JP2019059639A - 窒化ケイ素焼結基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】大型で、熱伝導性に優れるとともに、機械的強度(曲げ強度及び破壊靱性)に優れた窒化ケイ素焼結基板を提供する。【解決手段】直径2インチ以上の円形の主面を有し、前記主面における中央部の密度dcと端部の密度deの比dc/deが0.98以上かつ1.0以下であり、前記主面における中央部のボイド率vcが1.80%以下であり、端部のボイド率veが1.00%以下であり、前記主面の表面粗さSaが0.7μm以下であることを特徴とする窒化ケイ素焼結基板。【選択図】図1(a)

Description

本願は窒化ケイ素焼結基板に関し、詳しくはボンディング用基板として用いる窒化ケイ素焼結基に関する。
近年、パワーモジュール、LED等、大電力の電子回路が種々の用途で用いられるようになってきており、このような回路の実装等に用いられる絶縁性基板が求められている。このような絶縁性基板には、一般にセラミックス基板が用いられる。特に、窒化ケイ素焼結基板は、優れた機械的強度を有する。例えば、特開平6−24850号(特許文献1)は、低誘電率、気密性及び生産性の高い窒化ケイ素焼結基板を開示しているが、大型の基板を作製することが難しい。
LED等の半導体を製造する方法の一つとして、単結晶基板に形成したエピタキシャル層を回路基板に形成した電極にバンプを介して接合し、前記エピタキシャル層を回路基板に電気的に接続するボンディング方法が用いられている。このボンディングはワイヤボンディングのようにワイヤでの接続が不要であるため半導体回路のコンパクト化が可能となる。このボンディングに使用する回路基板としては、窒化アルミニウム基板(AlN基板)等が挙げられる。
例えば、国際公開第2005/031882号(特許文献2)は、窒化アルミニウム焼成基板の表面に発光素子が搭載された発光装置であって、窒化アルミニウム基板の発光素子が搭載される表面が0.3μmRa以下の表面粗さを有するとともに、金属蒸着膜が形成され、窒化アルミニウム基板にビアホールが形成されている発光装置を開示しており、このような構成により、小型化が可能であり、また放熱性が優れ、より大きな電流を流すことができ、発光効率が高く輝度を大幅に増加させることが可能であると記載している。
特許文献2に記載されたようなAlN基板は高い熱伝導率を有しているため放熱性が高いことが特徴であるが、機械的強度(曲げ強度及び破壊靱性)が低いためある程度の厚さが必要であり、薄手の基板が必要な用途には向かないため、さらなる小型化に対しては限界があった。
特開平6−24850号公報 国際公開第2005/031882号
従って、本発明の目的は、大型で、熱伝導性に優れるとともに、機械的強度(曲げ強度及び破壊靱性)に優れた窒化ケイ素焼結基板を提供することにある。
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者らは、直径2インチ以上の円形の主面を有し、主面における中央部と端部との密度比が0.98以上であり、主面における中央部及び端部のボイド率が低い窒化ケイ素焼結基板が、半導体回路製造におけるボンディング用基板として有用であることを見出し、本発明に想到した。
すなわち、本発明の窒化ケイ素焼結基板は、直径2インチ以上の円形の主面を有し、前記主面における中央部の密度dcと端部の密度deの比dc/deが0.98以上かつ1.0以下であり、前記主面における中央部のボイド率vcが1.80%以下であり、端部のボイド率veが1.00%以下であり、前記主面の表面粗さSaが0.7μm以下であることを特徴とする。
前記中央部の密度dcは3.120g/cm以上であり、前記端部の密度deは3.160g/cm以上であり、前記中央部のボイド率vcと前記端部のボイド率veとの比ve/vcは0.50以上であるのが好ましい。
前記中央部の密度dcは3.140g/cm以上であり、前記端部の密度deは3.160g/cm以上であり、前記中央部のボイド率vcは1.30%以下であるのが好ましい。
前記主面の表面粗さSaは0.3μm以下であるのが好ましい。
本発明の窒化ケイ素焼結基板は、炭素含有量が0.20質量%以下であるのが好ましい。
本発明の窒化ケイ素焼結基板は、0.15mm以上2.0mm以下の厚さを有するのが好ましい。
前記主面は、直径4インチ以上の円形を有するのが好ましい。
前記主面は、オリエンテーションフラット又はノッチを有するのが好ましい。
本発明の窒化ケイ素焼結基板は、半導体単結晶基板又は半導体単結晶層をボンディングするための基板として用いるのが好ましい。
本願の窒化ケイ素焼結基板は、大型で、絶縁信頼性、機械的強度(曲げ強度及び破壊靱性)に優れているので、半導体回路製造における半導体単結晶基板又は半導体単結晶層をボンディングするための基板として好適である。
本実施形態の窒化ケイ素焼結基板の一例を示す斜視図である。 グリーンシートの焼結により得られた窒化ケイ素焼結体から、本発明の窒化ケイ素焼結基板を切り出す様子を示す模式図である。 (a)実施例及び(b)参考例に係る窒化ケイ素焼結基板における中央部及び端部の定義を説明する模式図である。 部分放電電圧を測定するための測定系を示す模式図である。 耐圧を求めるための試験片の形状を示す(a)平面図及び(b)断面図である。 CSP−LED(チップサイズパッケージLED)の製造工程を示す模式図である。 本実施形態の窒化ケイ素焼結基板の製造方法の一例を示すフローチャートである。 本実施形態の窒化ケイ素焼結基板の製造方法の他の例を示すフローチャートである。 複数枚のグリーンシートを有する積層組立体を示す断面図である。 積層組立体の上面に重し板を配置する様子を示す断面図である。 二重構造の容器内の多段フレームに、重し板を載せた積層組立体を配置した様子を示す断面図である。 内側容器及び外側容器の下板上に、載置板を介して一つの積層組立体を載せた状態を示す断面図である。 図10に示す載置板の上に縦枠部材を介してもう一つの載置板を配置し、その上に二つ目の積層組立体を載せた状態を示す断面図である。 本実施形態の窒化ケイ素焼結基板の製造方法における焼結工程の温度プロファイルの一例を示すグラフである。 本実施形態の窒化ケイ素焼結基板の製造方法における焼結工程の温度プロファイルの他の例を示すグラフである。 参考例1〜28、51、52及び比較例53〜55の窒化ケイ素焼結基板におけるボイド率と炭素含有量との関係を示すグラフである。 参考例1、3、5、10、12、14、51、52の窒化ケイ素焼結基板における(a)一辺の長さと基板の密度との関係、及び(b)一辺の長さとボイド率との関係を示すグラフである。 参考例1、3、5、10、12、14、51、52の窒化ケイ素焼結基板における(a)一辺の長さと部分放電電圧との関係、及び(b)一辺の長さと絶縁破壊耐圧のワイブル係数との関係を示すグラフである。
本願発明者の詳細な検討によれば、窒化ケイ素焼結基板のサイズを大きくすると、基板の中央付近と端部とで種々の物性に差が生じ、基板面内での物性の均一性が低下する。特に、基板の中央付近では、焼結時にグリーンシートが収縮しにくいため、基板中央付近において、密度が小さくなること及びボイド率が大きくなることが分かった。
パワーモジュール、LED又はLD(レーザダイオード)の実装等、ハイパワー回路に窒化ケイ素焼結基板が用いられる場合、高耐圧であること及び/又は高絶縁信頼性を有することが好ましい。検討の結果、高絶縁信頼性を評価する特性として、部分放電電圧を用いることができること、及び、部分放電電圧は、窒化ケイ素焼結基板のボイド率と相関があることが分かった。高絶縁信頼性とは、高い絶縁特性が長期間維持されることを言う。
さらに、密度及びボイド率の面内均一性が高く、外形の大きな窒化ケイ素焼結基板を作製するためには、窒化ケイ素焼結基板の製造時にグリーンシートとともに積層される窒化ホウ素粉末層の厚さを制御すること、及び、焼結時の炭素含有量を制御することが重要であることが分かった。これらの検討結果に基づき、本願発明者は、大きなサイズを有し、高耐圧及び高絶縁信頼性を有し、これらの面内ばらつきが小さく、さらには機械的強度(曲げ強度及び破壊靱性)に優れた窒化ケイ素焼結基板及びその製造方法を想到した。以下、本実施形態の窒化ケイ素焼結基板及びその製造方法の一例を説明する。本発明は、以下の実施形態に限られず、種々の改変又は変更が行われてもよい。
[1]窒化ケイ素焼結基板
図1(a)に示すように、本実施形態の窒化ケイ素焼結基板101は、主面101aを有する。ここで主面とは、窒化ケイ素焼結基板101を構成している面のうち、最も広い面を指す。本実施形態では、主面101aと反対側に位置する面101bも実質的に主面101aと同じ大きさを有する。主面101aは、少なくとも直径が2インチ以上の円形を有する。すなわち、本実施形態の窒化ケイ素焼結基板101は、直径が2インチ以上のウェハ形状を有している。窒化ケイ素焼結基板101は、直径が4インチ以上の形状を有しているのがより好ましい。
図1(b)に示すように、窒化ケイ素焼結基板101は、グリーンシートの焼結により得られた窒化ケイ素焼結体101’から予肉部102(ハッチングで示している)を加工により切り落とした後の基板である。窒化ケイ素焼結体101’は、一辺が120mmの正方形よりも大きい形状を有しているのが好ましく、150mm×170mmの長方形よりも大きい形状を有しているのが好ましい。
窒化ケイ素焼結基板101の密度及びボイド率が、以下において説明する条件を満たす限り、主面101aの大きさに制限はない。しかし、主面101aが大きくなるほど、窒化ケイ素焼結基板101の製造時におけるグリーンシートの端部と中央部との収縮量の差が大きくなるため、耐圧及び絶縁信頼性に端部と中央部とでばらつきが大きくなる。耐圧及び絶縁信頼性の面内ばらつきを小さくするためには、主面101aは、直径が9.8インチ又はこれよりも小さい形状を有する円であることが好ましく、直径が8.7インチ又はこれよりも小さい形状を有する円であることがより好ましい。
窒化ケイ素焼結基板101の厚さtは、0.15mm以上2.0mm以下であることが好ましい。厚さが0.15mmよりも小さい場合、窒化ケイ素焼結基板101製造時に焼結後の積層組立体から各窒化ケイ素焼結基板101を剥離する過程で、基板内にクラックが生じる場合があり、基板の品質及び製造歩留りを低下させる可能性が大きくなる。また、厚さが2.0mmよりも大きい場合、窒化ケイ素焼結基板101の中央部と端部における密度差、及び、基板の厚さ方向における密度差が大きくなり、結果として基板中央部と端部との密度差がより顕著となる。窒化ケイ素焼結基板101の厚さtは、0.3mm以上及び1.0mm以下であるのがより好ましい。
窒化ケイ素焼結基板101において、主面101aの中央部の密度dcと端部の密度deの比dc/deは0.98以上かつ1.0以下である。密度比dc/deが、0.98よりも小さい場合、窒化ケイ素焼結基板101の主面101aにおける密度のばらつきが大きくなり、好ましくない。具体的には、密度比dc/deが0.98よりも小さい場合、中央部の密度dcと端部の密度deとの差が0.06g/cm以上になる。比dc/deは1.0である場合、中央部の密度dcと端部の密度deとの差がゼロになる(実質的にdc/de=1.00)。中央部の密度dcは3.120g/cm以上であることが好ましく、端部の密度deは3.160g/cm以上であることが好ましい。dc/deが0.98以上であることにより、窒化ケイ素焼結基板101の中央部と端部との密度差が小さくなり、窒化ケイ素焼結基板101における密度の均一性高められる。さらに、中央部の密度dcが3.120g/cm以上であり、端部の密度deが3.160g/cm以上であることにより、高密度で、密度の均一性が高い窒化ケイ素焼結基板101が得られる。また、中央部の密度dcが3.140g/cm以上であり、端部の密度deが3.160g/cm以上であれば、窒化ケイ素焼結基板101の密度がより大きく、かつ、密度の均一性も高くなる。その結果、高い絶縁特性を有する窒化ケイ素焼結基板101が得られる。窒化ケイ素焼結基板101の密度は以下で説明するボイド率と相関があり、さらに、基板の絶縁性に関連している。
本願発明者の検討によれば、窒化ケイ素焼結基板101のボイド率は、炭素含有量と相関があり、残留炭素量が多いほど、ボイド率も大きくなる。窒化ケイ素焼結基板101の炭素含有量は、中央部において、0.2質量%以下であることが好ましい。炭素の含有量が0.2質量%を超えると、中央部のボイド率が、1.80%よりも大きくなる。
なお、特許文献1は、窒化ケイ素焼結基板の製造の際、グリーンシート中に有機バインダー等に由来する炭素が残留していると、焼結によって炭化ケイ素が生成することにより、窒化ケイ素焼結基板の誘電率が増大したり絶縁抵抗が低下したりするという課題が生じることを開示している。この課題を解決するため、特許文献1は、窒化ケイ素焼結基板中の炭素の含有量を1質量%以下にすることを開示している。
上述したように、本願発明者の検討によれば、窒化ケイ素焼結基板101のボイド率を小さくするためには、炭素の含有量は、この値よりもはるかに小さいことが好ましい。また、特許文献1には、有機バインダーを用いずに作製した窒化ケイ素焼結基板も示されているが、この基板は、35mm×35mm×1.1mmのサイズを有しており、大型の基板ではない。
低残留炭素量の窒化ケイ素焼結基板を作製するためには、有機バインダーを用いずにグリーンシートを作製することが考えられるが、この場合、大型のグリーンシートを成形することができない。つまり、有機バインダーを用いない場合には、成形性の問題から、そもそも大型の窒化ケイ素焼結基板を作製するこがきわめて困難である。
窒化ケイ素焼結基板101のボイド率は、部分放電開始電圧と関連している。基板を大型化しようとすると、グリーンシートの端部と中央部との収縮量の差が大きくなり、ボイド率が大きく、ボイド率の均一性(具体的には中央部と端部のボイド率差)が低くなる。これによって、部分放電電圧が低下するので、中央部のボイド率vcは1.80%以下であり、端部のボイド率veが1.00%以下であることが好ましい。中央部のボイド率vcは1.30%以下であることがより好ましい。中央部のボイド率vc及び端部のボイド率veがこれらの値より大きい場合、部分放電開始電圧、より具体的には、部分放電開始電圧及び部分放電消滅電圧のいずれもが小さくなり、窒化ケイ素焼結基板101の絶縁信頼性が十分ではない。具体的には、所定の高電圧が印加される場合、絶縁破壊が生じるまでの期間が短くなる。より高い絶縁信頼性を確保するためには、中央部のボイド率vcと端部のボイド率veとの比ve/vcは0.50以上であることが好ましい。上記の適切な中央部のボイド率と端部のボイド率とするには、窒化ホウ素粉末層の厚さを後述するように適切にする、即ち3μm以上20μm以下とする。
ここで、上述した物性(密度及びボイド率)を測定する位置(中央部及び端部)について説明する。上述したように、本発明の窒化ケイ素焼結基板における主面101aは2インチ以上の直径dを有する円形である。直径dは、実際に半導体の製造において使用する部分の直径d’と、加工シロ等の部分とを含んだ値である。ここで半導体の製造において使用する部分の直径d’の円を円形110と定義する。すなわち、主面101aの形状は、加工シロ等がない場合には円形110に一致し、加工シロ等がある場合は円形110の直径d’に加工シロ等の寸法を加えた形状に一致する。
このようにして定義した直径d’を有する円形110において、図2(a)に示すように、(d’×0.2)の直径を有する円C0を円形110の中心に配置し、さらに(d’×0.2)の直径を有する6つの円C1〜C6を円形110の周方向に等間隔(60°ごと)に円周に内接するよう配置する。
窒化ケイ素焼結基板101の密度及びボイド率は、上記のように配置した7つの円C0〜C6を窒化ケイ素焼結基板101からレーザ加工によって切り出して測定する。中央部の密度及びボイド率とは、円C0の切片の密度であり、端部の密度及びボイド率とは、円C1〜C6の切片を測定した値のうち、最も小さい値を言う。密度の測定はアルキメデス法による。ボイド率の測定は、試料断面の顕微鏡観察により行う。すなわち、各切片から5mm×5mmの試料をレーザ加工により切り出し、樹脂で試料の空隙を充填した後、断面を研磨して作製した測定用試料を500倍の光学顕微鏡によって撮影し、得られた像の300μm×300μm内にあるボイドの面積を画像解析によって求め、式:(ボイド面積)/(300μm×300μm)×100によってボイド率を求める。
また窒化ケイ素焼結基板101の炭素含有量は、主面の中央に位置する円C0の部分における炭素含有量を測定した値である。炭素含有量は、非分散型赤外線吸収法によって測定した値である。例えば、LECO社製のCS744型炭素・硫黄分析装置を用いて測定することができる。
なお本願において、円形の窒化ケイ素焼結基板101の中央部及び端部の密度及びボイド率は、便宜的に、円形の窒化ケイ素焼結基板101を加工により切り落とす前の窒化ケイ素焼結体101’(一辺が120mmの正方形よりも大きい形状を有している基板)の中央部及び端部の測定値から推測することができる(このような方法で測定しても差しつかえない)。すなわち、窒化ケイ素焼結体101’は窒化ケイ素焼結基板101よりも大きい形状を有しているので、その中央部及び端部の密度及びボイド率が本願の規定を満足していれば、それよりも小さい形状の窒化ケイ素焼結基板101も満足するはずである。
窒化ケイ素焼結体101’の中央部及び端部の密度及びボイド率は以下のようにして求める。図2(b)に示すように、窒化ケイ素焼結体101’(一辺がL1、他の一辺がL2)において、絶縁基板として使用しない部分(1cm幅)を除いた四角形110’を仮定し、四角形110’内に直径3cmの9つの円C11〜C13、C21〜C23、C31〜C33を3行3列に配置する。ここで、中央の円C22は、正方形の中心、つまり、対角に位置する2つの頂点をそれぞれ結ぶ2つの対角線の交点に円C22の中心が一致するように配置し、他の8つの円C11〜C13、C21、C23、C31〜C33は、正方形110’の頂点近傍でかつ2つの辺に接する直径3cmの円C11、C13、C31、C33を配置する。また、これらの円の中間に位置し、かつ、対応する辺に接するように、円C12、C21、C23、C32を配置する。
窒化ケイ素焼結体101’の密度及びボイド率は、上記のように配置した9つの円C11〜C13、C21〜C23、C31〜C33を窒化ケイ素焼結体101’からレーザ加工によって切り出して測定する。中央部の密度及びボイド率とは、円C22の切片の密度であり、端部の密度及びボイド率とは、円C11〜C13、C21、C23、C31〜C33の切片を測定した値のうち、最も小さい値である。
窒化ケイ素焼結基板101は上述した密度及びボイド率を有することによって、耐圧及び絶縁信頼性に優れ、主面101aでの密度及びボイド率の均一性に優れる。窒化ケイ素焼結基板101の部分放電は絶縁破壊の前駆現象であり、部分放電電圧が高いほど、絶縁破壊の耐圧が高く、絶縁破壊に至るまでの期間が長い。本実施形態の窒化ケイ素焼結基板101は、4kV以上の部分放電開始電圧及び4kV以上の部分放電消滅電圧を有する。特に、窒化ケイ素焼結基板101における中央部の密度dcが3.140g/cm以上であり、端部の密度deが3.160g/cm以上であり、中央部のボイド率vcが1.30%以下であれば、部分放電開始電圧は5kV以上になり、より、高い絶縁信頼性が得られる。部分放電開始電圧は、窒化ケイ素焼結基板101に印加する電圧を増大させていく場合において、10pCの放電電荷量に達した時の電圧値で定義される。また、部分放電消滅電圧は、窒化ケイ素焼結基板101に印加する電圧を減少させていく場合において、10pCの放電電荷量に達した時の電圧値で定義される。
測定は、例えば、総研電気社製のDAC−PD−3を用い、昇圧及び降圧速度100V/secで最大印加電圧を7kVに設定して行うことができる。他の装置や他の測定条件を用いてもよい。
測定には、図3に示す測定系を用いる。図3に示すように、槽130内に240mm×240mmの裏面側電極131を配置し、その上に測定対象である窒化ケイ素焼結基板101を配置する。窒化ケイ素焼結基板101上に直径34mmの表面側電極132を配置し、裏面側電極131及び表面側電極132にそれぞれ配線134の一端を接続する。配線134の他端は測定装置に接続される。槽130をフッ素系絶縁性液体133で満たし測定を行う。
本実施形態の窒化ケイ素焼結基板101を用いて作成される回路基板は、8kV以上の絶縁破壊耐圧及び6以上の絶縁破壊耐圧のワイブル係数を有する。絶縁破壊耐圧は、上述した定義による窒化ケイ素焼結基板101の主面101aにおける中央部及び端部の位置において切り出された円板について測定を行い、平均を求めた値である。具体的には、図4(a)及び図4(b)に示すように、窒化ケイ素焼結基板101から切り出された円板140の表面及び裏面に10mm×10mmの大きさのAgペーストを塗布し、500℃で焼き付けて、電極141付きの測定用回路基板を作製する。得られた測定用回路基板の電極141間に直流電圧を印加し、測定用回路基板が絶縁破断すなわち基板の表裏を貫通した際の電圧を、絶縁破壊耐圧として求める。
本実施形態の回路基板は、窒化ケイ素焼結基板101と、窒化ケイ素焼結基板101の一方の面に設けられた金属回路板(例えば銅の回路板)と、窒化ケイ素焼結基板101の他方の面に設けられた金属放熱板(例えば銅の放熱板)とを備える。回路基板は、金属回路板の上面に設けられた半導体素子等をさらに備えてもよい。窒化ケイ素焼結基板と、金属回路板及び金属放熱板との接合は、例えばろう材による活性金属法や銅板を直接接合する銅直接接合法を用いることができる。
絶縁破壊耐圧のワイブル係数は求めた絶縁破壊耐圧を横軸にとり、縦軸に破壊確率をとったワイブル分布をプロットすることによって求められる。具体的には、Lnを自然対数とし、絶縁破壊確率(確率密度関数)をFとし、絶縁耐圧をV(kV)とした場合、回路基板から切り出した円板について、Ln(Ln(1/(1−F)))を縦軸に、Ln(V)を横軸にとり、プロットした測定点から、Ln(Ln(1/(1−F)))=mLn(V)+定数で示される近似式で求める。この場合のmが絶縁破壊耐圧のワイブル係数である。
窒化ケイ素焼結基板101の誘電率に特に制限はなく、用途に応じた誘電率を備える。例えば、パワーモジュールに用いる場合、窒化ケイ素焼結基板101は10以下の誘電率を備えることが好ましく、例えば、7.9以上8.1以下程度の誘電率を備えていることが好ましい。
本実施形態の窒化ケイ素焼結基板によれば、特に、密度及びのボイド率が上述した範囲に制御されていることによって、大型で、耐圧及び絶縁信頼性、並びに機械的強度(曲げ強度及び破壊靱性)に優れ、かつ、これらの基板面内での均一性に優れる。このような特性を有することによって、従来では製造が困難であった大型でかつ大電力用途の特性に優れた窒化ケイ素焼結基板を得ることができる。
また、本実施形態の窒化ケイ素焼結基板を集合基板として用い分割する場合には、1枚の大型の窒化ケイ素焼結基板から多数の窒化ケイ素焼結基板片を得ることができるため、高い生産性が実現でき、窒化ケイ素焼結基板片の製造コストを低減することができる。また、分割して得られた多数の窒化ケイ素焼結基板片間での密度、ボイド率、部分放電電圧、機械的強度(曲げ強度及び破壊靱性)等の特性のばらつきが小さい。本実施形態の1枚の窒化ケイ素焼結基板から2以上に分割あるいは切断された複数の窒化ケイ素焼結基板片は、例えば、各窒化ケイ素焼結基板片に識別情報が付されていたり、基板の上述した物性の変化の連続性、組成、厚さの変化の連続性を測定することによって、特定し得る。
本発明の窒化ケイ素焼結基板は、ボンディング用基板として用いることができる。ボンディングについて、CSP−LED(チップサイズパッケージLED)の製造工程を例に挙げて説明する。CSP−LEDの製造工程の概略図を図5に示す。(a)LEDのチップは、サファイア(Al23)、炭化ケイ素(SiC)、窒化アルミニウム(AlN)、シリコン(Si)等からなる単結晶基板201上に、(b)GaN又はその他の窒化物等の単結晶半導体202をエピタキシャル成長(ヘテロエピタキシー)させて、LEDチップを形成する。(c)単結晶基板上に形成されたLEDチップを表裏反転し、電極がある面を窒化ケイ素焼結基板203に向けて、(d)窒化ケイ素焼結基板203にあらかじめ設けた電極とバンプを介して接合(ボンディング)し、窒化ケイ素焼結基板203とLEDチップとの隙間を樹脂で封入(アンダーフィル)する。その後、(e)単結晶基板201を研削、研磨又はエッチングにより除去する。(f)窒化ケイ素焼結基板203上のLEDチップをダイシングし、(g)CSP−LED(204)が得られる。
通常、ボンディング用基板としては、絶縁に対する信頼性と高い熱伝導性から窒化アルミニウム基板(AlN基板)が多く用いられているが、AlN基板は薄くした場合、実装時に壊れるリスクがあり薄肉化・小型化が困難である。本発明の窒化ケイ素焼結基板は、絶縁性及び熱伝導性に優れ、かつ機械的強度及び破壊靱性にも優れるため、ボンディング用基板として用いることにより、放熱性が大幅に高まり、小型化・省力タイプLEDの提供が可能になる。
窒化ケイ素焼結基板の表面は、表面粗さSaが0.7μm以下であり、好ましくは表面粗さSaが0.3μm以下である。なお、表面粗さSaは、国際規格ISO 25178で規定される算術平均高さである。この表面粗さSaが0.7μmを超えるように粗くなると、窒化ケイ素焼結基板と、接合対象の基板との密着性が低下し易くなる。Saが0.3μm以下であると、面内に配列される複数のLEDチップの一部に接合不良が生じることが抑制される。ボンディングした後の接合強度の信頼性を高めるには表面粗さSaは0.1μm以下であるのがより好ましい。このような低い表面粗さは窒化ケイ素焼結基板の表面を研摩等することによって得られる。
窒化ケイ素焼結基板の曲げ強度は、600 MPa以上であるのが好ましく、700 MPa以上であるのがより好ましく、破壊靱性は5.0 MPa・m0.5以上であるのが好ましく、6.4 MPa・m0.5以上であるのがより好ましい。曲げ強度及び破壊靱性が前記の様に高いことにより、窒化ケイ素焼結基板を薄くした場合でもクラックが生じたり割れたりするおそれが小さくなるので、窒化ケイ素焼結基板を薄くすることが可能である。従って、ボンディング用基板として好適である。
窒化ケイ素焼結基板には、表面と裏面とを貫通しLEDチップに裏面から導通させるためのビアホールが形成されていてもよい。このようにビアホールを設けビア接続可能にすることにより、窒化ケイ素焼結基板の裏面からこのビアホールを介して表面側のLEDチップに通電することが可能となる。そのため、配線構造が簡素化されLEDを薄く小型に形成できる。窒化ケイ素焼結基板には、LEDチップ以外にも逆電流防止用のダイオード、抵抗、サーミスタ等の周辺部品を搭載することもできる。
窒化ケイ素焼結基板をボンディング用基板として用いる場合に、ウェハの向きを合わせるため、周上にオリエンテーションフラット又はノッチ(切り欠き)が設けられていてもよい。
[2]窒化ケイ素焼結基板の製造方法
(A)原料粉末
本実施形態の窒化ケイ素焼結基板を製造するための原料粉末は窒化ケイ素(Si)を主成分として含み、焼結助剤をさらに含む。具体的な原料粉末の配合成分は、80質量%以上98.3質量%以下のSi粉末、酸化物換算で0.7質量%以上10質量%以下のMg化合物粉末及び酸化物換算で1質量%以上10質量%以下の少なくとも1種の希土類元素の化合物粉末を含む。窒化ケイ素焼結体の密度、曲げ強度及び熱伝導率の観点から、窒化ケイ素粉末のα化率は20%以上100%以下であることが好ましい。
Siの添加量が80質量%未満であると、得られる窒化ケイ素焼結基板の曲げ強度及び熱伝導率が低すぎる。一方、Siが98.3質量%を超えると、焼結助剤が不足し、緻密な窒化ケイ素焼結基板を得られない。また、Mgが酸化物換算で0.7質量%未満であると、低温で生成する液相が不十分である。一方、Mgが酸化物換算で10質量%を超えると、Mgの揮発量が多くなり、窒化ケイ素焼結基板に空孔が生じやすくなる。さらに、希土類元素が酸化物換算で1質量%未満であると、窒化ケイ素粒子間の結合が弱くなり、クラックが粒界を容易に伸展することから曲げ強度が低くなる。一方、希土類元素が酸化物換算で10質量%を超えると、粒界相の割合が多くなり、熱伝導率が低下する。
Mg含有量(酸化物換算)は好ましくは0.7質量%以上7質量%以下であり、より好ましくは1質量%以上5質量%以下であり、最も好ましくは2質量%以上5質量%以下である。また、希土類元素の含有量(酸化物換算)は、好ましくは2質量%以上10質量%以下あり、より好ましくは2質量%以上5質量%以下である。従って、Siの含有量は好ましくは83質量%以上97.3質量%以下であり、より好ましくは90質量%以上97質量%以下である。希土類元素としては、Y、La、Ce、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu等を使用することができるが、中でも、Yは窒化ケイ素焼結基板の高密度化に有効であり好ましい。Mg及び希土類元素は酸化物の形態であってもよく、酸素以外の化合物の形態であってもよい。例えば、Mg、YN等の窒化物、MgSi等のケイ化物を用いてもよい。好ましくは、Mg及び希土類元素はそれぞれ酸化物粉末の形態で使用する。従って、好ましい焼結助剤は、MgO粉末とY粉末との組合せである。
本実施形態の窒化ケイ素焼結基板を製造するための原料粉末としてSi粉末を用いてもよい。この場合、グリーンシートの焼結前にSi粉末を窒化することによって、窒化ケイ素焼結基板が得られる。Si粉末を原料として用いる場合の原料粉末の配合成分(第1の配合成分)は、例えば、上述の窒化ケイ素粉末を用いる場合の配合成分において、SiをSiに換算した割合で原料を含む。
具体的には、原料粉末は、Si換算で、80質量%以上98.3質量%以下のSi粉末、酸化物換算で0.7質量%以上10質量%以下のMg化合物粉末及び酸化物換算で1質量%以上10質量%以下の少なくとも1種の希土類元素の化合物粉末を含む。
また、窒化ケイ素焼結基板を製造するための原料粉末としてSi粉末及びSi粉末を用いてもよい。窒化ケイ素焼結基板中の窒化ケイ素のすべてをSi粉末から合成する場合、Siの窒化時における急激な発熱によってSiが溶融してしまい窒化が不十分になる可能性がある。これに対し、原料粉末にSi粉末を混合しておくと、発熱量及び発熱密度を低下させることによってSiの溶融を抑制することができる。この場合、Si粉末とSi粉末とは任意の割合で混合し得る。具体的には、原料粉末は、Si換算で、80質量%以上98.3質量%以下のSi粉末及びSi粉末、酸化物換算で0.7質量%以上10質量%以下のMg化合物粉末及び酸化物換算で1質量%以上10質量%以下の少なくとも1種の希土類元素の化合物粉末を含む。
(B)製造工程
グリーンシートの積層組立体を用いて窒化ケイ素焼結基板を製造する方法を以下に説明する。積層組立体を形成しており、グリーンシートを積層し、積層されたグリーンシートを一度に焼結するので、生産性に優れる。ここで積層組立体(stacked assembly)とは、複数のグリーンシートが互いに溶着しないように積層された、焼結時の一時的な積層構造体をいう。焼結後、積層組立体から個々の窒化ケイ素焼結基板を分離することが可能である。
図6(a)は、原料粉末として窒化ケイ素原料粉末を用いる場合の本実施形態の窒化ケイ素焼結基板を製造する方法の一例を示すフローチャートである。また、図6(b)は、原料粉末としてケイ素原料粉末、又は、ケイ素原料粉末及び窒化ケイ素原料粉末を用いる場合の本実施形態の窒化ケイ素焼結基板を製造する方法の一例を示すフローチャートである。説明の簡略化のために、窒化ケイ素原料粉末をSi粉末とし、ケイ素原料粉末をSi粉末とし、Mg原料粉末をMgO粉末とし、希土類元素原料粉末をY粉末とするが、原料の酸化状態や窒化状態はこれらの組成式に限られず、他の酸化状態や窒化状態の原料を用いてもよい。
(1)混合工程S1
上記焼結組成が得られるように配合した原料粉末に、可塑剤(例えばフタル酸系可塑剤)、有機バインダー(例えばポリビニルブチラール)及び有機溶剤(例えばエチルアルコール)をボールミル等で混合し、原料を含むスラリーを作製する。スラリーの固形分濃度は30質量%以上70質量%以下が好ましい。上述したようにSi粉末を窒化させる場合には、Si粉末の代わりにSi粉末、又は、Si粉末及びSi粉末を用いる。
(2)成形工程S2
スラリーを脱泡及び造粘した後、例えばドクターブレード法によりグリーンシートを形成する。グリーンシートの厚さは、形成すべき窒化ケイ素焼結基板の厚さ及び焼結収縮率を考慮して適宜設定する。ドクターブレード法で形成したグリーンシートは通常長尺な帯状であるので、所定の形状及びサイズに打ち抜くか切断する。1枚のグリーンシートは、1辺が150mmの正方形以上の大きさの形状を有し、かつ焼結による収縮量を考慮した大きさを有している。なおグリーンシートの形状は正方形に限らず、円形(ウェハ形状)であっても良い。
(3)積層工程S3
窒化ケイ素焼結基板101を効率的に製造するために、複数枚のグリーンシートを積層するのが好ましい。図7に示すように、複数枚のグリーンシート1を、3μm以上20μm以下の厚さの窒化ホウ素粉末層12を介して積層し、積層組立体10を形成する。窒化ホウ素粉末層12は焼結後の窒化ケイ素焼結基板の分離を容易にするためのものであり、各グリーンシート1の一面に窒化ホウ素粉末のスラリーを、例えばスプレー、ブラシ塗布又はスクリーン印刷することにより形成することができる。窒化ホウ素粉末は95%以上の純度及び1μm以上20μm以下の平均粒径を有するのが好ましい。ここで平均粒径とはレーザ回折・散乱法で測定した粒度分布から計算されるD50の値のことである。
窒化ホウ素粉末層12は以下の焼結工程において焼結せず、焼結による収縮も生じない。このため、窒化ホウ素粉末層12が20μmよりも厚い場合、グリーンシートの収縮を妨げる影響が大きくなる。特に、グリーンシートの中央部付近での収縮が妨げられるため、得られる窒化ケイ素焼結基板101の中央部における密度の低下及びボイド率の増大を招きやすい。一方窒化ホウ素粉末層12の厚さが3μmよりも小さい場合、離形剤としての効果が不足し、焼結後に積層組立体から各窒化ケイ素焼結基板を分離することが困難になる。窒化ホウ素粉末層12の厚さは、5μm以上15μm以下であることがより好ましい。窒化ホウ素粉末層12の厚さは、例えば、用いる窒化ホウ素粉末の平均粒径及び/又はスラリーの粘度で調節することができる。また、窒化ホウ素粉末層12の厚さはスラリーを塗布した状態での厚さである。
図8に示すように、得られる窒化ケイ素焼結基板の反り及びうねりを抑制するために、各積層組立体10の上面に重し板11を載置し、各グリーンシート1に荷重を作用させる。各グリーンシート1に作用する荷重は10〜600Paの範囲内とする。荷重が10Pa未満の場合、焼結された個々の窒化ケイ素焼結基板に反りが生じやすい。一方、荷重が600Paを超えると、各グリーンシート1が荷重により拘束され、焼結時の円滑な収縮が阻害されるため、緻密な窒化ケイ素焼結基板が得られにくい。各グリーンシート1に作用する荷重は20〜300Paが好ましく、20〜200Paがより好ましく、30〜150Paが最も好ましい。
重し板11の重量がWgで、各グリーンシート1の重量及び面積がそれぞれWg及びScmで、積層組立体10中のグリーンシート1がn枚であるとすると、最上層のグリーンシート1aにかかる荷重は98×(W/S)Paであり、最下層のグリーンシート1bにかかる荷重は98×[W+W×(n−1)]/SPaである。例えば、重し板11として厚さ2mmの窒化ホウ素板を使用し、積層組立体10が20枚のグリーンシート1からなるとすると、最下層のグリーンシート1bにかかる荷重は最上層のグリーンシート1aにかかる荷重の約3〜4倍である。この点を考慮に入れて、重し板11の重量、及び積層組立体10中のグリーンシート1の枚数を設定する。重し板11の重量Wは、最下層のグリーンシート1bでも10〜600Paの範囲内の荷重を受けるとともに、収縮が拘束されずに反り及びうねりなく焼結されるように設定するのが好ましい。
(4)脱脂工程S4
グリーンシート1は有機バインダー及び可塑剤を含有するので、焼結工程S5の前に、積層組立体10を400〜800℃に加熱して、脱脂する。脱脂後のグリーンシート1は脆いので、積層組立体10の状態で脱脂するのが好ましい。
(5)焼結工程S5
(a)焼結用容器
図9は、複数の積層組立体10を同時に焼結するための容器の一例を示す。容器20は、各積層組立体10を収容する載置板21を多段に積み上げた載置板組立体30と、載置板組立体30を収容する内側容器40と、内側容器40を収容する外側容器50とからなる。上下方向に隣接する載置板21の間隔は、縦枠部材22で保持する。
内側容器40及び外側容器50の二重構造の容器20とすることにより、グリーンシート1中のSiの分解とMgOの揮発を抑制することができ、より緻密で反りが少ない窒化ケイ素焼結基板を得ることができる。内側容器40及び外側容器50はいずれも窒化ホウ素製であるのが好ましいが、外側容器50をCVDによりp−窒化ホウ素をコーティングした炭素製とすることもできる。p−窒化ホウ素をコーティングした炭素製の外側容器50の場合、熱伝導の良い炭素基材により昇温時の温度分布を均一化しやすく、窒化ケイ素焼結基板の反り及びうねりを抑制でき、またp−窒化ホウ素コーティングにより炭素基材による還元性雰囲気の生成を防止できる。内側容器40は下板40a、側板40b及び上板40cからなり、外側容器50は下板50a、側板50b及び上板50cからなる。
載置板21の上面に反りやうねりがあると、載置板21と接触する最下層のグリーンシート1bには、載置板21の上面と接触する部分と接触しない部分とが生じる。この場合、焼結時にグリーンシート1bの非接触部は収縮しやすく、接触部は収縮しにくいため、グリーンシート1b中に不均一な収縮が生じ、反り及びうねりが生じる。また、最下層のグリーンシート1bの反り及びうねりは上層のグリーンシート1にも波及し、結果的に全ての窒化ケイ素焼結基板に反り及びうねりが生じる。このため、載置板21の上面はできるだけ平坦であることが好ましい。具体的には、反りは2.0μm/mm以内で、うねりは2.0μm以内であるのが好ましい。載置板21の反り及びうねりは、窒化ケイ素焼結基板の反り及びうねりと同じ方法で測定できる。
図9に示すように、内側容器40内に詰め粉24を配置するのが好ましい。詰め粉24は、例えば、0.1〜50質量%のマグネシア(MgO)粉末、25〜99質量%の窒化ケイ素(Si)粉末、及び0.1〜70質量%の窒化ホウ素(窒化ホウ素)粉末からなる混合粉末である。詰め粉24中の窒化ケイ素粉末及びマグネシア粉末は、1400℃以上の高温で揮発し、焼結雰囲気中のMg及びSiの分圧を調整し、グリーンシート1から窒化ケイ素及びマグネシアが揮発するのを抑制する。詰め粉24中の窒化ホウ素粉末は、窒化ケイ素粉末及びマグネシア粉末の凝着を防止する。詰め粉24の使用により、緻密で反りが少ない窒化ケイ素焼結基板を得ることができる。詰め粉24のハンドリングを容易にするとともに、グリーンシート1に接触するのを防止するために、詰め粉24を最上段の載置板21aの上に配置するのが好ましい。
図10に示すように、外側容器50の下板50aの上面に内側容器40の下板40aを載置し、内側容器40の下板40aの上面に載置板21を置き、その上に複数のグリーンシート1からなる積層組立体10及び重し板11を載置する。図11に示すように、載置板21の外周部位上に縦枠部材22を設置し、次の段の載置板21を置き、その上に積層組立体10及び重し板11を載置する。このようにして、所望段の積層組立体10及び重し板11を載せた載置板組立体30を形成した後、最上段の載置板21aの上面に詰め粉24を配置する。次いで、内側容器40の側板40b及び上板40cを組み立て、さらに外側容器50の側板50b及び上板50cを組み立てて、積層組立体10を収容した容器20を完成する。このような容器20を所望の数(例えば5個)だけ焼結炉(図示せず)に配置する。
(b)温度プロファイル及び焼結雰囲気
グリーンシート1の焼結は、Si粉末を用いる場合には、図12(a)に示す温度プロファイルPに従って行う。Si粉末、又は、Si粉末及びSi粉末を用いる場合には、図12(b)に示す温度プロファイルP’に従って行う。温度プロファイルPは、グリーンシート1から炭素を除去する脱炭素域Pc及び徐熱域Pを有する昇温域と、第1の温度保持域P及び第2の温度保持域Pを有する温度保持域と、冷却域とからなる。図12(a)において、縦軸に示す温度は焼結炉内の雰囲気温度である。つまり、焼結工程は、温度プロファイルPの脱炭素域Pcを用いる脱炭素工程と、第1の温度保持域Pを用いる焼結工程とを含む。Si粉末、又は、Si粉末及びSi粉末を用いる場合、脱炭素工程と、焼結工程との間に、窒化工程(S5p)を含む。このため、温度プロファイルP’は、脱炭素域Pcと、第1の温度保持域Pとの間に窒化領域Pnを含む。
焼結工程における焼結炉内の雰囲気温度は、例えば、焼結炉に設けられたのぞき窓から炉内のターゲット(カーボン)を放射温度計によって測定した温度を用いることができる。具体的には、焼結炉内に、内部にグリーンシートを配置した焼結用の容器と、焼結用の容器を内周側に配置するカーボン製の筒状壁と、筒状壁の外周側近傍に位置するターゲットとを設けることができる。ターゲットの温度を測定することで、昇温域や温度保持域において、実質的に炉内の雰囲気温度に対応した温度を測っているとして差し支えない。
(c)脱炭素域Pc
まず、焼結炉内の雰囲気温度を室温から脱炭素域Pcの温度範囲にまで上昇させる。加熱速度は、例えば、60℃/hrである。焼結炉内の雰囲気温度が900℃以上1300℃以下の温度に達したら、この範囲内の温度で、30分以上2時間以下の間保持(保持時間t)する。焼結炉内は、減圧下であることが好ましい。具体的には、80Pa以下の圧力であることが好ましい。前述したように、焼結時に炭素が残留していると、焼結体中にボイドが生成しやすい。このため、減圧下でグリーンシート1を保持することにより、グリーンシート1中の炭素を除去する。この工程は、脱脂工程S4よりも、炭素が揮発しやすい条件を用いることにより、炭素をより完全に除去する脱炭素工程である。
雰囲気温度が900℃よりも低い場合、炭素の除去が十分に行われない可能性がある。また、1300℃よりも高い場合、焼結助剤も除去される可能性がある。焼結炉内の雰囲気温度は1000℃以上1250℃以下の温度であることがより好ましい。
一般に、窒化ケイ素焼結基板の製造工程では、窒素が揮発するのを抑制するため、窒素雰囲気下で焼結が行われる。しかし、本願発明者の検討によれば、窒素が揮発しない程度の温度及び雰囲気下でグリーンシート1を加熱することにより、窒素の揮発を抑制しつつ、炭素をより完全に除去することができ、ボイドの生成を抑制できることが分かった。
(d)徐熱域
脱炭素域Pcを用いた加熱の終了後、焼結炉内の雰囲気温度を徐熱域Pの温度プロファイルで制御する。徐熱域Pは、グリーンシート1に含まれる焼結助剤が窒化ケイ素粒子の表面の酸化層と反応して液相を生成する温度域である。徐熱域Pでは、窒化ケイ素の粒成長が抑えられ、液相化した焼結助剤中で窒化ケイ素粒子が再配列して緻密化する。その結果、第1及び第2の温度保持域P、Pを経て、空孔径及び気孔率が小さく、曲げ強度及び熱伝導率の高い窒化ケイ素焼結基板が得られる。徐熱域Pの温度Tを、第1の温度保持域Pの温度Tより低い1400℃以上1600℃以下の範囲内とし、徐熱域Pにおける加熱速度を300℃/hr以下とし、加熱時間tを0.5時間以上30時間以下とするのが好ましい。加熱速度は0℃/hrを含んでも良く、すなわち徐熱域Pが一定温度に保持する温度保持域でも良い。徐熱域Pにおける加熱速度は1〜150℃/hrがより好ましく、1〜100℃/hrが最も好ましい。加熱時間tは1〜25時間がより好ましく、5〜20時間が最も好ましい。
徐熱域及びこれ以降の工程では、焼結炉内を窒素雰囲気で満たすことが好ましい。具体的には、窒素又は窒素を主成分とし、アルゴンなどの不活性ガスを含む混合ガス、あるいは、窒素ガスに3%程度以下の水素を含む混合ガスを用いることができる。焼結炉内の圧力は、1気圧以上20気圧程度以下であることが好ましい。
Si粉末、又は、Si粉末及びSi粉末を用いる場合、図12(b)に示すように、徐熱域P中に窒化領域Pnを設け、窒化工程を行うことによって、Si粉末を窒化させる。例えば、脱炭素域Pcを用いた加熱の終了後、焼結炉内の雰囲気温度を上昇させ、1350℃以上1450℃以下の温度範囲の温度Tnで保持する。保持時間tnは、3時間以上15時間以下であることが好ましい。窒素雰囲気化、この温度でグリーンシート1を保持することにより、Si粉末が焼結炉内の雰囲気である窒素と反応し、窒化ケイ素が生成する。
(e)第1の温度保持域
徐熱域Pを用いた加熱の終了後、焼結炉内の雰囲気温度を第1の温度保持域Pの温度プロファイルで制御する。この工程により、グリーンシート中の原料を焼結させる。
第1の温度保持域Pは、徐熱域Pで生成した液相により、窒化ケイ素粒子の再配列、α型窒化ケイ素結晶からβ型窒化ケイ素結晶への相変態、及び窒化ケイ素結晶の粒成長を増進させ、もって焼結体をさらに緻密化させる温度域である。このようにα型からβ型への相変態が焼結体の緻密化を促進する一因となるため、原料の窒化珪素粉末はα型を含み、α化率は20%以上100%以下であることが好ましい。β型窒化ケイ素粒子の大きさ及びアスペクト比(長軸と短軸の比)、焼結助剤の揮発による空孔の形成等窒を考慮して、第1の温度保持域Pの温度Tを1600℃以上2000℃以下の範囲内とし、保持時間tを約1〜30時間とするのが好ましい。より好ましくは、温度Tは1800℃以上2000℃以下の範囲内である。第1の温度保持域Pの温度Tが1600℃未満であると、窒化ケイ素焼結体を緻密化しにくい。一方、温度Tが2000℃を超えると、焼結助剤の揮発及び窒化ケイ素の分解が激しくなり、やはり緻密な窒化ケイ素焼結体が得られにくくなる。なお、1600〜2000℃の温度範囲内であれば、第1の温度保持域P内で加熱温度Tが変化(例えば徐々に昇温)してもよい。
第1の温度保持域Pの温度Tは1750℃以上1950℃以下の範囲内がより好ましく、1800℃以上1900℃以下の範囲内が最も好ましい。さらに、第1の温度保持域Pの温度Tは徐熱域Pの温度Tの上限より50℃以上高いのが好ましく、100℃以上300℃以下の範囲で高いのがより好ましい。保持時間tは2時間以上20時間以下であり、3時間以上10時間以下が最も好ましい。
(f)第2の温度保持域
第1の温度保持域Pの後にある第2の温度保持域Pは、焼結体を第1の温度保持域Pの温度Tよりやや低い温度Tに保持することにより、第1の温度保持域Pを経た液相をそのまま又は固液共存の状態で維持する温度域である。第2の温度保持域Pの温度Tは1400〜1700℃の範囲内で、かつ第1の温度保持域Pの温度Tより低いのが好ましい。また、第2の温度保持域Pの保持時間tは0.5〜10時間とする。第1の温度保持域Pの後に第2の温度保持域Pを設けると、例えば窒化ケイ素焼結基板の反りを3.2μm/mm以内にすることができる。
第1の温度保持域Pを用いた加熱の終了後、焼結炉内の雰囲気温度を第2の温度保持域Pの温度プロファイルで制御する。第2の温度保持域Pの温度Tが1400℃未満であると、粒界相が結晶化しやすく、得られる窒化ケイ素焼結基板の曲げ強度が低い。一方、温度Tが1700℃を超えると、液相の流動性が高すぎ、上記効果が得られない。温度Tは1500℃以上1650℃以下がより好ましく、1550℃以上1650℃以下が最も好ましい。第2の温度保持域Pの保持時間tは1時間以上5時間以下が好ましい。第2の温度保持域Pの保持時間tが0.5時間未満であると、粒界相の均一化が不十分である。焼結助剤の揮発を抑制して、窒化ケイ素焼結基板の機械的特性及び熱伝導率の低下を防止するためには、第2の温度保持域Pの保持時間tを10時間以下とする。
上述した条件を用いることにより、窒化ケイ素焼結基板の厚さ方向に粒界相均一に分布し、Mgの偏析が抑制される。よって、高い機械的強度(曲げ強度及び破壊靱性)を有し、反りが抑制される。
(g)冷却域
第2の温度保持域Pを用いた温度制御の終了後、焼結炉内の雰囲気温度を冷却域Pの温度プロファイルで制御する。冷却域Pは、第2の温度保持域Pで維持された液相を冷却して固化し、得られる粒界相の位置を固定する温度域である。液相の固化を迅速に行って粒界相分布の均一性を維持するために、冷却域Pの冷却速度は100℃/hr以上が好ましく、300℃/hr以上がより好ましく、500℃/hr以上が最も好ましい。実用的には、冷却速度は500℃/hr以上600℃/hr以下が好ましい。このような冷却速度での冷却により、固化する焼結助剤の結晶化を抑制し、ガラス相を主体とした粒界相を構成できるので、窒化ケイ素焼結基板の曲げ強度を高めることができる。冷却域Pの冷却速度を1200℃まで維持すれば、それより低い温度での冷却速度は特に限定されない。
(h)予肉部の切断
以上の工程により、窒化ケイ素焼結体101’が製造される。積層組立体10中、各窒化ケイ素焼結体101’は窒化ホウ素粉末層によって窒化ホウ素粉末層12によって分離しているため、冷却された積層組立体10から各窒化ケイ素焼結体101’を容易に分離することができる。図1(b)を参照して説明したように、分離した窒化ケイ素焼結体101’から、予肉部102を切り落とす。これにより、窒化ケイ素焼結基板101が得られる。
本実施形態の窒化ケイ素焼結基板の製造方法によれば、グリーンシートを積層する際に介在させる窒化ホウ素粉末層の厚さを適切な範囲に選択することにより、焼結時における窒化ホウ素粉末層よるグリーンシートの拘束を抑制して、中央部の密度低下、ボイド率増大を抑制することができる。また、焼結時の雰囲気温度の昇温の際、減圧下で炭素を除去することにより、グリーンシート中の残留炭素を低減することができ、これによって、焼結時のボイドの生成を抑制することができる。従って、密度及びボイド率の面内の均一性が高く、機械的強度(曲げ強度及び破壊靱性)に優れ、外形の大きな窒化ケイ素焼結基板を得ることができる。
本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。以下、種々の条件で窒化ケイ素焼結基板を作製し、特性を調べた結果を説明する。
1.窒化ケイ素焼結基板の製造
[参考例1〜28、51、52]
MgO粉末が3.0質量%、Y粉末が2.0質量%、残部がSi粉末及び不可避的不純物である原料粉末のスラリー(固形分濃度:60質量%)からドクターブレード法によりグリーンシート1を形成し、窒化ホウ素粉末層を介して20枚重ねて積層組立体10を形成した。グリーンシート1の大きさは、表1に示すように、参考例に応じて変化させた。また、窒化ホウ素粉末層の厚さを表1に示すように、参考例に応じて変化させた。
各積層組立体10の上に重し板11を配置して載置板21の上に載置し、図9に示す容器20(二重の容器)に設置した。重し板11による最上層のグリーンシート1aへの荷重は40Paであった。最上段の載置板21aの上面に、15質量%のマグネシア粉末、55質量%の窒化ケイ素粉末、及び30質量%の窒化ホウ素粉末からなる詰め粉を配置した。
容器20を焼結炉に入れ、焼結炉を、10−1Paの圧力になるまで真空引きした。表1に示すように、参考例に応じて脱炭素域Pcにおける保持温度を変化させた。各参考例の保持時間tcは1時間に設定した。その後、焼結炉内の雰囲気を例えば7気圧の窒素に替え、徐熱域P、の温度プロファイルとして、10℃/hr(0.166℃/min)の昇温速度で10時間加熱した。続いて、第1の温度保持域Pの温度プロファイルとして、1850℃の温度Tで5時間保持し、第2の温度保持域Pの温度プロファイルとして、1600℃の温度Tで1.5時間保持した。その後、冷却域Pの温度プロファイルとして、600℃/hrの冷却速度で雰囲気温度を低下させた。得られた、窒化ケイ素焼結基板から、予肉部分を切除し、表1に示す1辺の長さを有する正方形の窒化ケイ素焼結基板101を得た。窒化ケイ素焼結基板101の厚さは0.32mmであった。
[比較例53〜58]
表1に示すように、脱炭素域Pcにおける保持温度、脱炭素工程時の雰囲気、窒化ホウ素粉末層の厚さを変更し、参考例と同様の条件で窒化ケイ素焼結基板を作製した。
Figure 2019059639
2.特性の測定
上記実施形態で説明した通りの条件で作製した参考例及び比較例の窒化ケイ素焼結基板の組成を確認した。具体的には、窒化ケイ素焼結基板にマイクロウェーブ分解処理を施し、溶液化した後、ICP発光分析によりMg量及びRE量を測定し、酸化マグネシウム(MgO)含有量及び希土類元素酸化物(RE)含有量に換算した。得られた含有量が、それらの添加量(配合組成)と略同等(小数点第一の質量%は同じ)であることを確認した。
作製した窒化ケイ素焼結基板の密度、密度比、ボイド率、ボイド比、炭素含有率、部分放電開始電圧、部分放電消滅電圧を測定した。また、絶縁破壊耐圧を測定し、絶縁破壊耐圧のワイブル係数を求めた。結果を表2−1及び表2−2に示す。参考例1〜28、51、52及び比較例53〜55の窒化ケイ素焼結基板における、炭素含有量及びボイド率(中央)を横軸及び縦軸にとったグラフを図13に示す。また、参考例1、3、5、10、12、14、51、52の窒化ケイ素焼結基板について、基板の外形寸法を横軸にとり、上述した測定結果を縦軸にとったグラフを作成した。結果を図14(a)、図14(b)、図15(a)及び図15(b)に示す。
Figure 2019059639
Figure 2019059639
さらに参考例の窒化ケイ素焼結基板の曲げ強度及び破壊靱性を以下のようにして測定し、それらの平均値を求めた。結果を表3に示す。
(3点曲げ強度)
参考例と同じ条件で作製した窒化ケイ素焼結基板から幅4 mm及び長さ10 mmの試験片を切り出し、JIS R1601に準拠して、支持ロール間距離(スパン)が7 mmの三点曲げ治具にセットし、クロスヘッド速度0.5 mm/分で荷重を印加して破断時の荷重を測定し、それから窒化ケイ素焼結基板の3点曲げ強度を算出した。
(破壊靭性)
参考例と同じ条件で作製した窒化ケイ素焼結基板の表面に、ビッカース圧子を所定荷重(2kgf)で押し込み、圧痕寸法とクラックの大きさとから、JIS R 1607のIF法によって算出した。
Figure 2019059639
3.結果及び考察
参考例1〜28の窒化ケイ素焼結基板では、いずれも脱炭素工程の雰囲気が真空(80Pa以下)であり、保持温度が900℃から1300℃である。これにより、窒化ケイ素焼結基板の炭素含有量が、0.20質量%以下になっていると考えられる。また、炭素含有量が小さく、窒化ホウ素粉末層の厚さが3.1μmから18.5μmまでの範囲内であるため、密度及びボイド率の値が小さく、かつ、主面における均一性が高くなっていると考えられる。具体的には、中央部の密度と端部の密度の比が0.98以上であり、主面の中央部のボイド率が1.80%以下であり、端部のボイド率が1.00%以下である。図13より、炭素含有量が0.2質量%以下であれば、中央部のボイド率が1.52%以下になることが分かる。
さらに、ボイド率が小さいため、部分放電開始電圧及び部分放電消滅電圧もそれぞれ、4kV以上になっていると考えられる。さらに、ボイド率が小さいため、絶縁破壊耐圧が8.0V以上であり、絶縁破壊耐圧のワイブル係数が10.0以上になっていると考えられる。
特に参考例1〜13、23〜25の窒化ケイ素焼結基板では、脱炭素工程における保持温度が1000℃以上であり、窒化ホウ素粉末層の塗布厚さが10μm程度以下であるため、グリーンシートからの炭素の除去及び積層組立体におけるグリーンシートの収縮が十分に進む結果、窒化ケイ素焼結基板の密度が高まり、かつ、密度の均一性もより高くなる。具体的には、窒化ケイ素焼結基板における、中央部の密度dcが3.140g/cm以上であり、端部の密度deが3.160g/cm以上になる。このため、5kV以上の部分放電開始電圧が得られていると考えられる。
参考例1〜28の窒化ケイ素焼結基板は、1辺が120mm(4.7インチ)以上220mm(8.7インチ)以下の正方形形状を有している。したがって、大型であり、かつ、高い耐圧及び優れた絶縁信頼性、並びに優れた機械的強度(曲げ強度及び破壊靱性)を有する窒化ケイ素焼結基板が得られていることが分かる。また、参考例51、52の窒化ケイ素焼結基板は、1辺が100mm(3.9インチ)及び110mm(4.3インチ)の正方形形状を有しており、密度、ボイド率、部分放電電圧、絶縁破壊耐圧及び絶縁破壊耐圧のワイブル係数が参考例1〜28と同程度であることが分かる。したがって、これらの比較から、参考例1〜28の窒化ケイ素焼結基板では、大きな外形を有しているが、1辺が100mm(3.9インチ)の小さな窒化ケイ素焼結基板と同程度に、部分放電電圧や絶縁破壊耐圧の面内均一性が高いことが分かる。
これに対し、比較例53では、脱炭素工程の雰囲気が窒素中である。また、比較例54〜56では、脱炭素工程の雰囲気は真空であるが、保持温度が低い。このため、脱炭素工程における炭素の除去が十分ではなく、得られた窒化ケイ素焼結基板の炭素含有量が多い。その結果、密度及びボイド率が大きく、部分放電電圧、絶縁破壊耐圧及び絶縁破壊耐圧のワイブル係数も小さくなっていると考えられる。
比較例56では、脱炭素工程の雰囲気温度が高すぎるため、焼結助剤が蒸発してしまっていると考えられる。このため、密度の高い焼結が行えず、密度及びボイド率が大きく、部分放電電圧、絶縁破壊耐圧及び絶縁破壊耐圧のワイブル係数も小さくなっていると考えられる。
比較例57、58では、窒化ホウ素粉末層の厚さが大きすぎるため、窒化ケイ素焼結基板の中央部の収縮が阻害されていると考えられる。このため、特に、中央部におけるボイド率が大きくなっており、部分放電電圧、絶縁破壊耐圧及び絶縁破壊耐圧のワイブル係数も小さくなっていると考えられる。
以上の結果から、参考例1〜28の窒化ケイ素焼結基板によれば、脱炭素工程における保持温度及び雰囲気が上述した条件を満たしており、窒化ホウ素粉末層の厚さが所定の範囲であることによって、大型であり、かつ、高い耐圧及び優れた絶縁信頼性、並びに優れた機械的強度(曲げ強度及び破壊靱性)を有する窒化ケイ素焼結基板が得られていることが分かる。
図14(a)及び図14(b)は、参考例1、3、5、10、12、14、51、52の窒化ケイ素焼結基板の一辺の長さと基板の密度との関係、及び一辺の長さとボイド率との関係をそれぞれ示している。図14(a)及び図14(b)は、中央部の密度及び端部の密度、並びに中央部のボイド率及び端部のボイド率の測定データから求められる近似直線も示している。これらの結果から分かるように、参考例の窒化ケイ素焼結基板の1辺は最大で220mm(8.7インチ)であるが、一辺が250mmの(9.8インチ)正方形形状を有する窒化ケイ素焼結基板を作製しても、中央部のボイド率vcが1.80%以下であり、端部のボイド率veが1.00%以下であり、中央部の密度dcが3.120g/cm以上であり、前記端部の密度deが3.160g/cm以上となり得ることが推定できる。また、dc/deが0.98以上であり、ve/vcが0.50以上となり得ることが分かる。
図15(a)及び(図15b)は、参考例1、3、5、10、12、14及び参考例51、52の窒化ケイ素焼結基板の一辺の長さと部分放電電圧との関係、及び一辺の長さと絶縁破壊耐圧のワイブル係数との関係をそれぞれ示している。図15(a)及び図15(b)は、絶縁破壊電圧、部分放電消滅電圧、部分放電開始電圧及び絶縁破壊耐圧のワイブル係数のデータから求められる近似直線も示している。これらの結果も、一辺が250mm(9.8インチ)の正方形形状を有する窒化ケイ素焼結基板を作製した場合、絶縁破壊電圧(絶縁破壊耐圧)は8kV以上であり、部分放電消滅電圧及び部分放電開始電圧は4kV以上となることが推定される。また、絶縁破壊耐圧のワイブル係数は6以上であると推定される。
従って、一辺が220mm(8.7インチ)以上250mm(9.8インチ)以下の正方形形状を有する窒化ケイ素焼結基板を作製した場合でも、耐圧及び絶縁信頼性に優れ、かつ、これらの基板面内での均一性に優れることが推定される。
(本発明例の窒化ケイ素焼結基板)
作製した参考例1〜28及び52の窒化ケイ素焼結基板を加工して、形状が直径4インチの円形であり、表面粗さSaが0.7以下の主面を有する窒化ケイ素焼結基板を作製した。さらに参考例5〜28の窒化ケイ素焼結基板を加工して、形状が直径6インチの円形であり、表面粗さSaが0.7以下の主面を有する窒化ケイ素焼結基板を作製した。さらに参考例13〜18の窒化ケイ素焼結基板を加工して、形状が直径8インチの円形であり、表面粗さSaが0.7以下の主面を有する窒化ケイ素焼結基板を作製した。さらにこれらの円形の窒化ケイ素焼結基板にオリエンテーションフラットを形成した。
本発明の窒化ケイ素焼結基板は、ボンディング用基板に用いられ、ボイド率が低くかつ高い均一性が求められる絶縁性基板に好適に用いられる。
1、1a、1b・・・グリーンシート
10・・・積層組立体
11・・・板
12・・・窒化ホウ素粉末層
20・・・容器
21・・・載置板
21a・・・載置板
22・・・縦枠部材
24・・・詰め粉
30・・・載置板組立体
40・・・内側容器
40a、50a・・・下板
40b、50b・・・側板
40c、50c・・・上板
101・・・窒化ケイ素焼結基板
101’・・・窒化ケイ素焼結体
101a・・・主面
102・・・予肉部
110・・・円形
110’・・・四角形
130・・・槽
131・・・裏面側電極
132・・・表面側電極
133・・・絶縁性液体
134・・・配線
140・・・円板
141・・・電極
201・・・単結晶基板
202・・・単結晶半導体
203・・・窒化ケイ素焼結基板
204・・・CSP−LED

Claims (9)

  1. 直径2インチ以上の円形の主面を有し、前記主面における中央部の密度dcと端部の密度deの比dc/deが0.98以上かつ1.0以下であり、前記主面における中央部のボイド率vcが1.80%以下であり、端部のボイド率veが1.00%以下であり、前記主面の表面粗さSaが0.7μm以下であることを特徴とする窒化ケイ素焼結基板。
  2. 請求項1に記載の窒化ケイ素焼結基板において、
    前記中央部の密度dcが3.120g/cm以上であり、前記端部の密度deが3.160g/cm以上であり、前記中央部のボイド率vcと前記端部のボイド率veとの比ve/vcが0.50以上であることを特徴とする窒化ケイ素焼結基板。
  3. 請求項1に記載の窒化ケイ素焼結基板において、
    前記中央部の密度dcが3.140g/cm以上であり、前記端部の密度deが3.160g/cm以上であり、前記中央部のボイド率vcが1.30%以下であることを特徴とする窒化ケイ素焼結基板。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の窒化ケイ素焼結基板において、
    前記主面の表面粗さSaが0.3μm以下であることを特徴とする窒化ケイ素焼結基板。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の窒化ケイ素焼結基板において、
    炭素含有量が0.20質量%以下であることを特徴とする窒化ケイ素焼結基板。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の窒化ケイ素焼結基板において、
    0.15mm以上2.0mm以下の厚さを有することを特徴とする窒化ケイ素焼結基板。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の窒化ケイ素焼結基板において、
    前記主面は、直径4インチ以上の円形を有することを特徴とする窒化ケイ素焼結基板。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の窒化ケイ素焼結基板において、
    前記主面は、オリエンテーションフラット又はノッチを有することを特徴とする窒化ケイ素焼結基板。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の窒化ケイ素焼結基板において、
    半導体単結晶基板又は半導体単結晶層をボンディングするための基板として用いることを特徴とする窒化ケイ素焼結基板。
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