JP2019093845A - 車両用補強部材及び車両用センタピラー - Google Patents

車両用補強部材及び車両用センタピラー Download PDF

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Abstract

【課題】プレス成形時のスプリングバック量を低減して、面位置精度の向上を図ることができる車両用補強部材、及びそれを備えた車両用センタピラーを提供する。【解決手段】車両用構造部材の内側に配置されて、溶接によって接合される断面コの字状で長尺状の車両用補強部材であって、互いに対向するように車両上下方向及び車幅方向に延び、前記車両用構造部材の相対向する一対の第1縦壁部の内側に配置される一対の補強側縦壁部と、一対の前記補強側縦壁部の車幅方向外側端縁を連結する補強側連結壁部と、を備え、一対の前記補強側縦壁部は、前記補強側連結壁部との間に形成される各稜線から車幅方向内側端縁までの全幅に渡って車両前後方向外側に突出して、前記第1縦壁部に溶接接合される溶接用座面が形成された一対の溶接用突出部を有し、一対の前記溶接用突出部は、車両上下方向に沿って間欠的に配置されるように構成する。【選択図】図4

Description

本発明は、車両用補強部材及び車両用センタピラーに関するものである。
車両用構造部材の内側に配置されて、溶接で接合される長尺状の車両用補強部材に関して種々提案されている。例えば、下記特許文献1に記載される車両用センタピラーは、断面ハット形状のアウタパネルと平板状のインナパネルによって閉断面を形成し、ヒンジリーンフォースメントがアウタパネルの内側に配置されて、溶接等で接合される。ヒンジリーンフォースメントは、1枚の鋼板をプレス成形により屈曲して断面ハット形状に形成されている。
このヒンジリーンフォースメントは、対向するように車幅方向に延び、アウタパネルの一対のアウタ縦壁部の内側に配置される一対のヒンジ縦壁部と、一対のヒンジ縦壁部の車幅方向外側端縁を連結して車両前後方向に延びる平板状のヒンジ連結壁を備えている。一対のヒンジ縦壁部には、一対のアウタ縦壁部に溶接接合される一対の接合凸部がアウタ縦壁部側に突出して形成されている。一対の接合凸部は、いわゆる「座面」と呼ばれ、車両上下方向に沿って間欠的に配置され、一対のヒンジ縦壁部の外側端縁から、ヒンジ連結壁側に向けて延びており、一対のヒンジ縦壁部の車幅方向中央付近まで延びるように構成されている。
特開2013−220807号公報
しかしながら、車両側面に車両外側から衝突された際における、車両用センタピラーの曲げ強度を向上させるため、ヒンジリーンフォースメントの材料強度を大きくし、断面形状も大きくすることが望まれている。また、ヒンジリーンフォースメントは、アウタパネルの内側に配置されて板合わせされるため、車両上方向側の先端部における面位置精度の要求が高い。そこで、ヒンジリーンフォースメントを、板厚が1mm〜2mm程度で、引張強度が980MPa以上の高張力鋼板で、常温プレス若しくはホットスタンプにより形成した場合には、スプリングバック量が大きくなり、面位置精度が低下する虞がある。
そこで、本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、プレス成形時のスプリングバック量を低減して、面位置精度の向上を図ることができる車両用補強部材、及びそれを備えた車両用センタピラーを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、第1発明は、車両用構造部材の内側に配置されて、溶接によって接合される断面コの字状で長尺状の車両用補強部材であって、互いに対向するように車両上下方向及び車幅方向に延び、前記車両用構造部材の相対向する一対の第1縦壁部の内側に配置される一対の補強側縦壁部と、一対の前記補強側縦壁部の車幅方向外側端縁を連結する補強側連結壁部と、を備え、一対の前記補強側縦壁部は、前記補強側連結壁部との間に形成される各稜線から車幅方向内側端縁までの全幅に渡って車両前後方向外側に突出して、前記第1縦壁部に溶接接合される溶接用座面が形成された一対の溶接用突出部を有し、一対の前記溶接用突出部は、車両上下方向に沿って間欠的に配置されている、車両用補強部材である。
第2発明は、上記第1発明において、前記溶接用座面は、前記補強側縦壁部の車幅方向内側端縁から車幅方向中央部まで延びるように形成され、一対の前記溶接用突出部は、前記溶接用座面よりも前記稜線側に、前記溶接用座面の車両前後方向外側への突出高さよりも低い突出高さに形成された逃げ部を有する、車両用補強部材である。
第3発明は、上記第2発明において、前記逃げ部は、前記溶接用座面の車幅方向外側端縁から前記稜線側端縁まで車両前後方向斜め内側へ傾斜する傾斜面を有する、車両用補強部材である。
第4発明は、上記第2発明において、前記逃げ部は、前記溶接用座面の車幅方向外側端縁から前記稜線側端縁まで車両前後方向内側へ所定高さ窪んだ段差面を有する、車両用補強部材である。
第5発明は、上記第1発明乃至第4発明のいずれかにおいて、前記溶接用突出部は、前記稜線側端縁の車両上下方向の第1幅が、車幅方向内側端縁の車両上下方向の第2幅よりも狭い正面視横台形状に形成されている、車両用補強部材である。
第6発明は、上記第1発明乃至第5発明のいずれかにおいて、前記溶接用突出部は、前記稜線側端面が、前記稜線から前記補強側連結壁部の車幅方向外側面と同一面上に車両前後方向外側へ延出されている、車両用補強部材である。
第7発明は、上記第1発明乃至第5発明のいずれかにおいて、前記溶接用突出部は、前記稜線側端縁部が前記稜線に沿って斜めに面削ぎされている、車両用補強部材である。
第8発明は、車両側部に上下方向に配置される車両用センタピラーであって、上記第1発明乃至第7発明のいずれかに係る車両用補強部材が内側に配置された、車両用センタピラーである。
本発明は、上記各発明の構成をとることによって、車両用補強部材のプレス成形時のスプリングバック量を低減して、面位置精度の向上を図ることができる。また、車両用センタピラーの曲げ強度の向上を図ることができる。
第1実施形態に係る車両用センタピラーの一例を示す全体図である。 図1のII−II矢視断面図である。 ヒンジリーンフォースメントの平面図である。 ヒンジリーンフォースメントの側面図である。 図4のVの部分の拡大斜視図である。 解析用フレームモデルの説明図であって、比較例としての第2ヒンジリーンフォースメントモデルの平面図である。 図6の溶接用突出部の拡大斜視図である。 図7のVIII−VIII矢視断面図である。 図3と図6の各ヒンジリーンフォースメントモデルのスプリングバック量の解析結果を示すテーブルである。 第2実施形態に係る溶接用突出部の拡大斜視図である。 第2実施形態に係る溶接用突出部を車両用センタピラーの内側に溶接接合した状態の要部断面図ある。 第3実施形態に係る溶接用突出部の拡大斜視図である。 第3実施形態に係る溶接用突出部を車両用センタピラーの内側に溶接接合した状態の要部断面図ある。 第4実施形態に係る溶接用突出部の拡大斜視図である。 第4実施形態に係る溶接用突出部を車両用センタピラーの内側に溶接接合した状態の要部断面図ある。 第5実施形態に係る溶接用突出部の拡大斜視図である。 第5実施形態に係る溶接用突出部を車両用センタピラーの内側に溶接接合した状態の要部断面図ある。 第6実施形態に係る溶接用突出部の拡大斜視図である。 第6実施形態に係る溶接用突出部を車両用センタピラーの内側に溶接接合した状態の要部断面図ある。 第7実施形態に係る溶接用突出部の拡大斜視図である。 第7実施形態に係る溶接用突出部を車両用センタピラーの内側に溶接接合した状態の要部断面図ある。 第8実施形態に係る溶接用突出部の拡大斜視図である。 第8実施形態に係る溶接用突出部を車両用センタピラーの内側に溶接接合した状態の要部断面図ある。 第9実施形態に係る溶接用突出部の拡大斜視図である。 第9実施形態に係る溶接用突出部を車両用センタピラーの内側に溶接接合した状態の要部断面図ある。
以下、本発明に係る車両用補強部材及び車両用センタピラーを具体化した第1実施形態乃至第9実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、本発明に係る車両用補強部材及び車両用センタピラーを具体化した第1実施形態について図1乃至図9に基づいて説明する。尚、各図に適宜に示される矢印FRは、車両前方側を示し、又矢印UPは車両上方側を示している。更に、矢印INは、車幅方向内側を示している。以下の説明において、方向に関する記述は、この方向を基準として行うものとする。
[第1実施形態]
図1及び図2は、本発明の第1実施形態に係る車両用センタピラー1の概略構成を示す。図1及び図2に示すように、車両用センタピラー1は、車両用センタピラー1の車幅方向外側部を構成する長尺状のアウタパネル11と、車両用センタピラー1の車幅方向内側部を構成する長尺状のインナパネル12と、アウタパネル11の内側に配設されるヒンジリーンフォースメント(車両用補強部材)13とを有している。
アウタパネル11は、車幅方向内側に開口する断面ハット形状に形成されており、開口側の車両前後方向の両側縁部から第1フランジ部11Cが外側方向に延出されている。また、インナパネル12は、略平板状に形成されており、車両前後方向の両側縁部から第2フランジ部12Cが外側方向に延出されている。
そして、インナパネル12の各第2フランジ部12Cは、アウタパネル11の各第1フランジ部11Cに車幅方向に重ね合わされて、スポット溶接によって溶接接合されて閉断面を形成している。尚、図1において、黒丸印により、図2において、×印により溶接個所を示している。また、スポット溶接に限らず、レーザ溶接等、他の溶接によって溶接接合されてもよい。
従って、長尺状の車両用センタピラー1は、車両上下方向へ延びる閉断面構造に形成され、内側に一つの閉空間を形成している。また、車両用センタピラー1は、アウタパネル11の上端に形成された略T字状の取付部15を介してルーフサイドレール18に接合されており、アウタパネル11の下端に形成された略T字状の取付部16を介してサイドシル19に接合され、車両上下方向に沿って配置されている。
アウタパネル11は、引張強度が1180MPa以上(例えば、1470MPaである。)の高張力鋼板で常温プレス又はホットスタンプにより成形された鋼板部材である。アウタパネル11は、車両前後方向両側の第1フランジ部11Cからそれぞれ車幅方向外側へ立ち上がる一対の第1縦壁部11Bと、各第1縦壁部11Bの車幅方向外側端をつなぐ第1底壁部11Aとを有している。また、インナパネル12は、アウタパネル11の引張強度と同等、若しくは、アウタパネル11の引張強度よりも小さい引張強度(例えば、590MPaである。)の高張力鋼板で常温プレスにより成形された鋼板部材である。
図1乃至図4に示すように、アウタパネル11の内側に車両上下方向に沿って配置されるヒンジリーンフォースメント13は、引張強度が980MPa以上(例えば、1180MPaである。)で、厚さが約1mm〜2mmの1枚の高張力鋼板で常温プレス又はホットスタンプにより成形された鋼板部材である。ヒンジリーンフォースメント13は、断面コの字状で長尺状に形成されており、一対の第1縦壁部11Bの内側に配置される一対の補強側縦壁部13Bと、各補強側縦壁部13Bの車幅方向外側端をつなぐ補強側連結壁部13Aとを有している。
補強側連結壁部13Aは、長手方向及び幅方向へ略直線状に形成されているが、長手方向の中間位置よりも車両上下方向下側で折れ線21が形成され、折れ線21を境に車幅方向内側へ屈曲されている。補強側連結壁部13Aには、アウタパネル11の第1底壁部11Aの内側面にスポット溶接により溶接接合される6個の溶接用突出部22が車幅方向外側へ所定高さ(例えば、高さ2mmである。)突出して、車両上下方向に沿って間欠的に配置されている。各溶接用突出部22は、車両上下方向上側先端部の車両前後方向中央位置と、この先端部から折れ線21までの3か所の車両前後方向中央位置と、折れ線21から車両上下方向下側端縁までの略中央の車両前後方向中央位置と、車両上下方向下端部の車両前後方向中央位置の6箇所に形成されている。
各溶接用突出部22の外側表面、つまり、各溶接用座面23は、スポット溶接によるアウタパネル11の第1底壁部11Aとの接合強度を確保するために、図2及び図3に示すように、平面状に形成されている。また、各溶接用突出部22の形状は、「半円形」や「円形」に限定されるものではなく、矩形、三角形、楕円形、六角形等、様々な形状とすることができる。
一対の補強側縦壁部13Bは、車両上下方向下端部から折れ線21に対向するまでほぼ一定の幅に形成された後、折れ線21に対向する位置から補強側連結壁部13Aに沿って車幅方向内側へ曲がると共に、車両上下方向上側先端へ行くに従って幅寸法が徐々に狭くなるように形成されている。一対の補強側縦壁部13Bには、アウタパネル11の一対の第1縦壁部11B側に突出して、この一対の第1縦壁部11Bの内側面にスポット溶接により溶接接合される一対の溶接用突出部25が、車両上下方向に沿って間欠的に配置されている。
各溶接用突出部25は、それぞれ各補強側縦壁部13Bから車両前後方向外側へ所定高さT1(例えば、T1=2mmである。)(図5参照)突出している。この一対の溶接用突出部25は、各補強側縦壁部13Bの車両上下方向上側先端部から折れ線21に対向する位置までの6箇所と、折れ線21に対向する位置に対して車両上下方向下側の近傍位置とに設けられ、合計14個の溶接用突出部25が形成されている。
図2乃至図5に示すように、各溶接用突出部25は、一対の補強側縦壁部13Bと補強側連結壁部13Aとの間で形成される各稜線L1から、補強側縦壁部13Bの車幅方向内側端縁までの全幅に渡って車両前後方向外側へ突出している。各溶接用突出部25は、稜線L1側の端縁の第1幅W1が、車幅方向内側の端縁の第2幅W2よりも狭い正面視横台形状に形成されている。また、各溶接用突出部25の稜線L1側の端縁部は、稜線L1に沿って車幅方向斜め内側に面削ぎされている。
各溶接用突出部25の外側表面、つまり、各溶接用座面26は、スポット溶接によるアウタパネル11の各第1縦壁部11Bとの接合強度を確保するために、図2及び図5に示すように、平面状に形成されている。従って、各溶接用座面26は、各稜線L1から、補強側縦壁部13Bの車幅方向内側端縁までのほぼ全幅に渡って平面状で、稜線L1側の端縁27の幅が、車幅方向内側の端縁28の幅よりも狭い正面視横台形状に形成されている。
そして、図1及び図2に示すように、一対の補強側縦壁部13Bの各溶接用座面26は、車幅方向中央よりも車幅方向内側の部分が、アウタパネル11の一対の第1縦壁部11Bの内側面にスポット溶接により溶接接合される。尚、図1において、黒丸印により、図2において、×印により溶接個所を示している。また、スポット溶接に限らず、レーザ溶接等、他の溶接によって溶接接合されてもよい。
次に、第1実施形態に係るヒンジリーンフォースメント13の各溶接用突出部25の作用効果について説明する。先ず、比較例としての第2ヒンジリーンフォースメント31の構成について図6乃至図8に基づいて説明する。尚、ヒンジリーンフォースメント13と同一符号は、ヒンジリーンフォースメント13と同一あるいは相当部分を示すものである。
第2ヒンジリーンフォースメント31の構成は、ヒンジリーンフォースメント13とほぼ同じ構成である。但し、第2ヒンジリーンフォースメント31は、各溶接用突出部25に替えて、図6乃至図8に示す各「溶接用突出部33」を有している点で異なっている。その他の点は、ヒンジリーンフォースメント13と同一であり、同一の部分についての再度の説明は省略する。
各溶接用突出部33の構成について図6乃至図8に基づいて説明する。図6乃至図8に示すように、各溶接用突出部33は、一対の補強側縦壁部13Bの車幅方向内側端縁から各稜線L1側に延びており、稜線L1側の端部が、一対の補強側縦壁部13Bの車幅方向中央に位置している。各溶接用突出部33は、各補強側縦壁部13Bから車両前後方向外側へ所定高さT1(例えば、T1=2mmである。)(図7参照)突出して、正面視半円状に形成されている。
また、各溶接用突出部33の車幅方向内側の端縁は、ヒンジリーンフォースメント13の各溶接用突出部25の車幅方向内側の端縁の第2幅W2と同じ幅W2に形成されている。各溶接用突出部33の外側表面、つまり、正面視半円状の各溶接用座面35は、スポット溶接によるアウタパネル11の各第1縦壁部11Bとの接合強度を確保するために、図7及び図8に示すように、平面状に形成されている。
上記のように構成されたヒンジリーンフォースメント13に相当する第1フレームモデル37(図3参照)と第2ヒンジリーンフォースメント31に相当する第2フレームモデル38(図6参照)とを準備し、CAE(Computer Aided Engineering)解析により各フレームモデル37、38の各測定点P1〜P17のスプリングバック量を解析した。
図3及び図6に示すように、各測定点P1〜P7、P8〜P14を、第1フレームモデル37の各溶接用突出部25と第2フレームモデル38の各溶接用突出部33の各車幅方向内側の端縁28、34の車両上下方向中央位置に、車両上下方向下側から上側へ順番に設定した。また、各測定点P15〜P17を、各フレームモデル37、38の車両上下方向上側端の車両前後方向後端、中央、前端に順番に設定した。各フレームモデル37、38は、板厚1.0mmで、引張強度980MPaの高張力鋼板を常温プレス又はホットスタンプにより成形した鋼板部材のモデルである。また、各フレームモデル37、38は、各溶接用突出部25、及び、各溶接用突出部33の各補強側縦壁部13Bから車両前後方向外側への突出高さをT1=2mmに設定したモデルである。
図9に、CAEによる解析結果を示す。図9に示すように、第1フレームモデル37(実施例)の車両上下方向において、各補強側縦壁部13Bの最も上側に位置する一対の溶接用突出部25に相当する各測定点P7、P14におけるスプリングバック量は、第2フレームモデル38(比較例)の車両上下方向において、各補強側縦壁部13Bの最も上側に位置する一対の溶接用突出部33に相当する各測定点P7、P14におけるスプリングバック量に対して、31.1%、37.1%減少している。
また、第1フレームモデル37(実施例)の車両上下方向上側端の各測定点P15〜P17におけるスプリングバック量は、第2フレームモデル38(比較例)の車両上下方向上側端の各測定点P15〜P17におけるスプリングバック量に対して、38.5%、36.3%、29.8%減少している。
従って、第1フレームモデル37(実施例)では、各稜線L1から、補強側縦壁部13Bの車幅方向内側端縁までの全幅に渡って正面視横台形状に突出する各溶接用突出部25を形成することによって、剛性が高くなり、プレス成形時のスプリングバック量を低減することができるものと推測される。一方、第2フレームモデル38(比較例)では、各溶接用突出部33の稜線L1側の端部が一対の補強側縦壁部13Bの車幅方向中央に位置しているため、剛性が第1フレームモデル37(実施例)の剛性よりも低下したと推測される。その結果、第2フレームモデル38(比較例)の各測定点P1〜P17におけるスプリングバック量が、第1フレームモデル37(実施例)のスプリングバック量よりも増加したものと推測される。
以上のように、第1実施形態に係るヒンジリーンフォースメント(車両用補強部材)13では、アウタパネル11の一対の第1縦壁部11Bに溶接接合される溶接用座面26が形成された複数対の溶接用突出部25は、各稜線L1から一対の補強側縦壁部13Bの車幅方向内側端縁までの全幅に渡って、各補強側縦壁部13Bから車両前後方向外側に所定高さT1(例えば、T1=2mm)突出して形成されている。これにより、断面コの字状で長尺状のヒンジリーンフォースメント(車両用補強部材)13の剛性が高くなり、プレス成形時のスプリングバック量の低減化を図ることができ、車両上下方向における先端部の面位置精度の向上を図ることができる。
また、各溶接用突出部25は、稜線L1側の端縁の第1幅W1が、車幅方向内側の端縁の第2幅W2よりも狭い正面視横台形状に形成されている。また、断面コの字状で長尺状のヒンジリーンフォースメント13は、車幅方向内側に開放されている。この結果、ヒンジリーンフォースメント13をプレス型から取り出し易く、製造効率の向上を図ることができる。
また、各溶接用突出部25の稜線L1側の端縁部は、稜線L1に沿って車幅方向斜め内側に面削ぎされている。その結果、一対の稜線L1がそれぞれ直線状に形成されるため、各溶接用突出部25の稜線L1側の基端部における応力集中を避けることが可能となり、ヒンジリーンフォースメント13の曲げ強度の向上を図ることができる。引いては、車両用センタピラー1が車両外側から衝突された時における、車両用センタピラー1の曲げ強度の向上を図ることができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る車両用センタピラー41の構成について図10及び図11に基づいて説明する。尚、図1乃至図9に示す上記第1実施形態に係る車両用センタピラー1の構成と同一符号は、上記第1実施形態に係る車両用センタピラー1の構成と同一あるいは相当部分を示すものである。
この第2実施形態に係る車両用センタピラー41の構成は、第1実施形態に係る車両用センタピラー1とほぼ同じ構成である。但し、第2実施形態に係る車両用センタピラー41は、ヒンジリーンフォースメント13に替えて、ヒンジリーンフォースメント42を備えている点で異なっている。
このヒンジリーンフォースメント42は、第1実施形態に係るヒンジリーンフォースメント13とほぼ同じ構成である。但し、ヒンジリーンフォースメント42は、第1実施形態に係る溶接用突出部25に替えて、「第2溶接用突出部43」を有している点で異なっている。その他の点は、第1実施形態に係るヒンジリーンフォースメント13と同一であり、同一の部分についての再度の説明は省略する。
第2溶接用突出部43の構成について図10及び図11に基づいて説明する。図10及び図11に示すように、第2溶接用突出部43は、第1実施形態に係る溶接用座面26の車幅方向内側の端縁28から補強側縦壁部13Bの車幅方向中央までの部分が、更に、車両前後方向外側へ所定高さT1(例えば、T1=2mmである。)突出して、正面視横台形状の第2溶接用座面45が形成されている。つまり、第2溶接用座面45の車幅方向の幅は、第1実施形態に係る溶接用座面26の車幅方向の幅Hの約半分の幅H/2に形成されている。
従って、第2溶接用座面45は、車両前後方向外側へ第1実施形態に係る溶接用座面26の突出高さT1の2倍の所定高さ2T1(例えば、2T1=4mm)突出している。第2溶接用座面45は、スポット溶接によるアウタパネル11の各第1縦壁部11Bとの接合強度を確保するために、平面状に形成されている。尚、第2溶接用座面45の補強側縦壁部13Bの表面からの突出高さは、第1実施形態に係る溶接用座面26の突出高さT1の2倍に限らず、突出高さT1よりも大きい突出高さであればよい。
その結果、第2溶接用突出部43は、第2溶接用座面45の車幅方向外側端縁45Aから稜線L1側の端縁27まで車両前後方向内側へ所定高さT1(例えば、T1=2mm)だけ窪んだ段差面46が形成される。具体的には、段差面46は、第2溶接用突出部43の稜線L1側の端縁27から車幅方向内側へ、第2溶接用座面45の車幅方向外側端縁45Aよりも僅かに車幅方向外側の位置に対向するまで延出された後、更に、車両前後方向外側へ第2溶接用座面45の車幅方向外側端縁45Aまで延出されて形成される。これにより、第2溶接用突出部43は、第2溶接用座面45よりも稜線L1側の部分に、第2溶接用座面45の車両前後方向外側への突出高さよりも低い突出高さの逃げ部47が形成される。
従って、図11に示すように、一対の補強側縦壁部13Bの各第2溶接用座面45が、アウタパネル11の一対の第1縦壁部11Bの内側にスポット溶接により溶接接合された場合には、逃げ部47を構成する段差面46とアウタパネル11の第1縦壁部11Bの内側面との間に隙間48が形成される。尚、図11において、×印により溶接個所を示している。また、スポット溶接に限らず、レーザ溶接等、他の溶接によって溶接接合されてもよい。
以上のように構成された第2実施形態に係るヒンジリーンフォースメント(車両用補強部材)42では、第1実施形態に係るヒンジリーンフォースメント13が奏する作用効果に加えて、以下の効果を奏する。正面視横台形状の第2溶接用突出部43は、車幅方向内側の端縁28から補強側縦壁部13Bの車幅方向中央までの部分が、車両前後方向外側に所定高さ2T1(例えば、2T1=4mm)突出して、第2溶接用座面45が形成されている。これにより、第2溶接用座面45の補強側縦壁部13Bからの突出高さを大きくすることができ、ヒンジリーンフォースメント42のプレス成形によるシワ防止を図ることができる。更に、第2溶接用座面45の管理範囲を狭くでき、ヒンジリーンフォースメント42の寸法管理が容易になる。
また、第2溶接用突出部43の逃げ部47は、第2溶接用座面45よりも車両前後方向内側へ所定高さT1(例えば、T1=2mm)だけ窪む段差面46によって構成されるため、ヒンジリーンフォースメント42をプレス成形で容易に形成することができる。また、第2溶接用座面45が、アウタパネル11の第1縦壁部11Bの内側にスポット溶接により溶接接合された場合には、逃げ部47を構成する段差面46とアウタパネル11の第1縦壁部11Bの内側面との間に隙間48が形成される。これにより、車両用センタピラー41の振動時において、ヒンジリーンフォースメント42の補強側縦壁部13Bの外側表面と、アウタパネル11の第1縦壁部11Bの内側面とのこすれや当たりによる異音を防止することができる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係る車両用センタピラー51の構成について図12及び図13に基づいて説明する。尚、図1乃至図9に示す上記第1実施形態に係る車両用センタピラー1の構成と同一符号は、上記第1実施形態に係る車両用センタピラー1の構成と同一あるいは相当部分を示すものである。また、図10及び図11に示す上記第2実施形態に係る車両用センタピラー41の構成と同一符号は、上記第2実施形態に係る車両用センタピラー41の構成と同一あるいは相当部分を示すものである。
この第3実施形態に係る車両用センタピラー51の構成は、第2実施形態に係る車両用センタピラー41とほぼ同じ構成である。但し、第3実施形態に係る車両用センタピラー51は、ヒンジリーンフォースメント42に替えて、ヒンジリーンフォースメント52を備えている点で異なっている。
このヒンジリーンフォースメント52は、第2実施形態に係るヒンジリーンフォースメント42とほぼ同じ構成である。但し、ヒンジリーンフォースメント52は、第2実施形態に係る第2溶接用突出部43に替えて、「第3溶接用突出部53」を有している点で異なっている。その他の点は、ヒンジリーンフォースメント42と同一であり、同一の部分についての再度の説明は省略する。
第3溶接用突出部53の構成について図12及び図13に基づいて説明する。図12及び図13に示すように、第3溶接用突出部53は、第2実施形態に係る第2溶接用突出部43とほぼ同じ構成である。但し、第3溶接用突出部53の稜線L1側の端面が、補強側連結壁部13Aの車幅方向外側面と同一面上に車両前後方向外側へ所定高さT1(例えば、T1=2mmである。)だけ延出されて張出部55が形成されている。
その結果、第3溶接用突出部53は、第2溶接用座面45の車幅方向外側端縁45Aから張出部55の車両前後方向外側端縁55Aまで車両前後方向内側へ所定高さT1(例えば、T1=2mm)だけ窪んだ段差面56が形成される。具体的には、段差面56は、張出部55の車両前後方向外側端縁55Aから車幅方向内側へ、第2溶接用座面45の車幅方向外側端縁45Aよりも僅かに車幅方向外側の位置に対向するまで延出された後、更に、車両前後方向外側へ第2溶接用座面45の車幅方向外側端縁45Aまで延出されて形成される。
これにより、第3溶接用突出部53は、第2溶接用座面45よりも稜線L1側の部分に、第2溶接用座面45の車両前後方向外側への突出高さよりも低い突出高さの逃げ部57が形成される。また、第3溶接用突出部53は、車幅方向内側の端縁28から補強側縦壁部13Bの車幅方向中央までの部分が、車両前後方向外側に所定高さ2T1(例えば、2T1=4mm)突出して、第2溶接用座面45が形成されている。
従って、図13に示すように、一対の補強側縦壁部13Bの各第2溶接用座面45が、アウタパネル11の一対の第1縦壁部11Bの内側にスポット溶接により溶接接合された場合には、逃げ部57を構成する段差面56とアウタパネル11の第1縦壁部11Bの内側面との間に隙間58が形成される。尚、図13において、×印により溶接個所を示している。また、スポット溶接に限らず、レーザ溶接等、他の溶接によって溶接接合されてもよい。
以上のように構成された第3実施形態に係るヒンジリーンフォースメント(車両用補強部材)52では、第2実施形態に係るヒンジリーンフォースメント42が奏する作用効果に加えて、以下の効果を奏する。第3溶接用突出部53の張出部55の内側面は、補強側連結壁部13Aの内側面と面一になり、ヒンジリーンフォースメント52のプレス成形が容易になる。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態に係る車両用センタピラー61の構成について図14及び図15に基づいて説明する。尚、図1乃至図9に示す上記第1実施形態に係る車両用センタピラー1の構成と同一符号は、上記第1実施形態に係る車両用センタピラー1の構成と同一あるいは相当部分を示すものである。また、図10及び図11に示す上記第2実施形態に係る車両用センタピラー41の構成と同一符号は、上記第2実施形態に係る車両用センタピラー41の構成と同一あるいは相当部分を示すものである。
この第4実施形態に係る車両用センタピラー61の構成は、第2実施形態に係る車両用センタピラー41とほぼ同じ構成である。但し、第4実施形態に係る車両用センタピラー61は、ヒンジリーンフォースメント42に替えて、ヒンジリーンフォースメント62を備えている点で異なっている。
このヒンジリーンフォースメント62は、第2実施形態に係るヒンジリーンフォースメント42とほぼ同じ構成である。但し、ヒンジリーンフォースメント62は、第2実施形態に係る第2溶接用突出部43に替えて、「第4溶接用突出部63」を有している点で異なっている。その他の点は、第2実施形態に係るヒンジリーンフォースメント42と同一であり、同一の部分についての再度の説明は省略する。
第4溶接用突出部63の構成について図14及び図15に基づいて説明する。図14及び図15に示すように、第4溶接用突出部63は、車幅方向内側の端縁28から補強側縦壁部13Bの車幅方向中央までの部分が、車両前後方向外側へ第1実施形態に係る溶接用座面26の突出高さT1の2倍の所定高さ2T1(例えば、2T1=4mm)突出して、正面視横台形状の第2溶接用座面45が形成されている。つまり、第2溶接用座面45の車幅方向の幅は、第1実施形態に係る溶接用座面26の車幅方向の幅Hの約半分の幅H/2に形成されている。
また、第4溶接用突出部63は、第2溶接用座面45の車幅方向外側端縁45Aから、第4溶接用突出部63の稜線L1側の端縁27まで全幅に渡って、車両前後方向斜め内側へ延出された傾斜面66が形成されている。これにより、第2溶接用座面45よりも稜線L1側の部分に、第2溶接用座面45の車両前後方向外側への突出高さよりも低い突出高さの逃げ部67が形成される。
従って、図15に示すように、一対の補強側縦壁部13Bの各第2溶接用座面45が、アウタパネル11の一対の第1縦壁部11Bの内側にスポット溶接により溶接接合された場合には、逃げ部67を構成する傾斜面66とアウタパネル11の第1縦壁部11Bの内側面との間に隙間68が形成される。尚、図15において、×印により溶接個所を示している。また、スポット溶接に限らず、レーザ溶接等、他の溶接によって溶接接合されてもよい。
以上のように構成された第4実施形態に係るヒンジリーンフォースメント(車両用補強部材)62では、第1実施形態に係るヒンジリーンフォースメント13が奏する作用効果に加えて、以下の効果を奏する。正面視横台形状の第4溶接用突出部63は、車幅方向内側の端縁28から補強側縦壁部13Bの車幅方向中央までの部分が、車両前後方向外側に所定高さ2T1(例えば、2T1=4mm)突出して、第2溶接用座面45が形成されている。これにより、第2溶接用座面45の補強側縦壁部13Bからの突出高さを大きくすることができ、ヒンジリーンフォースメント62のプレス成形によるシワ防止を図ることができる。更に、第2溶接用座面45の管理範囲を狭くでき、ヒンジリーンフォースメント62の寸法管理が容易になる。
また、第4溶接用突出部63の逃げ部67は、第2溶接用座面45の車幅方向外側端縁45Aから、第4溶接用突出部63の稜線L1側の端縁27まで全幅に渡って、車両前後方向斜め内側へ延出された傾斜面66によって構成されるため、ヒンジリーンフォースメント62をプレス成形で容易に形成することができる。また、第2溶接用座面45が、アウタパネル11の第1縦壁部11Bの内側にスポット溶接により溶接接合された場合には、逃げ部67を構成する傾斜面66とアウタパネル11の第1縦壁部11Bの内側面との間に隙間68が形成される。これにより、車両用センタピラー61の振動時において、ヒンジリーンフォースメント62の補強側縦壁部13Bの外側表面と、アウタパネル11の第1縦壁部11Bの内側面とのこすれや当たりによる異音を防止することができる。
[第5実施形態]
次に、第5実施形態に係る車両用センタピラー71の構成について図16及び図17に基づいて説明する。尚、図1乃至図9に示す上記第1実施形態に係る車両用センタピラー1の構成と同一符号は、上記第1実施形態に係る車両用センタピラー1の構成と同一あるいは相当部分を示すものである。また、図10及び図11に示す上記第2実施形態に係る車両用センタピラー41の構成と同一符号は、上記第2実施形態に係る車両用センタピラー41の構成と同一あるいは相当部分を示すものである。
この第5実施形態に係る車両用センタピラー71の構成は、第4実施形態に係る車両用センタピラー61とほぼ同じ構成である。但し、第5実施形態に係る車両用センタピラー71は、第4実施形態に係るヒンジリーンフォースメント62に替えて、ヒンジリーンフォースメント72を備えている点で異なっている。
このヒンジリーンフォースメント72は、第4実施形態に係るヒンジリーンフォースメント62とほぼ同じ構成である。但し、ヒンジリーンフォースメント72は、第4実施形態に係る第4溶接用突出部63に替えて、「第5溶接用突出部73」を有している点で異なっている。その他の点は、第4実施形態に係るヒンジリーンフォースメント62と同一であり、同一の部分についての再度の説明は省略する。
第5溶接用突出部73の構成について図16及び図17に基づいて説明する。図16及び図17に示すように、第5溶接用突出部73は、第4実施形態に係る第4溶接用突出部63とほぼ同じ構成である。但し、第5溶接用突出部73の稜線L1側の端面が、補強側連結壁部13Aの車幅方向外側面と同一面上に車両前後方向外側へ所定高さT1(例えば、T1=2mmである。)だけ延出されて張出部75が形成されている。
その結果、第5溶接用突出部73は、第2溶接用座面45の車幅方向外側端縁45Aから、張出部75の車両前後方向外側端縁75Aまで全幅に渡って、車両前後方向斜め内側へ延出された傾斜面76が形成されている。これにより、第2溶接用座面45よりも稜線L1側の部分に、第2溶接用座面45の車両前後方向外側への突出高さよりも低い突出高さの逃げ部77が形成される。
また、第5溶接用突出部73は、車幅方向内側の端縁28から補強側縦壁部13Bの車幅方向中央までの部分が、車両前後方向外側に所定高さ2T1(例えば、2T1=4mm)突出して、第2溶接用座面45が形成されている。第2溶接用座面45の車幅方向の幅は、第1実施形態に係る溶接用座面26の車幅方向の幅Hの約半分の幅H/2に形成されている。
従って、図17に示すように、一対の補強側縦壁部13Bの各第2溶接用座面45が、アウタパネル11の一対の第1縦壁部11Bの内側にスポット溶接により溶接接合された場合には、逃げ部77を構成する傾斜面76とアウタパネル11の第1縦壁部11Bの内側面との間に隙間78が形成される。尚、図17において、×印により溶接個所を示している。また、スポット溶接に限らず、レーザ溶接等、他の溶接によって溶接接合されてもよい。
以上のように構成された第5実施形態に係るヒンジリーンフォースメント(車両用補強部材)72では、第4実施形態に係るヒンジリーンフォースメント62が奏する作用効果に加えて、以下の効果を奏する。第5溶接用突出部73の張出部75の内側面は、補強側連結壁部13Aの内側面と面一になり、ヒンジリーンフォースメント72のプレス成形が容易になる。
[第6実施形態]
次に、第6実施形態に係る車両用センタピラー81の構成について図18及び図19に基づいて説明する。尚、図1乃至図9に示す上記第1実施形態に係る車両用センタピラー1の構成と同一符号は、上記第1実施形態に係る車両用センタピラー1の構成と同一あるいは相当部分を示すものである。また、図10及び図11に示す上記第2実施形態に係る車両用センタピラー41の構成と同一符号は、上記第2実施形態に係る車両用センタピラー41の構成と同一あるいは相当部分を示すものである。
この第6実施形態に係る車両用センタピラー81の構成は、第2実施形態に係る車両用センタピラー41とほぼ同じ構成である。但し、第6実施形態に係る車両用センタピラー81は、ヒンジリーンフォースメント42に替えて、ヒンジリーンフォースメント82を備えている点で異なっている。
このヒンジリーンフォースメント82は、第2実施形態に係るヒンジリーンフォースメント42とほぼ同じ構成である。但し、ヒンジリーンフォースメント82は、第2実施形態に係る第2溶接用突出部43に替えて、「第6溶接用突出部83」を有している点で異なっている。その他の点は、第2実施形態に係るヒンジリーンフォースメント42と同一であり、同一の部分についての再度の説明は省略する。
第6溶接用突出部83の構成について図18及び図19に基づいて説明する。図18及び図19に示すように、第6溶接用突出部83は、第1実施形態に係る溶接用座面26の車幅方向内側の端縁28から補強側縦壁部13Bの車幅方向中央までの部分が、更に、車両前後方向外側へ所定高さT1(例えば、T1=2mmである。)突出して、第6溶接用座面85が形成されている。
この第6溶接用座面85の車幅方向外側の端縁85Aは、車幅方向外側へ突出する正面視半円弧状に形成され、この半円弧の中央部が補強側縦壁部13Bの車幅方向中央まで延びている。つまり、第6溶接用座面85の車幅方向内側の端縁28から半円弧状の車幅方向外側の端縁85Aの頂点までの幅は、第1実施形態に係る溶接用座面26の車幅方向の幅Hの約半分の幅H/2に形成されている。
従って、第6溶接用座面85は、車両前後方向外側へ第1実施形態に係る溶接用座面26の突出高さT1の2倍の所定高さ2T1(例えば、2T1=4mm)突出している。第6溶接用座面85は、スポット溶接によるアウタパネル11の各第1縦壁部11Bとの接合強度を確保するために、平面状に形成されている。尚、第6溶接用座面85の補強側縦壁部13Bの表面からの突出高さは、第1実施形態に係る溶接用座面26の突出高さT1の2倍に限らず、突出高さT1よりも大きい突出高さであればよい。
その結果、第6溶接用突出部83は、第6溶接用座面85の車幅方向外側の端縁85Aから稜線L1側の端縁27まで車両前後方向内側へ所定高さT1(例えば、T1=2mm)だけ窪んだ段差面86が形成される。具体的には、段差面86は、第6溶接用突出部83の稜線L1側の端縁27から車幅方向内側へ、第6溶接用座面85の車幅方向外側の端縁85Aよりも僅かに車幅方向外側の位置に対向するまで延出された後、更に、車両前後方向外側へ第6溶接用座面85の車幅方向外側の端縁85Aまで延出されて形成される。これにより、第6溶接用突出部83は、第6溶接用座面85よりも稜線L1側の部分に、第6溶接用座面85の車両前後方向外側への突出高さよりも低い突出高さの逃げ部87が形成される。
従って、図19に示すように、一対の補強側縦壁部13Bの各第6溶接用座面85が、アウタパネル11の一対の第1縦壁部11Bの内側にスポット溶接により溶接接合された場合には、逃げ部87を構成する段差面86とアウタパネル11の第1縦壁部11Bの内側面との間に隙間88が形成される。尚、図19において、×印により溶接個所を示している。また、スポット溶接に限らず、レーザ溶接等、他の溶接によって溶接接合されてもよい。
以上のように構成された第6実施形態に係るヒンジリーンフォースメント(車両用補強部材)82では、第1実施形態に係るヒンジリーンフォースメント13が奏する作用効果に加えて、以下の効果を奏する。第6溶接用突出部83は、補強側縦壁部13Bの車幅方向内側の端縁28から補強側縦壁部13Bの車幅方向中央までの部分が、車幅方向外側端縁が正面視半円弧状で、車両前後方向外側に所定高さ2T1(例えば、2T1=4mm)突出する第6溶接用座面85が形成されている。これにより、第6溶接用座面85の補強側縦壁部13Bからの突出高さを大きくすることができ、ヒンジリーンフォースメント82のプレス成形によるシワ防止を図ることができる。更に、第6溶接用座面85の管理範囲を狭くでき、ヒンジリーンフォースメント82の寸法管理が容易になる。
また、第6溶接用突出部83の逃げ部87は、第6溶接用座面85よりも車両前後方向内側へ所定高さT1(例えば、T1=2mm)だけ窪む段差面86によって構成されるため、ヒンジリーンフォースメント82をプレス成形で容易に形成することができる。また、第6溶接用座面85が、アウタパネル11の第1縦壁部11Bの内側にスポット溶接により溶接接合された場合には、逃げ部87を構成する段差面86とアウタパネル11の第1縦壁部11Bの内側面との間に隙間88が形成される。これにより、車両用センタピラー81の振動時において、ヒンジリーンフォースメント82の補強側縦壁部13Bの外側表面と、アウタパネル11の第1縦壁部11Bの内側面とのこすれや当たりによる異音を防止することができる。
[第7実施形態]
次に、第7実施形態に係る車両用センタピラー91の構成について図20及び図21に基づいて説明する。尚、図1乃至図9に示す上記第1実施形態に係る車両用センタピラー1の構成と同一符号は、上記第1実施形態に係る車両用センタピラー1の構成と同一あるいは相当部分を示すものである。また、図18及び図19に示す上記第6実施形態に係る車両用センタピラー81の構成と同一符号は、上記第6実施形態に係る車両用センタピラー81の構成と同一あるいは相当部分を示すものである。
この第7実施形態に係る車両用センタピラー91の構成は、第6実施形態に係る車両用センタピラー81とほぼ同じ構成である。但し、第7実施形態に係る車両用センタピラー91は、第6実施形態に係るヒンジリーンフォースメント82に替えて、ヒンジリーンフォースメント92を備えている点で異なっている。
このヒンジリーンフォースメント92は、第6実施形態に係るヒンジリーンフォースメント82とほぼ同じ構成である。但し、ヒンジリーンフォースメント92は、第6実施形態に係る第6溶接用突出部83に替えて、「第7溶接用突出部93」を有している点で異なっている。その他の点は、第6実施形態に係るヒンジリーンフォースメント82と同一であり、同一の部分についての再度の説明は省略する。
第7溶接用突出部93の構成について図20及び図21に基づいて説明する。図20及び図21に示すように、第7溶接用突出部93は、第6実施形態に係る第6溶接用突出部83とほぼ同じ構成である。但し、第7溶接用突出部93の稜線L1側の端面が、補強側連結壁部13Aの車幅方向外側面と同一面上に車両前後方向外側へ所定高さT1(例えば、T1=2mmである。)だけ延出されて張出部95が形成されている。
その結果、第7溶接用突出部93は、第6溶接用座面85の車幅方向外側の端縁85Aから張出部95の車両前後方向外側端縁95Aまで車両前後方向内側へ所定高さT1(例えば、T1=2mm)だけ窪んだ段差面96が形成される。具体的には、段差面96は、張出部95の車両前後方向外側端縁95Aから車幅方向内側へ、第6溶接用座面85の車幅方向外側の端縁85Aよりも僅かに車幅方向外側の位置に対向するまで延出された後、更に、車両前後方向外側へ第6溶接用座面85の車幅方向外側の端縁85Aまで延出されて形成される。
これにより、第7溶接用突出部93は、第6溶接用座面85よりも稜線L1側の部分に、第6溶接用座面85の車両前後方向外側への突出高さよりも低い突出高さの逃げ部97が形成される。また、第7溶接用突出部93は、車幅方向内側の端縁28から補強側縦壁部13Bの車幅方向中央までの部分に、車両前後方向外側に所定高さ2T1(例えば、2T1=4mm)突出した第6溶接用座面85が形成されている。
従って、図21に示すように、一対の補強側縦壁部13Bの各第6溶接用座面85が、アウタパネル11の一対の第1縦壁部11Bの内側にスポット溶接により溶接接合された場合には、逃げ部97を構成する段差面96とアウタパネル11の第1縦壁部11Bの内側面との間に隙間98が形成される。尚、図21において、×印により溶接個所を示している。また、スポット溶接に限らず、レーザ溶接等、他の溶接によって溶接接合されてもよい。
以上のように構成された第7実施形態に係るヒンジリーンフォースメント(車両用補強部材)92では、第6実施形態に係るヒンジリーンフォースメント82が奏する作用効果に加えて、以下の効果を奏する。第7溶接用突出部93の張出部95の内側面は、補強側連結壁部13Aの内側面と面一になり、ヒンジリーンフォースメント92のプレス成形が容易になる。
[第8実施形態]
次に、第8実施形態に係る車両用センタピラー101の構成について図22及び図23に基づいて説明する。尚、図1乃至図9に示す上記第1実施形態に係る車両用センタピラー1の構成と同一符号は、上記第1実施形態に係る車両用センタピラー1の構成と同一あるいは相当部分を示すものである。また、図18及び図19に示す上記第6実施形態に係る車両用センタピラー81の構成と同一符号は、上記第6実施形態に係る車両用センタピラー81の構成と同一あるいは相当部分を示すものである。
この第8実施形態に係る車両用センタピラー101の構成は、第6実施形態に係る車両用センタピラー81とほぼ同じ構成である。但し、第8実施形態に係る車両用センタピラー101は、第6実施形態に係るヒンジリーンフォースメント82に替えて、ヒンジリーンフォースメント102を備えている点で異なっている。
このヒンジリーンフォースメント102は、第6実施形態に係るヒンジリーンフォースメント82とほぼ同じ構成である。但し、ヒンジリーンフォースメント102は、第6実施形態に係る第6溶接用突出部83に替えて、「第8溶接用突出部103」を有している点で異なっている。その他の点は、第6実施形態に係るヒンジリーンフォースメント82と同一であり、同一の部分についての再度の説明は省略する。
第8溶接用突出部103の構成について図22及び図23に基づいて説明する。図22及び図23に示すように、第8溶接用突出部103は、車幅方向内側の端縁28から補強側縦壁部13Bの車幅方向中央までの部分に、正面視半円弧状の車幅方向外側の端縁85Aで、車両前後方向外側に第1実施形態に係る溶接用座面26の突出高さT1の2倍の所定高さ2T1(例えば、2T1=4mm)突出する第6溶接用座面85が形成されている。つまり、第6溶接用座面85の車幅方向内側の端縁28から半円弧状の車幅方向外側の端縁85Aの頂点までの幅は、第1実施形態に係る溶接用座面26の車幅方向の幅Hの約半分の幅H/2に形成されている。
また、第8溶接用突出部103は、第6溶接用座面85の半円弧状の車幅方向外側の端縁85Aから、第8溶接用突出部103の稜線L1側の端縁27まで全幅に渡って、車両前後方向斜め内側へ延出された傾斜面106が形成されている。これにより、第6溶接用座面85よりも稜線L1側の部分に、第6溶接用座面85の車両前後方向外側への突出高さよりも低い突出高さの逃げ部107が形成される。
従って、図23に示すように、一対の補強側縦壁部13Bの各第6溶接用座面85が、アウタパネル11の一対の第1縦壁部11Bの内側にスポット溶接により溶接接合された場合には、逃げ部107を構成する傾斜面106とアウタパネル11の第1縦壁部11Bの内側面との間に隙間108が形成される。尚、図23において、×印により溶接個所を示している。また、スポット溶接に限らず、レーザ溶接等、他の溶接によって溶接接合されてもよい。
以上のように構成された第8実施形態に係るヒンジリーンフォースメント(車両用補強部材)102では、第1実施形態に係るヒンジリーンフォースメント13が奏する作用効果に加えて、以下の効果を奏する。第8溶接用突出部103は、車幅方向内側の端縁28から補強側縦壁部13Bの車幅方向中央までの部分が、車幅方向外側端縁が正面視半円弧状で、車両前後方向外側に所定高さ2T1(例えば、2T1=4mm)突出して、第6溶接用座面85が形成されている。これにより、第6溶接用座面85の補強側縦壁部13Bからの突出高さを大きくすることができ、ヒンジリーンフォースメント102のプレス成形によるシワ防止を図ることができる。更に、第6溶接用座面85の管理範囲を狭くでき、ヒンジリーンフォースメント102の寸法管理が容易になる。
また、第8溶接用突出部103の逃げ部107は、第6溶接用座面85の半円弧状の車幅方向外側の端縁85Aから、第8溶接用突出部103の稜線L1側の端縁27まで全幅に渡って、車両前後方向斜め内側へ延出された傾斜面106によって構成されるため、ヒンジリーンフォースメント102をプレス成形で容易に形成することができる。また、第6溶接用座面85が、アウタパネル11の第1縦壁部11Bの内側にスポット溶接により溶接接合された場合には、逃げ部107を構成する傾斜面106とアウタパネル11の第1縦壁部11Bの内側面との間に隙間108が形成される。これにより、車両用センタピラー101の振動時において、ヒンジリーンフォースメント102の補強側縦壁部13Bの外側表面と、アウタパネル11の第1縦壁部11Bの内側面とのこすれや当たりによる異音を防止することができる。
[第9実施形態]
次に、第9実施形態に係る車両用センタピラー111の構成について図24及び図25に基づいて説明する。尚、図1乃至図9に示す上記第1実施形態に係る車両用センタピラー1の構成と同一符号は、上記第1実施形態に係る車両用センタピラー1の構成と同一あるいは相当部分を示すものである。また、図18及び図19に示す上記第6実施形態に係る車両用センタピラー81の構成と同一符号は、上記第6実施形態に係る車両用センタピラー81の構成と同一あるいは相当部分を示すものである。
この第9実施形態に係る車両用センタピラー111の構成は、第8実施形態に係る車両用センタピラー101とほぼ同じ構成である。但し、第9実施形態に係る車両用センタピラー111は、第8実施形態に係るヒンジリーンフォースメント102に替えて、ヒンジリーンフォースメント112を備えている点で異なっている。
このヒンジリーンフォースメント112は、第8実施形態に係るヒンジリーンフォースメント102とほぼ同じ構成である。但し、ヒンジリーンフォースメント112は、第8実施形態に係る第8溶接用突出部103に替えて、「第9溶接用突出部113」を有している点で異なっている。その他の点は、第8実施形態に係るヒンジリーンフォースメント102と同一であり、同一の部分についての再度の説明は省略する。
第9溶接用突出部113の構成について図24及び図25に基づいて説明する。図24及び図25に示すように、第9接用突出部113は、第8実施形態に係る第8溶接用突出部103とほぼ同じ構成である。但し、第9溶接用突出部113の稜線L1側の端面が、補強側連結壁部13Aの車幅方向外側面と同一面上に車両前後方向外側へ所定高さT1(例えば、T1=2mmである。)だけ延出されて張出部115が形成されている。
また、第9溶接用突出部113は、車幅方向内側の端縁28から補強側縦壁部13Bの車幅方向中央までの部分に、正面視半円弧状の車幅方向外側の端縁85Aで、車両前後方向外側に第1実施形態に係る溶接用座面26の突出高さT1の2倍の所定高さ2T1(例えば、2T1=4mm)突出する第6溶接用座面85が形成されている。つまり、第6溶接用座面85の車幅方向内側の端縁28から半円弧状の車幅方向外側の端縁85Aの頂点までの幅は、第1実施形態に係る溶接用座面26の車幅方向の幅Hの約半分の幅H/2に形成されている。
その結果、第9溶接用突出部113は、第6溶接用座面85の半円弧状の車幅方向外側の端縁85Aから、張出部115の車両前後方向外側端縁115Aまで全幅に渡って、車両前後方向斜め内側へ延出された傾斜面116が形成されている。これにより、第6溶接用座面85よりも稜線L1側の部分に、第6溶接用座面85の車両前後方向外側への突出高さよりも低い突出高さの逃げ部117が形成される。
従って、図25に示すように、一対の補強側縦壁部13Bの各第6溶接用座面85が、アウタパネル11の一対の第1縦壁部11Bの内側にスポット溶接により溶接接合された場合には、逃げ部117を構成する傾斜面116とアウタパネル11の第1縦壁部11Bの内側面との間に隙間118が形成される。尚、図25において、×印により溶接個所を示している。また、スポット溶接に限らず、レーザ溶接等、他の溶接によって溶接接合されてもよい。
以上のように構成された第9実施形態に係るヒンジリーンフォースメント(車両用補強部材)112では、第8実施形態に係るヒンジリーンフォースメント102が奏する作用効果に加えて、以下の効果を奏する。第9溶接用突出部113の張出部115の内側面は、補強側連結壁部13Aの内側面と面一になり、ヒンジリーンフォースメント112のプレス成形が容易になる。
尚、本発明は前記第1実施形態乃至第9実施形態に限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形、追加、削除が可能であることは勿論である。例えば、以下のようにしてもよい。
(A)例えば、前記第1実施形態乃至第9実施形態では、車両ボデー構造として各車両用センタピラー1、41、51等の内側に配設される各ヒンジリーンフォースメント13、42、52等の例を説明したが、高い許容限界荷重が要求される車両ボデー構造であれば、フロントピラー、リヤピラー、ルーフレール、サイドシル等の内側に配設される断面コの字状で長尺状のリーンフォースメントに本発明を適用してもよい。
(B)また、前記第1発明乃至第8発明は、以下の効果を奏する。例えば、第1発明に係る車両用補強部材によれば、第1縦壁部に溶接接合される溶接用座面が形成された一対の溶接用突出部は、各稜線から車幅方向内側端縁までの全幅に渡って車両前後方向外側に突出して形成されている。これにより、断面コの字状で長尺状の車両用補強部材の剛性が高くなり、プレス成形時のスプリングバック量の低減化を図ることができ、面位置精度の向上を図ることができる。
また、第2発明に係る車両用補強部材によれば、溶接用突出部の逃げ部の車両前後方向外側への突出高さは、溶接座面の突出高さよりも低い高さに形成されているため、溶接用座面よりも稜線側の部分と車両用構造部材の内側面との間に隙間を形成することができる。これにより、振動時において、補強側縦壁部の外側表面と車両用構造部材の内側面とのこすれや当たりによる異音を防止することができる。また、溶接用座面の突出高さを高くすることが可能となり、プレス成形によるシワ防止を図ることができる。更に、溶接用座面の管理範囲を狭くでき、寸法管理が容易になる。
また、第3の発明に係る車両用補強部材によれば、逃げ部は、溶接用座面の車幅方向外側端縁から稜線側端縁まで車両前後方向斜め内側へ傾斜する傾斜面によって構成されるため、プレス成形で容易に形成することができる。
また、第4の発明に係る車両用補強部材によれば、逃げ部は、溶接用座面の車幅方向外側端縁から稜線側端縁まで車両前後方向内側へ所定高さ窪んだ段差面によって構成されるため、プレス成形で容易に形成することができる。
また、第5の発明に係る車両用補強部材によれば、溶接用突出部は、稜線側端縁の車両上下方向の第1幅が、車幅方向内側端縁の車両上下方向の第2幅よりも狭い正面視横台形状に形成されているため、車両用補強部材をプレス型から取り出し易く、製造効率の向上を図ることができる。
また、第6の発明に係る車両用補強部材によれば、溶接用突出部の稜線側端面は、稜線から補強側連結壁部の車幅方向外側面と同一面上に車両前後方向外側へ延出されているため、溶接用突出部の稜線側端部の内側面が面一になり、プレス成形が容易になる。
また、第7の発明に係る車両用補強部材によれば、溶接用突出部の稜線側端縁部は、稜線に沿って斜めに面削ぎされているため、一対の稜線がそれぞれ直線状に形成され、溶接用突出部の稜線側の基端部における応力集中を避けることが可能となり、車両用補強部材の曲げ強度の向上を図ることができる。
また、第8の発明に係る車両用センタピラーによれば、上記第1の発明乃至第7の発明のいずれかの車両用補強部材が内側に配置されるため、車両用センタピラーの曲げ強度の向上を図ることができる。
1、41、51、61、71、81、91、101、111 車両用センタピラー
11 アウタパネル
12 インナパネル
13、42、52、62、72、82、92、102、112 ヒンジリーンフォースメント
11B 第1縦壁部
13A 補強側連結壁部
13B 補強側縦壁部
22、33 溶接用突出部
23、35 溶接用座面
43 第2溶接用突出部
45 第2溶接用座面
47、57、67、77、87、97、107、117 逃げ部
53 第3溶接用突出部
55、75、95、115 張出部
56、86、96 段差面
63 第4溶接用突出部
66、76、106、116 傾斜面
73 第5溶接用突出部
83 第6溶接用突出部
85 第6溶接用座面
93 第7溶接用突出部
103 第8溶接用突出部
113 第9溶接用突出部
L1 稜線

Claims (8)

  1. 車両用構造部材の内側に配置されて、溶接によって接合される断面コの字状で長尺状の車両用補強部材であって、
    互いに対向するように車両上下方向及び車幅方向に延び、前記車両用構造部材の相対向する一対の第1縦壁部の内側に配置される一対の補強側縦壁部と、
    一対の前記補強側縦壁部の車幅方向外側端縁を連結する補強側連結壁部と、
    を備え、
    一対の前記補強側縦壁部は、
    前記補強側連結壁部との間に形成される各稜線から車幅方向内側端縁までの全幅に渡って車両前後方向外側に突出して、前記第1縦壁部に溶接接合される溶接用座面が形成された一対の溶接用突出部を有し、
    一対の前記溶接用突出部は、車両上下方向に沿って間欠的に配置されている、
    車両用補強部材。
  2. 請求項1に係る車両用補強部材において、
    前記溶接用座面は、前記補強側縦壁部の車幅方向内側端縁から車幅方向中央部まで延びるように形成され、
    一対の前記溶接用突出部は、前記溶接用座面よりも前記稜線側に、前記溶接用座面の車両前後方向外側への突出高さよりも低い突出高さに形成された逃げ部を有する、
    車両用補強部材。
  3. 請求項2に係る車両用補強部材において、
    前記逃げ部は、前記溶接用座面の車幅方向外側端縁から前記稜線側端縁まで車両前後方向斜め内側へ傾斜する傾斜面を有する、
    車両用補強部材。
  4. 請求項2に係る車両用補強部材において、
    前記逃げ部は、前記溶接用座面の車幅方向外側端縁から前記稜線側端縁まで車両前後方向内側へ所定高さ窪んだ段差面を有する、
    車両用補強部材。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に係る車両用補強部材において、
    前記溶接用突出部は、前記稜線側端縁の車両上下方向の第1幅が、車幅方向内側端縁の車両上下方向の第2幅よりも狭い正面視横台形状に形成されている、
    車両用補強部材。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に係る車両用補強部材において、
    前記溶接用突出部は、前記稜線側端面が、前記稜線から前記補強側連結壁部の車幅方向外側面と同一面上に車両前後方向外側へ延出されている、
    車両用補強部材。
  7. 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に係る車両用補強部材において、
    前記溶接用突出部は、前記稜線側端縁部が前記稜線に沿って斜めに面削ぎされている、
    車両用補強部材。
  8. 車両側部に上下方向に配置される車両用センタピラーであって、
    請求項1乃至請求項7のいずれか一項に係る車両用補強部材が内側に配置された、
    車両用センタピラー。
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