JP6908824B2 - 構造体の製造方法 - Google Patents
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Description
好ましくは、前記バリキャビティは、第1分割金型の第1バリキャビティと、第2分割金型の第2バリキャビティとによって構成され、前記バリキャビティの断面積について、第1バリキャビティの断面積は、第2バリキャビティの断面積よりも大きく、前記表皮シートは、前記パリソンと第1分割金型の間に配置される。
好ましくは、第1バリキャビティの最深部の深さは、第2バリキャビティの最深部の深さよりも大きい。
好ましくは、前記バリキャビティ内の前記断面において、前記パーティング面の長さは、前記パリソンの長さよりも小さい。
好ましくは、前記パリソンは、筒状である。
好ましくは、前記バリキャビティは、前記垂下方向に沿って延在する。
図1A〜図1Cを用いて、本発明の一実施形態の構造体1の構成について説明する。本実施形態において構造体1は、板状を有し、例えば、自動車におけるサイドボードとして使用されうる。構造体1は、成形体2と表皮材3とから成り、これらが溶着された状態で成形されている。本実施形態では、図1に示されるように、表皮材3は成形体2の片側の表面を覆うように構成されるものである。
図2を用いて、本発明の一実施形態の構造体1の製造方法の実施に利用可能な成形機6について説明する。成形機6は、樹脂供給装置7と、ヘッド18と、第1及び第2分割金型19、20を備える。樹脂供給装置7は、ホッパー12と、押出機13と、アキュームレータ17を備える。押出機13とアキュームレータ17は、連結管25を介して連結される。アキュームレータ17とヘッド18は、連結管27を介して連結される。以下、各構成について詳細に説明する。
ホッパー12は、原料樹脂11を押出機13のシリンダ13a内に投入するために用いられる。原料樹脂11の形態は、特に限定されないが、通常は、ペレット状である。原料樹脂11は、例えばポリオレフィンなどの熱可塑性樹脂であり、ポリオレフィンとしては、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体及びその混合物などが挙げられる。原料樹脂11は、ホッパー12からシリンダ13a内に投入された後、シリンダ13a内で加熱されることによって溶融されて溶融樹脂になる。また、シリンダ13a内に配置されたスクリューの回転によってシリンダ13aの先端に向けて搬送される。スクリューは、シリンダ13a内に配置され、その回転によって溶融樹脂を混練しながら搬送する。スクリューの基端にはギア装置が設けられており、ギア装置によってスクリューが回転駆動される。シリンダ13a内に配置されるスクリューの数は、1本でもよく、2本以上であってもよい。
溶融樹脂11aは、シリンダ13aの樹脂押出口から押し出され、連結管25を通じてアキュームレータ17内に注入される。アキュームレータ17は、シリンダ17aとその内部で摺動可能なピストン17bを備えており、シリンダ17a内に溶融樹脂11aが貯留可能になっている。そして、シリンダ17a内に溶融樹脂11aが所定量貯留された後にピストン17bを移動させることによって、連結管27を通じて溶融樹脂11aをヘッド18内に設けられたダイスリットから押し出して垂下させてパリソン23を形成する。ここではパリソン23の形状は、特に限定されないが筒状であることが好ましい。これについては後に詳述する。
パリソン23及び表皮シート3sは、第1分割金型19と第2分割金型20との間に導かれる。第1及び第2分割金型19、20を用いてパリソン23と表皮シート3sの一体成形を行うことによって、構造体1が得られる。パリソン23が成形されて成形体2が形成され、表皮シート3sが成形体2に溶着されて表皮材3となる。第1及び第2分割金型19、20を用いた成形の方法は特に限定されず、第1及び第2分割金型19、20のキャビティ内にエアーを吹き込んで成形を行うブロー成形であってもよく、第1及び第2分割金型19、20のキャビティの内面からキャビティ内を減圧してパリソン23の成形を行う真空成形であってもよく、その組合せであってもよい。溶融樹脂が発泡剤を含有する場合、パリソン23は、発泡パリソンとなり、成形体2は、発泡成形体となる。本実施形態では、パリソン23は筒状であるが、パリソン23はシート状であってもよい。
構造体1は、パリソン形成工程、成形工程、及び後処理工程を備える方法によって形成可能である。以下、各工程について詳細に説明する。
パリソン形成工程では、図2に示されるように、溶融樹脂をヘッドから押し出して垂下させてパリソン23を形成し、パリソン23を第1及び第2分割金型19、20の間に配置する。第1分割金型19は、図3Aに示されるように、ピンチオフ部19eで囲まれたキャビティ19a、19bと、これらの間に設けられる第1バリキャビティ19cを備える。図3Bに示されるように、第2分割金型20は、ピンチオフ部20eで囲まれたキャビティ20a、20bと、これらの間に設けられる第2バリキャビティ20cを備える。
成形工程では、図5の状態から図6に示されるように、第1及び第2分割金型19、20の型締めを行う。このとき、パリソン23の一部であるパリソン23a、23bと表皮シート3sの一部である表皮シート3sa、3sbが、第1及び第2成形キャビティ39a、39b内にそれぞれ挟まれて収容される。これらに対して成形が行われて成形体2と表皮材3とが一体成形された所望の構造体1が2個形成される(いわゆる2個取り)。一方、パリソン23の他の一部であるパリソン23cと表皮シート3sの他の一部である表皮シート3scは、バリキャビティ39cの内部に収容されることとなるが、これに対しては成形が行われない。そして、パリソン23cが凝固するとバリ2cとなる。更に本実施形態では、図3B等に示されるように第2分割金型20が型締めの際にバリ2cの所定箇所を凹ませるピン20pを備えている。かかる所定箇所とは、パリソン23c上で表皮シート3sの端部境界(図3におけるQ−Q線)付近で且つ表皮シート3sに覆われることがない部分である。これを凹ませることで、そこに指等を入れることができるようになり、後ほど互いに溶着されたバリ2cと表皮シート3scとを剥がす際にこれを容易に実現しうる。
後処理工程では、成形されたバリ(バリ2c以外も含む)のついた構造体1を第1及び第2分割金型19、20から取り出してバリを除去する。これによって、図1に示す構成の構造体1が2個得られる。今回の2個取りについてはあくまでも例であり、それ以上の個数に係る多数個取りであってもよい。特に、4個取り、6個取りといった偶数個の多数個取りが好ましい。バリについては、これに溶着した表皮シート(表皮シート3scを含む)を剥がして、粉砕してリサイクルすることができる。
本発明の実施形態を説明したが、あくまでも例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
2 :成形体
2c :バリ
3 :表皮材
3s :表皮シート
3sa :表皮シート
3sb :表皮シート
3sc :表皮シート
6 :成形機
7 :樹脂供給装置
11 :原料樹脂
11a :溶融樹脂
12 :ホッパー
13 :押出機
13a :シリンダ
17 :アキュームレータ
17a :シリンダ
17b :ピストン
18 :ヘッド
19 :第1分割金型
19a :キャビティ
19b :キャビティ
19c :第1バリキャビティ
19e :ピンチオフ部
20 :第2分割金型
20a :キャビティ
20b :キャビティ
20c :第2バリキャビティ
20e :ピンチオフ部
20p :ピン
23 :パリソン
23a :パリソン
23b :パリソン
23c :パリソン
25 :連結管
27 :連結管
39a :第1成形キャビティ
39b :第2成形キャビティ
39c :バリキャビティ
Claims (6)
- パリソンと表皮シートとをパーティング面で分割される第1及び第2分割金型の間に配置して第1及び第2分割金型を型締めする工程を備える、構造体の製造方法であって、
第1及び第2分割金型は、第1及び第2成形キャビティと、その間に配置されたバリキャビティとを備え、
S1/S2≦0.8を満たすもので、
前記S1は、前記パリソンの垂下方向に垂直な断面での前記バリキャビティ内における前記パリソンの断面積であり、
前記S2は、前記断面方向での前記バリキャビティの断面積であり、
前記バリキャビティは、前記パーティング面に関して非対称な形状を成す、
方法。 - パリソンと表皮シートとをパーティング面で分割される第1及び第2分割金型の間に配置して第1及び第2分割金型を型締めする工程を備える、構造体の製造方法であって、
第1及び第2分割金型は、第1及び第2成形キャビティと、その間に配置されたバリキャビティとを備え、
S1/S2≦0.8を満たすもので、
前記S1は、前記パリソンの垂下方向に垂直な断面での前記バリキャビティ内における前記パリソンの断面積であり、
前記S2は、前記断面方向での前記バリキャビティの断面積であり、
前記バリキャビティは、第1分割金型の第1バリキャビティと、第2分割金型の第2バリキャビティとによって構成され、
前記バリキャビティの断面積について、第1バリキャビティの断面積は、第2バリキャビティの断面積よりも大きく、
前記表皮シートは、前記パリソンと第2分割金型の間に配置される、
方法。 - 第1バリキャビティの最深部の深さは、第2バリキャビティの最深部の深さよりも大きい、
請求項2に記載の方法。 - パリソンと表皮シートとをパーティング面で分割される第1及び第2分割金型の間に配置して第1及び第2分割金型を型締めする工程を備える、構造体の製造方法であって、
第1及び第2分割金型は、第1及び第2成形キャビティと、その間に配置されたバリキャビティとを備え、
S1/S2≦0.8を満たすもので、
前記S1は、前記パリソンの垂下方向に垂直な断面での前記バリキャビティ内における前記パリソンの断面積であり、
前記S2は、前記断面方向での前記バリキャビティの断面積であり、
前記バリキャビティ内の前記断面において、前記パーティング面の長さは、前記パリソンの長さよりも小さい、
方法。 - 前記パリソンは、筒状である、
請求項1〜請求項4の何れか1つに記載の方法。 - 前記バリキャビティは、前記垂下方向に沿って延在する、
請求項1〜請求項5の何れか1つに記載の方法。
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