JP2019079977A - 積層セラミックコンデンサ及び積層セラミックコンデンサの製造方法 - Google Patents

積層セラミックコンデンサ及び積層セラミックコンデンサの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】サイドマージン部の接合界面でのクラックや剥離を防止することが可能な積層セラミックコンデンサ及びその製造方法を提供する。【解決手段】本発明の一形態に係る積層セラミックコンデンサは、積層部と、サイドマージン部と、接合部とを具備する。上記積層部は、第1方向に積層された複数のセラミック層と、卑金属材料を主成分とし上記複数のセラミック層の間に配置された複数の内部電極と、を有する。上記サイドマージン部は、セラミックを主成分とし、上記第1方向に直交する第2方向から上記積層部を覆う。上記接合部は、上記積層部と上記サイドマージン部との間に配置され、上記複数のセラミック層の上記第1方向の平均寸法の50%以上となる上記第1方向の最大寸法を有し、上記卑金属材料を含む酸化物で構成される。【選択図】図4

Description

本発明は、サイドマージン部を備えた積層セラミックコンデンサに関する。
積層セラミックコンデンサの製造方法において内部電極の周囲を保護するサイドマージン部を設ける技術が知られている。例えば、特許文献1に記載の積層セラミックコンデンサでは、側面に内部電極が露出した積層部を作製し、この積層部の側面にサイドマージン部としてのセラミック側面層が設けられる。
特開2012−94819号公報
特許文献1のように積層部の側面にサイドマージン部(セラミック側面層)を設ける場合、焼成中において、金属材料からなる内部電極とサイドマージン部で焼結挙動が異なり、積層部とサイドマージン部との間に相互に離間する方向の応力が発生する。このため、サイドマージン部の接合界面でクラックや剥離が発生しやすく、このような不具合を防止できる技術が求められる。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、サイドマージン部の接合界面でのクラックや剥離を防止することが可能な積層セラミックコンデンサ及びその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る積層セラミックコンデンサは、積層部と、サイドマージン部と、接合部とを具備する。
上記積層部は、第1方向に積層された複数のセラミック層と、卑金属材料を主成分とし上記複数のセラミック層の間に配置された複数の内部電極と、を有する。
上記サイドマージン部は、セラミックを主成分とし、上記第1方向に直交する第2方向から上記積層部を覆う。
上記接合部は、上記積層部と上記サイドマージン部との間に配置され、上記複数のセラミック層の上記第1方向の平均寸法の50%以上となる上記第1方向の最大寸法を有し、上記卑金属材料を含む酸化物で構成される。
積層セラミックコンデンサの焼成中、卑金属材料で形成された内部電極は数百℃で焼結し始め、それに伴って第2方向に収縮する。一方、数百℃の段階では、セラミックスで構成されたセラミック層とサイドマージン部は未焼結の状態であり、収縮は起こらない。このため、内部電極を有する積層部とサイドマージン部との間に相互に離間する方向の応力が発生する。
一方、接合部は、内部電極が焼結し始める数百℃で卑金属材料を含んだ酸化物として生成され始め、未焼成のセラミックスよりも高い強度を有する。そこで、積層部とサイドマージン部との間に上記接合部を設けることで、応力が発生するこれらの接合界面に強度の高い構成を配置することができ、応力に対して耐性を発揮することができる。
また、未焼結のセラミックス同士であるセラミック層とサイドマージン部との接合よりも、酸化物化した卑金属材料とセラミックスとの接合の方が接合強度が高い。このため、接合部により、積層部とサイドマージン部との間の接合強度を高めることができ、応力が発生した場合にも接合界面におけるクラックや剥離を防止することができる。
さらに、接合部は、複数のセラミック層の上記第1方向の平均寸法の50%以上となる上記第1方向の最大寸法を有する。これにより、サイドマージン部の接合界面において、酸化物で構成された領域が第1方向に延びるように配置され、接合界面における酸化物領域の面積を十分に確保することができる。したがって、上述の作用効果を十分に発揮することができ、接合界面におけるクラックや剥離を効果的に防止することができる。
上記接合部は、上記酸化物で構成された複数の断片を含み、
上記複数の断片のうち少なくとも一つの断片の上記第1方向の最大寸法が、上記複数のセラミック層の上記第1方向の平均寸法の50%以上であってもよい。
上記接合部が複数の断片を含むことで、サイドマージン部の接合界面における接合部の面積をより大きくすることができる。
上記接合部は、上記複数の内部電極のうち隣接する内部電極の少なくとも一方から離間して配置されてもよい。
これにより、接合部の酸化が十分でなかった場合にも、内部電極と接続することによるショートの発生を防止することができる。
上記複数のセラミック層の上記第1方向の平均寸法は、0.5μm以下であってもよい。
一般に、セラミック層の第1方向の寸法(厚さ)が薄くなるに従い、相対的に内部電極の厚さが厚くなり、焼成時により大きな応力が発生することとなる。この場合でも、上記接合部を設けることで、接合界面におけるクラックや剥離を効果的に防止することができる。
上記卑金属材料は、具体的にはニッケルであってもよい。
また、上記酸化物は、マグネシウムを含んでいてもよい。
これにより、より安定的に酸化物を形成することができ、接合部の絶縁性を高め、内部電極と接続することによるショートの発生を防止することができる。
さらに、上記内部電極は、上記第2方向の端部に形成され上記酸化物で構成された電極酸化領域を含んでいてもよい。
これにより、サイドマージン部の接合界面において、酸化物で構成された領域が第1方向と交差する第3方向にも延びる。したがって、酸化物領域の面積をより大きくすることができ、クラックや剥離の発生をより効果的に防止できる。
本発明の他の形態に係る積層セラミックコンデンサの製造方法では、第1方向に積層された複数のセラミックシートと、上記複数のセラミックシートの間に配置された複数の内部電極と、を有する積層シートが準備される。
上記積層シートを切断することにより、上記複数の内部電極の端部が露出する側面であって、上記複数の内部電極のうち少なくとも一つの内部電極の端部が上記第1方向に展延された展延部を含む上記側面を有する積層チップが作製される。
上記積層チップの上記側面にサイドマージン部を設けることによりセラミック素体が作製される。
上記セラミック素体を焼成し、かつ上記展延部を酸化させることで、上記複数のセラミックシートが焼成された複数のセラミック層の上記第1方向の平均寸法の50%以上となる上記第1方向の最大寸法を有する接合部が形成される。
上記構成では、切断工程において内部電極を展延させ、かつ焼成工程において上記展延部を酸化させることで、上記接合部を備えたセラミックコンデンサを容易に製造することができる。
以上のように、本発明によれば、サイドマージン部の接合界面でのクラックや剥離を防止することが可能な積層セラミックコンデンサ及びその製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサの斜視図である。 上記積層セラミックコンデンサの図1のA−A'線に沿った断面図である。 上記積層セラミックコンデンサの図1のB−B'線に沿った断面図である。 上記積層セラミックコンデンサの図3の領域Sを拡大して示す部分断面図である。 上記積層セラミックコンデンサの積層部におけるサイドマージン部と接合される側面を拡大して示す部分断面図である。 上記積層セラミックコンデンサの断面の微細組織を示す図である。 上記積層セラミックコンデンサの製造方法を示すフローチャートである。 上記積層セラミックコンデンサの製造過程を示す平面図である。 上記積層セラミックコンデンサの製造過程を示す斜視図である。 上記積層セラミックコンデンサの製造過程を示す平面図である。 上記積層セラミックコンデンサの製造過程を示す断面図である。 上記積層セラミックコンデンサの製造過程を示す斜視図である。 上記積層セラミックコンデンサの製造過程を示す拡大側面図である。 上記積層セラミックコンデンサの製造過程を示す斜視図である。 剥離率の評価結果を示すグラフである。 本発明の他の実施形態に係る積層セラミックコンデンサの部分断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
図面には、適宜相互に直交するX軸、Y軸、及びZ軸が示されている。X軸、Y軸、及びZ軸は全図において共通である。
[積層セラミックコンデンサ10の基本構成]
図1〜3は、本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサ10を示す図である。図1は、積層セラミックコンデンサ10の斜視図である。図2は、積層セラミックコンデンサ10の図1のA−A'線に沿った断面図である。図3は、積層セラミックコンデンサ10の図1のB−B'線に沿った断面図である。
積層セラミックコンデンサ10は、セラミック素体11と、第1外部電極14と、第2外部電極15と、を具備する。セラミック素体11は、典型的には、X軸方向を向いた2つの端面と、Y軸方向を向いた2つの側面と、Z軸方向を向いた2つの主面と、を有する。セラミック素体11の各面を接続する稜部は面取りされている。
なお、セラミック素体11の形状は、上記のものに限定されない。つまり、セラミック素体11は、図1〜3に示すような直方体形状でなくてもよい。例えば、セラミック素体11の各面は曲面であってもよく、セラミック素体11は全体として丸みを帯びた形状であってもよい。
外部電極14,15は、セラミック素体11のX軸方向両端面を覆い、X軸方向両端面に接続する4つの面(2つの主面及び2つの側面)に延出している。これにより、外部電極14,15のいずれにおいても、X−Z平面に平行な断面及びX−Y平面に平行な断面の形状がU字状となっている。
セラミック素体11は、積層部16と、サイドマージン部17と、を有する。サイドマージン部17は、積層部16のY軸方向を向いた両側面の全領域をそれぞれ覆っている。
積層部16は、容量形成部19と、カバー部20と、を有する。カバー部20は、容量形成部19のZ軸方向上下面をそれぞれ覆っている。容量形成部19は、複数のセラミック層21と、複数の第1内部電極12と、複数の第2内部電極13と、を有する。カバー部20には、内部電極12,13が設けられていない。
内部電極12,13は、Z軸方向に積層された複数のセラミック層21の間に、Z軸方向に沿って交互に配置されている。第1内部電極12は、第1外部電極14に接続され、第2外部電極15から離間している。第2内部電極13は、第2外部電極15に接続され、第1外部電極14から離間している。
内部電極12,13は、卑金属を主成分として構成され、積層セラミックコンデンサ10の内部電極として機能する。内部電極12,13を構成する卑金属としては、典型的にはニッケル(Ni)が挙げられ、それ以外に、銅(Cu)等が挙げられる。
このように、セラミック素体11では、容量形成部19における外部電極14,15が設けられたX軸方向両端面以外の面がサイドマージン部17及びカバー部20によって覆われている。サイドマージン部17及びカバー部20は、主に、容量形成部19の周囲を保護し、内部電極12,13の絶縁性を確保する機能を有する。
容量形成部19における内部電極12,13間のセラミック層21は、誘電体セラミックスによって形成されている。積層セラミックコンデンサ10では、容量形成部19における容量を大きくするために、セラミック層21を構成する誘電体セラミックスとして高誘電率のものが用いられる。
より具体的に、積層セラミックコンデンサ10では、セラミック層21を構成する高誘電率の誘電体セラミックスとして、チタン酸バリウム(BaTiO)系材料の多結晶体、つまりバリウム(Ba)及びチタン(Ti)を含むペロブスカイト構造の多結晶体を用いる。これにより、積層セラミックコンデンサ10では大容量が得られる。
なお、セラミック層21は、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)系、チタン酸カルシウム(CaTiO)系、チタン酸マグネシウム(MgTiO)系、ジルコン酸カルシウム(CaZrO)系、チタン酸ジルコン酸カルシウム(Ca(Zr,Ti)O)系、ジルコン酸バリウム(BaZrO)系、酸化チタン(TiO)系などで構成してもよい。
サイドマージン部17及びカバー部20も、誘電体セラミックスによって形成されている。サイドマージン部17及びカバー部20を形成する材料は、絶縁性セラミックスであればよいが、セラミック層21と同様の誘電体セラミックスを用いることによりセラミック素体11における内部応力が抑制される。
上記の構成により、積層セラミックコンデンサ10では、第1外部電極14と第2外部電極15との間に電圧が印加されると、第1内部電極12と第2内部電極13との間の複数のセラミック層21に電圧が加わる。これにより、積層セラミックコンデンサ10では、第1外部電極14と第2外部電極15との間の電圧に応じた電荷が蓄えられる。
なお、本実施形態に係る積層セラミックコンデンサ10の基本構成は、図1〜3に示す構成に限定されず、適宜変更可能である。例えば、内部電極12,13の枚数やセラミック層21の厚さは、積層セラミックコンデンサ10に求められるサイズや性能に応じて、適宜決定可能である。
[積層セラミックコンデンサ10の詳細構成]
積層セラミックコンデンサ10のセラミック素体11は、例えば未焼成の積層部16の側面に未焼成のサイドマージン部17が接合され、焼成されることで製造される。焼成工程において、内部電極12,13を構成する金属材料と誘電体セラミックスとの焼結温度が異なることから、積層部16とサイドマージン部17との間の接合界面で応力が集中し、クラックや剥離等の発生が懸念される。したがって、これらの間の接合強度の確保が非常に重要になる。
そこで、積層セラミックコンデンサ10は、積層部16とサイドマージン部17との間の接合強度を確保するため、接合部22を備えることを特徴とする。以下、図4及び図5を用いて接合部22の構成について説明する。
図4は、積層セラミックコンデンサ10の図3の一点鎖線で囲んだ領域Sを拡大して示す部分断面図である。図5は、積層部16のサイドマージン部17と接合される側面(Y軸方向側面)を拡大して模式的に示す部分断面図である。
図4及び図5に示すように、接合部22は、積層部16とサイドマージン部17との間に配置される。接合部22は、本実施形態において複数の断片22aを含む。本実施形態の断片22aは、Z軸方向に略平行な直線上に並んで配置されている。各断片22aは、略同一の形状で構成されるが、異なる形状でもよい。
本実施形態において、接合部22は、隣接する内部電極12,13の一方から離間して配置されており、各断片22aが、隣接する内部電極12,13の一方から延出して構成される。すなわち、断片22aの一方の端部221が内部電極12,13の一方の内部電極と接続され、当該内部電極のY軸方向先端部からZ軸方向下方に延びるように構成される。接合部22の他方の端部222は、内部電極と離間している。なお、全ての断片22aが隣接する内部電極12,13の一方から延出していなくてもよく、後述するように、いずれかの断片22aが隣接する内部電極12,13の双方から離間していてもよい。これにより、接合部22の絶縁性が不十分な場合であっても、接合部22による内部電極12,13間のショートの発生を防止することができる。
接合部22の複数の断片22aのうち、少なくとも一つの断片22aは、Z軸方向の最大寸法(最大長さT2)が複数のセラミック層21のZ軸方向の平均寸法(平均厚さT1)の50%以上100%未満で構成される。接合部22の最大長さT2とは、各断片22aにおける端部221,222間のZ軸方向の寸法のうち、最も大きい寸法をいう。つまり、最大長さT2は、複数の断片22aのうちZ軸方向の寸法が最も長い断片22aの寸法である。本実施形態において、断片22aの一方の端部221は内部電極12,13と接続されているが、この場合の最大長さT2は、内部電極12,13のY軸方向端部におけるZ軸方向下端から断片22aの他方の端部222までのZ軸方向の寸法をいうものとする。
なお、セラミック層21の平均厚さT1は、セラミック層21の複数箇所において測定された厚さの平均値として求めることができる。セラミック層21の厚さを測定する位置や数は任意に決定可能である。以下、図6を参照しながら、セラミック層21の平均厚さTの測定方法の一例について説明する。
図6は、走査型電子顕微鏡によって12.6μm×8.35μmの視野で観察したセラミック素体11の断面の微細組織を示す図である。この視野内の6層のセラミック層21について、2μmの等間隔の矢印で示された5箇所の厚さを測定する。そして、得られた30箇所の厚さの平均値を平均厚さT1とすることができる。
積層セラミックコンデンサ10では、セラミック層21が薄く構成され、例えばセラミック層21の平均厚さT1は0.5μm以下である。一般に、セラミック層が薄い積層セラミックコンデンサでは、積層セラミックコンデンサの大容量化や小型化、薄型化に有利になる一方で、サイドマージン部のクラックや剥離が発生しやすい。しかし、接合部22を備えた積層セラミックコンデンサ10では、セラミック層21の平均厚さT1が0.5μm以下であっても、後述するようにクラックや剥離の発生を効果的に防止することができる。本実施形態によれば、積層セラミックコンデンサ10の大容量化や小型化、薄型化と、歩留まり向上の効果とを両立させることができる。
接合部22は、内部電極12,13の主成分であるニッケル等の卑金属材料の酸化物により構成され、絶縁性を有する。これにより、セラミック層21の平均厚さT1が薄くなった場合でも、接合部22によるショートの発生をより確実に抑制することができる。また接合部22は、ニッケルに加えてマグネシウム(Mg)を含んでおり、マグネシウムを含むニッケル複合酸化物で構成されてもよい。
さらに、本実施形態の内部電極12,13は、積層部16の側面近傍にあるY軸方向の端部に、導電性を有さない電極酸化領域12a,13aを有する。電極酸化領域12a,13aは、接合部22と同一の材料で構成される。すなわち電極酸化領域12a,13aは、内部電極12,13の主成分であるニッケル等の卑金属材料の酸化物により構成される。当該酸化物は、マグネシウムを含むニッケル複合酸化物でもよい。
この構成により、積層部16とサイドマージン部17との接合界面には、卑金属材料の酸化物で構成された接合部22の各断片22a及び電極酸化領域12a,13aが配置される。すなわち、上記接合界面には、電極酸化領域12a,13aが層状に配置されることに加え、Z軸方向に延びる接合部22が配置される。したがって、酸化物で構成された酸化領域が層状に限局化せず、ZX平面内に広がって配置される。
つまり、接合部22を設けることで、上記接合界面における酸化領域の面積を増加させることができ、積層セラミックコンデンサ10の焼結過程において、積層部16とサイドマージン部17の接合強度を高めることができる。以下、「積層セラミックコンデンサ10の製造方法」において詳細に説明する。
[積層セラミックコンデンサ10の製造方法]
図7は、積層セラミックコンデンサ10の製造方法を示すフローチャートである。図8〜14は、積層セラミックコンデンサ10の製造過程を示す図である。以下、積層セラミックコンデンサ10の製造方法について、図7に沿って、図8〜14を適宜参照しながら説明する。
(ステップS01:セラミックシート準備)
ステップS01では、容量形成部19を形成するための第1セラミックシート101及び第2セラミックシート102と、カバー部20を形成するための第3セラミックシート103と、を準備する。セラミックシート101,102,103は、誘電体セラミックスを主成分とする未焼成の誘電体グリーンシートとして構成される。
セラミックシート101,102,103は、例えば、ロールコーターやドクターブレードなどを用いてシート状に成形される。セラミックシート101,102の厚さは、焼成後の容量形成部19におけるセラミック層21の平均厚さT1が0.5μm以下となるように調整される。セラミックシート103の厚さは適宜調整可能である。
図8は、セラミックシート101,102,103の平面図である。この段階では、セラミックシート101,102,103が、個片化されていない大判のシートとして構成される。図8には、各積層セラミックコンデンサ10ごとに個片化する際の切断線Lx,Lyが示されている。切断線LxはX軸に平行であり、切断線LyはY軸に平行である。
図8に示すように、第1セラミックシート101には第1内部電極12に対応する未焼成の第1内部電極112が形成され、第2セラミックシート102には第2内部電極13に対応する未焼成の第2内部電極113が形成されている。なお、カバー部20に対応する第3セラミックシート103には内部電極が形成されていない。
内部電極112,113は、任意の導電性ペーストをセラミックシート101,102に塗布することによって形成することができる。導電性ペーストの塗布方法は、公知の技術から任意に選択可能である。例えば、導電性ペーストの塗布には、スクリーン印刷法やグラビア印刷法を用いることができる。
内部電極112,113には、切断線Lyに沿ったX軸方向の隙間が、切断線Ly1本置きに形成されている。第1内部電極112の隙間と第2内部電極113の隙間とはX軸方向に互い違いに配置されている。つまり、第1内部電極112の隙間を通る切断線Lyと第2内部電極113の隙間を通る切断線Lyとが交互に並んでいる。
(ステップS02:積層)
ステップS02では、ステップS01で準備したセラミックシート101,102,103を、図9に示すように積層することにより積層シート104を作製する。積層シート104では、容量形成部19に対応する第1セラミックシート101及び第2セラミックシート102がZ軸方向に交互に積層されている。
また、積層シート104では、交互に積層されたセラミックシート101,102のZ軸方向上下面にカバー部20に対応する第3セラミックシート103が積層される。なお、図9に示す例では、第3セラミックシート103がそれぞれ3枚ずつ積層されているが、第3セラミックシート103の枚数は適宜変更可能である。
積層シート104は、セラミックシート101,102,103を圧着することにより一体化される。セラミックシート101,102,103の圧着には、例えば、静水圧加圧や一軸加圧などを用いることが好ましい。これにより、積層シート104を高密度化することが可能である。
(ステップS03:切断)
ステップS03では、ステップS02で得られた積層シート104を、図10に示すように切断線Lx,Lyに沿って切断することにより、未焼成の積層チップ116を作製する。積層チップ116は、焼成後の積層部16に対応する。積層シート104の切断には、例えば、押し切り刃や回転刃などを用いることができる。
より詳細に、積層シート104は、保持部材Cによって保持された状態で、切断線Lx,Lyに沿って切断される。これにより、積層シート104が個片化され、積層チップ116が得られる。このとき、保持部材Cは切断されておらず、各積層チップ116は保持部材Cによって接続されている。
図11は、ステップS03のプロセスを示す積層シート104の断面図である。ここでは、押し切り刃Bを備える切断装置を用いて積層シート104を切断する例について説明する。
まず、図11(A)に示すように、Z軸方向下方に向けられた押し切り刃Bを積層シート104のZ軸方向上方に配置させる。
次に、図11(B)に示すように、押し切り刃Bが保持部材Cに到達するまで、押し切り刃BをZ軸方向下方に移動させて、積層シート104を切断する。このとき、保持部材Cには押し切り刃Bを貫通させず、保持部材Cが切断されないようにする。
そして、図11(C)に示すように、押し切り刃BをZ軸方向上方に移動させて、積層シート104から押し切り刃Bを引き抜く。
これにより、積層シート104が複数の積層チップ116に個片化される。このとき、保持部材Cは、切断されずに、各積層チップ116を接続している。これにより、以降のステップにおいて複数の積層チップ116を一括して扱うことが可能となり、製造効率が向上する。
図12は、ステップS03で得られる積層チップ116の斜視図である。積層チップ116には、容量形成部119及びカバー部120が形成されている。積層チップ116では、切断面である両側面P,Qに内部電極112,113の端部が露出している。内部電極112,113の間にはセラミック層121が形成されている。
図13は、ステップS03の直後の積層チップ116の側面P,Qを例示する拡大側面図である。
図13に示す側面P,Qには、内部電極112,113の端部がステップS03における押し切り刃Bの押し切り方向であるZ軸方向に展延された展延部Rが形成されている。展延部Rは、例えば、切断面である側面P,Qに押し切り刃BからZ軸方向下方への力が加わり、内部電極112,113の端部にZ軸方向下側への変形が生じることで形成される。このとき押し切り刃Bの刃先の角度や形状を調整することで、展延部Rの形状を制御することができる。より具体的には、刃先の角度を大きくすることで展延部RのZ軸方向の長さを長くしたり、刃先を凹凸の形状にすることで、展延部RのZ軸方向の長さを部分的に異ならせることができる。
なお、展延部Rの形成方法はこれらに限定されず、切断後の側面P,Qに表面処理を行なって形成されてもよく、内部電極112,113を構成する卑金属材料を含む部材を付与するなどの方法で形成されてもよい。
展延部Rは、後述のステップS05(焼成)において酸化され、接合部22となる。これにより、積層部16の側面における絶縁性が確保され、焼成後の内部電極12,13ではショートが発生しない。
(ステップS04:サイドマージン部形成)
ステップS04では、ステップS03で得られた積層チップ116における内部電極112,113が露出した側面に未焼成のサイドマージン部117を設けることにより、図14に示す未焼成のセラミック素体111を作製する。サイドマージン部117は、セラミックシートやセラミックスラリーから形成される。
ステップS04では、ステップS03における積層チップ116の切断面である両側面P,Qにサイドマージン部117が設けられる。このため、ステップS04では、予め保持部材Cから積層チップ116を剥がし、積層チップ116の向きを90度回転させておくことが好ましい。
サイドマージン部117は、例えば、セラミックシートを積層チップ116の側面P,Qに貼り付けることにより形成することができる。また、サイドマージン部117は、積層チップ116の側面P,Qを、例えば塗布やディップなどによってセラミックスラリーでコーティングすることにより形成することもできる。
(ステップS05:焼成)
ステップS05では、ステップS04で得られた未焼成のセラミック素体111を焼結させることにより、図1〜3に示す積層セラミックコンデンサ10のセラミック素体11を作製する。つまり、ステップS05により、積層チップ116が積層部16になり、サイドマージン部117がサイドマージン部17になる。
ステップS05における焼成温度は、セラミック素体111の焼結温度に基づいて決定可能である。例えば、誘電体セラミックスとしてチタン酸バリウム系材料を用いる場合には、焼成温度を1000〜1300℃程度とすることができる。また、焼成は、例えば、還元雰囲気下、又は低酸素分圧雰囲気下において行うことができる。
焼成時には、積層チップ116とサイドマージン部117とで焼結挙動が異なるため、サイドマージン部117から積層チップ116の側面P,Qに応力が加わる。より詳細には、まず卑金属材料で構成された内部電極112,113が数百℃で焼結し始める。この焼結に伴い、内部電極112,113はY軸方向の中央部に向かって収縮する。一方、焼結温度の高いセラミックで構成されたサイドマージン部117とセラミック層121は、数百℃では未焼結の状態であり、収縮しない。これにより、積層チップ116の側面P,Qとサイドマージン部117との間の接合界面では、Y軸方向に相互に離間する方向の応力が発生する。
本実施形態の焼成工程では、セラミック素体111の外部から内部電極112,113のY軸方向の端部に酸素が供給される。これにより、展延部Rを含む内部電極112,113の端部に、内部電極112,113を構成する卑金属材料を含む酸化物が生成される。したがって、接合部22及び電極酸化領域12a,13aが形成される。接合部22及び電極酸化領域12a,13aは、内部電極が焼結し始める数百℃で卑金属材料を含んだ酸化物として生成され始める。
酸化物で構成された接合部22及び電極酸化領域12a,13aは、数百℃の状態において、未焼結のセラミック層121及びサイドマージン部117よりも高い強度を有する。すなわち、接合部22及び電極酸化領域12a,13aが応力に対して高い耐性を有するため、当該接合界面におけるクラックや剥離の発生を抑制できる。
さらに、上記接合界面では、電極酸化領域12a,13aがX軸方向に延び、接合部22がZ軸方向に延びて配置される。接合部22のZ軸方向の最大長さT2が焼成後のセラミック層21の平均厚さT1の50%以上で構成されることで、高い強度を有する酸化領域の面積を十分に確保でき、上記接合界面におけるクラックや剥離の発生を効果的に抑制することができる。
焼成時の数百℃の状態において、未焼結のセラミック材料同士の接合強度よりも、酸化物化した卑金属材料と未焼結のセラミック材料との接合強度の方が高い。接合部22のZ軸方向の最大長さT2がセラミック層21の平均厚さT1の50%以上で構成されることで、クラックや剥離を十分に防止できる程度に未焼結のセラミック材料との接合強度を高めることができる。
また、セラミック層21の平均厚さT1が0.5μm以下となるような構成では、積層チップ116のセラミック部分の厚みに対して相対的に内部電極112,113の厚みが大きくなり、焼成時に加わる応力が大きくなる。この場合にも、接合部22を設けることで、応力に対して十分な耐性を確保でき、クラックや剥離の発生を効果的に防止できる。
さらに、焼成工程において安定的に接合部22及び電極酸化領域12a,13aを酸化させるため、サイドマージン部117、セラミック層121等がマグネシウムを含んでいてもよい。この構成では、サイドマージン部117等に含まれるマグネシウムが、焼成時に内部電極112,113のY軸方向の端部に供給される。これにより、内部電極112,113のY軸方向の端部では、ニッケルがマグネシウム及び酸素を取り込みながら接合部22及び電極酸化領域12a,13aが形成される。したがって、十分に酸化され絶縁性の高い接合部22及び電極酸化領域12a,13aを形成することができる。
(ステップS06:外部電極形成)
ステップS06では、ステップS05で得られたセラミック素体11に外部電極14,15を形成することにより、図1〜3に示す積層セラミックコンデンサ10を作製する。ステップS06では、例えば、セラミック素体11のX軸方向端面に、外部電極14,15を構成する下地膜、中間膜、及び表面膜を形成する。
より詳細に、ステップS06では、まず、セラミック素体11のX軸方向両端面を覆うように未焼成の電極材料を塗布する。塗布された未焼成の電極材料を、例えば、還元雰囲気下、又は低酸素分圧雰囲気下において焼き付けを行うことにより、セラミック素体11に外部電極14,15の下地膜が形成される。
そして、セラミック素体11に焼き付けられた外部電極14,15の下地膜の上に、外部電極14,15の中間膜が形成され、さらに外部電極14,15の表面膜が形成される。外部電極14,15の中間膜及び下地膜の形成には、例えば、電解メッキなどのメッキ処理を用いることができる。
なお、上記のステップS06における処理の一部を、ステップS05の前に行ってもよい。例えば、ステップS05の前に未焼成のセラミック素体111のX軸方向両端面に未焼成の電極材料を塗布してもよい。これにより、ステップS05において、未焼成のセラミック素体111の焼成と電極材料の焼き付けとを同時に行うことができる。
[実施例及び比較例]
本実施形態の実施例及び比較例として、上記の製造方法に基づいて積層セラミックコンデンサ10のサンプルを作製した。このサンプルでは、X軸方向の寸法を1mmとし、Y軸方向及びZ軸方向の寸法を0.5mmとした。
各サンプルでは、切断工程において押し切り刃の刃先の先端角度によって切断面の内部電極の展延状態を制御した。これにより、実施例1〜5として、セラミック層の平均厚さの50%以上の最大長さを有する接合部を備えたサンプルを1000個ずつ作製した。また比較例1〜5として、上記接合部を備えないサンプルを1000個ずつ作製した。各実施例及び各比較例ではセラミック層の平均厚さを変化させ、実施例1及び比較例1では1.0μm、実施例2及び比較例2では0.8μm、実施例3及び比較例3では0.6μm、実施例4及び比較例4では0.5μm、実施例5及び比較例5では0.4μmとした。
比較例のサンプルでは、サイドマージン部の接合界面において、X軸方向に延びる電極酸化領域が形成されており、酸化物で構成された領域が層状(線状)に配置されている。一方、実施例のサンプルでは、当該接合界面において、X軸方向に延びる電極酸化領域とZ軸方向に延びる接合部とが形成されており、酸化物で構成された領域がZX面内に広がって配置されている。
各サンプルのサイドマージン部の剥離率の評価を行った。剥離率の評価では、目視により、各サンプルのサイドマージン部に剥離があるか否か判定し、サンプル1000個あたりの剥離のあるサンプルの数を各実施例及び比較例の剥離率として算出した。これらの結果を、表1及び図15に示す。なお、図15は、剥離率の評価結果を示すグラフであり、横軸がセラミック層の平均厚さ、縦軸が剥離率を示す。同グラフにおいて、黒丸は実施例、白丸は比較例の結果を示す。
Figure 2019079977
表1及び図15に示すように、実施例1〜5では、セラミック層の平均厚さによらず、いずれも剥離率は0.3%に収まっていた。一方で、比較例1〜5では、いずれも剥離率が1%以上であり、実施例1〜5よりも大幅に高かった。また、セラミック層の平均厚さが小さくなるに従い剥離率が高くなる傾向があり、セラミック層の平均厚さが0.5μm以下となる比較例4,5では剥離率が5%以上であった。この結果から、本実施例の構成では、セラミック層の平均厚さが0.5μm以下の構成において、特に剥離の防止効果が高いことが確認された。
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく種々変更を加え得ることは勿論である。
接合部22の断片22aは、一層の内部電極に対して1つ配置されていてもよいし、複数配置されていてもよい。また、各断片22aは、Z軸方向に対して斜めに延びる直線上に配置されていてもよい。あるいは、各断片22aは、ランダムに配置されていてもよい。
接合部22は、隣接する内部電極12,13の一方から離間している構成に限定されず、十分な絶縁性を有している場合には、隣接する内部電極12,13の双方に接続されていてもよい。この場合は、接合部22の最大長さT2がセラミック層21の平均厚さT1の100%以上となり得る。
接合部22は、複数の断片22aで構成される例に限定されず、1つの断片で構成されていてもよい。この場合、当該断片の最大長さT2がセラミック層21の平均厚さT1の50%以上で構成される。例えば接合部22は、複数の内部電極12,13を跨いでZ軸方向に延びる長い1つの断片で構成されていてもよい。
図16は、他の実施形態に係る積層セラミックコンデンサ30の構成を示す図であり、図4に対応する部分断面図である。積層セラミックコンデンサ30は、上述の実施形態とは異なる接合部32を有する。なお、積層セラミックコンデンサ30の接合部32以外の構成は上述の実施形態と同様であり、同一の符号を付して説明を省略する。
接合部32は、複数の断片32aを有し、各断片32aが相互に対向する一対の端部321,322を含む。接合部32は、隣接する内部電極12,13の双方から離間している。言い換えれば、各断片32aに含まれる端部321,322の双方が、内部電極12,13から離間して構成される。このような構成でも、複数の断片32aのうち少なくとも一つの断片32aの最大長さT2がセラミック層21の平均厚さT1の50%以上であれば、サイドマージン部17の剥離や接合界面におけるクラックの発生を防止することができる。
例えば、積層セラミックコンデンサ10では、容量形成部19がZ軸方向に複数に分割して設けられていてもよい。この場合、各容量形成部19において内部電極12,13がZ軸方向に沿って交互に配置されていればよく、容量形成部19が切り替わる部分において第1内部電極12又は第2内部電極13が連続して配置されていてもよい。
10,30…積層セラミックコンデンサ
11…セラミック素体
12,13…内部電極
12a,13a…電極酸化領域
14,15…外部電極
16…積層部
17…サイドマージン部
19…容量形成部
20…カバー部
21…セラミック層
22,32…接合部
22a,32a・・・断片

Claims (8)

  1. 第1方向に積層された複数のセラミック層と、卑金属材料を主成分とし前記複数のセラミック層の間に配置された複数の内部電極と、を有する積層部と、
    セラミックを主成分とし、前記第1方向に直交する第2方向から前記積層部を覆うサイドマージン部と、
    前記積層部と前記サイドマージン部との間に配置され、前記複数のセラミック層の前記第1方向の平均寸法の50%以上となる前記第1方向の最大寸法を有し、前記卑金属材料を含む酸化物で構成された接合部と
    を具備する積層セラミックコンデンサ。
  2. 請求項1に記載の積層セラミックコンデンサであって、
    前記接合部は、前記酸化物で構成された複数の断片を含み、
    前記複数の断片のうち少なくとも一つの断片の前記第1方向の最大寸法が、前記複数のセラミック層の前記第1方向の平均寸法の50%以上である
    積層セラミックコンデンサ。
  3. 請求項1又は2に記載の積層セラミックコンデンサであって、
    前記接合部は、前記複数の内部電極のうち隣接する内部電極の少なくとも一方から離間して配置される
    積層セラミックコンデンサ。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の積層セラミックコンデンサであって、
    前記複数のセラミック層の前記第1方向の平均寸法は、0.5μm以下である
    積層セラミックコンデンサ。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の積層セラミックコンデンサであって、
    前記卑金属材料はニッケルである
    積層セラミックコンデンサ。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の積層セラミックコンデンサであって、
    前記酸化物はマグネシウムを含む
    積層セラミックコンデンサ。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の積層セラミックコンデンサであって、
    前記内部電極は、前記第2方向の端部に形成され前記酸化物で構成された電極酸化領域を含む
    積層セラミックコンデンサ。
  8. 第1方向に積層された複数のセラミックシートと、前記複数のセラミックシートの間に配置され卑金属材料を主成分とする複数の内部電極と、を有する積層シートを準備し、
    前記積層シートを切断することにより、前記複数の内部電極の端部が露出する側面であって、前記複数の内部電極のうち少なくとも一つの内部電極の端部が前記第1方向に展延された展延部を含む前記側面を有する積層チップを作製し、
    前記積層チップの前記側面にサイドマージン部を設けることによりセラミック素体を作製し、
    前記セラミック素体を焼成し、かつ前記展延部を酸化させることで、前記複数のセラミックシートが焼成された複数のセラミック層の前記第1方向の平均寸法の50%以上となる前記第1方向の最大寸法を有する接合部を形成する
    積層セラミックコンデンサの製造方法。
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