JP2003040677A - ダミーウエハおよびその製造方法 - Google Patents

ダミーウエハおよびその製造方法

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JP2003040677A
JP2003040677A JP2001224838A JP2001224838A JP2003040677A JP 2003040677 A JP2003040677 A JP 2003040677A JP 2001224838 A JP2001224838 A JP 2001224838A JP 2001224838 A JP2001224838 A JP 2001224838A JP 2003040677 A JP2003040677 A JP 2003040677A
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Michiyasu Komatsu
通泰 小松
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】機械的強度および熱伝導率が高く、熱処理工程
において発生する反りや割れを抑制でき、酸化性雰囲気
で使用しても劣化が少なく、繰り返して使用できる耐久
性を有し、かつシリコンウエハなどの半導体基板を均一
に熱処理することが可能であり、不純物汚染によるシリ
コンウエハの汚染を防止でき、不良製品の発生を防止す
ることが可能なダミーウエハを提供する。 【解決手段】熱伝導率が70W/m・K以上,破壊靭性
値が6.5MPa・m /2以上,三点曲げ強度が室温
で750MPa以上,気孔率が1%以下である高熱伝導
性窒化けい素焼結体から成ることを特徴とするダミーウ
エハである。また、前記高熱伝導性窒化けい素焼結体が
希土類元素を酸化物に換算して0.5〜10質量%,不
純物陽イオン元素としてのAl,Li,Na,K,C
a,Fe,Ni,Cr,Mo,Cu,Ba,Mn,Bを
合計で0.03質量%以下含有することが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体熱処理用ダミ
ーウエハおよびその製造方法に係り、特に機械的強度お
よび熱伝導率が高く、熱処理工程において発生する反り
や割れを抑制でき、酸化性雰囲気で使用しても劣化が少
なく、繰り返して使用できる耐久性を有し、かつシリコ
ンウエハなどの半導体基板を均一に熱処理することが可
能であり、不純物汚染によるシリコンウエハの汚染を防
止でき、不良製品の発生を防止することが可能なダミー
ウエハおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、シリコンウエハ等の半導体基
板は、熱処理炉内で各種の処理が施されている。これら
処理は、一般的に、ウエハボード等の載置治具に複数枚
のシリコンウエハ等の被処理ウエハを間隔をおいて多段
に載置し、加熱した炉内にこれを装入して、さらに昇温
し、キャリアガスや反応ガス等を導入して熱処理が実施
されている。
【0003】そして上記熱処理を実施するに際しては、
従来から複数のダミーウエハをウエハボードの所定箇所
に配置し、導入された反応ガス等が、処理されるシリコ
ンウエハに直接当らないようにしてシリコンウエハが汚
染されることを防止している。また、ダミーウエハによ
り反応ガスの流れを抑制して炉内の均熱化を図り、また
ウエハボードを熱処理炉内から出し入れする際に作用す
る急激な温度変化によって生ずる熱衝撃からシリコンウ
エハを保護している。
【0004】上記のような半導体製品の熱処理で用いら
れるダミーウエハとしては、一般に、シリコン製のもの
が多く用いられ、その他のものとしては、石英製または
SiC製のものが用いられている。
【0005】ところで、上記熱処理に際して反応ガス等
の流れをダミーウエハが直接に受けるため、使用後には
付着物が残留し、そのままでは再使用することができな
い。そこで、熱処理後のダミーウエハ表面の付着物を除
去するために、酸洗浄処理が行われるが、シリコン製お
よび石英製のダミーウエハは耐食性が低く、上記の酸洗
浄によってシリコン、石英が腐食するため、これらダミ
ーウエハを繰り返し使用することができないという問題
点があった。一方、SiC製のダミーウエハでは、反り
や割れ等が発生し易いという問題があるばかりでなく、
SiCの原料コストおよび製造コストが高価であり、ダ
ミーウエハの製造原価が高価になるという課題があっ
た。
【0006】上記のような技術的課題を解決する一手段
として、例えば特開平10−279359号公報に開示
されているように、特にダミーウエハ等の半導体製造用
部品の強度上の問題を解決するために、窒化けい素焼結
体から成るダミーウエハの開発も進められている。
【0007】上記ダミーウエハ用の窒化けい素焼結体
は、窒化けい素粉末に各種焼結助剤を添加物として加え
て成形し、得られた成形体を1500〜1900℃程度
の高温度の焼成炉で所定時間焼成した後に炉冷する製法
で量産されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来方法によって製造された窒化けい素焼結体製ダミーウ
エハでは、靭性値などの機械的強度は優れているもの
の、熱伝導特性の点では、他の窒化アルミニウム(Al
N)焼結体、酸化ベリリウム(BeO)焼結体や炭化け
い素(SiC)焼結体などと比較して不十分であったた
め、特に熱処理炉内に熱を均一に分散して炉内の均熱化
を図る機能が十分に発揮されないため、シリコンウエハ
などの熱処理に用いられるダミーウエハの構成材料とし
ては実用化されておらず、用途範囲が狭い難点があっ
た。
【0009】上記従来の窒化けい素焼結体の熱伝導率は
20〜30W/m・Kと低い値であった。この原因は熱
伝導性を阻害する不純物陽イオン元素が相当量存在して
いるためであると考えられる。また、このように多量の
不純物が存在している焼結体製のダミーウエハをシリコ
ンウエハの熱処理用に使用すると、シリコンウエハを汚
染する原因となるため、上記のような窒化けい素焼結体
は、シリコンウエハの運搬用治具などの構成材料として
は使用されていた経緯があるが、反応ガス等が存在する
雰囲気で使用されるダミーウエハの構成材料としては使
用されることは少なかった。
【0010】一方窒化アルミニウム焼結体は他のセラミ
ックス焼結体と比較して高い熱伝導率と低熱膨張係数の
特長を有するため、高速化、高出力化、多機能化、大型
化が進展する半導体回路基板材料やパッケージ材料とし
て普及しているが、ダミーウエハの構成材として要求さ
れる機械的強度や耐熱衝撃性の点で充分に満足できるも
のは得られていない。
【0011】このように、ダミーウエハに要求されるシ
リコンウエハに対する汚染度,構造強度,破壊靭性値,
耐熱性,耐熱衝撃性,熱伝導性,耐酸化性および耐食性
の全ての特性について十分に満足できる構成材料は未だ
得られていない現状である。そこで高強度を有するとと
もに高い熱伝導率を有することは勿論のこと、上記の全
ての特性をも併せ持ったダミーウエハの開発が要請され
ている。
【0012】本発明は上記のような課題要請に対処する
ためになされたものであり、高強度で高靭性,耐熱性,
耐熱衝撃性,耐酸化性に優れるという窒化けい素焼結体
が本来備える特性に加えて、特に機械的強度および熱伝
導率が高く、熱処理工程において発生する反りや割れを
抑制でき、酸化性雰囲気で使用しても劣化が少なく、繰
り返して使用できる耐久性を有し、かつシリコンウエハ
などの半導体基板を均一に熱処理することが可能であ
り、不純物汚染によるシリコンウエハの汚染を防止で
き、不良製品の発生を防止することが可能なダミーウエ
ハおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記目的を達
成するため、窒化けい素焼結体製ダミーウエハを製造す
る際に使用される窒化けい素粉末の種類、焼結助剤や添
加物の種類および添加量、焼結条件等を種々変えて、そ
れらの要素が最終製品としてのダミーウエハの特性に及
ぼす影響を実験により確認した。
【0014】その結果、酸素含有量や不純物陽イオン元
素含有量を低減した微細で高純度の窒化けい素粉末に希
土類元素、必要に応じてマグネシウム(Mg)やハフニ
ウム(Hf)の酸化物、炭化物、窒化物、けい化物、硼
化物からなる群より選択される少なくとも1種を所定量
ずつ添加した原料混合体を成形脱脂し、得られた成形体
を所定温度で一定時間加熱保持して緻密化焼結し、引き
続いて所定温度で一定時間保持して不純物低減化熱処理
を実施した後、所定の冷却速度で徐冷したときに熱伝導
率が大きく向上すると共に高純度化が図られ、シリコン
ウエハに対する汚染度,耐食性も大きく改善され、かつ
窒化けい素焼結体が本来備える高強度で高靭性,高耐熱
性,高耐熱衝撃性、高耐酸化性とが同時に達成されるこ
とが判明した。
【0015】また酸素や不純物陽イオン元素含有量を低
減した高純度の窒化けい素原料粉末を使用し、窒化けい
素成形体の厚さを小さく設定して焼結することにより、
粒界相におけるガラス相(非晶質相)の生成が効果的に
防止でき、希土類元素酸化物のみを原料粉末に添加した
場合においても70W/m・K以上の高熱伝導率を有す
る窒化けい素焼結体が得られるという知見を得た。
【0016】また、従来、焼結操作終了後に焼成炉の加
熱用電源をOFFとして焼結体を炉冷していた場合に
は、冷却速度が毎時400〜800℃と急速であった
が、本発明者の実験によれば、特に冷却速度を毎時10
0℃以下に緩速に制御して焼結体を徐冷することによ
り、窒化けい素焼結体組織の粒界相が非結晶質状態から
結晶相を含む相に変化し、高強度特性と高伝熱特性とが
同時に達成されることが判明した。
【0017】また、本発明者はさらに改良研究を進めた
結果、希土類元素に加えて、さらにMgを酸化物に換算
して1質量%以下添加した場合に、焼結体の高強度化が
さらに進行し、かつ焼結性も改善できることを見出し
た。ちなみに、この原料成形体を1800〜2000℃
の温度範囲で焼結した場合においても、焼結体は室温で
750MPa以上の曲げ強度と70W/m・K以上の高
熱伝導率を達成することができる。
【0018】また希土類元素に加えて、さらにHfを酸
化物に換算して2質量%以下添加した場合に、焼結体の
高強度化がさらに進行し、かつ焼結性も改善できること
を見出した。ちなみに、この原料成形体を1700〜2
000℃の温度範囲で焼結した場合においても、焼結体
は750MPa以上の曲げ強度と70W/m・K以上の
高熱伝導率を達成することができる。
【0019】本発明は上記知見に基づいて完成されたも
のである。すなわち本発明に係るダミーウエハは、熱伝
導率が70W/m・K以上,破壊靭性値が6.5MPa
・m 1/2以上,三点曲げ強度が室温で750MPa以
上,気孔率が1%以下である高熱伝導性窒化けい素焼結
体から成ることを特徴とする。
【0020】また、上記本発明に係るダミーウエハにお
いて、前記高熱伝導性窒化けい素焼結体が希土類元素を
酸化物に換算して0.5〜10質量%,不純物陽イオン
元素としてのAl,Li,Na,K,Ca,Fe,N
i,Cr,Mo,Cu,Ba,Mn,Bを合計で0.0
3質量%以下含有することが好ましい。
【0021】さらに本発明のダミーウエハにおいて、前
記高熱伝導性窒化けい素焼結体が、マグネシウムを酸化
物にて換算して1質量%以下含有することが好ましい。
また、前記高熱伝導性窒化けい素焼結体が、ハフニウム
を酸化物にて換算して2質量%以下含有することが好ま
しい。さらに、前記高熱伝導性窒化けい素焼結体が窒化
けい素結晶および粒界相から成るとともに粒界相中にお
ける結晶化合物相の粒界相全体に対する割合が20%以
上であることが好ましい。
【0022】さらに本発明に係る高熱伝導性窒化けい素
焼結体製ダミーウエハの製造方法は、酸素を1.5質量
%以下、不純物陽イオン元素としてのAl,Li,N
a,Ca,Fe,Ni,Cr,Mo,Cu,Ba,M
n,Bを合計で0.05質量%以下、α相型窒化けい素
を90質量%以上含有し、平均粒径1.0μm以下の窒
化けい素粉末に、希土類元素を酸化物に換算して0.5
〜10質量%添加した原料混合体を成形して成形体を調
製し、得られた成形体を脱脂後、温度1800〜200
0℃で焼結し、引き続き温度1700〜1900℃で不
純物低減化熱処理した後に、上記焼結温度から、上記希
土類元素により焼結時に形成された液相が凝固する温度
までに至る焼結体の冷却速度を毎時100℃以下にして
徐冷することを特徴とする。
【0023】上記製造方法において、窒化けい素粉末
に、さらにマグネシウム(Mg)を酸化物に換算して1
質量%以下添加するとよい。さらに窒化けい素粉末に、
さらにハフニウム(Hf)を酸化物に換算して2質量%
以下添加するとよい。また上記Mg化合物およびHf化
合物はいずれか一方を添加してもよいが、両方を併用し
て添加してもよい。
【0024】上記製造方法によれば、窒化けい素結晶組
織中に希土類元素等を含む粒界相が形成され、気孔率が
1%以下、熱伝導率が70W/m・K以上、破壊靭性値
が6.5MPa・m1/2以上、三点曲げ強度が室温で
750MPa以上の機械的特性および熱伝導特性が共に
優れた窒化けい素焼結体が得られる。
【0025】本発明方法において使用され、ダミーウエ
ハを構成する焼結体の主成分となる窒化けい素粉末とし
ては、シリコンウエハに対する汚染度,焼結性,曲げ強
度,熱伝導率,靭性値,耐熱性,耐熱衝撃性,耐酸化
性,耐食性を考慮して、酸素含有量が1.5質量%以
下、好ましくは0.7〜1.3質量%、Al,Li,N
a,K,Ca,Fe,Ni,Cr,Mo,Ba,Mn,
Bの不純物陽イオン元素含有量が合計で0.05質量%
以下、特にシリコンウエハに対する汚染を防止する観点
から好ましくは0.01質量%以下に抑制されたα相型
窒化けい素を90質量%以上、好ましくは93質量%以
上含有し、平均粒径が1.0μm以下、好ましくは0.
4〜0.8μm程度の微細で高純度な窒化けい素粉末を
使用する。
【0026】なお、上記のように原料段階において不純
物陽イオン元素含有量の上限が0.05質量%であった
場合でも、後述するように焼結後に引き続いて不純物低
減化熱処理を実施することにより、焼結体中の上記不純
物陽イオン元素含有量の上限値を0.03質量%と下げ
ることが可能である。
【0027】平均粒径が1.0μm以下の微細な窒化け
い素原料粉末を使用することにより、少量の焼結助剤で
あっても気孔率が1%以下の緻密な焼結体を形成するこ
とが可能であり、また焼結助剤が熱伝導特性を阻害する
おそれも減少する。
【0028】またAl,Li,Na,K,Ca,Fe,
Ni,Cr,Mo,Ba,Mn,Bの不純物陽イオン元
素も熱伝導性を阻害する物質となるため、焼結体におい
て70W/m・K以上の熱伝導率を確保するためには、
焼結体における上記不純物陽イオン元素の含有量を合計
で0.03質量%以下とすることにより達成可能であ
る。特にシリコンウエハに対する不純物汚染を効果的に
防止する観点から、上記不純物陽イオン元素の含有量は
合計で0.01質量%以下とすることが、さらに好まし
い。ここで通常の窒化けい素焼結体を得るために使用さ
れる窒化けい素粉末には、特にFe,Alが比較的に多
く含有されているため、Fe,Alの合計量が上記不純
物陽イオン元素の合計含有量の目安となる。
【0029】さらに、β相型と比較して焼結性に優れた
α相型窒化けい素を90質量%以上含有する窒化けい素
原料粉末を使用することにより、高密度の焼結体を製造
することができる。
【0030】また窒化けい素原料粉末に焼結助剤として
添加する希土類元素としては、Y,Ho,Er,Yb,
La,Sc,Pr,Ce,Nd,Dy,Sm,Gdなど
の酸化物もしくは焼結操作により、これらの酸化物とな
る物質が単独で、または2種以上の酸化物を組み合せた
ものを含んでもよい。これら酸化イットリウムなどの焼
結助剤は、窒化けい素原料粉末と反応して液相を生成
し、焼結促進剤として機能する。
【0031】上記焼結助剤の添加量は、酸化物換算で原
料粉末に対して0.5〜10質量%の範囲とする。この
添加量が0.5質量%未満の場合は、焼結体の緻密化あ
るいは高熱伝導化が不十分であり、特に希土類元素がラ
ンタノイド系元素のように原子量が大きい元素の場合に
は、比較的に低強度で低熱伝導率の焼結体が形成され
る。一方、添加量が10質量%を超える過量となると、
耐食性が低下し、シリコンウエハに対する汚染レベルが
増加し始めるので上記範囲とする。特に同様の理由によ
り1〜5質量%とすることが望ましい。
【0032】また本発明において選択的な添加成分とし
て使用するマグネシウム(Mg)の酸化物(MgO)等
の化合物は、上記希土類元素の焼結促進剤の機能を促進
し焼結体の緻密化を可能にすると共に、結晶組織におい
て粒成長を制御する機能を果し、Si焼結体の機
械的強度を向上させるものである。このMg化合物の添
加量が酸化物換算で1質量%未満の場合においては添加
効果が不充分である一方、1質量%を超える過量となる
場合には耐酸化性ならびに耐食性の低下が起こり、さら
にはシリコンウエハに対する汚染レベルが増加し始める
ため、添加量は1質量%以下の範囲とする。特に0.2
〜0.5質量%とすることが望ましい。
【0033】また本発明において、他の選択的な添加成
分として使用するHfは酸化物,炭化物、窒化物、けい
化物、硼化物として添加され、これらの化合物は、上記
希土類元素の焼結促進剤としての機能を促進すると共
に、粒界相の結晶化も促進する機能を果しSi
結体の熱伝導率と機械的強度とを向上させるものであ
る。このHf化合物の添加量が酸化物換算で0.3質量
%未満の場合においては添加効果が不充分である一方、
2質量%を超える過量となる場合にはMg化合物と同様
に耐酸化性ならびに耐食性の低下が起こり、さらにはシ
リコンウエハに対する汚染レベルが増加し始めるため、
添加量は2質量%以下の範囲とする。なお0.5〜1.
5質量%の範囲がより好ましい。
【0034】また焼結体の気孔率はダミーウエハの熱伝
導率および強度に大きく影響するため1%以下となるよ
うに製造する。気孔率が1%を超えると熱伝導の妨げと
なり、焼結体の曲げ強度および熱伝導率が低下するとと
もに、耐食性および耐酸化性の低下が起こり、さらには
不純物の飛散源となる。好ましくは、気孔率は0.5%
以下とする。
【0035】また、ダミーウエハを構成する窒化けい素
焼結体は組織的に窒化けい素結晶と粒界相とから構成さ
れるが、粒界相中の結晶化合物相の割合は焼結体の熱伝
導率に大きく影響し、本発明に係るダミーウエハを構成
する焼結体においては粒界相の20%以上とすることが
望ましく、より好ましくは30%以上が結晶相で占める
ことが望ましい。結晶相が20%未満では、耐食性が低
下するとともに、熱伝導率が70W/m・K以上となる
ような放熱特性に優れ、かつ機械的強度に優れたダミー
ウエハが得られないからである。
【0036】上記のように本発明に係るダミーウエハを
構成する窒化けい素焼結体は、粒界相を結晶化している
ため、僅かに混入した不純物陽イオン元素が結晶内に固
溶して強固に固定される。そのため、シリコンウエハを
熱処理する場合においても、ダミーウエハから不純物陽
イオン元素が外部に揮散することが少なく、シリコンウ
エハ等の被処理物の不純物汚染を効果的に防止すること
ができ、シリコンウエハなどの製品の良品率を大幅に向
上させることができる。
【0037】また粒界相が結晶されておらず非晶質相
(ガラス相)のみで形成された焼結体から成るダミーウ
エハにおいては、粒界相が酸などの薬品によって溶解し
易いため、耐食性が低く、強度の経時劣化が顕著にな
り、耐久性が低く、ダミーウエハを繰り返して使用する
ことが困難になる。
【0038】さらに、粒界相が結晶化した焼結体から成
るダミーウエハでは、熱膨張量が少なくなるため、熱処
理後における反りの発生量も減少する。
【0039】上記のように窒化けい素焼結体の気孔率を
1%以下にし、また窒化けい素結晶組織に形成される粒
界相の20%以上が結晶相で占めるようにするために
は、窒化けい素成形体を温度1800〜2000℃で2
〜10時間程度、常圧焼結または加圧焼結し、かつ焼結
操作後における焼結体の冷却速度を毎時100℃以下に
して徐冷することが重要である。
【0040】焼結温度を1900℃未満とした場合に
は、焼結体の緻密化が不充分で気孔率が1vol%を超
えるため、機械的強度および熱伝導性が共に低下してし
まう。一方焼結温度が2000℃を超えると窒化けい素
成分自体が蒸発分解し易くなる。特に加圧焼結ではな
く、常圧焼結を実施した場合には、1800℃付近より
窒化けい素の分解蒸発が始まる。
【0041】上記焼結操作後における焼結体の冷却速度
は粒界相を結晶化させるために重要な制御因子であり、
冷却速度が毎時100℃を超えるような急速冷却を実施
した場合には、焼結体組織の粒界相が非結晶質(ガラス
相)となり、焼結体に生成した液相が結晶相として粒界
相に占める割合が20%未満となり、強度、耐食性およ
び熱伝導性が共に低下してしまう。
【0042】上記冷却速度を厳密に調整すべき温度範囲
は、所定の焼結温度(1800〜2000℃)から、前
記の焼結助剤の反応によって生成する液相が凝固するま
での温度範囲で充分である。ちなみに前記のような焼結
助剤を使用した場合の液相凝固点は概略1600〜15
00℃程度である。そして少なくとも焼結温度から上記
液相凝固温度に至るまでの焼結体の冷却速度を毎時10
0℃以下、好ましくは50℃以下、さらに好ましくは2
5℃以下に制御することにより、粒界相の20%以上、
特に好ましくは30%以上が結晶相になり、熱伝導率,
耐食性および機械的強度が共に優れた焼結体が得られ
る。
【0043】また、本発明方法においては、ダミーウエ
ハを構成する窒化けい素焼結体中に混入した不純物成分
を低減するために、前記焼結操作に引き続いて焼結体を
温度1700〜1900℃で2〜5時間、好ましくは3
〜4時間保持する不純物低減熱処理を実施している。な
お、処理雰囲気は、窒素ガス等の非酸化性雰囲気とする
ことが好ましい。
【0044】上記不純物低減化熱処理を実施することに
より、ダミーウエハを構成する焼結体に混入していた不
純物が揮発することにより減少し、このダミーウエハを
使用してシリコンウエハを熱処理した場合においても、
シリコンウエハの不純物汚染を効果的に防止でき、シリ
コンウエハの良品率を高めることが可能になる。
【0045】本発明に係る窒化けい素焼結体製ダミーウ
エハは、例えば以下のようなプロセスを経て製造され
る。すなわち前記所定の微細粒径を有し、また不純物含
有量が少ない高純度の窒化けい素粉末に対して所定量の
焼結助剤、有機バインダ等の必要な添加剤および必要に
応じてMgおよびHf等の化合物を加えて原料混合体を
調製し、次に得られた原料混合体を成形して所定形状の
成形体を得る。原料混合体の成形法としては、汎用の金
型プレス法、ドクターブレード法のようなシート成形法
などが適用できる。
【0046】上記成形操作に引き続いて、成形体を非酸
化性雰囲気中で温度600〜800℃、または空気中で
温度400〜500℃で1〜2時間加熱して、予め添加
していた有機バインダ成分を充分に除去し、脱脂する。
次に脱脂処理された成形体を窒素ガス、水素ガスやアル
ゴンガスなどの不活性ガス雰囲気中で1800〜200
0℃の温度で所定時間、常圧焼結または雰囲気加圧焼結
を行う。
【0047】さらに上記焼結操作に引き続いて焼結体を
温度1700〜1900℃で2〜5時間保持して不純物
成分を減少させる不純物低減化熱処理を実施し、前記液
相が凝固する温度までに至る焼結体の冷却速度を毎時1
00℃以下にして徐冷することにより、高純度で機械的
特性に優れた高熱伝導性窒化けい素焼結体から成るダミ
ーウエハが製造される。なお、上記不純物低減化熱処理
の温度は、本焼結温度より低いことが好ましい。
【0048】上記製法によって製造された窒化けい素焼
結体製ダミーウエハは、気孔率が1%以下であり、70
W/m・K(25℃)以上の熱伝導率を有し、また破壊
靭性値が6.5MPa・m1/2以上であり、三点曲げ
強度が常温で750MPa以上と機械的特性にも優れて
いる。また、焼結体の粒界相が結晶化されているため、
酸などの薬品によって溶解することが少なく、優れた耐
食性を有し、腐食による強度低下も少ない。さらに粒界
相が結晶化しているため、熱膨張量が少ないため、反り
などの変形を生じる割合が少ない。
【0049】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施形態を以下に示
す実施例を参照して具体的に説明する。
【0050】実施例1 酸素を1.1質量%、不純物陽イオン元素としてAl,
Li,Na,K,Ca,Fe,Ni,Cr,Mo,C
u,Ba,Mn,Bを合計で0.007質量%含有し、
α相型窒化けい素97%を含む平均粒径0.45μmの
Si(窒化けい素)原料粉末99質量%に対し
て、焼結助剤として平均粒径0.9μmのY(酸
化イットリウム)粉末1質量%を添加し、エチルアルコ
ール中で窒化けい素製ボールを混合媒体として96時間
湿式混合した後に乾燥して原料粉末混合体を調製した。
【0051】次に得られた原料粉末混合体に有機バイン
ダを所定量添加して均一に混合して調合造粒粉とした後
に、100MPaの成形圧力でプレス成形し、ダミーウ
エハ用として直径125mm×厚さ4mmの成形体と、
曲げ強度等の特性評価用として長さ50mm×幅50m
m×厚さ5mmの成形体を多数製作した。
【0052】次に得られた各成形体を450℃の空気気
流中において4時間脱脂した後に、この脱脂体を窒素ガ
ス雰囲気中0.7MPaにて1950℃で4時間保持
し、緻密化焼結を実施した後に、引き続いて温度190
0℃で4時間保持する不純物低減化熱処理を実施した後
に、焼成炉に付設した加熱装置への通電量を制御して焼
成炉内温度が1500℃まで降下するまでの間における
焼結体の冷却速度が100℃/hrとなるように調整し
て焼結体を徐冷し、さらに、得られたダミーウエハ用焼
結体の表面を鏡面加工して、表面粗さが0.1μm−R
a以下の鏡面状態とすることにより、実施例1に係る窒
化けい素セラミックス焼結体製ダミーウエハを調製し
た。
【0053】比較例1 一方、構成材として石英ガラスを用いて実施例1と同一
寸法を有する比較例1に係るダミーウエハを調製した。
【0054】比較例2 一方、構成材として炭化けい素(SiC)焼結体を用い
て実施例1と同一寸法を有する比較例2に係る炭化けい
素セラミックス焼結体製ダミーウエハを調製した。
【0055】こうして得た実施例1および比較例1〜2
に係るダミーウエハについて気孔率、熱伝導率(25
℃)、室温での三点曲げ強度および破壊靭性値の平均値
を測定した。さらに、各焼結体をX線回折法によって粒
界相に占める結晶相の割合(回折X線の強度比)を測定
した。
【0056】ここで上記気孔率はアルキメデス法によっ
て測定する一方、熱伝導率はレーザフラッシュ法により
計測し、また破壊靭性値(KIC)はマイクロインデー
ション法に準拠した新原方式によって測定した。さら
に、三点曲げ強度は、日本工業規格(JIS R160
1)に準拠した三点曲げ抗折強度として測定した。
【0057】さらに上記のように調製した各ダミーウエ
ハを、シリコンウエハにCVDによる成膜処理を行うた
めの治具として使用した場合に、シリコンウエハまたは
CVD膜へのダストの付着やダミーウエハの反りによる
悪影響を受けずに成膜できたシリコンウエハの割合を良
品率として測定した。具体的には、延べ100ロットの
シリコンウエハに対し、温度800℃程度になる成膜処
理を施した際の良品率を測定した。
【0058】さらに成膜処理に使用したダミーウエハに
付着したダスト等を20%希釈硝酸溶液にて酸洗いを実
施した後に水洗乾燥し、再度、表面粗さが0.1μm−
Ra以下となるように鏡面加工を実施してダミーウエハ
を再生し、再度、熱処理用のダミーウエハとして再使用
する操作を繰り返し、ダミーウエハにクラックを生じた
り、熱変形による反りが200μmに達したり、また
は、酸洗浄による重量減少が5%を超えた時点までにお
いて繰り返して使用された回数を再使用回数として測定
した。
【0059】各測定結果を下記表1に示す。
【0060】
【表1】
【0061】上記表1に示す結果から明らかなように実
施例1に係る高熱伝導性窒化けい素焼結体製ダミーウエ
ハにおいては、高純度で熱伝導性が高く、耐酸化性,耐
食性が優れた窒化けい素焼結体で形成されているため、
比較例の従来材から成るダミーウエハと比較して、成膜
処理後におけるシリコンウエハの良品率が改善されてお
り、シリコンウエハの製品歩留りを高められることが確
認できた。
【0062】特に本実施例に係るダミーウエハを構成す
る窒化けい素焼結体は、粒界相が結晶化されており、こ
の結晶中に不純物陽イオン元素が固溶されて捕捉固定さ
れるため、熱処理中にダミーウエハから不純物が飛散し
てシリコンウエハに付着することが大幅に減少して良品
率が向上するものと考えられる。
【0063】また本実施例のダミーウエハにおいては熱
膨張係数が小さく熱伝導率および靭性値が高い窒化けい
素焼結体で形成されているため、熱処理中にダミーウエ
ハ自体が熱変形して反りや割れを発生することも少な
く、優れた耐久性を有することが確認できた。さらに熱
伝導率が高いため、熱処理炉内の均熱化が容易に得ら
れ、面性状が均質な処理シリコンウエハを高い歩留りで
安定して量産できることも判明した。
【0064】さらに本実施例に係るダミーウエハの再使
用回数は、従来材で構成した比較例1〜2と比較して格
段に改善されている。これは、優れた三点曲げ強度や破
壊靭性値など窒化けい素焼結体本来の特性に加えて、耐
熱性,耐食性,耐酸化性,耐熱衝撃性などのダミーウエ
ハとしての要求特性を全て満たしていることに起因す
る。
【0065】一方、比較例1のように石英製のダミーウ
エハは耐食性が低く、繰返しの酸洗浄によって腐食が進
行し易く、経時的に強度が低下して再使用回数が低下し
た。また、比較例2のようにSiC焼結体から成るダミ
ーウエハは熱伝導性が高く炉内の均熱化には有効である
が、反りや割れが発生し易く、耐久性を示す再使用回数
が低下した。
【0066】実施例2〜14および比較例3〜7 実施例2〜14として実施例1において使用した窒化け
い素粉末とY粉末の他に表2に示す各種希土類酸
化物粉末および平均粒径0.5μmのMgO粉末とHf
粉末とを表2に示す組成比となるように調合して原
料混合体をそれぞれ調製した。
【0067】次に得られた各原料混合体を実施例1と同
一条件で成形脱脂処理した後、表2に示す条件で焼結処
理および不純物低減化熱処理を実施してそれぞれ実施例
2〜14に係る窒化けい素焼結体製ダミーウエハを製造
した。
【0068】比較例3〜6 一方比較例3〜6として表2に示すようにYを過
少量に添加したもの(比較例3)、Yを過量に添
加したもの(比較例4)、MgOを過量に添加したもの
(比較例5)、HfOを過量に添加したもの(比較例
6)の原料混合体をそれぞれ調製した。
【0069】次に、得られた各原料混合体を実施例1と
同一条件で成形脱脂処理した後、表2に示す条件で焼結
操作および不純物低減化熱処理を実施して、それぞれ比
較例3〜6に係る窒化けい素焼結体製ダミーウエハを製
造した。但し、比較例5においては、不純物低減化熱処
理を実施せず、また焼結後に徐冷せず冷却速度600℃
/Hrで急速に炉冷した。
【0070】比較例7 酸素量1.4質量%、不純物陽イオン元素としてのA
l,Li,Na,K,Ca,Fe,Ni,Cr,Mo,
Cu,Ba,Mn,Bを合計で0.15質量%と過量に
含有し、α相型窒化けい素を90%含む平均粒径0.6
μmのSi(窒化けい素)原料粉末を用いた点以
外は実施例2と同一条件で成形,焼結,熱処理すること
により比較例7に係る窒化けい素焼結体製ダミーウエハ
を製作した。
【0071】こうして製造した各実施例および比較例に
係る各窒化けい素焼結体製ダミーウエハについて実施例
1と同一条件で気孔率、熱伝導率(25℃)、室温での
三点曲げ強度および破壊靭性値の平均値、X線回折法に
よる粒界相に占める結晶相の割合を測定するとともに、
これらのダミーウエハを用いてシリコンウエハへ成膜処
理した後におけるシリコンウエハの良品率およびダミー
ウエハの再使用回数を測定し、下記表2に示す結果を得
た。
【0072】
【表2】
【0073】上記表2に示す結果から明らかなように、
高純度の窒化けい素粉末に希土類酸化物,MgO,Hf
を所定量含有し、焼結後の冷却速度を所定の低速度
に設定した実施例2〜14に係るダミーウエハは、いず
れも気孔率が小さく、熱伝導率,三点曲げ強度および破
壊靭性値が高いために、繰り返して成膜処理を実施して
も割れなどの欠陥や反りなどの変形を生じることが少な
く、ダミーウエハの再使用回数が大きく、優れた耐久性
を有していることが判明した。
【0074】また、いずれの実施例のダミーウエハにお
いても気孔率が小さいため、ダストの発生源が少なく、
熱処理時にシリコンウエハに付着するダスト量が小さ
く、良品率が高い。また熱伝導性が高いため、熱処理炉
内の均熱化が良好であり、表面性状が均一なシリコンウ
エハが得られた。
【0075】さらに各実施例では熱衝撃特性が優れた窒
化けい素焼結体からダミーウエハを形成しているため、
繰り返して熱処理しても十分に耐え、再使用回数が高
い。また、不純物低減化熱処理および粒界相を結晶化す
る徐冷処理を実施することにより不純物陽イオンの影響
を低減しているため、鏡面加工も可能であると共に、保
護膜などを積極的に設ける必要がないことが判明した。
【0076】一方、比較例3〜6に示すように、希土類
酸化物,MgO,HfOの少なくとも1種の成分が過
少量、あるいは過量添加された場合は、緻密化が不充分
であったり、粒界相が過量になったり、あるいは粒界相
に占める結晶相の割合が低過ぎるために、曲げ強度や靭
性値が低下したり、または熱伝導率が劣ることが確認さ
れた。
【0077】特に、希土類酸化物の含有量が過量または
過量である比較例3,4のダミーウエハにおいては、焼
結体の気孔率が大きくなったため、鏡面研磨加工が困難
であったのでダミーウエハとしての評価試験は実施しな
かった。いずれにしても、比較例3,4では熱伝導率お
よび三点曲げ強度が大幅に低下するために、ダミーウエ
ハの構成材としては不適であることが判明した。
【0078】また、不純物焼結化熱処理および徐冷を実
施しない比較例5に係るダミーウエハでは、強度特性は
実施例と同程度であり、再使用は可能であったが粒界相
の結晶化率が小さく、不純物の低減効果も少ないため、
シリコンウエハの良品率を低下させる結果となった。
【0079】さらに、HfOを過量に含有する比較例
6のダミーウエハでは、シリコンウエハに対する影響が
大きく、良品率を低下させるとともに、耐久性が低く再
使用回数が低下した。また、原料段階で不純物陽イオン
元素を過量に含む原料粉末を使用した比較例7のダミー
ウエハでは、不純物低減化熱処理を実施しても、その低
減効果が少なく、不純物の汚染のレベルが上昇し、シリ
コンウエハの良品率を低下させた。
【0080】
【発明の効果】以上説明の通り、本発明に係るダミーウ
エハおよびその製造方法によれば、ダストの発生源とな
る気孔が少なく、機械的強度および熱伝導率が高い窒化
けい素焼結体で形成されているため、熱処理工程におい
て発生する反りや割れを抑制でき、酸化性雰囲気で使用
しても劣化が少なく、繰り返して使用できる耐久性を有
し、かつシリコンウエハなどの半導体基板を均一に熱処
理することが可能であり、不純物汚染によるシリコンウ
エハの汚染を防止でき、不良製品の発生を防止すること
が可能なダミーウエハが得られる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱伝導率が70W/m・K以上,破壊靭
    性値が6.5MPa・m1/2以上,三点曲げ強度が室
    温で750MPa以上,気孔率が1%以下である高熱伝
    導性窒化けい素焼結体から成ることを特徴とするダミー
    ウエハ。
  2. 【請求項2】 前記高熱伝導性窒化けい素焼結体が希土
    類元素を酸化物に換算して0.5〜10質量%,不純物
    陽イオン元素としてのAl,Li,Na,K,Ca,F
    e,Ni,Cr,Mo,Cu,Ba,Mn,Bを合計で
    0.03質量%以下含有することを特徴とする請求項1
    記載のダミーウエハ。
  3. 【請求項3】 前記高熱伝導性窒化けい素焼結体が、マ
    グネシウムを酸化物にて換算して1質量%以下含有する
    ことを特徴とする請求項1記載のダミーウエハ。
  4. 【請求項4】 前記高熱伝導性窒化けい素焼結体が、ハ
    フニウムを酸化物にて換算して2質量%以下含有するこ
    とを特徴とする請求項1記載のダミーウエハ。
  5. 【請求項5】 前記高熱伝導性窒化けい素焼結体が窒化
    けい素結晶および粒界相から成るとともに粒界相中にお
    ける結晶化合物相の粒界相全体に対する割合が20%以
    上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記
    載のダミーウエハ。
  6. 【請求項6】 酸素を1.5質量%以下、不純物陽イオ
    ン元素としてのAl,Li,Na,Ca,Fe,Ni,
    Cr,Mo,Cu,Ba,Mn,Bを合計で0.05質
    量%以下、α相型窒化けい素を90質量%以上含有し、
    平均粒径1.0μm以下の窒化けい素粉末に、希土類元
    素を酸化物に換算して0.5〜10質量%添加した原料
    混合体を成形して成形体を調製し、得られた成形体を脱
    脂後、温度1800〜2000℃で焼結し、引き続き温
    度1700〜1900℃で不純物低減化熱処理した後
    に、上記焼結温度から、上記希土類元素により焼結時に
    形成された液相が凝固する温度までに至る焼結体の冷却
    速度を毎時100℃以下にして徐冷することを特徴とす
    る高熱伝導性窒化けい素焼結体製ダミーウエハの製造方
    法。
  7. 【請求項7】 前記窒化けい素粉末に、マグネシウム
    (Mg)を酸化物に換算して1質量%以下添加すること
    を特徴とする請求項6記載の高熱伝導性窒化けい素焼結
    体製ダミーウエハの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記窒化けい素粉末に、ハフニウム(H
    f)を酸化物に換算して2質量%以下添加することを特
    徴とする請求項6記載の高熱伝導性窒化けい素焼結体製
    ダミーウエハの製造方法。
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