JP2019092441A - 包装済食物の製造方法、及び、包装済食物 - Google Patents

包装済食物の製造方法、及び、包装済食物 Download PDF

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Abstract

【課題】カット野菜等や調理済食品を調製する際に、殺菌剤の使用を抑制し、殺菌処理による製品の品質劣化を可及的に防ぐ包装済食物の製造方法、及び、包装済食物を提供する。【解決手段】食材から非可食部分を除去して対象食物を準備する準備工程と、前記対象食物を洗浄し前記対象食物の表面から少なくとも菌を除去する洗浄工程と、前記洗浄工程によって洗浄された前記対象食物を無菌状態で裁断加工する裁断工程と、前記裁断工程において裁断加工された前記対象食物を無菌状態で包装する包装工程と、を続けて行う包装済食物の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、食物を裁断した後に包装する工程を有する包装済食物の製造方法、及び、当該製造方法によって製造された包装済食物に関する。
従来から青果物などの食物が提供される際、当該食物は、洗浄、殺菌及び鮮度管理などの複数の工程を経た後に消費者に提供されている。また、近年では、千切りキャベツ等カットした野菜などの調理の手間を省くための製品も多く流通されている。このようなカット野菜などの品質管理において、微生物的鮮度低下については、保存温度と並んで初発菌数の低減が重要な要素の一つであると認識されている。
野菜等の食物を洗浄する手段として、次亜塩素酸等による殺菌、除菌が一般的に知られている。特に、カット野菜の製造においては、原料野菜をスライサーでカットし、これを次亜塩素酸ナトリウム溶液に一定時間浸漬して殺菌し、残余の次亜塩素酸を水洗して除去する方法が多くの場合取られてきた(例えば、特許文献1参照)。また、例えば、千切りキャベツの製造ラインにおいても、千切り前にホールキャベツを約四等分に裁断した後、殺菌剤で殺菌処理を行うことが行われていた(例えば、特許文献2参照)。
特開平6−46812号公報 国際公開WO2012/073840号公報
一方、近年次亜塩素酸等の殺菌剤による殺菌処理にはその殺菌効果に限界があることが確認されてきている。例えば、本発明者らの研究により、野菜をカットした後に殺菌処理をした場合、野菜由来の有機物と接触すると次亜塩素酸ナトリウム等の殺菌剤が失活してしまい、抗菌効果を十分に発揮できないことが確認されている。また、本発明者の研究によると、野菜にカット加工を施すと野菜のカット面から有機物やミネラル分が流出し、当該有機物等の存在下で次亜塩素酸ナトリウム等が速やかに失活し、その抗菌効果を失うことが確認されている。
結果、従来の手法においては、殺菌剤の失活を補うために、大量の殺菌剤を用いて殺菌処理を行ってしまう場合もありうる。このように殺菌剤を多く用いた場合、殺菌剤の野菜等への残存を防止するために殺菌処理後に大量の水などで野菜を洗浄する必要がある。しかし、特にカット野菜は、大量の水で洗浄を行うと、野菜の鮮度が低下しやすく、野菜の形状や本来の味が損なわれる原因となる。
また、近年では「ファインバブル(登録商標)」と称される微細な気泡を含む液体を用いた技術が注目されている。例えば、直径1μm以上100μm未満の微細な気泡は「マイクロバブル」と称され、種々の分野における利用が検討されている。さらに、ファインバブルの中でも特に直径が1μm未満のものは「ウルトラファインバブル(登録商標)」と称され、動植物の成長促進効果、水質改善効果、及び抗菌効果など種々の効果を奏する点で注目されている。
しかし、高い抗菌効果を示すものとしてその活用が見出されたマイクロバブルやウルトラファインバブルを用いた場合であっても、本発明者らの研究により、野菜をカットした後に抗菌処理を行った場合には、抗菌効果の減退があることが確認されている。かかる点において、ウルトラファインバブルは負に帯電しており、正に帯電し微生物の足場となっている野菜表面の荷電を中和することによって微生物の付着を抑え、これにより洗浄抗菌効果を発揮している可能性がある。しかし、野菜にカット加工を施した場合、野菜のカット面から流出したミネラルも正に帯電していることから、当該ミネラルがウルトラファインバブルと電気的に結合してしまい、野菜表面から負の荷電を引き離す効果が弱くなることで抗菌効果が減退するものと推測される。
一方、本発明者らの研究により、野菜の表面と内部との菌数を観察した際、野菜内部にはほとんど菌が存在していないという知見が得られた。
このような知見に基づけば、食材、例えば野菜表面を除菌しないままカットした場合、野菜表面に存在している菌をスライサーの刃によってカット野菜全体に拡散させることになる。その結果、カット後の殺菌が必要となり、カット野菜の香味的、栄養的な品質を劣化させることになる。
上述の課題を解決すべく、本発明は、従来法において生じる洗浄工程における次亜塩素酸ナトリウムやファインバブル等の抗菌効果の低減を抑えることにより、特にカット野菜等の青果物においては食材の香味や栄養価を劣化させることなく、効果的に殺菌を行うことのできる包装済食物の製造方法、及び、包装済食物を提供することを目的とする。
本発明者らは、野菜等の材料から根や葉などの不可食部分を除去した後、外部に接した表面(微生物的に汚染されている可能性が高い部分)を重点的に洗浄除菌し、その後、無菌的環境でスライスするなどしてカット野菜を製造し、包装すれば、食材への洗浄除菌操作の影響を最低限にできるとの知見を見出し、本発明に至った。
<1> 食材から非可食部分を除去して対象食物を準備する準備工程と、
前記対象食物を洗浄し前記対象食物の表面から少なくとも菌を除去する洗浄工程と、
前記洗浄工程によって洗浄された前記対象食物を無菌状態で裁断加工する裁断工程と、
前記裁断工程において裁断加工された前記対象食物を無菌状態で包装する包装工程と、
を続けて行う包装済食物の製造方法。
<2> 前記洗浄工程は、前記対象食物を、次亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸ナトリウム、硝酸カルシウム、水酸化カルシウム、過硝酸、過酢酸、及び、オゾンから選ばれる少なくとも一種の水溶液に浸漬して洗浄する、前記<1>に記載の包装済食物の製造方法。
<3> 前記洗浄工程は、前記対象食物を、直径100μm未満の微細気泡を含む液体の噴流によって洗浄する、前記<1>に記載の包装済食物の製造方法。
<4> 前記直径100μm未満の微細気泡を含む液体が、次亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸ナトリウム、硝酸カルシウム、水酸化カルシウム、過硝酸、過酢酸、及び、オゾンから選ばれる少なくとも一種の水溶液を含む、前記<3>に記載の包装済食物の製造方法。
<5> 前記噴流は、前記微細気泡を含む液体を、1つの吐出口当たり洗浄槽容積に対し1秒間で0.05体積%以上、且つ、圧力0.01MPa以上で吐出させることにより行う前記<3>又は<4>に記載の包装済食物の製造方法。
<6> 前記洗浄工程における洗浄時間が2秒間〜30分間である前記<3>〜<5>のいずれか一つに記載の包装済食物の製造方法。
<7> 前記<1>〜<6>のいずれか一つに記載の包装済食物の製造方法により製造される包装済食物。
本発明によれば、従来法において生じる洗浄工程における次亜塩素酸ナトリウムやファインバブル等の抗菌効果の低減を抑えることにより、特にカット野菜等の青果物においては食材の香味や栄養価の劣化を抑制し、効果的に殺菌を行うことのできる包装済食物の製造方法、及び、包装済食物を提供することができる。また、本発明によれば、上述の従来の手法と比較すると食材の香味や栄養価劣化の抑制効果が顕著である。
以下、本発明の内容について実施態様を用いて詳細に説明する。但し、以下の実施形態は例示であり、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書を通じて、「抗菌」は、殺菌、滅菌、除菌、静菌など微生物の増殖を防ぐことの総称を意味する。また、本明細書において、単に「殺菌」と称した場合であっても、物理的に菌や微生物を排除する「除菌」の意味合いも含まれるものとする。
≪包装済食物の製造方法≫
本実施形態の包装済食物の製造方法(以下、単に「本実施形態の製造方法」と称することがある。)は、食材から非可食部分を除去して対象食物を準備する準備工程と、対象食物を洗浄し前記対象食物の表面から少なくとも菌を除去する洗浄工程と、前記洗浄工程によって洗浄された前記対象食物を無菌状態で裁断加工する裁断工程と、前記裁断工程において裁断加工された前記対象食物を無菌状態で包装する包装工程と、を続けて行う。本実施形態の包装済食物の製造方法は、洗浄工程にて次亜塩素酸等の殺菌剤やマイクロバブル又はウルトラファインバブル等のファインバブルを用いて対象食物から少なくとも菌を除去する方法である。また、本実施形態の製造方法において、各工程を「続けて行う」とは、準備工程と、洗浄工程と、裁断工程と、包装工程とが、各工程の間において次亜塩素酸等を用いた除菌工程が介されることなく続けて行われることを意味する。すなわち、本実施形態の製造方法においては、洗浄工程以外で食材の除菌工程は行われない。一方、本実施形態の製造方法において、洗浄工程以降の工程は、洗浄工程で使用した液体と共存する状態で行われてもよい。また、洗浄工程、裁断工程及び包装工程は除菌工程の以外にも極力他の工程が含まれないことが望ましいが、無菌状態が維持されることを条件として、各工程の間又は各工程自体に脱水処理、異物検出、重量チェック等を行う工程が含まれていてもよい。
本実施形態の製造方法は衛生的な製造方法であり、効果的に対象食物に殺菌処理を施すことができる。さらに、本実施形態の製造方法によれば、対象食物を洗浄(殺菌)及び裁断後、続けて包装することで食物本来の香味や旨味を損なうことなく包装済食材を製造することができる。また、本実施形態の製造方法により製造された包装済食物、即ち、非可食部分が除去され後に菌を除去するために洗浄され、さらに無菌状態で裁断加工及び包装された包装済食物は、野菜をカットした後に次亜塩素酸等で処理された従来法で調製された食物と同等以上の除菌率を示すことができる。さらに、カット野菜の形態とした後に殺菌剤除去のための工程が不要であるため、大量の水による洗浄等によって野菜の旨味が流出したり形状が損なわれることがなく、食物本来の香味や風味・旨味、歯ごたえなどを有するものとなる。本実施形態の製造方法においては、対象物に接触する器具・装置は十分洗浄されており、汚染源とならないことが必要である。
本実施形態の製造方法は、例えば、包装工程の後に他の工程を適宜含んでいてもよい。また、洗浄工程及び裁断工程の間、並びに、裁断工程と包装工程との間において対象食物の搬送が行われる場合、当該搬送過程においても無菌状態が保たれる。なお、各工程間(各工程に用いられる装置間等)において水流を利用する搬送も可能である。当該水流を利用する搬送の際には無菌水、特に微細気泡含有の無菌水を用いることが安全面で好ましい。以下、準備工程、洗浄工程、裁断工程及び包装工程を中心に各工程について説明する。
(準備工程)
本実施形態における「準備工程」は、食材から非可食部分を除去して対象食物を準備する工程であり、好ましくは、非可食部分の除去以外の裁断が行われていない対象食物を準備する。ここで「非可食部分」とは、包装される食材によって異なるが、カットキャベツの場合には芯や外側の葉、カットネギ(棒ネギ)の場合には、根部(下部)及び上部の緑色部位が挙げられる。
上述のように準備工程において準備される対象食物は、原則非可食部分の除去以外の裁断が行われていないものであり、後述する裁断工程における輪切り、斜め切り、短冊切り、みじん切り、さいの目切り、ペースト加工に加えて、例えばキャベツの場合には4分割等をするための裁断も行われない。このように、洗浄工程前における裁断を食材として利用できない部分の切り落としに限定することで、対象食物の裁断面を極力最小とすることができる。但し、裁断する環境により一部可食部分を含む裁断を行わなければ裁断処理ができない等の事情がある場合にはこの限りではない。
なお、準備工程においては、食物表面の泥等の除去するために予備洗浄処理などを施してもよい。
−対象食物−
本実施形態における「対象食物」は液体で洗浄できる食物であれば特に限定されず、例えば、野菜や果物などの青果物に加えて、魚介類や肉類などの生鮮食品、豆腐やこんにゃくなどの加工食品等が挙げられる。特に、加熱殺菌しない調理品が好適な対象として挙げられる。本実施形態の製造方法は青果物に対して好適であり、特に棒ネギやタマネギ等の層状構造を有する野菜に好適に用いることができる。
(洗浄工程)
本実施形態における「洗浄工程」は、対象食物を洗浄し前記対象食物の表面から少なくとも菌を除去する工程である。ここで、洗浄工程で除去される「菌」としては、例えば、土壌由来の雑菌や野菜に付着してその鮮度を低下させるような菌を始め、健康被害を惹起する大腸菌、サルモネラ菌、ブドウ球菌等が挙げられ、細菌、真菌全般をも含む。
洗浄工程は裁断工程前に行う。本実施形態の製造方法によれば、極力裁断面が少ない状態の対象食物を、裁断工程前に洗浄することで、裁断面から流出する有機物やミネラルによる殺菌剤やファインバブル等の失活を抑制し、効率的に対象食物の殺菌を行うことができる。上述のように、本発明者らによる研究結果として、野菜中に含まれる菌の多くは野菜表面に存在し、その内部に存在する菌数と比較すると約100〜1000倍の違いがある知見が得られている。このため、裁断工程前に表面洗浄を行うことによっても、最終的な野菜製品に残存する生菌の数を安全な流通が可能な水準まで十分減少させることができる。
洗浄工程においては、対象食物を殺菌剤や微細気泡(マイクロバブル、ウルトラファインバブル)を含む液体を用いて洗浄することで、菌に加えてその他不純物等をその表面から除去することができる。
−殺菌剤−
前記殺菌剤としては、例えば、次亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸ナトリウム、硝酸カルシウム、水酸化カルシウム、過硝酸、過酢酸、及び、オゾンから選ばれる少なくとも一種を挙げることができる。洗浄工程においては、対象食物を、これら殺菌剤、好ましくは、次亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸ナトリウム、硝酸カルシウム及び水酸化カルシウムから選ばれる少なくとも一種の水溶液に浸漬して洗浄することができる。殺菌剤を用いた際の洗浄条件は、特に限定されるものではなく、使用する殺菌剤の種類、対象食物のサイズ及びその種類に応じて適宜決定することができる。
前記次亜塩素酸ナトリウムを用いた場合、殺菌効果と対象食物へのダメージとの観点から、殺菌剤中の次亜塩素酸ナトリウムの濃度は、50ppm〜200ppmが好ましく、50ppm〜150ppmが更に好ましく、50ppm〜100ppmが特に好ましい。同様に、次亜塩素酸ナトリウムを含む殺菌剤のpHは、殺菌効果と対象食物へのダメージとの観点から、2〜8が好ましく、6〜7が更に好ましい。また、殺菌剤に対象食物を浸漬する際の温度条件としては、例えば、殺菌効果と対象食物へのダメージとの観点から、0〜50℃とすることができ、好ましくは0〜15℃とすることができる。また、同様に殺菌効果と対象食物へのダメージとの観点から、浸漬時間は、例えば、2秒間〜30分間とすることができ、2分間〜10分間が好ましい。
前記亜塩素酸ナトリウムを用いた場合、殺菌効果と対象食物へのダメージとの観点から、殺菌剤中の亜塩素酸ナトリウムの濃度は、100ppm〜200ppmが好ましく、50〜200ppmが特に好ましい。同様に、亜塩素酸ナトリウムを含む殺菌剤のpHは、殺菌効果と対象食物へのダメージとの観点から、2〜8が好ましく、6〜7が更に好ましい。また、殺菌剤に対象食物を浸漬する際の温度条件としては、例えば、殺菌効果と対象食物へのダメージとの観点から、0〜50℃とすることができ、好ましくは0〜15℃とすることができる。また、同様に殺菌効果と対象食物へのダメージとの観点から、浸漬時間は、例えば、2秒間〜30分間とすることができ、2分間〜10分間が好ましい。
なお、前記硝酸カルシウムや水酸化カルシウムを用いた場合も同様の条件に設定することができる。
−微細気泡を含む液体−
上述のように、洗浄工程においては、対象食物を直径100μm未満の微細気泡を含む液体の噴流によって洗浄することができる。
本実施形態における「微細気泡」は、直径100μm未満の微細気泡であり、所謂「マイクロバブル」と称されるマイクロオーダーの微細気泡を用いることができる。また、十分な洗浄効果を得る観点から、微細気泡の直径は100μm未満であることが好ましく、直径が1μm未満の微細気泡であることがさらに好ましく、10nm〜500nmであることが特に好ましい。直径1μm未満の微細気泡、所謂「ウルトラファインバブル」と称されるナノオーダーの微細気泡は、液体中において上昇速度が遅く、水中に保持されるため洗浄効果が保持される。この際の微細気泡の上昇速度は、以下の式(Stokes式)に従う。
上昇速度U=ρgd2/18μ
d:球形気泡の直径、g:重力加速度、ρ:液密度、μ:液粘度
液体中の微細気泡の存在は、例えばレーザー光の散乱を用いることによって確認することができる。
微細気泡の直径の測定方法は特に限定されるものではないが、例えば、動的光散乱法(DLS)、粒子トラッキング解析(particle tracking analysis)、レーザー解析法、共振式質量測定法(RMM)等の公知の方法を適宜用いることができる。これら公知の方法で測定した微細気泡の平均直径を前記微細気泡の直径とみなすことができる。
また、洗浄工程に用いられる液体中の微細気泡の濃度は特に限定されるものではないが、洗浄殺菌効率の観点から、105個/ml以上であることが好ましく、107個/ml以上が更に好ましく、108個/ml以上が特に好ましい。当該微細気泡の濃度は、例えば、マイクロトラックベル社製のゼータビュー(登録商標)等で測定することができる。
微細気泡を含む液体は特に限定されるものではなく、一般に青果物の洗浄に用いられる脱イオン水、飲用可の井水や水道水などを用いることができる。またこれらに限られず、エタノール、酢酸、有機酸等の水溶液を用いることもできる。更に直径100μm未満の微細気泡を含む液体は、上述の殺菌剤を含んでいてもよく、例えば、次亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸ナトリウム、硝酸カルシウム、水酸化カルシウム、過硝酸、過酢酸、及び、オゾンから選ばれる少なくとも一種の水溶液を含んでいてもよい。なお、水溶液に限られずこれらの成分を含むものであってもよい。
本実施形態において微細気泡の発生手法は特に限定されることなく公知の手法を用いることができる。前記公知の手法としては、例えば、液体に気体を混合し、当該液体に高いせん断力等を付与することで微細気泡を発生させる手法を挙げることができる。より具体的には、気体を混合した液体をポンプで複雑な流体経路を有するミキサー等に送液し、液体中の気泡にせん断力を加えることで気泡を微細化することができる。また、用いられる装置によっても異なるが、例えば、気泡の微細化工程を数回繰り返すことで理想的な微細気泡を発生させることができる。液体に混合される気体は特に限定されるものではないが、例えば、空気、炭酸ガス、窒素ガス、オゾンガス等を用いることができ、炭酸ガス、空気、窒素ガスは規制対象とならない点で好ましい。またこれらのガスは単独ガスだけでなく混合ガスを用いることもできる。微細気泡の発生装置としては市販されている超高密度ウルトラファインバブル発生装置等を用いることができる。
−噴流−
本実施形態における洗浄工程においては、微細気泡を含む液体の噴流を用いることができる。ここで、「噴流」とは、速度を持った流体が圧力をかけて吐出口から空間中にほぼ一方向の流れとなって噴出する現象である。前記洗浄工程では、例えば、微細気泡を含む洗浄用水を除菌洗浄対象である不可食部分を除去した対象食物を含む洗浄槽に一定時間噴射して洗浄対象(対象食物)と混合させることができる。洗浄工程における洗浄条件は洗浄槽の形状、サイズ、噴出孔の数や位置、洗浄対象である対象食物(青果等)のサイズや比重などを考慮して決定することができる。一方、噴流の強度の範囲は対象の青果が沈降するあるいは浮いたままの状態よりも強く、青果が噴流によって傷つくより弱い、という必要がある。このような観点から、前記洗浄工程において「微細気泡を含む液体の噴流によって洗浄する」とは、1つの吐出口当たり洗浄槽容積に対し1秒間で0.05体積%以上、且つ、圧力0.01MPa以上で吐出された微細気泡を含む液体で対象食物を洗浄することを意味する。
本明細書を通じて、吐出口から微細気泡を含む液体を吐出するため圧力を「吐出圧力」(単位:Pa)と称する。また、1つの吐出口から1秒間洗浄槽容積に吐出される洗浄槽容器の容積に対する微細気泡を含む液体の量の比を「吐出量」(単位:体積%)と称する。
ファインバブルを含む液体の吐出圧力が0.01MPa未満又は1秒間の吐出量が0.05体積%未満のファインバブル水量で洗浄した場合、菌体が潜んでいる対象食物の表面構造内に微細気泡が十分に侵入できず、殺菌効果を十分に発揮することができない場合がある。前記吐出圧力としては、対象食物の鮮度(ダメージの受け具合)と洗浄及び殺菌作用とのバランス、並びに工場稼働エネルギーの観点から、0.01〜0.10MPaであることが好ましく、0.01〜0.05MPaであることが更に好ましい。また、前記吐出量は、対象食物の鮮度(ダメージの受け具合)と洗浄及び殺菌作用とのバランス、並びに工場稼働エネルギーの観点から調整される。当該吐出量として、経験的には、洗浄槽容積の0.05体積%〜50.00体積%であることが好ましく、0.05体積%〜5.00体積%であることが更に好ましい。
−洗浄条件−
本実施形態における洗浄工程においては、微細気泡を含む液体の噴流を用いれば特に他の洗浄条件に限定はないが、例えば、液体の噴流による洗浄時間は、対象食物の物理的ダメージの受け具合と洗浄及び殺菌作用とのバランス、及び工程の稼働効率の観点から、2秒間〜30分間であることが好ましく、10秒間〜5分間であることが更に好ましい。特に本実施形態の製造方法によれば、噴流を用いるため浸漬振盪する場合に比して短い洗浄時間で、洗浄効果及び殺菌効果を奏することができる。また、洗浄時における液体の温度についても特に限定はないが、殺菌効果と対象食物の物理的損傷との観点から、2〜25℃であることが好ましく、5〜15℃であることが更に好ましい。
本実形態において洗浄槽容器の構成(洗浄槽の容積、噴出口の設置数、設置角度、孔径等)については特に限定なく、目的に応じて適宜選定することができる。洗浄工程における微細気泡を含む液体の流れの方向は一方向であってもよいし、複数方向で液体が衝突するような方式であってもよく、更に、連続式、バッチ方式のいずれであってもよい。また、洗浄工程に用いられる洗浄槽は解放式及び密閉式いずれの方式であってもよく、目的(対象食物の種類や量等)に応じて適宜サイズを決定することができる。また、洗浄槽は、微細気泡を洗浄に用いられる水槽と同一槽内で発生させるような構成としそれを循環させるような機構であってもよいし、別の装置で発生させたファインバブルを含む液体を洗浄槽内に吐出するような機構のいずれであってもよい。また、前記洗浄槽は微細気泡を含む液体に超音波照射を施すことができる機構を有していてもよい。
なお、洗浄工程において殺菌剤に対象食物を浸漬、又は微細気泡を含む液体中に殺菌剤を用いた場合には、洗浄後水等によって対象食物表面などに殺菌剤が残存しないように洗浄される。この際、本実施形態の製造方法(対象食物を裁断(スライス)する前に洗浄除菌する方法)では、多量の殺菌剤を用いることなく効率的に殺菌処理を施すことができることから、過剰な水量を用いることなく殺菌剤の洗浄を行うことができる。
(裁断工程)
本実施形態における裁断工程は、洗浄工程によって洗浄された前記対象食物を無菌状態で裁断加工する工程である。本実施形態の製造方法は、洗浄工程に続けて無菌状態にて裁断工程を行うことで、洗浄工程おいて施された殺菌効果を維持したまま対象食物を裁断することができる。
「無菌状態」とは、対象食品に応じて通常求められる程度の実用上の無菌を意味し完全な無菌である必要はなく、設定した賞味期限内に微生物的に安全な製品を製造できる状態(環境)を示す。例えば、「無菌状態」としては、一般的な規格として、環境中の一般生菌数では5CFU/cm2以下、大腸菌群が陰性となる条件を採用することができる(参考文献: BC Centre for Disease Control. Environmental hygiene monitoring: A guide for Environmental Health Officers,BC Centre for Disease Control,2010年10月5日[平成29年7月12日検索]、インターネット〈http://www.bccdc.ca/NR/rdonlyres/EF1461BE-0301-4A59-8843-420072412721/0/EnvMonitoringHygieneGuideforEHOs.pdf〉)。
具体的には、特に限定されるものではないが、例えば、各工程(少なくとも裁断工程及び包装工程)を本実施形態における“無菌状態”で実施するためには、少なくとも対象食品と接する可能性がある装置及びその周辺の環境が、環境中の一般生菌数が5CFU/cm2以下、大腸菌群が陰性となる状態を基準とすることができる。
また、無菌状態の対象としては、上述の殺菌の対象となる菌が挙げられる。前記無菌状態は、例えば、裁断加工に用いられる装置及び当該装置が設置される部屋の床や壁や他の設置物、或いは、裁断加工を行う人等に対して、前記殺菌の対象となる菌の除菌処理を施すことで達成することができる。また、無菌状態を維持するために、クリーンベンチやクリーンルームを利用してもよい。無菌状態における裁断加工は、クリーンベンチ内でヒトの手を介して行ってよく、また、工業用ロボット等を用いて自動的に行うものであってよい。
なお、無菌状態の確保は、消費者の口に入る製品やその原料が次亜塩素酸等の化学物質に触れる機会をなくすか、最低限度に抑えることを前提として、設備や施設を殺菌することによって行うことが好ましい。即ち、設備施設の殺菌剤としては次亜塩素酸等でも可能であり、複数の殺菌処理を組み合わせることが好ましい。
裁断加工における裁断(カット)は、無菌状態が保たれることを条件とする以外特に限定はなく、対象食物に応じて通常用いられる手法を適宜選定することができる。裁断の手法としては、例えば、青果物の場合には、輪切り、斜め切り、短冊切り、みじん切り、さいの目切り、ペースト加工等種々の手法が挙げられる。また、裁断加工に用いられる装置も対象食物等に応じて適宜選定することができる。
また、裁断加工時における加工条件も特に限定はないが、例えば、炭酸ガス雰囲気下で、湿度(RH)50%〜90%程度、温度1℃〜15℃程度(好ましくは、2℃〜5℃)で実施することが好ましい。
また、裁断工程の前後において無菌状態で行うことを条件に、脱水処理を行ってもよい。脱水処理は洗浄工程において洗浄された対象食物から液体を除去するための工程である。脱水処理においては、例えば、遠心脱水等の手段を用いることができる。なお、洗浄工程から脱水処理に移送する等の際に水流を用いる場合には、ファインバブル水の利用が、化学薬剤の利用と異なり薬剤が除去できたかどうかの確認が必要ない点で好ましい。
(包装工程)
本実施形態における包装工程は、裁断工程において裁断加工された前記対象食物を無菌状態で包装する工程である。本実施形態の製造方法は、洗浄工程による殺菌効果を維持したまま対象食物を包装するため、裁断後カット野菜の切断面に次亜塩素酸等の殺菌剤やこれを除去するための大量の水等が接触することがなく、対象食物の本来の香味や栄養成分等を維持することができる。前記無菌状態は、上述の裁断工程におけるものと同義であるが、上述の定義に当てはまるものであれば、裁断工程と異なる条件であってもよい。
包装工程における対象食物の包装は、無菌状態が保たれることを条件とする以外特に限定はなく、公知の手法を適宜採用することができる。例えば、窒素ガス等の不活性ガスを充填させた袋や包装材で密封する手法等を採用することができるが、包装後においても一定期間滅菌状態を確保できるような手段を採用することが好ましい。このような手段としては、塩化ビニリデン樹脂製やポリ塩化ビニル樹脂製等の食品包装用ラップを用い、適当な量をトレーに格納しラップフィルムでパックする方法や、真空パック、無菌化包装及び脱酸素剤を用いる方法などが挙げられる。
また、包装時における諸条件も特に限定はないが、例えば、炭酸ガス雰囲気下で、湿度(RH)50%〜90%程度、温度1℃〜15℃程度(好ましくは、2℃〜5℃)で実施することが好ましい。
以上、本発明の製造方法及びこれにより得られた包装済食物について詳細な実施形態を持って説明したが、本発明の構成は上述の実施形態に限定されるものではない。
《予備試験》
野菜の部位毎における着生微生物数量の比較を行った。
本実施例では市場から調達したネギを材料に薬味・トッピングに用いる白髪ネギの製造を模擬した例を示す。すなわち、白ネギの軟白部を“可食部”として円筒形に切り出した後、最外皮を無菌的に剥ぎ取り、白ネギの軟白部を最外皮と白ネギの内部とに分けた。
ついで、最外皮を秤量し、10倍量の滅菌リン酸緩衝液に分散した。得られた分散物をストマッカー処理(インターサイエンス社製「MiniMixR100(R)VPCC(R)」を強度4で1分間用いた処理)を施して白ネギ懸濁液とした。得られた懸濁液を段階希釈して、コンパクトドライ「ニッスイTC」(日水製薬(株)製)に接種し、37℃で48時間培養して、菌数(一般生菌数)を計測した。
また、白ネギの内部(最外皮を無菌的に除いた残り全部)を秤量し、上述の最外皮と同様に処理して、一般生菌数を計測した。
上述の予備試験の結果、白ネギ軟白部(最外皮及び内部)から回収検出された一般生菌数総数は、百万CFU/gから千万CFU/gと幅の広い分布を示した。一方、この同じサンプルの外皮を除いて得た軟白部内部から回収された一般生菌数は、全体の菌数の0.01%から0.6%とわずかであった。即ち、外皮を無菌的に除去すれば、得られる白ネギの加工品の生菌数は、検出限界以下から100CFU/gの水準であると判断された。
[準備工程]
白ネギから青葉及び根部(非可食部分)を除去し、白ネギ軟白部を可食部とする対象食物を準備した。
[洗浄工程]
(試料1〜5)
準備工程において得られた白ネギ軟白部(可食部)、3kgを次亜塩素酸ナトリウム200ppm水溶液、150Lに投入し、5℃及び10分間の条件で、ゆるく撹拌し、洗浄殺菌した。これを籠に取り、塩素が1ppm以下になるまで水道水で洗浄した。
(試料6〜10)
準備工程において得られた白ネギ軟白部(可食部)3kgを気泡数億個/mlのファインバブル(微細気泡の直径は100nm付近にピークがある)水 100Lを収容した水槽に投入し、噴流で撹拌した(5℃、10分間)。ファインバブル水による洗浄後に回収した白ネギ軟白部は。いずれの場合も遠心脱水して余分な水は除去した。なお、ファインバブル水は(株)ナノクス製の装置(装置名:ナノフレッシャー(登録商標))を用いて製造した。具体的には、水道水100Lをナノフレッシャーによって室温・2時間の条件で炭酸ガス(CO2)によって通気処理を行った。噴流は、圧力0.01〜0.05MPa、吐出量0.1〜0.5L/sの条件下で行った。
(試料11〜15(比較用試料))
比較用試料(従来法)として、上述の準備工程において白ネギ軟白部(可食部)を切出した後、上述の洗浄工程を経ず裁断して白髪ネギとし、これを次亜塩素酸ナトリウム水溶液で殺菌し、その後、塩素濃度が1ppm以下になるまで水道水で洗浄して遠心脱水後、ビニール袋に封入した。なお、前記殺菌は、白ネギ軟白部(白髪ネギ)3kgを次亜塩素酸ナトリウム200ppm水溶液、150Lに投入し、5℃、及び10分間の条件で、ゆるく撹拌し、洗浄殺菌した。
[裁断工程・包装工程]
以降の工程(裁断工程・包装工程)は、無菌状態で操作した)。
試料1〜5及び試料6〜10について洗浄の終わった各試料(白ネギ)をシャロット・スライサー(装置名:OFM−1007、(株)小野食品機械製、東金市)でカット加工(白髪ネギに加工)した。これをビニール袋に小分けし、秤量して封入して、10℃で保存し、官能評価(香味試験)、及び菌数測定に供した。なお、洗浄工程以降の工程(裁断工程・包装工程)は、無菌状態で操作した)。
[洗浄殺菌の効果(洗浄殺菌効果)評価]
各試料につき製造した包装済食物(白髪ネギ)を5℃以下で保存して製品サンプルとした。
また、操作については一般的な微生物実験の手順に従い、保存したサンプルを用いて菌数検査を行った。菌数検査は保存した各試料の製品サンプル10gに対し90mlのリン酸バッファー(pH7.0)とストマッカーとを用いて1分間処理して菌を抽出し、10倍段階希釈の後、これをプレートに1ml塗布し48時間培養した後、一般細菌のCFU/gを測定した。結果を下記に示す。
表中の結果から明らかな通り、製造直後の白髪ネギ最終製品から回収された一般細菌数は、実施例で示すように本発明による改良法で製造した白髪ネギの場合(除菌処理が次亜塩素酸及びウルトラファインバブルのいずれの場合においても)、従来法で製造した試料の菌数の10分の1以下であった。即ち、カットしたネギを洗浄除菌するより、洗浄除菌した後、無菌的にカットする方が微生物的安定性に優れていた。
[香味・旨味評価]
各試料につき、包装済食物を開封し、白髪ネギを実食して下記基準に従い香味を評価した。評価は、製造に携わる10名をパネルとして、サンプルをブラインドで供試することによりおこなった。各評価結果としては、前記10名のパネル中6名以上が一致したものを示している。結果を下記に示す。
A:白ネギ本来の香味及び旨味が感じられた。
B:白ネギ本来のものには至らないものの、十分に香味及び旨味が感じられた。
C:白ネギの香味及び旨味が損なわれていた。
表中の結果から明らかな通り、製造直後の白髪ネギ最終製品から回収された一般細菌数は、実施例で示すように本発明による改良法で製造した白髪ネギの場合(除菌処理が次亜塩素酸及びウルトラファインバブルのいずれの場合においても)ネギ本来の香味が保たれて、商品として優れていた。これに対し、従来法で製造した試料は、香味又は風味に劣るものが多い結果となった。

Claims (7)

  1. 食材から非可食部分を除去して対象食物を準備する準備工程と、
    前記対象食物を洗浄し前記対象食物の表面から少なくとも菌を除去する洗浄工程と、
    前記洗浄工程によって洗浄された前記対象食物を無菌状態で裁断加工する裁断工程と、
    前記裁断工程において裁断加工された前記対象食物を無菌状態で包装する包装工程と、
    を続けて行う包装済食物の製造方法。
  2. 前記洗浄工程は、前記対象食物を、次亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸ナトリウム、硝酸カルシウム、水酸化カルシウム、過硝酸、過酢酸、及び、オゾンから選ばれる少なくとも一種の水溶液に浸漬して洗浄する、請求項1に記載の包装済食物の製造方法。
  3. 前記洗浄工程は、前記対象食物を、直径100μm未満の微細気泡を含む液体の噴流によって洗浄する、請求項1に記載の包装済食物の製造方法。
  4. 前記直径100μm未満の微細気泡を含む液体が、次亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸ナトリウム、硝酸カルシウム、水酸化カルシウム、過硝酸、過酢酸、及び、オゾンから選ばれる少なくとも一種の水溶液を含む、請求項3に記載の包装済食物の製造方法。
  5. 前記噴流は、前記微細気泡を含む液体を、1つの吐出口当たり洗浄槽容積に対し1秒間で0.05体積%以上、且つ、圧力0.01MPa以上で吐出させることにより行う、請求項3又は4に記載の包装済食物の製造方法。
  6. 前記洗浄工程における洗浄時間が2秒間〜30分間である請求項3〜請求項5のいずれか一項に記載の包装済食物の製造方法。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の包装済食物の製造方法により製造される包装済食物。
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