JP2019079778A - 鉛蓄電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】過充電状態における電解液の減液を抑制することが可能な鉛蓄電池を提供する。【解決手段】過充電状態において5mA/Ahの酸素発生電流を与える正極電位が、水銀/硫酸第一水銀電極を参照電極として1.27V以上であり、過充電状態において5mA/Ahの水素発生電流を与える負極電位が、水銀/硫酸第一水銀電極を参照電極として−1.07V以下である、鉛蓄電池1。【選択図】図1

Description

本開示は、鉛蓄電池に関する。
近年、自動車においては、大気汚染防止又は地球温暖化防止のため、様々な燃費向上対策が検討されている。燃費向上対策を施した自動車としては、例えば、エンジンの動作時間を少なくするアイドリングストップシステム車(以下、「ISS車」という)、エンジンの動力によるオルタネータの発電を低減する発電制御車等のマイクロハイブリッド車が検討されている。
鉛蓄電池では、回生充電等により大電流充電が繰り返される場合がある。比較的深い充放電が繰り返された場合、鉛蓄電池の高率放電性能が不充分であると、例えばアイドリングストップ後のエンジン再始動時にバッテリ電圧が低下し、再始動できなくなる。特に、近年では、氷点下で使用されるような低温地域においても対応できるように、低温高率放電性能を向上させることが重要な課題となっている。
これに対し、下記特許文献1には、負極活物質に含有させるリグニンスルホン酸塩として、共役二重結合を有するリグニンスルホン酸塩を用いることで、低温高率放電性能を向上させる技術が開示されている。
特開平9−147871号公報
ところで、鉛蓄電池において大電流充電が繰り返されると、電解液中の水の電気分解が起こることが知られている。電気分解が起こると、水が分解して生じる酸素ガス及び水素ガスが電池外に排出されるため、電解液中の水が減少する。その結果、電解液中の硫酸濃度が上昇し、電極(正極等)の腐食劣化等により容量低下が進行する。このような理由から、鉛蓄電池の電解液中の水が減少した場合、減少した分の水を補水してメンテナンスを行う必要がある。そのため、鉛蓄電池に対しては、メンテナンスフリーの観点から、電解液中の水の減少(減液)を抑制することが求められており、特に、過充電状態における電解液の減液を抑制することが求められている。
本開示は、前記事情を鑑みてなされたものであり、過充電状態における電解液の減液を抑制することが可能な鉛蓄電池を提供することを目的とする。
本開示の一態様は、過充電状態において5mA/Ahの酸素発生電流を与える正極電位が、水銀/硫酸第一水銀電極を参照電極として1.27V以上であり、過充電状態において5mA/Ahの水素発生電流を与える負極電位が、水銀/硫酸第一水銀電極を参照電極として−1.07V以下である、鉛蓄電池を提供する。
本開示の一態様に係る鉛蓄電池によれば、過充電状態における電解液の減液を抑制することができる。
本開示によれば、過充電状態における電解液の減液を抑制することが可能な鉛蓄電池を提供することができる。本開示によれば、このような鉛蓄電池を備えるマイクロハイブリッド車(例えば、ISS車及び発電制御車)を提供することができる。本開示によれば、マイクロハイブリッド車への鉛蓄電池の応用を提供できる。本開示によれば、ISS車への鉛蓄電池の応用を提供できる。本開示によれば、発電制御車への鉛蓄電池の応用を提供できる。
一実施形態に係る鉛蓄電池の全体構成及び内部構造を示す斜視図である。 一実施形態に係る鉛蓄電池の電極群を示す斜視図である。 袋状のセパレータと、袋状のセパレータに収容される電極とを示す図である。 セパレータの一例を示す図である。 セパレータ及び電極板の配置の一例を示す断面図である。 電極電位と電流量との関係を示す図である。 電極電位と電流量との関係を示す図である。
以下、図面を適宜参照しながら、本開示の実施形態について説明する。なお、本明細書に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階の数値範囲の上限値又は下限値は、他の段階の数値範囲の上限値又は下限値と任意に組み合わせることができる。
図1は、本実施形態に係る鉛蓄電池(液式鉛蓄電池)の全体構成及び内部構造を示す斜視図である。図1に示すように、本実施形態に係る鉛蓄電池1は、上面が開口している電槽2と、電槽2の開口を閉じる蓋3とを備えている。電槽2及び蓋3は、例えばポリプロピレンで形成されている。蓋3には、正極端子4と、負極端子5と、蓋3に設けられた注液口を閉塞する液口栓6とが設けられている。
電槽2の内部には、電極群7と、電極群7を正極端子4に接続する正極柱(図示せず)と、電極群7を負極端子5に接続する負極柱8と、電解液とが収容されている。電解液は、例えば、硫酸を含有している。電解液は、アルミニウムイオンを更に含有していてもよい。アルミニウムイオンを含有する電解液は、例えば、硫酸及び硫酸アルミニウムを混合することにより得ることができる。
図2は、電極群7を示す斜視図である。図2に示すように、電極群7は、正極板(正極)9と、負極板(負極)10と、正極板9及び負極板10の間に配置されたセパレータ11と、を備えている。正極板9は、正極集電体13と、正極活物質充填部14とを有しており、正極活物質が正極集電体13に充填されることにより正極活物質充填部14が形成されている。負極板10は、負極集電体15と、負極活物質充填部16とを有しており、負極活物質が負極集電体15に充填されることにより負極活物質充填部16が形成されている。本明細書では、化成後の正極板から正極集電体を除いたものを「正極活物質」と称し、化成後の負極板から負極集電体を除いたものを「負極活物質」と称する。
電極群7は、複数の正極板9と負極板10とが、セパレータ11を介して、電槽2の開口面と略平行方向に交互に積層された構造を有している。電極群7における正極板9及び負極板10の枚数は、例えば、正極板6枚に対し負極板7枚であってよい。
電極群7において、複数の正極板9の耳部9a同士は、正極側ストラップ17で集合溶接されている。同様に、複数の負極板10の耳部10a同士は、負極側ストラップ18で集合溶接されている。そして、正極側ストラップ17及び負極側ストラップ18のそれぞれが、正極柱及び負極柱8を介して正極端子4及び負極端子5に接続される。
セパレータ11は袋状に形成されており、負極板10がセパレータ11内に収容されている。図3は、袋状のセパレータ11と、セパレータ11に収容される負極板10とを示す図である。図4は、セパレータの一例を示す図である。図4(a)は、袋状のセパレータ11の作製に用いるシート状物20を示す正面図であり、図4(b)は、シート状物20の断面図である。図5は、セパレータ11及び電極板(正極板9及び負極板10)の断面図である。
シート状物20は、図4に示すように、平板状のベース部21と、凸状の複数のリブ22と、ミニリブ23とを備えている。ベース部21は、リブ22及びミニリブ23を支持している。リブ22は、シート状物20の幅方向における中央において、シート状物20の長手方向に延びるように複数形成されている。複数のリブ22は、シート状物20の一方面20aにおいて互いに略平行に配置されている。リブ22の高さ方向の一端はベース部21に一体化しており、リブ22の高さ方向の他端は、正極板9に接している(図5参照)。ベース部21は、リブ22の高さ方向において正極板9と対向している。シート状物20の他方面20bにはリブは配置されておらず、シート状物20の他方面20bは、負極板10と接している(図5参照)。
次に、正極板9及び負極板10の詳細について説明する。
正極活物質は、Pb成分としてPbOを含み、必要に応じて、PbO以外のPb成分(例えばPbSO)及び後述する添加剤を更に含む。正極活物質は、後述するように、正極活物質の原料を含む正極活物質ペーストを熟成及び乾燥することにより未化成の正極活物質を得た後に未化成の正極活物質を化成することで得ることができる。正極活物質の原料としては、特に制限はなく、例えば、鉛粉が挙げられる。鉛粉としては、例えば、ボールミル式鉛粉製造機又はバートンポット式鉛粉製造機によって製造される鉛粉(ボールミル式鉛粉製造機においては、主成分PbOの粉体と鱗片状金属鉛の混合物)が挙げられる。正極活物質の原料として鉛丹(Pb)を加えてもよい。
正極活物質におけるPb成分の含有量は、正極活物質の全質量を基準として90〜100質量%であってよい。正極活物質は、Pb成分として、少なくともβ−PbOを含む。正極活物質は、α−PbOを含んでいてよく、α−PbOを含んでいなくてもよい。正極活物質の含有量は、正極板の全質量を基準として40〜60質量%であってよい。
正極集電体は、正極活物質からの電流の導電路となり、且つ、正極活物質を保持するものである。正極集電体は、例えば格子状を呈している。正極集電体の組成としては、例えば、鉛−カルシウム−錫系合金、鉛−アンチモン−ヒ素系合金等の鉛合金が挙げられる。用途に応じて適宜セレン、銀、ビスマス等を正極集電体に添加してもよい。これらの鉛合金を重力鋳造法、エキスパンド法、打ち抜き法等で格子状に形成することにより正極集電体を得ることができる。
正極板の製造工程では、例えば、正極活物質ペーストを正極集電体に充填した後に熟成及び乾燥を行うことにより、未化成の正極活物質を有する正極板を得る。未化成の正極活物質は、主成分として三塩基性硫酸鉛を含んでいてよい。前記正極活物質ペーストは、例えば、正極活物質の原料を含んでおり、その他の所定の添加剤等を更に含んでいてもよい。
正極活物質ペーストが含む添加剤としては、例えば、炭素材料(炭素繊維を除く)及び補強用短繊維(アクリル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、炭素繊維等)が挙げられる。炭素材料としては、例えば、カーボンブラック及び黒鉛が挙げられる。カーボンブラックとしては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック及びケッチェンブラックが挙げられる。
正極活物質ペーストを作製するに際しては、正極活物質の原料として鉛粉を用いることができる。また、化成時間を短縮できる観点から、正極活物質の原料として鉛丹(Pb)を加えてもよい。この正極活物質ペーストを正極集電体(例えば正極集電体格子)に充填した後に熟成及び乾燥を行うことにより、未化成の正極活物質を有する正極板が得られる。正極活物質ペーストにおいて、補強用短繊維の配合量は、正極活物質の原料の全質量を基準として0.005〜0.3質量%であってよい。
正極活物質は、例えば、次の方法により得ることができる。まず、鉛粉に対して、補強用短繊維等の添加剤を加えて乾式混合する。次に、前記鉛粉を含む混合物に対して、水4〜10質量%及び希硫酸(比重1.28)5〜10質量%を加えて混練して正極活物質ペーストを作製する。希硫酸(比重1.28)は、発熱を低減するために、数回に分けて徐々に添加してよい。正極活物質ペーストの作製において、急激な発熱は疎な構造の正極活物質を形成し、寿命での活物質同士の結合力が低下するため、なるべく発熱を抑えることが望ましい。
正極活物質は、正極活物質の原料を含む正極活物質ペーストを熟成及び乾燥することにより未化成の正極活物質を得た後に未化成の正極活物質を化成することで得ることができる。正極活物質は、例えばα−PbO及びβ−PbOを含む。
前記正極活物質ペーストを正極集電体(鋳造格子体、エキスパンド格子体等)に充填した後に熟成及び乾燥を行うことにより、未化成の正極活物質を有する正極板を得ることができる。正極活物質ペーストにおいて、補強用短繊維の配合量は、鉛粉の全質量(鉛丹を含む場合は鉛粉及び鉛丹の合計質量)を基準として0.05〜0.3質量%であってよい。
熟成条件は、温度35〜85℃、湿度50〜98RH%の雰囲気で15〜60時間としてよい。乾燥条件は、温度45〜80℃で15〜30時間としてよい。
負極活物質は、Pb成分として少なくともPbを含み、必要に応じて、Pb以外のPb成分(例えばPbSO)及び後述する添加剤を更に含む。負極活物質は、多孔質の海綿状鉛(Spongy Lead)を含んでいてよい。負極活物質は、後述するように、負極活物質の原料を含む負極活物質ペーストを熟成及び乾燥することにより未化成の負極活物質を得た後に未化成の負極活物質を化成することで得ることができる。負極活物質の原料としては、特に制限はなく、例えば、鉛粉が挙げられる。鉛粉としては、例えば、ボールミル式鉛粉製造機又はバートンポット式鉛粉製造機によって製造される鉛粉(ボールミル式鉛粉製造機においては、主成分PbOの粉体と鱗片状金属鉛の混合物)が挙げられる。
負極集電体は、負極活物質からの電流の導電路となり、且つ、負極活物質を保持するものである。負極集電体の組成は、上述した正極集電体の組成と同じであってよい。
負極板の製造工程では、例えば、負極活物質ペーストを負極集電体(例えば負極集電体格子)に充填した後に熟成及び乾燥を行うことにより、未化成の負極活物質を有する負極板を得る。負極集電体としては、正極集電体と同じものを用いることができる。未化成の負極活物質は、主成分として三塩基性硫酸鉛を含んでいてよい。前記負極活物質ペーストは、例えば、負極活物質の原料、及び、スルホ基及び/又はスルホン酸塩基を有する樹脂を含んでおり、その他の所定の添加剤等を更に含んでいてもよい。
負極活物質ペーストは、溶媒及び硫酸を更に含んでいてもよい。溶媒としては、例えば、水(例えばイオン交換水)及び有機溶媒が挙げられる。
スルホ基及び/又はスルホン酸塩基を有する樹脂としては、リグニンスルホン酸、リグニンスルホン酸塩、及び、フェノール類とアミノアリールスルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合物(例えば、ビスフェノールとアミノベンゼンスルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合物)からなる群より選ばれる少なくとも一種であってよい。
負極活物質ペーストが含む添加剤としては、例えば、硫酸バリウム、炭素材料(炭素繊維を除く)及び補強用短繊維(アクリル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、炭素繊維等)が挙げられる。炭素材料としては、例えば、カーボンブラック及び黒鉛が挙げられる。カーボンブラックとしては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック及びケッチェンブラックが挙げられる。
負極活物質ペーストは、例えば、次の方法により得ることができる。まず、鉛粉に、スルホ基及び/又はスルホン酸塩基を有する樹脂と、必要に応じて添加される添加剤とを混合することにより混合物を得る。次に、この混合物に、硫酸(希硫酸等)及び溶媒(水等)を加えて混練することにより負極活物質ペーストが得られる。
負極活物質ペーストにおいて、硫酸バリウムを用いる場合、硫酸バリウムの配合量は、負極活物質の原料の全質量を基準として0.01〜1質量%であってよい。炭素材料を用いる場合、炭素材料の配合量は、負極活物質の原料の全質量を基準として0.2〜1.4質量%であってよい。スルホ基及び/又はスルホン酸塩基を有する樹脂の配合量は、負極活物質の原料の全質量を基準として、樹脂固形分換算で0.01〜2質量%であってよい。
熟成条件は、温度35〜85℃、湿度50〜98RH%の雰囲気で15〜60時間としてよい。乾燥条件は、温度45〜80℃で15〜30時間としてよい。
本実施形態に係る鉛蓄電池は、ISS車、発電制御車等のマイクロハイブリッド車に用いることができる。本実施形態に係るマイクロハイブリッド車(例えば、ISS車及び発電制御車)は、本実施形態に係る鉛蓄電池を備える。
本実施形態に係る鉛蓄電池は、例えば、過充電状態で定電圧充電される。「過充電状態」とは、満充電状態から更に充電を続けた状態である。満充電状態は、例えば、5時間率電流Iの充電中に15分ごとに測定して得られる端子電圧が3回連続して一定値を示すまで充電を行うことで得ることができる(電池工業会規格SBA S 0101:2014に記載の満充電の定義)。本実施形態に係る鉛蓄電池は、後述するように、酸素発生電流を与える正極電位が特定範囲を満たす正極、及び、水素発生電流を与える負極電位が特定範囲を満たす負極を備える。以下、詳細について説明する。
過充電状態の鉛蓄電池の充電では、下記のガス発生(正極:酸素発生、負極:水素発生)、腐食反応、酸素再結合反応(Oxygen recombination)等が起こる。本発明者の知見によれば、過充電状態における腐食反応の影響が小さいことから、以下では、ガス発生及び酸素再結合反応を考慮する。
(正極)
酸素発生: HO ⇒ 1/2O + 2H + 2e
腐食反応: PbO + 2HO ⇒ Pb + 4H + 4e
(負極)
水素発生: 2H + 2e ⇒ H
酸素再結合反応: 1/2O + 2H + 2e ⇒ H
過充電状態の鉛蓄電池の充電では、下記式(a)〜(d)が成り立つ(I total:正極における電子移動反応(酸素発生)に由来する電流の和、I total:負極における電子移動反応(水素発生、及び、酸素再結合反応)に由来する電流の和、I O2:正極における酸素発生電流、I H2:負極における水素発生電流、I O2rec:負極における酸素再結合反応に由来する電流)。
(a)I total=I total
(b)I total=I O2
(c)I total=I H2+I O2rec
(d)I O2=I H2+I O2rec
また、電池外に放出される酸素ガスに関する電流は下記式(e)のように表され、電池外に放出される水素ガスに関する電流は下記式(f)のように表される。式(e)及び式(f)に示されるように、電池外に放出される酸素ガス及び水素ガスに関する電流のそれぞれは、I totalからI O2recが差し引かれた電流として表され、これらの電流は互いに同等である(I O2Оut=I H2Оut)。
(e)I O2Оut=I O2−I O2rec=I total−I O2rec
(f)I H2Оut=I H2=I total−I O2rec=I total−I O2rec
ここで、仮に、酸素再結合反応に起因する影響を考慮しない(I O2rec=0)とすると、下記式(g)が満たされる。この場合、図6(a)に示すように、電池外に放出されるガスの量に相当する減液速度A1(電圧Vのとき)は「I O2」である。図6(a)は、電極電位と電流量との関係を示す図(酸素再結合反応に起因する影響を考慮しない場合)である。
(g)I O2Оut=I H2Оut=I H2=I O2
しかしながら、前記式(e)及び式(f)に示されるように、電池外に放出されるガスに関する電流(減液速度)に対して酸素再結合反応が寄与することから、減液速度を低減するためには、酸素再結合反応に起因する影響を考慮する必要がある。ここで、本発明者の知見によれば、発生した酸素ガスのうち約5割が酸素再結合で水に戻る(I O2rec=0.5I O2)傾向があり、前記式(e)及び式(f)に基づき下記式(h)が得られる。この場合、図6(b)に示すように減液速度A2(電圧Vのとき)は、「0.5I O2」であり、酸素再結合反応の影響が寄与するために減液速度A1より少ない。図6(b)は、電極電位と電流量との関係を示す図(酸素再結合反応に起因する影響を考慮した場合)である。
(h)I O2Оut=I H2Оut=0.5I O2
そして、本発明者は、過充電状態の鉛蓄電池に関して、正極における酸素発生電位と、負極における水素発生電位との関係を調整した際において同一電圧を印加した場合の減液速度について検討した。正極における酸素発生電位を正に大きくする(酸素ガスを発生しづらくする)観点から正極活物質(例えばPb成分)の表面積を図6(b)の場合に対して半減させた場合(図7(a))、及び、負極における水素発生電位を負に大きくする(水素ガスを発生しづらくする)観点から負極活物質(例えばPb成分)の表面積を図6(b)の場合に対して半減させた場合(図7(b))、電圧Vにおいて、図6(b)の減液速度A2を1として、図7(a)の減液速度A3は0.6であり、図7(b)の減液速度A4は0.75である。図7(a)は、電極電位と電流量との関係を示す図(正極活物質の表面積を半減させた場合)である。図7(b)は、電極電位と電流量との関係を示す図(負極活物質の表面積を半減させた場合)である。図7の例では、負極活物質の表面積よりも正極活物質の表面積を調整する方が減液速度の低減に有効である。
図7(a)及び図7(b)の上述の算出結果に示されるように、同一電圧における減液速度を低減するためには、正極における酸素発生電位を正に大きくする(酸素ガスを発生しづらくする)ことが有効であり、また、他の諸電池性能(サイクル特性、放電特性、充電受け入れ性等)とのバランスをとる観点から、負極における水素発生電位を負に大きくし過ぎて正極における酸素発生電位を負に大きくし過ぎないことが有効である。そして、本発明者は、減液速度を対比しやすい酸素発生電流及び水素発生電流の値(充分に大きく観測が容易であると共に、鉛蓄電池の実使用時に検出され得る値)として、鉛蓄電池の単セルにおける2.4Vの過充電状態の酸素発生電流及び水素発生電流の一例である5mA/Ahに着目した上で、当該5mA/Ahを与える電位について検討した結果、減液速度を低減するために有効な酸素発生電位(正極)及び水素発生電位(負極)を見出した。すなわち、本実施形態に係る鉛蓄電池では、過充電状態において5mA/Ahの酸素発生電流を与える正極電位が、水銀/硫酸第一水銀電極を参照電極として1.27V以上であり、過充電状態において5mA/Ahの水素発生電流を与える負極電位が、水銀/硫酸第一水銀電極を参照電極として−1.07V以下である。
過充電状態において5mA/Ahの酸素発生電流を与える正極電位は、過充電状態における電解液の減液を抑制する観点から、水銀/硫酸第一水銀電極を参照電極として1.27V以上である。前記酸素発生電流を与える正極電位は、過充電状態における電解液の減液を更に抑制する観点から、水銀/硫酸第一水銀電極を参照電極として、1.28V以上が好ましく、1.285V以上がより好ましく、1.29V以上が更に好ましい。前記酸素発生電流を与える正極電位の上限は、例えば1.35Vであってよい。
過充電状態において5mA/Ahの水素発生電流を与える負極電位は、過充電状態における電解液の減液を抑制する観点から、水銀/硫酸第一水銀電極を参照電極として−1.07V以下である。前記水素発生電流を与える負極電位は、過充電状態における電解液の減液を更に抑制する観点から、水銀/硫酸第一水銀電極を参照電極として、−1.08V以下が好ましく、−1.09V以下がより好ましい。前記水素発生電流を与える負極電位の下限は、例えば−1.15Vであってよい。
上述の正極電位及び負極電位は、化成後の鉛蓄電池における電位である。鉛蓄電池が複数の単セル(単体セル)を備えている場合、正極電位及び負極電位は、少なくとも一つの単セルの正極電位及び負極電位を意味する。鉛蓄電池が複数の単セルを備えている場合において、上述の正極電位及び負極電位を満たす単セルを鉛蓄電池が少なくとも一つ備えていればよく、単セルの全てが上述の正極電位及び負極電位を満たしていてもよい。
単セルが複数の正極(例えば正極板)を有している場合、前記酸素発生電流を与える正極電位は、複数の正極電位の平均値(正極群の電位)を意味する。単セルが複数の正極を有している場合、複数の正極から集電する部材(例えば、図1の正極端子4、又は、図2の正極側ストラップ17)の電位を測定することにより正極電位を得ることができる。単セルが複数の負極(例えば負極板)を有している場合、前記水素発生電流を与える負極電位は、複数の負極電位の平均値(負極群の電位)を意味する。単セルが複数の負極を有している場合、複数の負極から集電する部材(例えば、図1の負極端子5、又は、図2の負極側ストラップ18)の電位を測定することにより負極電位を得ることができる。
前記酸素発生電流を与える正極電位、及び、前記水素発生電流を与える負極電位は、電活物質(正極活物質又は負極活物質)の表面積を調整すること、電極活物質の表面におけるガス発生の反応性を調整すること等により調整することができる。
電極活物質の表面積が大きいと、反応面積が大きいことに伴いガス発生電位の絶対値が低減されるため、より小さい絶対値の電位において上述のガス発生電流が得られる。電極活物質の表面積は、電極活物質等の使用量、活物質ペーストを作製する際の硫酸の使用量などによって調整することができる。
電極活物質の表面におけるガス発生の反応性は、電極活物質の構成成分(炭素材料、スルホ基及び/又はスルホン酸塩基を有する樹脂等)によって調整できる。例えば、炭素材料の表面では、Pb成分に比べて水素発生が進行しやすい傾向がある。そのため、炭素材料の含有量が多いほど、水素発生電位が低減されるため、より小さい絶対値の負極電位において上述の水素発生電流が得られる。また、炭素材料に加えて、スルホ基及び/又はスルホン酸塩基を有する樹脂を負極活物質が含有していると、スルホ基及び/又はスルホン酸塩基を有する樹脂が炭素材料に吸着して水素の発生を抑制し、水素発生電位が増加する。このような観点から、負極活物質が炭素材料を含有する場合、負極活物質は、炭素材料、及び、スルホ基及び/又はスルホン酸塩基を有する樹脂を含有してよい。
正極活物質の量(正極が複数存在する場合には、正極活物質の総量)は、負極活物質の量(負極が複数存在する場合には、負極活物質の総量)に対して、多くても、同等量でも、少なくてもよい。正極活物質の量の下限は、負極活物質100質量部に対して、100質量部以上、110質量部以上、又は、120質量部以上であってよい。正極活物質の量の上限は、負極活物質100質量部に対して、300質量部以下、250質量部以下、200質量部以下、150質量部以下、140質量部以下、又は、130質量部以下であってよい。
減液速度を評価する際の過充電状態の定電圧充電は、複数の電圧で行われてよい。すなわち、定電圧充電は、互いに異なる電圧の複数の充電工程を備えていてよく、例えば、第1の電圧の第1の充電工程と、第2の電圧の第2の充電工程と、をこの順に備えていてよい。この場合、少なくとも一つの充電工程において上述の正極電位及び負極電位が満たされていればよく、全ての充電工程において上述の正極電位及び負極電位が満たされていてよい。定電圧充電は、上述の第1の充電工程及び第2の充電工程の後に他の充電工程(例えば第3の充電工程)を備えていてよい。例えば、第3の充電工程は、第1の電圧及び第2の電圧とは異なる第3の電圧の充電工程であってよく、第1の電圧と同じ電圧の充電工程であってよい。第3の充電工程の電圧が第1の電圧と同じ場合、少なくとも第1の充電工程において上述の正極電位及び負極電位が満たされていればよい。各充電工程は連続して行われることに限られず、各充電工程の間に他の工程(定電流充電工程、放電工程、休止工程等)が行われてもよい。
定電圧充電の条件は、特に限定されない。定電圧充電の電圧(単セルに対する電圧)は、例えば2.15〜2.80Vであってよい。定電圧充電時の温度は、例えば5〜80℃であってよい。定電圧充電は、例えば、ドイツ自動車工業会(VDA:Verband der Automobilindustrie)が定める14.4V電池の蓄電池規格に基づき、単セルに対して電圧2.40V、60℃で行うことができる。定電圧充電の時間(一の電圧を維持する時間)は、例えば1〜42日間であってよい。
以下、実施例により本開示を具体的に説明する。但し、本開示は下記の実施例のみに限定されるものではない。
<鉛蓄電池の作製>
(実施例1)
[正極集電体の作製]
正極集電体として、板状の鉛−カルシウム−錫合金(鉛含有量:0.05質量%、カルシウム含有量:0.5質量%)に切れ目を入れ、この切れ目を拡開するように引き伸ばして作製したエキスパンド格子体を用意した。正極集電体では、幅が145mmであり、高さが110mmであり、厚さが0.9mmであった。
[未化成の正極板の作製]
ボールミル法によって作製した鉛粉に、補強用短繊維(アクリル繊維)0.07質量%と、硫酸ナトリウム0.01質量%とを加えた後に乾式混合した。アクリル繊維及び硫酸ナトリウムそれぞれの配合量は、鉛粉の全質量を基準とした配合量である。次に、前記鉛粉を含む混合物に対して、水10質量%と、希硫酸(比重1.28)9質量%とを加えた後に混練して正極活物質ペーストを作製した(水及び希硫酸それぞれの配合量は、鉛粉の全質量を基準とした配合量である)。正極活物質ペーストの作製に際しては、急激な温度上昇を避けるため、希硫酸の添加は段階的に行った。続いて、作製した正極活物質ペーストを、上記で得られた正極集電体に充填し、温度50℃、湿度98%の雰囲気で24時間熟成した。これにより、正極集電体に未化成の正極活物質が充填された未化成の正極板を得た。未化成の正極板では、充填部幅が145mmであり、充填部高さが110mmであり、厚さが1.5mmであった。
[負極集電体の作製]
負極集電体として、板状の鉛−カルシウム−錫合金(鉛含有量:0.05質量%、カルシウム含有量:0.5質量%)に切れ目を入れ、この切れ目を拡開するように引き伸ばして作製したエキスパンド格子体を用意した。負極集電体では、幅が145mmであり、高さが110mmであり、厚さが0.8mmであった。
[未化成の負極板の作製]
ボールミル法によって作製した鉛粉に、補強用短繊維(アクリル繊維)0.1質量%と、アセチレンブラック0.2質量%と、硫酸バリウム1.0質量%とを加えた後に乾式混合した。上記配合量は、鉛粉の全質量を基準とした配合量である。次に、リグニンスルホン酸塩(商品名:バニレックスN、日本製紙株式会社製)0.2質量%(樹脂固形分換算、鉛粉の全質量を基準とした配合量である)と、水10質量%(鉛粉の全質量を基準とした配合量である)とを加えた後に混練した。続いて、鉛粉の全質量を基準として希硫酸(比重1.280)9.5質量%を少量ずつ添加しながら混練して、負極活物質ペーストを作製した。続いて、作製した負極活物質ペーストを、上記で得られた負極集電体に充填し、温度50℃、湿度98%の雰囲気で20時間熟成した。これにより、負極集電体に未化成の負極活物質が充填された未化成の負極板を得た。未化成の負極板では、充填部幅が145mmであり、充填部高さが110mmであり、厚さが1.3mmであった。
[セパレータの準備]
一方面に複数の凸状のリブと、当該リブを支持するベース部と、を有するシート状物を、リブが形成されている面が外側になるように袋状に加工してなるセパレータ(袋状のセパレータ)を用意した(図3及び図4参照)。セパレータでは、総厚さが0.8mm、ベース部の厚さTが0.2mmであり、リブの高さHが0.6mmであり、リブの上底幅Bが0.4mmであり、リブの下底幅Aが0.8mmであった。
[電池の組み立て]
得られた袋状のセパレータに未化成の負極板を収容した。次に、未化成の正極板6枚と、袋状のセパレータに収容された未化成の負極板7枚とを、セパレータのリブが未化成の正極板に接するようにして交互に積層した。上述の電極板の作製では、負極板7枚における負極活物質の総量100質量部に対して正極板6枚における正極活物質の総量を120質量部に調整した。次に、未化成の正極板の集電部及び未化成の負極板の集電部を極性毎に正極側ストラップ及び負極側ストラップに集合溶接して極板群を得た。極板群厚さは3.36cmであった。
セル室を1つ有する電槽を用意した。電槽のセル室に極板群を挿入した後、電槽に蓋を熱溶着した。その後、液口栓を開栓し、蓋に設けられた注液口からセルに希硫酸(電解液)を注液した。次いで、周囲温度40℃、電流25Aで20時間通電することにより電槽化成を行い、単セルの鉛蓄電池(JISD5301規定のD23サイズの単セルに相当)を作製した。化成後の電解液の比重は1.29に調整した。化成後の正極におけるPb成分の含有量(正極活物質の全質量基準)は99.9質量%であり、化成後の負極におけるPb成分の含有量(負極活物質の全質量基準)は98.4質量%であった。
(比較例1)
正極活物質の総量を増やし、負極板7枚における負極活物質の総量100質量部に対して正極板6枚における正極活物質の総量を140質量部に調整したこと以外は実施例1と同様に鉛蓄電池を作製した。
(比較例2)
負極活物質の総量を減らし、負極板7枚における負極活物質の総量80質量部に対して正極板6枚における正極活物質の総量を140質量部に調整したこと以外は比較例1と同様に鉛蓄電池を作製した。
(比較例3)
負極活物質の総量を増やし、負極板7枚における負極活物質の総量120質量部に対して正極板6枚における正極活物質の総量を120質量部に調整したこと以外は実施例1と同様に鉛蓄電池を作製した。
<酸素発生電位及び水素発生電位の測定>
次の手順で、電池外に放出される酸素ガス及び水素ガスの流量(ガス流量)を測定した。まず、発生したガスが漏れないように電池にチューブを接続した。シリカゲルをチューブに充填することにより、水分及び硫酸のミストをガスから取り除いた。次に、酸素ガス及び水素ガスを捕集し、互いに直列に接続された水素濃度計(HPS−100、AMS社製)、ガス流量計(F−100D、DP−FLOW、Bronkhorst製)及び酸素濃度計(GMH3695/GGO370、Greisinger製)に酸素ガス及び水素ガスを導入して混合ガスの流量、酸素濃度及び水素濃度を測定した。そして、混合ガスの流量に各ガスの濃度(酸素濃度又は水素濃度)を乗じることで酸素ガス及び水素ガスの流量を求めた。
酸素発生電位(正極)及び水素発生電位(負極)は、充放電試験機で観測される電流I total又はI totalと、上記で求めたガス流量とに基づき次の手順で得た。
すなわち、式(f)に示されるように「I H2=I H2Оut」であるため、電池外に放出される水素ガスの流量を電流に換算したI H2Оutが水素発生電流である。過充電状態においてこの水素発生電流が安定して5mA/Ahとなる電圧(15分毎に測定した充電中の端子電圧が3回連続して一定値を示す場合の電圧)を印加し、そのときの負極電位を水素発生電位として得た。負極電位は、負極端子と参照電極との電位差を測定することで求めた。参照電極としては水銀/硫酸第一水銀電極を用いた。
また、式(e)及び式(f)から下記式(i)の関係が成り立つことから、電池外に放出される酸素ガス及び水素ガスの流量を電流に換算したI O2Оut及びI H2Оutと、充放電試験機で観測される電流I total又はI totalとを用いて酸素発生電流を求めることができる。過充電状態においてこの酸素素発生電流が安定して5mA/Ahとなる電圧(15分毎に測定した充電中の端子電圧が3回連続して一定値を示す場合の電圧)を印加し、そのときの正極電位を酸素発生電位として得た。正極電位は、正極端子と参照電極との電位差を測定することで求めた。参照電極としては水銀/硫酸第一水銀電極を用いた。
(i)I O2=I O2Оut+I O2rec=I O2Оut+I total(又はI total)−I H2Оut
<減液抑制性能の評価>
雰囲気温度(水槽の温度)60℃において、2.4Vで42日間定電圧の過充電を行った。この充電の前後の電解液の質量を測定し、質量差(過充電による減液の量(減液量))を比較することにより、減液抑制性能を評価した。
酸素発生電位(正極)、水素発生電位(負極)、及び、減液速度(減液抑制性能)を表1に示す。減液抑制性能は、実施例1における過充電状態の減液量を100とした相対値によって評価した。この値が小さいほど、減液抑制性能に優れる。
Figure 2019079778
実施例1では、5mA/Ahの酸素発生電流を与える正極電位、及び、5mA/Ahの水素発生電流を与える負極電位の絶対値が大きいことにより、過充電状態における電解液の減液量が少ない。一方、比較例1及び2では、5mA/Ahの酸素発生電流を与える正極電位が小さいことにより、過充電状態における電解液の減液量が多い。比較例3では、5mA/Ahの水素発生電流を与える負極電位の絶対値が小さいことにより、過充電状態における電解液の減液量が多い。
1…鉛蓄電池、9…正極板(正極)、10…負極板(負極)。

Claims (1)

  1. 過充電状態において5mA/Ahの酸素発生電流を与える正極電位が、水銀/硫酸第一水銀電極を参照電極として1.27V以上であり、
    過充電状態において5mA/Ahの水素発生電流を与える負極電位が、水銀/硫酸第一水銀電極を参照電極として−1.07V以下である、鉛蓄電池。
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