JP2002191157A - 永久磁石併用同期回転機 - Google Patents

永久磁石併用同期回転機

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JP2002191157A
JP2002191157A JP2000385301A JP2000385301A JP2002191157A JP 2002191157 A JP2002191157 A JP 2002191157A JP 2000385301 A JP2000385301 A JP 2000385301A JP 2000385301 A JP2000385301 A JP 2000385301A JP 2002191157 A JP2002191157 A JP 2002191157A
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magnet
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JP2000385301A
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Hiroaki Kajiura
裕章 梶浦
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Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高速回転時の磁石磁束の優れた減少性能を確保
しつつ体格当たりのトルク、出力を向上することにより
車両用回転電機としての実用性を向上した磁気短絡式磁
石界磁併用巻線界磁型同期回転機を提供すること。 【解決手段】磁気短絡式磁石界磁併用巻線界磁型同期回
転機において、ロータコア1210の互いに隣接する界
磁極と界磁極との間から、永久磁石1280の径方向内
側(更に具体的に言えばロータコア1210の内周面
側)に回り込む磁路(以下、界磁極間磁路ともいう)を
設け、かつ、磁気短絡部材1281を永久磁石1280
の径方向外側(かつ周方向に隣接する上記磁路と磁路と
の中間部分)に配設して、リラクタンストルクを増大す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気短絡部材によ
り磁石磁束を磁気短絡する磁石界磁併用巻線界磁型同期
回転機に関する。本発明の同期機は、電動車両用あるい
はハイブリッド車用の発電電動機として好適である。
【0002】
【従来の技術】特開平10ー304633号公報は、埋
込磁石(IPM)型回転子に有効磁束をコントロ−ル可
能な界磁巻線を設けて、高速回転域での磁石磁界による
過大な発電電圧を抑圧するための弱め界磁電流を電機子
巻線に流すことを回避することを提案している。また、
この同期機は高速回転域で電機子電流制御が不調となっ
ても磁石磁束が磁気短絡されてしまうために、安全性に
優れるという利点を有している。以下、この形式の同期
機を、磁気短絡式磁石界磁併用巻線界磁型同期回転機と
も称するものとする。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た磁気短絡式磁石界磁併用巻線界磁型同期回転機では、
磁気回路構造が複雑なために磁気回路の磁気抵抗が大き
く、その分、体格当たりのトルク、出力が小さいという
問題があった。
【0004】本発明は上記問題点に鑑みなされたもので
あり、高速回転時の磁石磁束の優れた減少性能を確保し
つつ体格当たりのトルク、出力を向上することにより車
両用回転電機としての実用性を向上した磁気短絡式磁石
界磁併用巻線界磁型同期回転機を提供することをその目
的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の磁気短絡
式磁石界磁併用巻線界磁型同期回転機(本明細書では簡
単のために永久磁石併用同期回転機ともいう)は、ハウ
ジングと、前記ハウジングの内周面に固定されたステー
タコアと、前記ステータコアに巻装された電機子巻線
と、前記ステータコアの内周面に所定ギャップを隔てつ
つ前記ハウジングに回転自在に支承される円筒状のロー
タコアと、前記ロータコアに軸方向に貫設された偶数の
磁石収容孔に個別に挿入されて前記ロータコアの外周面
に偶数の界磁極を周方向極性交互に形成する偶数の永久
磁石と、前記ロータコアに軸方向に挿通されて各前記永
久磁石により形成される磁石磁界を磁気短絡する磁気短
絡部材と、前記ロータコアの径内側に配設されて前記磁
気短絡部材に軸方向に磁束を流す界磁巻線と、前記ロー
タコアの径内側に配設されて前記界磁巻線が形成する磁
束が流れる磁路を前記ロータコア及び前記磁気短絡部材
とともに形成する継鉄部とを備え、前記各永久磁石は、
前記磁気短絡部材の径方向内側に配設される部分を有
し、前記ロータコアは、周方向に隣接する2つの前記界
磁極の間の外周面部分から周方向に隣接する2つの前記
永久磁石の間の部位を通じて前記永久磁石よりも径方向
内側の部位に達する磁路を有していることを特徴として
いる。
【0006】すなわち、本発明によれば、磁気短絡式磁
石界磁併用巻線界磁型同期回転機において、ロータコア
の互いに隣接する界磁極と界磁極との間から、永久磁石
の径方向内側(更に具体的に言えばロータコアの内周面
側)に回り込む磁路(以下、界磁極間磁路ともいう)を
設け、かつ、磁気短絡部材を永久磁石の径方向外側(か
つ周方向に隣接する上記磁路と磁路との中間部分)に配
設したものである。
【0007】このようにすれば、電機子電流磁界にとっ
て、ロータコア中において、互いに隣接する2つの界磁
極間磁路を結ぶ経路の磁気抵抗が小さくなる。また、ロ
ータコア中において、互いに隣接する2つの磁気短絡部
材の径方向外側部位を結ぶ経路の磁気抵抗は大きくな
る。結局、このロータコアは、磁気突極型ロータ構造を
もつことになり、リラクタンストルクを発生することが
できる。
【0008】一方、界磁巻線により形成される電流磁束
は、磁気短絡部材から、磁石収容孔が等価的に大きな磁
気抵抗となるため、ロータコアの径方向内側へは向かわ
ず、ロータコアの外周面からステータコアへ向かうの
で、大きな電流磁界によりロータコアの磁気短絡部材よ
り径方向外側の部分が磁気飽和しても、上記界磁極間磁
路に磁気飽和が生じることがなく、したがって大きなリ
ラクタンストルクを確保することができる。
【0009】結局、本発明によれば、高速回転時の磁石
磁界を良好に磁気短絡して弱め界磁電流を通電すること
なく電機子巻線の電圧増大を抑止して効率及び安全性を
向上できる上に、界磁巻線が形成する電流磁界の増大時
でも十分なリラクタンストルクを確保して体格当たりの
トルク、出力を向上して小型軽量化を実現することがで
きる。
【0010】請求項2記載の構成によれば請求項1に記
載の永久磁石併用同期回転機において更に、前記磁石収
容孔は、周方向両端部が前記ロータコアの外周部に達
し、周方向中央部が前記周方向両端部よりも径方向内側
に位置する円弧状径方向断面を有し、前記永久磁石は、
前記磁石収容孔の略深さ方向に着磁され、前記磁石収容
用貫通穴の前記周方向中央部は、前記ロータコアの内周
面近傍に達して磁気的凹部を構成している。
【0011】すなわち、本構成によれば、磁石収容孔を
上記界磁極間磁路の両側に磁気短絡部材を囲むように円
弧状に形成するので、ロータコアの外周面における周方
向各部の磁気抵抗の変化量を増大するとともに磁石磁界
も強化することができ、一層、トルクを向上することが
できる。
【0012】請求項3記載の構成によれば請求項2記載
の永久磁石併用同期回転機において更に、前記永久磁石
の周方向中央点と前記磁気短絡部材の周方向中央点と
は、略一致(電気角でπ/10未満)としているので、
一層、ロータコアの外周面の周方向磁気抵抗変化を増大
でき、リラクタンストルクを増大することができる。
【0013】請求項4記載の構成によれば請求項1記載
の永久磁石併用同期回転機において更に、前記ロータコ
アは、周方向に隣接する任意の一対の前記界磁極間に位
置して互いに所定間隔を隔てて軸方向へ貫設された一対
のスリットにより区画形成された磁気突極部を有するの
で、上記と同様の効果を奏することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の永久磁石併用同期回転機
の好適な態様を以下の実施例により詳細に説明する。
【0015】
【実施例】この実施例の永久磁石併用同期回転機を図1
〜図4を参照して以下に説明する。
【0016】回転機1000は、ステータ1100と、
ロータ1200とを有し、ステータ1100は、フロン
トフレーム1910およびエンドフレーム1911の内
周面に固定されている。
【0017】ロータ1200は、軸受け1920、19
21を介してフロントフレーム1910およびエンドフ
レーム1911に支持されており、その外周面はエアギ
ャップを介してステータ1100の内周面に対面してい
る。1930はロータ1200の回転位置を測定するレ
ゾルバロータであり、1931はレゾルバステータであ
る。
【0018】ステータ1100は、電磁鋼板を軸方向に
積層してなる円筒状のステータコア1120に3相コイ
ル(電機子巻線)1110を巻装してなる。
【0019】ロータ1200は、ロータコア1210、
磁石1280、ピン(磁気短絡部材)1281、ロータ
ヨーク1270、ロータヨーク1275、静止継鉄部1
282、スペーサ1290を有している。
【0020】ロータコア1210は、図2(図1におけ
るAーA線矢視断面図)に示すように、多数の輪板状の
電磁鋼板を軸方向に積層することにより円筒形状に形成
されている。ロータコア1210は電磁鋼板を螺旋状に
巻重ねて軸方向に積層して製造されることもできる。ロ
ータコア1210は、周方向に等間隔ピッチ(磁極ピッ
チ)で軸方向に貫設され、中央部が径方向内側に湾曲す
る磁石収容孔1211、及び、各磁石収容孔1211よ
りも径方向外側に位置して軸方向に貫設された丸穴(短
絡部材収容孔)1212を有している。磁石収容孔12
11の周方向中央点と丸穴(短絡部材収容孔)1212
の周方向中央点とは一致している。
【0021】磁石収容孔1211には磁石1280が挿
入され、丸穴1212には軟磁性体からなるピン(磁気
短絡部材)1281が軸方向に圧入されている。各磁石
1280は、その厚さ方向すなわち略径方向に磁化され
ており、周方向に隣接する2つの磁石1280は、磁化
の方向が逆になっている。
【0022】ロータヨーク1270は、図1及び図1の
P視断面図である図3に示すように、軟磁性体鉄心を鍛
造加工して形成されている。ロータヨーク1270は、
径方向に延在する円板部1271と、円板部1271の
内周端からリヤ側に延在するボス部1272とからなる
フランジ状部材であって、円板部1271は、外周端か
ら更に径外方向へ放射状に張り出した磁石収容孔121
1の半分の数のリブ1273を有している。
【0023】リブ1273は、周方向奇数番目の丸穴1
212(図2参照)と同一位置に同一径で形成された丸
穴1274を有している。ロータコア1210の丸穴1
212を貫通した軟磁性体のピン(磁気短絡部材)12
81はリブ1273の周方向奇数番目の丸穴1274に
圧入され、これにより、ロータコア1210がロータヨ
ーク1270に固定されている。
【0024】ロータヨーク1275は、図1及び図1の
Q視断面図である図4に示すように、軟磁性体鉄心を鍛
造加工して形成されている。ロータヨーク1275は、
径方向に延在する円板部1276と、円板部1276の
外周端から更に径外方向へ放射状に張り出した磁石収容
孔1211の半分の数のリブ1277を有している。リ
ブ1277は、周方向偶数番目の丸穴1212(図2参
照)と同一位置に同一径で形成された丸穴1278を有
している。ロータコア1210の周方向偶数版目の丸穴
1212を貫通した(磁気短絡部材)1281はリブ1
277の丸穴1278に圧入され、これにより、ロータ
コア1210とロータヨーク1275とが一体化されて
いる。
【0025】1290は、ロータコア1210の内周面
に嵌入された円筒状のスペーサであり、ロータヨーク1
275とロータコア1270とに軸方向に挟持されてい
る。この実施例では、スペーサ1290は、非磁性体に
より形成されている。
【0026】1240はシャフトであって、ボス部12
72に相対回転不能に圧入されている。
【0027】1282は、軟磁性体よりなるフランジ状
の界磁コア(静止継鉄部)であって、その円板部はエン
ドフレーム1911の端壁部にねじ1940に固定され
ている。界磁コア1282のボス部の内周面は、ロータ
ヨーク1270のボス部1272の外周面に微小ギャッ
プを隔てて相対回転自在に固定され、ロータコア121
0の径内側に存在する空間へ軸方向に突出している。界
磁コア1282のリヤ側の外周面はロータヨーク127
5の内周面に微小ギャップを隔てて対面している。界磁
コア1282のボス部には、界磁巻線1283が巻着さ
れている。1284は、外部から界磁巻線1283へ給
電するためのリード部である。
【0028】回転電機1000の3相コイル1110
は、インバータ200を通じてバッテリ300から給電
されている。界磁コイル1283に流れる界磁電流は、
リード線1284を通じて界磁電流制御回路400から
給電され、レゾルバのステータ1931は信号処理回路
500に出力し、インバータ200、界磁電流制御回路
400及び信号処理回路500は制御回路600により
制御されている。 (磁気回路の説明)次に、磁石1280が形成する磁石
磁界及び界磁コイル1283の電流が形成する電流磁界
について以下に説明する。
【0029】厚さ方向(略径方向)に着磁された磁石1
280はロータコア1210の外周面に周方向交互にS
磁極、N磁極を形成する。このN磁極から出た磁束は、
ステータコア1120との間のエアギャップを通じてス
テータコア1120内で電機子巻線1110と鎖交し、
エアギャップを通じてロータコア1210に戻る有効磁
束となる。
【0030】また、磁石1280のN磁極から出た磁石
磁束は、ロータコア1210のN磁極部分の軟磁性体の
ピン1281、ロータヨーク1270のリブ部127
3、円板部1271、ボス部1272、エアギャップ、
界磁コア1282のボス部、エアギャップ、ロータヨー
ク1275、S磁極部分の軟磁性体のピン1281を通
って磁石1280のN磁極に戻り、これにより短絡磁路
が形成される。当然、ステータ1100の電機子巻線1
110と鎖交する上記有効磁束は、この短絡磁気回路を
流れる磁束分だけ減少する。
【0031】上記短絡磁気回路は、界磁コイル1283
とも鎖交しているので、磁石磁界から短絡磁気回路を通
る磁束の量は、界磁コイル1283に通電する電流によ
り制御することができる。
【0032】この回転電機の等価磁気回路を図8に示
す。
【0033】ステータ1100側の磁気抵抗をRsd、
エアギャップの磁気抵抗をRg、磁石の磁気抵抗をRm
とする。Rr1d、Rr2d、Rr3dは上記有効磁束
が流れる磁気回路のロータ側の磁気抵抗で、それぞれロ
ータコア1210の磁極部分、磁石1280の径方向内
側部分、短絡磁路部分の磁気抵抗である。ここで、磁石
の起磁力をFm、界磁コイルの起磁力をFcとすると、
ステータ1100側に流れる有効磁束量φdは次式で表
せる。
【0034】φd=((Rm+Rr2d)Fc+Rr3
d(Fm+Rr2d))/(Rr3d(Rm+Rr2
d)+(Rm+Rr2d)(Rg+Rr1d+Rsd)
+(Rg+Rr1d+Rsd)Rr3d) 各パラメータの設定により有効磁束量φdは任意に設定
できる。例えば、界磁コイル1283に電流を流さない
とき(Fc=0)の有効磁束量φd0は、 φd0=Rr3d(Fm+Rr2d)/(Rr3d(R
m+Rr2d)+(Rm+Rr2d)(Rg+Rr1d
+Rsd)+(Rg+Rr1d+Rsd)Rr3d) となり、短絡磁気抵抗Rrが小のときはφd0はほぼ0
となる。短絡磁気抵抗Rrは、ピン1281、リブ部1
273、円筒状鉄心1272および各部材の接合部の磁
気抵抗により決定されるため、各部の面積および長さを
設定することで、界磁コイル1283に電流を流さない
ときの有効磁束量φd0を設定することができる。ここ
では、有効磁束が流れる磁路を構成する磁性材料のBー
H特性の線形領域(図9に示す0〜φ’の領域)に設定
し、有効磁束量φd0が磁路を構成する磁性材料の磁気
飽和領域に達しないようにする。
【0035】界磁コイル1283に通電した場合は、界
磁巻線起磁力Fc分の磁束量φdcが形成される。
【0036】φdc=(Rm+Rr2d)Fc/(Rr
3d(Rm+Rr2d)+(Rm+Rr2d)(Rg+
Rr1d+Rsd)+(Rg+Rr1d+Rsd)Rr
3d) その結果、有効磁束量φ1は、 φd=φd0+φdc となり、界磁コイル通電により有効磁束量を調整するこ
とができる。以上が磁石および界磁磁束が流れる方向の
磁気回路である。
【0037】次に磁石および界磁磁束が流れる方向と直
交する方向の磁気回路を図10を用いて説明する。
【0038】ステータ1100側の磁気抵抗をRsq、
エアギャップの磁気抵抗をRgとする。Rr1q、Rr
2qは上記有効磁束と直交する磁気回路のロータ側の磁
気抵抗で、それぞれロータコア1210の磁極部分、磁
石1280の径方向内側部分の磁気抵抗である。ここ
で、電機子巻線の起磁力をFsとすると、ステータ11
00側に流れる有効磁束量φqは次式で表せる。 φq=Fs/(Rg+Rsq+(Rr1q・Rr2q)
/(Rr1q・Rr2q)) いま、界磁コイルの起磁力Fcを増加して有効磁束量を
増やす場合、界磁磁束と同一方向の磁気回路において、
磁極部分の磁気抵抗Rr1dが磁気飽和を起こす。この
磁気飽和はそれと直交する磁気抵抗Rr1qにも影響を
与え、どちらも飽和して磁気抵抗が大幅増大してしま
う。
【0039】しかし、磁石1280の径方向内側部分に
は磁石による磁束しか流れないため、磁気抵抗Rr2d
は界磁コイルの起磁力Fcによる影響を受けず、小さい
ままとなる。従って、例え磁気抵抗Rr1qが飽和して
も、磁気抵抗Rr2qによってφqが確保できることに
なる。
【0040】φqが確保できることは横軸インダクタン
スLqの増加を意味し、また磁極部の磁気抵抗Rr1d
の増加は縦軸インダクタンスLdの減少を意味する。
【0041】なお、弱め界磁が不要な低回転数域では、
界磁コイル1283への通電電流を増加させ、有効磁束
量φdを増加する。これにより、モータ発生トルクは有
効磁束量φdとトルク電流の積(=マグネットトルク)
と横軸インダクタンスLqと縦軸インダクタンスLdの
差と電流の2乗の積(=リラクタンストルク)の和にな
るため、有効磁束量φdを増加させることにより電機子
巻線1110に通電する電機子電流を低減することがで
きる。
【0042】反作用誘起電圧が印加電圧を超えるため、
モータ駆動に弱め界磁制御が必要な高回転数域では、界
磁コイル1283への通電電流をゼロ又は低減して、磁
石磁路を短絡磁路へ分流させて、電機子巻線に流す弱め
界磁電流を減少させるか又は0とすることができる。こ
れにより、最大電機子電流を減らすことができるため、
巻線部の発熱が抑えられ回転機を小型化でき、更に電力
変換器200の半導体スイッチング素子を小型化するこ
とができる。
【0043】なお、界磁コイル1283の銅損は電機子
巻線1110の銅損に比べて僅かであるため、この実施
例記載の界磁電流による弱め界磁は、従来の電機子電流
によるそれに比較して効率向上をもたらす。
【0044】また、この実施例では、界磁コイル起磁力
Fc=0のときの有効磁束量φdを有効磁路を構成する
磁性材料のBーH特性の線形領域に設定しているので、
有効磁束量φdによる反作用誘起電圧が印加電圧以上と
なる高回転数域でモータ駆動する必要が生じたとき、電
機子巻線1110からの弱め界磁に必要な電機子電流を
最小限に抑えることができる。
【0045】図9により更に詳しく説明すると、電機子
電流により有効磁束をφ0からφ’に減少させる場合、
BーHカーブが線形であるときに必要なAT(アンペア
ターン)をATa、非線形であるときの必要ATをAT
bとすると、ATa<ATbとなるので、その差に比例
して電機子電流を低減することができる。
【0046】従来の永久磁石回転機をモータとして動作
させ、電機子巻線に弱め界磁電流を流して制御する場合
のTーN(トルクー回転数)特性上の効率マップを図1
1に示し、この実施例の回転機を上記制御方法にて駆動
した場合のTーN特性上の効率マップを図12に示す。
両図の比較からわかるように、効率マップ上の最大効率
範囲が拡大する。
【0047】なお、この実施例の回転機を発電動作させ
る場合、φd0を車両用常用電気負荷のレベルに設定し
ておき、それ以上の出力が要求されるときのみ界磁コイ
ルに通電すれば、界磁コイルの銅損が低減でき高効率の
発電が可能である。
【0048】更に付け加えれば、従来、ロータから界磁
コントロ−ル可能な同期機として突極型同期機、クロー
ポール型同期機があるが、これらは共に界磁コイルのみ
により有効磁束を得ており、有効磁束の必要最小限を界
磁コイルで補うことが可能なこの実施例の回転機と比較
して、界磁コイルへの通電電流が大きく、界磁コイルの
大型化や界磁コイルの銅損が大きくなるという問題があ
る。
【0049】更にこの実施例では先に説明したように、
ロータコア上の短絡磁路と磁石の配置により縦軸インダ
クタンスLdに対して横軸インダクタンスLqが大きく
とれるため、有効磁束φdによるマグネットトルクに加
えて高リラクタンストルクが発生し、トルクおよび出力
が向上することができる。 (変形態様)変形態様を図5〜図7に示す。この実施例
の場合も全体構成は図1と共通である。
【0050】この実施例では、永久磁石1301が矩形
状で、磁極間に突極部1302をもつ。ここで永久磁石
は厚さ方向(径方向)に着磁され、磁石収容孔1303
は磁石より大きく磁石1301挿入時の磁束漏れを防止
している。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の装置の全体構成図である。
【図2】図1の界磁巻線型同期機のAーA線矢視径方向
断面図である。
【図3】図1の界磁巻線型同期機のP矢視径方向断面図
である。
【図4】図1の界磁巻線型同期機のQ矢視径方向断面図
である。
【図5】変形態様の界磁巻線型同期機の図2と軸方向同
一部位の径方向断面図である。
【図6】図5の界磁巻線型同期機の磁気抵抗のP線矢視
径方向断面図である。
【図7】図5の界磁巻線型同期機のQ矢視径方向断面図
である。
【図8】実施例の界磁巻線型同期機の界磁磁気回路の界
磁磁束方向の等価回路図である。
【図9】実施例の界磁巻線型同期機の界磁磁気回路のB
−H特性図である。
【図10】実施例の界磁巻線型同期機の界磁磁気回路の
界磁磁束直交方向の等価回路図である。
【図11】従来の界磁巻線型同期機の効率を示す特性図
である。
【図12】実施例の界磁巻線型同期機の効率を示す特性
図である。
【符号の説明】
1110 電機子巻線 1120 ステータコア 1283 界磁巻線 1200 ロータ 1282 静止継鉄部(界磁コア) 1210 ロータコア 1280 磁石 1271 ロータヨーク 1282 ロータヨーク(ロータ側鉄心部) 1281 ピン(磁気短絡部材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02K 1/27 501 H02K 19/22 19/22 B60K 9/00 ZHVC Fターム(参考) 5H002 AA09 AB05 AB06 AB07 AE06 AE08 5H619 AA01 BB01 BB02 BB15 BB22 BB24 PP02 PP06 PP08 5H621 AA03 GA01 GA06 GA12 GA16 GB11 GB14 HH01 HH07 JK02 JK03 JK08 5H622 AA03 CA02 CA07 CB04 CB05 CB06 PP11 PP17

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハウジングと、 前記ハウジングの内周面に固定されたステータコアと、 前記ステータコアに巻装された電機子巻線と、 前記ステータコアの内周面に所定ギャップを隔てつつ前
    記ハウジングに回転自在に支承される円筒状のロータコ
    アと、 前記ロータコアに軸方向に貫設された偶数の磁石収容孔
    に個別に挿入されて前記ロータコアの外周面に偶数の界
    磁極を周方向極性交互に形成する偶数の永久磁石と、 前記ロータコアに軸方向に貫設された短絡部材収容孔に
    挿通されて各前記永久磁石により形成される磁石磁界を
    磁気短絡する磁気短絡部材と、 前記ロータコアの径内側に配設されて前記磁気短絡部材
    に軸方向に磁束を流す界磁巻線と、 前記ロータコアの径内側に配設されて前記界磁巻線が形
    成する磁束が流れる磁路を前記ロータコア及び前記磁気
    短絡部材とともに形成する継鉄部と、 を備え、 前記各永久磁石は、前記磁気短絡部材の径方向内側に配
    設される部分を有し、 前記ロータコアは、周方向に隣接する2つの前記界磁極
    の間の外周面部分から周方向に隣接する2つの前記永久
    磁石の間の部位を通じて前記永久磁石よりも径方向内側
    の部位に達する磁路を有していることを特徴とする永久
    磁石併用同期回転機。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の永久磁石併用同期回転機
    において、 前記磁石収容孔は、周方向両端部が前記ロータコアの外
    周部に達し、周方向中央部が前記周方向両端部よりも径
    方向内側に位置する円弧状径方向断面を有し、 前記永久磁石は、前記磁石収容孔の略深さ方向に着磁さ
    れ、 前記磁石収容用貫通穴の前記周方向中央部は、前記ロー
    タコアの内周面近傍に達して磁気的凹部を構成している
    ことを特徴とする永久磁石併用同期回転機。
  3. 【請求項3】請求項2記載の永久磁石併用同期回転機に
    おいて、 前記永久磁石の周方向中央点と前記磁気短絡部材の周方
    向中央点とは、略一致していることを特徴とする永久磁
    石併用同期回転機。
  4. 【請求項4】請求項1記載の永久磁石併用同期回転機に
    おいて、 前記ロータコアは、周方向に隣接する任意の一対の前記
    界磁極間に位置して互いに所定間隔を隔てて軸方向へ貫
    設された一対のスリットにより区画形成された磁気突極
    部を有することを特徴とする永久磁石併用同期回転機。
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