JP2019054294A - 多孔質半導体層、多孔質半導体層用ペースト、及び色素増感型太陽電池 - Google Patents

多孔質半導体層、多孔質半導体層用ペースト、及び色素増感型太陽電池 Download PDF

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Abstract

【課題】光電変換効率が高い多孔質半導体層、多孔質半導体層の製造時にクラックが生じることがない多孔質半導体層用ペースト、及びこの多孔質半導体層を備えた色素増感型太陽電池を提供する。【解決手段】平均一次粒子径が1nm以上、70nm以下であるアナターゼ型酸化チタンの粒子(A)と、平均一次粒子径が100nm以上、1000nm以下のルチル型酸化チタン粒子の表面を絶縁物で被覆した粒子(B)と、を含有する多孔質半導体層、および平均一次粒子径が1nm以上、30nm以下であるアナターゼ型酸化チタンの粒子(a)と、平均一次粒子径が100nm以上、1000nm以下のルチル型酸化チタン粒子の表面を絶縁物で被覆した粒子(B)と、を含有する多孔質半導体層用ペースト。【選択図】なし

Description

本発明は、色素増感型太陽電池に用いる多孔質半導体層、及びこの多孔質半導体層用ペースト、多孔質半導体層を用いた色素増感型太陽電池に関する。
化石燃料に代わるエネルギー源として太陽光を利用する太陽電池が注目されており、種々の研究が行われている。太陽電池の一例として特許文献1〜3には、金属錯体の光誘起電子移動を応用した色素増感型太陽電池が開示されている。
前記色素増感型太陽電池は、特許文献4に開示されるように色素を吸着させた多孔質半導体層(発電層)上に、多孔質光反射層、多孔質絶縁層、導電層(対向電極)を順次積層したモジュールを有しており、前記色素が可視光によって励起され、発生した電子が多孔質半導体層に移動することによって発電が行われる。したがって、色素増感型太陽電池の光電変換効率を向上させるためには、酸化物半導体粒子で構成される多孔質半導体層の表面に色素を多く吸着させることが必要となる。
酸化物半導体粒子の表面に色素をより多く吸着させる方法として、例えば酸化物半導体粒子の粒径を小さくし、比表面積を大きくする方法が挙げられる。
しかし、微小な酸化物半導体粒子を用いると粒子同士の接触点が増えるため、多孔質半導体層の電気抵抗が増加して電子の輸送効率が低下し、その結果、光電変換効率が低下するという問題があった。
この問題を解決する方法として、特許文献5には、多孔質半導体層に対して酸化物半導体粒子よりも粒径が大きい20nm〜100nm程度の光散乱用の粒子を含有させる方法が提案されている。
特表平5−504023号公報 特許第2664194号公報 国際公開第94/05025号 特開2003−142171号公報 特開2003−303629号公報
特許文献5のように多孔質半導体層に対して光散乱用の粒子を含有させた場合、多孔質半導体層内における実光路長が増大するため光電変換効率が向上するが十分ではなく、改善の余地があった。また特許文献5では、焼成時に多孔質半導体層にクラックが発生する場合があるため改良が求められていた。
本発明は、上記問題を鑑みてなされたものであって、光電変換効率が高い多孔質半導体層、多孔質半導体層の製造時にクラックが生じることがない多孔質半導体層用ペースト、及びこの多孔質半導体層を備えた色素増感型太陽電池を提供する。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、粒径が小さいアナターゼ型酸化チタン粒子、すなわち、比表面積が大きいアナターゼ型酸化チタン粒子と、絶縁物で表面を処理した粒径が大きいルチル型酸化チタン粒子とを組み合わせて用いると、光電変換効率が高い多孔質半導体層が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下を要旨とするものである。
[1]平均一次粒子径が1nm以上、70nm以下であるアナターゼ型酸化チタンの粒子(A)と、平均一次粒子径が100nm以上、1000nm以下のルチル型酸化チタン粒子の表面を絶縁物で被覆した粒子(B)と、を含有する多孔質半導体層。
[2]前記絶縁物が、ケイ素化合物、マグネシウム化合物、アルミニウム化合物、ジルコニウム化合物、及びカルシウム化合物から選ばれる1種以上である、[1]に記載の多孔質半導体層。
[3]前記粒子(B)における絶縁物の被覆量が、2質量%以上、30質量%以下である、[1]又は[2]に記載の多孔質半導体層。
[4]前記多孔質半導体層中における前記粒子(B)の含有量が、1質量%以上、50質量%以下である、[1]〜[3]のいずれかに記載の多孔質半導体層。
[5]平均一次粒子径が1nm以上、30nm以下であるアナターゼ型酸化チタンの粒子(a)と、平均一次粒子径が100nm以上、1000nm以下のルチル型酸化チタン粒子の表面を絶縁物で被覆した粒子(B)と、を含有する多孔質半導体層用ペースト。
[6][1]〜[4]のいずれか1項に記載の多孔質半導体層を備えた色素増感型太陽電池。
本発明によれば、光電変換効率が高い多孔質半導体層、多孔質半導体層の製造時にクラックが生じることがない多孔質半導体層用ペースト、及びこの多孔質半導体層を備えた色素増感型太陽電池を提供することができる。
本発明の色素増感型太陽電池の一例を示す概略構成図である。
[多孔質半導体層]
本発明の多孔質半導体層は、平均一次粒子径が1nm以上、70nm以下であるアナターゼ型酸化チタンの粒子(A)と、平均一次粒子径が100nm以上、1000nm以下のルチル型酸化チタン粒子の表面を絶縁物で被覆した粒子(B)とを含有する。
<粒子(A)>
粒子(A)は、平均一次粒子径が1nm以上、70nm以下であるアナターゼ型酸化チタンの粒子である。粒子(A)の平均一次粒子径がこの範囲であると、比表面積が大きくなるため色素を多く吸着することができる。
粒子(A)の平均一次粒子径は、5nm以上、60nm以下が好ましく、10nm以上、50nm以下がより好ましく、12nm以上、45nm以下が更に好ましく、12nm以上、40nm以下がより更に好ましく、15nm以上、40nm以下がより更に好ましい。
なお、本発明における粒子(A)は、後述する粒子(a)のような粒子が製造時の焼成により粒成長して形成されたものであることが好ましい。
本明細書において、粒子(A)の平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡で100個の粒子の長径を測定し、それらを平均した値である。なお、粒子の形状が直方体状である場合は粒子の長辺を測定すればよく、粒子の形状が球状である場合は最大直径を測定すればよい。
粒子(A)の比表面積は、色素を多く吸着する観点から、50m/g以上、200m/g以下が好ましく、60m/g以上、150m/g以下がより好ましく、60m/g以上、130m/g以下が更に好ましい。
比表面積を調整する方法としては、粒子自体の大きさや形状を調整する方法、大きさや形状が異なる2種以上の粒子を組み合わせて調整する方法が挙げられる。
なお、アナターゼ型酸化チタン粒子は、球状でなくてもよく、また粒子表面に凹凸を有するものでもよい。
また、粒子(A)の表面を後述する粒子(B)のように絶縁物で被覆したものを用いた多孔質半導体層とすると、光電変換効率が低下するため好ましくない。
粒子(A)は、粒径を制御する観点、結晶性の観点、及び分散性の観点から、湿式合成法によって作製したものが好ましい。
湿式合成法としては、チタンアルコキシド及びチタン金属塩等のチタン原料を加水分解して得、この前駆体を水熱条件下で酸化物へ結晶化させる方法が挙げられる。また、他の湿式合成法としては、チタン原料を水単独、又は水とアルコール等との混合溶媒を使用して、酸塩基触媒の共存下で加水分解して重合するゾルゲル法が挙げられる。
アナターゼ型酸化チタン粒子の製造方法は、特開2007−176753号公報等に詳述されている。
〔粒子(A)の含有量〕
多孔質半導体層中における前記粒子(A)の含有量は、光電変換効率向上の観点から、50質量%以上、99質量%以下が好ましく、55質量%以上、98.5質量%以下がより好ましい。
<粒子(B)>
粒子(B)は、平均一次粒子径が100nm以上、1000nm以下のルチル型酸化チタン粒子の表面を絶縁物で被覆した粒子である。
高い電子導電性が要求される多孔質半導体層において、絶縁物で表面を被覆したルチル型酸化チタン粒子を用いることにより光電変換効率が向上する理由は明らかではないが、ルチル型酸化チタン粒子と、粒子(A)とが直接接触しないことに起因していると推測される。
ルチル型酸化チタン粒子の平均一次粒子径は、光電変換効率を向上させる観点から、150nm以上、900nm以下が好ましく、200nm以上、600nm以下がより好ましく、250nm以上、300nm以下が更に好ましい。
本明細書において、粒子(B)の平均一次粒子径は、走査型電子顕微鏡で100個の粒子の長径を測定し、それらを平均した値である。なお、粒子の形状が直方体状である場合は粒子の長辺を測定すればよく、粒子の形状が球状である場合は最大直径を測定すればよい。
ルチル型酸化チタンの表面を被覆するための絶縁物としては、ルチル型酸化チタンの表面を被覆することができ、かつ電子伝導性が低い物質であれば特に制限はないが、後述する焼成工程で消失しない無機物であることが好ましい。
絶縁物の具体例としては、ケイ素化合物、マグネシウム化合物、アルミニウム化合物、ジルコニウム化合物、及びカルシウム化合物から選ばれる1種以上が好ましく、具体的には、シリカ、マグネシア、アルミナ、ジルコニア、及びカルシアから選ばれる1種以上がより好ましい。
前記絶縁物の中でも、ケイ素化合物、アルミニウム化合物が好ましく、ケイ素化合物及びアルミニウム化合物の併用が更に好ましく、具体的には、シリカ、アルミナが好ましく、シリカ及びアルミナの併用がより更に好ましい。
ルチル型酸化チタン粒子の表面を絶縁物で被覆する方法としては、例えばルチル型酸化チタン粒子、ケイ酸ナトリウム溶液、アルミン酸ナトリウム溶液及び水を含む分散液を撹拌し、この分散液を硫酸で中和した後、50℃以上、70℃以下で1時間以上、5時間以下、加熱する方法が挙げられる。
本発明において、ルチル型酸化チタン粒子の表面に形成される絶縁物の厚さとしては、ルチル型酸化チタン粒子と粒子(A)との接触を妨げる観点から、3nm以上、25nm以下が好ましく、5nm以上、20nm以下がより好ましく、8nm以上、15nm以下が更に好ましい。
なお、前記絶縁物はルチル型酸化チタン粒子の表面全体に被覆されていることが好ましいが、部分的に被覆されていてもよい。
前記粒子(B)に対する絶縁物の被覆量は、2質量%以上、30質量%以下が好ましく、5質量%以上、20質量%以下がより好ましく、5質量以上、15質量以下が更に好ましい。絶縁物の被覆量が前記範囲内であると、光電変換効率が向上する。なお、被覆量は、粒子(B)の全量中に含まれる絶縁物の割合を示す。被覆量は、粒子(B)の全量中に含まれる絶縁物の質量を、粒子(B)の全質量で除することにより求めることができる。
なお、粒子と絶縁物の質量は、ICP発光分析により測定された値を換算して求めることができる。
〔粒子(B)の含有量〕
多孔質半導体層中における粒子(B)の含有量は、1質量%以上、50質量%以下が好ましく、1.5質量%以上、45質量%以下がより好ましい。粒子(B)の含有量がこの範囲であると、光電変換効率が高い多孔質半導体層を得ることができる。
<多孔質光半導体層の製造方法>
本発明の多孔質半導体層の製造方法は特に限定されないが、後述する本発明の多孔質半導体層用ペーストを公知の方法で基板上に塗布した後、焼成することが好ましい。
多孔質半導体層用ペーストを基板上に塗布する方法としては、スクリーン印刷法、インクジェット法等が挙げられる。これらの中では、厚膜化の容易性や製造コストを抑える観点から、スクリーン印刷法が好ましい。
焼成は、大気下又は不活性ガス雰囲気下、50℃以上、800℃以下、10秒以上、4時間以下で行うことが好ましい。焼成は、一定の温度で1回のみ行ってもよく、温度を変化させて2回以上行ってもよい。なお、多孔質半導体用ペーストを塗布した後、乾燥させてから焼成してもよい。
多孔質半導体層の厚さは、光電変換効率の観点から、5μm以上、50μm以下が好ましく、5μm以上、40μm以下がより好ましく、5μm以上、30μm以下が更に好ましい。
多孔質半導体層に対しては、光電変換効率を向上させるために、後述する色素をより多く吸着させることが必要である。このため膜状の多孔質半導体層は比表面積が大きいものが好ましく、例えば50m/g以上、200m/g以下が好ましく、60m/g以上、150m/g以下がより好ましく、60m/g以上、130m/g以下が更に好ましい。なお、本明細書において示す比表面積はBET吸着法により測定した値である。
このように製造した本発明の多孔質半導体層の断面を走査型電子顕微鏡で観察すると、粒子(A)及び粒子(B)が混在している様子が観察される。すなわち、平均一次粒子径が1nm〜70nmの粒子(A)と、平均一次粒子径が100nm〜1000nmの粒子(B)が観察される。
[多孔質半導体層用ペースト]
本発明の多孔質半導体層用ペーストは、平均一次粒子径が1nm以上、30nm以下であるアナターゼ型酸化チタンの粒子(a)と、平均一次粒子径が100nm以上、1000nm以下のルチル型酸化チタン粒子の表面を絶縁物で被覆した粒子(B)とを含有するものである。
本発明の多孔質半導体層用ペーストをレーザー回折型粒径測定機(株式会社堀場製作所製、型番「LA−750」)で測定すると、平均一次粒子径が1mm以上、30nm以下をピークとする分布と、平均一次粒子径が100nm以上、1000nm以下をピークとする分布の、2つの山が測定される。
平均一次粒子径が1nm以上、30nm以上をピークとする分布は、光電変換効率を向上させる観点から、5nm以上、28nm以下のピークであることが好ましく、10nm以上、26nm以下のピークであることがより好ましく、12nm以上、24nm以下のピークであることが更に好ましい。
平均一次粒子径が100nm以上、1000nm以下をピークとする分布は、光電変換効率を向上させる観点、多孔質半導体層の製造時にクラックが発生することを抑制する観点から、150nm以上、900nm以下のピークであることが好ましく、200nm以上、600nm以下のピークであることがより好ましく、250nm以上、300nm以下のピークであることが更に好ましい。
<粒子(a)>
粒子(a)は、平均一次粒子径が1nm以上、30nm以下であるアナターゼ型酸化チタンの粒子である。粒子(a)の平均一次粒子径がこの範囲内であると、多孔質半導体層用ペーストを焼成して多孔質半導体層とした場合に、粒子(a)が粒成長しても、粒子(a)が色素を吸着するのに好適な比表面積を有する粒子径を保つことができる。より具体的には、粒子(a)の平均一次粒子径を1nm以上、30nm以下とすることで、粒子(a)が焼成により粒成長しても、粒子(A)の粒成長を1nm以上、70nm以下の平均一次粒子径に保つことができる。
粒子(a)の平均一次粒子径は、多孔質半導体層の色素吸着性能を向上させる観点から、5nm以上、28nm以下が好ましく、10nm以下、26nm以上がより好ましく、12nm以下、24nm以上が更に好ましく、15nm以下、22nm以上がより更に好ましい。
なお、粒子(a)の比表面積は、60m/g以上、300m/g以下が好ましく、60m/g以上、200m/g以下がより好ましく、60m/g以上、150m/g以下が更に好ましい。粒子(a)の比表面積がこの範囲内であると、多孔質半導体層用ペーストを焼成して多孔質半導体層とした場合に、粒子(a)が粒成長しても、粒子(a)が色素を吸着するのに好適な比表面積を保つことができる。より具体的には、粒子(a)の比表面積を60nm以上、200nm以下とすることで、粒子(a)が焼成により粒成長しても、粒子(A)の比表面積を50m/g以上、200m/g以下に保つことができる。
粒子(a)の比表面積は、窒素吸着によるBET多点法を用いて測定した値である。
〔粒子(a)の含有量〕
多孔質半導体層用ペースト中における前記粒子(a)の含有量は、光電変換効率向上と多孔質半導体層形成時にクラックの発生を抑制する観点から、10質量%以上、45質量%以下が好ましく、15質量%以上、40質量%以下がより好ましく、20質量%以上、35質量%以下が更に好ましい。
<粒子(B)>
粒子(B)は、平均一次粒子径が100nm以上、1000nm以下のルチル型酸化チタン粒子の表面を絶縁物で被覆した粒子である。本発明においては、粒子(B)を用いることにより、多孔質半導体層の製造時にクラックが生じることがない。
粒子(B)の平均一次粒子径、ルチル型酸化チタン粒子を被覆するための絶縁物、絶縁物の被覆方法、及び被覆量等の好適態様は、前述の本発明の多孔質半導体層の粒子(B)の好適態様と同様である。
<粒子(a)と粒子(B)との含有割合>
粒子(a)100質量部に対する粒子(B)の含有量は、1質量部以上、50質量部以下が好ましく、1.5質量部以上、45質量部以下がより好ましい。粒子(a)100質量部に対する粒子(B)の含有量がこの範囲であると、光電変換効率が高い多孔質半導体層を得ることができると共に、多孔質半導体層の製造時にクラックが生じることがない。
<任意成分>
本発明の多孔質半導体層用ペーストは、粘度調整等の観点から、分散媒を用いることが好ましい。
分散媒に特に制限はないが、ヘキシレングリコール、プロピレングリコール等のジオール類、及びターピネオール等の高沸点有機分散媒を用いることが好ましい。
粒子(a)及び粒子(B)の合計100質量部に対する分散媒の量は、多孔質半導体層用ペーストの粘度の低下、及び印刷性能の低下を防ぐ観点から、1質量部以上、500質量部以下が好ましく、50質量部以上、250質量部以下がより好ましく、150質量部以上、220質量部以下が更に好ましい。
本発明の多孔質半導体層用ペーストは、粘度や膜厚を調整する観点から、エチルセルロース等のセルロース系樹脂、アクリル系樹脂等を含有していてもよい。
更に、レベリング剤、キレート化剤、界面活性剤、チタンカップリング剤、及び増粘剤等の一般的に用いられる添加剤を適宜添加してもよい。
レベリング剤としては、水、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、及びグリセリン等が挙げられる。
キレート化剤としては、アセチルアセトン、ベンジルアセトン、及び酢酸等が挙げられる。
界面活性剤としては、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
増粘剤としては、メチルセルロース、エチルセルロース等が挙げられる。
<多孔質半導体層用ペーストの粘度>
動的粘弾性試験装置を用い、温度25℃、せん断速度1s−1の条件で測定した多孔質半導体層用ペーストの粘度は、10Pa・s以上、1000Pa・s以下が好ましく、100Pa・s以上、1000Pa・s以下がより好ましい。
<多孔質半導体層用ペーストの製造方法>
多孔質半導体層用ペーストは、粒子(a)、粒子(B)、及び必要に応じて分散媒等の任意成分を適宜混合することにより製造することができる。
より具体的には、粒子(a)、粒子(B)、へキシレングリコール、ターピネオール等の高沸点有機分散媒、及びエチルセルロース等の増粘剤等を混合することにより得ることができる。
[色素増感型太陽電池]
本発明の色素増感型太陽電池は本発明の多孔質半導体層を備えるものであり、前記多孔質半導体層は、透明電極と対向電極との間に設けるものである。
本発明の多孔質半導体層は光電変換効率が高いため、発電効率が高い色素増感型太陽電池を得ることができる。
本発明の色素増感型太陽電池は、例えば本発明の多孔質半導体層に色素を吸着させた電極に対して対向電極を配置してセルを構成し、その内部に側枠部材を介して電解質を封入して構成することができる。
本発明の色素増感型太陽電池の一例を図1に示す。本実施の形態の色素増感型太陽電池10は、透明電極11と対向電極12とを対向配置したセルを有し、その内部に側枠部材15を介して電解質14を封入したものである。透明電極11は透明な導電性基板からなり、アノード電極を構成する。対向電極12は導電性基板からなり、カソード電極を構成する。透明電極11上には色素が吸着された多孔質半導体層13が設けられている。
透明電極11と対向電極12とは数十μm〜数mmの間隔をおいて、電解質14を介して対向配置されており、多孔質半導体層13に吸着されている色素が可視光によって励起され、発生した電子が多孔質半導体層13に移動することによって発電する。
<透明電極>
透明電極11は透明な導電性基板であれば特に制限はなく、例えばガラス、プラスチック等から構成される基板上に、フッ素ドープ酸化スズ、及びITOから選ばれる1種以上を含む導電膜を設けた導電性基板等を用いることができる。
<多孔質半導体層>
前記透明電極11に対して、スクリーン印刷法、インクジェット法等により本発明の多孔質半導体層用ペーストを塗布し、その後焼成することにより多孔質半導体層13を設けることができる。
本発明の多孔質半導体層用ペーストを用いた場合は、製造時にクラックが生じることがなく、また、得られる多孔質半導体層の光電変換効率が高い。
〔多孔質半導体層に使用する色素〕
多孔質半導体層13に吸着させる光増感剤として機能する色素としては、多孔質半導体層13に色素を強固に吸着させる観点から、色素分子中にカルボン酸基、カルボン酸無水基、スルホン酸基等のインターロック基を有する色素が好ましい。なお、インターロック基は、励起状態の色素と多孔質半導体層の伝導帯との間の電子移動を容易にする電気的結合を提供する基である。
これらインターロック基を含有する色素として、例えば、ルテニウムビピリジン系色素、アゾ系色素、キノン系色素、キノンイミン系色素、スクアリリウム系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、ポリフィリン系色素、フタロシアニン系色素、インジゴ系色素、及びナフタロシアニン系色素から選ばれる1種以上が好ましい。
色素を多孔質半導体層13に吸着させる方法としては、透明電極11上に多孔質半導体層13が形成された積層体を、色素を溶解した溶液(色素吸着用溶液)に浸漬する方法が代表的に挙げられる。
色素を溶解させる溶媒としては、エタノール等のアルコール類、アセトン等のケトン類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトニトリル等の窒素化合物類、クロロホルム等のハロゲン化脂肪族炭化水素、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン等の芳香族炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、水等が挙げられる。これらの溶媒は2種類以上を混合して用いることもできる。
溶液中の色素濃度は、使用する色素及び溶媒の種類により適宜調整することができるが、吸着機能を向上させるために高濃度である方が好ましく、例えば、1×10-5mol/L以上が好ましい。
<対向電極>
対向電極12に特に制限はなく、例えばAl、ステンレス等の金属、又はガラス、及びプラスチック等から構成される基板と、その上に形成されるPt、C、Ni、Cr、ステンレス、フッ素ドープ酸化スズ、及びITO等の導電層から構成される。なお、対向電極12は、表面にフッ素ドープ酸化スズ等の導電層を設けた導電性ガラスを構成することもできる。また、Ptを用いた場合には、触媒層としての機能も有するため好ましい。
<電解質(電解液)>
電解質(電解液)14は、固体状及び液体状のものを使用することができる。電解質14としては、例えばヨウ素系電解質、臭素系電解質、セレン系電解質、及び硫黄系電解質から選ばれる1種以上を挙げることができる。
これらの電解質14は、I、LiI、ジメチルプロピルイミダゾリウムヨージド等をアセトニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート等の有機溶剤に溶かして電解液とすることもできる。
なお、液体状の電解質14を用いる場合は、多孔質半導体層13と対向電極12との間に隔壁を設け、形成された空間内に電解質14を注入することが好ましい。
<色素増感型太陽電池の製造方法>
本発明の色素増感型太陽電池の製造方法に特に制限はなく、透明電極11、対向電極12、多孔質半導体層13等の構成材料を適宜用いて、公知の方法で製造することができる。 なお、本発明の色素増感型太陽電池においては、本発明の多孔質半導体層を用いること以外は特に制限はなく、一般的な色素増感型太陽電池に使用される構成材料を適宜使用することができる。例えば、多孔質半導体層13と対向電極12の間に、光反射層や絶縁層等(図示せず)を設けてもよい。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
粒子(A)の平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡(H−800、株式会社日立ハイテクノロジーズ製)にて測定した。また、粒子(B)の平均一次粒子径は、走査型電子顕微鏡(S−4000、株式会社日立ハイテクノロジーズ製)にて測定した。
粒子の比表面積は、比表面積計(BelsorpII、日本ベル株式会社製)を用いて窒素吸着によるBET多点法で測定した。
作製した粒子の結晶構造はX線回折装置(PANalytical X‘pert PRO、スペクトリス株式会社製)を用いて評価した。
[実施例1]
(粒子(a−1)の作製:アナターゼ型酸化チタン粒子の作製)
容量1Lのガラス容器に純水1Lを投入し、撹拌しながらチタンテトライソプロポキシド280gを滴下し、白色懸濁液を得、この白色懸濁液をろ過して白色ケーキを得た。次いでオートクレーブに、この白色ケーキ及び25質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液60gを投入し、純水を加えて全量1kgとなるように配合し、150℃で3時間加熱して酸化チタン粒子分散液を得た。
得られた酸化チタン粒子をX線回折装置で評価した結果、アナターゼ単層の酸化チタン粒子であった。得られた粒子の平均一次粒子径は18nmであり、比表面積は85m/gであった。
(粒子(B−1)の作製:シリカ及びアルミナによる表面被覆を行った酸化チタン粒子の作製)
平均一次粒子径が280nmであるルチル型酸化チタン粒子(住友大阪セメント株式会社製)、水、ケイ酸ナトリウム溶液、及びアルミン酸ナトリウム分散液を、質量比(ルチル型酸化チタン/シリカ/アルミナ)が90/2/8になるように混合し、100gの分散液を得た。次いで、この分散液を硫酸で中和して60℃で3時間加熱することにより、ルチル型酸化チタン粒子の表面をシリカ及びアルミナで処理した。加熱後の溶液をろ過することにより粒子(B−1)を得た。
この粒子(B−1)を透過型電子顕微鏡で観察したところ、粒子の表面に厚さが10nmの被覆膜が形成されていた。
(多孔質半導体用ペーストの作製)
粒子(a−1)29.4質量部、粒子(B−1)0.6質量部、エチルセルロース10質量部、及びターピネオール60質量部を混合し、実施例1の多孔質半導体層用のペーストを100g作製した。この多孔質光反射絶縁層用ペーストについて、動的粘弾性試験装置を用い、温度25℃、せん断速度1s−1の条件で粘度を測定したところ400mPa・sであった。
<色素増感型太陽電池の作製>
(多孔質半導体層の作製)
得られた多孔質半導体用ペーストを透明電極上に、焼成膜厚が7μmとなるようにスクリーン印刷し、500℃で1時間焼成することによって、実施例1の多孔質半導体層を作製した。
この多孔質半導体層の外観を目視で観察した結果、膜の割れ(クラック)は観察されなかった。
また、この多孔質半導体層の概観を透過型電子顕微鏡で断面を観察したところ、平均一次粒子径が40nmである粒子(A)が観察され、走査型電子顕微鏡で観察したところ、平均一次粒子径が280nmである粒子(B)が観察された。
次いで、多孔質半導体層を作製した基板を0.3mMのRu金属錯体色素(Black Dye色素、ダイソル社製)溶液中に24時間浸漬させることで色素を吸着させ、電極を得た。
(電解液の作製)
アセトニトリルに対して、支持電解質として1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムのヨウ素塩を0.6M、ヨウ化リチウムを0.1M、ヨウ素を0.05M、t−ブチルピリジンを0.5Mとなるように混合して電解液を作製した。
(色素増感型太陽電池の作製)
得られた電極と、対向電極として白金膜が形成されたガラス基板とを、多孔質半導体層と白金膜とが対向するように配置し、得られた電極と対向電極との間に上記電解液を側枠部材を介して注入して密封することにより、実施例1の色素増感型太陽電池を作製した。
(光電変換効率の評価)
ソーラーシミュレーター(山下電装株式会社製)を用いて、実施例1の色素増感型太陽電池に擬似太陽光を照射し、電流電圧測定装置(山下電装株式会社製)にてI−V特性を測定することによって光電変換効率を求めた。その結果、光電変換効率は5.4%であった。結果を表1に示す。
[実施例2]
(粒子(a−2)の作製:アナターゼ型酸化チタン粒子の作製)
210℃で4.5時間加熱したこと以外は粒子(a−1)と同様にして粒子(a−2)を作製した。粒子(a−2)を粒子(a−1)と同様に評価した結果、アナターゼ単層の酸化チタン粒子であった。得られた粒子(a−2)の平均一次粒子径は23nmであり、、比表面積は65m/gであった。
(多孔質半導体層用ペーストの作製)
粒子(a)として粒子(a−2)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例2の多孔質半導体層用ペーストを作製した。この多孔質光反射絶縁層用ペーストについて、動的粘弾性試験装置を用い、温度25℃、せん断速度1s−1の条件で粘度を測定したところ350mPa・sであった。
多孔質半導体層用ペーストとして実施例2の多孔質半導体層用ペーストを用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例2の多孔質半導体層を作製した。この多孔質半導体層の外観を目視で観察した結果、膜の割れ(クラック)は観察されなかった。
また、この多孔質半導体層の概観を透過型電子顕微鏡で観察したところ、平均一次粒子径が45nmである粒子(A)が観察され、走査型電子顕微鏡で観察したところ、平均一次粒子径が280nmである粒子(B)が観察された。
多孔質半導体層として実施例2の多孔質半導体層を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例2の色素増感型太陽電池を得た。
実施例1と同様に光電変換効率を測定した結果、5.7%であった。結果を表1に示す。
[実施例3]
(粒子(a−3)の作製:アナターゼ型酸化チタン粒子の作製)
120℃で加熱したこと以外は実施例1と同様にして、粒子(a−3)を作製した。
粒子(a−3)を粒子(a−1)と同様に評価した結果、アナターゼ単層の酸化チタン粒子であった。得られた粒子の平均一次粒子径は13nmであった。また、比表面積は120m/gであった。
粒子(a)として粒子(a−3)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例3の多孔質半導体層用ペーストを作製した。この多孔質光反射絶縁層用ペーストについて、動的粘弾性試験装置を用い、温度25℃、せん断速度1s−1の条件で粘度を測定したところ500mPa・sであった。
多孔質半導体層用ペーストとして実施例3の多孔質半導体層用ペーストを用いたこと以外は同様にして、実施例3の多孔質半導体層を作製した。
この多孔質半導体層の外観を目視で観察した結果、膜の割れ(クラック)は観察されなかった。
また、この多孔質半導体層の概観を透過型電子顕微鏡で観察したところ、平均一次粒子径が35nmである粒子(A)が観察され、走査型電子顕微鏡で観察したところ、平均一次粒子径が280nmである粒子(B)が観察された。
多孔質半導体層として実施例3の多孔質半導体層を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例3の色素増感型太陽電池を得た。
実施例1と同様に光電変換効率を測定した結果、5.6%であった。結果を表1に示す。
[実施例4]
粒子(a−1)21.4質量部、粒子(B−1)8.6質量部、エチルセルロース10質量部、及びターピネオール60質量部を混合して実施例4の多孔質半導体層用のペーストを作製した。この多孔質光反射絶縁層用ペーストについて、動的粘弾性試験装置を用い、温度25℃、せん断速度1s−1の条件で粘度を測定したところ400mPa・sであった。
多孔質半導体層用ペーストとして実施例4の多孔質半導体層用ペーストを用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例4の多孔質半導体層を作製した。
この多孔質半導体層の外観を目視で観察した結果、膜の割れ(クラック)は観察されなかった。
また、この多孔質半導体層の概観を透過型電子顕微鏡で観察したところ、平均一次粒子径が40nmである粒子(A)が観察され、走査型電子顕微鏡で観察したところ、平均一次粒子径が280nmである粒子(B)が観察された。
多孔質半導体層として、実施例4の多孔質半導体層を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例4の色素増感型太陽電池を得た。
実施例1と同様に光電変換効率を測定した結果、5.1%であった。結果を表1に示す。
[実施例5]
(粒子(a−4)の作製:シリカによる表面被覆を行ったルチル型酸化チタン粒子の作製)
ルチル型酸化チタン粒子、ケイ酸ナトリウムを質量比(酸化チタン/シリカ)が90/10となるように混合したこと以外は粒子(a−1)の作製方法と同様に粒子(a−4)を得た。
(多孔質半導体層用ペーストの作製)
粒子(a)として粒子(a−4)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例5の多孔質半導体層用ペーストを作製した。この多孔質光反射絶縁層用ペーストについて、動的粘弾性試験装置を用い、温度25℃、せん断速度1s−1の条件で粘度を測定したところ400mPa・sであった。
多孔質半導体層用ペーストとして実施例5の多孔質半導体層用ペーストを用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例5の多孔質半導体層を作製した。
この多孔質半導体層の外観を目視で観察した結果、膜の割れ(クラック)は観察されなかった。
また、この多孔質半導体層の概観を透過型電子顕微鏡で観察したところ、平均一次粒子径が40nmである粒子(A)が観察され、走査型電子顕微鏡で観察したところ、平均一次粒子径が280nmである粒子(B)が観察された。
多孔質半導体層として実施例5の多孔質半導体層を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例5の色素増感型太陽電池を得た。
実施例1と同様に光電変換効率を測定した結果、5.3%であった。結果を表1に示す。
[比較例1]
(多孔質半導体用ペーストの作製)
粒子(a)として粒子(a−1)を30質量部用いたこと、及び粒子(B−1)を用いなかったこと以外は実施例1と同様にして、比較例1の多孔質半導体層用のペーストを作製した。この多孔質光反射絶縁層用ペーストについて、動的粘弾性試験装置を用い、温度25℃、せん断速度1s−1の条件で粘度を測定したところ500mPa・sであった。
多孔質半導体層用ペーストとして比較例1の多孔質半導体層用ペーストを用いたこと以外は実施例1と同様にして、比較例1の多孔質半導体層を作製した。
この多孔質半導体層の外観を目視で観察した結果、膜の割れ(クラック)が多数観察された。結果を表1に示す。
[比較例2]
粒子(a)として粒子(a−2)を30質量部用いたこと、粒子(B−1)を用いなかったこと以外は実施例1と同様にして、比較例2の多孔質半導体層用のペーストを作製した。この多孔質光反射絶縁層用ペーストについて、動的粘弾性試験装置を用い、温度25℃、せん断速度1s−1の条件で粘度を測定したところ400mPa・sであった。
多孔質半導体層用ペーストとして比較例2の多孔質半導体層用ペーストを用いたこと以外は実施例1と同様にして、比較例2の多孔質半導体層を作製した。
この多孔質半導体層の外観を目視で観察した結果、膜の割れ(クラック)は観察されなかった。
多孔質半導体層として比較例2の多孔質半導体層を用いたこと以外は実施例1と同様にして、比較例2の色素増感型太陽電池を得た。
実施例1と同様に光電変換効率を測定した結果、4.1%と低かった。結果を表1に示す。
[比較例3]
(粒子(x−1)の作製:アナターゼ型酸化チタン粒子の作製)
240℃で加熱したこと以外は粒子(a−1)と同様にして、粒子(x−1)を作製した。
粒子(a−1)と同様に評価した結果、アナターゼ単層の酸化チタン粒子であった。
得られた粒子の平均一次粒子径は32nmであった。また、比表面積は50m/gであった。
粒子(a)の代わりに粒子(x−1)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、比較例3の多孔質半導体層用ペーストを作製した。この多孔質光反射絶縁層用ペーストについて、動的粘弾性試験装置を用い、温度25℃、せん断速度1s−1の条件で粘度を測定したところ300mPa・sであった。
多孔質半導体層用ペーストとして比較例3の多孔質半導体層用ペーストを用いたこと以外は実施例1と同様にして、比較例3の多孔質半導体層を作製した。
この多孔質半導体層の外観を目視で観察した結果、膜の割れ(クラック)は観察されなかった。
また、この多孔質半導体層の概観を透過型電子顕微鏡で観察したところ、平均一次粒子径が75nmである粒子(X)が観察され、走査型電子顕微鏡で観察したところ、平均一次粒子径が280nmである粒子(B)が観察された。
多孔質半導体層として比較例3の多孔質半導体層を用いたこと以外は実施例1と同様にして、比較例3の色素増感型太陽電池を得た。
実施例1と同様に光電変換効率を測定した結果、4.5%と低かった。結果を表1に示す。
[比較例4]
(多孔質半導体層用ペーストの作製)
粒子(B)として平均一次粒子径が280nmのルチル型酸化チタン粒子(住友大阪セメント株式会社製)を用いたこと、すなわち絶縁物で表面被覆されていないルチル型酸化チタン粒子を用いたこと以外は実施例1と同様にして、比較例4の多孔質半導体層用ペーストを作製した。この多孔質光反射絶縁層用ペーストについて、動的粘弾性試験装置を用い、温度25℃、せん断速度1s−1の条件で粘度を測定したところ400mPa・sであった。
多孔質半導体層用ペーストとして比較例4の多孔質半導体層用ペーストを用いたこと以外は実施例1と同様にして、比較例4の多孔質半導体層を作製した。
この多孔質半導体層の外観を目視で観察した結果、膜の割れ(クラック)は観察されなかった。
多孔質半導体層として比較例4の多孔質半導体層を用いたこと以外は実施例1と同様にして、比較例4の色素増感型太陽電池を得た。
実施例1と同様に光電変換効率を測定した結果、4.2%と低かった。結果を表1に示す。
前記結果より明らかなように、本発明の多孔質半導体層は光電変換効率に優れている。また、本発明の多孔質半導体層用ペーストによれば、多孔質半導体層の製造時にクラックが発生することを抑制することができる。
10 色素増感型太陽電池
11 透明電極
12 対向電極
13 多孔質半導体層
14 電解質
15 側枠部材

Claims (6)

  1. 平均一次粒子径が1nm以上、70nm以下であるアナターゼ型酸化チタンの粒子(A)と、平均一次粒子径が100nm以上、1000nm以下のルチル型酸化チタン粒子の表面を絶縁物で被覆した粒子(B)と、を含有する多孔質半導体層。
  2. 前記絶縁物が、ケイ素化合物、マグネシウム化合物、アルミニウム化合物、ジルコニウム化合物、及びカルシウム化合物から選ばれる1種以上である、請求項1に記載の多孔質半導体層。
  3. 前記粒子(B)における絶縁物の被覆量が、2質量%以上、30質量%以下である、請求項1又は2に記載の多孔質半導体層。
  4. 前記多孔質半導体層中における前記粒子(B)の含有量が、1質量%以上、50質量%以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の多孔質半導体層。
  5. 平均一次粒子径が1nm以上、30nm以下であるアナターゼ型酸化チタンの粒子(a)と、平均一次粒子径が100nm以上、1000nm以下のルチル型酸化チタン粒子の表面を絶縁物で被覆した粒子(B)と、を含有する多孔質半導体層用ペースト。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の多孔質半導体層を備えた色素増感型太陽電池。
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