JP2019035200A - 建具 - Google Patents

建具 Download PDF

Info

Publication number
JP2019035200A
JP2019035200A JP2017155365A JP2017155365A JP2019035200A JP 2019035200 A JP2019035200 A JP 2019035200A JP 2017155365 A JP2017155365 A JP 2017155365A JP 2017155365 A JP2017155365 A JP 2017155365A JP 2019035200 A JP2019035200 A JP 2019035200A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
water stop
joinery
outdoor side
lower frame
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017155365A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6936654B2 (ja
Inventor
弘行 奥田
Hiroyuki Okuda
弘行 奥田
保前 茂男
Shigeo Hozen
茂男 保前
朋彦 白浜
Tomohiko Shirahama
朋彦 白浜
裕介 鎌野
Yusuke Kamano
裕介 鎌野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
YKK AP Inc
Original Assignee
YKK AP Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by YKK AP Inc filed Critical YKK AP Inc
Priority to JP2017155365A priority Critical patent/JP6936654B2/ja
Publication of JP2019035200A publication Critical patent/JP2019035200A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6936654B2 publication Critical patent/JP6936654B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Door And Window Frames Mounted To Openings (AREA)
  • Specific Sealing Or Ventilating Devices For Doors And Windows (AREA)

Abstract

【課題】開口枠の下枠に設けた排水口からの浸水を抑制することができる建具を提供する。【解決手段】建具10は、障子14,15を支持する開口枠12の下枠12bの室外側見付け面26に、開口枠12の内側に連通する排水口となる排水弁部品28を設けた構成である。建具10は、排水弁部品28を室外側から覆う止水位置と、止水位置から移動して排水弁部品28を覆った状態が解除される排水位置とに移動可能な止水部材42を下枠12bに設けている。【選択図】図2

Description

本発明は、開口枠の下枠に排水口を設けた建具に関する。
スライディング窓等の建具では、障子を支持する開口枠の内側に浸入した結露水等を室外に排出するための排水口を下枠の室外側見付け面に設けた構成が広く用いられている。例えば、特許文献1には、開口枠の内側から流出する結露水等によって開閉する排水弁部品を排水口に設けた構成が開示されている。
特許第5822645号公報
上記のような排水弁部品は、排水時以外は弁が閉じているため、室外側から建具に吹き付ける雨水等が室内側に浸入することをある程度防止できる。ところが、洪水等によって建具の室外側での水位が上昇し、排水口が水没するような状況では、弁周りのヒンジや隙間等から浸水を生じることがある。そうすると、浸入した水が建具の室内側へと流入し、室内への浸水被害を生じる懸念がある。
本発明は、上記従来技術の課題を考慮してなされたものであり、開口枠の下枠に設けた排水口からの浸水を抑制することができる建具を提供することを目的とする。
本発明に係る建具は、障子を支持する開口枠の下枠の室外側見付け面に、前記開口枠の内側に連通する排水口を設けた建具であって、前記排水口を室外側から覆う止水位置と、該止水位置から移動して前記排水口を覆った状態が解除される排水位置とに移動可能な止水部材を前記下枠に設けたことを特徴とする。
このような構成によれば、洪水等によって建具の室外側での水位が排水口を越えて上昇した場合であっても、止水位置となった止水部材で排水口を室外側から覆うことができる。その結果、当該建具は、排水口から開口枠の内側及び室内へと浸水被害を生じることを抑制できる。しかも止水部材は、通常時は排水口を覆った状態を解除した排水位置に配置されることで、排水口からの結露水等の排水が妨げられることもない。
本発明に係る建具において、前記止水部材は、その上端側が前記排水口の下方位置で前記下枠に取り付けられることで、前記排水口の下方に自重で垂れ下がるシート状部材であってもよい。そうすると、止水部材は、その開閉動作のための機構等を別途設けることなく、自重によって解放位置になると共に、水圧によって止水位置となって排水口を室外側から覆うことができる。
本発明に係る建具において、前記シート状部材の比重は、水の比重より小さいことが好ましい。そうすると、室外側で水位上昇する水によって止水部材が容易に浮上するため、止水部材を止水位置へと円滑に動作させることができる。
本発明に係る建具において、前記排水口の下方に垂れ下がった状態のシート状部材の室内側に配置される壁部材と、前記壁部材の室外側に設けられ、前記垂れ下がった状態のシート状部材と前記壁部材との間に介在し、前記シート状部材と前記壁部材との間に水が浸入可能な間隙を形成するガイド部材と、を備える構成であってもよい。そうすると、止水部材が水の水圧を受けて下枠の下方へと潜り込むことを防止でき、止水部材を円滑に止水位置へと動作させることができる。さらに、水が壁部材とガイド部材との間の間隙から止水部材の室内側へと円滑に回り込むため、止水部材が一層円滑に浮上すると共に、止水部材の壁部材への付着を防止できる。
本発明に係る建具において、前記ガイド部材は、上方から下方に向かって次第に室外側に向かって突出するように傾斜した傾斜部を有し、該傾斜部が前記垂れ下がった状態のシート状部材に当接配置される構成であってもよい。そうすると、止水部材は、排水位置においてガイド部材の傾斜部に沿って室外側に傾斜した姿勢で配置されるため、止水部材の止水位置への浮上が一層円滑なものとなる。
本発明に係る建具において、前記止水部材との間に隙間を設けた状態で、少なくとも前記止水部材の側方を室外側から囲む側面壁を有したカバー部材を備える構成であってもよい。そうすると、水の水勢が大きく、当該建具に水が波状に押し当たるような状況であっても、この波をカバー部材の側面壁で打ち消すことができ、止水部材が波打ち等を生じてばたつくことを防止できる。その結果、止水部材は、比較的穏やかにカバー部材内へと流入する水による水圧や浮力によって円滑に浮上して止水位置へと動作することができる。
本発明に係る建具は、障子を支持する開口枠の下枠の室外側見付け面に、前記開口枠の内側に連通する排水口を設けた建具であって、その上端側が前記排水口の下方位置で前記下枠に取り付けられることで、前記排水口の下方に自重で垂れ下がるシート状部材を備えることを特徴とする。
このような構成によれば、洪水等によって建具の室外側での水位が排水口を越えて上昇した場合であっても、自重によって垂れ下がっていた止水部材が水圧によって浮上して排水口を室外側から覆う。その結果、当該建具は、排水口から開口枠の内側及び室内へと浸水被害を生じることを抑制できる。
本発明の一態様によれば、開口枠の下枠に設けた排水口からの浸水を抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る建具を室外側から見た正面図である。 図1に示す建具の下部を拡大した縦断面図である。 排水弁部品の構成例を示す側面断面図である。 止水構造を設けた下枠の一部を拡大した正面図である。 下枠に止水部材、壁部材及びガイド部材を取り付けた状態での要部拡大斜視図である。 図5Aに示す状態から止水部材を取り除いた状態での要部拡大斜視図である。 図5Aに示す状態からカバー部材を取り付けた状態での要部拡大斜視図である。 止水構造の通常時の状態を示す要部拡大縦断面図である。 止水構造の止水時の状態を示す要部拡大縦断面図である。 止水構造の止水時の状態を室外側から見た要部拡大正面図である。 変形例に係る止水構造の通常時の状態を示す要部拡大縦断面図である。 図8Aに示す止水構造の止水時の状態を示す要部拡大縦断面図である。
以下、本発明に係る建具について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る建具10を室外側から見た正面図である。図2は、図1に示す建具10の下部を拡大した縦断面図である。
図1及び図2に示すように、建具10は、建物躯体11の開口部11aに固定される開口枠12と、開口枠12の内側で支持される障子14,15とを備える。本実施形態では、一方の障子14が開口枠12に嵌め殺され、他方の障子15が開口枠12にスライド可能に支持された片引き窓の建具10を例示する。
開口枠12は、上枠12aと、下枠12bと、左右の縦枠12c,12dとを四周枠組みすることで矩形の開口部を形成したものである。各枠12a〜12dは、例えばアルミニウム等の金属や塩化ビニル樹脂(PVC)等の樹脂の押出形材である。各枠12a〜12dは、例えば所定長さで端部を45度に切断した端部同士が適宜突き合わされ、互いに接合されることで開口枠12を構成している。各枠12a〜12dは、金属形材と樹脂形材とを組み合わせた複合構造でもよい。障子14,15は、框体14a,15aの内側に面材14b,15bを保持した構造である。
本出願において、見込み方向とは建具10の室内外方向、つまり室内側から室外側に向かう方向又はその逆方向(図中に矢印Yで示す方向)をいい、見込み面とは見込み方向に沿って延在する面をいう。見付け方向とは見込み方向に直交する方向であり、上下方向に長尺な縦枠12c等の場合はその長手方向に直交する左右方向(図中に矢印Xで示す方向)をいい、左右方向に長尺な上枠12a等の場合はその長手方向に直交する上下方向(図中に矢印Zで示す方向)をいう。見付け面とは見付け方向に沿った面をいう。枠状部材の内側(内周)とは、例えば開口枠12の枠内部分(開口部)をいう。枠状部材の外側(外周)とは、例えば建具10の建物躯体11に固定される枠外部分をいう。
図2に示すように、下枠12bは、障子14を保持する障子配置部16が内側見込み面の室外側に設けられ、障子15の戸車が転動可能に着地するレール18が内側見込み面の室内側に設けられている。上枠12aの内側見込み面にも、障子配置部16及びレール18と同様な構造が設けられている。
下枠12bは、室外側から室内側に向かって順に中空部20,21,22,23,24,25を有する。このうち、障子配置部16に対応する中空部21の上壁21aと、レール18の見込み方向両側に対応する中空部23,25の上壁23a,25aとには、結露水等の水W1が流通可能な孔部が形成されている。各中空部20〜25を仕切る各縦壁にも水W1が流通可能な孔部が形成されている。このため、障子14,15から流れ落ちた結露水等の水W1は、各上壁21a,23a,25aの孔部を通して各中空部20,23,25内に落下し、最も室外側の中空部20へと流入する。
下枠12bは、水W1が流入する中空部20の室外側壁となる室外側見付け面26に、排水弁部品28を有する。排水弁部品28は、室外側見付け面26に形成された矩形の孔部に嵌合装着され、水W1を外部に排出する排出口を構成する。図3に示すように、排水弁部品28は、水W1を流通可能に室内外方向に貫通した排水経路28aと、排水経路28aを開閉する弁28bとを筐体28cに設けた構造である。弁28bは、例えば矩形状のプレートであり、上端部左右にそれぞれ設けられたヒンジ28dを介して筐体28cに回動可能に軸支されている。弁28bは、通常時は自重或いは弾性体の付勢力によって排水経路28aを閉じており、水W1の水圧で室外側に押圧されることで開弁する(図3中に2点鎖線で示す弁28b参照)。排水弁部品28は、弁28bを持たずに排水経路28aが常時開口した構成等でもよい。排水弁部品28を省略し、下枠12bの室外側見付け面26に設けた開口自体を排水口として利用してもよい。
図2に示すように、下枠12bは、その外側見込み面の室内側端部から室内側に突出した第1取付片30と、その外側見込み面から下方に突出した第2取付片31とを有する。下枠12bは、第1取付片30が建物躯体11の上面(開口部11aの底面)に固定具32を介して固定され、第2取付片31が建物躯体11の室外側面に固定具32を介して固定される。これにより、下枠12bは、障子14を保持する障子配置部16を含む室外側部分が建物躯体11から室外側に張り出した姿勢で建物躯体11に固定される。下枠12bは、建物躯体11から突出した部分の外側見込み面にL字状の支持部材33や外壁部材34が取り付けられる。つまり本実施形態の建具10は、その室外側一部分が建物の外壁面(外壁部材34)よりも室外側に張り出した状態で設置される。
ところで、このような建具10は、大雨や洪水等によって室外側の水位が上昇し、排水弁部品28が水没するような状況となった場合、排水弁部品28及び排水弁部品28と下枠12bとの嵌合部の隙間を通して水が室内に浸入する可能性がある。そこで、本実施形態の建具10は、このような室外側から室内側への水の逆流を抑える止水構造40を備える。
図4は、止水構造40を設けた下枠12bの一部を拡大した正面図であり、下枠12bの排水弁部品28及びその周辺部を室外側から見た図である。
図1、図2及び図4に示すように、建具10は、室外側見付け面26に設けられた排水口となる排水弁部品28を室外側から囲繞可能な止水構造40を備える。止水構造40は、止水部材42と、壁部材44と、ガイド部材46と、カバー部材48とを備える。
図5Aは、下枠12bに止水部材42、壁部材44及びガイド部材46を取り付けた状態での要部拡大斜視図である。図5Bは、図5Aから止水部材42を取り除いた状態での要部拡大斜視図である。図5Cは、図5Aに示す状態からカバー部材48を取り付けた状態での要部拡大斜視図である。
図2、図4及び図5Aに示すように、止水部材42は、例えば自重によって下方に垂れ下がる柔軟性を持ったシート状部材である。止水部材42は、その比重が水の比重より小さく、水に浮く性質を有することが好ましい。止水部材42は、例えばシリコーンやゴム、樹脂等のシートで形成されている。
止水部材42は、その上端側が下枠12bの下面となる外側見込み面の室外側縁部50に左右一対のねじ52,52を用いて取り付けられている。具体的には、止水部材42は、下枠12bの下面側に対してその上端側が室外側から差し込まれた状態で、室外側縁部50にねじ止め固定されている。その結果、止水部材42は、通常時、下枠12bの室外側見付け面26及び排水弁部品28の下方に自重で垂れ下がった状態となる(図2及び図5A参照)。本実施形態の場合、下枠12bの室外側縁部50には壁部材44の取付板44aが固定される。このため、止水部材42は、取付板44aと室外側縁部50との間に挟持された状態で、室外側縁部50に対して取付板44aと共にねじ52で共締めされる。
このような止水部材42は、室外側縁部50の端部を支点として上方に捲れ上がった際に、排水弁部品28を室外側から完全に覆い隠しつつ密着することが可能な形状である。つまり止水部材42は、排水弁部品28よりも十分に大きな左右方向(X方向)の幅寸法と、上方に捲れ上がった際に排水弁部品28の上方まで覆うことができる上下方向(Z方向)の高さ寸法とを有する。
図2及び図5Bに示すように、壁部材44は、室内外方向の取付板44aと、上下方向の壁板44bとを有したアングル状部材である。壁部材44は、例えばステンレスやスチール、アルミニウム等の金属板を略L字状に屈曲させた部材である。取付板44aは、下枠12bの下面である室外側縁部50に対し、ねじ52で締結される部分である。壁板44bは、下枠12bの室外側見付け面26の下方で、室外側見付け面26に沿って垂下される。壁板44bは、自重で垂れ下がった止水部材42の室内側に配置され、止水部材42が下枠12bの下方に入り込むことを防止する。壁板44bは、室外側見付け面26よりも室外側に張り出した位置に設けられてもよい。
図2及び図5Bに示すように、ガイド部材46は、壁部材44の壁板44bの室外側面に左右一対設けられている。各ガイド部材46は、例えばステンレスやスチール、アルミニウム等の金属板を略U字状に屈曲させた部材である。各ガイド部材46は、U字の底板となる部分がねじ54を用いて壁板44bに締結される。各ガイド部材46は、U字の両側板となる部分の端面が上方から下方に向かって次第に室外側に向かって突出するように傾斜した傾斜部46aとなっている。つまり傾斜部46aは、上部から下部に向かって次第に室外側見付け面26から離間する方向に張り出しており、垂れ下がっている止水部材42の当接支持面となる。これにより、ガイド部材46は、室外側見付け面26及び排水弁部品28の下方に垂れ下がった状態の止水部材42の室内側面と、壁部材44の壁板44bとの間に介在し、止水部材42と壁板44bとの間に水が浸入可能な間隙Gを形成する。ガイド部材46は、間隙Gを形成可能であれば、傾斜部46aではなく、鉛直方向に延びた端面で止水部材42を当接支持する構成であってもよい。
図2、図5A及び図5Cに示すように、カバー部材48は、室内側面及び下面の2面が開口した箱状に構成されている。カバー部材48は、止水部材42の可動範囲に干渉しない隙間Cを設けた状態で止水部材42を室外側から囲う部品である。カバー部材48は、例えばステンレスやスチール、アルミニウム等で凸形状に形成した金属板の3面板を室内側に向かって折り曲げた構造である。カバー部材48は、止水部材42の上方を囲う上面壁48aと、止水部材42の3側方を囲う側面壁48b,48c,48dとを有する。
左右の側面壁48c,48dの室内側端部には、互いに離間する方向に屈曲された取付片48eがそれぞれ設けられている。各取付片48eには、ねじ56を挿通可能な貫通孔が形成されている。カバー部材48は、左右の側面壁48c,48dが止水部材42を跨いだ状態で設置され、各取付片48eがねじ56を用いて壁部材44の壁板44bに締結される。この取付状態では、カバー部材48は、上面壁48aの室内側端部が止水部材42及び排水弁部品28の上方で室外側見付け面26に当接配置され、左右の側面壁48c,48dの室内側端部が止水部材42を跨いだ位置で室外側見付け面26及び壁板44bに当接配置される。この際、カバー部材48の下面側には、隙間Gを外部と連通させる開口48fが形成される。なお、本実施形態の場合、下枠12bの室外側見付け面26の上方には、この室外側見付け面26と略面一に配置されたカバー片58がねじ59によってねじ止め固定されている。このため、上面壁48aの室内側端部は、実際にはカバー片58に当接配置される。カバー部材48は、例えば下枠12bの長手方向に延在し、左右の排水弁部品28をまとめて囲う構成でもよい。
次に、このような止水構造40による止水作用を説明する。図6Aは、止水構造40の通常時の状態を示す要部拡大縦断面図である。図6Bは、止水構造40の止水時の状態を示す要部拡大縦断面図である。図7は、止水構造40の止水時の状態を室外側から見た要部拡大正面図である。
先ず、図6Aに示すように、建具10の室外側に水が溢れていない通常時には、止水部材42は自重で下枠12bの室外側見付け面26及び排水弁部品28の下方に垂れ下がった状態にあり、その室内側面がガイド部材46の傾斜部46aに当接している。この状態では、止水部材42の室内側面と壁部材44の壁板44bとの間にはガイド部材46による間隙Gが形成されている。また、止水部材42の室外側面とカバー部材48の内面との間には隙間Cが設けられている。この際、止水部材42は、その上方及び側方がカバー部材48の上面壁48a及び側面壁48b〜48dで囲繞されている。このため、止水部材42はカバー部材48によって紫外線や風雨、鳥や人の接触等の外的要因から保護されている。
このような通常時、止水部材42は、室外側見付け面26及び排水弁部品28から離間して、排水弁部品28を覆わずに排水弁部品28からの排水を許容した排水位置にある。このため、例えば障子14,15で生じた結露水等の水W1は、排水弁部品28の排水経路28aから弁28bを押し開いて外部へと円滑に排水される(図2参照)。
次に、図6Bに示すように、大雨や洪水等によって建具10の室外側に水が溢れ、室外側での水位が上昇した場合、開口48f等からカバー部材48の内側の隙間Cへと水Wが流入する。その結果、カバー部材48の内側での水位が次第に上昇する。このため、水Wは、間隙Gから止水部材42の室内側に回り込みつつ、止水部材42を浮上させる。そうすると、止水部材42は、室外側縁部50の室外側端部を支点として図6B中で反時計方向に向かって上方に捲れ上がりつつ、水Wに対する浮力によって浮上する。例えば、排水弁部品28の中間高さ程度まで水Wの水位が上昇した場合、止水部材42は図6B中に2点鎖線で示すように水面に沿って浮きながら排水弁部品28の下半分に密着し、ここを覆った状態となる。
この際、当該建具10は、柔軟性を持ったシート状部材である止水部材42の裏面(室内側面)側に壁部材44を設けている。このため、止水部材42が水Wの水圧を受けて下枠12bの下方へと潜り込むことが防止される。また、当該建具10は、ガイド部材46によって止水部材42の裏面側と壁部材44との間に間隙Gを形成している。このため、水Wが間隙Gから止水部材42の裏側へと円滑に回り込み、止水部材42が一層円滑に浮上すると共に、止水部材42の壁板44bへの付着を防止できる。さらにガイド部材46は、傾斜部46aを有するため、止水部材42の室外側へと捲れながらの浮上が一層円滑なものとなる。
水位がさらに上昇し、例えば排水弁部品28を完全に水没させるような水位Wh以上になった場合には(図6B参照)、止水部材42は最も上方となる位置まで捲れ上がる。その結果、止水部材42は、水位Whとなった水Wの水圧によって下枠12bの室外側見付け面26及び排水弁部品28に密着し、排水弁部品28を室外側から完全に覆い隠した止水位置となる。これにより、排水弁部品28の弁28b回りの隙間、及び排水弁部品28と下枠12bとの嵌合部の隙間が止水部材42によって室外側から覆われる(図7も参照)。このため、水Wが排水弁部品28の弁28b回りの隙間(排水経路28a)、及びその周囲から開口枠12の内側へと浸入することが抑制され、室内に浸水被害を生じることを防止できる。
この際、本実施形態の止水部材42は、水の比重より小さい比重を有するシート状部材であるため、水上昇する水Wの水面上に確実に浮き上がりつつ排水弁部品28を隠すことができる。しかも当該建具10は、止水部材42を隙間Cを介して囲うカバー部材48を備える。このため、当該建具10は、水Wの水勢が大きく、建具10に水Wが波状に押し当たるような状況であっても、この波をカバー部材48(特に側面壁42b〜42d)で打ち消すことができ、止水部材42が波打ち等を生じてばたつくことがない。その結果、止水部材42は、比較的穏やかにカバー部材48内へと流入する水Wによる水圧や浮力によって円滑に浮上して排水弁部品28やその周囲の室外側見付け面26に密着することができる。
図8Aは、変形例に係る止水構造40Aの通常時の状態を示す要部拡大縦断面図である。図8Bは、図8Aに示す止水構造40Aの止水時の状態を示す要部拡大縦断面図である。
図8Aに示すように、止水構造40Aは、上記した止水部材42と略同形状且つ略同質のシート状部材である止水部材42Aを有する。止水部材42Aは、上記した止水部材42を予め上方に捲り上げ、その上端側をねじ60によって室外側見付け面26(図8Aではカバー片58)に締結した構造である。つまり止水部材42Aは、下端側が下枠12bの室外側縁部50にねじ52で固定され、上端側が下枠12bの室外側見付け面26にねじ60で固定されている。なお、図8Aに示す構成例では、ガイド部材46を省略しているが、さらに壁部材44を省略してもよい。
次に、このような止水構造40Aによる止水作用を説明する。先ず、図8Aに示すように、建具10の室外側に水が溢れていない通常時には、止水部材42Aは、下枠12bの室外側見付け面26及び排水弁部品28に密着せず、自重で帆状に撓んだ状態となっている。このような通常時、止水部材42Aは、室外側見付け面26及び排水弁部品28から離間して排水弁部品28からの排水を許容した排水位置にある。このため、例えば障子14,15で生じた結露水等の水W1は、排水弁部品28から止水部材42Aの左右両側に膨らむように形成された隙間から外部へと円滑に排水できる(図2参照)。
次に、図8Bに示すように、大雨や洪水等によって建具10の室外側に水が溢れ、室外側の水位が上昇した場合は、開口48f等からカバー部材48の内側の隙間Cへと水Wが流入する。その結果、カバー部材48の内側での水位が次第に上昇するため、水Wの水圧で止水部材42Aが室内側に向かって押圧される。このため、排水弁部品28及びその周辺部が下方から次第に止水部材42Aによって覆われる。そして、例えば排水弁部品28を完全に水没させるような水位Wh以上になった場合(図8B参照)、止水部材42Aは、水Wの水圧によって下枠12bの室外側見付け面26及び排水弁部品28に密着し、排水弁部品28を室外側から完全に覆い隠した止水位置となる。これにより、排水弁部品28及び排水弁部品28と下枠12bとの嵌合部の隙間が止水部材42Aによって室外側から覆われる。このため、水Wが排水弁部品28及びその周囲から開口枠12の内側へと浸入することが抑制され、室内に浸水被害を生じることを防止できる。
以上のように、本実施形態に係る建具10は、下枠12bの室外側見付け面26に排水口となる排水弁部品28を設けた構成において、排水弁部品28を室外側から覆う止水位置と、止水位置から移動して排水口を覆った状態が解除され、ここからの排水を許容した排水位置とに移動可能な止水部材42(42A)を備える。従って、当該建具10は、洪水等によって室外側での水位が排水口となる排水弁部品28を越えて上昇した場合であっても、止水位置となった止水部材42(42A)で排水口を室外側から覆って止水することができる。その結果、当該建具10は、排水口から開口枠12の内側及び室内へと浸水被害を生じることを抑制できる。なお、止水部材42(42A)による排水口の止水作用は、排水口からの浸水を完全に防ぐことができることが望ましいが、少なくとも止水部材42(42A)を持たない場合に比べて排水口からの浸水量を低減できればよい。
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。
上記実施形態では、片引き窓である建具10を例示したが、建具10は、引違い窓等の他のスライディング窓、開き窓等の回転窓、上げ下げ窓、嵌め殺し窓、ドア等であってもよい。また例えば障子14は、框体14aを持たず、面材14bを直接的に開口枠12で保持した構成の嵌め殺し構造とされてもよい。
上記実施形態では、止水構造40は、壁部材44とガイド部材46とを備えた構成を例示したが、いずれか一方のみを設けた構成としてもよい。すなわち、仮に壁部材44を省略したとしても、ガイド部材46によって壁部材44の壁板44bの機能を確保することも可能である。同様に、ガイド部材46を省略したとしても、壁部材44によってガイド部材46の機能を確保することも可能である。また、ガイド部材46を省略する場合、壁部材44は、壁板44bの角度を傾斜部46aと同様に構成してもよい。さらには、ガイド部材46を省略する場合、壁板44bに多数の孔部を形成するか若しくは壁板44bをパンチングメタルやメッシュ等で形成すると間隙Gと同様な効果を得ることができる。換言すれば、この構成では、壁部材44が実質的にガイド部材として機能することになる。
10 建具、11 建物躯体、11a 開口部、12 開口枠、12a 上枠、12b 下枠、12c,12d 縦枠、14,15 障子、20〜25 中空部、26 室外側見付け面、28 排水弁部品、28a 排水経路、40,40A 止水構造、42,42A 止水部材、44 壁部材、44a 取付板、44b 壁板、46 ガイド部材、46a 傾斜部、48 カバー部材、48a 上面壁、48b〜48d 側面壁、48f 開口、C 隙間、G 間隙

Claims (7)

  1. 障子を支持する開口枠の下枠の室外側見付け面に、前記開口枠の内側に連通する排水口を設けた建具であって、
    前記排水口を室外側から覆う止水位置と、該止水位置から移動して前記排水口を覆った状態が解除される排水位置とに移動可能な止水部材を前記下枠に設けたことを特徴とする建具。
  2. 請求項1に記載の建具において、
    前記止水部材は、その上端側が前記排水口の下方位置で前記下枠に取り付けられることで、前記排水口の下方に自重で垂れ下がるシート状部材であることを特徴とする建具。
  3. 請求項2に記載の建具において、
    前記止水部材の比重は、水の比重より小さいことを特徴とする建具。
  4. 請求項2又は3に記載の建具において、
    前記排水口の下方に垂れ下がった状態のシート状部材の室内側に配置される壁部材と、
    前記壁部材の室外側に設けられ、前記垂れ下がった状態のシート状部材と前記壁部材との間に介在し、前記シート状部材と前記壁部材との間に水が浸入可能な間隙を形成するガイド部材と、
    を備えることを特徴とする建具。
  5. 請求項4に記載の建具において、
    前記ガイド部材は、上方から下方に向かって次第に室外側に向かって突出するように傾斜した傾斜部を有し、該傾斜部が前記垂れ下がった状態のシート状部材に当接配置されることを特徴とする建具。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の建具において、
    前記止水部材との間に隙間を設けた状態で、少なくとも前記止水部材の側方を室外側から囲む側面壁を有したカバー部材を備えることを特徴とする建具。
  7. 障子を支持する開口枠の下枠の室外側見付け面に、前記開口枠の内側に連通する排水口を設けた建具であって、
    その上端側が前記排水口の下方位置で前記下枠に取り付けられることで、前記排水口の下方に自重で垂れ下がるシート状部材を備えることを特徴とする建具。
JP2017155365A 2017-08-10 2017-08-10 建具 Active JP6936654B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017155365A JP6936654B2 (ja) 2017-08-10 2017-08-10 建具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017155365A JP6936654B2 (ja) 2017-08-10 2017-08-10 建具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019035200A true JP2019035200A (ja) 2019-03-07
JP6936654B2 JP6936654B2 (ja) 2021-09-22

Family

ID=65636901

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017155365A Active JP6936654B2 (ja) 2017-08-10 2017-08-10 建具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6936654B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020169499A (ja) * 2019-04-03 2020-10-15 トヨタホーム株式会社 サッシ枠の設置構造

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020169499A (ja) * 2019-04-03 2020-10-15 トヨタホーム株式会社 サッシ枠の設置構造
JP7131749B2 (ja) 2019-04-03 2022-09-06 トヨタホーム株式会社 サッシ枠の設置構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP6936654B2 (ja) 2021-09-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2788786C (en) Floating flapper valve
JP5992864B2 (ja) 防水ドア構造及びドアの止水板
JP6613150B2 (ja) 止水構造
TWI768400B (zh) 排水裝置及門窗
JP6498011B2 (ja) 開口部の防水装置
JP2009293204A (ja) 固定サッシの結露排水構造
US20220145562A1 (en) Watertight structure for flap gate and flap gate comprising same
JP2019035200A (ja) 建具
RU2562122C2 (ru) Рама с улучшенными термоизоляционными свойствами для проемов зданий
JP7425838B2 (ja) 開口部建材
JP2017095999A (ja) 土台水切り
JP2009084911A (ja) 建具用弁装置及び建具
JP2021119275A (ja) 圧力差抑制装置
JP2018159209A (ja) 換気装置及び建具
JP4240491B2 (ja) 扉取付け用建具
JP2007285078A (ja) 免震建物
JP6644654B2 (ja) 建物開口部の上部排水構造
JP5075694B2 (ja) 建物の構造
JP4581710B2 (ja) 免震住宅の外壁部における縁切構造
JP2015227739A (ja) 空調ダクトの止水ダンパ
JP2014231679A (ja) サッシ構造
KR20190105316A (ko) 창틀 배수구멍 바람막이 장치
JP4838889B2 (ja) サッシ
JP7348371B2 (ja) 開閉装置
JP2014020169A (ja) 外壁開口上部目地の水処理構造及び水処理部材

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200403

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210122

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210202

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210405

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210803

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210827

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6936654

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150