JP2019108309A - 模様付固形化粧料の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】バリエーションに富んだ美しい立体形状の模様を有する模様付固形化粧料の製造方法の提供。【解決手段】模様付固形化粧料の製造方法は、模様配置ステップと、上層充填ステップとを備えている。模様配置ステップは、底面と、底面から起立する壁面とを有する化粧皿10の内部に模様2を配置する。上層充填ステップは、模様2の上層に位置し、透明色の油性化粧料からなる上層用化粧料12を模様2の高さよりも高い位置まで化粧皿10の内部に充填する。【選択図】図4

Description

本発明は、立体形状の模様を有する模様付固形化粧料の製造方法に関する。
従来、透光性を有する化粧料と、この化粧料の内部に付された模様とを有する固形化粧料が知られている。例えば、特許文献1に記載された化粧製品の製造方法は、凹凸模様を有するプレス面の凸部に模様を形成するための模様形成用化粧料を付着させた後、この模様形成用化粧料の付着したプレス面を当接させてプレス処理を実行することによって、透光性を有する化粧料の表面に模様を転写する。その後、模様を転写した化粧料の表面に更に透光性を有する化粧料を充填することによって、固形化粧料を製造している。
特開2005−239600号公報
しかしながら、特許文献1に記載された発明では、模様は、模様形成用化粧料の付着したプレス面を当接させてプレス処理を実行することによって、透光性を有する化粧料の表面に転写されているので、化粧料の内部に平面形状の模様を付しているだけであり、模様のバリエーションには限界があるという問題がある。
本発明の目的は、バリエーションに富んだ美しい立体形状の模様を有する模様付固形化粧料の製造方法を提供することである。
本発明の模様付固形化粧料の製造方法は、立体形状の模様を有する模様付固形化粧料の製造方法であって、底面と、底面から起立する壁面とを有する容器の内部に模様を配置する模様配置ステップと、模様の上層に位置し、透明色または半透明色の油性化粧料からなる上層用化粧料を模様の高さよりも高い位置まで容器の内部に充填する上層充填ステップとを備えることを特徴とする。
このような構成によれば、模様付固形化粧料の製造方法は、容器の内部に立体形状の模様を配置する模様配置ステップと、透明色または半透明色の油性化粧料からなる上層用化粧料を模様の高さよりも高い位置まで容器の内部に充填する上層充填ステップとを備えている。したがって、本発明の製造方法にて製造された模様付固形化粧料は、化粧料の内部に平面形状の模様を付す場合と比較して、バリエーションに富んだ美しい立体形状の模様を有することができる。
本発明では、模様の下層に位置し、透明色または半透明色の油性化粧料からなる下層用化粧料を容器の内部に充填する下層充填ステップを備え、模様配置ステップは、下層用化粧料の表面に模様を配置することが好ましい。
このような構成によれば、模様付固形化粧料の製造方法は、透明色または半透明色の油性化粧料からなる下層用化粧料を容器の内部に充填する下層充填ステップを備え、模様配置ステップは、下層用化粧料の表面に模様を配置している。したがって、本発明の製造方法にて製造された模様付固形化粧料は、下層用化粧料および上層用化粧料の間に立体形状の模様を浮かせたようなデザインとなるので、化粧料の内部に平面形状の模様を付す場合と比較して、バリエーションに富んだ美しい立体形状の模様を有することができる。
本発明では、下層用化粧料および上層用化粧料は、同一色の化粧料であることが好ましい。
このような構成によれば、下層用化粧料および上層用化粧料は、同一色の化粧料であるので、本発明の製造方法にて製造された模様付固形化粧料は、同一色の下層用化粧料および上層用化粧料の間に立体形状の模様を浮かせたようなデザインとなる。したがって、模様付固形化粧料は、異なる色の下層用化粧料および上層用化粧料の間に立体形状の模様を浮かせたようなデザインとする場合と比較して、立体形状の模様を更に浮かせたようなデザインとすることができる。
本発明では、模様配置ステップは、所定の立体形状を有する第1の積層用化粧料を配置する第1の配置ステップと、所定の立体形状を有し、第1の積層用化粧料と同一色の第2の積層用化粧料を配置する第2の配置ステップとを備え、第2の配置ステップは、第1の積層用化粧料に対して第2の積層用化粧料の少なくとも一部を所定の方向に沿って積層させるように第2の積層用化粧料を配置することによって、立体形状の模様を形成することを特徴とする。
ここで、所定の立体形状を有する化粧料とは、例えば、粒状の化粧料や、太さを有する線状の化粧料や、粒状の化粧料を集合させることによって形成された立体形状の化粧料などを言うものとする。
本発明によれば、第2の配置ステップは、第1の積層用化粧料に対して第2の積層用化粧料の少なくとも一部を所定の方向に沿って積層させるように第2の積層用化粧料を配置することによって、立体形状の模様を形成する。したがって、模様付固形化粧料は、化粧料の内部に平面形状の模様を付す場合と比較して、バリエーションに富んだ美しい立体形状の模様を有することができる。
本発明では、第2の配置ステップは、第1の積層用化粧料に対して第2の積層用化粧料の全部を所定の方向に沿って積層させるように第2の積層用化粧料を配置することによって、立体形状の模様を形成することが好ましい。
このような構成によれば、第2の配置ステップは、第1の積層用化粧料に対して第2の積層用化粧料の全部を所定の方向に沿って積層させるように第2の積層用化粧料を配置することによって、立体形状の模様を形成するので、例えば、第2の積層用化粧料を第1の積層用化粧料の立体形状を縮小した相似する立体形状とすれば、模様付固形化粧料は、所定の方向に沿って徐々に小さくなるような立体形状の模様を有することができる。したがって、模様付固形化粧料は、化粧料の内部に平面形状の模様を付す場合と比較して、バリエーションに富んだ美しい立体形状の模様を有することができる。
本発明では、第2の配置ステップは、第1の積層用化粧料と同一の立体形状を有する第2の積層用化粧料を配置することが好ましい。
このような構成によれば、第2の配置ステップは、第1の積層用化粧料と同一の立体形状を有する第2の積層用化粧料を配置するので、模様付固形化粧料は、所定の方向に沿って高さ(厚み)のある立体形状の模様を有することができる。したがって、模様付固形化粧料は、化粧料の内部に平面形状の模様を付す場合と比較して、バリエーションに富んだ美しい立体形状の模様を有することができる。
本発明では、第1の配置ステップを実行した後、第1の積層用化粧料と隣接するように第2の積層用化粧料の台座となる台座用化粧料を配置する台座配置ステップを備え、第2の配置ステップは、第1の積層用化粧料および台座用化粧料に対して第2の積層用化粧料の少なくとも一部を所定の方向に沿って積層させるように第2の積層用化粧料を配置することによって、立体形状の模様を形成することが好ましい。
このような構成によれば、台座配置ステップは、第1の配置ステップを実行した後、第1の積層用化粧料と隣接するように第2の積層用化粧料の台座となる台座用化粧料を配置し、第2の配置ステップは、第1の積層用化粧料および台座用化粧料に対して第2の積層用化粧料の少なくとも一部を所定の方向に沿って積層させるように第2の積層用化粧料を配置する。これによれば、第2の積層用化粧料は、第1の積層用化粧料および台座用化粧料にて支持することができるので、模様付固形化粧料は、例えば、所定の方向に沿って第1の積層用化粧料を見た場合の形状を所定の方向と直交する方向に沿って徐々にずらしていくような立体形状の模様や、所定の方向に沿って徐々に拡縮または回転させていくような立体形状の模様を有することができる。したがって、模様付固形化粧料は、化粧料の内部に平面形状の模様を付す場合と比較して、バリエーションに富んだ美しい立体形状の模様を有することができる。
本発明の第1実施形態に係る模様付固形化粧料を示す上面図および断面図 模様付固形化粧料の製造装置の外観を示す斜視図 ノズルの近傍を拡大した斜視図 模様付固形化粧料の製造工程を示す図 本発明の第2実施形態に係る模様付固形化粧料を示す上面図および断面図 模様付固形化粧料の製造工程を示す図 本発明の第3実施形態に係る模様付固形化粧料を示す上面図および断面図 模様付固形化粧料の製造工程を示す図 本発明の第4実施形態に係る模様付固形化粧料を示す上面図および断面図 模様付固形化粧料の製造工程を示す図 模様付固形化粧料の製造工程を示す図
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る模様付固形化粧料を示す上面図および断面図である。具体的には、図1(A)は、模様付固形化粧料1の上面図であり、図1(B)は、図1(A)の紙面左上から紙面右下にかけて模様付固形化粧料1の中央を切断したA−A断面図である。
模様付固形化粧料1は、図1に示すように、略正方形状の底面と、この底面の四辺から起立する4つの壁面とを有する容器としての化粧皿10の内部に収容されている。この模様付固形化粧料1は、化粧皿10の内部に配置された立体形状の模様2と、模様2の下層に位置する透明色の下層用化粧料11と、模様2の上層に位置する透明色の上層用化粧料12とを備えている。模様2、下層用化粧料11、および上層用化粧料12は、油性成分を配合してなる油性化粧料である。また、模様2の色と、下層用化粧料11および上層用化粧料12の色とは異なっている。
なお、本実施形態では、模様2は、油性化粧料としているが、粉末化粧料などの他の化粧料であってもよい。
また、本実施形態では、下層用化粧料11および上層用化粧料12は、透明色の化粧料としているが、半透明色の化粧料であってもよい。ここで、半透明色の化粧料とは、透光性を有し、自己の化粧料を介して他の化粧料を見ることができる化粧料を言うものとする。
ここで、異なる色の化粧料とは、人間の視覚に基づいて、両者の違いを区別できる化粧料を言うものとし、明度、彩度、および色相の異なる化粧料はもとより、パール等を加えたものと、そうでないものといったように同一色であっても光沢感の異なる化粧料などを含むものとする。
なお、本実施形態では、下層用化粧料11および上層用化粧料12は、同一色(透明色)の化粧料であるが、異なる色の化粧料であってもよい。
模様2は、第1の積層用化粧料21と、第1の積層用化粧料21と同一色の第2の積層用化粧料22を備えている。
第1の積層用化粧料21は、帯状の立体形状を有し、図1(A)の紙面左上から紙面右下にかけて延在するように配置されている。
第2の積層用化粧料22は、帯状の立体形状を有し、図1(A)の紙面右上から紙面左下にかけて延在するように配置されている。
このように、第1の積層用化粧料21および第2の積層用化粧料22は、所定の立体形状を有している。
なお、本実施形態では、第1の積層用化粧料21および第2の積層用化粧料22は、帯状の立体形状を有しているが、これ以外の立体形状であってもよい。要するに、第1の積層用化粧料および第2の積層用化粧料は、所定の立体形状を有していればよい。
また、第1の積層用化粧料21および第2の積層用化粧料22は、第1の積層用化粧料21の中央部に対して第2の積層用化粧料22の中央部を化粧皿10の高さ方向に沿って積層させた交差部23を備えている。
このように、模様付固形化粧料1は、第1の積層用化粧料21に対して第2の積層用化粧料22の少なくとも一部を化粧皿10の高さ方向(所定の方向)に沿って積層させることによって、立体形状の模様2を形成している。
以下、模様付固形化粧料1の製造方法を説明する。なお、この模様付固形化粧料1の製造方法は、全ての工程を製造装置にて実施してもよく、各工程に作業者の手作業を介在させて実施してもよいが、本実施形態では、製造装置および手作業にて実施する例を説明する。
図2は、模様付固形化粧料の製造装置の外観を示す斜視図である。なお、図2では、鉛直上方向を+Z軸方向とし、このZ軸と直交する2軸をX,Y軸として説明する。以下の図面においても同様である。
模様付固形化粧料の製造装置3は、図2に示すように、水平面上に載置された矩形板状のベース31と、ベース31の−X軸方向側に設けられたロボットアーム32とを備えている。
ベース31は、下層用化粧料11を充填した化粧皿10を上面に載置する。
ロボットアーム32は、円盤状の台座321と、台座321の上面に載置されるとともに、Z軸回りに回転自在に設けられた回転体322と、回転体322の回転軸と直交する軸を回動軸として回動するように回転体322に支持された第1リンク323、第2リンク324、および第3リンク325とを備えている。
第1リンク323は、回転体322の回転軸と直交する軸を回動軸として回動するように回転体322に一端を支持されている。
第2リンク324は、第1リンク323の回動軸と平行な軸を回動軸として回動するように第1リンク323の他端に一端を支持されている。
第3リンク325は、第1リンク323の回動軸および第2リンク324と平行な軸を回動軸として回動するように第2リンク324の他端に一端を支持されている。
また、第3リンク325は、流動性を有する模様形成用化粧料C(図3参照)を粒状にして飛ばすノズル4を備え、このノズル4は、第3リンク325の他端に取り付けられている。
ここで、模様形成用化粧料Cは、油性成分を含有する化粧料(油性化粧料)である。具体的には、模様形成用化粧料Cは、キャンデリラロウ等の固体脂や、炭化水素等の液状油等に対して必要に応じて顔料等を配合したものである。この模様形成用化粧料Cは、皮膚に対する親和性が良く、例えば、グロス、口紅、アイシャドウ、アイライナー、および油性ファンデーション等のメイクアップ化粧料に用いられている。また、その剤形は、固形、液状、ペースト状、および乳液状等の種々のものがある。本実施形態では、模様形成用化粧料Cは、常温では形状を保持できる程度の固形性を保っているが、70度以上(より好ましくは75度以上)に加熱することによって溶融して流動性を生じるものを採用している。
なお、本実施形態では、模様形成用化粧料Cは、油性成分を含有する化粧料を採用しているが、流動性を有する化粧料であれば、油性成分を含有していなくてもよい。
図3は、ノズルの近傍を拡大した斜視図である。
ノズル4は、図3に示すように、流動性を有する模様形成用化粧料Cを粒状にして飛ばす円筒状のノズル本体41と、ノズル本体41の基端側に設けられた略半円柱状の液室42とを備えている。
液室42は、その内部に挿入されるとともに、X軸方向に沿って進退自在に設けられたプランジャ(図示略)を有し、このプランジャを進退させることによって、液室42の内部に収容された流動性を有する模様形成用化粧料Cを粒状にしてノズル本体41を介して飛ばすことができるようになっている。
また、ノズル4は、液室42の側面にチューブ431を介して接続されたタンク43(図2参照)を備えている。
タンク43は、流動性を有する模様形成用化粧料Cを内部に収容し、チューブTを介してコンプレッサ(図示略)に接続されている。
このコンプレッサは、チューブTを介してタンク43の内部に収容された流動性を有する模様形成用化粧料Cを加圧する。これによって、タンク43の内部に収容された模様形成用化粧料Cは、チューブ431を介して液室42の内部に供給されていくことになる。
なお、模様形成用化粧料Cは、前述したように、70度以上(より好ましくは75度以上)に加熱することによって溶融して流動性を生じる油性化粧料である。
以下、模様付固形化粧料の製造装置3を使用して模様付固形化粧料1を製造する方法を説明する。
図4は、模様付固形化粧料の製造工程を示す図である。具体的には、図4は、化粧皿10を斜め上方側から見た斜視図であり、模様付固形化粧料の製造装置3は、ノズル本体41以外の機械要素の図示を省略している。
模様付固形化粧料の製造装置3を使用する前に、作業者は、図4(A)に示すように、ノズル5を介して所定の量の下層用化粧料11を化粧皿10の内部に充填する(下層充填ステップ)。
なお、本実施形態では、模様付固形化粧料の製造方法は、作業者の手作業によって下層用化粧料11を化粧皿10に充填しているが、模様付固形化粧料の製造装置3のロボットアーム32にノズル5を取り付けることによって下層用化粧料11を化粧皿10に充填してもよい。
ここで、下層用化粧料11は、油性成分を含有する化粧料(油性化粧料)である。本実施形態では、下層用化粧料11は、模様形成用化粧料Cと同様に、常温では形状を保持できる程度の固形性を保っているが、70度以上(より好ましくは75度以上)に加熱することによって溶融して流動性を生じるものを採用している。
そして、作業者は、化粧皿10に充填した下層用化粧料11を冷却して固化させた後、ベース31の上面に化粧皿10を載置して模様付固形化粧料の製造装置3にセットする(図2参照)。
模様付固形化粧料の製造装置3は、図4(B)に示すように、下層用化粧料11の表面に倣って(下層用化粧料11の表面と、ノズル本体41の先端との距離を一定に保つように)ノズル本体41を移動させるとともに、流動性を有する模様形成用化粧料Cを粒状にしてノズル本体41を介して飛ばすことによって、下層用化粧料11の表面に付着させて第1の積層用化粧料21を配置する(第1の配置ステップ)。具体的には、模様付固形化粧料の製造装置3は、ロボットアーム32を駆動することによって、第1の積層用化粧料21の一端(紙面左端)の上方(吐出開始位置)にノズル本体41を移動させた後、模様形成用化粧料Cの吐出を開始する。そして、模様付固形化粧料の製造装置3は、ロボットアーム32を駆動することによって、第1の積層用化粧料21の他端(紙面右端)の上方にノズル本体41を移動させた後(図中矢印参照)、模様形成用化粧料Cの吐出を停止する。
また、模様付固形化粧料の製造装置3は、図4(C)に示すように、下層用化粧料11の表面に倣って(下層用化粧料11の表面と、ノズル本体41の先端との距離を一定に保つように)ノズル本体41を移動させるとともに、流動性を有する模様形成用化粧料Cを粒状にしてノズル本体41を介して飛ばすことによって、下層用化粧料11の表面に付着させて第2の積層用化粧料22を配置する(第2の配置ステップ)。具体的には、模様付固形化粧料の製造装置3は、ロボットアーム32を駆動することによって、第2の積層用化粧料22の一端(紙面右端)の上方(吐出開始位置)にノズル本体41を移動させた後、模様形成用化粧料Cの吐出を開始する。そして、模様付固形化粧料の製造装置3は、ロボットアーム32を駆動することによって、第2の積層用化粧料22の他端(紙面左端)の上方にノズル本体41を移動させた後(図中矢印参照)、模様形成用化粧料Cの吐出を停止する。
このように、本実施形態では、第1の配置ステップおよび第2の配置ステップは、化粧皿10の内部に模様2を配置する模様配置ステップとして機能し、この模様配置ステップは、下層用化粧料11の表面に模様を配置している。
また、本実施形態では、第2の配置ステップは、第1の積層用化粧料21に対して第2の積層用化粧料22の少なくとも一部(交差部23)を化粧皿10の高さ方向(所定の方向)に沿って積層させるように第2の積層用化粧料22を配置することによって、立体形状の模様2を形成している。
なお、本実施形態では、模様付固形化粧料の製造装置3は、下層用化粧料11の表面と、ノズル本体41の先端との距離を一定に保つようにノズル本体41を移動させているが、第1の積層用化粧料21および第2の積層用化粧料22を配置することができれば、必ずしも一定の距離を保つようにノズル本体41を移動させなくてもよい。
その後、模様付固形化粧料の製造装置3は、化粧皿10に配置した模様2を冷却して固化させる。
そして、作業者は、図4(D)に示すように、模様2の高さよりも高い位置までノズル5を介して所定の量の上層用化粧料12を化粧皿10の内部に充填し(上層充填ステップ)、この上層用化粧料12を冷却して固化させる。これによって、模様付固形化粧料1を製造することができる。
なお、本実施形態では、模様付固形化粧料の製造方法は、作業者の手作業によって上層用化粧料12を化粧皿10に充填しているが、模様付固形化粧料の製造装置3のロボットアーム32にノズル5を取り付けることによって上層用化粧料12を化粧皿10に充填してもよい。
このような本実施形態によれば、以下の作用・効果を奏することができる。
(1)模様付固形化粧料1の製造方法は、化粧皿10の内部に立体形状の模様2を配置する模様配置ステップと、透明色の油性化粧料からなる上層用化粧料12を模様2の高さよりも高い位置まで化粧皿10の内部に充填する上層充填ステップとを備えている。したがって、模様付固形化粧料1は、化粧料の内部に平面形状の模様を付す場合と比較して、バリエーションに富んだ美しい立体形状の模様2を有することができる。
(2)模様付固形化粧料1の製造方法は、透明色の油性化粧料からなる下層用化粧料11を化粧皿10の内部に充填する下層充填ステップを備え、模様配置ステップは、下層用化粧料11の表面に模様2を配置している。したがって、模様付固形化粧料1は、下層用化粧料11および上層用化粧料12の間に立体形状の模様を浮かせたようなデザインとなるので、化粧料の内部に平面形状の模様を付す場合と比較して、バリエーションに富んだ美しい立体形状の模様2を有することができる。
(3)下層用化粧料11および上層用化粧料12は、同一色の化粧料であるので、模様付固形化粧料1は、同一色の下層用化粧料11および上層用化粧料12の間に立体形状の模様2を浮かせたようなデザインとなる。したがって、模様付固形化粧料1は、異なる色の下層用化粧料および上層用化粧料の間に立体形状の模様を浮かせたようなデザインとする場合と比較して、立体形状の模様2を更に浮かせたようなデザインとすることができる。
(4)第2の配置ステップは、第1の積層用化粧料21に対して第2の積層用化粧料22の少なくとも一部を所定の方向に沿って積層させるように第2の積層用化粧料22を配置することによって、立体形状の模様2を形成する。したがって、模様付固形化粧料1は、化粧料の内部に平面形状の模様を付す場合と比較して、バリエーションに富んだ美しい立体形状の模様2を有することができる。
〔第2実施形態〕
以下、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下の説明では、既に説明した部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
図5は、本発明の第2実施形態に係る模様付固形化粧料を示す上面図および断面図である。具体的には、図5(A)は、模様付固形化粧料1Aの上面図であり、図5(B)は、図5(A)の紙面左右方向に模様付固形化粧料1Aの中央を切断したA−A断面図である。
模様付固形化粧料1Aは、図5に示すように、ハート形の空間(所定の空間)を内側に有する枠状に形成されるとともに、化粧皿10の内部に配置された立体形状の模様2Aと、模様2Aの下層に位置する透明色の下層用化粧料11と、模様2Aの上層に位置する透明色の上層用化粧料12とを備えている。模様2A、下層用化粧料11、および上層用化粧料12は、油性成分を配合してなる油性化粧料である。また、模様2Aの色と、下層用化粧料11および上層用化粧料12の色とは異なっている。
なお、本実施形態では、模様2Aは、油性化粧料としているが、粉末化粧料などの他の化粧料であってもよい。
図6は、模様付固形化粧料の製造工程を示す図である。具体的には、図6は、化粧皿10を斜め上方側から見た斜視図であり、模様付固形化粧料の製造装置3は、ノズル本体41以外の機械要素の図示を省略している。
模様付固形化粧料の製造装置3を使用する前に、作業者は、図6(A)および図6(B)に示すように、ノズル5を介して所定の量の下層用化粧料11を化粧皿10の内部に充填する(下層充填ステップ)。
なお、本実施形態では、模様付固形化粧料の製造方法は、作業者の手作業によって下層用化粧料11を化粧皿10に充填しているが、模様付固形化粧料の製造装置3のロボットアーム32にノズル5を取り付けることによって下層用化粧料11を化粧皿10に充填してもよい。
そして、作業者は、化粧皿10に充填した下層用化粧料11を冷却して固化させた後、ベース31の上面に化粧皿10を載置して模様付固形化粧料の製造装置3にセットする(図2参照)。
模様付固形化粧料の製造装置3は、図6(C)に示すように、化粧皿10の底面に倣って(下層用化粧料11の表面と、ノズル本体41の先端との距離を一定に保つように)ノズル本体41を移動させるとともに、流動性を有する模様形成用化粧料Cを粒状にしてノズル本体41を介して飛ばすことによって、下層用化粧料11の表面に付着させて模様2Aを配置する(模様配置ステップ)。具体的には、模様付固形化粧料の製造装置3は、ロボットアーム32を駆動することによって、化粧皿10の底面の上方(吐出開始位置)にノズル本体41を移動させた後、模様形成用化粧料Cの吐出を開始する。そして、模様付固形化粧料の製造装置3は、ロボットアーム32を駆動することによって、ハート形の空間を内側に有する枠状の立体形状を描くようにノズル本体41を移動させた後、模様形成用化粧料Cの吐出を停止する。
このように、模様配置ステップは、下層用化粧料11の表面に模様を配置することによって、化粧皿10の内部に模様2Aを配置する。
なお、本実施形態では、模様付固形化粧料の製造装置3は、下層用化粧料11の表面と、ノズル本体41の先端との距離を一定に保つようにノズル本体41を移動させているが、模様2Aを配置することができれば、必ずしも一定の距離を保つようにノズル本体41を移動させなくてもよい。
化粧皿10に配置した模様2Aを冷却して固化させた後、作業者は、図6(D)に示すように、模様2Aの高さよりも高い位置までノズル5を介して所定の量の上層用化粧料12を化粧皿10の内部に充填し(上層充填ステップ)、この上層用化粧料12を冷却して固化させる。これによって、模様付固形化粧料1Aを製造することができる。
なお、本実施形態では、模様付固形化粧料の製造方法は、作業者の手作業によって上層用化粧料12を化粧皿10に充填しているが、模様付固形化粧料の製造装置3のロボットアーム32にノズル5を取り付けることによって上層用化粧料12を化粧皿10に充填してもよい。
このような本実施形態によれば、前記第1実施形態における(1)〜(3)と同様の作用効果を奏することができる。
〔第3実施形態〕
以下、本発明の第3実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下の説明では、既に説明した部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
図7は、本発明の第3実施形態に係る模様付固形化粧料を示す上面図および断面図である。具体的には、図7(A)は、模様付固形化粧料1Bの上面図であり、図7(B)は、図7(A)の紙面左右方向に模様付固形化粧料1Bの中央を切断したA−A断面図である。
模様付固形化粧料1Bは、図7に示すように、ハート形の空間(所定の空間)を内側に有する枠状に形成されるとともに、化粧皿10の内部に配置された立体形状の模様2Bと、模様2Bの上層に位置する透明色の上層用化粧料12とを備えている。模様2Bおよび上層用化粧料12は、油性成分を配合してなる油性化粧料である。また、模様2Bの色と、上層用化粧料12の色とは異なっている。
なお、本実施形態では、模様2Bは、油性化粧料としているが、粉末化粧料などの他の化粧料であってもよい。
図8は、模様付固形化粧料の製造工程を示す図である。具体的には、図8は、化粧皿10を斜め上方側から見た斜視図であり、模様付固形化粧料の製造装置3は、ノズル本体41以外の機械要素の図示を省略している。
模様付固形化粧料の製造装置3は、図8(A)に示すように、化粧皿10の底面に倣って(化粧皿10の底面と、ノズル本体41の先端との距離を一定に保つように)ノズル本体41を移動させるとともに、流動性を有する模様形成用化粧料Cを粒状にしてノズル本体41を介して飛ばすことによって、化粧皿10の底面に付着させて第1の積層用化粧料21Bを配置する(第1の配置ステップ)。具体的には、模様付固形化粧料の製造装置3は、ロボットアーム32を駆動することによって、化粧皿10の底面の上方(吐出開始位置)にノズル本体41を移動させた後、模様形成用化粧料Cの吐出を開始する。そして、模様付固形化粧料の製造装置3は、ロボットアーム32を駆動することによって、ハート形の空間を内側に有する枠状の立体形状を描くようにノズル本体41を移動させた後、模様形成用化粧料Cの吐出を停止する。
また、模様付固形化粧料の製造装置3は、図8(B)に示すように、化粧皿10の底面に倣って(化粧皿10の底面と、ノズル本体41の先端との距離を一定に保つように)ノズル本体41を移動させるとともに、流動性を有する模様形成用化粧料Cを粒状にしてノズル本体41を介して飛ばすことによって、第1の積層用化粧料21Bの表面に付着させて第2の積層用化粧料22Bを配置する(第2の配置ステップ)。具体的には、模様付固形化粧料の製造装置3は、ロボットアーム32を駆動することによって、第1の積層用化粧料21Bの表面の上方(吐出開始位置)にノズル本体41を移動させた後、模様形成用化粧料Cの吐出を開始する。そして、模様付固形化粧料の製造装置3は、ロボットアーム32を駆動することによって、ハート形の空間を内側に有する枠状の立体形状を描くようにノズル本体41を移動させた後、模様形成用化粧料Cの吐出を停止する。
このように、本実施形態では、第1の配置ステップおよび第2の配置ステップは、化粧皿10の内部に模様2Bを配置する模様配置ステップとして機能している。
また、本実施形態では、第2の配置ステップは、第1の積層用化粧料21Bに対して第2の積層用化粧料22Bの全部を所定の方向に沿って積層させるように第2の積層用化粧料22Bを配置することによって、立体形状の模様2Bを形成している。
なお、本実施形態では、模様付固形化粧料の製造装置3は、化粧皿10の底面と、ノズル本体41の先端との距離を一定に保つようにノズル本体41を移動させているが、第1の積層用化粧料21Bおよび第2の積層用化粧料22Bを配置することができれば、必ずしも一定の距離を保つようにノズル本体41を移動させなくてもよい。
また、第2の配置ステップは、第1の積層用化粧料21Bと同一の立体形状を有する第2の積層用化粧料22Bを配置している。
なお、本実施形態では、第2の配置ステップは、第1の積層用化粧料21Bと同一の立体形状を有する第2の積層用化粧料22Bを配置しなくてもよく、例えば、第2の積層用化粧料を第1の積層用化粧料の立体形状を縮小した相似する立体形状としてもよい。要するに、第2の配置ステップは、第1の積層用化粧料に対して第2の積層用化粧料の全部を所定の方向に沿って積層させるように第2の積層用化粧料を配置することによって、立体形状の模様を形成すればよい。
化粧皿10に配置した模様2Bを冷却して固化させた後、作業者は、図8(C)および図8(D)に示すように、模様2Bの高さよりも高い位置までノズル5を介して所定の量の上層用化粧料12を化粧皿10の内部に充填し(上層充填ステップ)、この上層用化粧料12を冷却して固化させる。これによって、模様付固形化粧料1Bを製造することができる。
なお、本実施形態では、模様付固形化粧料の製造方法は、作業者の手作業によって上層用化粧料12を化粧皿10に充填しているが、模様付固形化粧料の製造装置3のロボットアーム32にノズル5を取り付けることによって上層用化粧料12を化粧皿10に充填してもよい。
このような本実施形態によれば、前記第1実施形態における(1),(3),(4)と同様の作用効果を奏することができる他、以下の作用・効果を奏することができる。
(5)第2の配置ステップは、第1の積層用化粧料21Bに対して第2の積層用化粧料22Bの全部を所定の方向に沿って積層させるように第2の積層用化粧料22Bを配置することによって、立体形状の模様2Bを形成するので、模様付固形化粧料1Bは、化粧料の内部に平面形状の模様を付す場合と比較して、バリエーションに富んだ美しい立体形状の模様2Bを有することができる。
(6)第2の配置ステップは、第1の積層用化粧料21Bと同一の立体形状を有する第2の積層用化粧料22Bを配置するので、模様付固形化粧料1Bは、所定の方向に沿って高さ(厚み)のある立体形状の模様2Bを有することができる。したがって、模様付固形化粧料1Bは、化粧料の内部に平面形状の模様を付す場合と比較して、バリエーションに富んだ美しい立体形状の模様2Bを有することができる。
〔第4実施形態〕
以下、本発明の第4実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下の説明では、既に説明した部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
図9は、本発明の第4実施形態に係る模様付固形化粧料を示す上面図および断面図である。具体的には、図9(A)は、模様付固形化粧料1Cの上面図であり、図9(B)は、図9(A)の紙面左右方向に模様付固形化粧料1Cの中央を切断したA−A断面図である。
模様付固形化粧料1Cは、図9に示すように、2つの正方形を中心回りに45度だけ回転させて組み合わせた空間(所定の空間)を内側に有する枠状に形成されるとともに、化粧皿10の内部に配置された立体形状の模様2Cと、模様2Cの下層に位置する透明色の下層用化粧料11と、模様2Cの上層に位置する透明色の上層用化粧料12と、下層用化粧料11および上層用化粧料12の中間層に位置する透明色の中間層用化粧料13とを備えている。模様2C、下層用化粧料11、上層用化粧料12、および中間層用化粧料13は、油性成分を配合してなる油性化粧料である。また、模様2Cの色と、下層用化粧料11、上層用化粧料12、および中間層用化粧料13の色とは異なっている。
なお、本実施形態では、模様2Cは、油性化粧料としているが、粉末化粧料などの他の化粧料であってもよい。
また、本実施形態では、下層用化粧料11、上層用化粧料12、および中間層用化粧料13は、同一色(透明色)の化粧料であるが、異なる色の化粧料であってもよい。
模様2Cは、図9(B)に示すように、第1の積層用化粧料21Cと、第1の積層用化粧料21Cと同一色の第2の積層用化粧料22Cを備えている。
第1の積層用化粧料21Cは、正方形の空間を内側に有する枠状の立体形状を有し、化粧皿10の壁面に沿って配置されている。第2の積層用化粧料22Cは、第1の積層用化粧料21Cの正方形を中心回りに45度だけ回転させた正方形の空間を内側に有する枠状の立体形状を有している。換言すれば、第2の積層用化粧料22Cは、化粧皿10の高さ方向(所定の方向)に沿って第1の積層用化粧料21Cを見た場合の形状を回転させた形状を有している。
このように、第1の積層用化粧料21Cおよび第2の積層用化粧料22Cは、所定の立体形状を有している。
なお、本実施形態では、第1の積層用化粧料21Cおよび第2の積層用化粧料22Cは、正方形の空間を内側に有する枠状の立体形状を有しているが、これ以外の立体形状であってもよい。要するに、第1の積層用化粧料および第2の積層用化粧料は、所定の立体形状を有していればよい。
また、模様付固形化粧料1Cは、第1の積層用化粧料21Cに対して第2の積層用化粧料22Cを化粧皿10の高さ方向に沿って同心状に積層させることによって、立体形状の模様2Cを形成している。
このように、模様付固形化粧料1Cは、第1の積層用化粧料21Cに対して第2の積層用化粧料22Cの少なくとも一部を化粧皿10の高さ方向(所定の方向)に沿って積層させることによって、立体形状の模様2Cを形成している。
以下、模様付固形化粧料の製造装置3を使用して模様付固形化粧料1Cを製造する方法を説明する。
図10および図11は、模様付固形化粧料の製造工程を示す図である。具体的には、図10および図11は、化粧皿10を斜め上方側から見た斜視図であり、模様付固形化粧料の製造装置3は、ノズル本体41以外の機械要素の図示を省略している。
模様付固形化粧料の製造装置3を使用する前に、作業者は、図10(A)に示すように、ノズル5を介して所定の量の下層用化粧料11を化粧皿10の内部に充填する(下層充填ステップ)。
なお、本実施形態では、模様付固形化粧料の製造方法は、作業者の手作業によって下層用化粧料11を化粧皿10に充填しているが、模様付固形化粧料の製造装置3のロボットアーム32にノズル5を取り付けることによって下層用化粧料11を化粧皿10に充填してもよい。
そして、作業者は、化粧皿10に充填した下層用化粧料11を冷却して固化させた後、ベース31の上面に化粧皿10を載置して模様付固形化粧料の製造装置3にセットする(図2参照)。
模様付固形化粧料の製造装置3は、図10(B)に示すように、化粧皿10の底面に倣って(下層用化粧料11の表面と、ノズル本体41の先端との距離を一定に保つように)ノズル本体41を移動させるとともに、流動性を有する模様形成用化粧料Cを粒状にしてノズル本体41を介して飛ばすことによって、下層用化粧料11の表面に付着させて第1の積層用化粧料21Cを配置する(第1の配置ステップ)。具体的には、模様付固形化粧料の製造装置3は、ロボットアーム32を駆動することによって、化粧皿10の底面の上方(吐出開始位置)にノズル本体41を移動させた後、模様形成用化粧料Cの吐出を開始する。そして、模様付固形化粧料の製造装置3は、ロボットアーム32を駆動することによって、正方形の空間を内側に有する枠状の立体形状を描くようにノズル本体41を移動させた後、模様形成用化粧料Cの吐出を停止する。
模様付固形化粧料の製造装置3は、化粧皿10に配置した第1の積層用化粧料21Cを冷却して固化させた後、図10(C)に示すように、ノズル5を介して第1の積層用化粧料21Cにおける正方形の空間(所定の空間)に中間層用化粧料13を充填する(枠内充填ステップ)。また、模様付固形化粧料の製造装置3は、図10(D)に示すように、ノズル5を介して第1の積層用化粧料21Cの外側と、化粧皿10との間に形成された空間に中間層用化粧料13を充填する(枠外充填ステップ)。
ここで、模様付固形化粧料の製造装置3は、ノズル4に代えてロボットアーム32にノズル5を取り付けることによって中間層用化粧料13を充填する。
なお、本実施形態では、模様付固形化粧料の製造方法は、模様付固形化粧料の製造装置3のロボットアーム32にノズル5を取り付けることによって中間層用化粧料13を充填しているが、作業者の手作業によって中間層用化粧料13を充填してもよい。
また、模様付固形化粧料の製造装置3は、中間層用化粧料13を冷却して固化させた後、図11(E)に示すように、化粧皿10の底面に倣って(第1の積層用化粧料21Cの表面および中間層用化粧料13の表面と、ノズル本体41の先端との距離を一定に保つように)ノズル本体41を移動させるとともに、流動性を有する模様形成用化粧料Cを粒状にしてノズル本体41を介して飛ばすことによって、第1の積層用化粧料21Cおよび中間層用化粧料13の表面に付着させて第2の積層用化粧料22Cを配置する(第2の配置ステップ)。具体的には、模様付固形化粧料の製造装置3は、ロボットアーム32を駆動することによって、第1の積層用化粧料21Cおよび中間層用化粧料13の表面の上方(吐出開始位置)にノズル本体41を移動させた後、模様形成用化粧料Cの吐出を開始する。そして、模様付固形化粧料の製造装置3は、ロボットアーム32を駆動することによって、第1の積層用化粧料21Cの正方形を中心回りに45度だけ回転させた正方形の空間を内側に有する枠状の立体形状を描くようにノズル本体41を移動させた後、模様形成用化粧料Cの吐出を停止する。
このように、本実施形態では、第1の配置ステップおよび第2の配置ステップは、化粧皿10の内部に模様2Cを配置する模様配置ステップとして機能している。
また、本実施形態では、第2の配置ステップは、第1の積層用化粧料21Cに対して第2の積層用化粧料22Cの少なくとも一部を化粧皿10の高さ方向(所定の方向)に沿って積層させるように第2の積層用化粧料22Cを配置することによって、立体形状の模様2Cを形成している。
なお、本実施形態では、模様付固形化粧料の製造装置3は、下層用化粧料11の表面と、ノズル本体41の先端との距離を一定に保つようにノズル本体41を移動させているが、第1の積層用化粧料21Cを配置することができれば、必ずしも一定の距離を保つようにノズル本体41を移動させなくてもよい。
また、本実施形態では、模様付固形化粧料の製造装置3は、第1の積層用化粧料21Cの表面および中間層用化粧料13の表面と、ノズル本体41の先端との距離を一定に保つようにノズル本体41を移動させているが、第2の積層用化粧料22Cを配置することができれば、必ずしも一定の距離を保つようにノズル本体41を移動させなくてもよい。
ここで、本実施形態では、枠内充填ステップおよび枠外充填ステップにて充填した中間層用化粧料13は、第1の積層用化粧料21Cと隣接するように配置されている。そして、この中間層用化粧料13は、第2の積層用化粧料22Cの台座となる台座用化粧料として機能している。
このように、本実施形態では、枠内充填ステップおよび枠外充填ステップは、第1の配置ステップを実行した後、第1の積層用化粧料21Cと隣接するように第2の積層用化粧料22Cの台座となる台座用化粧料を配置する台座配置ステップとして機能する。
その後、模様付固形化粧料の製造装置3は、化粧皿10に配置した第2の積層用化粧料22Cを冷却して固化させる。
そして、作業者は、図11(F)に示すように、模様2Cの高さよりも高い位置までノズル5を介して所定の量の上層用化粧料12を化粧皿10の内部に充填し(上層充填ステップ)、この上層用化粧料12を冷却して固化させる。これによって、模様付固形化粧料1Cを製造することができる。
なお、本実施形態では、模様付固形化粧料の製造方法は、作業者の手作業によって上層用化粧料12を化粧皿10に充填しているが、模様付固形化粧料の製造装置3のロボットアーム32にノズル5を取り付けることによって上層用化粧料12を化粧皿10に充填してもよい。
このような本実施形態によれば、前記第1実施形態における(1)〜(4)と同様の作用効果を奏することができる他、以下の作用・効果を奏することができる。
(7)台座配置ステップは、第1の配置ステップを実行した後、第1の積層用化粧料21Cと隣接するように第2の積層用化粧料22Cの台座となる中間層用化粧料13を配置し、第2の配置ステップは、第1の積層用化粧料21Cおよび中間層用化粧料13に対して第2の積層用化粧料の少なくとも一部を所定の方向に沿って積層させるように第2の積層用化粧料を配置する。これによれば、第2の積層用化粧料22Cは、第1の積層用化粧料21Cおよび中間層用化粧料13にて支持することができるので、模様付固形化粧料1Cは、化粧料の内部に平面形状の模様を付す場合と比較して、バリエーションに富んだ美しい立体形状の模様2Cを有することができる。
〔実施形態の変形〕
なお、本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記第1実施形態、前記第3実施形態、および前記第4実施形態では、所定の立体形状を有する第1の積層用化粧料21,21B,21Cと、所定の立体形状を有し、第1の積層用化粧料21,21B,21Cと同一色の第2の積層用化粧料22,22B,22Cとを備えていた。換言すれば、前記第1実施形態、前記第3実施形態、および前記第4実施形態では、模様付固形化粧料1,1B,1Cは、2層の化粧料を積層させた立体形状の模様2,2B,2Cを備えていた。これに対して、模様付固形化粧料は、3層以上の化粧料を積層させた立体形状の模様を備えていてもよい。
また、前記第1実施形態、前記第3実施形態、および前記第4実施形態では、第1の積層用化粧料21,21B,21Cおよび第2の積層用化粧料22,22B,22Cは、化粧皿10の高さ方向に積層されていたが、どのような方向に積層されていてもよい。
以上のように、本発明は、立体形状の模様を有する模様付固形化粧料の製造方法に好適に利用できる。
1〜1C 模様付固形化粧料
2〜2C 模様
10 化粧皿(容器)
11 下層用化粧料
12 上層用化粧料
13 中間層用化粧料(台座用化粧料)
21,21B,21C 第1の積層用化粧料
22,22B,22C 第2の積層用化粧料

Claims (7)

  1. 立体形状の模様を有する模様付固形化粧料の製造方法であって、
    底面と、前記底面から起立する壁面とを有する容器の内部に前記模様を配置する模様配置ステップと、
    前記模様の上層に位置し、透明色または半透明色の油性化粧料からなる上層用化粧料を前記模様の高さよりも高い位置まで前記容器の内部に充填する上層充填ステップとを備えることを特徴とする模様付固形化粧料の製造方法。
  2. 請求項1に記載された模様付固形化粧料の製造方法において、
    前記模様の下層に位置し、透明色または半透明色の油性化粧料からなる下層用化粧料を前記容器の内部に充填する下層充填ステップを備え、
    前記模様配置ステップは、前記下層用化粧料の表面に前記模様を配置することを特徴とする模様付固形化粧料の製造方法。
  3. 請求項2に記載された模様付固形化粧料の製造方法において、
    前記下層用化粧料および前記上層用化粧料は、同一色の化粧料であることを特徴とする模様付固形化粧料の製造方法。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載された模様付固形化粧料の製造方法において、
    前記模様配置ステップは、
    所定の立体形状を有する第1の積層用化粧料を配置する第1の配置ステップと、
    所定の立体形状を有し、前記第1の積層用化粧料と同一色の第2の積層用化粧料を配置する第2の配置ステップとを備え、
    前記第2の配置ステップは、前記第1の積層用化粧料に対して前記第2の積層用化粧料の少なくとも一部を所定の方向に沿って積層させるように前記第2の積層用化粧料を配置することによって、立体形状の模様を形成することを特徴とする模様付固形化粧料の製造方法。
  5. 請求項4に記載された模様付固形化粧料の製造方法において、
    前記第2の配置ステップは、前記第1の積層用化粧料に対して前記第2の積層用化粧料の全部を所定の方向に沿って積層させるように前記第2の積層用化粧料を配置することによって、立体形状の模様を形成することを特徴とする模様付固形化粧料の製造方法。
  6. 請求項5に記載された模様付固形化粧料の製造方法において、
    前記第2の配置ステップは、前記第1の積層用化粧料と同一の立体形状を有する前記第2の積層用化粧料を配置することを特徴とする模様付固形化粧料の製造方法。
  7. 請求項4に記載された模様付固形化粧料の製造方法において、
    前記第1の配置ステップを実行した後、前記第1の積層用化粧料と隣接するように前記第2の積層用化粧料の台座となる台座用化粧料を配置する台座配置ステップを備え、
    前記第2の配置ステップは、前記第1の積層用化粧料および前記台座用化粧料に対して前記第2の積層用化粧料の少なくとも一部を所定の方向に沿って積層させるように前記第2の積層用化粧料を配置することによって、立体形状の模様を形成することを特徴とする模様付固形化粧料の製造方法。
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