JP2020521517A - 歯科補綴物作製に使用される位置調整装置 - Google Patents

歯科補綴物作製に使用される位置調整装置 Download PDF

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Abstract

トレー装置システムは、咬合採得を得るために有用であり、上顎トレー装置と任意で下顎トレー装置とを含む。上顎トレー装置は、第1のベース部から下方に延在する第1の接触部を含む。第1の接触部は、第1の接触面、第1の隆起線、及び第1の隆起線の中間点を含む。任意の下顎トレー装置は、第2の接触面、第2の隆起線、及び第2の隆起線の中間点を含む第2の接触部を含む。第1の接触部及び第2の接触部は、上顎トレー装置と下顎トレー装置が患者の口内に据えられた状態で患者が噛むときに相互に接触する。

Description

関連出願の相互参照
本願は、2017年5月29日に提出された米国仮出願第62/512,075号の利益を主張し、その全文を本明細書に組み込む。
歯科分野において、歯科補綴物の製造及び歯科診断に際し、下顎に対する上顎の正確な空間構造を得るのに有効であり、少なくとも上顎が無歯である個人にとって特に有用である装置を開示する。
標準的な個人又は患者は、下顎(下側の顎又は顎骨)と上顎(上側の顎)の両方を有する。下顎骨は、ヒトの顔の中で最も強靭で最も下位にあり、下側の歯を適所に保持する。下顎は、ヒトの頭蓋骨の中で唯一移動可能であり、上顎の下に配置される。下顎は蝶番軸を中心に回転する。下顎はまた、併進移動を行う、即ち、前方、左方、右方、上方、下方などに移動し得る。
従来、義歯(デンチャー)の製造は、例えば、少なくとも5回の予約を取り、歯型取り、ワックスリムの作製、ワックスリムの調節、歯の設定、義歯の作製などの各種ステップを含む。
他の義歯製造方法は、咬合判定アセンブリを有する無歯トレーシステムの使用を含む。上記の無歯トレーシステムの1つは、Massadの米国特許第8,070,489号に記載されるようにピン・受座アセンブリを含む。別の無歯トレーシステムは、Sugaの米国特許第9,498,310号に記載されるように上顎及び下顎トレーの側方部に突出部を含む。
患者用咬合採得を取得するのに有用なトレー装置システムは、上顎トレー装置と、任意で下顎トレー装置とを含む。任意で、上顎トレー装置は、少なくとも1つの歯型を含む。
上顎トレー装置は、第1の下面の反対側の第1の上面を含む第1のベース部を含む。第1のベース部は、上から見て略U字状である第1の中間部を更に含む。
第1のベース部は、第1の中間部の内側から少なくとも10度の勾配で上方に延在している第1の内側部を含む。第1のベース部は、下面図における第1の横正中線と第1のベース部の前端とを更に含む。
任意で、第1のベース部は、第1の中間部の側方側から少なくとも10度の勾配で上方に延在する第1の側方部を含む。任意で、上顎トレー装置は、第1の咬合拡張部を含み、第1の咬合拡張部の少なくとも一部は、小臼歯領域から臼歯領域に位置する。任意で、第1のベース部は、少なくとも1つの開口を画定する。
上顎トレー装置は、第1のベース部から下方に延在する第1の接触部を更に含む。この第1の接触部は、下から見て横幅の少なくとも2倍である前後長を有する細長の第1の接触面を含む。第1の接触面は、患者が噛むときに、患者の下顎を起点とする表面と接触する。
第1の接触面は、10ミリメートル及び任意で15〜60ミリメートル以上の前後長を有する第1の隆起線を含む。任意で、第1の接触面は、横断面から見て下方集束しているが、直線状でも下方拡張していてもよい。第1の隆起線は、第1の隆起線の中間点を含む。任意で、第1の隆起線は、縦断面から見て直線状であるが、縦断面から見て弧状、多面状、又は波状であってもよい。第1の隆起線が波状であるとき、10〜200の山を含む。任意で、トレー装置は、第1の隆起線と患者の上顎歯肉との間の垂直距離が3ミリメートル〜20ミリメートルとなるように構成される。任意で、第1の接触面は、15ミリメートル以下の第1の接触面幅を有する。
第1の隆起線の中間点は、下から見て第1の横正中線の前方に位置する。第1の隆起線の中間点はまた、第1のベース部の前端の後方に位置する。任意で、第1のベース部は、45ミリメートル〜90ミリメートルの第1のベース部長さを有する。
任意の下顎トレー装置は、下から見てU字状である第2のベース部を含む。第2のベース部は、第2の下面の反対側の第2の上面を含む。
第2のベース部は、上から見て第2の隆起線が第2の縦正中線に80度〜100度で交差する第2の縦正中線を含む。第2のベース部は、第2の横正中線と第2のベース部の前端を更に含んでもよい。
任意の下顎トレー装置は、第2のベース部から上方に延在する第2の接触部を更に含む。第2の接触部は、上から見て前後幅の少なくとも2倍である横断長さを有する第2の接触面を含む。第2の接触面は第2の隆起線を含む。第2の隆起線は、第2の隆起線の中間点を含んでもよい。第2の隆起線の中間点は好ましくは、第2の横正中線の前方かつ第2のベース部の前端の後方に位置する。
第1の接触部と第2の接触部は、上顎トレー装置及び下顎トレー装置が患者の口内に据えられた状態で患者が噛むときに相互に接触する。
当該技術において、歯科補綴物の作成及び歯科診断に関して、下顎は中心位にあるべきだということがよく知られている。即ち、下顎は、前方、下方、又は側方に変位すべきではない。
医師が、中心位にあるときの患者の上顎と下顎の関係を記録することは困難である。医師が咬合採得を得ようとするとき、患者は下顎を前方に出しがちである。患者の下顎を中心位に配置するため、医師は、顔面筋を弛緩させるように患者に指示し、下顎を押し戻すことができる。しかしながら、この方法は、患者を中心位に配置する際、うまくいかないことが多い。
舌を後方に巻くことは、患者を中心位に配置する方法の1つである。舌を後方に巻くことは、首の筋肉、例えば、頤舌筋、顎二腹筋、顎舌骨筋、茎突舌骨筋、肩甲舌骨筋の上腹などが下顎へ後向きの力を加えるために、患者を中心位に配置するように作用する。
しかしながら、舌を後方に巻くことによって中心位を見出すことは、患者が舌を十分に後方に巻かない場合には役に立たない。例えば、患者は、舌を完全に後方に巻く代わりに、部分的にしか巻かない場合がある。例えば、口腔の前側部で舌が上方に巻かれるときのように、舌が部分的に巻かれているとき、後向きの力が下顎に加えられない。医師は、舌をもっと後方へ置くように患者に繰り返し指示し得るが、患者は指示を理解できない、又は舌を十分に後方に巻くことができない。
Daviesの米国特許第2,481,203号及びMassadの米国特許第8,070,489号に記載されるようないくつかの従来技術の方法は、口腔の中央領域に配置されるピン・受座追跡システムを組み込んでいる。1つの問題は、この領域が通常、舌に占有されていることである。ピン・受座追跡システムは、舌を押し下げることが多い。この結果、いくつかの問題が生じる。第1に、舌は強靭な筋肉であるため、ピン・受座追跡システムに上向きの力がかかって不安定になる。第2に、舌の運動が制限されて、完全に後方に巻き込むことができない。
無歯個人での咬合を取得するいくつかの従来技術の方法では、トレーの側方部に突出部を含む無歯トレーシステム(例えば、Sugaの米国特許第9,498,310号)を組み込んでいる。これらのトレーを利用するとき、一方の側が他方の側よりも先に接触するという問題がしばしば生じる。患者が噛み、一方の側に接触すると、下顎が側方に変位して、反対側の突出部に接触しがちである。したがって、患者は、下顎を前方かつ側方に配置させる。この下顎の前方及び側方位置は、歯科補綴物の製造又は歯科診断にとって理想的ではない。また、患者が噛むとき、無歯トレーは接触側の反対側に容易に移動する。
いくつかの従来技術の無歯トレーシステム(例えば、Zentzの米国特許第6,196,840号に記載のもの)は、例えば、下顎後退又は下顎前突構造を有する患者、及び/又は上顎及び/又は下顎の他方の側よりも一方の側で多くの骨が吸収されている患者など、様々な顎のサイズに対応することができない。
また、いくつかのトレーシステムは様々な構成要素を多数有し、使用が困難である、及び/又は製造が高額となる場合がある。
更にまた、トレーシステム(例えば、Sugaの米国特許第9,498,310号に記載のもの)は、一方の側が他方の側よりも骨損失が大きい患者や、関節に問題がある患者など、標準から解剖学的な不一致のある患者に対して使用できない。
解決策は、横顎位、縦顎位、及び口の筋肉系の最適転位を正確に捕捉するトレーシステム又は位置調整装置である。
開示されるトレーシステムは、デンチャー(義歯)、オーバーデンチャー、インプラントブリッジなどの歯科補綴物の作製に有用であり得る。
開示されるトレーシステムは、印象の採得と顎位の捕捉の両方に使用され得る。
開示されるトレーシステムは、医師による最小の調節を必要としつつ、顎位を正確に捕捉し得る。
開示されるトレーシステムは、舌のための空間を提供し得る。
開示されるトレーシステムは、患者による偏心咬合を防止し得る。
開示されるトレーシステムは、上顎トレー装置及び/又は下顎トレー装置がわずかにずれているときでも、正確な顎採得が得られる。
開示されるトレーシステムは、いくつかの構成要素を有していてもよい。
開示されるトレーシステムは、様々な顎サイズ及び/又は顎位に対応するための回転自由度及び/又は併進自由度を可能にし得る。
開示されるトレーシステムは、適切な咬合高径での顎採得を提供し得る。
開示されるトレーシステムは、軽量であり、口内で容易に移動し得ない。
開示されるトレーシステムは経済的であり得る。
開示されるトレーシステムでは、患者が、作製される義歯が口内でどのように見えるかを視覚化し得る。
開示されるトレーシステムのいくつかの側面は、顎不一致に応じて様々な咬合高径を提供し得る。
開示されるトレーシステムのいくつかの側面は、顎採得材の設定中の移動を防止し得る。
開示されるトレーシステムのいくつかの側面は、口内及び/又は歯科模型上への完全な着座を確認するための視覚化を可能にし得る。
開示されるトレーシステムのいくつかの側面は、標準からの解剖学的偏位を有する患者に特に適し得る。
開示されるトレーシステムのいくつかの側面は、医学的及び歯科的診断、例えば、最適な歯科インプラント位置の診断、歯科インプラント配置に備えた骨除去又は増強の必要性の診断、及び/又は歯科インプラント配置を支援する手術テンプレートの構築に有用であり得る。
図面は、本開示によりトレー装置システムとも称される位置調整装置の好適な実施形態を示す。
上顎トレー装置を含むトレー装置システムの側面図である。
図1の上顎トレー装置の前面図である。
図1の上顎トレー装置の後面図である。
図1の上顎トレー装置の上面図である。
図4の実施形態による少なくとも1つの開口を有する上顎トレー装置の一例を示す図である。
図1の上顎トレー装置の下面図である。
典型的なヒトの無歯上顎の相対サイズを示す図1の上顎トレー装置の下面図である。
図1の上顎トレー装置の底面斜視図である。
図4の断面9−9に沿った図1の上顎トレー装置の断面図である。
図9の実施形態による第1の側方部を有する上顎トレー装置の一例を示す図である。
下顎トレー装置の上面斜視図である。
図11の下顎トレー装置の上面図である。
図11の下顎トレー装置の下面図である。
図13の断面14−14に沿った図11の下顎トレー装置の断面図である。
図14の実施形態による第2の側方部を有する下顎トレー装置の一例を示す図である。
図11の下顎トレー装置の後面図である。
図6の断面17−17に沿った図1の上顎トレー装置の断面図である。
図16の断面18−18に沿った図11の下顎トレー装置の断面図である。
図1の上顎トレー装置と図11の下顎トレー装置とを示すトレー装置システムの後面図である。
下顎の一方の側で他方の側よりも骨の吸収が多い患者での使用を示す図19Aのトレー装置システムの後面図である。
図19Aの断面18−18に沿った図19Aのトレー装置システムの断面図である。
後方に巻かれた患者の舌の位置を示す図20Aのトレー装置システムの断面図である。
下顎前突構造の患者での使用を示す図20Aのトレー装置システムの断面図である。
下顎後退構造の患者での使用を示す図20Aのトレー装置システムの断面図である。
図19Aの実施形態による上方集束する第2の隆起線を示すトレー装置システムの後面図である。
図19Aの実施形態による下方集束する第2の隆起線を示すトレー装置システムの後面図である。
図6の断面17−17に沿った図1の上顎トレー装置の断面図である。
1点に集束する第1の接触面の一例を示す図である。
横断面の線に集束する第1の接触面の一例を示す図である。
横断面の線に集束する第1の接触面の別の例を示す図である。
下方形状で直線状である第1の接触面の別の例を示す図である。
横断面において右側に歪んだ第1の接触面の一例を示す図である。
横断面の線に集束する第1の接触面の別の例を示す図である。
下方拡張形状の第1の接触面の一例を示す図である。
下方形状で直線状である第1の接触面の一例を示す図である。
患者の舌を傷つけない表面を提供するように円形角部又は斜面を有する第1の接触面を示す、図3の断面24−24に沿った図1の上顎トレー装置の断面図である。
(水平面から)第1の隆起線の30(30)度以下の上方勾配を示す、図3の断面24−24に沿った図1の上顎トレー装置の断面図である。
(水平面から)第1の隆起線の30(30)度以下の上方勾配の第2の例を提供する、図3の断面24−24に沿った図1の上顎トレー装置の断面図である。
第1の隆起線の波状の一例を提供する、図3の断面24−24に沿った図1の上顎トレー装置の側断面図及びはめ込み図である。
上顎トレー装置及び下顎トレー装置を含むトレー装置システムの一実施形態の展開側斜視図である。
図25のトレー装置システムの側面図である。
図25の上顎トレー装置の下面斜視図である。
図25の上顎トレー装置の下面図である。
図28の断面線29−29に沿った図25の上顎トレー装置の断面図である。
図25の上顎トレー装置の上面図である。
図26の断面線31−31に沿った図25のトレー装置の断面図である。
上顎トレー装置及び下顎トレー装置を示す本発明のトレーシステムの一実施形態の前面図である。
図32の下顎トレー装置の上面斜視図である。
図32の下顎トレー装置の下面斜視図である。
以下の説明では、本発明のいくつかの実施形態の一部を成し、該実施形態を例示する添付図面を参照する。本発明の図面及び好適な実施形態は、本発明が多くの異なる形態の実施形態を受け入れることができるという理解の下で提示される。したがって、他の実施形態が利用可能であり、本発明の範囲から逸脱せずに、構造上及び動作上の変更を加え得る。
定義
上方及び下方:明細書全体を通じて、上方及び/又は上方にという文言は、地面に立つ人の視点から見て略上方向を指す。上方向は、適宜、上方及び内方、上方及び側方、上方及び前方、上方及び後方、任意の方向に湾曲する上方などを指すことができる。同様に、下方向は、適宜、下方及び内方、下方及び側方、下方及び前方、下方及び後方、任意の方向に湾曲する下方などを指すことができる。
水平面:明細書全体を通じて、水平面という文言は、使用中に患者のカンペル面に平行な平面を指す。
無歯:明細書全体を通じて、無歯という文言は、ほぼ歯がない状態、即ち、歯が全くない、又は歯が全くないが少なくとも1つの歯科インプラントがある状態を指す。
咬合高径:明細書全体を通じて、咬合高径という文言は、歯科分野で一般的に定義されるように個人の下顎に対する上顎の関係を指す。
患者及び/又は個人:明細書全体を通じて、「患者」及び「個人」という文言は、歯科治療及び/又は歯科診断を求めている人を指す。
医師:明細書全体を通じて、医師という文言は、本発明のトレー装置システムのユーザを指す。医師は、例えば、歯科医、歯科技工士、歯科助手、歯科専門家、患者の友人又は親戚、又は患者自身であってもよい。
図1は、上顎トレー装置(110)を含むトレー装置システムの一実施形態を示す側面図である。上顎トレー装置(110)は、第1の上面(114)と第1の下面(116)とを含む第1のベース部(112)を含む。第1の上面(114)は、図6の上顎トレー装置(110)の下面図に示す第1の下面(116)の他方の側又は反対側に位置する。第1のベース部(112)の厚さは好ましくは、0.5ミリメートル〜5ミリメートルである。第1のベース部(112)は、厚さが略均一である上顎トレー装置(110)の部分である。後述するように、様々な異なる構成要素が、第1のベース部(112)から延在してもよい。
上顎トレー装置(110)の後面図である図3に最も良く示すように、第1の接触部(118)は、第1のベース部(112)から下方に延在する。図24A、図24B、図24C、及び図24Dでは、第1の破線(516)は、上顎トレー装置(110)に組み込まれる第1の下面(116)の仮定位置を示す。上述したように、第1のベース部(112)の厚さは好ましくは、0.5ミリメートル〜5ミリメートルである。
第1の接触部(118)は、下顎を起点とする表面、例えば、(1)第2の接触部(148)の第2の接触面(149)(後述、図12及び図25を参照)、又は(2)下顎歯の上面、又は(3)下顎歯肉の上面であってもよい表面と接触する役割を果たす。
概して、本明細書で使用される序数の修飾語は、何らかの等級又は重要度を指し示すものではなく、後述する他の類似の名称の部分と区別するための標示である。よって、上述の「第1のベース部(112)」の例における「第1の」という文言は、単に構成要素の名称を区別する手段にすぎない。
以下、上顎トレー装置(110)は、単に「トレー」と称される場合がある。
図4を参照すると、第1のベース部(112)は、上顎トレー装置(110)の上から見て略U字状である第1の中間部(113)を含む。これは、第1の中間部(113)用の第1のU字状路(111)を示す点線によって示される。第1の中間部(113)は、第1のU字状路(111)に沿った様々な位置で、第1のU字状路(111)に直交する、上面図から測定された第1の幅(402)を有してもよい。図示するように、第1の中間部(113)の第1の幅(402)は、トレーの様々な領域で可変であり、例えば、1mm〜40mmであってもよい。本開示全体を通じて、単位「mm」はミリメートルを表す。
本開示全体を通じて、「略U字状」という文言は、任意の幅、長、及び/又は湾曲を有する連続U又は不連続U字形状を示す。図5に示すように、第1のベース部(112)は、第1の開口(95)によって示されるような少なくとも1つの開口を画定してもよい。開口は、例えば、印象材を保持する、即ち、印象材を通過させて印象材とトレーとの間の保持を高めるために使用することができる。開口は、任意の形状、図示される細長スロットや、円形、矩形などの任意の形状をとり得る。開口は、第1のベース部(112)のどの場所に配置されてもよい。よって、図5に示す実施形態では、第1の中間部(113)は不連続U字状である。
図4に示すように、第1のベース部(112)は、第1の中間部(113)の内側から少なくとも10度の勾配で上方に延在する第1の内側部(117)を更に含む(図9も参照)。
第1のベース部(112)は、個人の無歯上顎と接触する、又は個人の無歯上顎に適用される印象材を支持する役割を果たす。
第1のベース部(112)を使用して印象材を支持するとき、第1のベース部(112)は、第1のベース部(112)が材料の種類に応じて適切な量の空間を提供するような輪郭を有することができる。当業界において周知なように、異なる印象材は、異なる適切な厚さを有する。例えば、アルジネート印象材は、例えば、低粘稠ポリビニルシロキサン印象材よりも多くの空間を必要とする。したがって、第1のベース部(112)の輪郭は、使用目的の関数である。
図9は、図4の断面9−9に沿った上顎トレー装置(110)の断面図である。より具体的には、断面9−9は、第1のU字状路(111)を横断する断面である(図4に示す)。図9を参照すると、第1の中間部(113)は、水平面から10度以下の上方勾配を有する。よって、第1の内側部(117)は、第1の内側部(117)と第1の中間部(113)との接合部において、10度以下の上方勾配で第1の中間部(113)の内側から略上方に延在する。図3に最も良く示すように、第1のベース部(112)は、無歯個人の口蓋を受け入れる、又は適用される印象材のための適切な量の空間を提供するような輪郭を有することができる。
図4を参照すると、第1のU字状路(111)のサイズは、患者の解剖学的構造(例えば、患者の無歯上顎のサイズ)及び/又は使用目的(即ち、トレーが無歯上顎と接触することを目的とするのか、あるいは印象材を担持するために使用されるのか)の関数であり得る。
好ましくは、第1の内側部(117)及び第1の中間部(113)は、第1のベース部(112)の一体部分である。しかしながら、第1の内側部(117)及び第1の中間部(113)は別個の片であってもよいと企図される。即ち、第1のベース部(112)は、脱着可能に相互に接合される2つ以上の片で形成されてもよい。本構造は、例えば、吐き気を起こし易い患者での使用に有益であり得る。別個の片で形成される第1のベース部(112)は、試適手順中の患者にとって快適性が増すため、より正確な顎採得が可能になる。単独片で形成される第1のベース部(112)は、破損への耐性が高く、製造し易い。
図9に示す実施形態では、第1の中間部(113)及び第1の内側部(117)は、(断面で見たときに)連続弧状に相互に接合されているが、いくつかの実施形態では、第1の中間部(113)及び第1の内側部(117)は、L字状接合部などのその他の構造で相互に接合されてもよい。
また、第1の内側部(117)は、第1のベース部(112)のいくつかの部分にのみ存在してもよい。例えば、第1の内側部(117)は、第1のベース部(112)の前半分のみに存在してもよい。この構造は、例えば、上顎隆起を有する患者、及び/又は吐き気を起こし易い患者での使用に特に有益であり得る。第1の内側部(117)は、第1のベース部(112)の後半分のみに存在してもよい。この構造は、上顎口蓋の後半分に位置する上顎隆起を有する患者のために利用され得る。上述の構造は有益なことに、上述の例示の症状を有する患者の顎採得の精度に貢献する。
図4に示すように、いくつかの実施形態では、第1のベース部(112)は、上方から見たときにU字状をとってもよい。いくつかの実施形態では、例えば、図30に示すように、第1のベース部(112)は、上方から見たときに略半楕円状をとってもよい。図示されるような半楕円形状は、患者の無歯上顎の表面積の大部分(例えば、80%超)をカバーすることで、上顎トレー装置(110)と患者の無歯上顎との間の保持を向上させる、及び/又は印象材を患者の無歯上顎の表面積の大部分に貼付させる役割を果たす。
U字状及び略半楕円状の第1のベース部(112)は、様々な状況で好ましい場合がある。例えば、口蓋隆起がなく吐き気を起こし易い患者用の上顎義歯が作製される場合、略半楕円状が好適であり得る。また、例えば、顕著な咽頭反射のある患者用の補綴物が製造される場合、U字状が好適であり得る。
図10を参照すると、いくつかの実施形態では、第1のベース部(112)は、第1の中間部(113)の側方側から略上方に延在する第1の側方部(115)を含んでもよい。上述したように、第1の中間部(113)は、10度以下の上方勾配を有する。よって、第1の側方部(115)は、(水平面から)10度超の上方勾配で、第1の中間部(113)の側方側から略上方に延在する。図27は、第1の側方部(115)を含む上顎トレー装置(110)の一実施形態を示す。
第1の側方部(115)は、例えば、患者の無歯上顎歯肉全体で印象を採得する役割を果たし得る。また、第1の側方部(115)は、上顎トレー装置(110)と患者の上顎歯肉との間の保持を向上させる役割を果たし得る。更にまた、第1の側方部(115)は、上顎義歯フランジをシミュレートするのに役立ち得る。義歯フランジが患者の上唇を側方に押し出す場合があることが当該技術においてよく知られている。したがって、第1の側方部(115)を設けることで、患者は、作成される義歯が口内でどのように見えるかを視覚化することができる。
図7に示すように、第1のベース部(112)は、下方から見たときに前後で測定された、典型的なヒトの無歯上顎(101)(図7で破線の囲みで示す)の前後長の80%〜120%である第1のベース部長さ(422)を有する。ほぼ全ての例では、これは、45ミリメートル〜90ミリメートルの第1のベース部長さ(422)に相当する。
歯科分野で一般的に定義されるように、典型的なヒトの無歯上顎の前後長は、カンペル面に平行に測定された、無歯上顎の前端から患者の2つのハミュラーノッチを連結する想像線までの測定値として定義される。
第1のベース部長さ(422)が90(90)ミリメートル超である場合、上顎トレー装置(110)は大きすぎ、患者が吐き気を催すことがある、及び/又は患者の上唇により、上顎トレー装置(110)が個人の無歯上顎に快適に配置されるのを防止し得ることが分かっている。また、第1のベース部長さ(422)が45(45)ミリメートル未満である場合、上顎トレー装置(110)は小さすぎる、及び/又は容易に移動する、及び/又は正確な印象を得るのに十分なほど患者の無歯上顎をカバーできないことが分かっている。
いくつかの実施形態では、上顎トレー装置(110)は、3D印刷、圧延、光硬化材料の使用、化学硬化材料の使用、又はそれらの任意の組み合わせなどによって、個人の無歯上顎に適合するようにオーダーメイドされてもよい。いくつかの実施形態では、上顎トレー装置(110)の少なくとも一部は、熱可塑性材料で作製し、個人の無歯上顎に適合するように構成されてもよい。
いくつかの実施形態では、小、中、及び大サイズなどの複数サイズが利用可能であり得る。
次に図11を参照すると、下顎トレー装置(140)は、上顎トレー装置(110)と併せて使用してもよい(図19Aを参照)。具体的には、下顎トレー装置(140)は、患者が完全に無歯であるときに使用してもよい。いくつかの実施形態によると、図19A及び図25は、上顎トレー装置(110)と下顎トレー装置(140)を含み得るトレー装置システムの各種実施形態を示す。上述したように、トレー装置システムはまた、上顎トレー装置(110)のみを含んでもよい(即ち、下顎トレー装置(140)を含まない、図1を参照)。
図11に示すように、下顎トレー装置(140)は第2のベース部(142)を含む。第2のベース部(142)の厚さは好ましくは、0.5ミリメートル〜5ミリメートルである。第2のベース部(142)は、図13に示す第2の下面(146)と、図14及び図15に示す第2の上面(144)とを含む。第2の接触部(148)は、第2のベース部(142)から上方に延在する。図19Aに示すように、第2の接触部(148)は、上顎トレー装置(110)の第1の接触部(118)と接触する役割を果たす。第2のベース部(142)は、厚さが略均一である下顎トレー装置(140)の部分であってもよい。後述するように、様々な異なる構成要素が、第2のベース部(142)から延在してもよい。
図13に示すように、第2のベース部(142)は好ましくは、下から見てU字状である。一体ユニットとして、第2のベース部(142)は、下から見て略U字状である第2の中間部(143)を含んでもよい。第2の中間部(143)は、第2の中間部(143)用の第2のU字状路(141)をたどる。第2の中間部(143)は、下面から測定された、様々な位置で第2のU字状路を横断する第2の幅(412)を有し得る。図示するように、第2の中間部(143)の第2の幅(412)は、下顎トレー装置(140)の様々な領域において可変であり得、例えば、1mm〜40mmであってもよい。
図14は、図13の断面14−14に沿った下顎トレー装置(140)の断面図である。より具体的には、断面14−14は、第2のU字状路(141)を横断する断面である(図13に示す)。図14の第2の破線(544)は、下顎トレー装置(140)に一体化される第2の上面(144)の仮定位置を示す。
図14に示すように、第2の中間部(143)は、10度以下の下方勾配を有する。第2の内側部(147)は、第2のベース部(142)の一体部分であり、第2の中間部(143)と第2の内側部(147)との接合部において10度超の下方勾配で第2の中間部(143)の内側から略下方に延在してよい。
図13に示すように、第2のU字状路(141)のサイズは、患者の解剖学的構造(例えば、患者の無歯下顎のサイズ)及び/又は使用目的(即ち、下顎トレー装置(140)が無歯上顎と接触することを目的とするのか、あるいは印象材を担持するために使用されるのか)の関数であり得る。
好ましくは、第2の内側部(147)と第2の中間部(143)は、第2のベース部(142)の一体化部分である。しかしながら、第2の内側部(147)と第2の中間部(143)は別個の片でもよいと企図される。
図15を参照すると、いくつかの実施形態では、第2のベース部(142)は、第2のベース部(142)の一体化部分であり得、第2の中間部(143)の側方側から略下方に延在する第2の側方部(145)を更に含んでもよい。第2の側方部(145)は、下顎義歯フランジをシミュレートする役割を果たし得る。義歯フランジが、患者の下唇を側方に押し出し得ることが当該技術においてよく知られている。したがって、第2の側方部(145)を設けることで、患者は、作製される義歯が口内でどのように見えるかを視覚化することができる。また、第2の側方部(145)は、患者の無歯下顎歯肉全体で印象を採得することを可能にし得る。
図34を参照すると、いくつかの実施形態では、第2の内側部(147)及び/又は第2の側方部(145)は、存在していなくてもよい。いくつかの実施形態では、第2のベース部(142)は略平坦とし得る(即ち、断面図において10度以下の勾配を有する)。
図19Bは、例えば、下顎の一方の側で他方の側よりも骨損失が多い患者での使用を示す図19Aのトレー装置システムの後斜視図である。顎採得の工程中、上顎と下顎間の正確な位置関係は分かっていないため、トレー装置システムは、標準からの回転方向及び併進方向の差異に対応することが有益である。例えば、図19Bに示す構造は、下顎(例えば、左側)の一方の側で下顎(例えば、右側)の他方の側よりも骨損失が多かった患者で有用であり得る。患者は虫歯、歯感染、歯周病、外傷などの様々な理由で抜歯しているため、(例えば、下顎の)一方の側で他方の側よりも骨損失が多いことが一般的である。
また、上顎トレー装置(110)の第1の上面(114)に適用される印象材などの印象材がトレー装置システムに適用されるとき、医師は、印象材の設定に際して、上顎トレー装置(110)の一方の側を他方の側よりも大きな力で押圧してもよい。これにより、上顎トレー装置(110)は、上顎に対して回転方向にずれることがある、即ち、上顎トレー装置(110)の一方の側は、上顎トレー装置(110)の他方の側よりも低くなることがある。このずれにより、第1の接触部(118)と第2の接触部(148)が接触する代わりに、上顎トレー装置(110)の側面と下顎トレー装置(140)の側面が相互に接触し得る。仮に上顎トレー装置(110)の側面と下顎トレー装置(140)の側面が接触すれば、上顎トレー装置(110)及び/又は下顎トレー装置(140)が外れる、即ち、患者の歯肉との接触から離れる場合がある。この結果、不正確な顎採得となり、歯科補綴物が正確な咬合を有さないことがある。
よって、大半の実施形態の1つ目の利点は、回転自由度を有する、即ち、標準から様々な回転方向の差異がある場合に利用することができる(例えば、図19Bに示す)。大半の実施形態の2つ目の利点は、併進自由度を有する、即ち、標準から様々な併進方向の差異がある場合に利用することができる(例えば、図20C及び図20Dに示す)。
図1、図2、及び図6を参照すると、第1の接触部(118)は第1の接触面(119)を含む。図1、図2、及び図6は、破線囲みによって輪郭が描かれる第1の接触面(119)を示す。
図6及び図28に示すように、第1の接触面(119)は第1の隆起線(105)を含む。
図17は、図6の断面17−17に沿った上顎トレー装置(110)の断面を示す。具体的には、断面17−17は、第1の隆起線(105)を横断する断面である。図17の第1の破線(516)は、上顎トレー装置(110)に一体化される第1の下面(116)に関する仮定位置を示す。第1の接触面(119)は、横断面で見るとき、第1の接触部(118)の下2(2)ミリメートルを覆う表面として定義される。図17及び図6に示すように、第1の隆起線(105)は、連続横断面における第1の接触面(119)の最下点を連結する線として定義されてもよい。図6に示すように、第1の接触面(119)は好ましくは細長形状である。即ち、第1の接触面(119)は、横方向よりも前後方向に長い。好ましくは、第1の接触面(119)は、下から見て、図6で第1の接触面長(1191)とも称される前後長が、図6では第1の接触面幅(1192)とも称される横幅の少なくとも2倍となるように構成される。
第1の接触部(118)の目的は、下顎を起点とする表面と接触することであるため、第1の接触面(119)の細長形状は有益なことに、正顎、下顎前突、又は下顎後退構造などの様々な顎構造に対応する役割を果たし得る。追加的及び/又は代替的に、第1の接触面(119)の細長形状は、接触中に略中心となる(すなわち、左側又は右側から遠すぎない)ようにベクトル力を方向付けることによって、トレーの傾斜及び/又は患者による偏心咬合を防止する役割を果たし得る。
図6に戻ると、上述したように、第1の接触面(119)は、第1の接触面幅(1192)を含む。図17に示すように、第1の接触面幅(1192)は、断面図において横方向に測定される第1の接触面(119)の最大幅として定義される。第1の接触面幅(1192)は好ましくは、15ミリメートル以下、より好ましくは10ミリメートル以下である。
第1の接触面幅(1192)が15ミリメートル超である場合、広すぎて、患者の上顎からのトレーの移動及び/又は患者による偏心咬合を導き得ると判定されている。10ミリメートル超の第1の接触面幅(1192)は、接触点を患者の矢状正中線に更に近づけて、有益なことにトレーの移動を防止できる。
図23A、図23B、図23C、図23D、図23F、図23G、図23H、及び図23Iに示すように、第1の接触面(119)が断面図において下方集束であることが好ましいが必須ではない。
第1の接触面(119)の下方集束形状は有益なことに、患者が噛むとき、(上顎トレー装置(110)と下顎を起点とする表面との間の)接触点を患者の中間矢状面に近づけることで、患者による偏心咬合及び/又は上顎トレー装置(110)の移動を防止しつつ、破損や屈曲への耐性を提供する役割を果たす。
図23Aを参照すると、より好ましくは、横断面における第1の接触面(119)は略円形であってもよい。この略円形は、例えば、0.5ミリメートル〜25ミリメートル、より好ましくは、0.5ミリメートル〜5ミリメートルの曲率半径を有してもよい。第1の接触面(119)の断面の略円形は、円の一部に限定されず、例えば、楕円の一部や放物線形状などの任意の円形面であってもよいと理解される。この構造は、下顎を起点とする表面との接触中に水平面と略平行である接触面を提供し、患者による偏心咬合及び/又はトレーの滑りを更に防止し得る。
図23Fに示すように、第1の接触面は、横断面において右側又は左側などの片側に歪めることができる。この歪み形状は、右側又は左側への不一致などの既知の下顎不一致を有する患者での使用にとって特に有益であり得る。
いくつかの実施形態では、第1の接触面は、水平面に平行な下面を含んでもよい。よって、図23C、図23D、図23E、及び図23Gに示すように、第1の接触面(119)は、横断面において線へと下方に集束し得る。これらの実施形態では、第1の隆起線(105)は、(下方から見たとき、図6を参照)連続的横断面において第1の接触面(119)の最下線の横中間点を連結する線として定義されてもよい。
図23C、図23D、及び図23Eに示す実施形態は、例えば、下顎中央切歯などの少なくとも1つの下顎前歯を失った患者における使用に特に有益であり得る。この状況では、平坦下面により、残りの下顎前歯は第1の接触面(119)と接触可能である。これらの実施形態はまた、例えば、光硬化トレー材料(例えば、ペンシルバニア州ヨークのDENTSPLY社製TRIADトレー材料)を使用して手動で作製し易い。
図23Eを参照すると、いくつかの実施形態では、第1の接触面(119)はまた、下方拡張又は直線状であってもよい。これらの実施形態(即ち、下方拡張又は直線状の第1の接触面(119)を有する実施形態)では、第1の接触面幅(1192)は好ましくは10ミリメートル以下、より好ましくは7ミリメートル以下である。この寸法は有益なことに、患者の中間矢状面から大きく偏心する接触を防止する役割を果たす。
図23A、図23H、及び図23Iを参照すると、第1の接触部(118)は、断面図では特に限定されない。図23Aに示すように、第1の接触部(118)は好ましくは下方集束しており、破損への抵抗を提供する及び/又は回転自由度を可能にする役割を果たす。図23Hに示すように、第1の接触部(118)はまた、下方拡張形状をとってもよい。図23Iに示すように、第1の接触部(118)は、直線状をとってもよい。
図24A及び図24Cに示すように、第1の接触部(118)は、図24Aに示すような円形角部の形状であり得る、又は図24Cに示すような平坦若しくは多傾斜面であり、患者の舌を傷つけない表面を提供するのに役立つ第1の角部(125)を含んでもよい。患者の舌が使用中に傷つけられれば、結果として得られる顎採得は、患者の委縮により正確なものにならない。
第1の角部(125)は、第1の隆起線(105)の一部ではない。第1の隆起線(105)は、(水平面からの)30(30)度以下の上方勾配を有することで、(第1の接触面(119)と下顎を起点とする表面との間の)接触位置に応じて適切な咬合高径を提供する役割を果たす。
第1の隆起線(105)は好ましくは、上顎トレー装置(110)が、様々な異なる顎のサイズに対して使用するのに(前後に)十分長い。これを図20A、図20C、及び図20Dに示す。図20Aは、正顎の患者での使用時の図19Aに示す実施形態を示す。図20Cは、下顎前突の患者での使用時の図19Aに示す実施形態を示す。図20Dは、下顎後退の患者での使用時の図19Aに示す実施形態を示す。図6を参照すると、第1の隆起線(105)の第1の隆起線長(前後)は少なくとも10ミリメートル、より好ましくは少なくとも15ミリメートルである。10ミリメートル未満の第1の隆起線(105)の第1の隆起線長(前後)は短すぎ、標準に対する顎のサイズの差を吸収できない(図20C及び図20Dを参照)と判定されている。
図6に示すように、第1のベース部(112)は、第1の縦正中線(120)と第1の横正中線(103)を含む。図4に示すように、第1のベース部(112)は第1のベース部の前端(131)を含む。
図6に示すように、第1の隆起線(105)は、第1の隆起線(105)の前後中間点として定義される第1の隆起線の中間点(107)を含む。図6、図20A、図20B、図20C、及び図20Dでは、第1の隆起線の中間点(107)はそれぞれ、破線囲みによって輪郭が描かれる。
図6に示すように、横方向では、第1の隆起線の中間点(107)は好ましくは、下方から見たときに第1の縦正中線(120)の15(15)ミリメートル内に収まる。第1の隆起線の中間点(107)が上顎トレー装置(110)の第1の縦正中線(120)の横方向に15(15)ミリメートル、より好ましくは5ミリメートル内に位置するとき、上顎トレー装置(110)は、患者の上顎から外れにくい、及び/又は患者による偏心咬合を起こしにくい、及び/又は医師の指が下顎トレー装置(140)を押圧する余地を増大させると判定されている。
図6に示すように、第1の隆起線(105)は好ましくは、第1の縦正中線(120)と略平行(即ち、10度内)である。第1の隆起線(105)が第1の縦正中線(120)から10度超の角度を有すると判定された場合、滑動及び/又は患者による偏心咬合の可能性が高まり、不正確な顎採得を引き起こす。
図12に示すように、第2のベース部(144)は、第2の縦正中線(97)と第2の横正中線(104)を含む。第2のベース部(142)は、第2のベース部の前端(161)を更に含む。
第2の接触部(148)は、上から見て細長である第2の接触面(149)を含む。図12では、第2の接触面(149)は破線囲みによって輪郭が描かれる。第2の接触面(149)は好ましくは、上から見て、第2の接触面幅(1492)とも称される前後幅の少なくとも2倍である第2の接触面長(1491)とも称される横断長さで構成される。第2の接触面(149)の第2の接触面幅(1492)は、上から見て第2の縦正中線(97)で前後に測定される。
第2の接触面長(1491)が第2の接触面幅(1492)の少なくとも2倍であるとき、第2の接触面(149)は、舌及び下唇のための十分な余地(前後)を提供しつつ、横(左右)方向の骨に対する患者の上顎及び下顎の差を十分に吸収することができると判定されている。
図18を参照すると、第2の接触面(149)は、連続断面において第2の接触部(148)の上2(2)ミリメートルを覆う表面として画定される。図18に示すように、第2の接触面(149)は好ましくは、上方に集束している。第2の接触面(149)は、図示されるような円形状、放物線状、多面形状、のみ形状、前方歪み形状、後方歪み形状などの任意の上方集束形状をとってもよい。この上方集束形状は有益なことに、回転自由度を可能にし、破損に対する強度を提供し、及び/又は滑動を防止しつつ、第2の接触部(148)と第1の接触部(118)との間の単独接触点を提供する役割を果たす(図20Aを参照)。第1の接触面(119)(図6を参照)及び第2の接触面(149)(図12を参照)は、上顎トレー装置(110)と下顎トレー装置(140)が患者の口内に据えられた状態で患者が噛むときに相互に接触するように構成される。
明細書全体を通じて、「上方集束」という文言は、下部よりも上部が狭い形状を指す。逆に、「下方集束」という文言は、上部よりも下部が狭い形状を指す。
図12及び図18に示すように、第2の接触部(148)の第2の接触面(149)は、第2の隆起線(106)を含む。
図12に示すように、下顎トレー装置(140)は、第2の縦正中線(97)を更に含む。第2の隆起線(106)は、上方から見たときに略垂直(即ち、80度〜100度)に第2の縦正中線(97)に交差する。これにより、第1の接触部(118)と第2の接触部(148)との接触中の滑動及び/又は摺動が防止される(図25を参照)。
第2の隆起線(106)は少なくとも8ミリメートル長であり(第2の縦正中線(97)に横断して測定した場合)、より好ましくは、第2の隆起線(106)は少なくとも15ミリメートル長である。図19Aに示すように、第2の隆起線(106)が8ミリメートル未満の長であれば、第1の接触部(118)は第2の接触部(148)と接触し得ない可能性が高いと判定される。
図19A、図21、及び図22に示すように、後方から見ると、第2の隆起線(106)は、30度以下の勾配を有する。
図6に戻ると、上述したように、第1の隆起線(105)は、第1の隆起線(105)の前後中間点として定義される第1の隆起線の中間点(107)を含む。
第1の接触部(118)と下顎を起点とする表面との正確な接触位置が分からないため、第1の隆起線の中間点(107)の位置が予想接触点に近いことが有益である(図20Aを参照)。
図6及び図4に示すように、第1の隆起線の中間点(107)は、第1の横正中線(103)の前方かつ第1のベース部の前端(131)の後方に位置する。図6では、第1の接触部(118)によって視界が遮られているため、第1のベース部の前端(131)が見えない。
第1の隆起線の中間点(107)が第1のベース部の前端(131)の前方に配置される場合、上顎トレー装置(110)は、患者が噛むときに前方
に移動する可能性が高いと判定されている。よって、第1の隆起線の中間点(107)を第1のベース部の前端(131)の後方に置くことは有益なことに、患者が噛むときに上顎トレー装置(110)が移動するのを防止することによって、正確な顎採得を得る役割を果たす。
図20Bは、患者の舌が「後方巻き」位置にあるときの使用時の一実施形態を示す。図20Bに示すように、第1の隆起線(105)のサイズと位置及び第1の隆起線の中間点(107)の位置は、舌を「後方巻き」位置まで巻き戻すように患者に促すだけでなく、前方に舌を突き出すのを防止する役割を果たし得る。舌を(前方に置く代わりに)「後方巻き」位置に置くことで、有益なことに、患者の下顎が中心位に導かれる。第1の隆起線(105)の前後長は好ましくは、60ミリメートル以下である。このことは、患者の舌(160)を後方に巻く、及び/又は過剰に衝突せずに静止状態とするための空間をもたらすのに役立つ。
第1の隆起線の中間点(107)が第1の横正中線(103)の後方にある場合、患者の舌(160)(図20Bを参照)は後方に巻くなど、自由に移動するのに十分な余地がない、及び/又は患者の舌(160)は第1の接触部(118)に衝突する場合がある(図20Bを参照)。よって、第1の隆起線の中間点(107)を第1の横正中線(103)の前方に置くことは有益なことに、舌のための余地を提供して、正確な顎採得を実現するのに役立つ。
図12を参照すると、第2のベース部(142)は第2の横正中線(104)を含み、第2のベース部(142)は、上から見て第2の横正中線(104)によって前部と後部に均等に分割される。
第2の隆起線(106)は、上から見て第2の隆起線(106)の横方向(線形に測定)の中間点として画定される第2の隆起線の中間点(109)を含む。図12では、第2の隆起線の中間点(109)は、破線囲みによって輪郭が描かれる。第2の隆起線(106)の第2の隆起線の中間点(109)は好ましくは、第2の横正中線(104)の前方に位置する。本構造は有効なことに、例えば、患者の舌(160)のための余地を提供する役割を果たす(図20Bを参照)。
第2の隆起線の中間点(109)は好ましくは、第2のベース部の前端(161)の後方に位置する。本構造は有効なことに、例えば、患者が噛むときに、患者の下唇のための余地を提供しつつ下顎トレー装置(140)の傾斜を防止する役割を果たす。
図12を参照すると、第2の隆起線(106)は上から見て前方集束していることが好ましいが必須ではない。明細書全体を通じて、「前方集束」という文言は、後部よりも前部の方が狭い形状を指す。
例えば、第1の接触部(118)と第2の接触部(148)との接触点が(例えば、左側に)偏心しているとき、第2の隆起線(106)の前方集束形状は、患者の舌のために十分な余地を提供するとともに、接触点が第2のベース部(142)の第2のベース部の前端(161)よりも十分後方に来るため(図12を参照)下顎トレー装置(140)が前方に傾斜するのを防止する。また、後述するように、上顎トレー装置(110)が少なくとも1つの前歯型(132)を含むとき(図28を参照)、第2の隆起線(106)の前方集束形状は、第2の接触部(148)と前歯型(132)との接触を防止する。
第2の隆起線(106)はまた、直線状、後方集束、又は前方集束階段状、前方集束多面形状などの任意の適切な形状をとってもよい。
図19Aに示すように、第2の隆起線(106)は、後方から見たときに略直線状をとり得る。後方から見たときの第2の隆起線(106)の略直線形状は、(下顎トレー装置(140)に対する上顎トレー装置(110)の)水平偏位とは関係なく、同じ咬合高径を提供する役割を果たす。図21に示すように、第2の隆起線(106)は、(下顎トレー装置(140)に対する上顎トレー装置(110)の)水平偏位を増大させて咬合高径を低減させる役割を果たす上方集束形状をとってもよい。図示される実施形態では、好ましくは、第2の隆起線(106)は、10(10)ミリメートル以下、より好ましくは5(5)ミリメートル以下の隆起高を有する。本実施形態は、例えば、関節が軟弱であり、側方下顎偏位の増大による咬合高径の低減から恩恵を受ける患者にとって有益であり得る。例えば、変形性関節症、リューマチ性関節炎、強直性脊椎炎の患者は、本実施形態から恩恵を受け得る。
図22に示すように、第2の隆起線(106)は、(下顎トレー装置(140)に対する上顎トレー装置(110)の)水平偏位を増大させつつ、縦方向の余地を増加させるのに役立つ下方集束形状をとってもよい。本実施形態は、例えば、吐き気を起こし易い患者用の歯科補綴物の製造など、医師が顎採得に多くの時間を費やせない場合に有益であり得る。例えば、上顎トレー装置(110)と下顎トレー装置(140)が水平方向かつ回転方向に相互にずれる場合でも、第1の接触部(118)と第2の接触部(148)は未だに相互に接触し得る。また、第2の隆起線(106)の下方集束構造は、下顎が側方に変位するのを抑止し、下顎が側方に変位し易い患者に対して有益に使用し得る。図示する実施形態では、好ましくは、第2の隆起線(106)は、10(10)ミリメートル以下、より好ましくは5(5)ミリメートル以下の谷深さを有する。
図24Aに示すように、第1の接触部(118)は、好ましくは3ミリメートル〜20ミリメートルである第1の高さ(432)を有する。第1の高さ(432)は、使用中の縦断面における第1の隆起線(105)と患者の上顎歯肉との間の垂直距離として定義される。したがって、印象材が第1の上面(114)に置かれていないとき、第1の高さ(432)は第1の上面(114)と第1の隆起線(105)との間の最小垂直距離であってもよい。印象材が第1の上面(114)に置かれているとき、第1の高さ(432)はセットされた印象材(図示せず)の上面と第1の隆起線(105)との間の最小垂直距離であってもよい。
第1の高さ(432)は、患者の無歯上顎と下顎との間の適切な距離を提供する役割を果たす。20mm超の第1の高さ(432)は通常高すぎて、大きすぎる(高すぎる)咬合高径をもたらす。3mm未満の第1の高さ(432)は通常低すぎて、小さすぎる(低すぎる)咬合高径をもたらす。状況によっては、第1の高さ(432)は20mm長であってもよいと企図される。例えば、第1の接触部(118)が下顎歯肉との接触のために使用されるとき、第1の高さ(432)は20mm〜60mmであってもよい。この範囲は、適切な咬合高径を提供する役割を果たす。
図18に示すように、第2の接触部(148)は、好ましくは3ミリメートル〜20ミリメートルの第2の高さ(434)を含む。第2の高さ(434)は、使用中に縦断面において第2の隆起線(106)と患者の下顎歯肉との間の垂直距離として画定される。したがって、第2の下面(146)に何の材料も置かれていないとき、第2の高さ(434)は、第2の下面(146)と第2の隆起線(106)との間の最小垂直距離であってもよい。印象材が第2の下面(146)に置かれるとき、第2の高さ(434)は、セットされた印象材(図示せず)の下面と第2の隆起線(106)との間の最小垂直距離であってもよい。第2の高さ(434)は、患者の無歯上顎と下顎との間の適切な距離を提供する役割を果たす。20mm超の第2の高さ(434)は通常大きすぎ(高すぎ)、咬合高径が高すぎる。3mm未満の第2の高さ(434)は通常小さすぎ(低すぎ)、咬合高径が低すぎる。第2の破線(544)は、下顎トレー装置(140)に一体化される第2の上面(144)の仮定位置(図11を参照)を表す。
図24A及び図18を参照すると、第1の高さ(432)及び第2の高さ(434)は、好ましくは、10(10)ミリメートル〜40(40)ミリメートルの合計高さ(標示されず)を有し得る。この範囲は、大部分の患者にとって適切な咬合高径を提供する。
図24Aに戻ると、第1の接触面(119)の第1の隆起線(105)は、縦断面において直線状であってもよい。また、第1の隆起線(105)が縦断面において直線状であるとき、第1の隆起線(105)は水平面から20度内、より好ましくは10度内に収まることが好ましいが必須ではない。この構造は有益なことに、患者の顎関連に関係なく(例えば、正顎、下顎後退、又は下顎前突、図20C及び図20Dを参照)、同じ咬合高径を提供する役割を果たす。
次に、図24B及び図24Cを参照すると、いくつかの実施形態によると、第1の隆起線(105)の少なくとも一部は、縦断面において直線状でなくてもよい。例えば、図24Bに示すように、第1の隆起線(105)は弧状であってもよい。もしくは、例えば、図24Cに示すように、第1の隆起線(105)は、図示されるような多面形状をとり得る。図24B及び図24Cに示すように、縦断面で見たとき、例えば、第1の隆起線(105)の前部(即ち、前部の20%〜70%)が水平面から10度以内に収まる一方、第1の隆起線(105)の後部(即ち、第1の隆起線(105)の残り)は、第1の隆起線(105)の前部に対して例えば0度〜30度上方に傾斜していてもよい。
上述の実施形態は、例えば、下顎後退構造で咬合高径を低減させることが望ましい状況で有益である。下顎後退構造の患者は、正顎構造の患者よりも軟弱な顎関節を有する場合がある。したがって、咬合高径の低減は、下顎後退構造の患者の関節の健康にとって有益であり得る。この概念(即ち、関節の軟弱な患者の咬合高径を低減させること)は歯科分野においてよく知られているが、従来技術の器具及び/又は方法では、実行が困難である及び/又は時間がかかる。例えば、変形性関節症、関節リューマチ、強直性脊椎炎の患者は、本実施形態から恩恵を受け得る。
図24Dを参照すると、一実施形態によると、第1の隆起線(105)は波状をとり得る。例えば、縦断面において、10〜200の山が存在していてもよい。これは、図24Dの差込み図に示される。第1の隆起線(105)の波状は有益なことに、患者が噛んだ後の患者の下顎の前後移動を防止する。本実施形態は、咬合採得材のセット中、下顎が移動し易い患者での使用にとって特に有益である。歯科分野で使用される咬合採得材は、約1〜5分のセット時間がかかる。したがって、患者が顎採得中に顎を前後に変位させる場合、結果として顎採得は不正確になる。患者が噛むとき、下顎を起点とする表面(例えば、第2の接触面(149)、図18を参照)は山のうちの1つに適合されて(図24Cを参照)、咬合採得材のセット中の顎の移動を防止し得る。
第1の隆起線(105)が波状であるとき(図24Dに示す)、第1の隆起線はいくつかの部分で30度超の勾配を有してもよいが、各山の最下点を連結する線は好ましくは、水平面に対する30度超の勾配を有していないと理解される。
同様に、第2の隆起線(106)(図19Aを参照)は波状であってもよい(図示せず)。第2の隆起線(106)が波状であるとき、第2の隆起線はいくつかの部分で30度超の勾配を有してもよいが、各山の最下点を連結する線は好ましくは、水平面に対する30度超の勾配を有していないと理解される。
上述の「波状」の例は、例えば、鋸刃形状、複数ブロック形状、ギザギザ形状など、10〜200の山を有する任意の形状をとり得る。
図24Dを参照すると、第1の隆起線(105)の波状は、図示されるような直線路又は弧状、階段状、若しくは多面状路をたどってもよい。
図27及び図28に示すように、上顎トレー装置(110)は、第1の咬合拡張部(122)を含み、その少なくとも一部が第1のベース部(112)の小臼歯領域から臼歯領域まで下方に延在してもよい。同様に、図11及び図12に示すように、下顎トレー装置(140)は、第2の咬合拡張部(152)を含み、その少なくとも一部が図15に示すように第2のベース部(142)の小臼歯領域から臼歯領域まで上方に延在してもよい。
咬合採得材(又は単に「バイト材」)は当該技術において周知されており、任意の咬合採得材を各種実施形態のいずれと組み合わせてもよい。明細書全体を通じて、「咬合採得材」は、当該技術において既知な任意の咬合採得材、例えば、シリコーン材料、ポリエーテル材料、多硫化物材料、光硬化材料、ワックス、歯科化合物、及び/又は自己硬化材料、及び/又はこれらの任意の組み合わせであってもよい。
図11及び図12では、第2の咬合拡張部(152)と第2の接触部(148)が相互に接触するように示されているが、相互に接触していなくてもよい。
滑り防止要素(124)が、第2の咬合拡張部(152)(図12を参照)に含まれてもよい。滑り防止要素(124)は、内方に延在する切欠き形状又は外方に延在する幾何学的形状をとってもよい。図28に示すように、滑り防止要素(124)はまた、第1の咬合拡張部(122)に含まれてもよい。いくつかの実施形態では、滑り防止要素(124)は、上顎トレー装置(110)の第1のベース部(112)及び/又は下顎トレー装置(140)の第2のベース部(142)(図示せず)に含まれてもよい。
図25及び図31に示すように、第1の咬合拡張部(122)及び/又は第2の咬合拡張部(152)は、図示されるようなブロック形状、又は例えば、円柱状、複数の円柱状、多面形状などの任意のその他の適切な形状をとり得る。第1の咬合拡張部(122)の下面の少なくとも80%は平坦であることが好ましいが必須ではない。同様に、第2の咬合拡張部(152)の上面の少なくとも80%は平坦であることが好ましいが必須ではない。これは、回転自由度及び/又は併進自由度を提供しつつ、咬合採得材への垂直支持を提供するのに役立つ。しかしながら、第1の咬合拡張部(122)の下面及び/又は第2の咬合拡張部(152)の上面は、多面状、多小葉片面状などのその他の構造もとり得ると企図される。
好ましくは、第1の咬合拡張部(122)は、(使用時の患者の歯肉から垂直に測定された場合)3mm〜20mmの高さを有する。好ましくは、第2の咬合拡張部(152)は、(使用時の患者の歯肉から垂直に測定された場合)3mm〜30mmの高さを有する。
第1の咬合拡張部(122)及び第2の咬合拡張部(152)のこれらの構造は有益なことに、上顎トレー装置(110)と下顎トレー装置(140)との間の距離を最小化しつつ、舌のための余地を提供する役割を果たす。また、咬合採得材が使用されるとき、第1の咬合拡張部(122)及び第2の咬合拡張部(152)の構造は、トレー装置システムに安定性を与える役割を果たす.
図16に示すように、第2の隆起線(106)の上端は、回転自由度を高めるのに役立つように、第2の咬合拡張部(152)の上端よりも1ミリメートル〜10ミリメートル高いことが好ましいが必須ではない。
使用中、医師は、例えば、下顎トレー装置(140)の小臼歯領域から臼歯領域で下顎トレー装置(140)の側面を押圧して、下顎トレー装置(140)の傾斜及び/又は滑動を更に防止してもよい。
図3に示すように、いくつかの実施形態では、第1の咬合拡張部(122)は、上顎トレー装置(110)に存在しなくてもよい。本構造は有益なことに、例えば、上顎トレー装置(110)と下顎トレー装置(140)との間(図19Bを参照)及び/又は上顎トレー装置(110)と下顎天然歯(図示せず)との間の回転自由度を増大させる役割を果たす。同様に、第2の咬合拡張部(152)は、下顎トレー装置(140)(図示せず)に存在しなくてもよい。
図27を参照すると、使用中、咬合採得材は、第1の咬合拡張部(122)の下方に置かれてもよい。咬合採得材が配置された後、咬合採得材を噛むように患者に指示してもよい。図25に示す実施形態では、下顎トレー装置(140)が使用されてもよい。咬合採得材は、上顎トレー装置(110)の第1の咬合拡張部(122)と下顎トレー装置(140)の第2の咬合拡張部(152)との間に置かれてもよい。図3に示すように、いくつかの実施形態では、第1の咬合拡張部(122)は、上顎トレー装置(110)に含まれなくてもよい。使用時、咬合採得材は、第1のベース部(112)の第1の下面(116)と第2の咬合拡張部(152)(図19Aを参照)との間に置かれてもよい。いくつかの実施形態では、第2の咬合拡張部(152)は、下顎トレー装置(140)(図示せず)に含まれなくてもよい。よって、咬合採得材は、第1のベース部(112)の第1の下面(116)と第2のベース部(142)の第2の上面(144)(図示せず)との間に置かれてもよい。上述したように、上顎トレー装置(110)はまた、下顎トレー装置(140)なしで使用されてもよい。例えば、図27に示すように、咬合採得材は、第1の咬合拡張部(122)と患者の下顎歯との間に置かれてもよい。例えば、咬合採得材は、第1の咬合拡張部(122)と患者の下顎歯肉との間に置かれてもよい。
また、咬合採得材は使用されなくてもよい。例えば、図25に示すように、医師は、口内の上顎トレー装置(110)及び下顎トレー装置(140)のデジタルスキャンを捕捉しつつ、例えば指圧で下顎トレー装置(140)を下方に押圧してもよい。指圧は、医師、患者、又は歯科助手によって下顎トレーに加えられてもよい。デジタルスキャンは、任意のデジタル装置、例えば、レーザスキャナ、光学スキャナ、コーンビームコンピュータトモグラフィ機、コンピュータトモグラフィ機、磁気共鳴撮像機、超音波デジタイザなどを用いて取得されてもよい。咬合採得材が使用されてもよい。図31に示すように、咬合採得材は、第1の咬合拡張部(122)と第2の咬合拡張部(152)との間に配置して、デジタルスキャンを捕捉し得る。これらの手順後、歯科補綴物は、任意の既知の工程及び/又は臨床診断を経て作製することができ、例えば、歯科インプラント用プランニングを実行し得る。
図25は、好適な一実施形態を示す。図示するように、上顎トレー装置(110)は歯型(130)を含んでもよい。少なくとも1つの歯型(130)を含むことが好ましいが必須ではない。例えば、歯型(130)は、前歯型(132)及び/又は臼歯型(134)を含んでもよい。歯科分野で一般的に定義されるように、「前歯」という文言は、中心切歯、側切歯、又は犬歯を示すことができる。同様に、「臼歯」という文言は、第1の小臼歯、第2の小臼歯、第1の臼歯、第2の臼歯、又は第3の臼歯を示すことができる。上顎トレー装置(110)は、歯肉部(136)も含んでよい。
歯型(130)は、第1のベース部(112)の側面から略下方に延在してもよい。更に、歯型(130)は、対応する歯の一部のみの型を有していてもよい。図28に示すように、例えば、歯型(130)は、顔側表面のみが対応する歯と略同様な形状を有し得る一方、舌側表面は円滑な輪郭を有し得る。舌側面の形状は、特に限定されない。
また、歯型(130)は、対応する歯の顔側表面の一部のみ、例えば、対応する歯の顔側輪郭の少なくとも20%を含んでいてもよい。図32に示すように、上顎トレー装置(110)の第1のベース部(112)は、患者の解剖学的構造に対応する輪郭を含み得る。例えば、第1のベース部(112)は、第1のベース部(112)と患者の解剖学的構造、例えば、繋帯との間の空間を提供するベース部切欠き(137)を含んでもよい。
図25を参照すると、使用時、歯型(130)は、対応する歯の最適位置と略同様の位置にあってもよい。即ち、上顎トレー装置(110)が患者の口内に置かれると、歯型(130)は、対応する歯の最適位置とほぼ同様の位置に置かれ得る。この位置は、任意の方法、例えば、ハミュラーノッチ−切歯乳頭面の利用、及び/又は適当な印象材厚の判定による第1の上面(114)と患者の上顎歯肉の適当な相対位置の判定を用いて決定されてもよい。例えば、シリコーン印象材の厚さは、使用される印象材の量に応じて、0.5ミリメートル〜5ミリメートルであってもよい。決定されたこの厚さは、ハミュラーノッチ−切歯乳頭面の利用などの任意の方法に基づき、上顎トレー装置(110)への歯型(130)の最適位置を決定することができる。上顎中央切歯の最適位置は典型的には、患者の切歯乳頭の前方約10ミリメートル及び下方10ミリメートルであり、患者の咬合面は通常、ハミュラーノッチ−切歯乳頭面と略平行である。
対応する歯の顔側輪郭の少なくとも20%を占める歯型(130)は有益なことに、医師及び患者に患者の口内の歯の位置を視覚化させる役割を果たす。
図28を参照すると、下面図で見るとき、臼歯型(134)は、対応する臼歯の頬部を含んでもよい。より具体的には、例えば、下面図で見たとき、臼歯型(134)は、例えば、対応する臼歯の頬側の20%〜50%のみを占めてもよい。
図29の断面図は、臼歯型(134)が歯型幅(182)を有する例示の実施形態を示す。歯型幅(182)は、頬側−舌側方向の臼歯型(134)の測定値を表す。この幅は対応する歯の20%〜50%であってもよい。例えば、BLUELINE(リヒテンシュタイン、シャーンのIVOCLAR社製)などの義歯の製造業者によって提供される典型的な上顎第1の小臼歯義歯は、約10mmの幅を有し得る。対応する臼歯型(134)は、例えば、2ミリメートル〜5ミリメートルの幅を有し得る。
図29では、第3の破線(534)は、臼歯型(134)と第1の咬合拡張部(122)との間の仮定接合部を示す。第1の咬合拡張部(122)と臼歯型(134)が図示されるように相互に接触すると、臼歯型(134)が、歯の少なくとも一部の形状と略同じ輪郭を有する第1のベース部(112)から下方に延在する上顎トレー装置(110)の一部として画定される一方、第1の咬合拡張部(122)は、第1のベース部(112)から下方に延在する上顎トレー装置(110)の一部として画定され、その少なくとも一部が、小臼歯領域から臼歯領域までの領域において、歯と異なる幾何学的形状を有する。
歯型幅(182)が対応する歯の50%超であるとき、上顎トレー装置(110)は歯型オフセット(184)を含む。第1の咬合拡張部(122)が存在するとき、歯型オフセット(184)は、咬合拡張部の最下点と臼歯型(134)の最下点間の垂直オフセットとして定義される。歯型オフセット(184)は、例えば、1(1)ミリメートル〜15(15)ミリメートルであってもよい。これは有益なことに、顔側に対応する臼歯を有するような外観を有しつつ(図25を参照)、下顎、例えば、第2の咬合拡張部(152)の上面(図31を参照)を起点とする表面のために追加の垂直余地を提供する役割を果たす。
また、図28に最も良く示すように、いくつかの実施形態では、臼歯型(134)は、対応する歯の顔形状及び咬合形状を含んでもよい。いくつかの実施形態では、臼歯型(134)は、対応する歯の顔形状のみを含んでもよい。即ち、臼歯型(134)は前面図では対応する臼歯の外観を有するように見えるが、下方から見ると(図28に示す)、臼歯型(134)は咬合形状(図示せず)を有しているように見えない。例えば、臼歯型(134)は、舌側(図示せず)では略円滑であってもよい。
歯型オフセット(184)は好ましいが必須ではないと理解される。即ち、前歯型(132)及び/又は臼歯型(134)は、対応する歯の頬側−下側輪郭全体を更に含んでもよい。
図28及び図29に戻ると、臼歯型(134)は第1のベース部(112)の第1の下面(116)と一体化されるように示されているが、前歯型(132)及び/又は臼歯型(134)を含んでもよい歯型(130)は他の構造をとり得ると企図される。
例えば、歯型(130)は、第1のベース部(112)、例えば、1又は複数の歯型(130)、第1の接触部(118)、及び1又は複数の第1の咬合拡張部(122)を含む脱着可能片(図示せず)と別個の片として形成されてもよい。脱着可能片は、例えば、ハブと対応するレセプタクル、スナップ嵌め要素、ねじ、クリップ、複数ポストと対応するレセプタクル、ワックス、光硬化材料、糊などを用いて、第1のベース部(112)に脱着可能に装着されるように構成されてもよい。
また、脱着可能片は、第1のベース部に対して任意に製造することができ、空間上又は時間上の制約によって限定されない。例えば、第1のベース部(112)は、無歯個人の口腔の解剖学的構造に適合するように3D印刷又は光硬化材料などを用いてオーダーメイドすることができる一方、脱着可能片(図示せず)は大量に製造されてもよい。逆に、第1のベース部(112)が大量に製造される一方、医師がある範囲の構造から選択できるようにそれぞれが様々な構造を有する複数の脱着可能片が、医師に利用可能であってもよい。例えば、前歯型(132)、第1の接触部(118)及び/又は第1の咬合拡張部(122)はすべて一体片の一部であり、小、中、及び大サイズで製造されてもよい。次に、医師はサイズを選択し、特定の患者に個別に適合する輪郭を有する第1のベース部(112)に製造片を装着し得る。上述の片は、任意の方法、例えばワックス、光硬化材料、ハブとレセプタクルのアセンブリなどを使用して装着され得る。
図28及び図30に最も良く示すように、上顎トレー装置(110)は、例えば、図示されるよりも少ない歯型を含んでもよい。本構造は、例えば、患者の無歯(上顎)隆起の一部が平均よりも大きい状況において有益であり得る。より少ない歯型を含むことは有益なことに、医師が、提案される臼歯型(134)の縦、横、前後の位置だけでなく各種回転方向位置を視覚化し、6度の自由度(X、Y、Z、ロール、ピッチ、ヨー)で最終的な歯の設定に必要な調整を行い得る役割を果たす。
いくつかの実施形態では、既製の義歯が前歯型(132)のために利用されてもよい。例えば、既製の義歯が、ワックスを用いて装着されてもよい、又は上顎トレー装置(110)にスナップ嵌めされてもよい。当該技術において既知な任意の装着方法を利用し得る。
図25を参照すると、いくつかの実施形態では、第2の接触部(148)及び/又は第2の咬合拡張部(152)は、第2のベース部(142)と一体化されなくてもよい。例えば、第2の接触部(148)及び第2の咬合拡張部(152)は一体片の一部であってもよいが、ワックス、光硬化材料、ハブ及びレセプタクルアセンブリなどの任意の方法を用いて第2のベース部(142)に脱着可能に装着されてもよい。
図32、図33、及び図34を参照すると、いくつかの実施形態では、下顎トレー装置(140)は、少なくとも3つ、より好ましくは少なくとも4つの歯肉接触部(241)を含んでもよい。図34を参照すると、各歯肉接触部(241)は各自の歯肉接触面(243)を含む。各歯肉接触面(243)は、患者の無歯歯肉と接触するように構成される。好ましくは、各歯肉接触面(243)の少なくとも80%(面積)は、患者の下顎無歯歯肉と緊密に接触するように構成される。
図32を参照すると、歯肉接触部(241)は、医師が、歯肉接触面(243)と患者の無歯歯肉及び/又は歯科模型の無歯歯肉部との間の緊密な接触が存在するか否かを視覚化するのに役立つ。歯科分野では、複製である歯科模型の歯肉部が、患者の実際の口腔構造に完全に合致しないことが問題である。口内に存在しない水泡、気泡、外方拡張部、及び/又は変形が、歯科模型に生じる場合がある。例えば、これらの不一致は、印象材内の気泡、及び/又は印象採得中に存在する患者の唾液、及び/又は印象材の粘度の差異(例えば、仮印象対最終印象でのために使用される印象材差異)のせいで形成され得る。各歯肉接触面(241)が相互に離れているため、医師は、歯肉接触部(241)が患者の無歯歯肉及び/又は歯科模型の無歯歯肉部と緊密に接触しているか否かを邪魔されずに視覚化し、必要に応じて接触を密にするように歯肉接触部(241)を調節することができる。各歯肉接触面(243)は好ましくは、少なくとも4(4)平方ミリメートル(mm)のサイズである。各歯肉接触部(241)は、少なくとも6(6)ミリメートル、より好ましくは少なくとも10(10)ミリメートル相互に離れている。上述の距離は、各歯肉接触部(241)の最も頂部の遠位端間で測定される。これらの構造は、下顎トレー装置(140)の安定化と、緊密な接触に関する視覚化を提供する(図30を参照)。上述の「模型」は歯科用硬質石膏で作製される模型のような物理的模型であってもよいし、患者の無歯歯肉のデジタル表示のような仮想モデルであってもよい。
いくつかの実施形態では、上顎トレー装置(110)の第1のベース部(112)は、第1のベース部(112)から上方に延在して、患者の上顎歯肉と接触する役割を果たす少なくとも1つの上顎歯肉接触面(図示せず)を含んでいてもよい。印象材が使用されるとき、上顎歯肉接触面は有益なことに、使用中に第1のベース部(112)が上顎歯肉に近すぎて配置されることを防止する役割を果たす。
図27を参照すると、上顎トレー装置(110)は、対応する領域において天然歯肉の概略輪郭を有するように形成され得る歯肉部(136)を更に含んでいてもよい。
いくつかの実施形態では、歯肉部(136)と歯型(130)は異なる色を有していてもよい。例えば、歯肉部(136)は略ピンク色であり、歯型(130)は略白色であってもよい。これは、天然歯肉及び歯のそれぞれに外観上の類似性を提供する際に有益である。これは、手動工程又はコンピュータ実施工程によって達成され得る。例えば、手動工程は、ピンクベースの板材(例えば、自己硬化樹脂系材料又は光硬化材料)などのピンク色の材料を利用することを含んでもよい。また、更なる向上のため、ピンク色のワックスを利用してもよい。もしくは、コンピュータ実施工程を採用してもよい。
例えば、多色対象物を製造可能な製造業者を利用してもよい。例えば、歯型(130)は白色などの天然歯と略同様の色で作製され、歯肉部(136)はピンク色などの天然歯肉と略同様の色で作製されてもよい。
これは、オランダ、ゲルダーマルセンのULTIMAKER社製ULTIMAKER3などの多ノズル追加型製造装置を使用して実行し得る。多色対象物を作製可能な他の製造装置としては、ミネソタ州エデン・プレイリーのSTRATASYS社製OBJET260CONNEX3などのSLA型製造装置が含まれる。多色製造用コンピュータ実施方法は当該技術においてよく知られており、例えば、仮想歯型のライブラリの利用、及び仮想歯肉部から仮想歯型を分離するブーリアン減算の利用などの任意の方法を実行し得る。
上述の色「ピンク」は、ヒトの歯肉に略類似する任意の色、例えば、淡い赤ピンク、淡いオレンジ、エスニックピンク、又は当該技術において既知の任意の人工歯肉色であってもよいと理解される。また、上述の色「白」は、任意の色、グラデーション、若しくはA1、A2、A3、B1、B2、B3などのヒトの歯に略類似する色の組み合わせ、又は色調、色調のグラデーション、若しくは任意のその他の歯色、諧調度、又は当該技術において既知な色の組み合わせであってもよい。
さらにまた、ヒトの口腔内に見られない色を使用してもよく、例えば、青色、緑色、グラデーション、又はその他の任意の色、又はそれらの色の組み合わせを使用してもよい。これは、下顎トレー装置(140)などのトレー装置が、作製される歯科補綴物に似せた輪郭を有することを目的としていないことを患者及び/又は医師に伝え、混同を防止する目的に供する。口腔内に見出される色と異なる色を利用する別の例では、デジタル合成画像における背景のため、上顎トレー装置(110)、下顎トレー装置(140)、又はそれらの組み合わせを利用する。即ち、例えば、上顎トレー装置(110)及び下顎トレー装置(140)に緑色を利用し得る。
上顎トレー装置(110)及び下顎トレー装置(140)が口内にある間に患者の笑顔のデジタル写真を撮影してもよい。演算装置を利用して、歯のデジタル画像などの画像と患者の表示区域に対応する領域(患者の唇を境界とする領域)とを合成し得る。これは、患者が様々な可能な歯の設定を視覚化するという目的に役立つ。上述の手順は、3次元で、例えば、カリフォルニア州サンタクララのIntel社製REALSENSEカメラなどの3Dカメラを用いても実行し得る。さらにまた、上述したように、周囲領域と異なる色の線、曲線、グリッドなどを、以下の工程で義歯などの構成要素の位置合わせを支援するため、例えば上顎トレー装置(110)の少なくとも顔側面に設けてもよい。
接着剤製造に適した材料、例えば、ABSやPLAなどのフィラメント型材料、DENTAL SG樹脂(FORMLABS)やVERODENT(STRATASYS)などの光硬化材料、Co−Crなどの金属(例えば、EBM工程の利用)を利用してもよい。任意の金属、合金、樹脂、セラミックなどの除去製造に適した材料を使用してもよい。
いくつかの実施形態では、上顎トレー装置(110)の少なくとも一部及び/又は下顎トレー装置(140)の少なくとも一部は、材料毎に変動し得る厚さを含んでもよい。例えば、上述したように、約30MPaの引張強度を有する3D印刷PLA材料は、例えば、引張強度が約50〜60MPaのVERODENT材料又は引張強度が約260〜840MPaのCo−Cr合金よりも多くの体積を要する場合がある。ヒトは約400Nの咬合力を有することが分かっているため、様々な特徴を設計する際、材料の種類が重要である。
いくつかの実施形態では、上顎トレー装置(110)の少なくとも一部及び/又は下顎トレー装置(140)の少なくとも一部は、熱可塑性材料で作製されてもよい。即ち、上顎トレー装置(110)及び/又は下顎トレー装置(140)の少なくとも一部は、室温を超える温度で成形可能だが室温では略剛体である材料で作製されてもよい。
例えば、使用時、熱可塑性トレーは、トレーの少なくとも一部を水浴内で加温して成形可能な粘稠性を達成し、口内にトレーを置く又はトレーを口の少なくとも一部を表す歯科模型上に置くことによって、患者の口の少なくとも一部により緊密に適合する輪郭のトレーを形成し得る。
例えば、適切な熱可塑性材料は、発泡ポリスチレン(EPS)、ポリスチレン誘導体、ポリ(メタ)クリレート、ポリ(メタ)クリレート誘導体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリイソプレン誘導体、ポリウレタン、ポリウレタン誘導体又はエチレンコポリマー、歯科化合物、ワックスなどを含み得る。
図6を参照すると、いくつかの実施形態では、材料の組み合わせが使用されてもよい。例えば、第1の接触部(118)はプラスチックなどの高温溶融範囲の材料で製造され、第1のベース部(112)は熱可塑性材料などの低温溶融範囲の材料で製造されてもよい。これは、マルチショット射出成形やオーバーモールドなどの任意の既知の方法を用いて達成し得る。これは、第1の接触部(118)の形状を保持しつつ、ベース部を患者個人の解剖学的構造に適合させる役割を果たす。
いくつかの実施形態では、上顎トレー装置(110)の少なくとも一部及び/又は下顎トレー装置(140)の少なくとも一部は、光硬化材料で作製してもよい。例えば、適切な光硬化材料は、ウレタンジメタクリラート系材料、トリエチレングリコールジメタクリラート系材料などを含み得る。例えば、上顎トレー装置(110)は、患者の無歯解剖学的構造の石膏模型上にオーダーメイドされてもよい。例えば、第1の接触部(118)は大量に製造され、第1のベース部(112)は患者個人の解剖学的構造に適合するように製造されてもよい。
いくつかの実施形態では、上顎トレー装置(110)の少なくとも一部及び/又は下顎トレー装置(140)の少なくとも一部は、化学硬化材料で作製されてもよい。例えば、適切な化学硬化材料は、ポリメチルメタアクリレート、ポリアクリレート、複合樹脂などを含み得る。
本発明は、歯科分野への適用を有する。

Claims (16)

  1. 患者用の咬合採得を得るトレー装置システムであって、
    前記トレー装置システムが上顎トレー装置を備え、
    前記上顎トレー装置が、第1のベース部及び第1の接触部を備え、
    前記第1のベース部が、第1の下面の反対側の第1の上面と、上から見て略U字状である第1の中間部と、前記第1の中間部の内側から少なくとも10度の勾配で上方に延在する第1の内側部と、を備え、
    前記第1の接触部が、前記第1のベース部から下方に延在し、かつ第1の接触面を備え、
    前記第1の接触面が、下から見て横幅の少なくとも2倍の前後長を有するように構成され、
    前記第1の接触面が、第1の隆起線を備え、
    前記第1の隆起線が、10ミリメートル未満の前後長を有し、かつ前記第1の隆起線の中間点を備え、
    前記第1のベース部が、下から見て第1の横正中線と、第1のベース部の前端と、を更に備え、
    前記第1の隆起線の中間点が、下から見て前記第1の横正中線の前方に位置し、
    前記第1の隆起線の中間点が、前記第1のベース部の前端の後方に位置し、
    前記第1の接触部が、前記患者が噛むときに前記患者の下顎を起点とする表面と接触するように構成される、トレー装置システム。
  2. 前記第1のベース部が、45ミリメートル〜90ミリメートルの第1のベース部長さを有する、請求項1に記載のトレー装置システム。
  3. 前記第1の接触面が、15ミリメートル以下の第1の接触面幅を有する、請求項1に記載のトレー装置システム。
  4. 前記第1の接触面が、横断面から見て下方集束している、請求項1に記載のトレー装置システム。
  5. 前記第1のベース部が、第1の側方部を更に備え、この第1の側方部が、前記第1の中間部の側方側から少なくとも10度の勾配で上方に延在している、請求項1に記載のトレー装置システム。
  6. 前記第1の隆起線が、15ミリメートル〜60ミリメートルの前後長を有する、請求項1に記載のトレー装置システム。
  7. 前記第1の隆起線と前記患者の上顎歯肉との間の垂直距離が、3ミリメートル〜20ミリメートルとなるように構成される、請求項1に記載のトレー装置システム。
  8. 前記上顎トレー装置が、少なくとも1つの歯型を更に備える、請求項1に記載のトレー装置システム。
  9. 前記上顎トレー装置が、少なくとも1つの第1の咬合拡張部を更に備え、この第1の咬合拡張部の少なくとも一部が、小臼歯領域から臼歯領域までに配置されている、請求項1に記載のトレー装置システム。
  10. 前記第1の隆起線が、縦断面から見て直線状である、請求項1に記載のトレー装置システム。
  11. 前記第1の隆起線が、縦断面から見て弧状である、請求項1に記載のトレー装置システム。
  12. 前記第1の隆起線が、縦断面から見て多面状である、請求項1に記載のトレー装置システム。
  13. 前記第1の隆起線が、縦断面から見て波状であり、かつ10〜200の山を含む、請求項1に記載のトレー装置システム。
  14. 前記第1のベース部が、少なくとも1つの開口を画定している、請求項1に記載のトレー装置システム。
  15. 下顎トレー装置を更に備え、
    この下顎トレー装置が、第2のベース部及び第2の接触部を備え、
    前記第2のベース部が、下から見てU字状であり、かつ第2の下面の反対側の第2の上面を備え、
    前記第2の接触部が、前記第2のベース部から上方に延在し、前記第2の接触部が、上から見て前後幅の少なくとも2倍である横幅を有するように構成された第2の接触面を備え、
    前記第2のベース部が第2の縦正中線を備え、
    前記第2の接触面が第2の隆起線を備え、
    前記第2の隆起線が、上から見て80度〜100度で前記第2の縦正中線に交差し、
    前記第1の接触部及び前記第2の接触部が、前記上顎トレー装置及び前記下顎トレー装置が患者の口内に据えられた状態で患者が噛むときに相互に接触するように構成される、請求項1に記載のトレー装置システム。
  16. 前記第2のベース部が、上から見て第2の横正中線と、第2のベース部の前端と、を備え、
    記第2の隆起線が、第2の隆起線の中間点を備え、
    前記第2の隆起線の中間点が、前記第2の横正中線の前方に位置し、
    前記第2の隆起線の中間点が、前記第2のベース部の前端の後方に位置する、請求項15に記載のトレー装置システム。


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