久磁石に向い合う位置で前記ロータコアの軸方向端面に固定されるケース体と、
    前記ケース体内で軸方向の移動が規制されると共に前記ロータの回転速度に応じた遠心力を受けて径方向に移動可能な移動子と、
    前記ケース体内で径方向の移動が規制されると共に軸方向に沿って移動可能な磁束短絡部材と、
    前記磁束短絡部材に固定され、径方向に沿って外周側に行くほど前記ロータコアの前記軸方向端面から離間する方向に所定の傾斜角度で傾斜して前記移動子に向かい合い前記移動子と接触するカム面を有し、前記カム面で受け止めた前記移動子の径方向の移動を前記磁束短絡部材の軸方向の移動に変換するカム部材と、
    前記磁束短絡部材に対し前記ロータコアの前記軸方向端面から離間させる方向に付勢力を与え、前記カム部材を介して前記移動子に働く遠心力と釣合った状態で前記磁束短絡部材の軸方向に沿った位置を定める付勢ばねと、
    を有する、磁束可変機構付の回転電機。
  2. 前記磁束可変機構は、
    前記ロータコアの前記軸方向端面に配置されたエンドプレートに組み込まれた状態である、請求項1に記載の磁束可変機構付の回転電機。
  3. 前記磁束可変機構は、
    前記ロータコアの軸方向の両端面に配置された2つの前記エンドプレートの内の1つに組み込まれた状態である、請求項2に記載の磁束可変機構付の回転電機。
  4. 前記移動子は、
    前記カム部材の所定の傾斜角度と同じ傾斜角度の傾斜面を有する、請求項1に記載の磁束可変機構付の回転電機。
  5. 前記移動子は、
    前記カム面に球形面で接触した状態の転がり球である、請求項1に記載の磁束可変機構付の回転電機。
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