JP2019037670A - 起立補助装置及びそれを取り付けた車椅子 - Google Patents

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Abstract

【課題】使用者が座部から滑り落ちることなく安全に起立動作及び着座動作を支援することができる起立補助装置及びそれを取り付けた車椅子を提供する。【解決手段】起立補助装置10は、座面フレーム14上に係合部34、48を介して着脱自在に載置される本体フレーム16と、本体フレーム16上に設けられ、前座部60と後座部62とが蝶番22で連結され、前座部60の前端部が本体フレーム16の前端部に上下回動自在に支持された座部18と、後座部62の下面中央に回動力を付与して座部18を上下回動させることにより、座部18を着座位置と立ち上がり位置との間で移動させる座部移動機構20と、座部18が逆反りするのを防止する逆反り防止部材24と、座部18を着座位置から立ち上がり位置に回動させたときに、後座部62の前傾角度を調整する後座部前傾調整手段26と、を備えた。【選択図】図1

Description

本発明は、起立補助装置及びそれを取り付けた車椅子に係り、特に車椅子を使用する使用者の車椅子への着座動作及び起立動作を安全に支援するための起立補助装置及びそれを取り付けた車椅子に関する。
高齢者や身体障害者等は、車椅子から起立又は着座する際の中腰の姿勢を脚力により支えることができない場合、介護者の補助により自分の体重を支えて貰いながら、起立または着座する必要がある。
このような高齢者や身体障害者等を補助するために、例えば、特許文献1では、使用者の起立及び着座を支援するためのシートを有する折り畳み式車椅子が提案されている。特許文献1においては、シートは、シートへの荷重が弾性部材の付勢力より大きい状態において略水平な着座形態となり、シートへの荷重が弾性部材の付勢力より小さい状態において弾性部材の付勢力により右後座部及び左後座部が持ち上げられると共に右前座部及び左前座部が前傾した立ちあがり形態となるようになっている。
また、特許文献2では、折り畳み式車椅子両側の肘掛け部及び座底部に布等を被せ、その布等の座底部の両側にフレーム部を取り付け、車椅子の背部に取り付けられた駆動部で紐等のロープを緊緩して、フレーム部を上昇、降下する折り畳み式車椅子用起立補助装置が提案されている。
特許第4612117号 特開2008−237470号公報
しかしながら、特許文献1に記載の折り畳み式車椅子においては、使用者の起立及び着座動作を安全に支援することはできるものの、当該シートを取り付けるための専用の車椅子が必要とされる。
一方、特許文献2に記載の折り畳み式車椅子用起立補助装置では、汎用の車椅子に取り付けは可能であるが、構造上、座部全体が前傾して上昇する。したがって、使用者の身体が滑り台のように座部の表面を滑り落ちたり、前方に投げ出されてしまったりする可能性があり、起立補助装置として十分なものとはいえなかった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、車椅子の座シートを取り外した座面フレーム上に簡単に着脱でき、しかも使用者が座部から滑り落ちることなく安全に起立動作及び着座動作を支援することができる起立補助装置及びそれを取り付けた車椅子を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の起立補助装置は、車椅子の座シートを取り外した座面フレーム上に着脱自在に取り付ける起立補助装置であって、座面フレーム上に着脱自在に載置され、平行に配置された前側フレームと後側フレームとを連結フレームで連結した本体フレームと、本体フレーム上に設けられ、前側フレーム側に配置された前座部と後側フレーム側に配置された後座部とを有し、前座部と後座部とが蝶番で連結されると共に前座部の前端部が本体フレームの前端部に上下回動自在に支持された座部と、連結フレームに一端が回動自在に接続されるとともに後座部の下面中央に他端が回動自在に接続され、後座部の下面中央に回動力を付与して座部を上下回動させることにより、座部を本体フレームに対して平行な着座位置と本体フレームに対して前傾した立ち上がり位置との間で移動させる座部移動機構と、前座部と後座部との間に懸架され、座部が蝶番の位置で下向きに逆反りするのを防止する逆反り防止部材と、連結フレームに一端が回動自在に支持されるとともに後座部の下面中央よりも後端側に他端が回動自在に支持され、座部を着座位置から立ち上がり位置に回動させたときに、後座部の後端側に座部の上向きの回動力に抗する抵抗力を付与する後座部前傾調整手段と、を備えた。
本発明によれば、車椅子の座面フレームに載置する本体フレーム上に、前座部と後座部とが蝶番で連結された座部を設け、座部の前端部が本体フレームの前端部に上下回動自在に支持されるようにした。そして、座部移動機構の一端を本体フレームの構成要素である連結フレームに回動自在に接続し、他端を後座部の下面中央に回動自在に接続し、後座部の下面中央に回動力を付与して座部を上下回動させるようにした。
上記構成によれば、起立補助装置は、車椅子の座面フレーム上に載置する本体フレーム(連結フレームを含む)の上に座部、座部移動機構、逆反り防止部材、後座部前傾調整手段の全ての駆動機構が搭載されている。
このように、本発明の起立補助装置は、全ての駆動機構が車椅子から完全に独立した装置として構成され、且つ車椅子の座面フレームに起立補助装置の本体フレームを載置させるだけで取り付けることができるように構成されている。これにより、起立補助装置を取り付ける専用の車椅子を必要としないので、各種の車椅子に簡単に取り付けて利用することができる。
また、座部移動機構の回動力は後座部の下面中央にかかるようにした。これにより、着座した使用者の臀部中央部分(着座した使用者の重心位置)にかかるので、座部の他の箇所に回動力を付与する場合に比べて、より安定して後座部を持ち上げて座部を着座位置と立ち上がり位置との間で移動させることができる。また、座部を前座部と後座部とを蝶番でヒンジ連結した構成であっても、使用者の違和感を軽減することができる。
さらに、座部の他の箇所に回動力を付与する場合に比べて、座部自体に必要とされる剛性を小さくすることができるので、座部ひいては起立補助装置を軽量化することができる。これにより、起立補助装置の持ち運びも容易になる。
また、座部が蝶番の位置で下向きに逆反りするのを防止する逆反り防止部材を設けたので、使用者が座部に座っているとき、あるいは座部に座るときや座部から降りるときに、蝶番位置に使用者の重さが加わっても座部が逆反りすることがない。したがって、使用者の安全な起立動作及び着座動作を支援することができる。
逆反り防止部材としては、例えば蝶番の真下で且つ前座部と後座部との間に棒状部材を懸架する構成を採用することができる。ここで、前座部と後座部との間に棒状部材を懸架するとは、棒状部材の両端が前座部と後座部とに固定されていない自由端となっていることを意味する。これにより、逆反り防止部材は、座部が立ち上がり位置に移動する際に、座部が蝶番の位置で前傾するように折れる動作を邪魔することなく、座部が逆反りするのを防止できる。
また、後座部前傾調整手段を設け、座部を着座位置から立ち上がり位置に回動させたときに、後座部の後端側に座部の上向きの回動力に抗する抵抗力を付与するようにした。これにより、蝶番を回動中心として、後座部を座部の上向き方向とは逆の下向き方向に回動させるようにした。したがって、座部の立ち上がり位置において、前座部と後座部との前傾角度をそれぞれ異ならせることができる。具体的には、太腿の裏面が当たる前座部は使用者が立ち上がり易いように前傾角度が大きく、臀部が当たる後座部の前傾角度は前座部の前傾角度よりも小さく、使用者が座部から滑り落ち難くすることができる。これにより、使用者の安全な起立動作及び着座動作を支援することができる。
本発明の起立補助装置の別態様として、前側フレームと後側フレームとには、本体フレームの幅を調整するフレーム幅調整手段を有することが好ましい。
車椅子の座面幅は小型、中型、大型等により異なり、さらには外国の車椅子の座面幅は日本の車椅子の座面幅よりも大きい。しかし、上記構成のように、前側フレームと後側フレームとに、本体フレームの幅を調整するフレーム幅調整手段を設けることにより、座面幅の異なる車椅子にも簡単に且つ取り付けガタが発生しないように取り付けることができる。
本発明の起立補助装置の別態様として、前側フレームと後側フレームとには、車椅子の座面フレームに係合させる係合部材を有することが好ましい。
この係合部材により、起立補助装置の本体フレームを車椅子の座面フレームに係合させた状態で載置することができるので、一層取り付けガタが発生しないように取り付けることができる。
本発明の起立補助装置の別態様として、後座部前傾調整手段は、連結フレームの前側フレーム側に寄った上面に固定された第1軸支部と、後座部の下面中央よりも後端部側に寄った下面に固定された第2軸支部と、第1軸支部に一端が軸支されるとともに第2軸支部に他端が軸支され、棒状に形成されたガイドロットと、で構成され、前座部、後座部、座部の上下回動中心から第1軸支部との間の連結フレーム部分、及びガイドロットを4つの節とした4節リンク構造を形成するように構成することが好ましい。
これは、後座部前傾調整手段の好ましい具体例を示したものである。この4節リンク構造によって、座部を着座位置から立ち上がり位置に回動させたときに、後座部の後端側に座部の上向きの回動力に抗する抵抗力を付与するので、後座部の前傾角度が前座部の前傾角度よりも小さくなる。したがって、使用者の立ち上がり時に、使用者が座部から滑り落ちることがないので、安全に起立動作を支援することができる。
本発明の起立補助装置の別態様として、座部移動機構は、後座部の下面中央に一端が回動自在に接続された第1リンク、及び第1リンクの他端に一端が回動自在に接続されるとともに連結フレームに他端が接続された第2リンクを備えたリンク部材と、連結フレームにおける後端側の位置に一端が回動自在に接続されるとともに他端が本体フレームの下方に延びる保持部材と、保持部材の他端に一端が回動自在に接続されるとともにリンク部材に他端が回動自在に接続されたガススプリングと、ガススプリングによるリンク部材の移動を規制するロック機構とを備え、ロック機構を解除した状態において、座部はリンク部材を介したガススプリングの付勢力によって、着座位置から立ち上がり位置に移動可能であるように構成した。
本発明の態様によれば、座部はリンク部材を介したガススプリングの付勢力によって、本体フレームに対して平行な着座位置から本体フレームに対して前傾した立ち上がり位置まで移動する。このように、ガススプリングの付勢力で座部に上向きの回動力を付与し、使用者の荷重によって座部に下向きの回動力を付与する。
これにより、座部を着座位置から立ち上がり位置に移動させる駆動源としての電源等が不要であり、起立補助装置を軽量化することができる。したがって、起立補助装置の持ち運びが容易になる。
また、ガススプリングで後座部に回動力を直接付与する場合は、ガススプリングの設置位置を後座部の位置に合わせて決める必要がある。しかし、上記構成によれば、ガススプリングの付勢力の向きをリンク部材により変えることができるので、ガススプリングの設置位置に関する設計の自由度を高くすることができる。
例えば、車椅子の座面下の構造物を避けてガススプリングの位置を設計しなければならないケースは十分に考えられる。例えば、折り畳み式の車椅子に起立補助装置を取り付ける場合には、座面下に正面視X字状に交差したクロスリンクが配置されるので、ガススプリングは、このクロスリンクと干渉しないような位置になければならない。
したがって、ガススプリングの配置について設計の自由度が高いことは、起立補助装置の汎用性を高める上で重要である。
本発明の起立補助装置の別態様として、第1リンクの他端には、座部が立ち上がり位置から着座位置に移動する際に後座部に当接する突起部が設けられていることが好ましい。
座部は、例えば使用者が着座することにより荷重を受けて、立ち上がり位置から着座位置に移動する。このとき、ガススプリングは荷重により圧縮される。ガススプリングは、圧縮されるに伴い付勢力が増すので、リンク部材は座部が着座位置に移動するに従ってより強い付勢力を受けることになる。
しかし、上記態様のように、第1リンクの他端には、座部が荷重により立ち上がり位置から着座位置に移動する際に後座部に当接する突起部が設けられている。これにより、座部が着座位置に移動する際にリンク部材にかかる強い付勢力を、第1リンクの一端のみならず、第1リンクの他端の突起部を介して座部に伝達することができる。
即ち、座部が着座位置に移動する際にリンク部材にかかる強い付勢力を分散することができる。これにより、リンク部材に必要とされる剛性を小さくすることができるので、リンク部材ひいては起立補助装置を軽量化することができる。そのため持ち運びも容易になる。
本発明の起立補助装置の別態様として、ロック機構は、後側フレームに回動自在に設けられ、ガススプリングの付勢力によるリンク部材の移動を規制するフックを有し、フックは、座部が立ち上がり位置から着座位置に移動する際に回動してリンク部材に係合するように構成した。
これは、ロック機構の好ましい態様を示したものであり、上記構成によれば、例えば使用者の着座による荷重により、座部が立ち上がり位置から着座位置に移動する際に、フックがリンク部材に係合する。フックは、ガススプリングの付勢力によるリンク部材の移動を規制するものであるので、フックが係合している状態では、リンク部材の移動が規制され、座部が着座位置から立ち上がり位置へ移動することはない。言い換えると、フックは、座部の立ち上がり位置への移動に関し、ロック機構として機能する。
リンク部材と係合したフックは、例えば使用者が着座する等して後座部に荷重がかかった状態においては、そのまま回動させてリンク部材との係合を解除することができる。しかしながら、座部に荷重がかかっていない状態においては、リンク部材と係合したフックはガススプリングの付勢力を強く受けるので、回動させてリンク部材との係合を解除することは困難である。そのため、座部に荷重がかかっていない状態において、リンク部材とフックとの係合が予期せず解除されて座部が立ち上がり位置に移動してしまうことを防止できる。
また上記のとおり、フックはロック機構として機能するが、このロック機構には、安全性の観点からは、着座した使用者自身よりは、介助者がアクセスするほうがより好ましい。この点、上記構成によれば、フックは後側フレームに設けられており、使用者が着座した状態においては、使用者の背中側に位置するので、使用者は容易にはアクセスできない。そのため、使用者がロック機構を予期せずに外してしまうようなことを抑制できる。
本発明の起立補助装置の別態様として、保持部材は座部が着座位置にあるときにガススプリングとともに連結フレームに垂直な位置から平行な収容位置へ回動自在であることが好ましい。
保持部材の更なる好ましい態様として、保持部材の一端は、連結フレームの後方側の位置に回動自在に接続されており、保持部材は、座部が着座位置にあるときに、ガススプリングとともに、連結フレームに垂直な位置から平行な収容位置へ回動自在であることが一層好ましい。
上記構成によれば、座部が着座位置にある状態において、ガススプリングとともに保持部材を連結フレームに平行な位置に回動させることができる。これにより、起立補助装置をコンパクトに折り畳むことができるので、持ち運びがより容易になる。
本発明の起立補助装置の別態様として、保持部材の一端には、保持部材が収容位置へ回動する際にフックに当接してフックの回動を規制する回動規制部が設けられていることが好ましい。
保持部材が収容位置へ回動すると、ガススプリングも連結フレームに平行な位置に一緒に移動するが、これによりガススプリングの付勢力がリンク部材を介してフックにかからなくなる又は弱まってしまい、フックが自由に回動してフックによるロック機構が外れてしまう場合がある。
そこで、上記のように構成することで、保持部材の一端に設けられた回動規制部が、収容位置への回動とともにフックに当接しフックの回動を規制するようになっているので、このような事態を防止できる。
本発明の起立補助装置の別態様として、保持部材の一端は、連結フレームの前方側の位置に固定して接続されていることが好ましい。
これは保持部材の変形例の一例を示したものである。
保持部材の一端が連結フレームに固定され、他端が連結フレームの下方に延びてガススプリングに接続する。ガススプリングは、上記の如く後座部の下面中央に接続する必要がある。
しかし、上記構成の保持部材によれば、保持部材は連結フレームの前方側の位置に固定されているので、保持部材の長さ(一端から他端までの距離)を、保持部材が連結フレームの後方側の位置に固定されている場合に比べて短くすることができる。
また、保持部材は固定されているので、保持部材が可動である場合に比べて、起立補助装置の構成を簡単にすることができ、取り扱いがより容易になる。
上記保持部材の更なる好ましい態様として、保持部材の他端には、ガススプリングの一端との接続位置を調節する位置調節部が設けられていることが好ましい。
上記構成によれば、位置調節部によってガススプリングと保持部材との接続位置を調節することで、立ち上がり位置におけるガススプリングと後座部との間の角度を調節することができる。角度が小さくなれば、リンク部材を介した後座部へのガススプリングの付勢力は小さくなるのでより体重の軽い使用者に対応できる。一方、前傾角度が大きくなれば、リンク部材を介した後座部へのガススプリングの付勢力が大きくなるので、より体重の重い使用者に対応できる。
これにより、体重が異なる複数の使用者に一つのガススプリングで対応できることになり(使用者ごとに別の付勢力のガススプリングに変更したりする必要がなくなり)、起立補助装置の汎用性をより高めることができる。
前記目的を達成するために、本発明の車椅子は、車椅子本体の座面フレーム上に使用者が座る座シートが着脱自在に設けられた車椅子において、座シートを取り外した座面フレーム上に起立補助装置を取り付けられることが好ましい。
本発明の車椅子によれば、使用者が座部から滑り落ちることなく安全に起立動作及び着座動作を支援することができる車椅子を提供できる。
また、起立補助装置の必要のない使用者の場合には、車椅子の座面フレームから起立補助装置を簡単に取り外せるので、取り外した座面フレームに元の座シートを取り付ければ、通常の車椅子として使用できる。
さらに、折り畳み式の車椅子の場合、車椅子の座面フレームから起立補助装置を簡単に取り外すことにより、車椅子を折り畳み、車椅子と起立補助装置とを自動車等に乗せることができる。
本発明によれば、車椅子の座シートを取り外した座面フレーム上に簡単に着脱でき、しかも使用者が座部から滑り落ちることなく安全に起立動作及び着座動作を支援することができる起立補助装置及びそれを取り付けた車椅子を提供することができる。
本発明の起立補助装置の第1の実施の形態で、着座位置にある斜視図 着座位置にある起立補助装置の側面図 立ち上がり位置にある起立補助装置の側面図 起立補助装置に設けたフレーム幅調整手段を説明する上面図 収容位置にある起立補助装置の側面図 収容位置にある起立補助装置の保持部材とロック機構とを示す模式図 座シートを取り外した折り畳み式車椅子の全体構成を説明する斜視図 座シートを取り付けた折り畳み式車椅子の全体構成を説明する斜視図 折り畳み式車椅子において座シートの取り付け及び取り外し方法の説明図 起立補助装置の前側フレームを車椅子の座面フレームに取り付ける説明図 起立補助装置の後側フレームを車椅子の座面フレームに取り付ける説明図 本発明の車椅子で、起立補助装置の座部が着座位置にある斜視図 本発明の車椅子で、起立補助装置の座部が立ち上がり位置にある斜視図 本発明の車椅子で、使用者の起立動作を説明する側面図 起立補助装置の第2の実施の形態で、座部が着座位置にある側面図 起立補助装置の第2の実施の形態で、座部が立ち上がり位置にある側面図 起立補助装置の第3の実施の形態で、座部が立ち上がり位置にある側面図
以下添付図面に従って、本発明に係る起立補助装置及びそれを取り付けた車椅子の好ましい実施の形態について詳述する。
本発明に係る起立補助装置は、車椅子の座シートを取り外した座面フレーム上に着脱自在に取り付けるように構成したものである。車椅子の座シートを座面フレームから取り外して座面フレーム上に起立補助装置を取り付ける方法は、車椅子の全体構成のところで説明する。
[起立補助装置の第1の実施の形態の全体構成]
図1は、本発明の起立補助装置10の第1の実施の形態であって、着座位置にある斜視図である。また、図2は着座位置にある起立補助装置10の側面図であり、図3は立ち上がり位置にある起立補助装置10の側面図である。
図1から図3に示すように、起立補助装置10は、主として、車椅子12(図7、図8参照)の座面フレーム14(図7、図8参照)上に着脱自在に載置される本体フレーム16と、本体フレーム16上に設けられる座部18と、座部18を本体フレーム16に対して平行な着座位置と本体フレーム16に対して前傾した立ち上がり位置との間で移動させる座部移動機構20と、蝶番22の位置で座部18が逆反りするのを防止する逆反り防止部材24と、後座部前傾調整手段26と、で構成される。
なお、図中に示すX軸、Y軸、Z軸は、起立補助装置10を車椅子12に取り付けたときの方向であり、車椅子12からみたときの幅方向(左右方向)、前後方向、上下方向を示す。即ち、X軸方向は車椅子12及び起立補助装置10の幅方向である左右方向(X1方向を左方、X2方向を右方)を示し、Y軸方向は車椅子12及び起立補助装置10の前後方向(Y1方向を前方、Y2方向を後方)、Z軸方向を車椅子12及び起立補助装置10の上下方向(Z1方向を上方向、Z2方向を下方向)を示す。
また、本体フレーム16に対して座部18が前傾するとは、図3に示すように、本体フレーム16に対して座部18の前端部よりも後端部が離間した右上がり状態で傾斜することを言う。
起立補助装置10の材質は、例えば、鉄、ステンレス、アルミ等の金属、樹脂、木材等及びこれらの組合せから、剛性(安全な使用)及び重量(持ち運びのしやすさ)の双方の観点から適宜選択可能である。
(本体フレームの構成)
図1から図3に示すように、本体フレーム16は車椅子12の座面フレーム14上に着脱自在な係合状態で載置される。本体フレーム16は、互いに平行に配置された前側フレーム28及び後側フレーム30と、前側フレーム28と後側フレーム30とを連結する一対の連結フレーム32と、前側フレーム28及び後側フレーム30の両端部にそれぞれ設けられた係合部34、48及びフレーム幅調整手段36、37とで構成される。
また、一対の連結フレーム32は、前側フレーム28と後側フレーム30の幅方向中央を結ぶ線から等間隔離間して互いに平行に前後方向に延びて、前側フレーム28及び後側フレーム30を溶接等により連結している。即ち、一対の連結フレーム32の間には矩形状の空間52が形成される。この空間52の作用については、座部移動機構20の説明部分で説明する。
ところで、車椅子12の形状及び寸法はJIS規格(日本工業規格)により定められており、座面フレーム14の座面幅(座幅ともいう)は、手動型の場合、大型、中型、小型により42cm、40cm、38cmの3タイプがある。この他に、スポーツ型、和室用や電動車椅子などがあり、それぞれ座面幅が定められている。また、日本と外国の車椅子12においても座面幅は異なり、海外の車椅子12の座面幅は44cmが標準である。
したがって、起立補助装置10の本体フレーム16の幅を、例えば小型の車椅子用に設計すると中型や大型の車椅子、更には外国の車椅子に取り付けることができない。仮に、小型の車椅子用に設計した起立補助装置10を中型や大型の車椅子12に無理やり取り付けることができたとしても、取り付けガタが発生する。
したがって、本発明のように、車椅子12の座シート13(図8、図9参照)を取り外した座面フレーム14上(図7参照)に着脱自在に取り付ける起立補助装置10は、車椅子12の座面幅L2(図7参照)が異なっても取り付けガタが発生しないように取り付けられることが重要である。
そこで、本発明の起立補助装置10は、前側フレーム28及び後側フレーム30の両端部にそれぞれ、フレーム幅調整手段36、37と係合部34、48とを設けた。
(前側フレーム及び後側フレームの構成)
図4は、起立補助装置10の本体フレーム16を構成する前側フレーム28及び後側フレーム30に設けたフレーム幅調整手段36、37と係合部34、48とを説明する上面図である。
なお、図4において、車椅子の12の座面フレーム14を構成する座面左フレーム14Aと座面右フレーム14Bとを想像線で示した。なお、座面フレーム14の詳細は下記の車椅子12の全体構成で説明する。
図1及び図4に示すように、前側フレーム28は、四角筒状の前側外筒38と、前側外筒38の両端部にスライド自在に支持された一対の四角筒状の前側内筒40、40と、の入れ子構造に形成される。また、前側フレーム28には、一対の前側内筒40、40を任意のスライド位置でロックする一対の前側ロック部材42、42が設けられる。
同様に、後側フレーム30は、四角筒状の後側外筒44と、後側外筒44の両端部にスライド自在に支持された一対の四角筒状の後側内筒46、46と、の入れ子構造に形成される。また、後側フレーム30には、一対の後側内筒46、46を任意のスライド位置でロックする一対の後側ロック部材50、50が設けられる。
このように、前側フレーム28及び後側フレーム30を入れ子構造にするとともにロック部材42、50を設けることによって、前側フレーム28及び後側フレーム30の長さ、即ち本体フレーム16の幅寸法を調整するフレーム幅調整手段36、37が構成される。
また、一対の前側内筒40、40の端部には、車椅子12の座面フレーム14(14A、14B)にそれぞれ係合する一対の前側係合部34、34が設けられる。同様に、一対の後側内筒46、46の端部には、車椅子12の座面フレーム14(14A、14B)にそれぞれ係合する一対の後側係合部48、48が設けられる。
前側係合部34(又は後側係合部48)は、前側内筒40(又は後側内筒46)を外側にスライドさせて前側フレーム28(又は後側フレーム30)を伸長動作させたときに座面フレーム14の側面に当たる当て板34A(又は当て板48A)と、座面フレーム14の上面に引っ掛ける引っ掛け板34B(又は引っ掛け板48B)とで断面視逆L字状に形成される。
このように、前側フレーム28と後側フレーム30とに、フレーム幅調整手段36、37と係合部34、48とを設けることにより、起立補助装置10の本体フレーム16を、座面幅の異なる車椅子12の座面フレーム14に着脱自在に係合した状態で載置することができる。
ここで、図4に示すように、前側係合部34(又は後側係合部48)の当て板34A(又は当て板48A)が前側外筒38(又は後側外筒44)に当たるまで前側内筒40(又は後側内筒46)を前側外筒38(又は後側外筒44)に押し込んだ状態を前側フレーム28及び後側フレーム30の基本長さL1とする。厳密には、基本長さL1は前側係合部34(又は後側係合部48)の当て板34Aの厚みが含まれるが、図4では当て板34Aの厚みは図示していない。
なお、起立補助装置10の本体フレーム16と車椅子12の座面フレーム14との係合をより強固なものとするために、前側係合部34及び後側係合部48に追加の接合部材(例えば、車椅子12の座面フレーム14に巻きつけ可能な面ファスナー等)を設けてもよい。
また、ロック部材42、50として本実施の形態では、前側外筒38(又は後側外筒44)に雌ネジが刻設された孔を開け、この孔にボルトを螺合させるようにした。これにより、前側内筒40(又は後側内筒46)の任意のスライド位置でボルトを捻じ込むことにより前側内筒40(又は後側内筒46)をボルトで押圧し、前側内筒40(又は後側内筒46)のスライドを固定することができる。
なお、前側内筒40(又は後側内筒46)の長手方向に複数の孔を開けて、ボルトを前側外筒38(又は後側外筒44)と前側内筒40(又は後側内筒46)との両方に貫通させることで確実にスライドを固定するようにしてもよい。
(座部の構成)
図1から図3に示すように、座部18は、主として、前側フレーム28側に配置された前座部60と後側フレーム30側に配置された後座部62とを有し、前座部60と後座部62とが蝶番22で連結されるとともに前座部60の前端部(座部18の前端部でもある)が本体フレーム16の前端部に上下回動自在に支持される。
即ち、前側フレーム28の前側外筒38の両端部の上面側には一対の座部軸支部64、64が立設され、それぞれの座部軸支部64に軸支孔が形成される。一方、前座部60の両側縁には下側に折曲した折曲部66が形成され、折曲部66の前端部には前座部60の幅方向外側に突起した一対の回動ピン68、68が設けられる。そして、一対の回動ピン68がそれぞれの座部軸支部64の軸支孔に挿入される。これにより、座部18が一対の座部軸支部64に上下回動自在に支持される。
前座部60及び後座部62は、クッション等を内包したカバー(図示せず)を備えていてもよいし、カバーを取り外し可能に構成してもよい。
前座部60は、後縁60Aを備えた平板状の板材である。前座部60の上面は、使用者P(図14参照)が着座した際に主に大腿部が置かれる箇所である。前座部60の後縁60Aは、互いに等間隔離間して後方に突出した3つの凸部から形成されている。
後座部62は、前縁62A、後縁62Bを備えた平板状の板材である。後座部62の上面は、使用者Pが着座した際に主に臀部が置かれる箇所である。後座部62は、幅方向両端がやや上方に持ち上がった形状となっており(図1参照)、臀部形状に合わせて幅方向断面(XZ面に平行な面で切った断面)が凹状となっている。
後座部62の前縁62Aは、互いに等間隔離間して前方に突出した3つの凸部から形成されている。この3つの凸部は、前座部60の後縁60Aの3つの凸部に対応する位置に形成されている。前座部60の後縁60Aを構成する3つの凸部と、後座部62の前縁62Aを構成する3つの凸部とは、3つの蝶番22によってヒンジ接続されている。これにより、後座部62は、前座部60に対して揺動可能となっている。一方、後座部62の後縁62Bは、自由端を構成している。
このように、座部18は、前座部60と後座部62とを蝶番22によってヒンジ接続する構成をとっている。したがって、起立補助装置10を車椅子12に取り付けた後、使用者が座部18に着座したときに、前座部60と後座部62とが蝶番22を境として逆反りするのを防止する必要がある。
このため、起立補助装置10には逆反り防止部材24が設けられる。逆反りとは、前座部60と後座部62とが蝶番22を境に下向きに折れ曲がり、座部18がV字状になることを言う。
(逆反り防止部材の構成)
逆反り防止部材24は、座部18が蝶番22の位置で下向きに逆反りするのを防止するものであり、3つの蝶番22のうち、中央に配置された蝶番22の真下に配置されている(図1参照)。逆反り防止手段の一例として、下記に逆反り防止部材を用いた例を用いて説明するが、逆反り防止手段としてはこれに限定されるものではなく、逆反りを防止できる部材、方法、構造ならばどのような手段を採用しても良い。例えば、蝶番22自体が180度以上開かないものを採用しても良い。
図1から図3に示すように、逆反り防止部材24は、蝶番22の真下で且つ前座部60と後座部62との間に棒状部材70を懸架する構成を好適に用いることができる。ここで、前座部60と後座部62との間に棒状部材70を懸架するとは、棒状部材70の両端が前座部60と後座部62とに固定されていない自由端となっていることを意味する。
前座部60の後端部下面、及び後座部62の前端部下面には、棒状部材70を懸架する一対のブラケット72、72が対向して設けられる。一対のブラケット72の対向する面72A、72Aには貫通孔(図示せず)がそれぞれ対向して形成される。対向する一対の貫通孔に一端部にネジが刻設されたボルト形状の棒状部材70が貫通され、ネジにナット73が螺合される。棒状部材70のボルトの頭及びナット73の直径は貫通孔より大きく形成される。そして、座部18が着座位置の状態にあるときに、一対のブラケット72の対向する面72A同士の距離よりも、棒状部材70のボルトの頭からナットまでの距離が大きくなるように設定する。
座部18が着座位置から立ち上がり位置に移動する際に、前座部60と後座部62とが蝶番22を回動中心として回動して一対のブラケット72の対向する面72A同士の距離が変化するが、棒状部材70の両端は一対のブラケット72に懸架され自由端となっている。したがって、逆反り防止部材24は、蝶番22の回動動作を邪魔することなく座部18が逆反りするのを防止できる。
逆反り防止部材24は、蝶番22の真下に配置されるので、仮に前座部60又は後座部62が逆反りによって撓んでしまった場合であっても、撓みの影響を受けにくく、棒状部材70に撓みによる力がかかることを抑制できる。そのため、逆反り防止部材24に必要とされる剛性を小さくすることができ、逆反り防止部材24ひいては起立補助装置10を軽量化することができる。
なお、軽量化の観点からは、逆反り防止部材24を中央の蝶番22に1つ設けることがより好ましいが、両端の蝶番22にもさらに追加で設けてもよい。
(座部移動機構の構成)
座部移動機構20は、座部18の前端部を本体フレーム16の前端部に軸支した座面軸支部64を回動中心として座部18を上下回動させることにより、座部18を本体フレーム16に対して平行な着座位置と本体フレーム16に対して前傾した立ち上がり位置との間で移動させる機構であれば、どのような機構でもよい。
図示しないが、座部移動機構20としては例えば、座部18を上下回動させるアクチュエータと電源バッテリーとの組み合わせによって構築することができる。アクチュエータとしては例えば、油圧式や空圧式等のシリンダ装置や、モータとボールネジ機構との組み合わせ等を使用することができる。
しかし、電源バッテリーを使用した機構は起立補助装置10を重量化させる要因となるため、本実施の形態では、座部移動機構20のアクチュエータとして電源を必要としないガススプリング58を用いた例で以下に説明する。
図1から図3に示すように、座部移動機構20は、主として、後座部62の下面中央に一端が回動自在に接続された第1リンク74と、第1リンク74の他端に一端が回動自在に接続され連結フレーム32に他端が回動自在に接続された第2リンク76とで構成されたリンク部材54と、連結フレーム32に一端が回動自在に接続され、他端が連結フレーム32の下方に延びる保持部材56と、保持部材56の他端に一端が回動自在に接続され、リンク部材54に他端が回動自在に接続されたガススプリング58と、ガススプリング58によるリンク部材54の移動を規制するロック機構78と、で構成される。
即ち、第1リンク74と第2リンク76とで構成されるリンク部材54は、連結フレーム32に一端が回動自在に支持され、後座部62の下面中央に他端が回動自在に支持される。そして、ガススプリング58によって、後座部62の下面中央に上向きの回動力を付与する。これにより、後座部62に加わる使用者Pの荷重よりもガススプリング58の上向きの付勢力が大きければ、座部18は座部軸支部64を回動中心として上向きに回動して立ち上がり位置に移動する。一方、使用者Pの荷重がガススプリング58の上向きの付勢力よりも大きければ、座部18は座部軸支部64を回動中心として下向きに回動して着座位置に移動する。これにより、座部18は、本体フレーム16に対して平行な着座位置と本体フレーム16に対して前傾した立ち上がり位置との間で移動することができる。
また、この座部移動機構20は、起立補助装置10の構成要素であり、車椅子12の座面フレーム14に係合した状態で着脱自在に載置する本体フレーム16の連結フレーム32、32に支持されている。即ち、起立補助装置10の座部18を動かす座部移動機構20は、車椅子12から独立した機構として構築されているので、起立補助装置10を車椅子12から取り外しても独立して機能する。これにより、起立補助装置10を取り付けるための専用の車椅子12を必要としないので、通常使用される各種の車椅子12に取り付けて利用することができる。
(リンク部材の構成)
図3に示すように、リンク部材54は、第1リンク74と第2リンク76とで構成され、これらのリンク74、76はリンク軸80によって連結されている。
第1リンク74は、一端74A、他端74Bを備え、幅方向(X1−X2方向)に互いに離間して対向配置された一対のリンク片で構成されている。第2リンク76は、一端76A、他端76Bを備え、幅方向(X1−X2方向)に互いに離間して対向配置された一対のリンク片で構成されている。そして、幅方向(X1−X2方向)に対向配置された第2リンク76の一対のリンク片同士の間隔は、幅方向(X1−X2方向)に対向配置された第1リンク74の一対のリンク片同士の間隔よりも大きい。
なお、図3では、第1リンク74及び第2リンク76が1つのみ図示されているが、図の裏面側にもう一つの第1リンク74及び第2リンク76が設けられている。
第1リンク74の一端74Aは、後座部62の下面中央に回動自在に接続されている。一方、第1リンク74の他端74Bは、第1リンク74の一対のリンク片が第2リンク76の一対のリンク片に挟まれるようにして、第2リンク76の一端76Aにリンク軸80を介して回動自在に接続されている。
第1リンク74の他端74Bには、突起部74Cが形成されている。突起部74Cは、第1リンク74の長手方向(一端74Aと他端74Bとを結ぶ方向)に直交する方向に山状に突出した湾曲面で構成されている。突起部74Cは、起立補助装置10が着座位置にある場合には、後座部62の下面に当接するようになっている(図2参照)。
第2リンク76の他端76Bは、連結フレーム32にそれぞれ回動自在に接続されている。より具体的には、第2リンク76の一対のリンク片がそれぞれ連結フレーム32に軸支されている。
(保持部材の構成)
図1に示すように、保持部材56は、幅方向(X1−X2方向)に互いに離間して対向配置される一対の保持片56A、56Aと、保持片56Aを連結するとともに保持部材56に必要な剛性を提供する幅広の連結体56Bとから構成される。
そして、起立補助装置10が着座位置にある場合において、保持部材56は、一対の保持片56Aと連結体56Bとで画成される凹部内にガススプリング58を保持する。
図3に示すように、一対の保持片56A、56Bの一端56A1は、連結フレーム32に第1連結軸82を介してそれぞれ軸支されている。これにより、保持部材56は、連結フレーム32に対して垂直な位置(図1、図3)と平行な位置(図5)との間で、回動自在になっている。なお、保持片56Aと、連結フレーム32との接続位置は、第2リンク76の一対のリンク片の他端76Bと連結フレーム32との接続位置よりも後側である。
また、図3に示すように、一対の保持片56Aの一端56A1は、先端に向かって幅狭になっており、当該幅狭の先端には、両者を連結する棒状の回動規制部84が形成されている。回動規制部84は、保持部材56が連結フレーム32に対して平行な位置にあるときに、ロック機構78に係合するようになっている(図6参照)。
更に、図3に示すように、一対の保持片56Aの他端56A2には、両者を繋ぐ第2連結軸86を介してガススプリング58の一端が回動自在に接続されている。
(ガススプリングの構成)
図3に示すように、ガススプリング58は、シリンダ58Aと可動部58Bとを備える。ガススプリング58は、圧縮方向の力に対して反発力を生じるバネであって、かつ、シリンダ58Aにより可動部58Bの伸縮方向が案内されている。即ち、ガススプリング58は、圧縮バネとガイド部材とを兼ねた部材と言える。
ガススプリング58は、後座部62の中央下面に上向きの力を付与して、座部軸支部64を回動中心として座部18を回動させる駆動源として機能する。ガススプリング58の付勢力により座部18を上向きに押圧するので、座部18を変位させる駆動源としての電源等が不要であり、起立補助装置10を軽量化できる。
ガススプリング58のシリンダ58Aの内部は密閉され、内部に高圧ガス(例えば窒素ガス)が封入されている。シリンダ58Aの先端(ガススプリング58の他端)は、円形の取付孔が設けられており、この取付孔にリンク部材54のリンク軸80が挿通されている。
ガススプリング58の可動部58Bは、シリンダ58A内に配置されたピストンと、このピストンに接続されたロッドとを備え、シリンダ58A内部の高圧ガスの付勢力によって、ガススプリング58の長手方向に沿って伸長する。可動部58Bの先端(ガススプリング58の一端)は、円形の取付孔が設けられており、図3に示すように、この取付孔に保持部材56の第2連結軸86が挿通されている。
ガススプリング58における高圧ガスの付勢力は、座部18に着座した使用者Pの荷重により可動部58Bが圧縮方向(可動部58Bをシリンダ58Aに近づける方向)に移動してシリンダ58A内の収容位置まで移動可能な程度に適宜設定される。なお、ガススプリング58の付勢力を調節するために、ガススプリング58にさらにコイルバネ等を設けてもよい。
(ロック機構の構成)
図1から図3及び図6に示すように、ロック機構78は、固定台78Aと、フック78Bと、レバー78Cとを備える。図1に示すように、固定台78Aは、後側フレーム30下面の幅方向略中央に固定されている。フック78Bは、固定台78Aの回動軸に軸支されており、レバー78Cを操作することにより、リンク部材54のリンク軸80に係合する係合位置(図2)と、係合が解除される解除位置(図3)との間で回動自在である。
ロック機構78は、フック78Bがリンク部材54のリンク軸80に係合することで、ガススプリング58によるリンク部材54の移動を規制するロック機構として機能する。
フック78Bは、固定台78Aに連結するバネ(図示せず)により付勢されており、座部18が使用者Pの荷重により立ち上がり位置から着座位置に移動する際に、当該付勢力により回動してリンク部材54のリンク軸80に自動的に係合するようになっている。
そして、起立補助装置10が着座位置にある場合には、連結フレーム32の間の上記した空間52に、座部移動機構20のリンク部材54が収容される(図1、図2参照)。更に起立補助装置10が収容位置にある場合には、空間52にリンク部材54に加えて座部移動機構20の保持部材56及びガススプリング58が収容される(図5参照)。
(後座部前傾調整手段の構成)
後座部前傾調整手段26は、座部移動機構20によって座部18が着座位置(図2)から立ち上がり位置(図3)まで移動する際に、後座部62の後端側に座部18の上向きな回動力に抗する抵抗力を付与するものである。
図1及び図3に示すように後座部前傾調整手段26は、一対の第1軸支部26A、26A、一対の第2軸支部26B、26B、一対のガイドロット26C、26Cを備えている。
なお、図3では、第1軸支部26A、第2軸支部26B、及びガイドロット26Cを1つのみ図示しているが、図3の裏面側にもう一つの第1軸支部26A、第2軸支部26B、及びガイドロット26Cが設けられている。
図3に示すように、一対の第1軸支部26Aは、連結フレーム32の上面にそれぞれ固定されている。一対の第1軸支部26Aと連結フレーム32との接続箇所は、前側フレーム28寄りの位置であり、第2リンク76のリンク片の他端76Bと連結フレーム32との接続箇所よりも前方である。
図3に示すように、一対の第2軸支部26Bは、後座部62の下面に固定されている。第2軸支部26Bと後座部62との接続箇所は、後座部62の後端部62B寄りの位置であり、第1リンク74の一対のリンク片と後座部62との接続位置(即ち後座部62の下面中央)よりも後方である。
図3に示すように、一対のガイドロット26Cは棒状部材であり、一端が第1軸支部26Aにそれぞれ回動自在に軸支され、他端が第2軸支部26Bにそれぞれ回動自在に軸支されている。これにより、ガイドロット26Cは、第1軸支部26Aを回動中心として回動自在である。
即ち、後座部前傾調整手段26を設けることによって、前座部60、後座部62、座部軸支部64(座部18の回動中心)から第1軸支部26Aとの間の連結フレーム32部分、及びガイドロット26Cを4つの節とし、座部軸支部64、蝶番22、第1軸支部26A、及び第2軸支部26Bを4つの関節とした、4節リンク構造が形成される。そして、車椅子12の座面フレーム14に取り付けられる本体フレーム16の連結フレーム32部分が固定節となり、座部移動機構20が後座部62の下面中央を押し上げる。
これにより、座部移動機構20によって座部18が着座位置(図2)から立ち上がり位置(図3)まで移動する際に、後座部前傾調整手段26は後座部62の後端側に座部18の上向きな回動力に抗する抵抗力を付与する。即ち、座部18が座部軸支部64を回動中心として上向きに回動するが、ガイドロット26Cが座部18の後端部(後座部62の後端部でもある)が上向きに回動するのを阻止する方向に働くので、後座部62は蝶番22を回動中心として下向きに回動する。
これにより、図3に示すように、本体フレーム16に対する前座部60の前傾角度θ2よりも、本体フレーム16に対する後座部62の前傾角度θ1が小さくなる。本体フレーム16に対する後座部62の前傾角度θ1は、ガイドロット26Cの長さを調整することで変えることができる。
[車椅子の全体構成]
次に、上記の如く構成した起立補助装置10を取り付ける車椅子12について説明する。
図7及び図8は車椅子12の一例であり、折り畳み式の車椅子12の斜視図である。図7は車椅子12の座面フレーム14から座シート13を取り外した状態の斜視図であり、図8は座シート13を取り付けた斜視図である。なお、左右対称の部分に関しては適宜説明を省略する。
図7及び図8に示すように、折り畳み式の車椅子12は、車椅子本体88と、車椅子本体88の座面フレーム14(14A、14B)に着脱自在に取り付けられた座シート13(図8参照)とで構成される。
(車椅子本体)
車椅子本体88は、主として、幅方向(X1―X2方向)に離間して対向配置された一対の側面フレーム90、92と、側面フレーム90、92同士を幅方向(X1−X2方向)に連結するクロスリンク94と、クロスリンク94に固定された座面フレーム14と、側面フレーム90、92に取り付けられた車輪96、98等で構成される。
また、座面フレーム14を構成する座面左フレーム14Aと座面右フレーム14Bは、車椅子12の前後方向(Y1−Y2方向)に延びた長い一対のパイプ管で構成される。座面左フレーム14Aと座面右フレーム14Bは、車椅子12の幅方向(X1−X2方向)に離間して平行に対向配置される。折り畳みを拡げた状態の車椅子12における座面左フレーム14Aと座面右フレーム14Bとの距離(図7参照)が車椅子12の座面幅L2となる。
そして、車椅子12の座面フレーム14上に、折り畳み可能な座シート13(図8参照)が着脱自在に設けられる。折り畳み可能な座シート13としては布製等の軟質な座シート13が一般的であるが、折り畳み構造を有する硬質な座シート13でもよい。なお、本実施の形態では、布製の座シート13で説明する。
各側面フレーム90、92は、互いに左右対称に構成されており、従来の折り畳み式の車椅子12における側面フレームと同様に、例えばパイプ等により方形状に形成される。そして、各側面フレーム90、92には、大径の車輪(後輪)96、96と、小径のキャスター98、98と、ハンドル100、100と、肘掛け部102、102と、フットレスト104、104と、が設けられる。
さらに、各側面フレーム90、92の後部の間には、例えば布地等から成る折り畳み可能な背当て106が取り付けられている。
クロスリンク94は、正面から見てX字状に交差した一対のリンク部材94A、94Aから構成される。そして、一対のリンク部材94A、94Aは、車椅子12の前側と後側とにそれぞれ並列配置される。
一対のリンク部材94A、94Aの上端は、座面フレーム14を構成する座面左フレーム14Aと座面右フレーム14Bとにそれぞれ溶接等により固定され、一対のリンク部材94A、94Aの下端は、それぞれ左側面フレーム90、右側面フレーム92の下辺フレーム90A、92Aに溶接等により固定されている。
これにより、一対のリンク部材94A、94Aが、それらの交点Mの周りに揺動することで、側面フレーム90、92の幅方向(X1−X2)の間隔が変更し、車椅子12を折り畳んだり、拡げたりすることができる。
図9は、座面フレーム14に座シート13を着脱自在に取り付ける方法を説明する図であり、取り付け部分が見易いように右側の側面フレーム92及びそれに装着される車輪96、98等は想像線で示している。
図9に示すように、座面フレーム14を構成する座面左フレーム14Aと座面右フレーム14Bの前後方向(Y1−Y2)には、等間隔を置いて複数の連結孔108、108…が形成されると共に、連結孔108には雌ネジが刻設されている。一方、座シート13の幅方向(X1−X2)両端部の前後方向(Y1−Y2)には、座シート13を座面フレーム14に載置した状態で、連結孔108に対応する位置に複数の挿入孔110、110…が形成されると共に、それぞれの挿入孔110には連結孔108に螺合するボルト112、112…が挿入されている。
これにより、座シート13を座面フレーム14に取り付ける場合には、座シート13を座面フレーム14上に載置し、ボルト112を座面左フレーム14Aと座面右フレーム14Bに形成した連結孔108に締め付けて連結すればよい。また、座シート13を座面フレーム14から取り外す場合には、ボルト112を緩めて座面フレーム14の連結孔108との螺合を解除することで、取り外すことができる。
なお、座シート13を座面フレーム14に取り付ける手段として、座面フレーム14に形成した連結孔108と、座シート13の挿入孔110に設けたボルト112との例で説明したが、座シート13を座面フレーム14に着脱自在に取り付ける手段であれば、これに限定されない。
また、上記説明は折り畳み式の車椅子12の例で説明したが、折り畳みすることができない車椅子でも同様である。要は、車椅子本体88の座面フレーム14上に使用者Pが座る座シート13を着脱自在に取り付けることのできる車椅子12であればよい。
(起立補助装置の車椅子への取り付け方法)
次に、起立補助装置10を車椅子12に取り付ける方法を説明する。なお、本実施の形態では、車椅子12の座面幅L2(図7参照)の方が、起立補助装置10の上述した前側フレーム28及び後側フレーム30の基本長さL1(図4参照)よりも大きい場合で説明する。
先ず、図9で説明したように、車椅子12の座シート13のボルト112を緩めて座面シート14の連結孔108との螺合を解除し、座シート13を座面フレーム14から取り外す。
次に、図10及び図11に示すように、起立補助装置10の前側フレーム28と後側フレーム30に設けたフレーム幅調整手段36、37を用いて、座シート13を取り外した車椅子の座面フレーム14(14A、14B)に起立補助装置10の本体フレーム16を着脱自在に取り付ける。なお、図10及び図11では、車椅子12の座面フレーム14に起立補助装置10の本体フレーム16を取り付ける状態が分かり易いように、座部18を立ち上がり位置に移動させた図で示している。
即ち、図10及び図11に示すように、起立補助装置10の前側フレーム28と後側フレーム30の内筒40、46を外筒38、44から引き出すようにスライドさせて、前側係合部34及び後側係合部48のそれぞれの当て板34A、48Aを、車椅子12の座面左フレーム14Aと座面右フレーム14Bの内側面に当てる。
そして、前側係合部34及び後側係合部48のそれぞれの引っ掛け板34B、48Bを車椅子12の座面左フレーム14Aと座面右フレーム14Bとの上面にそれぞれ引っ掛ける。
この状態で前側フレーム28と後側フレーム30の内筒40、46が外筒38、44に対して固定されるようにロック部材42、50で締め付ける。これにより、起立補助装置10の本体フレーム16を車椅子12の座面フレーム14に係合した状態で載置させることができる。
このように、座シート13を取り外した車椅子12に、起立補助装置10を取り付けることによって、図12及び図13に示すように、本発明の起立補助装置10を取り付けた本発明の実施の形態の車椅子12が形成される。図12は、車椅子12に取り付けた起立補助装置10の座部18が着座位置にある状態を示し、図13は座部18が立ち上がり位置にある状態を示す。
この取り付け操作において、起立補助装置10の前側フレーム28と後側フレーム30とにフレーム幅調整手段36、37を設けることにより、座面幅L2の異なる車椅子12にも取り付けガタが発生しないように取り付けることができる。
前側フレーム28及び後側フレーム30の基本長さL1を、座面幅L2の小さな車椅子12(例えば日本の小型車椅子の座面幅)に取り付けることができるように設計するとよい。
即ち、外筒38、44の長さは、内筒40、46を外筒38、44から引き出さない状態(前側係合部34又は後側係合部48のそれぞれの当て板34A、48Aが外筒38、44の端面に当接した基本長さL1の状態)で、座面幅L2の小さな車椅子12(例えば日本の小型車椅子の座面幅)に取り付けることができるように設計する。
一方、内筒40、46の長さは、座面幅L2の大きな車椅子12(例えば欧米の車椅子の座面幅)に合うように内筒40、46を外筒38、44から引き出しても前側フレーム28と後側フレーム30の剛性を確保できる長さに設計する。換言すると、座面幅L2の大きな車椅子12に合うように内筒40、46を外筒38、44から引き出しても入れ子構造の剛性が確保できるように内筒40、46の長さを設計する。
このように設計すれば、各種の座面幅L2を有する車椅子12に、起立補助装置10をガタが発生しないように取り付けることができる。
また、上記の如く、起立補助装置10を車椅子12に取り付ける場合、車椅子12の座面中央下方には、他の構造物が配置されていることがある(例えば、正面視X字状に交差したクロスリンク94)。
しかしながら、図1及び図2に示すように、起立補助装置10の保持部材56及びガススプリング58は、後座部62の中央よりも後方側に配置されている。そのため、起立補助装置10を車椅子12に取り付けた状態で、保持部材56及びガススプリング58は、車椅子12の座面中央下方に配置される他の構造物(例えば、クロスリンク94)と干渉しない。
保持部材56及びガススプリング58が後座部62の中央よりも後方側に配置できているのは、起立補助装置10が、ガススプリング58の付勢力を、リンク部材54を介して後座部62の下面中央に伝達するようにしているためである。換言すると、保持部材56及びガススプリング58の位置は、リンク部材54があることにより、後座部62の中央よりも後方に配置可能になっている。
なお、リンク部材54及びガススプリング58の長さ、接続位置を適宜設定することで、ガススプリング58(及び保持部材56)の位置は、後座部62の前後方向で適宜設計できることは言うまでもない。ガススプリング58(及び保持部材56)の配置について設計の自由度が高いため、起立補助装置10は種々なタイプの車椅子12に適用可能である。
[起立補助装置の使用方法]
次に、車椅子12に取り付けた起立補助装置10によって、使用者Pの起立動作や着座動作を支援する方法を説明する。
(ロック機構の解除)
先ず、起立補助装置10のロック機構78を解除する。
起立補助装置10を車椅子12に取り付け、使用者Pが座部18に着座する前の状態では、座部18には荷重がかかっていない。このとき、ロック機構78のフック78Bは、リンク部材54のリンク軸80を介したガススプリング58の上向きの付勢力(座部18を上向きに回動させる回動力)を強く受ける。これにより、ロック機構78のフック78Bはリンク軸80に強固に係合し、回動不能(レバー78Cの操作が不能)となっている。しかも、この状態では、ガススプリング58が最も圧縮されているので付勢力が最大の状態である。
即ち、起立補助装置10は、使用者Pが座部18に着座する前の状態では、ロック機構78のロックを解除することができないようになっている。そのため、使用者Pが座部18に着座する前の状態で、リンク部材54とフック78Bとの係合が予期せず解除されて座部18が立ち上がり位置に移動してしまうことを防止できる。これは、安全上の観点から重要である。
起立補助装置10の車椅子12への取り付け後、使用者Pが座部18に着座すると、リンク部材54のリンク軸80には、ガススプリング58の上向きの付勢力に加えて、当該付勢力を打ち消す使用者の自重による下向きの力が加わる。これにより、ロック機構78のフック78Bは、リンク軸80から僅かに離間し、レバー78Cの操作が可能となる。
この状態で、このレバー78Cを操作してフック78Bを回動させると、ロック機構78によるロックが解除される。
なお、レバー78Cの操作は、安全性の観点からは、座部18に着座した使用者P自身よりは、介助者(図示せず)がアクセスするほうがより好ましい。この点、ロック機構78は、後側フレーム30下面の幅方向略中央に設けられている。これにより、使用者Pが座部18に着座した状態においては、使用者Pの背中側で腕が届きにくい箇所に位置するので、使用者Pは容易にはアクセスできない。そのため、使用者Pではなく介助者がロック機構78によるロックを外すことを、使用者P及び介助者に自然に意識づけさせることができる。
(使用者の起立動作)
次に、起立補助装置10を用いた使用者Pの起立動作を説明する。
ロック機構78によるロックが解除され、図14に示すように、使用者Pが自分の脚力又は介助者の補助により座部18から臀部を浮かせると、座部18への荷重が軽減される。この荷重が座部移動機構20におけるガススプリング58の付勢力よりも小さくなると、ガススプリング58の可動部58Bが伸長して、リンク部材54のリンク軸80を上方に押し上げる。
これにより、リンク部材54が屈曲した状態(第1リンク74及び第2リンク76が重なった状態、図1及び図2参照)から、広がった状態(第1リンク74及び第2リンク76が上下方向に離間した状態、図3参照)まで移動する。
リンク部材54の移動に伴い、座部18が座面軸支部64を回動中心として上向きに回動し、座部18は立ち上がり位置まで移動し、座部18が本体フレーム16に対して前傾する(図14参照)。これにより使用者Pの起立に必要な前向きで上方の力が提供される。
上記した使用者Pの起立動作において、座部移動機構20によって後座部62の中央下面に上向きの回動力を付与されると、座部18全体が座部軸支部64を回動中心として上向きに回動して、着座位置から立ち上がり位置に移動しつつも、後座部62の後端部には後座部前傾調整手段26によって上向きの回動力に抗する力が付与される。これにより、後座部62は蝶番22を回動中心として下向きに回動する。
したがって、図3に示すように、前座部60の本体フレーム16に対する前傾角度θ2よりも後座部62の本体フレーム16に対する前傾角度θ1が小さくなる(図14参照)。
後座部62の前傾角度θ1としては、5°〜15°の範囲が好ましく、5°〜10°の範囲がより好ましい。後座部前傾調整手段26のガイドロット26Cの長さを調整することによって、後座部62の前傾角度θ1を調整することができる。
これにより、図14に示すように、座部18が着座位置から立ち上がり位置に移動する際に、後座部62の本体フレーム16に対する前傾角度θ1が大きくなり過ぎて使用者Pの臀部が後座部62から滑り台のように滑り落ちないようにできる。この結果、使用者Pは安全に起立動作を行うことができる。
一方、着座位置において使用者Pの大腿部が置かれる前座部60は、後座部62よりも前傾角度θ2が大きく、使用者Pの立ち上がり動作を助けることができる。前座部60の前傾角度θ2は、図14から分かるように、使用者Pの立ち上がり動作のときに、使用者Pが自分の脚力又は介助者の補助により起立する際に、使用者Pの足の裏面全体が床面(又は地面)を確実に踏み込める角度であることが好ましい。具体的には、前座部60の前傾角度θ2は35°〜45°の範囲が好ましい。
また、リンク部材54の第1リンク74が後座部62の下面中央に配置されていることで、リンク部材54を介したガススプリング58の付勢力は、後座部62の下面の中央にかかる。そのため、着座した使用者Pの臀部中央部分(着座した使用者の重心位置)に、ガススプリング58の付勢力がリンク部材54を介してかかる。これにより、座部18の他の箇所をガススプリング58で押圧する場合と比較して、より安定して後座部62を持ち上げることができる。更には、ガススプリング58の付勢力による使用者Pの違和感を軽減することができる。
また、座部18に着座した使用者Pの重心位置に、ガススプリング58の付勢力がリンク部材54を介してかかるので、座部18の他の箇所をガススプリング58で押圧する場合に比べて、座部18自体に必要とされる剛性を小さくすることができる。そのため、座部18を軽量化することができる。
(使用者の着座動作)
次に、起立補助装置10を用いた使用者Pの着座動作を説明する。
起立補助装置10が立ち上がり位置にある状態(図13、図14参照)で、使用者Pが座部18に腰掛けて、脚力を弱めると、使用者Pの自重による座部18への荷重が大きくなる。この荷重がガススプリング58の付勢力よりも大きくなると、ガススプリング58の可動部58Bが縮んで、ガススプリング58が圧縮される。
これにより、リンク部材54が広がった状態(第1リンク74及び第2リンク76が上下方向に離間した状態)から、屈曲した状態(第1リンク74及び第2リンク76が重なった状態)まで移動する。リンク部材54の移動に伴い、前座部60及び後座部62が本体フレーム16に対して平行な着座位置まで移動する(図12参照)。
第1リンク74の他端74Bに設けられた突起部74C(図3参照)は、座部18が立ち上がり位置から着座位置に移動する際に、後座部62に当接する。ガススプリング58は、圧縮されるに伴い付勢力が増すので、座部18が着座位置に移動するに従ってリンク部材54はより強い付勢力をうけることになる。しかし、この強い付勢力を、第1リンク74の一端74Aのみならず、第1リンク74の他端74Bの突起部74Cを介して後座部62に伝達することができる。
即ち、座部18が着座位置に移動する際にリンク部材54にかかる強い付勢力を2方向に分散することができる。これにより、リンク部材54に必要とされる剛性を小さくすることができるので、リンク部材54を軽量化することができる。
なお、リンク部材54の上記移動に伴い、ロック機構78のフック78Bは、固定台78Aに連結するバネ(図示せず)からの付勢力を受け回動し、リンク部材54のリンク軸80に係合し、ロックが掛かる。即ち、使用者Pの着座に伴い自動的にロック機構78が働くようになっている。
このように、本発明の実施の形態の起立補助装置10は、車椅子12の座シート13を取り外した座面フレーム14上に簡単に着脱でき、しかも使用者Pが座部18から滑り落ちることなく安全に起立動作及び着座動作を支援することができる。
なお、本実施の形態では、座部移動機構20のアクチュエータとしてガススプリング58の例で説明したが、シリンダ装置や、モータとボールネジ機構との組み合わせ等をアクチュエータとする場合には、アクチュエータの操作は使用者Pよりも介助者が行うことが安全上好ましい。
(起立補助装置の持ち運び)
次に、車椅子12から取り外した起立補助装置10の持ち運びについて説明する。
起立補助装置10を車椅子12から取り外して持ち運ぶ際には、起立補助装置10は収容位置に変形可能である。より具体的には、保持部材56を、連結フレーム32に対して垂直な位置(図1及び図2)から、平行な収容位置(図5)まで回動させる。このとき、保持部材56に接続されるガススプリング58も併せて回動する。これにより、保持部材56及びガススプリング58の出っ張りがなくなるので、起立補助装置10全体をコンパクトなものにすることができる。これにより持ち運びが容易になる。
ここで、保持部材56が収容位置へ回動すると、ガススプリング58も連結フレーム32に平行な位置に一緒に移動し、ガススプリング58の付勢力の方向が90度変位する(下から上に向かう方向から前から後に向かう方向になる)。これにより、ガススプリング58の付勢力がリンク部材54を介してロック機構78のフック78Bにかからなくなる又は弱まる。
しかしながら、図6に示すように、保持部材56が収容位置まで移動すると、保持部材56の回動規制部84は、ロック機構78のフック78Bに設けた凹部に係合するようになっている。これにより、フック78Bの回動方向(図6の矢印A方向)の移動が規制される。従って、ガススプリング58の付勢力がリンク部材54を介してロック機構78のフック78Bにかからなくなったとしても、フック78Bは、依然として回動できないので、ロックが外れてしまうことはない。即ち、起立補助装置10が収容位置にあるかぎりは、ロック機構78によるロックを外すことはできないので、持ち運び途中に起立補助装置10が立ち上がり位置に移動してしまうようなことを防止できる。
[起立補助装置の第2の実施の形態]
上記した起立補助装置10の第1の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではなく、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。
例えば、図15及び図16に示す起立補助装置10Aの第2の実施の形態のような変形も可能である。なお、起立補助装置10Aの構成のうち、第1の実施の形態の起立補助装置10と同一又は同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
第2の実施の形態の起立補助装置10Aと、第1の実施の形態の起立補助装置10との主な相違点は次の通りである。即ち、第2の実施の形態の起立補助装置10Aは、連結フレーム32に対して固定された保持部材56を用いていることと、起立補助装置10A内の位置及びリンク部材54との接続位置が変更されたガススプリング58を用いていることである。
保持部材56は、連結フレーム32の前方寄りの位置、より具体的には、第2リンク76の一対のリンク片と連結フレーム32との接続位置よりも前方で、連結フレーム32に固定されている。
また、保持部材56の位置に併せて、ガススプリング58も全体として前方寄りの位置に配置されている。さらに、ガススプリング58とリンク部材54との接続位置もリンク部材54のリンク軸80から、第1リンク74に変更されている。これにより、ガススプリング58は、着座位置において、連結フレーム32に対して側面視斜め後方に傾斜して延びる。
この構成によれば、着座位置における起立補助装置10Aの上下方向の大きさを小さくすることができる。そのため、起立補助装置10Aを車椅子12に取り付けたときに、車椅子12の座面下方の構造物の影響を受けにくくすることができる。また起立補助装置10Aの上下方向の大きさが小さくコンパクトであるので(第1の実施の形態のように収容位置に変形することはないものの)持ち運びも容易である。また保持部材56は連結フレーム32に固定されているので、第1の実施の形態のように保持部材56が可動である場合に比べて、起立補助装置10Aの構成を簡単にすることができ、取り扱いがより容易になる。
[起立補助装置の第3の実施の形態]
また、例えば、図17に示す起立補助装置10Bの第3の実施の形態のような変形も可能である。
上記した起立補助装置10Aの第2の実施の形態との主な相違点としては、第3の実施の形態の起立補助装置10Bは、一対の保持部材56の他端には、位置調節部56Cが設けられていることである。これにより、ガススプリング58と保持部材56との接続位置が調節可能になっている。
図17に示すように、位置調節部56Cは、保持部材56の他端に設けられた複数(ここでは5個)の開口であり、これら開口の何れか一つにガススプリング58の一端を締結部材等で接続可能になっている。
これら複数の開口は、保持部材56上において上下方向および前後方向の位置がそれぞれ異なっているから、ガススプリング58を位置調節部56Cのどの開口に接続するかで、立ち上がり位置におけるガススプリング58と後座部62との間の角度θ3を調節することができる。
例えば、ガススプリング58を位置調節部56Cの最も前方(前側フレーム28側)の開口に接続すると、後座部62とガススプリング58とが成す角度θ3が最も小さくなる。この場合、リンク部材54を介した後座部62へのガススプリング58の付勢力は小さくなるので、より体重の軽い使用者P(例えば、40〜50kg)に対応できる。
一方、図17の場合のように、ガススプリング58を位置調節部56Cの最も後方(後側フレーム30側)の開口に接続すると角度θ3が最も大きくなる。この場合、リンク部材54を介した後座部62へのガススプリング58の付勢力が大きくなるので、より体重の重い使用者P(第2の実施の形態においては、最も前方の開口に接続した場合に比べてほぼ倍の体重、例えば、80〜100kg)に対応できる。
これにより、一つのガススプリング58で異なる体重の複数の使用者Pに対応できることになり(使用者Pごとに別の付勢力のガススプリングに変更したりする必要がなくなり)、起立補助装置10Bの汎用性をより高めることができる。
なお、位置調節部56Cの構成としては、ガススプリング58との接続位置を調節できれば特に限定はなく、例えば、上下および前後方向に広がった幅広の開口を一つ設け、ガススプリング58の一端を当該幅広の開口の一箇所で締結するようにしてもよい。この場合、ガススプリング58との接続位置を無段階で微調整することができる。
10、10A、10B…起立補助装置、12…車椅子、13…座シート、14…座面フレーム、14A…座面左フレーム、14B…座面右フレーム、16…本体フレーム、18…座部、20…座部移動機構、22…蝶番、24…逆反り防止部材、26…後座部前傾調整手段、28…前側フレーム、30…後側フレーム、32…連結フレーム、34…前側係合部、34A、48A…当て板、34B、48B…引っ掛け板、36、37…フレーム幅調整手段、38…前側外筒、40…前側内筒、42…前側ロック部材、44…後側外筒、46…後側内筒、48…後側係合部、50…後側ロック部材、52…空間、54…リンク部材、56…保持部材、56A…保持片、56B…連結体、58…ガススプリング、60…前座部、62…後座部、64…座部軸支部、66…折曲部、68…回動ピン、70…棒状部材、72…ブラケット、73…ナット、74…第1リンク、76…第2リンク、78…ロック機構、78A…固定台、78B…フック、78C…レバー、80…リンク軸、82…第1連結軸、84…回動規制部、86…第2連結軸、88…車椅子本体、90、92…側面フレーム、94…クロスリンク、94A…リンク部材、96…後輪、98…キャスター、100…ハンドル、102…肘掛け部、104…フットレスト、106…背当て、108…連結孔、110…挿入孔、112…ボルト、P…使用者、M…交点

Claims (12)

  1. 車椅子の座シートを取り外した座面フレーム上に着脱自在に取り付ける起立補助装置であって、
    前記座面フレーム上に着脱自在に載置され、平行に配置された前側フレームと後側フレームとを連結フレームで連結した本体フレームと、
    前記本体フレーム上に設けられ、前記前側フレーム側に配置された前座部と前記後側フレーム側に配置された後座部とを有し、前記前座部と前記後座部とが蝶番で連結されると共に前記前座部の前端部が前記本体フレームの前端部に上下回動自在に支持された座部と、
    前記連結フレームに一端が回動自在に接続されるとともに前記後座部の下面中央に他端が回動自在に接続され、前記後座部の下面中央に回動力を付与して前記座部を上下回動させることにより、前記座部を前記本体フレームに対して平行な着座位置と前記本体フレームに対して前傾した立ち上がり位置との間で移動させる座部移動機構と、
    前記座部が前記蝶番の位置で下向きに逆反りするのを防止する逆反り防止手段と、
    前記連結フレームに一端が回動自在に支持されるとともに前記後座部の下面中央よりも後端側に他端が回動自在に支持され、前記座部を着座位置から立ち上がり位置に回動させたときに、前記後座部の後端側に前記座部の上向きの回動力に抗する抵抗力を付与する後座部前傾調整手段と、を備えた起立補助装置。
  2. 前記前側フレームと前記後側フレームとには、前記本体フレームの幅を調整するフレーム幅調整手段を有する請求項1に記載の起立補助装置。
  3. 前記前側フレームと前記後側フレームとには、前記車椅子の前記座面フレームに係合させる係合部材を有する請求項1又は2に記載の起立補助装置。
  4. 前記後座部前傾調整手段は、
    前記連結フレームの前記前側フレーム側に寄った上面に固定された第1軸支部と、
    前記後座部の前記下面中央よりも後端部側に寄った下面に固定された第2軸支部と、
    前記第1軸支部に一端が軸支されるとともに前記第2軸支部に他端が軸支され、棒状に形成されたガイドロットと、で構成され、
    前記前座部、前記後座部、前記座部の上下回動中心から前記第1軸支部との間の連結フレーム部分、及び前記ガイドロットを4つの節とした4節リンク構造を形成する請求項1から3の何れか1項に記載の起立補助装置。
  5. 前記座部移動機構は、
    前記後座部の下面中央に一端が回動自在に接続された第1リンク、及び前記第1リンクの他端に一端が回動自在に接続されると共に前記連結フレームに他端が接続された第2リンクを備えたリンク部材と、
    前記連結フレームにおける後端側の位置に一端が回動自在に接続されるとともに他端が前記本体フレームの下方に延びる保持部材と、
    前記保持部材の前記他端に一端が回動自在に接続されるとともに前記リンク部材に他端が回動自在に接続されたガススプリングと、
    前記ガススプリングによる前記リンク部材の移動を規制するロック機構と、を備え、
    前記ロック機構を解除した状態において、前記座部は前記リンク部材を介した前記ガススプリングの付勢力によって、前記着座位置から前記立ち上がり位置に移動可能である請求項1から4の何れか1項に記載の起立補助装置。
  6. 前記第1リンクの前記他端には、前記座部が前記立ち上がり位置から前記着座位置に移動する際に前記後座部に当接する突起部が設けられている請求項5に記載の起立補助装置。
  7. 前記ロック機構は、
    前記後側フレームに回動自在に設けられ、前記ガススプリングの付勢力による前記リンク部材の移動を規制するフックを有し、
    前記フックは、前記座部が前記立ち上がり位置から前記着座位置に移動する際に回動して前記リンク部材に係合する請求項5又は6に記載の起立補助装置。
  8. 前記保持部材は前記座部が前記着座位置にあるときに前記ガススプリングとともに前記連結フレームに垂直な位置から平行な収容位置へ回動自在である請求項5から7の何れか1項に記載の起立補助装置。
  9. 前記保持部材の前記一端には、前記保持部材が前記収容位置へ回動する際に前記フックに当接して前記フックの回動を規制する回動規制部が設けられている請求項7又は8に記載の起立補助装置。
  10. 前記保持部材の前記一端は、前記連結フレームの前方側の位置に固定して接続されている請求項5に記載の起立補助装置。
  11. 前記保持部材の前記他端には、前記ガススプリングの前記一端との接続位置を調節する位置調節部が設けられている請求項10に記載の起立補助装置。
  12. 車椅子本体の座面フレーム上に使用者が座る座シートが着脱自在に設けられた車椅子において、
    前記座シートを取り外した座面フレーム上に、請求項1から11の何れか1項に記載のの起立補助装置を取り付けてなる車椅子。
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