JP2001072541A - 棒状化粧料の成形方法及びオジーブの製造方法及び棒状化粧料用金型の製造方法 - Google Patents

棒状化粧料の成形方法及びオジーブの製造方法及び棒状化粧料用金型の製造方法

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JP2001072541A
JP2001072541A JP25217399A JP25217399A JP2001072541A JP 2001072541 A JP2001072541 A JP 2001072541A JP 25217399 A JP25217399 A JP 25217399A JP 25217399 A JP25217399 A JP 25217399A JP 2001072541 A JP2001072541 A JP 2001072541A
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Katsumasa Kayatsu
勝正 萱津
Masami Abe
雅実 阿部
Yoshihiro Yanagimoto
芳広 柳本
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Shiseido Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は棒状化粧料の成形方法及びオジーブの
製造方法及び棒状化粧料用金型の製造方法に関し、棒状
化粧料により高い付加価値を付与することを課題とす
る。 【解決手段】 溶融状態の化粧料が充填された後、この
化粧料を冷却固化して口紅等の棒状化粧料を製造する際
に用いられるオジーブの製造方法において、棒状化粧料
の形状を有した金型10を成形し、例えば噴射ノズル1
4から微細球15を噴射すること(サンドブラスト法)
により、この金型10の表面の所定領域に微細凹凸部1
3を形成する。そして、この微細凹凸部13が形成され
た金型10を用いてオジーブ20を成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、棒状化粧料の成形
方法及びオジーブの製造方法及び棒状化粧料用金型の製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から行われている口紅等の棒状化粧
料の製造方法は、大きく二つの方法に分類される。その
一つは、金型を用いて棒状化粧料を製造する方法であ
り、もう一つは、オジーブを用いて棒状化粧料を製造す
る方法である。金型を用いて棒状化粧料を製造する方法
は、金型として棒状化粧料の形状に対応したキャビティ
(窪み)が形成された割り型を用い、このキャビティ内
に溶融状態の化粧料を充填し、その後にこれを冷却固化
させることにより棒状化粧料を形成し、これを容器に装
着することにより棒状化粧料製品が製造される。
【0003】一方、オジーブを用いて棒状化粧料を製造
する方法は、鞘状のオジーブを容器に組み付けておき、
これを逆立姿勢にして溶融状態にある化粧料を容器底面
からオジーブ内に充填する。次に、オジーブに充填され
た化粧料を冷却することにより固化させ棒状化粧料を成
形し、その後にオジーブを取り外すことにより棒状化粧
料製品が製造される。
【0004】上記した従来の棒状化粧料の製造において
は、その表面が光沢面(艶を有する面)となるよう、金
型に形成されるキャビティの内面、及びオジーブの内面
は平滑面(鏡面)とされていた。尚、本明細書におい
て、棒状化粧料といった場合には容器を除いた状態をい
い、また棒状化粧料製品といった場合には棒状化粧料が
容器に装着された状態をいうものとする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年では棒
状化粧料の表面に比較的大きな凹凸を付加し、これによ
り付加価値を付けることが行われるようになってきてい
る。具体的な例としては、棒状化粧料の光沢面とされた
表面に溝で文字を形成することにより、表品名や製造会
社名等のロゴを入れることが行われている。
【0006】しかるに、顧客志向の多様化に対応しよう
とした場合、従来のように棒状化粧料表面の光沢面に凹
凸を形成して模様,文字等を形成する方法だけでは、そ
れ以上の付加価値を付けることには限界があった。本発
明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、棒状化粧
料により高い付加価値を付与しうる棒状化粧料の成形方
法及びオジーブの製造方法及び棒状化粧料用金型の製造
方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明では、次に述べる種々の手段を講じたことを特
徴とするものである。請求項1記載の発明は、鞘状のオ
ジーブに溶融状態の化粧料を充填して冷却固化させるこ
とにより棒状化粧料を製造する棒状化粧料の成形方法に
おいて、平滑面とされたオジーブ内面の所定領域に微細
凹凸により構成された微細凹凸形成部を設け、該微細凹
凸形成部が設けられたオジーブに化粧料を充填し棒状化
粧料を成形することを特徴とするものである。
【0008】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の棒状化粧料の成形方法において、前記微細凹凸形成
部の形状が、文字,模様,若しくは図形またはこれらの
結合された形状となるよう構成したことを特徴とするも
のである。また、請求項3記載の発明は、溶融状態の化
粧料が充填された後、該化粧料を冷却固化して棒状化粧
料を製造する際に用いられるオジーブの製造方法におい
て、前記棒状化粧料の形状を有した金型を成形する金型
形成工程と、前記金型の所定領域に微細凹凸部を形成す
る微細凹凸形成工程と、前記微細凹凸部が形成された前
記金型を用いてオジーブを成形するオジーブ成形工程と
を有することを特徴とするものである。
【0009】また、請求項4記載の発明は、請求項3記
載のオジーブの製造方法において、前記微細凹凸形成工
程で、サンドブラスト加工を用いて前記微細凹凸部を形
成することを特徴とするものである。また、請求項5記
載の発明は、請求項3または4記載のオジーブの製造方
法において、前記オジーブ成形工程で、前記オジーブの
材料としてシリコンを用いたことを特徴とするものであ
る。
【0010】また、請求項6記載の発明は、溶融状態の
化粧料が充填された後、該化粧料を冷却固化して棒状化
粧料を製造する際に用いられる金型の製造方法におい
て、前記棒状化粧料の形状に対応したキャビティを有す
る金型本体を成形する金型本体形成工程と、前記キャビ
ティ内の所定領域に選択的に微細凹凸部を形成する微細
凹凸形成工程とを有することを特徴とするものである。
【0011】上記した各手段は、次のように作用する。
請求項1記載の発明によれば、平滑面とされたオジーブ
内面の所定領域に微細凹凸により構成された微細凹凸形
成部を設け、この微細凹凸形成部が設けられたオジーブ
に化粧料を充填し棒状化粧料を成形することにより、化
粧料が冷却固化した際、微細凹凸形成部は棒状化粧料に
転写される。よって、棒状化粧料の表面には、光沢面
(艶を有する面)と光沢を有しない面(艶消し面)とが
形成され、棒状化粧料の表面にコントラストを付加する
ことができる。
【0012】また、請求項2記載の発明のように、微細
凹凸形成部の形状を、文字,模様,若しくは図形または
これらの結合された形状となるよう構成することによ
り、より高い付加価値を持たせることができる。また、
請求項3記載の発明によれば、オジーブを製造する際、
先ず金型成形工程を実施することにより棒状化粧料の形
状を有した金型を成形し、続いて微細凹凸形成工程を実
施することにより金型の所定領域に微細凹凸部を形成す
る。続いて、オジーブ成形工程を実施することにより、
微細凹凸部が形成された金型を用いてオジーブを成形す
る。このオジーブ成形工程において、オジーブの内面に
は金型に形成されている微細凹凸部が転写され、微細凹
凸形成部が形成される。
【0013】よって、鞘状のオジーブであっても、その
内壁に容易に微細凹凸形成部を形成することができる。
また、金型に対して微細凹凸部を形成し、これを転写す
ることによりオジーブ内面に微細凹凸形成部を形成する
ため、微細凹凸形成部の形状が複雑であっても、オジー
ブ内面に微細凹凸形成部を確実かつ容易に形成すること
ができる。
【0014】また、請求項4記載の発明によれば、微細
凹凸形成工程において、サンドブラスト加工を用いて微
細凹凸部を形成することにより、微細凹凸部の粗さや深
さを容易に調整することができる。よって、例えば絵画
的な模様等を棒状化粧料の表面に形成することも可能と
なる。また、請求項5記載の発明によれば、オジーブ成
形工程において、オジーブの材料としてシリコンを用い
たことにより、シリコンは可撓変形し易い材質であるた
め、微細凹凸形成部の粗さや深さが大きい場合であって
も、棒状化粧料の固化後、棒状化粧料からオジーブを容
易かつ確実に取り外すことができる。
【0015】また、請求項6記載の発明によれば、金型
本体形成工程において棒状化粧料の形状に対応したキャ
ビティを有する金型本体を成形し、続いて微細凹凸形成
工程を実施することによりキャビティ内の所定領域に選
択的に微細凹凸部を形成することにより、オジーブを用
いずに直接金型に形成されたキャビティに化粧料を充填
して棒状化粧料を製造する方法においても、棒状化粧料
の表面に光沢面(艶を有する面)と光沢を有しない面
(艶消し面)とを選択的に形成することができ、よって
棒状化粧料の表面にコントラストを付加することができ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面と共に説明する。図1乃至図5は、本発明の一実
施例であるオジーブの製造方法を説明するための図であ
る。図5は、本実施例により製造されるオジーブ20を
示している。同図に示すように、オジーブ20は鞘状形
状を有しており、このオジーブ20内に溶融された化粧
料を充填し、その後冷却固化させることにより棒状化粧
料30(図7参照)が製造される。尚、棒状化粧料30
の製造方法については、後に詳述する。
【0017】オジーブ20は、大略すると金型形成工
程,微細凹凸形成工程,及びオジーブ成形工程を実施す
ることにより製造される。以下、各工程について説明す
る。オジーブ20を製造するには、先ず棒状化粧料30
の形状を有したオジーブ成形用金型10を成形する(金
型形成工程)。このオジーブ成形用金型10は、周知の
鋳造技術を用いて形成されるものであり、図1に示すよ
うに、棒状化粧料30の形状に対応した形状を有した型
部12と、型部12を保持する基部11とにより構成さ
れている。この型部12の表面は、平滑面となるよう研
磨加工が施されている。
【0018】金型形成工程を実施することによりオジー
ブ成形用金型10が成形されると、続いて微細凹凸形成
工程が実施される。この微細凹凸形成工程では、オジー
ブ成形用金型10の型部12の表面所定領域に微細凹凸
部13が形成される。この微細凹凸部13の個々の深さ
及び高さは、例えば1μmから20μm程度となるよう
構成されている。このように、型部12に微細凹凸が形
成されることにより、型部12の表面は微細凹凸が形成
された微細凹凸部13と、平滑面とされた平滑面部16
に画成された構成となる。
【0019】この微細凹凸部13の形成方法としては、
例えば放電により型部12の表面粗化を行う放電加工
法、砂等の微細粒を加圧加速して吹きつけることによ
り型部12の表面粗化を行うサンドブラスト法、微小
球を加圧加速して吹きつけることにより型部12の表面
粗化を行うショットピーニング法、乾式あるいは湿式
のエッチングを行うことにより型部12の表面粗化を行
うエッチング法、レーザ光を照射することにより型部
12の表面粗化を行うレーザ加工法等の種々の加工法を
用いることができる。この内、上記した放電加工法,
サンドブラスト法,及びショットピーニング法は、
安価にかつ確実に型部12の表面に微細凹凸部13を形
成することができる。
【0020】図2は、サンドブラスト法を用いて型部1
2に微細凹凸部13を形成している様子を示している。
サンドブラスト法では、同図に示すように、噴射ノズル
14から加圧加速された微細粒15を微細凹凸部13の
形成位置に向け噴射する。これにより、型部12の表面
には微細な凹凸が形成され、よって微細凹凸部13が形
成される。また、噴射ノズル14を移動させることによ
り、微細凹凸形成部13の形状を、文字,模様,若しく
は図形またはこれらの結合された形状とすることができ
る。
【0021】このように、単に噴射ノズル14を適宜移
動させるだけの簡単な操作により、微細凹凸形成部13
の形状を、文字,模様,若しくは図形またはこれらの結
合された形状を実現できる。よって、微細凹凸形成部1
3が複雑な形状であっても、容易に形成することが可能
となる。図3は、上記のようにして微細凹凸形成部13
が形成されたオジーブ成形用金型10を示している。
【0022】尚、本実施例においては、微細凹凸形成部
13の形状を星型とした例を示している。また、各図に
おいては、図示の便宜上、微細凹凸形成部13の外形線
を実線で示しているが、実際はこの外形線は型部12の
表面には現れない。上記した微細凹凸形成工程が終了す
ると、続いてオジーブ成形工程が実施される。図4は、
オジーブ成形工程を説明するための図である。オジーブ
成形工程では、同図に示すように、オジーブ成形用金型
10に割り型17,18を装着し、ゲート19から樹脂
23を充填する。これにより、図5に示されるような、
内部に型部12の形状(即ち、棒状化粧料30の形状)
に対応した空間部を有したオジーブ20が形成される。
尚、樹脂23としては、例えばポリスチレン系の樹脂を
用いることができる。
【0023】この際、前記したように型部12の表面に
は、微細凹凸が形成された微細凹凸部13と平滑面とさ
れた平滑面部16が存在するため、この微細凹凸部13
及び平滑面部16はオジーブ20の内壁に転写される。
よって、オジーブ20の内壁には、微細凹凸が形成され
た微細凹凸形成部21と平滑面とされた平滑面形成部2
2が形成される。
【0024】このように本実施例によれば、鞘状のオジ
ーブ20であっても、その内壁に容易に微細凹凸形成部
21を形成することができる。また、オジーブ成形用金
型10に対して微細凹凸部13を形成し、これを転写す
ることによりオジーブ20の内面に微細凹凸形成部21
を形成するため、微細凹凸形成部21の形状が複雑であ
っても、オジーブ内面に微細凹凸形成部21を確実かつ
容易に形成することができる。
【0025】更に、本実施例では、微細凹凸形成工程に
おいてサンドブラスト法を用いて微細凹凸部13を形成
しているため、噴出させる微細粒15の大きさや、また
噴出速度を調整することにより、微細凹凸部13の密度
(粗さ)や深さを容易に調整することができる。図11
はその具体例を示しており、図示されるように微細凹凸
の密度が高い高密度部46と、微細凹凸の密度が低い低
密度部47を適宜配置することにより、絵画的な模様を
実現している。よって、このような模様を有する微細凹
凸部13が形成されたオジーブ20を用いて棒状化粧料
30を形成することにより、絵画的な模様等を棒状化粧
料30の表面に形成することも可能となる。
【0026】また、上記した実施例では、オジーブ20
の材料として熱安定性,寸法安定性の高いポリスチレン
系樹脂を用いたが、オジーブ20の材料はこれに限定さ
れるものではなく、例えばシリコンを用いることも可能
である。オジーブ20の材料としてシリコンを用いた場
合には、シリコンは可撓変形し易い材質であるため、微
細凹凸形成部13の粗さや深さが大きい場合であって
も、棒状化粧料30の成形後、オジーブ20を棒状化粧
料30から容易かつ確実に取り外すことが可能となる。
【0027】続いて、上記の如く製造されたオジーブ2
0を用いて棒状化粧料30を成形する方法について説明
する。図6は、棒状化粧料30の成形方法を形成手順に
沿って示す図である。棒状化粧料30の成形するには、
先ず図6(A)に示すように、オジーブ20を口紅容器
25(以下、単に容器という)に装着する。続いて、図
6(B)に示すように、オジーブ20に温風を吹きつけ
ることによりオジーブ20のプレヒートを行う。ここ
で、オジーブ20のプレヒートを行うのは、後に実施す
る化粧料27の充填時に、ピンホールが発生することを
防止するためである。
【0028】図6(C)は、オジーブ20に化粧料27
を充填している様子を示している。容器25は、その底
面からオジーブ20に至る通路が形成されており、溶融
された化粧料27は、容器底面から通路を介してオジー
ブ20内に充填される。オジーブ20に対する化粧料2
7を充填処理が終了すると、図6(D)に示すように、
オジーブ20側に対しては冷風を吹きつけることにより
冷却処理を行うと共に、容器25に形成された通路から
は化粧料27に向け熱風を吹きつける処理を所定時間だ
け実施する。
【0029】このように、単に化粧料27に対し冷却処
理を行うのではなく、化粧料27の上面27aに熱風を
吹きつけ加熱処理を行うのは、単に冷却処理を行うだけ
では化粧料27の上面27aに収縮孔(化粧料27は冷
却により収縮する)が形成されてしまうためである。こ
の処理を行うことにより、図6(E)に示すうよに、化
粧料27の上面27aを平坦面とすることができる。
【0030】続いて、離型を促進させるため、図6
(F)に示すように、容器25を含め全体に対し冷風を
吹きつけることにより冷却処理を行い、その後に図6
(G)に示すようにオジーブ20を取り外す。上記した
一連の処理を行うことにより、オジーブ20の内部空間
形状に対応した棒状化粧料30が成形されると共に、図
7に示す棒状化粧料製品31が完成する。
【0031】ところで、上記したように本実施例で用い
るオジーブ20は、その内面に微細凹凸により構成され
た微細凹凸形成部21と、平滑面とされた平滑面形成部
22とが形成されている。従って、図6(C)〜(F)
に示した棒状化粧料30の成形処理において、オジーブ
20に形成された微細凹凸形成部21及び平滑面形成部
22は棒状化粧料30に転写される。
【0032】具体的には、棒状化粧料30の表面におい
て微細凹凸形成部21が転写された部位は光沢を有しな
い艶消し面33(以下、マット面という)が形成され、
また平滑面形成部22が転写された部位は艶を有する光
沢面32が形成される。このように棒状化粧料30の表
面にマット面33と光沢面32が形成されることによ
り、棒状化粧料30の表面にコントラストを付加するこ
とができる。また、前記のように微細凹凸形成部21の
形状は、文字,模様,図形またはこれらの結合された形
状とすることができるため、より高い付加価値を棒状化
粧料30(棒状化粧料製品31)に持たせることができ
る。
【0033】続いて、棒状化粧料用金型の製造方法につ
いて説明する。前記した実施例では、棒状化粧料30を
形成にオジーブ20を用いる構成について説明した。し
かるに、棒状化粧料30は棒状化粧料用金型40(図9
参照)を用いることによっても製造することができる。
棒状化粧料用金型40は、大略すると金型本体形成工程
及び微細凹凸形成工程を実施することにより製造され
る。以下、各工程について説明する。
【0034】棒状化粧料用金型40を製造するには、先
ず第1及び第2の金型本体41,42を製造する(金型
本体形成工程)。棒状化粧料用金型40は、分割型とな
っており、第1の金型本体41と第2の金型本体42を
組み合わせることにより棒状化粧料用金型40を構成す
る(図9及び図10参照)。この第1及び第2の金型本
体41,42は、周知の鋳造技術を用いて形成されるも
のであり、図8(図8では、第1の金型本体41のみ示
している)に示すように、棒状化粧料30の半分形状に
対応した形状を有したキャビティ43が形成されてい
る。このキャビティ43の表面は、研磨加工が施される
ことにより平滑面45(以下、平滑面形成部という)と
されている。
【0035】上記のように、金型形成工程を実施するこ
とにより第1及び第2の金型本体41,42が成形され
ると、続いて微細凹凸形成工程が実施される。本実施例
に係る微細凹凸形成工程では、第1及び第2の金型本体
41,42に形成されているキャビティ43の表面所定
領域に直接微細凹凸形成部44を形成する。この微細凹
凸形成部44の個々の深さ及び高さは、例えば1μmか
ら20μm程度となるよう構成されている。このよう
に、微細凹凸形成部44が形成されることにより、キャ
ビティ43の表面は微細凹凸が形成された微細凹凸形成
部44と、平滑面とされた平滑面形成部45に画成され
た構成となる。
【0036】この微細凹凸形成部44の形成方法として
は、前記したと同様に、放電加工法、サンドブラス
ト法、ショットピーニング法、エッチング法、レ
ーザ加工法等の種々の加工法を用いることができる。図
8は、サンドブラスト法を用いて第1の金型本体41の
キャビティ43に微細凹凸形成部44を形成している様
子を示している。尚、図8において、図2に示した構成
と同一構成については同一符合を付してその説明を省略
する。
【0037】上記のように製造された棒状化粧料用金型
40を用いて棒状化粧料30を成形するには、図9に示
すように、第1の金型本体41と第2の金型本体42を
組み合わせ棒状化粧料用金型40を構成させる。これに
より、各金型本体41,42に形成されたキャビティ4
3は対向し、棒状化粧料30に対応した空間部を形成す
る。
【0038】続いて、棒状化粧料用金型40に形成され
たキャビティ43の上部開口部43Aから、化粧料充填
ノズル26を用いてキャビティ43内に溶融した化粧料
27を充填する。その後、所定の冷却処理を実施して化
粧料27を冷却固化し棒状化粧料30を成形する。その
上で、第1の金型本体41と第2の金型本体42を離型
して棒状化粧料30を取り出し、これを容器25に装着
することにより、図7に示す棒状化粧料製品31が製造
される。
【0039】よって、本実施例のように、オジーブ20
を用いずに直接棒状化粧料用金型40に形成されたキャ
ビティ43に化粧料27を充填して棒状化粧料30を製
造する方法においても、棒状化粧料30の表面に光沢部
32とマット部33を選択的に形成することができる。
よって、棒状化粧料30の表面にコントラストを持たせ
ることが可能となり、より高い付加価値を棒状化粧料3
0(棒状化粧料製品31)に持たせることができる。
【0040】
【発明の効果】上述の如く本発明によれば、次に述べる
種々の効果を実現することができる。請求項1及び請求
項2記載の発明によれば、微細凹凸形成部は棒状化粧料
に転写されるため、棒状化粧料の表面に光沢面(艶を有
する面)と光沢を有しない面(艶消し面)とを形成する
ことができ、よって棒状化粧料の表面にコントラストを
付加することができる。
【0041】また、請求項3記載の発明によれば、鞘状
のオジーブであっても、その内壁に容易に微細凹凸形成
部を形成することができる。また、微細凹凸形成部の形
状が複雑であっても、オジーブ内面に微細凹凸形成部を
確実かつ容易に形成することができる。また、請求項4
記載の発明によれば、微細凹凸部の粗さや深さを容易に
調整することができ、よって例えば絵画的な模様等を棒
状化粧料の表面に形成することも可能となる。
【0042】また、請求項5記載の発明によれば、微細
凹凸形成部の粗さや深さが大きい場合であっても、棒状
化粧料の固化後、棒状化粧料からオジーブを容易かつ確
実に取り外すことができる。また、請求項6記載の発明
によれば、オジーブを用いずに直接金型に形成されたキ
ャビティに化粧料を充填して棒状化粧料を製造する方法
においても、棒状化粧料の表面に光沢面(艶を有する
面)と光沢を有しない面(艶消し面)とを選択的に形成
することができ、棒状化粧料の表面にコントラストを付
加することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるオジーブの製造方法に
おける金型形成工程を説明するための図である。
【図2】本発明の一実施例であるオジーブの製造方法に
おける微細凹凸形成工程を説明するための図である(そ
の1)。
【図3】本発明の一実施例であるオジーブの製造方法に
おける微細凹凸形成工程を説明するための図である(そ
の2)。
【図4】本発明の一実施例であるオジーブの製造方法に
おけるオジーブ成形工程を説明するための図である(そ
の1)。
【図5】本発明の一実施例であるオジーブの製造方法に
おけるオジーブ成形工程を説明するための図である(そ
の2)。
【図6】本発明の一実施例である棒状化粧料の成形方法
を説明するための図である。
【図7】本発明の一実施例である棒状化粧料の成形方法
により製造された棒状化粧料製品を示す図である。
【図8】本発明の一実施例である棒状化粧料用金型の製
造方法を説明するための図である。
【図9】図8に示す棒状化粧料用金型を用いた棒状化粧
料の成形方法を説明するための図である(その1)。
【図10】図8に示す棒状化粧料用金型を用いた棒状化
粧料の成形方法を説明するための図である(その2)。
【図11】微細凹凸に密度差を設けた実施例を示す図で
ある。
【符号の説明】
10 オジーブ成形用金型 13 微細凹凸部 14 微細球噴射ノズル 15 微細球 16 平滑面部 17,18 割り型 20 オジーブ 21,44 微細凹凸形成部 22,45 平滑面形成部 25 容器 26 化粧料充填ノズル 27 化粧料 29 熱風噴射ノズル 30 棒状化粧料 31 棒状化粧料製品 32 光沢部 33 マット部 40 化粧料成形用金型 41 第1の金型本体 42 第2の金型本体 43 キャビティ 46 高密度部 47 低密度部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柳本 芳広 神奈川県鎌倉市岩瀬1丁目2番3号 株式 会社資生堂鎌倉工場内 Fターム(参考) 4C083 AD151 CC13 DD11 EE06 FF06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鞘状のオジーブに溶融状態の化粧料を充
    填して冷却固化させることにより棒状化粧料を製造する
    棒状化粧料の成形方法において、 平滑面とされたオジーブ内面の所定領域に微細凹凸によ
    り構成された微細凹凸形成部を設け、該微細凹凸形成部
    が設けられたオジーブに化粧料を充填し棒状化粧料を成
    形することを特徴とする棒状化粧料の成形方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の棒状化粧料の成形方法に
    おいて、 前記微細凹凸形成部の形状が、文字,模様,若しくは図
    形またはこれらの結合された形状となるよう構成したこ
    とを特徴とする棒状化粧料の成形方法。
  3. 【請求項3】 溶融状態の化粧料が充填された後、該化
    粧料を冷却固化して棒状化粧料を製造する際に用いられ
    るオジーブの製造方法において、 前記棒状化粧料の形状を有した金型を成形する金型形成
    工程と、 前記金型の所定領域に微細凹凸部を形成する微細凹凸形
    成工程と、 前記微細凹凸部が形成された前記金型を用いてオジーブ
    を成形するオジーブ成形工程とを有することを特徴とす
    るオジーブの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のオジーブの製造方法にお
    いて、 前記微細凹凸形成工程で、サンドブラスト加工を用いて
    前記微細凹凸部を形成することを特徴とするオジーブの
    製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項3または4記載のオジーブの製造
    方法において、 前記オジーブ成形工程で、前記オジーブの材料としてシ
    リコンを用いたことを特徴とするオジーブの製造方法。
  6. 【請求項6】 溶融状態の化粧料が充填された後、該化
    粧料を冷却固化して棒状化粧料を製造する際に用いられ
    る金型の製造方法において、 前記棒状化粧料の形状に対応したキャビティを有する金
    型本体を成形する金型本体形成工程と、 前記キャビティ内の所定領域に選択的に微細凹凸部を形
    成する微細凹凸形成工程と、を有することを特徴とする
    金型の製造方法。
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