JP2019027466A - メカニカルシール - Google Patents
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Abstract
【課題】両密封環の接触部を効果的に潤滑して、長期に亘ってシール機能を良好に発揮することができるメカニカルシールを提供する。【解決手段】メカニカルシールは、回転軸2に設けた第1密封環3の端面とシールケースに設けた第2密封環4の端面41との接触部Sが相対回転することにより、高圧液体領域Hと大気領域Lとを遮蔽シールするように構成されており、第1密封環3の端面には、前記接触部Sを高圧液体領域Hに連通する潤滑溝12が形成されると共に当該潤滑溝12を含めてダイヤモンド膜13が形成される。【選択図】図2
Description
本発明は、ポンプ等に装備されるメカニカルシールに関するものである。
従来、高圧条件下で使用される回転機器の軸封手段としては、一般に、回転軸に設けた密封環とシールケースに設けた密封環とが接触する状態で相対回転することにより、シール機能を発揮するように構成されたメカニカルシールが使用されている。
このようなメカニカルシールにあっては、例えば、特許文献1の図1に開示される如く、シールケースに設けた炭化珪素材製の固定用密封環の端面に、当該端面と回転軸に設けた回転用密封環の端面との接触部に高圧液体領域の液体を導入する潤滑溝を形成して、当該液体により当該接触部を潤滑させることによって、当該接触部の摩耗、発熱を可及的に抑制し、シール機能の維持や耐久性の向上を図っている。
しかし、潤滑溝から両密封環の接触部への液体導入による潤滑を十分に行うことができず、長期に亘って良好なシール機能を発揮させることが困難であった。
本発明は、このような問題を生じることなく、長期に亘ってシール機能を良好に発揮することができるメカニカルシールを提供することを目的とする。
本発明は、上記の目的を達成すべく、回転軸及びシールケースの一方に設けた第1密封環の端面とその他方に設けた第2密封環の端面との接触部が相対回転することにより、高圧液体領域と低圧流体領域とを遮蔽シールするように構成されており、第1密封環の端面には、前記接触部を高圧液体領域に連通する潤滑溝が形成されると共に当該潤滑溝を含めてダイヤモンド膜が形成されるメカニカルシールを提案する。
本発明のメカニカルシールにあって、ダイヤモンド膜には、不純物原子が導入されていても良い。
本発明のメカニカルシールにあっては、第1密封環の端面に潤滑溝を含めて極めて硬質で且つ表面が微細な凹凸面をなすダイヤモンド膜を形成しているから、第1密封環の端面の摩耗を可及的に防止することができ、更に高圧液体領域の液体を潤滑溝から両密封環の接触部に円滑に導入させると共に導入された液体を当該接触部に良好に浸透させることができる。したがって、本発明のメカニカルシールによれば、両密封環の接触部を極めて効果的に潤滑することができ、当該接触部における摩耗、発熱、損傷を効果的に抑制し得て、長期に亘って良好なシール機能を発揮させることができる。
以下、本発明に係るメカニカルシールの実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係るメカニカルシールの一例を示す断面図であり、図2は図1の要部を拡大して示す詳細図であり、図3は図2のX−X線に沿う断面図であり、図4は当該メカニカルシールの要部を取り出して示す、一部切り欠いた状態の斜視図である。
図1は本発明に係るメカニカルシールの一例を示す断面図であり、図2は図1の要部を拡大して示す詳細図であり、図3は図2のX−X線に沿う断面図であり、図4は当該メカニカルシールの要部を取り出して示す、一部切り欠いた状態の斜視図である。
図1に示すメカニカルシールは、シールケース1及び回転軸2の一方に設けた第1密封環としての回転環3とその他方に設けた第2密封環としての遊動環4とを具備する。メカニカルシールは、回転環3の端面31と遊動環4の端面としてのシール面41との接触部Sが相対回転することにより、高圧流体領域Hと低圧流体領域Lとを遮蔽シールするように構成されている。
本例に係るメカニカルシールは、ポンプ等の回転機器の軸封手段として使用される遊動環型である。メカニカルシールは、回転軸2に固定された第1密封環である回転環3と、シールケース1に保持環5を介して回転軸2の軸方向に移動可能に保持された第2密封環である遊動環4と、シールケース1にOリング8及びドライブピン9を介して軸方向に移動可能に且つ相対回転不能に保持された保持環5と、シールケース1と保持環5との間に装填されて、遊動環4を保持環5を介して回転環3へと押圧、附勢するスプリング部材6とを具備する。
シールケース1は、回転機器の軸封部ハウジング7に取り付けられた筒状構造体であって、当該回転機器の回転軸2が同心状に貫通している。
第1密封環である回転環3は、適宜の密封環材料、例えば、炭化珪素の焼結体又は超硬合金等のカーバイド材料で構成された円環状体であって、回転軸2に取り付けたスリーブ21に固定されている。回転環3の端面31は、軸線に直交する環状の平面に構成されている。
第2密封環である遊動環4は、回転環3と同質の密封環材料又はこれより軟質のカーボン等の密封環材料で構成された円環状体である。遊動環4は、図1に示す如く、保持環5と前記回転環3との間に位置しており、保持環5にドライブピン10及びOリング11を介して相対回転不能に連結されている。遊動環4のシール面41は、図2に示す如く、軸線に直交する環状の平面に構成されており、その全面が固定環3の端面31に接触してシールする面とされている。
回転環3の端面31は、図2〜図4に示す如く、遊動環4の端面であるシール面41(以下「相手シール面41」ともいう)と接触するシール面31aと、当該相手シール面41と接触せず、シール面31aよりも外周側に位置する外周側非シール面31bと、相手シール面41と接触せず、シール面31aよりも内周側に位置する内周側非シール面31cとからなる。
すなわち、回転環3の端面31は、図2に示す如く、その外径を相手シール面41の外径より大径とすると共に、その内径を当該相手シール面41の内径より小径としたものである。端面31は、相手シール面41と内外径を同一する部分をシール面31aとし、当該シール面31aの外周側部分を外周側非シール面31bとし、当該シール面31aの内周側部分を内周側非シール面31cとするものである。
すなわち、回転環3の端面31は、図2に示す如く、その外径を相手シール面41の外径より大径とすると共に、その内径を当該相手シール面41の内径より小径としたものである。端面31は、相手シール面41と内外径を同一する部分をシール面31aとし、当該シール面31aの外周側部分を外周側非シール面31bとし、当該シール面31aの内周側部分を内周側非シール面31cとするものである。
上記のメカニカルシールは、回転環3のシール面31aと遊動環4のシール面41とが接触しつつ相対回転することにより、その接触部Sの外周側領域である高圧流体領域Hとその内周側領域である低圧流体領域Lとを遮蔽シールするように構成されている。高圧流体領域Hは当該回転機器の機内領域である被密封流体領域であり、低圧流体領域Lは回転機器の機外領域である非密封流体領域であり、この例では大気領域である。
而して、回転環3の端面31には、図2〜図4に示す如く、両密封環3,4の接触部Sを高圧流体領域Hに連通する潤滑溝12が形成されている。潤滑溝12は一般的にハイドロカットと呼ばれるものであり、この例の潤滑溝12は、図3に示す如く、回転環3の端面31におけるシール面31a及び外周側非シール面31bにわたって形成される。より具体的には、回転環3の外周の一部を通過する直線部3Aと、外周側非シール面31bの外周縁部分である円弧部3Bとで形成された領域を軸方向に所定の深さに切り欠いてなる。また、潤滑溝12は、当該端面31において、一定間隔ごとに複数形成されている。
図2に示すように、各潤滑溝12は、回転環3の軸線に直交する扇形状の平面である底面12aと、当該底面12aに直交する帯状の平面であって当該底面12aとシール面31及び外周側非シール面32とを連結する段差面12bとからなる。また、各潤滑溝12は、両密封環3,4の接触部Sの外周部分を高圧流体領域Hに連通して、高圧流体領域Hの流体を当該接触部Sに導入するものである。
図2に示すように、各潤滑溝12は、回転環3の軸線に直交する扇形状の平面である底面12aと、当該底面12aに直交する帯状の平面であって当該底面12aとシール面31及び外周側非シール面32とを連結する段差面12bとからなる。また、各潤滑溝12は、両密封環3,4の接触部Sの外周部分を高圧流体領域Hに連通して、高圧流体領域Hの流体を当該接触部Sに導入するものである。
また、回転環3の端面31には、シール面31a、各潤滑溝12の底面12a、及び各潤滑溝12の段差面12bを含めてダイヤモンド膜13が一連に形成されている。すなわち、ダイヤモンド膜13は、図2〜図4に示す如く、シール面31aにおける各潤滑溝12が形成された領域を除く領域31Aを被覆する第1ダイヤモンド膜13aと、外周側非シール面31bにおける各潤滑溝12が形成された領域を除く領域31Bを被覆し、第1ダイヤモンド膜13aに連なる第2ダイヤモンド膜13bと、内周側非シール面31cの領域31Cを被覆し、第1ダイヤモンド膜13aに連なる第3ダイヤモンド膜13cと、各潤滑溝12の段差面12bを被覆し、第1及び第2ダイヤモンド膜13a,13bに連なる第4ダイヤモンド膜13dと、各潤滑溝12の底面12aを被覆し、第4ダイヤモンド膜13dを介して第1及び第2ダイヤモンド膜13a,13bに連なる第5ダイヤモンド膜13eとからなる。
ここで、ダイヤモンド膜13の表面粗さは、0.1μmRa以上、0.2μmRa以下である。一方、回転環3を形成する炭化珪素の表面粗さは、0.01μmRa以上、0.1μmRa以下である。表面粗さの測定は、ダイヤモンド膜13が形成された回転環3の表面に検出器を接触させて行われる。
なお、本実施形態に係るダイヤモンド膜13には、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)が含まれる。また、ダイヤモンド膜13の形成は、熱フィラメント化学蒸着法、マイクロ波プラズマ化学蒸着法、高周波プラズマ法、直流放電プラズマ法、アーク放電プラズマジェット法、燃焼炎法等のコーティング方法等によって行われる。
ここで、ダイヤモンド膜13の表面粗さは、0.1μmRa以上、0.2μmRa以下である。一方、回転環3を形成する炭化珪素の表面粗さは、0.01μmRa以上、0.1μmRa以下である。表面粗さの測定は、ダイヤモンド膜13が形成された回転環3の表面に検出器を接触させて行われる。
なお、本実施形態に係るダイヤモンド膜13には、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)が含まれる。また、ダイヤモンド膜13の形成は、熱フィラメント化学蒸着法、マイクロ波プラズマ化学蒸着法、高周波プラズマ法、直流放電プラズマ法、アーク放電プラズマジェット法、燃焼炎法等のコーティング方法等によって行われる。
以上のように構成されたメカニカルシールにあっては、回転環3のシール面31aが当該回転環3の母材(炭化珪素等の密封環材料)より硬質の第1ダイヤモンド膜13aで被覆されているから、相手シール面41との接触による当該シール面31aの摩耗、損傷が可及的に防止される。そして、両密封環3,4の接触部Sには各潤滑溝12から高圧流体領域Hの流体が導入されることから、当該接触部Sが潤滑されて、回転環3のシール面31a、及び遊動環4のシール面41の接触による発熱、摩耗、損傷が効果的に防止される。
ここで、図5(A)はダイヤモンド膜13の表面を1000倍に拡大して示す顕微鏡写真であり、図5(B)はダイヤモンド膜を形成しない炭化珪素製固定環3の端面31を1000倍に拡大して示す顕微鏡写真である。図5の顕微鏡写真からも明らかなように、シール面31a及び各潤滑溝12の底面12a及び段差面12bに、ダイヤモンド膜13(第1ダイヤモンド膜13a、第4ダイヤモンド膜13d、及び第5ダイヤモンド膜13e)が形成されることによって、ダイヤモンド膜13を形成しない場合に比して、大きな凹凸形状を呈しており、表面粗さが大きくなっている。
したがって、回転環3のシール面31aに形成されたダイヤモンド膜13によってシール面31aに微細な凹凸が生じているために、回転環3のシール面31aと遊動環4のシール面41との接触部Sには微細なクリアランスが形成されることになる。その結果、ダイヤモンド膜13を形成しない場合に比して、各潤滑溝12から導入された高圧流体領域Hの流体が、当該クリアランスによりシール面31a,41間に円滑且つ均一に浸透することになる。したがって、両密封環3,4の接触部Sにおける潤滑は、ダイヤモンド膜13を形成しない場合に比してより効果的に行われる。
さらに、流体が水等の液体である場合、各潤滑溝12の底面12a、及び段差面12bは、ダイヤモンド膜13が形成されることにより微細な凹凸面となっているため、ダイヤモンド膜を形成しない場合に比して、液体の濡れ性が小さくなる。その結果、各潤滑溝12の底面12a、及び段差面12bにダイヤモンド膜13を形成しない場合に比して、液体流動がより円滑に行われ、高圧流体領域Hから当該潤滑溝12への液体の取り込み量が多くなる。したがって、当該潤滑溝12から両密封環3,4の接触部Sへの単位時間当たりの液体導入量が増大することになる。よって、回転環3のシール面31a、及び遊動環4のシール面41間の接触部Sにおける潤滑が極めて良好に行われる。
ところで、各潤滑溝12の底面12a及び段差面12bにダイヤモンド膜13を形成した上記構成の本発明に係るメカニカルシールと、これら底面12a及び段差面12bにダイヤモンド膜13を形成しない点を除いて当該メカニカルシールと同一構成をなす比較例メカニカルシールとを使用して、同一のメカニカルシール負荷条件(圧力:2.5MPaG、周速:48m/s)下で、当該潤滑溝12から両密封環3,4の接触部Sへの単位時間当たりの液体導入量を測定した。その結果は、ダイヤモンド膜13が形成されていないメカニカルシール(比較例)においては液体導入量が約40ml/hであるのに対し、ダイヤモンド膜13が形成されている本発明に係るメカニカルシールでは液体導入量が約60ml/hであった。この測定結果から、各潤滑溝12の底面12a及び段差面12bにダイヤモンド膜13を形成することによって、回転環3のシール面31a、及び遊動環4のシール面41間の接触部Sにおける潤滑が極めて良好に行われることが確認された。
以上のように、上記したメカニカルシールによれば、両密封環3,4の接触部Sを極めて良好に潤滑することができ、回転環3のシール面31a、及び遊動環4のシール面41の接触による発熱、摩耗、損傷を効果的に防止して長期に亘って良好なシール機能を発揮することができる。
本発明に係るメカニカルシールの構成は、上記した実施の形態に限定されず、本発明の基本原理を逸脱しない範囲において適宜に改良、変更することができる。例えば、上記した実施の形態では、ダイヤモンド膜13及び潤滑溝12を形成する第1密封環を回転軸2に設けた密封環(回転環3)としたが、この第1密封環をシールケース1側に設けた密封環としてもよい。上記した実施の形態において、遊動環4のシール面41に潤滑溝12を形成すると共に、当該シール面41に潤滑溝12を含めてダイヤモンド膜13を形成しておくことができる。
また、上記した実施の形態にあっては、第1密封環である回転環3の端面31を相手シール面41と接触するシール面31aと、相手シール面41と接触しない外周側非シール面31b及び内周側シール面31cとからなるものとしたが、本発明は両非シール面31b,31cの一方又は両方が存在しないメカニカルシールにも適用することができる。すなわち、第1密封環の端面(例えば回転環3の端面31)の外径が第2密封環の端面(例えば遊動環4のシール面41)の外径と同一又は小径であるメカニカルシールや、当該第1密封環の端面の内径が当該第2密封環の端面の内径と同一又は大径であるメカニカルシールにも本発明を適用することができる。
また、本発明は、第2密封環(又は第1密封環)を、上記した如く、シールケース2に保持環5を介して保持した遊動環4とする遊動環型メカニカルシールに限定されず、シールケースに第2密封環(又は第1密封環)が保持環5を介することなく直接に保持されたメカニカルシールにも適用することができる。また、本発明は、両密封環3,4の接触部Sの外周側領域が高圧流体領域Hである被密封流体領域となるインサイド形メカニカルシールに限定されず、当該接触部Sの内周側領域が被密封流体領域(高圧液体領域)となるアウトサイド形のメカニカルシールにも適用することができる。
また、潤滑溝12の形状及び数は任意であり、上記した実施の形態に限定されない。例えば、潤滑溝12は、接触部Sの外周側領域が高圧流体領域Hである場合においては、第1密封環の端面(例えば、回転環3の端面31)における外周部分をこれに沿う円環状に切り欠いてなるものとすることができ、接触部Sの内周側領域が高圧流体領域Hである場合においては、当該第1密封環の端面における内周部分をこれに沿う円環状に切り欠いてなるものとすることができる。また、潤滑溝を形成しない第2密封環の端面(例えば、遊動環4のシール面41)にも、第1密封環の端面31と接触するシール面を含めてダイヤモンド膜を形成しておくことができる。
また、ダイヤモンド膜13には、例えばケイ素やホウ素等の不純物原子を導入させても良い。この場合、不純物が導入されたダイヤモンド膜13の表面粗さは、0.2μmRa以上、0.3μmRa以下となることから、上述した実施形態におけるダイヤモンド膜13の表面粗さよりも粗くなる。このことから、単位時間当たりの液体導入量が増大することになる。よって、回転環3のシール面31a、及び遊動環4のシール面41間の接触部Sにおける潤滑が極めて良好に行われる。
1 シールケース
2 回転軸
3 回転環(第1密封環)
4 遊動環(第2密封環)
12 潤滑溝
13 ダイヤモンド膜
31 端面
41 シール面
H 高圧流体領域
L 低圧流体領域
S 接触部
2 回転軸
3 回転環(第1密封環)
4 遊動環(第2密封環)
12 潤滑溝
13 ダイヤモンド膜
31 端面
41 シール面
H 高圧流体領域
L 低圧流体領域
S 接触部
Claims (2)
- 回転軸及びシールケースのいずれか一方に設けられた第1密封環の端面と、他方に設けられた第2密封環の端面との接触部が相対回転することにより、高圧流体領域と低圧流体領域とを遮蔽シールするように構成されており、
第1密封環または第2密封環の端面は、前記接触部を高圧流体領域に連通する潤滑溝を備え、
前記第1密封環または第2密封環には、ダイヤモンド膜が形成されるメカニカルシール。 - 前記ダイヤモンド膜には、不純物原子が導入される請求項1記載のメカニカルシール。
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