JP2019072147A - 下顎位置保持装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】患者の下顎を、上顎に対する所定の垂直的位置に保持することのできる装置を提供する。【解決手段】下顎位置保持装置1は、患者の上顎に対する下顎の垂直的位置を保持する装置である。下顎位置保持装置1は、患者の上顎前歯部歯槽頂81に当接する上顎当接部2と、上顎前歯部歯槽頂81に対向する下顎前歯部歯槽頂91に当接する下顎当接部4と、上顎当接部2と下顎当接部4との間隔を所定値に保持する間隔保持部6と、を備えている。【選択図】 図4

Description

この発明は、上顎に対する下顎の位置を保持する技術に関する。
無歯顎患者に装着される総義歯等の製作過程において、咬合床が作製される。咬合床は、基礎床の上に蝋堤(咬合堤)を付与した仮の義歯床である。
咬合床の作製にあたり、まず、患者の口腔内粘膜の形状を模した作業用模型に基づいて上下顎基礎床が作製される。つぎに、この上下顎基礎床それぞれに、解剖学的平均値等に基づく標準的寸法の略馬蹄形の蝋堤材(パラフィンワックス)が結合される。このようにして標準的な上下顎咬合床が作製される。
作製された標準的な咬合床は、診療室において患者の口腔内の上下顎堤部に装着され、咬み合わせの高さ、歯列弓の大きさ、前歯部の位置などが調整され、上下顎の位置関係等が記録される。(たとえば、特許文献1の[0003]参照)。
この場合、標準的な咬合床をそのまま適用できる患者はそれほど多くなく、ほとんどの場合、蝋堤のワックスを削ったり肉盛りしたりすることで、個々の患者に適合するよう調整される。
たとえば、患者にとって理想的な咬み合わせの高さ(咬合高径)は、患者の顔貌等を参考に設定されるが、上下顎咬合床を口腔内に装着したときに、設定された咬合高径になるまで、上下顎蝋堤の前歯部、中央部、臼歯部の高さが調整される。患者の咬合高径と、標準的な咬合床を患者の口腔内に装着したときの噛み合わせの高さとの差が大きければ、診療室における蝋堤の調整作業に多くの時間を費やすこととなり、その結果、患者の負担も大きくなる。
一方、基礎床の作製に用いられる作業用模型を作製するために、診療室において、患者の口腔内粘膜の印象採得が行われる。したがって、たとえばその際に、設定された咬合高径における、前歯部、中央部、臼歯部等における患者の上下歯槽頂間の寸法を測定することができれば、測定したこれらの寸法を、歯科技工所等におけるその患者の蝋堤の製作に反映させることができる。これにより、診療室での蝋堤の調整作業を少なくすることができ、患者の負担も軽減することが可能となる。
特開2009−106686号公報
しかし、設定された咬合高径における各部分の寸法を測定する間、歯牙による支持のない患者自身がその咬合高径における下顎の位置を保持し続けるのは容易ではない。
この発明は、このような観点に基づいてなされたもので、患者の下顎を、上顎に対する所定の垂直的位置に保持することのできる装置を提供することを目的とする。
この発明による下顎位置保持装置は、上顎に対する下顎の垂直的位置を保持する装置であって、上顎の口腔内粘膜または歯牙に当接する上顎当接部と、上顎の口腔内粘膜または歯牙に対向する下顎の口腔内粘膜または歯牙に当接する下顎当接部と、上顎当接部と下顎当接部との間隔を所定値に保持する間隔保持部と、を備えたこと、を特徴とする。
本発明の特徴は、上記のように広く示すことができるが、その構成や内容は、目的および特徴とともに、図面を考慮に入れた上で、以下の開示によりさらに明らかになるであろう。
本願の第1発明による下顎位置保持装置は、上顎に対する下顎の垂直的位置を保持する装置であって、上顎の口腔内粘膜または歯牙に当接する上顎当接部と、上顎の口腔内粘膜または歯牙に対向する下顎の口腔内粘膜または歯牙に当接する下顎当接部と、上顎当接部と下顎当接部との間隔を所定値に保持する間隔保持部と、を備えたこと、を特徴とする。
したがって、患者の口腔内において、対向する位置にある上下顎の口腔内粘膜または歯牙の間に、所定寸法の間隔保持部を備えた下顎位置保持装置を挿入して噛ませることで、上顎に対する下顎の垂直的位置を保持することができる。
すなわち、患者の下顎を、上顎に対する所定の垂直的位置に保持することができる。
本願の第2発明による下顎位置保持装置は、本願の第1発明による下顎位置保持装置において、当該下顎位置保持装置は、患者の咬合高径を保持する装置であって、上顎当接部は、上顎の歯槽頂に当接するよう構成され、下顎当接部は、上顎の歯槽頂に対向する下顎の歯槽頂に当接するよう構成され、間隔保持部は、上顎当接部と下顎当接部との間隔を当該患者の咬合高径に対応する値に保持するよう構成されたこと、を特徴とする。
したがって、たとえば、無歯顎患者の前歯部における上下顎歯槽頂間に、当該患者の咬合高径に対応する寸法の間隔保持部を備えた下顎位置保持装置を挿入して噛ませることで、患者の咬合高径を保持することができる。
この結果、設定された咬合高径における、当該患者の前歯部以外の部分(たとえば、中央部、臼歯部)における患者の上下歯槽頂間の寸法を容易に測定することができる。
本願の第3発明による下顎位置保持装置は、本願の第1ないし第2のいずれかの発明による下顎位置保持装置において、当該下顎位置保持装置の口腔内への落下を防止する落下防止紐を設けたこと、を特徴とする。
したがって、たとえば、落下防止紐の端を口腔外に垂らしておくことで、当該下顎位置保持装置の口腔内への落下に起因する誤嚥事故を防止することができる。
図1Aは下顎位置保持装置1の構成を示す斜視図、図1Bは下顎位置保持装置1の正面図である。 図2Aは下顎位置保持装置1の平面図、図2Bは下顎位置保持装置1の右側面図である。 図3Aは下顎位置保持装置1の背面図、図3Bは図1Bに示すIIIB−IIIB線に沿う切断部の断面図である。 図4Aおよび図4Bは、下顎位置保持装置1の使用方法の一例を説明するため図面である。 図5Aは下顎位置保持装置101の構成を示す斜視図、図5Bは下顎位置保持装置101の正面図である。 図6Aは下顎位置保持装置201の構成を示す斜視図、図6Bは下顎位置保持装置201の右側面図である。 図7Aは下顎位置保持装置301の構成を示す斜視図、図7Bは下顎位置保持装置301の中心軸を通りX軸に直交する面で切断した縦断面図である。
まず、この発明の一の実施形態による下顎位置保持装置である下顎位置保持装置1について説明する。下顎位置保持装置1は、患者の咬合高径を保持するために用いられる装置である。
図1Aは下顎位置保持装置1の構成を示す斜視図、図1Bは下顎位置保持装置1の正面図である。図2Aは下顎位置保持装置1の平面図、図2Bは下顎位置保持装置1の右側面図である。図3Aは下顎位置保持装置1の背面図、図3Bは図1Bに示すIIIB−IIIB線に沿う切断部の断面図である。なお、下顎位置保持装置1の左側面図は右側面図と対称に表れ、底面図は平面図と対称に表れるので、いずれも省略する。
図1Aから図3Bに示すように、下顎位置保持装置1の基本形状は、平面視において略小判型の柱体であって、上顎当接部2と、下顎当接部4と、間隔保持部6と、を備えている。
後述するように、上顎当接部2は、患者の上顎の歯槽頂に当接するよう構成され、下顎当接部4は、上顎の歯槽頂に対向する下顎の歯槽頂に当接するよう構成され、間隔保持部6は、上顎当接部2と下顎当接部4との間隔を当該患者の咬合高径に対応する値に保持するよう構成されている。
図1Aに示すように、下顎位置保持装置1の上端(図中のZ1方向端)が上顎当接部2を構成し、下端(図中のZ2方向端)が下顎当接部4を構成している。上顎当接部2と下顎当接部4とに挟まれた部分が間隔保持部6を構成している。間隔保持部6に、落下防止紐結着部61が設けられている。
下顎位置保持装置1の前端(図中のY2方向端)には、下顎位置保持装置1の前端および上端に解放された凹部63と、前端および下端に解放された凹部64とが形成されている。
凹部63と凹部64とを仕切るように設けられているのが、落下防止紐結着部61である。図2Aおよび図3Bに示すように、落下防止紐結着部61には、凹部63および凹部64の後方(図中のY1方向)の壁面71よりに、上下に貫通する略円形の貫通孔62が形成されている。落下防止紐7(図4Aおよび図4B参照)が、貫通孔62に通されて、落下防止紐結着部61に結び付けられる。
貫通孔62を壁面71よりに設けることで、当該壁面71をガイドとして、貫通孔62に落下防止紐7を通すことができるため、落下防止紐7を通す作業が容易となる。
図1Aおよび図2Bに示すように、上顎当接部2の基本形状は平面であって、平面部21、滑り防止部22および外れ防止部23を備えている。
滑り防止部22は、平面部21から掘り下げるように形成され、左右方向(図中のX方向)を長手方向とする凹条として構成され、上顎当接部2の前後方向に整列するよう複数条形成されている。外れ防止部23は、上顎当接部2の後端に、平面部21から盛り上がるように形成され、左右方向を長手方向とする凸条として構成されている。
もちろん、上顎当接部2の形状や構成はこれに限定されるものではない。基本形状も平面以外の形状、たとえば凹曲面(後述、図7A、図7B参照)であってもよい。
下顎位置保持装置1は、上下逆にしても使用できるように、上下対称および左右対称に構成されている。したがって、下顎当接部4の構成は、上顎当接部2の構成と同様である。
図2Aに示す上顎当接部2の奥行(前後方向の寸法)Dおよび幅(左右方向の寸法)Wは、とくに限定されるものではない。
ただし、奥行Dは、たとえば、前歯部における上下歯槽頂の前後方向のずれが最大クラスの患者であっても、前歯部における上下歯槽頂がそれぞれ上顎当接部2および下顎当接部4に当接する寸法以上であることが好ましい。奥行Dがこれより小さいと、前歯部における上下歯槽頂の前後方向のずれが最大クラスの患者に適用できないからである。
最も好ましくは、奥行Dは、上述の前歯部における上下歯槽頂の前後方向のずれが最大クラスの患者に適用できる最小限の寸法である。奥行Dが必要以上に大きいと、口腔内の寸法測定に支障をきたすのみならず、患者に過度の負担を強いることになるからである。
かかる点を考慮すれば、奥行Dは、好ましくは5mmないし25mm程度、より好ましくは10mmないし20mm程度、さらに好ましくは13mmないし17mm程度である、この実施形態においては、奥行Dを15mmとしている。
一方、幅Wは、たとえば、患者の前歯部における上下歯槽頂の間に下顎位置保持装置1挿入して噛ませた状態で、左右方向に容易に傾かない程度の寸法以上であることが好ましい。幅Wがこれより小さいと、下顎位置保持装置1が上下歯槽頂の間で傾いてしまい(場合によっては倒れてしまい)咬合高径を保持することができないからである。
最も好ましくは、幅Wは、上述の下顎位置保持装置1が上下歯槽頂の間で傾いてしまうことのない最小限の寸法である。幅Wが必要以上に大きいと、口腔内の寸法測定に支障をきたすからである。
かかる点を考慮すれば、幅Wは、好ましくは4mmないし20mm程度、より好ましくは6mmないし15mm程度、さらに好ましくは7mmないし10mm程度である。この実施形態においては、幅Wを8mmとしている。
図2Bに示す下顎位置保持装置1の有効高さHは、とくに限定されるものではないが、患者の咬合高径に適合する高さとなるよう構成されている。
この例では、有効高さHとして7mmから25mmまで、2mm間隔で10種類の下顎位置保持装置1を用意しておき、その中から、患者の咬合高径に適合するもの(最も近いものを含む。以下同様。)を選択して使用するよう構成している。これら10種類の下顎位置保持装置は、有効高さHが異なる点を除き、すべて、同様の構成である。なお、図1Aから図3Bに示す下顎位置保持装置1は、有効高さHが25mmのものを例示している。
下顎位置保持装置1の材質および製造方法は特に限定されるものではないが、この実施形態においては、シリコンゴムを用い、一体成型により製造するよう構成している。シリコンゴムとして、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社の提供に係る一般成形用パブリコン(登録商標)を例示することができる。
下顎位置保持装置1の材質として、人体に害のない、他のゴム、合成樹脂、金属を用いることもできる。ただし、患者の上下顎歯槽頂に当接した際、患者に不快感を与えないようにするために、少なくとも上顎当接部2および下顎当接部4には、比較的硬度の低い材質を用いることが好ましい。なお、下顎位置保持装置1が使い捨てでない場合は、消毒に耐える材質であることが好ましい。
下顎位置保持装置1の剛性は、とくに限定されるものではないが、たとえば、患者の口腔内寸法を測定するために上下顎歯槽頂間に、下顎位置保持装置1を挿入して軽く噛ませたときに、容易に変形しない程度の剛性を持つことが好ましい。一方、剛性と密接に関連するヤング率は、ゴムの場合、当該ゴムの硬さと正の相関を持つことが知られている。
したがって、下顎位置保持装置1を、ゴムを用いた一体物として構成する場合、硬さ(軟らかさ)と剛性とのバランスの観点から、当該ゴムの硬さ(デュロメータ硬さ:JIS K 6253−3)は、好ましくはA30ないしA90、より好ましくはA70ないしA90、最も好ましくはA80ないしA90である。この実施形態においては、ゴム(シリコンゴム)の硬さをA90としている。
図4Aおよび図4Bは、下顎位置保持装置1の使用方法の一例を説明するため図面である。図4Aは、無歯顎患者の上顎顎堤80と下顎顎堤90との間の距離を、種々のポイントにおいて測定する場合の正中矢状断面の一部を示す図面であり、図4Bは、その状況を患者の正面から見た模式図である。
まず、患者の顔貌等を参考にして、当該患者の咬合高径を決定し、決定された咬合高径に対応する有効高さHの下顎位置保持装置1を選択する。
つぎに、図4Aに示すように、選択された下顎位置保持装置1を患者の口腔内に挿入し、患者の上顎前歯部歯槽頂81および下顎前歯部歯槽頂91に、下顎位置保持装置1の上顎当接部2および下顎当接部4を、それぞれ当接させたうえで、患者に軽くかませておく。この状態で、当該患者の咬合高径が保持された状態となる。
その状態で、適切な測定具(図示せず)を用いて、たとえば、上顎中央部歯槽頂82および下顎中央部歯槽頂92間の距離h2、上顎臼歯部歯槽頂83および下顎臼歯部歯槽頂93間の距離h3を測定する。上顎前歯部歯槽頂81および下顎前歯部歯槽頂91間の距離h1は、上記選択された下顎位置保持装置1の有効高さHとして与えられる。このようにして、無歯顎患者の咬合高径が保持された状態で、当該患者の上顎顎堤80と下顎顎堤90との間の距離を、種々のポイントにおいて測定することができる。
なお、この例では、下顎位置保持装置1の落下防止紐結着部61に落下防止紐7を結び付け、落下防止紐7の端を口腔外に垂らすことで、下顎位置保持装置1の口腔内への落下に起因する誤嚥事故を防止するようにしているが、充分な注意がなされるのであれば、落下防止紐7は、必ずしも必要でない。したがって、落下防止紐結着部61も、下顎位置保持装置の必須の構成要素ではない。
落下防止紐結着部61を設けない場合は、貫通孔62、凹部63および凹部64を設ける必要はない。この場合、下顎位置保持装置1(間隔保持部6)は、平面視において略小判型の単純な柱体となる。
つぎに、この発明の他の実施形態による下顎位置保持装置である下顎位置保持装置101について説明する。下顎位置保持装置101も、患者の咬合高径を保持するために用いられる装置である。
図5Aは下顎位置保持装置101の構成を示す斜視図、図5Bは下顎位置保持装置101の正面図である。
図5Aに示すように、下顎位置保持装置101の上顎当接部102に、当該下顎位置保持装置101の有効高さHを表す数値(単位:mm)により構成された数値マーク125が設けられている。図示しないが、下顎当接部104にも、同様の数値マーク125が設けられている。
また、図5Aおよび図5Bに示すように、下顎位置保持装置101の間隔保持部106の前方部分であって、上下方向略中央の左右両側に、当該下顎位置保持装置101の有効高さHを表す記号により構成された一対の記号マーク165が設けられている。この例では、各記号マーク165を構成する大径の円1つが10mmを表し、小径の円1つが1mmを表すよう構成されている。したがって、図5Aおよび図5Bにしめす記号マーク165は、下顎位置保持装置101の有効高さHが25mmであることを表している。
数値マーク125および記号マーク165を「有効高さ表示マーク」という。下顎位置保持装置101の有効高さHは患者の咬合高径に対応しているから、有効高さ表示マークを「咬合高径指示マーク」ということがある。
このように、下顎位置保持装置101の上顎当接部102、下顎当接部104、間隔保持部106に咬合高径指示マークを設けることで、複数の下顎位置保持装置の中から、患者の咬合高径に対応した有効高さHを持つ下顎位置保持装置101を、迅速に選択することができる。
咬合高径指示マーク、すなわち、数値マーク125および記号マーク165は、すべて、下顎位置保持装置101の表面から彫り込む態様となっているが、これらのマークの表示態様はこれに限定されるものではない。たとえば、これらのマークの一部または全部を、人体に害のない印刷やシール貼付により表示することも可能である。ただし、使い捨てでない場合は、消毒に耐える表示であることが好ましい。
なお、咬合高径指示マークの形態は、図5Aおよび図5Bの例に限定されるものではなく、咬合高径の高さに対応させて、たとえば「A」、「B」、「C」、・・・のように構成することもできる。
下顎位置保持装置101のその余の構成(バリエーションを含む)および使用方法は、下顎位置保持装置101に適用できないものを除き、上述の下顎位置保持装置1のそれらと同様である。
つぎに、この発明のさらに他の実施形態による下顎位置保持装置である下顎位置保持装置201について説明する。下顎位置保持装置201も、患者の咬合高径を保持するために用いられる装置である。
図6Aは下顎位置保持装置201の構成を示す斜視図、図6Bは下顎位置保持装置201の右側面図である。
図6Aおよび図6Bに示すように、下顎位置保持装置201は、図5Aおよび図5Bに示す下顎位置保持装置101における間隔保持部106の略後半分を、上顎当接部102および下顎当接部104の近傍部分を残して、切り欠いた構成となっている。
すなわち、下顎位置保持装置201の間隔保持部206は、上端に上顎当接部202を備えた略板状の上部当接体202a、下端に下顎当接部204を備えた略板状の下部当接体204a、上部当接体202aと下部当接体204aとを上下に連結する、基本形状が柱状ないし筒状の連結体266を備えている。
図6Bに示すように、下顎位置保持装置201は、側面視において略「コ」の字形(左側面視において略「コ」の字形、右側面視において略逆「コ」の字形)の形状となっている。たとえば材質の選択により必要な剛性を確保することができる場合には、下顎位置保持装置201のような形状とすることで、口腔内の寸法測定に際して、間隔保持部206と、測定具や患者の舌先との干渉を緩和することができる。
下顎位置保持装置201のその余の構成(バリエーションを含む)および使用方法は、下顎位置保持装置201に適用できないものを除き、上述の下顎位置保持装置101のそれらと同様である。
つぎに、この発明のさらに他の実施形態による下顎位置保持装置である下顎位置保持装置301について説明する。下顎位置保持装置301も、患者の咬合高径を保持するために用いられる装置である。ただし、下顎位置保持装置301は、有効高さ調整部370を備え、その有効高さHを調整することが可能である点で、上述の下顎位置保持装置1、101、201と異なる。
図7Aは下顎位置保持装置301の構成を示す斜視図、図7Bは下顎位置保持装置301の中心軸を通りX軸に直交する面で切断した縦断面図である。
図7Aおよび図7Bに示すように、下顎位置保持装置301は、上方から下方に向けて上部保持体367、中間保持体369、下部保持体368をこの順に結合した構造を備えている。上部保持体367、中間保持体369および下部保持体368が、間隔保持部306を構成している。
上部保持体367の基本形状は略円筒形であり、その上端に、平面視において略小判形状の略板状の上部当接体302aが形成されている。上部当接体302aの上端が上顎当接部302を構成している。
この例では、上顎当接部302は凹曲面(この例では、X方向の母線を有する凹状の略円柱面)により構成されている。このように構成することで、上顎当接部302の前後端部が中央部より高くなるため、上述の外れ防止部23(図2B参照)の機能をはたすこととなり、好都合である。
上部保持体367の内部空間に雌ねじ367bが形成されている。上部保持体367の下端近傍の外周部には、落下防止紐結着部367aが形成されている。
下部保持体368は、上部保持体367と上下対称(鏡面対象)の構成となっている。したがって、下部保持体368の雌ねじ368bの締め付け方向は、上部保持体367の雌ねじ367bの締め付け方向と逆になっている。
なお、下顎位置保持装置301に落下防止紐7を結び付ける場合は、落下防止紐結着部367aまたは落下防止紐結着部368aのいずれかに結び付ければよい。
中間保持体369の基本形状は略円柱形であり、上下対称の構成となっている。中間保持体369の上端に、雌ねじ367bに螺合する雄ねじ369cが形成され、下端に、雌ねじ368bに螺合する雄ねじ369dが形成されている。中間保持体369の上下方向中央に、周囲にローレット加工等滑り止め加工の施された略円板状の大径部369aが形成されている。
中間保持体369に対して上部保持体367および下部保持体368が供回りしないよう、上部当接体302aおよび下部当接体304aを保持しつつ、中間保持体369の大径部369aを図中R方向に回転させると、上部保持体367と下部保持体368とが接近または離間する。
これにともなって、上顎当接部302と下顎当接部304との距離、すなわち、下顎位置保持装置301の有効高さHが変化する。この例では、大径部369aを、図中R1方向に回転させると、上部保持体367と下部保持体368とが接近し、図中R2方向に回転させると、上部保持体367と下部保持体368とが離間するよう構成されている。
このように構成することで、下顎位置保持装置301の有効高さHを、患者の咬合高径に対応する値に調整することが可能となる。下顎位置保持装置301の有効高さHを調整可能とすることで、患者によって異なる咬合高径に対応するために種々の有効高さHの下顎位置保持装置を常備しておく必要がなくなることとなり、好都合である。
雌ねじ367b、雄ねじ369c、大径部369a、雄ねじ369dおよび雌ねじ368bにより、有効高さ調整部370を構成している。もちろん、下顎位置保持装置301の有効高さHを調整することができるのであれば、有効高さ調整部370の構成は、この例に限定されるものではない。
下顎位置保持装置301のその余の構成(バリエーションを含む)および使用方法は、下顎位置保持装置301に適用できないものを除き、上述の下顎位置保持装置1、101、201のそれらと同様である。
上記においては、本発明を好ましい実施形態として説明したが、各用語は、限定のために用いたのではなく、説明のために用いたものであって、本発明の範囲および精神を逸脱することなく、添付のクレームの範囲において、変更することができるものである。また、上記においては、本発明のいくつかの典型的な実施形態についてのみ詳細に記述したが、当業者であれば、本発明の新規な教示および利点を逸脱することなしに上記典型的な実施形態において多くの変更が可能であることを、容易に認識するであろう。したがって、そのような変更はすべて、本発明の範囲に含まれるものである。
1 :下顎位置保持装置
2 :上顎当接部
4 :下顎当接部
6 :間隔保持部
81 :上顎前歯部歯槽頂
91 :下顎前歯部歯槽頂

Claims (3)

  1. 上顎に対する下顎の垂直的位置を保持する装置であって、
    上顎の口腔内粘膜または歯牙に当接する上顎当接部と、
    前記上顎の口腔内粘膜または歯牙に対向する下顎の口腔内粘膜または歯牙に当接する下顎当接部と、
    前記上顎当接部と前記下顎当接部との間隔を所定値に保持する間隔保持部と、
    を備えたこと、
    を特徴とする下顎位置保持装置。
  2. 請求項1の下顎位置保持装置において、
    当該下顎位置保持装置は、患者の咬合高径を保持する装置であって、
    前記上顎当接部は、上顎の歯槽頂に当接するよう構成され、
    前記下顎当接部は、前記上顎の歯槽頂に対向する下顎の歯槽頂に当接するよう構成され、
    前記間隔保持部は、前記上顎当接部と前記下顎当接部との間隔を当該患者の咬合高径に対応する値に保持するよう構成されたこと、
    を特徴とする下顎位置保持装置。
  3. 請求項1ないし2のいずれかの下顎位置保持装置において、
    当該下顎位置保持装置の口腔内への落下を防止する落下防止紐を設けたこと、
    を特徴とする下顎位置保持装置。
JP2017199941A 2017-10-13 2017-10-13 下顎位置保持装置 Active JP6469810B1 (ja)

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