JP7048528B2 - 化粧料の製造方法 - Google Patents
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本実施形態に係る化粧料の製造方法、製造システム、及び化粧料について図1乃至図5を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る化粧料を示す模式図であり、(a)は斜視図、(b)はA-A線における端面図、図2は、本発明の第1実施形態に係る模様の例を示す図、図3は、本発明に係る化粧料の製造方法を模式的に示す図、図4は、本発明に係る化粧料の吐出システムを模式的に示す斜視図、図5は、吐出用化粧料の吐出状態を示す模式図である。
以下、本発明に係る化粧料1の製造方法及び製造システムについて説明する。
まず、製造システムの第1ステーション(不図示)において、吐出用化粧料が、容器3の内底面3aの少なくとも一部に対して液滴状態で連続的に定量吐出される。本実施形態においては、吐出された吐出用化粧料により、容器3の内底面3aに模様4が形成される(図3(a)参照)。
次に、製造システムの第2ステーション(不図示)において、油性固形化粧料2を形成するため、所定温度で加熱して溶解された流動状態の油性化粧料(バルク)が、脱気等の処理を経て充填装置(不図示)のホッパー(不図示)に貯留されており、この油性化粧料は、充填装置のノズル6から容器3の内側に充填される(図3(c)参照)。なお、容器3に充填された油性化粧料に対して、滑らかな表面2aを得るために、任意に再加熱(リヒート)処理が実行されてもよい。
次に、製造システムの第3ステーション(不図示)において、前記充填工程(充填装置)により充填された油性化粧料が固化され、油性固形化粧料2が形成される(図3(d)参照)。固化の方法は特に限定されず、例えば、任意の冷却手段により冷却対象物に対して強制的に冷却処理を施す冷却工程を実施したり、冷却対象物を放置して室温まで冷却する放冷工程を実施したりしてもよい。上記の固化工程により、容器3内に充填・固化された、平滑な表面2aを有する油性固形化粧料2が得られる。
(1)加熱により溶融状態とされた吐出用化粧料を微細な粒子として高精度に吐出する吐出装置によって模様4を形成するので、従来のようにモールドを用いた型抜きでは極めて困難であった線幅1mm以下の細い精巧な模様4を正確に形成することや、そのような模様4を曲面や凹凸面に対して形成することが極めて容易になり、化粧料1のデザインの選択の幅が広がり、繊細な模様4を備えた付加価値の高い化粧料1を製造することができる。
上記した第1実施形態による化粧料1は、吐出用化粧料により模様4が形成されるものであったが、本発明は必ずしも何らかの模様(図2参照)が形成されるものに限定されない。即ち、本発明の化粧料は、容器(符号3参照)の内面(符号3a参照)に連続的に定量吐出されてなる第1の化粧料(符号4参照)と、第1の化粧料と異なる組成でなる、容器に充填され固化されてなる第2の化粧料(符号2参照)と、を有する構成であればよい。そのため、第2の化粧料(符号2参照)とは異なる効能を有する第1の化粧料を、容器(符号3参照)の内面(符号3a参照)に配置する化粧料としてもよい。以下の他の実施形態についても同様である。これにより、使用者が当該化粧料の使用を続ける過程で、別の効能を有する化粧料(吐出用化粧料)が出現するという付加価値のある化粧料を提供することができる。なお、この場合、第2の化粧料(符号2参照)に関しては、必ずしも透明な又は透光性を有する化粧料を採択する必要はない。
第2実施形態に係る化粧料の製造方法、製造システム、及び化粧料について図6及び図7を参照して説明する。図6は、本発明の第2実施形態に係る化粧料を示す模式図であり、(a)は斜視図、(b)はB-B線における端面図、図7は、本発明の第2実施形態に係る化粧料の製造方法を模式的に示す図である。なお、以下の説明において、第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
まず、製造システムの第1ステーション(不図示)において、第1の吐出用化粧料が、容器3の内底面3aの少なくとも一部に対して液滴状態で連続的に定量吐出される。本実施形態においては、第1の吐出用化粧料が吐出されて、容器3の内底面3aに模様4a(図2(b)参照)が形成される(図7(a)参照)。容器3の内底面3aに対する第1の吐出用化粧料の吐出は、図4に示す吐出システム7により実行することが好ましい。
次に、製造システムの第2ステーション(不図示)において、加熱により溶融状態とされた油性化粧料が充填装置のノズル6から容器3の内側に充填される(図7(b)参照)。次に、製造システムの第3ステーション(不図示)において、前記第1の充填工程(第1の充填装置)により充填された油性化粧料が固化され、油性固形化粧料2が形成される(図7(c)参照)。
次に、製造システムの第4ステーション(不図示)において、第2の吐出用化粧料が、固化された油性固形化粧料2の表面2aの少なくとも一部に対して、液滴状態で連続的に定量吐出される。本実施形態においては、第2の吐出用化粧料が吐出されて、油性固形化粧料2の表面2aに模様4b(図2(a)参照)が形成される(図7(d)参照)。なお、油性固形化粧料2の表面2aに対する第2の吐出用化粧料の吐出は、上記の第1の吐出工程において用いた吐出装置(吐出システム)と同一のもので実行されてもよいし、別の吐出装置(吐出システム)で実行されてもよい。
次に、製造システムの第5ステーション(不図示)において、第1の充填工程と同様にして、油性固形化粧料12を形成するため、加熱により溶融状態とされた油性化粧料が充填装置のノズル6から容器3の内側に充填される(図7(e)参照)。これにより、油性化粧料が、第2の吐出用化粧料により模様4bが形成された油性固形化粧料2の上に充填される。次に、製造システムの第6ステーション(不図示)において、第1の固化工程と同様にして、前記第2の充填工程(第2の充填装置)により充填された溶融状態の油性化粧料が固化され、油性固形化粧料12が形成される(図7(f)参照)。
第3実施形態に係る化粧料の製造方法、製造システム、及び化粧料について図8及び図9を参照して説明する。図8は、本発明の第3実施形態に係る化粧料を示す模式図であり、(a)は斜視図、(b)はC-C線における端面図、図9は、本発明の第3実施形態に係る化粧料の製造方法を模式的に示す図である。なお、以下の説明において、第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
まず、製造システムの第1ステーション(不図示)において、第1の吐出用化粧料が、容器3の内底面3aの少なくとも一部に対して液滴状態で連続的に定量吐出される。本実施形態においては、吐出された第1の吐出用化粧料により、容器3の内底面3aに模様4a(図2(b)参照)が形成される(図9(a)参照)。容器3の内底面3aに対する第1の吐出用化粧料の吐出は、図4に示す吐出システム7により実行することが好ましい。
次に、製造システムの第2ステーション(不図示)において、加熱により溶融状態とされた油性化粧料が充填装置のノズル6から容器3の内側に充填される(図9(b)参照)。次に、製造システムの第3ステーション(不図示)において、前記充填工程(充填装置)により充填された油性化粧料が固化され、油性固形化粧料2が形成される(図9(c)参照)。
次に、製造システムの第4ステーション(不図示)において、前記固化工程(固化装置)により固化された油性固形化粧料2に対して、第2の吐出用化粧料を吐出するためのノズル8bが任意の深さdまで挿入され、油性固形化粧料2内に第2の吐出用化粧料が連続的に定量吐出される。本実施形態においては、吐出された第2の吐出用化粧料により、油性固形化粧料2の内側に模様4b(図2(a)参照)が形成される(図9(d)及び(e)参照)。なお、油性固形化粧料2の内側に対する第2の吐出用化粧料の吐出は、上記の第1の吐出工程において用いた吐出装置(吐出システム)と同一のもので実行されてもよいし、別の吐出装置(吐出システム)で実行されてもよい。なお、ここでは、所定の深さdにおける水平方向にノズル8bを移動させながら吐出用化粧料を吐出して、模様4bが同一平面上に形成される例を説明する。ただし、本発明はこれに限られず、吐出システムは、水平方向及び垂直方向にノズル8bを移動させながら吐出用化粧料を吐出することにより、立体的な模様を形成することもできることは言うまでもない。
次に、製造システムの第5ステーション(不図示)において、容器3に充填されている油性固形化粧料2に対して加熱装置5により加熱処理が実行される(図9(f)参照)。これにより、上記の第2の吐出工程(吐出装置)において、油性固形化粧料2内にノズル8bが挿入されて水平方向及び/又は垂直方向に移動したことに伴って発生した油性固形化粧料2の表面2aの荒れが均され、滑らかな表面2aが得られる(図8(a)及び(b)参照)。
また、第1実施形態における吐出用化粧料4、第2実施形態における吐出用化粧料4a、4b、及び、第3実施形態における吐出用化粧料4aとしては、油性固形化粧料のように、所定温度以上に加熱すると溶融状態となり、常温において形状を維持できる化粧料が好ましいが、第3実施形態における吐出用化粧料4bとしては、そのような化粧料に限られない。即ち、第3実施形態における吐出用化粧料4bとしては、クリーム状化粧料や、粉末化粧料基材に所定の溶剤を添加したスラリーや、液状化粧料等であってもよく、更には、液状、ペースト状、乳液状等の種々のものを採択でき、美容液も含まれる。
2 油性固形化粧料(第2の化粧料)
2a 表面
3 容器
3a 内底面(内面)
4 模様
4a 模様(第1の模様)
4b 模様(第2の模様)
5 加熱装置
6 ノズル
7 吐出システム
8 吐出装置
8a 貯留部
8b ノズル
9 駆動装置
9a 基台
9b ステージ
9c アーム
12 油性固形化粧料(第3の化粧料)
100 化粧料
200 化粧料
d 深さ(所定の深さ)
W 線幅
Claims (7)
- 第1の化粧料を容器の内面の少なくとも一部に対して液滴状態で連続的に定量吐出する吐出工程と、
前記吐出工程後の前記容器に、前記第1の化粧料と異なる組成でなる第2の化粧料を充填する充填工程と、を有し、
前記吐出工程は、前記容器の前記内面に対して、液滴状態で吐出された前記第1の化粧料を線状に着弾させるものであり、
前記容器の前記内面に着弾した線状の前記第2の化粧料の幅は、0.05mm乃至1.5mmであること
を特徴とする化粧料の製造方法。 - 前記吐出工程は、吐出される前記第1の化粧料により前記容器の前記内面に模様を形成することを特徴とする請求項1に記載の化粧料の製造方法。
- 前記充填工程により充填される前記第2の化粧料は、透明な又は透光性を有する化粧料であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の化粧料の製造方法。
- 前記第1の用化粧料は、前記第2の化粧料と異なる効能を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のうち、いずれか1に記載の化粧料の製造方法。
- 前記充填工程の後に、前記第1の化粧料と同一又は異なる組成でなる化粧料を、固化された前記第2の化粧料の表面の少なくとも一部に対して液滴状態で連続的に定量吐出する第2の吐出工程を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のうち、いずれか1に記載の化粧料の製造方法。
- 前記第2の吐出工程の後に、前記第2の化粧料と同一又は異なる組成でなる第3の化粧料を充填する第2の充填工程を有することを特徴とする請求項5に記載の化粧料の製造方法。
- 固化された前記第2の化粧料にノズルを挿入し、前記ノズルから前記第1の化粧料と同一又は異なる組成でなる化粧料を前記第2の化粧料内に連続的に定量吐出する第2の吐出工程を有することを特徴とする請求項1乃至請求項6のうち、いずれか1に記載の化粧料の製造方法。
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