JP2019064049A - 樹脂成形体の製造方法 - Google Patents

樹脂成形体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2019064049A
JP2019064049A JP2017189606A JP2017189606A JP2019064049A JP 2019064049 A JP2019064049 A JP 2019064049A JP 2017189606 A JP2017189606 A JP 2017189606A JP 2017189606 A JP2017189606 A JP 2017189606A JP 2019064049 A JP2019064049 A JP 2019064049A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin sheet
resin
mold
injection
cavity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017189606A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6933806B2 (ja
Inventor
洋介 林
Yosuke Hayashi
洋介 林
邦将 尾崎
Kunimasa Ozaki
邦将 尾崎
祥 中島
Sho Nakajima
祥 中島
健一 村尾
Kenichi Murao
健一 村尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyoraku Co Ltd
Original Assignee
Kyoraku Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyoraku Co Ltd filed Critical Kyoraku Co Ltd
Priority to JP2017189606A priority Critical patent/JP6933806B2/ja
Priority to PCT/JP2018/017068 priority patent/WO2018199261A1/ja
Publication of JP2019064049A publication Critical patent/JP2019064049A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6933806B2 publication Critical patent/JP6933806B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

【課題】2枚の樹脂シートを射出させるタイミングをずらした場合に樹脂成形体のパーティングライン近傍に段差が発生することを抑制することができる樹脂成形体の製造方法を提供する。【解決手段】本発明によれば、射出工程と、賦形工程と、型締め工程を備え、前記射出工程では、第1及び第2金型の間に第1及び第2樹脂シートを射出させ、第1及び第2金型は、それぞれ、キャビティを備え、前記賦形工程では、第1及び第2樹脂シートをそれぞれ第1及び第2金型のキャビティの内面に沿って賦形し、前記型締め工程では、第1及び第2金型を型締めし、前記射出工程では、第1樹脂シートの射出を開始した後に、第2樹脂シートの射出が開始され、第1金型のキャビティの縁が、第2金型のキャビティの縁よりも外側になるように構成されている、樹脂成形体の製造方法が提供される。【選択図】図1

Description

本発明は、風呂蓋や、車両の荷室に設置されるフロアボード等として利用可能な樹脂成形体(例:樹脂性パネル)に関する。
特許文献1には、発泡体からなる芯材を2枚の樹脂シートで挟み込んで積層してなる樹脂成形体を形成する方法が開示されている。
特開2013−022734号公報
特許文献1では、第1及び第2樹脂シートを同時に射出させ、第1樹脂シートに芯材を溶着させた後、第2樹脂シートに芯材を溶着させている。芯材は樹脂シートの熱を利用して溶着させているので、樹脂シートの温度が十分に高くないと、芯材が樹脂シートに溶着されにくくなる。このため、芯材は、第1樹脂シートの後に溶着させる第2樹脂シートには溶着されにくい。
このような状況において、本発明者は、第1樹脂シートの射出を開始した後に、第2樹脂シートの射出を開始するという新規手法を採用することによって、芯材が第2樹脂シートに溶着されにくいという課題の解決を試みた。
上記の新規手法によって芯材が第2樹脂シートに溶着されにくいという課題は解決したが、得られる樹脂成形体のパーティングラインの近傍に段差が形成されるという新たな課題が発生することが分かった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、2枚の樹脂シートを射出させるタイミングをずらした場合に樹脂成形体のパーティングライン近傍に段差が発生することを抑制することができる樹脂成形体の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、射出工程と、賦形工程と、型締め工程を備え、前記射出工程では、第1及び第2金型の間に第1及び第2樹脂シートを射出させ、第1及び第2金型は、それぞれ、キャビティを備え、前記賦形工程では、第1及び第2樹脂シートをそれぞれ第1及び第2金型のキャビティの内面に沿って賦形し、前記型締め工程では、第1及び第2金型を型締めし、前記射出工程では、第1樹脂シートの射出を開始した後に、第2樹脂シートの射出が開始され、第1金型のキャビティの縁が、第2金型のキャビティの縁よりも外側になるように構成されている、樹脂成形体の製造方法が提供される。
本発明者は、樹脂成形体のパーティングライン近傍に段差が発生する原因について調査を行ったところ、2枚の樹脂シートを射出させるタイミングをずらした場合には、型締めの時点において、先に射出を開始させた樹脂シートによって構成された部位が、後に射出を開始させた樹脂シートによって構成された部位よりも収縮の程度が大きくなるためであることが分かった。
そして、このような知見に基づき、先に射出を開始させた樹脂シートを賦形する金型のキャビティの縁が、後に射出を開始させた樹脂シートを賦形するキャビティの縁よりも外側になるように構成したところ、樹脂成形体の段差を低減することができることを見出し、本発明の完成に到った。
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
好ましくは、第1及び第2金型が当接した状態での第1金型のキャビティの縁と第2金型のキャビティの縁の間の距離が、第1樹脂シートの厚さの0.05〜1倍である。
好ましくは、インサート工程を備え、前記インサート工程では、第1樹脂シートを第1金型のキャビティの内面に沿って賦形した後に第1樹脂シートにインサート部材が貼り付けられる。
本発明の別の観点によれば、射出工程と、賦形工程と、インサート工程、型締め工程を備え、前記射出工程では、第1及び第2金型の間に第1及び第2樹脂シートを射出させ、第1及び第2金型は、それぞれ、キャビティを備え、前記賦形工程では、第1及び第2樹脂シートをそれぞれ第1及び第2金型のキャビティの内面に沿って賦形し、前記型締め工程では、第1及び第2金型を型締めし、前記射出工程では、第1樹脂シートの射出を開始した後に、第2樹脂シートの射出が開始され、前記インサート工程では、第1樹脂シートを第1金型のキャビティの内面に沿って賦形した後に第1樹脂シートにインサート部材が貼り付けられる、樹脂成形体の製造方法が提供される。
好ましくは、第1及び第2樹脂シートは、それぞれ第1及び第2金型によって減圧吸引されて賦形される。
好ましくは、第1樹脂シートを第1金型のキャビティの内面に沿って賦形した後に第2樹脂シートの射出が開始される。
好ましくは、第1及び第2樹脂シートは、それぞれ、別の部材を介さずに、第1及び第2金型に直接接触するように賦形される。
好ましくは、第1樹脂シートにインサート部材が貼り付けられた後に第2樹脂シートの射出が開始される。
本発明の一実施形態の樹脂成形体1の斜視図である。 本発明の一実施形態の樹脂成形体1の製造の利用可能な成形機10の構成図(金型21,31及びその近傍の部材については縦断面図)である。 図2中の金型21,31を近接させた状態を示す断面図である。 図4Aは、図3中の金型21,31の上端近傍の拡大断面図であり、図4Bは、図4Aの状態から金型21,31を当接させた状態を示す断面図である。 金型21,31の間に樹脂シート23を射出した状態を示す断面図である。 図5の状態から、樹脂シート23を金型21のキャビティ内面に沿って賦形した後の状態を示す断面図である。 図6の状態から、インサート部材7を樹脂シート23に貼り付け、金型21,31の間に樹脂シート33を射出した後の状態を示す断面図である。 図7の状態から、樹脂シート33を金型31のキャビティ内面に沿って賦形した後の状態を示す断面図である。 図8の状態から金型21,31を近接させた、型締め直前の状態を示す、図4Aに対応する拡大断面図である。 図9の状態から金型21,31を型締めした後の状態を示す断面図である。 図10中の金型21,31の上端近傍の拡大断面図である。 図11の状態から樹脂成形体1を取り出した状態の断面図である。 図12の状態からバリ41を切除した後の状態の断面図である。 参考例の金型を用いて成形する場合の、図9Aに対応する断面図である。 図14の状態から金型21,31を型締めした後の状態を示す断面図である。 図15の状態から樹脂成形体1を取り出した状態の断面図である。 図16の状態からバリ41を切除した後の状態の断面図である。
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴事項について独立して発明が成立する。
1.樹脂成形体の構造
図1に示すように、本発明の一実施形態の樹脂成形体1は、表壁3と、裏壁4を備える。表壁3と裏壁4は、間隔をおいて対向している。表壁3と裏壁4の周囲は、周囲壁6によって繋がれている。周囲壁6の厚さ方向の略中央には、パーティングラインPLが設けられている。周囲壁6の、パーティングラインPLよりも表壁3側の部位6aと裏壁4側の部位6bの間には段差がほとんどなく、部位6aと部位6bはスムーズに繋がっている。表壁3と裏壁4のどちらにも表皮材が貼られていないので、パーティングラインPLに段差があれば目立ちやすいが、本実施形態の樹脂成形体1では、後述する製法によって製造されているので、段差の発生が抑制されている。
表壁3と裏壁4の間にはインサート部材7(図10を参照)が設けられている。インサート部材7は、表壁3と裏壁4の間のスペースを確保したり、樹脂成形体1の強度や断熱性を高めたりする目的で配置される部材であり、好ましくは、発泡体で構成される。
2.成形機10
次に、図2〜図4を用いて、本発明の一実施形態の樹脂成形体の製造方法の実施に利用可能な成形機10について説明する。成形機10は、一対の樹脂シート形成装置20と、第1及び第2金型21,31を備える。各樹脂シート形成装置20は、ホッパー12と、押出機13と、アキュームレータ17と、Tダイ18を備える。押出機13とアキュームレータ17は、連結管25を介して連結される。アキュームレータ17とTダイ18は、連結管27を介して連結される。
以下、各構成について詳細に説明する。
<ホッパー12,押出機13>
ホッパー12は、原料樹脂11を押出機13のシリンダ13a内に投入するために用いられる。原料樹脂11の形態は、特に限定されないが、通常は、ペレット状である。原料樹脂は、例えばポリオレフィンなどの熱可塑性樹脂であり、ポリオレフィンとしては、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体及びその混合物などが挙げられる。原料樹脂11は、ホッパー12からシリンダ13a内に投入された後、シリンダ13a内で加熱されることによって溶融されて溶融樹脂になる。また、シリンダ13a内に配置されたスクリューの回転によってシリンダ13aの先端に向けて搬送される。スクリューは、シリンダ13a内に配置され、その回転によって溶融樹脂を混練しながら搬送する。スクリューの基端にはギア装置が設けられており、ギア装置によってスクリューが回転駆動される。シリンダ13a内に配置されるスクリューの数は、1本でもよく、2本以上であってもよい。
<アキュームレータ17、Tダイ18>
溶融樹脂は、シリンダ13aの樹脂押出口から押し出され、連結管25を通じてアキュームレータ17内に注入される。アキュームレータ17は、シリンダ17aとその内部で摺動可能なピストン17bを備えており、シリンダ17a内に溶融樹脂が貯留可能になっている。そして、シリンダ17a内に溶融樹脂が所定量貯留された後にピストン17bを移動させることによって、連結管27を通じて溶融樹脂をTダイ18内に設けられたスリットから押し出して射出させて溶融状態の第1及び第2樹脂シート23,33を形成する。
<金型21,31>
樹脂シート23,33は、金型21,31の間に射出される。図3〜図4に示すように、金型21,31は、キャビティ21a,31aを有し、キャビティ21a,31aを取り囲むようにピンチオフ部21b,31bが設けられている。キャビティ21a,31a内には、減圧吸引孔(図示せず)が設けられており、減圧吸引孔を通じて樹脂シート23,33を減圧吸引して金型21,31のキャビティ21a,31aの内面に沿った形状に賦形することが可能になっている。減圧吸引孔は、極小の孔であり、一端が金型21,31内部を通ってキャビティ21a,31aの内面にまで連通されてり、他端が減圧装置に接続されている。
図4Bに示すように、ピンチオフ部21b,31bが当接するまで金型21,31を近づけると、ピンチオフ部21b,31bの先端面が互いに当接する。この当接する面がパーティング面Pである。金型21のキャビティ21aの縁21cが、金型31のキャビティ31aの縁31cよりも外側になるように構成されているので、金型21,31と閉じたときにパーティング面Pにおいて、縁21c,31cの間に段差35が設けられる。樹脂シート23,33を射出するタイミングをずらした場合、樹脂成形体1のパーティングラインPLに段差が発生しやすいが、本実施形態のように縁21cと縁31cの位置をずらずことによって樹脂成形体1に段差が発生することが抑制される。その原理は、後述する。
金型21,31が当接した状態(図4Bの状態)での縁21c,31c間の距離(つまり、段差35)は、樹脂成形体1のパーティングラインPLでの段差ができるだけ小さくなるように設定され、例えば、樹脂シート23の厚さの0.05〜1倍であり、具体的には例えば、0.05、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、1であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。この距離は、別の表現では、0.1〜2mmであり、具体的には例えば、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2mmであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
3.樹脂成形体の製造方法
ここで、図5〜図10を用いて、本発明の一実施形態の樹脂成形体1の製造方法について説明する。本実施形態の方法は、射出工程と、賦形工程と、インサート工程と、型締め工程を備える。以下、詳細に説明する。
3−1.射出工程
射出工程では、図5〜図7に示すように、金型21,31の間に樹脂シート23,33を射出させる。本実施形態では樹脂シート23,33を射出させるタイミングがずれており、図5の段階では、樹脂シート23のみが射出され、図7の段階で、樹脂シート33の射出が開始される。樹脂シート23,33を射出させるタイミングをずらすのは、インサート部材7が樹脂シート33に溶着されるまでの樹脂シート33の温度低下を小さくして溶着性を向上させることである。インサート部材7は、樹脂シート23に溶着された後に樹脂シート33に溶着されるので、本実施形態では、樹脂シート23を樹脂シート33よりも先に射出している。樹脂シート23,33の厚さは、同一又は異なっており、それぞれ、例えば0.5〜5mmであり、具体的には例えば、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5mmであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。樹脂シート23の厚さが1.5mm以下である場合には、樹脂シート23が金型23に接触することによる樹脂シート23の温度低下が大きく、温度低下に伴う樹脂シート23の収縮が顕著になるので、本発明を適用する意義が大きい。
3−2.賦形工程
賦形工程では、図6〜図8に示すように、樹脂シート23,33を、それぞれ、ピンチオフ部21b,31bに当接させた状態で金型21,31によって減圧吸引を行って樹脂シート23、33をキャビティ21a,31aの内面に沿った形状に賦形する。本実施形態では、樹脂シート23と金型21の間、及び樹脂シート33と金型31の間には、表皮材などの別の部材が配置されていないので、樹脂シート23,33は、それぞれ、金型21,31に直接接触するように賦形される。
本実施形態では、樹脂シート23,33を賦形させるタイミングがずれており、図6の段階では、樹脂シート23のみが賦形され、図8の段階で、樹脂シート33が賦形される。
3−3.インサート工程
インサート工程では、図6〜図7に示すように、インサート部材7を樹脂シート23に溶着させる。インサート部材7が発泡体で構成されている場合、樹脂シート23の熱によって発泡体が溶融されることによってインサート部材7の一方の面7aが樹脂シート23に溶着される。インサート部材7の他方の面7bは、図10に示す型締めの際に樹脂シート33に溶着される。本実施形態では、樹脂シート33が樹脂シート23よりも遅れて射出されるので、その分だけ、型締め時点での樹脂シート33の温度が高くなり、インサート部材7の溶着性が向上する。また、インサート部材7が樹脂シート23,33に溶着される際にインサート部材7の角7cが溶融されてキャビティ21a,31aの内面形状に沿って丸められる。
3−4.型締め工程
型締め工程では、図10に示すように、金型21,31の型締めを行う。これによって、ピンチオフ部21b,31bに沿って樹脂シート23,33が互いに溶着されて、一対の金型21,31によって形成されるキャビティの内面に沿った形状の樹脂成形体1が得られる。ピンチオフ部21b,31bの外側がバリ41となる。この後は、金型21,31を開いて樹脂成形体1を取り出し、バリ41を除去にすることによって、図1に示す樹脂成形体1が得られる。本実施形態では、樹脂シート33が樹脂シート23よりも遅れて射出されるので、その分だけ、型締め時点での樹脂シート33の温度が高くなり、樹脂シート23,33間の溶着性が向上してパーティングラインPLの強度が高まる。
ところで、樹脂シート23が金型21に減圧吸引された賦形された直後の状態(図6の状態)では、キャビティ21aの内面全体において樹脂シート23がキャビティ21aの内面に密着している。しかし、その後に、インサート部材7のインサートと、樹脂シート33の射出と賦形を行っている間に、樹脂シート23の熱が金型21に奪われて樹脂シート23が急速に冷却される。この冷却によって樹脂シート23に収縮応力が発生する。金型21は樹脂シート23の賦形後も減圧吸引を継続しているが、パーティング面Pの近傍には、通常、減圧吸引孔が設けられていないので、この部位では金型21による樹脂シート23の吸着が弱い。このため、樹脂シート23に収縮応力が発生すると、図9に示すように、パーティング面Pの近傍において樹脂シート23が収縮してキャビティ21aの内面21dから剥がれて、型締め工程を行う直前の時点では図9に示すような状態になる。一方、樹脂シート33は、図8の段階で賦形されるので、型締め工程を行う時点までの時間が短いので、キャビティ31aの内面全体において樹脂シート33がキャビティ31aの内面に密着している。つまり、樹脂シート23のみがパーティング面Pの近傍においてキャビティ21aの内面21dから剥がれている。
本実施形態の金型21,31では、金型21のキャビティ21aの縁21cが、金型31のキャビティ31aの縁31cよりも外側になるように構成されている。このため、樹脂シート23の収縮分が縁21cと縁31cの間の距離によって相殺されて、ピンチオフ部21b,31bの近傍での樹脂シート23、33の屈曲部23a,33aの位置が一致している。
図9の状態から、型締めを行うと、図10〜図11に示すように樹脂シート23,33が溶着されて一体化される。この際、樹脂シート23,33のうち、ピンチオフ部21b,31bによって挟まれた部位がキャビティ側に押し出されて、樹脂シート23,33の溶着面近傍に突起36が形成される。
図11の状態から樹脂成形体1を金型21,31から取り出した状態を図12に示す。図12の状態からバリ41の端部41aにおいて、バリ41を除去すると、図13に示す状態になる。端部41aを除去した跡がパーティングラインPLとなる。周囲壁6の、パーティングラインPLよりも表壁3側の部位6aと裏壁4側の部位6bの間には段差がほとんどなく、部位6aと部位6bはスムーズに繋がっている。
ここで、図14〜図17を用いて、金型21,31のキャビティの縁21c,31cの位置が一致している参考例の金型21,31を用いて成形を行った場合の問題点について説明する。
このような金型を用いた場合、図14に示すように、ピンチオフ部21bの近傍で樹脂シート23のみが収縮してキャビティ21aの内面から剥がれると、ピンチオフ部21b,31bの近傍での樹脂シート23,33の屈曲部23a,33aの位置がずれる。
図14の状態から、型締めを行うと、図15に示すように樹脂シート23,33の端部が溶着されて一体化される。この際、樹脂シート23,33のうち、ピンチオフ部21b,31bによって挟まれた部位がキャビティ側に押し出されて、樹脂シート23,33の溶着面近傍に突起36が形成される。また、この際、キャビティ側に押し出された樹脂によって樹脂シート23が内側に押されることによって、樹脂シート23,33間の段差が助長される。
図15の状態から樹脂成形体1を金型21,31から取り出した状態を図16に示す。図16の状態からバリ41の端部41aにおいて、バリ41を除去すると、図17に示す状態になる。端部41aを除去した跡がパーティングラインPLとなる。パーティングラインPLに隣接した位置には、樹脂シート23,33間の段差に起因する溝37が形成されている。このため、周囲壁6の、パーティングラインPLよりも表壁3側の部位6aと裏壁4側の部位6bの間には段差が形成されている。
4.その他の実施形態
・樹脂シート33の射出は、樹脂シート23の射出開始後の任意のタイミングで開始することができる。樹脂シート33の射出の開始は、樹脂シート23の賦形前、樹脂シート23の賦形後でインサート部材7の貼付け前、インサート部材7の貼付け後の何れであってもよい。樹脂シート33の温度低下を低減するという観点からは、樹脂シート33の射出の開始は、樹脂シート23の賦形後が好ましく、インサート部材7の貼付け後がさらに好ましい。
・インサート部材7は省略可能である。
1 :樹脂成形体
3 :表壁
4 :裏壁
6 :周囲壁
6a :部位
6b :部位
7 :インサート部材
7a :面
7b :面
10 :成形機
11 :原料樹脂
12 :ホッパー
13 :押出機
13a :シリンダ
17 :アキュームレータ
17a :シリンダ
17b :ピストン
18 :Tダイ
20 :樹脂シート形成装置
21 :第1金型
21a :キャビティ
21b :ピンチオフ部
21c :縁
21d :内面
23 :第1樹脂シート
23a :屈曲部
25 :連結管
27 :連結管
31 :第2金型
31a :キャビティ
31b :ピンチオフ部
31c :縁
33 :第2樹脂シート
33a :屈曲部
35 :段差
36 :突起
37 :溝
41 :バリ
P :パーティング面
PL :パーティングライン

Claims (8)

  1. 射出工程と、賦形工程と、型締め工程を備え、
    前記射出工程では、第1及び第2金型の間に第1及び第2樹脂シートを射出させ、
    第1及び第2金型は、それぞれ、キャビティを備え、
    前記賦形工程では、第1及び第2樹脂シートをそれぞれ第1及び第2金型のキャビティの内面に沿って賦形し、
    前記型締め工程では、第1及び第2金型を型締めし、
    前記射出工程では、第1樹脂シートの射出を開始した後に、第2樹脂シートの射出が開始され、
    第1金型のキャビティの縁が、第2金型のキャビティの縁よりも外側になるように構成されている、樹脂成形体の製造方法。
  2. 第1及び第2金型が当接した状態での第1金型のキャビティの縁と第2金型のキャビティの縁の間の距離が、第1樹脂シートの厚さの0.05〜1倍である、請求項1に記載の方法。
  3. インサート工程を備え、
    前記インサート工程では、第1樹脂シートを第1金型のキャビティの内面に沿って賦形した後に第1樹脂シートにインサート部材が貼り付けられる、請求項1又は請求項2に記載の方法。
  4. 射出工程と、賦形工程と、インサート工程、型締め工程を備え、
    前記射出工程では、第1及び第2金型の間に第1及び第2樹脂シートを射出させ、
    第1及び第2金型は、それぞれ、キャビティを備え、
    前記賦形工程では、第1及び第2樹脂シートをそれぞれ第1及び第2金型のキャビティの内面に沿って賦形し、
    前記型締め工程では、第1及び第2金型を型締めし、
    前記射出工程では、第1樹脂シートの射出を開始した後に、第2樹脂シートの射出が開始され、
    前記インサート工程では、第1樹脂シートを第1金型のキャビティの内面に沿って賦形した後に第1樹脂シートにインサート部材が貼り付けられる、樹脂成形体の製造方法。
  5. 第1及び第2樹脂シートは、それぞれ第1及び第2金型によって減圧吸引されて賦形される、請求項1〜請求項4の何れか1つに記載の方法。
  6. 第1樹脂シートを第1金型のキャビティの内面に沿って賦形した後に第2樹脂シートの射出が開始される、請求項1〜請求項5の何れか1つに記載の方法。
  7. 第1及び第2樹脂シートは、それぞれ、別の部材を介さずに、第1及び第2金型に直接接触するように賦形される、請求項1〜請求項6の何れか1つに記載の方法。
  8. 第1樹脂シートにインサート部材が貼り付けられた後に第2樹脂シートの射出が開始される、請求項3又は請求項4に記載の方法。
JP2017189606A 2017-04-27 2017-09-29 樹脂成形体の製造方法 Active JP6933806B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017189606A JP6933806B2 (ja) 2017-09-29 2017-09-29 樹脂成形体の製造方法
PCT/JP2018/017068 WO2018199261A1 (ja) 2017-04-27 2018-04-26

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017189606A JP6933806B2 (ja) 2017-09-29 2017-09-29 樹脂成形体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019064049A true JP2019064049A (ja) 2019-04-25
JP6933806B2 JP6933806B2 (ja) 2021-09-08

Family

ID=66338762

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017189606A Active JP6933806B2 (ja) 2017-04-27 2017-09-29 樹脂成形体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6933806B2 (ja)

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH115248A (ja) * 1997-06-17 1999-01-12 Placo Co Ltd ブロー成形方法とその装置
JP2011051224A (ja) * 2009-09-01 2011-03-17 Kyoraku Co Ltd 樹脂成形品の成形方法および成形装置、並びに熱可塑性樹脂製シートの厚みの調整装置
JP2011051227A (ja) * 2009-09-01 2011-03-17 Kyoraku Co Ltd 樹脂成形品の成形方法および成形装置、並びに熱可塑性樹脂製シートの厚みの調整装置
JP2013022734A (ja) * 2011-07-14 2013-02-04 Kyoraku Co Ltd 樹脂成形品の成形方法及び樹脂成形品
JP2013104267A (ja) * 2011-11-16 2013-05-30 Kyoraku Co Ltd 樹脂製サンドイッチ構造パネル材およびその製造方法
JP2016135580A (ja) * 2015-01-24 2016-07-28 キョーラク株式会社 樹脂成形品の成形方法および成形装置
JP2016172456A (ja) * 2016-07-06 2016-09-29 キョーラク株式会社 樹脂製サンドイッチパネルおよび樹脂製サンドイッチパネルの製造方法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH115248A (ja) * 1997-06-17 1999-01-12 Placo Co Ltd ブロー成形方法とその装置
JP2011051224A (ja) * 2009-09-01 2011-03-17 Kyoraku Co Ltd 樹脂成形品の成形方法および成形装置、並びに熱可塑性樹脂製シートの厚みの調整装置
JP2011051227A (ja) * 2009-09-01 2011-03-17 Kyoraku Co Ltd 樹脂成形品の成形方法および成形装置、並びに熱可塑性樹脂製シートの厚みの調整装置
JP2013022734A (ja) * 2011-07-14 2013-02-04 Kyoraku Co Ltd 樹脂成形品の成形方法及び樹脂成形品
JP2013104267A (ja) * 2011-11-16 2013-05-30 Kyoraku Co Ltd 樹脂製サンドイッチ構造パネル材およびその製造方法
JP2016135580A (ja) * 2015-01-24 2016-07-28 キョーラク株式会社 樹脂成形品の成形方法および成形装置
JP2016172456A (ja) * 2016-07-06 2016-09-29 キョーラク株式会社 樹脂製サンドイッチパネルおよび樹脂製サンドイッチパネルの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6933806B2 (ja) 2021-09-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN107839241B (zh) 发泡结构件、树脂制面板
JP7197784B2 (ja) 構造体の製造方法
JP2019064049A (ja) 樹脂成形体の製造方法
JP2019206317A (ja) 樹脂製パネル
WO2013191241A1 (ja) 樹脂の射出成形方法及び樹脂の射出成形品
JP6941268B2 (ja) 構造体及びその製造方法
JP7239825B2 (ja) 構造体及びその製造方法
JP6875637B2 (ja) 構造体及び製造方法
KR102251327B1 (ko) 일체 성형체 및 일체 성형체의 제조 방법
KR102308337B1 (ko) 수지제 패널 및 제조 방법
JP2004017629A (ja) 樹脂成形体の成形方法
JP3203870B2 (ja) 樹脂製品の製造方法
JP2022085628A (ja) パネルの製造方法
JP2002160224A (ja) 熱可塑性樹脂軽量成形体製造用金型およびこれを用いた熱可塑性樹脂軽量成形体の製造方法
WO2019107433A1 (ja) 構造体及びその製造方法
JP6548815B2 (ja) インストルメントパネルの成形方法、インストルメントパネル、および、インストルメントパネルの成形装置
JP2004181687A (ja) 発泡成形型およびこれを使用した発泡成形体の製造方法
JP6908832B2 (ja) 樹脂製パネル及びその製造方法
JP2006192797A (ja) 真空成形方法および真空成形型
JP6908824B2 (ja) 構造体の製造方法
JP7057496B2 (ja) 構造体及びその製造方法
JP6829807B2 (ja) 成形方法
JP6908836B2 (ja) 樹脂製パネル及び製造方法
JP6908846B2 (ja) 構造体及び製造方法
JP7457245B2 (ja) 樹脂製パネルの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200622

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210511

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210601

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210720

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210802

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6933806

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150