JP2019038769A - 模様付固形化粧料およびその製造方法 - Google Patents
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本発明によれば、化粧料側模様は、固形化粧料とは異なる模様形成用化粧料からなるので、ラバーモールドの内部に凹凸模様を形成しておくことによって、固形化粧料の表面に模様を付す場合と比較して、曲面状の表面を有する固形化粧料の表面にバリエーションに富んだ美しい模様を付すことができる。
なお、曲面状の表面を有する固形化粧料の表面に固形化粧料とは異なる模様形成用化粧料からなる模様を形成する製造方法としては、例えば、流動性を有する化粧料を粒状にしてノズルを介して滴下することによって、固形化粧料の表面に付着させて模様を形成する方法や、流動性を有する化粧料を粒状にしてノズルを介して飛ばすことによって、固形化粧料の表面に付着させて模様を形成する方法を例示できる。
また、固形化粧料の表面および容器の表面は、隣接して配置されているので、固形化粧料の表面と、容器の表面とを合わせた広い面積の領域を1つの領域と見立てて、この領域に化粧料側模様および容器側模様を一体的に組み合わせた大きな特定の模様を付すことができる。
しかしながら、これらのような製造方法では、模様は、平面的形状となってしまうので、曲面状の表面を有する固形化粧料の表面または曲面状の表面を有する容器の表面にバリエーションに富んだ美しい模様を付すことはできない。
なお、化粧料側模様または容器側模様は、立体的形状であれば、どのような形状であってもよく、例えば、所定の太さを有する線状の模様形成用化粧料によって形成されていてもよく、所定の外径を有する粒状の模様形成用化粧料を集合させることによって形成されていてもよい。
本発明によれば、模様形成ステップは、曲面状の表面を有する固形化粧料の表面に倣って相対的にノズルを移動させるとともに、流動性を有する模様形成用化粧料を粒状にしてノズルを介して飛ばすことによって、固形化粧料の表面に付着させて化粧料側模様を形成するので、模様ごとに異なる型を準備することなく、模様付固形化粧料を製造することができ、模様付固形化粧料の製造コストを低減させることができる。
また、模様形成ステップは、曲面状の表面を有する固形化粧料の表面に倣って相対的にノズルを移動させるので、固形化粧料の表面と、ノズルとの間隔を維持しつつ化粧料側模様を形成することができる。したがって、流動性を有する模様形成用化粧料を粒状にしてノズルを介して飛ばすことによって、固形化粧料の表面に付着させたときの衝撃を安定させることができるので、繊細な模様を安定して付すことができ、美しい模様を形成することができる。
また、模様形成ステップは、曲面状の表面を有する固形化粧料の表面および曲面状の表面を有する容器の表面に倣って相対的にノズルを移動させるので、固形化粧料の表面および容器の表面と、ノズルの間隔とを維持しつつ化粧料側模様および容器側模様を形成することができる。したがって、流動性を有する模様形成用化粧料を粒状にしてノズルを介して飛ばすことによって、固形化粧料の表面および容器の表面に付着させたときの衝撃を安定させることができるので、繊細な模様を安定して付すことができ、美しい模様を形成することができる。
さらに、固形化粧料の表面および容器の表面は、隣接して配置されているので、固形化粧料の表面と、容器の表面とを合わせた広い面積の領域を1つの領域と見立てて、この領域に化粧料側模様および容器側模様を一体的に組み合わせた大きな特定の模様を付すことができる。
本発明によれば、模様形成ステップは、ノズルを移動させることによって、模様を形成するので、固形化粧料や、容器を固定して模様を形成することができ、繊細な模様を安定して付すことができ、美しい模様を形成することができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る模様付固形化粧料の外観を示す正面図である。
模様付固形化粧料1は、図1に示すように、曲面状の表面を有する円筒状のケース2(容器)に収容された固形化粧料11と、固形化粧料11の表面に付されたハート形の化粧料側模様12とを備えている。
固形化粧料11は、曲面状の表面を有する略円柱状の口紅である。
なお、本実施形態では、固形化粧料11は、口紅であったが、グロス、アイシャドウ、アイライナー、および油性ファンデーション等の他の固形化粧料であってもよい。
なお、本実施形態では、化粧料側模様12は、ハート形に形成されているが、これ以外の形状や、文字などであってもよく、どのような形状の模様であってもよい。
なお、本実施形態では、固形化粧料11の色および模様形成用化粧料13の色は異なっているが、同一であってもよい。
模様付固形化粧料の製造装置3は、図2に示すように、水平面上に載置された矩形板状のベース31と、ベース31の−X軸方向側に設けられたロボットアーム32とを備えている。
回転盤312は、固形化粧料11を固定する固定部(図示略)を備え、回転盤312の中心軸と、固形化粧料11の中心軸とを一致させるように固形化粧料11を固定している。したがって、回転盤312をZ軸回りに回転させることによって、固形化粧料11をZ軸回りに回転させることができる。
第1リンク323は、回転体322の回転軸と直交する軸を回動軸として回動するように回転体322に一端を支持されている。
第2リンク324は、第1リンク323の回動軸と平行な軸を回動軸として回動するように第1リンク323の他端に一端を支持されている。
第3リンク325は、第1リンク323の回動軸および第2リンク324と平行な軸を回動軸として回動するように第2リンク324の他端に一端を支持されている。
なお、本実施形態では、模様形成用化粧料13は、油性成分を含有する化粧料を採用しているが、流動性を有する化粧料であれば、油性成分を含有していなくてもよい。
ノズル4は、図3に示すように、流動性を有する模様形成用化粧料13を粒状にして飛ばす円筒状のノズル本体41と、ノズル本体41の基端側に設けられた略半円柱状の液室42とを備えている。
液室42は、その内部に挿入されるとともに、X軸方向に沿って進退自在に設けられたプランジャ(図示略)を有し、このプランジャを進退させることによって、液室42の内部に収容された流動性を有する模様形成用化粧料13を粒状にしてノズル本体41を介して飛ばすことができるようになっている。
タンク43は、流動性を有する模様形成用化粧料13を内部に収容し、チューブTを介してコンプレッサ(図示略)に接続されている。
このコンプレッサは、チューブTを介してタンク43の内部に収容された流動性を有する模様形成用化粧料13を加圧する。これによって、タンク43の内部に収容された模様形成用化粧料13は、チューブ431を介して液室42の内部に供給されていくことになる。
以下、模様付固形化粧料の製造装置3を使用して模様付固形化粧料1を製造する方法を説明する。
模様付固形化粧料の製造装置3は、図4および図5に示すように、固形化粧料11の表面に倣って(固形化粧料11の表面と、ノズル本体41の先端との距離を一定に保つように)ノズル本体41を移動させるとともに、流動性を有する模様形成用化粧料13を粒状にしてノズル本体41を介して飛ばすことによって、固形化粧料11の表面に付着させて化粧料側模様12を形成する模様形成ステップを実行する。換言すれば、模様付固形化粧料の製造装置3は、固形化粧料11の表面に対して相対的にノズル本体41を移動させる。
次に、模様付固形化粧料の製造装置3は、固形化粧料11の表面に倣ってノズル本体41を移動させるとともに、模様形成用化粧料13の吐出を開始し、流動性を有する模様形成用化粧料13を粒状にしてノズル本体41を介して飛ばすことによって、固形化粧料11の表面に付着させて化粧料側模様12を形成する。
以下、図4(B)〜図5(G)を参照して固形化粧料11の表面に倣って移動するノズル本体41の軌跡について説明する。
その後、図4(C)に示すように、回転盤312を図中右回りに回転させることによって、固形化粧料11を図中右回りに回転させるとともに、ロボットアーム32を駆動することによって、ノズル本体41を更に上昇させる(図中上向矢印参照)。
その後、図5(E)に示すように、回転盤312を図中右回りに回転させることによって、固形化粧料11を図中右回りに回転させるとともに、ロボットアーム32を駆動することによって、ノズル本体41を上昇させる(図中上向矢印参照)。
その後、図5(G)に示すように、回転盤312を図中左回りに回転させることによって、固形化粧料11を図中左回りに回転させるとともに、ロボットアーム32を駆動することによって、ノズル本体41を更に下降させる(図中下向矢印参照)。
このように、模様形成ステップは、固形化粧料11の表面に付着させてハート形の化粧料側模様12を形成することができる。
これによって、模様付固形化粧料の製造装置3は、固形化粧料11と、固形化粧料11の表面に付されたハート形の化粧料側模様12とを備えた模様付固形化粧料1を製造することができる。
なお、固形化粧料11は、模様固化ステップを実行した後、円筒状のケース2に収容されることになる。
(1)化粧料側模様12は、粒状の模様形成用化粧料13を集合させることによって形成されているので、ラバーモールドの内部に凹凸模様を形成しておくことによって、固形化粧料11の表面に模様を付す場合と比較して、固形化粧料11の表面に繊細な模様を付すことができる。
(2)模様形成ステップは、固形化粧料11の表面に対して相対的にノズル4を移動させるとともに、流動性を有する模様形成用化粧料13を粒状にしてノズル4を介して飛ばすことによって、固形化粧料11の表面に付着させて化粧料側模様12を形成するので、模様ごとに異なる型を準備することなく、模様付固形化粧料1を製造することができ、模様付固形化粧料1の製造コストを低減させることができる。
以下、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下の説明では、既に説明した部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
模様付固形化粧料1Aは、図6に示すように、曲面状の表面を有する円筒状のケース2(容器)に収容された固形化粧料11と、固形化粧料11の表面に付された化粧料側模様12Aと、固形化粧料11の表面と隣接して配置されたケース2の表面に付された容器側模様14とを備えている。
固形化粧料11は、曲面状の表面を有する略円柱状の口紅である。
なお、本実施形態では、固形化粧料11は、口紅であったが、グロス、アイシャドウ、アイライナー、および油性ファンデーション等の他の固形化粧料であってもよい。
また、化粧料側模様12Aおよび容器側模様14は、一体的に組み合わせることによって複数のハート形を連ねた形(特定の模様)を形成している。
なお、本実施形態では、化粧料側模様12Aおよび容器側模様14は、複数のハート形を連ねた形に形成されているが、これ以外の形状や、文字などであってもよく、どのような形状の模様であってもよい。また、化粧料側模様12Aおよび容器側模様14は、一体的に組み合わせることによって複数のハート形を連ねた形(特定の模様)を形成しているが、特定の模様を形成していなくてもよい。
また、本実施形態では、固形化粧料11の色および模様形成用化粧料13の色は異なっているが、同一であってもよい。
具体的には、模様付固形化粧料の製造装置3は、模様形成ステップおよび模様固化ステップを実行する。
模様固化ステップでは、模様付固形化粧料の製造装置3は、模様形成ステップにて形成された化粧料側模様12Aおよび容器側模様14を固化させる。
(4)化粧料側模様12Aおよび容器側模様14は、粒状の模様形成用化粧料13を集合させることによって形成されているので、固形化粧料11の表面およびケース2の表面に繊細な模様を付すことができる。
(5)模様形成ステップは、固形化粧料11の表面およびケース2の表面に対して相対的にノズル4を移動させるとともに、流動性を有する模様形成用化粧料13を粒状にしてノズル4を介して飛ばすことによって、固形化粧料11の表面およびケース2の表面に付着させて化粧料側模様12Aおよび容器側模様14を形成するので、模様ごとに異なる型を準備することなく、模様付固形化粧料1Aを製造することができ、模様付固形化粧料1Aの製造コストを低減させることができる。
(7)固形化粧料11の表面およびケース2の表面は、隣接して配置されているので、固形化粧料11の表面と、ケース2の表面とを合わせた広い面積の領域を1つの領域と見立てて、この領域に化粧料側模様12Aおよび容器側模様14を一体的に組み合わせた大きな特定の模様を付すことができる。
なお、本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記各実施形態では、模様付固形化粧料の製造装置3は、固形化粧料11およびケース2を回転させることによって、固形化粧料11の表面およびケース2の表面に倣ってノズル4を相対的に移動させていた。
これに対して、模様付固形化粧料の製造装置3は、固形化粧料11およびケース2を回転させなくてもよく、固形化粧料11の表面およびケース2の表面に倣って相対的にノズル4を移動させることができればよい。
これによれば、模様形成ステップは、ノズルを移動させることによって、模様を形成するので、固形化粧料や、容器を固定して模様を形成することができ、繊細な模様を安定して付すことができ、美しい模様を形成することができる。
2 ケース(容器)
3 模様付固形化粧料の製造装置
4 ノズル
11 固形化粧料
12,12A 化粧料側模様
13 模様形成用化粧料
14 容器側模様
Claims (6)
- 曲面状の表面を有する固形化粧料と、
前記固形化粧料の表面に付された化粧料側模様とを備え、
前記化粧料側模様は、前記固形化粧料とは異なる模様形成用化粧料からなることを特徴とする模様付固形化粧料。 - 曲面状の表面を有する容器に収容された曲面状の表面を有する固形化粧料と、
前記固形化粧料の表面に付された化粧料側模様と、
前記固形化粧料の表面と隣接して配置された前記容器の表面に付された容器側模様とを備え、
前記化粧料側模様および前記容器側模様は、前記固形化粧料とは異なる模様形成用化粧料からなるとともに、一体的に組み合わせることによって特定の模様を形成することを特徴とする模様付固形化粧料。 - 請求項1または請求項2に記載された模様付固形化粧料において、
前記模様は、立体的形状に形成されていることを特徴とする模様付化粧料。 - 曲面状の表面を有する固形化粧料の表面に倣って相対的にノズルを移動させるとともに、流動性を有する模様形成用化粧料を粒状にして前記ノズルを介して飛ばすことによって、前記固形化粧料の表面に付着させて化粧料側模様を形成する模様形成ステップと、
前記模様形成ステップにて形成された前記化粧料側模様を固化させる模様固化ステップとを備えることを特徴とする模様付固形化粧料の製造方法。 - 曲面状の表面を有する固形化粧料の表面および前記固形化粧料を収容する曲面状の表面を有する容器の表面に倣って相対的にノズルを移動させるとともに、流動性を有する模様形成用化粧料を粒状にして前記ノズルを介して飛ばすことによって、前記固形化粧料の表面および前記固形化粧料の表面と隣接して配置された前記容器の表面に付着させて化粧料側模様および容器側模様を形成する模様形成ステップと、
前記模様形成ステップにて形成された前記化粧料側模様および前記容器側模様を固化させる模様固化ステップとを備え、
前記模様形成ステップは、一体的に組み合わせることによって特定の模様を形成するように前記化粧料側模様および前記容器側模様を形成することを特徴とする模様付固形化粧料の製造方法。 - 請求項4または請求項5に記載された模様付固形化粧料の製造方法において、
前記模様形成ステップは、前記ノズルを移動させることによって、前記模様を形成することを特徴とする模様付固形化粧料の製造方法。
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