JP2020069128A - 作業用模型における顎堤吸収している状態を見出す測定装置とその方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】可能な限り違和感のない歯科補綴物を作製するために、作業用模型における顎堤吸収している状態を見出す測定装置とその測定装置を使用して、作業用模型における顎堤吸収している状態を見出す方法を提供する。【解決手段】左側顎堤と右側顎堤とを具備する作業用模型における正中線に押し当てるための伸縮可能なセンタースピンドル部20と、センタースピンドル部に対して、互いに対称に開くように配置された第1脚部30と、第2脚部40と、を有し、センタースピンドル部は、正中線に対し収縮するように、押し当てるときに、第1脚部と前記左側顎堤との接近、又は、第2脚部と右側顎堤との接近、のいずれか一方が、その接近により接触したときに、いずれか他方が離間することによって左側顎堤または右側顎堤において、顎堤吸収された部位を見出すことができる測定装置である。【選択図】図1
Description
本発明は、歯科補綴物の装着時に違和感のない、その歯科補綴物作製するために、作業用模型における顎堤吸収している状態を見出す測定装置とその測定装置を使用して、作業用模型における顎堤吸収している状態を見出す方法に関するものである。
従来は、齲蝕や歯周病などによって失われた機能の回復するために歯科補綴物を作製していた。しかしながら、近年患者のニーズは、齲蝕や歯周病などによって失われた機能の回復だけに留まらず、義歯の設計・製作において、失われた口腔の形態および審美性の回復および改善に及ぶものである。すなわち、適切に歯科補綴物を作製すると、その患者において義歯装着時の違和感がなくなるのみならず、発音障害も軽減されることで、精神的な負担を軽減することもできる。
このように、可能な限り違和感のない歯科補綴物を作製することができれば、患者に恩恵をもたらすことができる。そこで、特表2018―500071号公報によると、義歯床(1)と複数の人工歯(4、14)とを有する歯科用補綴物の作製方法であって、
当該方法は、仮想人工歯と仮想義歯床とを有する、形成すべき前記歯科用補綴物の仮想三次元歯科用補綴物モデルを用いて実施され、以下の時系列のステップ、すなわち、
A)物理的咬合床(10)を作製するステップであって、該咬合床(10)の表面領域を、前記仮想歯科用補綴物モデルの前記仮想人工歯の歯冠側のネガ型によって形成し、前記仮想人工歯相互間の相対的な位置および配向を、前記仮想歯科用補綴物モデルに従い、前記咬合床(10)の表面形状において維持する、ステップと、
B)既製の人工歯(4、14)を前記咬合床(10)に排列および固定するステップであって、前記既製の人工歯(4、14)の歯冠側を、前記ネガ型により形成された前記咬合床(10)の表面に排列する、ステップと、
C)前記咬合床(10)を、該咬合床に固定された前記人工歯(4、14)と共に、三次元プラスチック構造の積層造形装置に固定するステップと、
D)前記三次元プラスチック構造の積層造形装置によって、前記仮想義歯床の形状に基づき、前記人工歯(4、14)の基底側端部(8)に前記義歯床(1)をプリントするステップと、を含むことを特徴とする、歯科用補綴物の作製方法が開示されている。
当該方法は、仮想人工歯と仮想義歯床とを有する、形成すべき前記歯科用補綴物の仮想三次元歯科用補綴物モデルを用いて実施され、以下の時系列のステップ、すなわち、
A)物理的咬合床(10)を作製するステップであって、該咬合床(10)の表面領域を、前記仮想歯科用補綴物モデルの前記仮想人工歯の歯冠側のネガ型によって形成し、前記仮想人工歯相互間の相対的な位置および配向を、前記仮想歯科用補綴物モデルに従い、前記咬合床(10)の表面形状において維持する、ステップと、
B)既製の人工歯(4、14)を前記咬合床(10)に排列および固定するステップであって、前記既製の人工歯(4、14)の歯冠側を、前記ネガ型により形成された前記咬合床(10)の表面に排列する、ステップと、
C)前記咬合床(10)を、該咬合床に固定された前記人工歯(4、14)と共に、三次元プラスチック構造の積層造形装置に固定するステップと、
D)前記三次元プラスチック構造の積層造形装置によって、前記仮想義歯床の形状に基づき、前記人工歯(4、14)の基底側端部(8)に前記義歯床(1)をプリントするステップと、を含むことを特徴とする、歯科用補綴物の作製方法が開示されている。
しかしながら上記作製方法は、いわゆる、デジタルデータを取得して3次元プリンターで作製するといういわば、デジタル的な手法を用いるものであり、その作製方法を構築するには、多大なコストがかかることになる。
一方で従来からのいわばアナログ的な手法の歯科用補綴物の作製方法があり、その方法によれば多大なコストがかさむことがない。よって、その方法においても可能な限り違和感のない歯科補綴物を作製することが求められている。そこで、違和感のない歯科補綴物を作製するためには、作業用模型における顎堤吸収されている部分を見出し、これを修復することが求められている。
本発明は前記の点に着目してなされたもので、可能な限り違和感のない歯科補綴物を作製するために、作業用模型における顎堤吸収している状態を見出す測定装置とその測定装置を使用して、作業用模型における顎堤吸収している状態を見出す方法を提供することを課題とする。
前記の課題を解決するため、第1観点の測定装置は、左側顎堤と右側顎堤とを具備する作業用模型における正中線に押し当てるための伸縮可能なセンタースピンドル部と、センタースピンドル部に対して、互いに対称に開くように配置された第1脚部と、第2脚部と、を有し、センタースピンドル部は、正中線に対し収縮するように、押し当てるときに、第1脚部と左側顎堤との接近、又は、右側顎堤との接近、のいずれか一方が、その接近により接触したときに、いずれか他方が離間することによって、左側顎堤または右側顎堤において、顎堤吸収された部位を見出すことができるというものである。
第2観点の測定方法は、作業用模型における正中線を基準にして左側顎堤と右側顎堤の吸収度合を、第1観点の測定装置を用いて計測することによって作業用模型における顎堤吸収された部位を見出すための顎堤吸収部の測定工程と、顎堤吸収部の測定工程において、顎堤吸収された部位を見出し、作業用模型の左側顎堤における顎堤吸収されている部分に、歯科技工士がパラフィンワックスを築盛することで、作業用模型の正中線に対し、左側顎堤と、右側顎堤の顎堤の形態を対称にする顎堤吸収部の修正工程と、を有するというものである。
第3観点の測定方法は、第2観点において、顎堤吸収部の測定工程は、センタースピンドル部は、正中線に対し収縮するように、押し当てるときに、第1脚部と左側顎堤との接近、又は、第2脚部と右側顎堤との接近、のいずれか一方が、その接近により接触したときに、いずれか他方が離間することによって左側顎堤または右側顎堤において、顎堤吸収された部位を見出すことができるというものである。
本発明は、以上の如く構成されるため、可能な限り違和感のない歯科補綴物を作製するために、作業用模型における顎堤吸収している状態を見出す測定装置とその測定装置を使用して、作業用模型における顎堤吸収している状態を見出す方法を提供することができる。
以下本実施例について説明する前に、本実施例の歯科補綴物を作製方法に使用する測定装置について説明する。測定装置10は、伸縮可能な収縮部21を有するセンタースピンドル部20と、そのセンタースピンドル部20に対して、互いに対称に配置された第1脚部30と、第2脚部40と、それらを接続する接続部50と図示しない作業者が持つ把持部60と、を有する。尚、接続部50の内部には、センタースピンドル部20に対して、第1脚部30と、第2脚部40と、が互いに対称に開くように、第1脚部30と、第2脚部40とのそれぞれの上端に第1歯車31と第2歯車41とを配置し、互いにそれらがかみ合うように配置されている。なお、センタースピンドル部20′は、収縮部21が収縮した状態を表している。
測定装置10は、全体として、いわば、玩具のやじろべー、すなわち釣合人形ともいうべきものに近似するものである。あるいは、文房具のコンパスの両脚部の中央に、上述のセンタースピンドル部20を付加したようなものである。また、センタースピンドル部20の内部に図示しないコイルバネを内包することによって、押圧することによって伸縮する収縮部21を有する構成である。尚、図2Aにおけるセンタースピンドル部20は、最大長さを呈している。また、図2Bにおいては、センタースピンドル部20は収縮した状態を呈している。
また、上記のとおり第1脚部30と、第2脚部40は、その第1脚部30の上端に配置された第1歯車31と、その第2脚部40の上端に配置された第2歯車41と、が互いにかみ合うことで、センタースピンドル部20に対して、互いに対称に配置され、第1脚部30を開くと、第2脚部40も同じ角度を有するように、互いに対称に開くものであるので、第1脚部30と、第2脚部40と、は、センタースピンドル部20に対して、対称となる位置を指し示すことができる。
測定装置10は、後述するように、作業用模型100(図3参照)における正中線101に、センタースピンドル部20を押し付けるように配置し、互いに対称に配置された第1脚部30と、第2脚部40とを、それぞれ、作業用模型100における左側顎堤110と右側顎堤120に押し当てる。この際に、作業用模型における左側顎堤110の部分と右側顎堤120の部分とのいずれかが、いわゆる顎堤吸収している状態を呈していると、その押し当てているセンタースピンドル部20が収縮したとしても、第1脚部30と、第2脚部40のいずれかが、作業用模型100における左側顎堤110または右側顎堤120に接するものの、いずれか他方は接しないで離間した状態となる。
すなわち、伸縮可能な収縮部21を有するセンタースピンドル部20を作業用模型100における正中線101に押し当てる。第1脚部30と、第2脚部40は、センタースピンドル部20に対して、互いに対称に開くように配置されているために、例えば、第1脚部30と、前記作業用模型100における左側顎堤110と、の接近、あるいは、第2脚部40と、作業用模型100における右側顎堤120と、の接近により、いずれか一方が接触したときに、いずれか他方が離間することによってその作業用模型における顎堤吸収された部位110aを見出すことができる。ここで、顎堤吸収とは、歯槽骨の吸収によって起こる欠損部顎堤の形態的変化をいう。
このように、たとえば、作業用模型100における左側顎堤110がいわゆる顎堤吸収している状態であれば、第2脚部40は、右側顎堤120に接するものの、第1脚部30は、左側顎堤110に接しない状態となる。すなわち、第1脚部30と、左側顎堤110とは、離間している状態となる。このように、測定装置10は、作業用模型100における正中線101に対し、その作業用模型100における左右に配置された左側顎堤110または右側顎堤120との形状が対称でないことを見出すことができる。図4A、Bにおいては、第1脚部30と、前記作業用模型100における左側顎堤110とが離間した状態となりそれらが接しない状態を呈しているので、左側顎堤110に顎堤吸収された部位110aを見出すことができる。
このように、第1脚部30または第2脚部40とのいずれかが、接しない状態となる部分(例えば部位110a)に後述のパラフィンワックス150を築盛することで、作業用模型100の正中線101に対し、その作業用模型100の左側顎堤110と右側顎堤120との顎堤の形態を対称にすることができるというものである(図5参照)。このように、歯科技工士が、作業用模型100の正中線101に対し、その作業用模型100の左側顎堤110と右側顎堤120との顎堤の形態を対称に修正することで、正中線101に対し左右対称の作業用模型100を使用して、後述の歯科補綴物300を作製することで、患者に対し違和感のないその歯科補綴物300を提供することができる。
次に、歯科補綴物300を作製する方法を説明する。1例として、患者は61歳、男性で義歯装着経験が全くない状態で現在に至っている。義歯を装着する目的は、患者の上顎前歯部の審美性の回復および口腔機能の回復である。
歯科補綴物300を作製する方法とは、歯科医師により、患者の口腔内を診査および診断する。次に、歯科技工士はその診査によって得た知見を活用し、図示しない研究用模型の製作を行う(研究用模型製作工程s500)。
次に、歯科技工士は、図示しない個人トレーを製作する。歯科医師は、その個人トレーを活用し患者の、口腔内の印象を採取する(個人トレー製作工程s510)。
歯科技工士は、作業用模型100の製作と咬合床200の製作を行う(作業用模型製作工程s520)。例えば、本症例の作業用模型100を図6に示す。公知の方法によって、図6における咬合床200の製作を行う。義歯外形は治療用義歯を参考に行い、例えば、上述の患者の場合は上顎第二大臼歯後方部まで義歯床を延長する。なお、治療用義歯とは、治療中の患者の顔貌や咀嚼能率の回復、歯周組織の安静、義歯を受け入れるための訓練に使用する義歯である。
次に、歯科医師によって、咬合採得をし、その完了後、歯科技工士が咬合器201に作業用模型100を装着する(図7)(咬合器装着工程s530)。
歯科技工士は、歯科医師によって選択された人工歯210、210では、左右の間隙量が異なるため、右左側で人工歯210の大きさ、形態を変えて排列を行った(図8参照)。ここで、左右の間隙量とは、欠損部の間隙量をいう。人工歯210は、患者の顎の形と大きさ、顔の形性別などを考慮した形態などで選択される。本症例のように左右の中切歯が残存している場合、中切歯の大きさから、側切歯、犬歯の大きさが決められるものの、そのスペースが不足したため、小さめの人工歯を選択した。なお、モールドを変えるとは、人工歯の大きさや形態を変えることをいう。また、この例において第二大臼歯部は間隙量が少ないため、人工歯を排列せず、義歯床220のみを付与した(図8参照)。
歯列や正中線(顔の左右の中心を示す線)が蝋義歯に対し、ずれていないか確認するための試適を行う。なお、蝋義歯とは咬合採得後、咬合床200に人工歯排列し、最終義歯の外形を蝋で整えたものである。
上述の試適を行い、歯並び等の審美性の回復や咬合関係の確認などの最終調整確認した後に、歯科技工士は、作業用模型100と人工歯210の位置関係を正しく記録するため石膏コアで採得する。採得後、咬合床200を取り外し、作業用模型100の正中線101に対し、その作業用模型100の顎堤(左側顎堤110および右側顎堤120)の左右対称性を計測する(図4A、B参照)。計測には測定装置10を用い、作業用模型100における正中線101を基準にして左側顎堤110と右側顎堤120の吸収度合を計測する。
具体的には、作業用模型100の正中線101に、測定装置10における伸縮可能なセンタースピンドル部20を押し付ける。このときに、その測定装置10における第1脚部30と、第2脚部40と、は、それぞれ、左側顎堤110と右側顎堤120と、に接触させることでその測定を行う(顎堤吸収部の測定工程s540)。
すなわち、患者の左側顎堤と右側顎堤の吸収度合は、左右で異なる場合が多く、センタースピンドル部20を作業用模型100の正中線101に押し付けると、その伸縮部21が徐々に収縮し、センタースピンドル部20に対し、互いに対称に開いた第1脚部30または、第2脚部40が、上記のとおり、左側顎堤110または、右側顎堤120に、接触する。
その際に、左側顎堤110または、右側顎堤120が対称であれば、第1脚部30が左側顎堤110に接触すると同時に、第2脚部40が右側顎堤120に接触する。しかしながら、左側顎堤110が、いわゆる顎堤吸収されている場合は、顎堤低吸収されていない右側顎堤120に、第2脚部40が接触するものの、第1脚部30は、左側顎堤110に接触しないということになる。
すなわち、上記のとおり、伸縮可能な収縮部21を有するセンタースピンドル部20を作業用模型100における正中線101に押し当てるとその収縮部21が収縮する。第1脚部30と、第2脚部40は、センタースピンドル部20に対して、互いに対称に開くように配置されているために、例えば、第1脚部30と作業用模型100における左側顎堤110とが接近するとともに、第2脚部40と作業用模型100における右側顎堤120とが接近すると、顎堤吸収されている部位110aを有する左側顎堤110と、第1脚部30とは離間した状態を呈するとともに、第2脚部40と作業用模型100における右側顎堤120とは、接するということになる(図4A、B参照)。
従って、センタースピンドル部20を、正中線101に対し収縮するように、押し当てるときに、第1脚部20と左側顎堤110との接近、又は、第2脚部30と右側顎堤120との接近により、いずれか一方が、その接近により接触したときに、いずれか他方が離間することによって左側顎堤110または前記右側顎堤120において、顎堤吸収された部位110aを見出すことができる。このように、作業用模型100において、顎堤吸収された部位101aを見出すことができることは上述のとおりである。
このように、上述の顎堤吸収部の測定工程s540において、作業用模型100における顎堤吸収された部位110aを見出した場合において、作業用模型100の左側顎堤110における顎堤吸収された部位100aに、歯科技工士がパラフィンワックス150を築盛(図9参照)することで、作業用模型100の正中線101に対し、左側顎堤110と、右側顎堤120の顎堤の形態を対称にする(顎堤吸収部の修正工程s550)。
このように、作業用模型100における顎堤吸収された部位110aを見出し、その部分を歯科技工士がパラフィンワックス150を築盛することでその正中線101に対し、対称な形態の作業用模型100を制作することができる。よって、この作業用模型100を活用することで、抜歯によって顎堤吸収された部位110aを、補うことで対称な形態にした歯科補綴物300を提供することができ、患者が、その歯科補綴物300を装着した場合に違和感のない歯科補綴物300を装着することができる。
その後、作業用模型100から咬合床200を撤去する。その後、石膏コアを用いて人工歯210を作業用模型100に戻す(図10)。図10の状態が健全な口腔内(口蓋部や舌側部が抜歯前に近い形態)を模したもので機能美デザインの根幹となる。
次に、歯科技工士が人工歯210の位置や歯肉形成による形態回復などで、健全な口腔内の再現を行う(健全な口腔内は、治療用義歯によって得られた診断を参考に構築する)。その後、歯科用石膏を用いて、口蓋コア240を製作する。なお歯科用石膏は標準混水比で練和して用いる。作業用模型100には図示しない石膏分離材を薄く塗布した後、口蓋コア240の採得は歯頸部付近まで行う。作業用模型100と口蓋コア240の関係を図10に示す(デンチャー設計工程s560)。
コア採得完了後、歯科技工士がメタルフレーム製作のため、作業用模型100に外形線160を記入する(図11参照)。また、耐火模型製作のためのブロックアウトおよびリリーフは通法に従って行う(図12参照)(メタルフレーム作製工程s570)。
また以下の方法は公知のものであるので、簡単な説明にとどめる。メタルフレーム製作のための外形線を耐火模型に転記する。なお、歯科用コバルトクロム合金を使用する場合、高温鋳造用リン酸塩系埋没材を用いる。
歯科技工士は、ワックスアップに先立ち、耐火模型(リン酸塩系埋没材でつくられた模型)上に石膏コアを戻し、石膏コア材にはワックス分離材を塗布する。
次に、歯科技工士は、石膏コアと耐火模型との唇頬側のすき間から、インレーワックスを流し込む。インレーワックスが硬化した後、ワックス分離材の効果で石膏コアがスムーズに取り外せるので石膏コア撤去して維持装置部分からワックスアップを開始する。ワックスアップで注意することは、ワックスの厚みを周囲歯肉の厚さに合わせるようにするため、ステップルシートワックスを0.35mmの薄いものを使用することができる。
アズキャスト250の状態を図13に示す。研磨は通法に従って行う(埋没・重合・研磨工程s590)。フレーム外形の適合は、床縁から0.5mm手前を切削加用具のカーバイドバー・ラウンドで加工することで、辺縁が反って適合を向上させる。なお、アズキャスト250とは、鋳造して埋没材から取り出したままで、なんらの熱処理や熱加工を加えていない状態のことをいう。
フレーム製作が完了した後、排列位置を図8と同様に設定する。人工歯は石膏コアに嵌め、軟化したパラフィンワックスでフレームと一体化させ、硬化後、歯肉形態を整えて完了となる。人工歯を石膏コアに嵌めた状態をインデックスと呼び、これを用いない場合は患者に再度の試適を課すこととなる(インデックスを用いた排列・歯肉形成工程s580)。
次に流し込みレジンを用いて重合を行う。レジン研磨は通法に従って行い完成させる(15参照)。このように、上記方法を使用して、製作した作業用模型100を活用することで、抜歯によって顎堤吸収された部位110aを、補うことで対称な形態にした歯科補綴物300を提供することができ、患者が、その歯科補綴物300を装着した場合に違和感のない歯科補綴物300を製作することができる。よって、顎堤形態を左右対称に回復をさせることで、患者に対して、舌触りの違和感を解消させることができる。
10 測定装置
20 センタースピンドル部
21 収縮部
30 第1脚部
40 第2脚部
50 接続部
60 把持部
s500 研究用模型製作工程
s510 個人トレー製作工程
s520 作業用模型製作工程
s530 咬合器装着工程
s540 顎堤吸収部の測定工程
s550 顎堤吸収部の修正工程
s560 デンチャー設計工程
s570 メタルフレーム製作工程
s580 インデックスを用いた排列・歯肉形成工程
s590 埋没・重合・研磨工程
20 センタースピンドル部
21 収縮部
30 第1脚部
40 第2脚部
50 接続部
60 把持部
s500 研究用模型製作工程
s510 個人トレー製作工程
s520 作業用模型製作工程
s530 咬合器装着工程
s540 顎堤吸収部の測定工程
s550 顎堤吸収部の修正工程
s560 デンチャー設計工程
s570 メタルフレーム製作工程
s580 インデックスを用いた排列・歯肉形成工程
s590 埋没・重合・研磨工程
Claims (3)
- 左側顎堤と右側顎堤とを具備する作業用模型における正中線に押し当てるための伸縮可能なセンタースピンドル部と、
前記センタースピンドル部に対して、互いに対称に開くように配置された第1脚部と、第2脚部と、を有し、
前記センタースピンドル部は、前記正中線に対し収縮するように、押し当てるときに、
前記第1脚部と前記左側顎堤との接近、又は、前記第2脚部と前記右側顎堤との接近、のいずれか一方が、その接近により接触したときに、いずれか他方が離間することによって前記左側顎堤または前記右側顎堤において、顎堤吸収された部位を見出すことができる測定装置。 - 作業用模型における正中線を基準にして左側顎堤と右側顎堤の吸収度合を、前記請求項1記載の測定装置を用いて計測することによって作業用模型における顎堤吸収された部位を見出すための顎堤吸収部の測定工程と、
前記顎堤吸収部の測定工程において、顎堤吸収された部位を見出し、作業用模型の左側顎堤における顎堤吸収されている部分に、歯科技工士がパラフィンワックスを築盛することで、作業用模型の正中線に対し、左側顎堤と、右側顎堤の顎堤の形態を対称にする顎堤吸収部の修正工程と、を有する作業用模型修正方法。 - 前記顎堤吸収部の測定工程は、前記センタースピンドル部は、前記正中線に対し収縮するように、押し当てるときに、
前記第1脚部と前記左側顎堤との接近、又は、前記第2脚部と前記右側顎堤との接近、のいずれか一方が、その接近により接触したときに、いずれか他方が離間することによって前記左側顎堤または前記右側顎堤において、顎堤吸収された部位を見出すことができる請求項2記載の作業用模型修正方法。
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