JP2019026827A - 炭素材料前駆体、それを含有する炭素材料前駆体組成物、及びそれらを用いた炭素材料の製造方法 - Google Patents

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【課題】アクリルアミド系共重合体からなり、高い炭化収率を有する炭素材料前駆体、それを含有する炭素材料前駆体組成物、及びそれらを用いた炭素材料の製造方法を提供すること。【解決手段】アクリルアミド系モノマー単位50〜99.9モル%とシアン化ビニル系モノマー単位0.1〜50モル%とを含有するアクリルアミド/シアン化ビニル系共重合体からなることを特徴とする炭素材料前駆体、前記炭素材料前駆体と、酸及びその塩からなる群から選択される少なくとも1種の添加成分とを含有することを特徴とする炭素材料前駆体組成物、並びに、前記炭素材料前駆体又は前記炭素材料前駆体組成物に、必要に応じて耐炎化処理を施した後、炭化処理を施すことを特徴とする炭素材料の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、炭素材料前駆体、それを含有する炭素材料前駆体組成物、及びそれらを用いた炭素材料の製造方法に関する。
炭素材料の1種である炭素繊維の製造方法としては、従来から、ポリアクリロニトリルを紡糸して得られる炭素繊維前駆体に耐炎化処理を施した後、炭化処理を施す方法が主として採用されている(例えば、特公昭37−4405号公報(特許文献1)、特開2015−74844号公報(特許文献2)、特開2016−40419号公報(特許文献3)、特開2016−113726号公報(特許文献4))。この方法に用いられるポリアクリロニトリルは安価な汎用溶媒に溶解しにくいため、重合や紡糸の際に、ジメチルスルホキシドやN,N−ジメチルアセトアミド等の高価な溶媒を使用する必要があり、炭素繊維の製造コストが高くなるという問題があった。
一方、ポリアクリルアミドは水溶性のポリマーであり、重合や成形加工(フィルム化、シート化、紡糸等)の際に、安価で環境負荷の小さい水を溶媒として使用することができるため、炭素材料の製造コストの削減が期待される。
また、特開2013−103992号公報(特許文献5)には、アクリロニトリル単位96〜97.5質量部と、アクリルアミド単位2.5〜4質量部と、カルボン酸含有ビニルモノマー0.01〜0.5質量部とからなるポリアクリロニトリル系共重合体からなる炭素材料前駆体繊維が記載されている。
特公昭37−4405号公報 特開2015−74844号公報 特開2016−40419号公報 特開2016−113726号公報 特開2013−103992号公報
しかしながら、ポリアクリルアミドを用いて作製した炭素材料前駆体は炭化収率が低いという問題があった。また、特許文献5に記載のポリアクリロニトリル系共重合体は、アクリルアミド単位を含有するものの、水には不溶であり、重合や成形加工の際に、N,N−ジメチルアセトアミド等の高価な溶媒を使用する必要があるため、炭素繊維の製造コストが高くなるという問題があった。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、アクリルアミド系共重合体からなり、高い炭化収率を有する炭素材料前駆体、それを含有する炭素材料前駆体組成物、及びそれらを用いた炭素材料の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、アクリルアミド系モノマー単位とシアン化ビニル系モノマー単位とを特定の割合で含有するアクリルアミド/シアン化ビニル系共重合体を用いることによって、水性溶媒又は水系混合溶媒に対する可溶性と高い炭化収率とを兼ね備えた炭素材料前駆体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の炭素材料前駆体は、アクリルアミド系モノマー単位50〜99.9モル%とシアン化ビニル系モノマー単位0.1〜50モル%とを含有するアクリルアミド/シアン化ビニル系共重合体からなることを特徴とするものである。このような炭素材料前駆体において、前記アクリルアミド/シアン化ビニル系共重合体は水性溶媒又は水系混合溶媒に可溶であることが好ましい。
また、本発明の炭素材料前駆体組成物は、前記本発明の炭素材料前駆体と、酸及びその塩からなる群から選択される少なくとも1種の添加成分とを含有することを特徴とするものである。このような炭素材料前駆体組成物において、前記添加成分の含有量は前記炭素材料前駆体100質量部に対して0.1〜40質量部であることが好ましい。
さらに、本発明の炭素材料の製造方法は、前記本発明の炭素材料前駆体又は前記本発明の炭素材料前駆体組成物に炭化処理を施すことを特徴とする。また、本発明の炭素材料の製造方法においては、前記炭化処理の前に、前記炭素材料前駆体又は前記炭素材料前駆体組成物に耐炎化処理を施すことが好ましい。
なお、本発明において、水性溶液とは、溶媒として水性溶媒(水、アルコール等、及びこれらの混合溶媒)を含有する溶液であり、水系混合溶液とは、溶媒として水系混合溶媒(前記水性溶媒と有機溶媒(テトラヒドロフラン等)との混合溶媒)を含有する溶液である。また、前記水系混合溶媒中の有機溶媒の含有量としては、前記水性溶媒に不溶又は難溶なアクリルアミド/シアン化ビニル系共重合体が有機溶媒を混合することによって溶解する量であれば特に制限はない。
また、本発明の炭素材料前駆体が高い炭化収率を示す理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、本発明の炭素材料前駆体においては、シアン化ビニル系モノマー単位が存在することによって、加熱処理において、アクリルアミド系モノマー単位同士による環化反応よりも、アクリルアミド系モノマー単位とシアン化ビニル系モノマー単位による環化反応や、シアン化ビニル系モノマー単位同士による環化反応が優先的に進行することにより、ポリマー鎖に剛直な環状構造が導入されて耐熱性が向上し、また、このような環状構造によって、ポリマー鎖の末端からの連鎖的な熱分解が抑制されることにより、熱安定性が向上するため、炭化収率が向上すると推察される。さらに、本発明の炭素材料前駆体組成物においては、添加成分である酸やその塩がアクリルアミド系モノマー単位同士の脱水反応を触媒することにより環状構造が形成され、アクリルアミド/シアン化ビニル系共重合体の構造が耐熱性の高い構造に変換されるため、炭素材料前駆体の炭化収率が更に高くなると推察される。
本発明によれば、アクリルアミド系共重合体からなり、高い炭化収率を有する炭素材料前駆体を得ることが可能となる。また、このような本発明の炭素材料前駆体を用いることによって、低コストで安全な水性溶媒又は水系混合溶媒を用いて効率よく炭素材料を製造することが可能となる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
〔炭素材料前駆体〕
先ず、本発明の炭素材料前駆体について説明する。本発明の炭素材料前駆体は、アクリルアミド系モノマー単位50〜99.9モル%とシアン化ビニル系モノマー単位0.1〜50モル%とを含有するアクリルアミド/シアン化ビニル系共重合体からなるものである。
(アクリルアミド/シアン化ビニル系共重合体)
本発明に用いられるアクリルアミド/シアン化ビニル系共重合体は、全モノマー単位100モル%に対して、アクリルアミド系モノマー単位を50〜99.9モル%の割合で、シアン化ビニル系モノマー単位を0.1〜50モル%の割合で含有するものである。このようなアクリルアミド/シアン化ビニル系共重合体は水性溶媒又は水系混合溶媒に可溶である。一方、アクリルアミド系モノマー単位の割合が前記下限未満になると(シアン化ビニル系モノマー単位が前記上限を超えると)、アクリルアミド/シアン化ビニル系共重合体が水性溶媒又は水系混合溶媒に溶解しない。他方、アクリルアミド系モノマー単位の割合が前記上限を超えると(シアン化ビニル系モノマー単位が前記下限未満になると)、高い炭化収率を有する炭素材料前駆体が得られない。さらに、前記共重合体の水性溶媒又は水系混合溶媒に対する可溶性の観点から、アクリルアミド系モノマー単位の含有量の下限としては、60モル%以上が好ましく、70モル%以上がより好ましく、シアン化ビニル系モノマー単位の含有量の上限としては、40モル%以下が好ましく、30モル%以下がより好ましい。また、炭素材料前駆体の炭化収率が向上するという観点から、アクリルアミド系モノマー単位の含有量の上限としては、99モル%以下が好ましく、97モル%以下がより好ましく、95モル%以下が更に好ましく、90モル%以下が特に好ましく、シアン化ビニル系モノマー単位の含有量の下限としては、1モル%以上が好ましく、3モル%以上がより好ましく、5モル%以上が更に好ましく、10モル%以上が特に好ましい。
前記アクリルアミド系モノマーとしては、例えば、アクリルアミド;N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−n−プロピルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−n−ブチルアクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド等のN−アルキルアクリルアミド;N−シクロヘキシルアクリルアミド等のN−シクロアルキルアクリルアミド;N,N−ジメチルアクリルアミド等のジアルキルアクリルアミド;ジメチルアミノエチルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド等のジアルキルアミノアルキルアクリルアミド;N−(ヒドロキシメチル)アクリルアミド、N−(ヒドロキシエチル)アクリルアミド等のヒドロキシアルキルアクリルアミド;N−フェニルアクリルアミド等のN−アリールアクリルアミド;ジアセトンアクリルアミド;N,N’−メチレンビスアクリルアミド等のN,N’−アルキレンビスアクリルアミド;メタクリルアミド;N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−n−プロピルメタクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、N−n−ブチルメタクリルアミド、N−tert−ブチルメタクリルアミド等のN−アルキルメタクリルアミド;N−シクロヘキシルメタクリルアミド等のN−シクロアルキルメタクリルアミド;N,N−ジメチルメタクリルアミド等のジアルキルメタクリルアミド;ジメチルアミノエチルメタクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド等のジアルキルアミノアルキルメタクリルアミド;N−(ヒドロキシメチル)メタクリルアミド、N−(ヒドロキシエチル)メタクリルアミド等のヒドロキシアルキルメタクリルアミド;N−フェニルメタクリルアミド等のN−アリールメタクリルアミド;ジアセトンメタクリルアミド;N,N’−メチレンビスメタクリルアミド等のN,N’−アルキレンビスメタクリルアミドが挙げられる。これらのアクリルアミド系モノマーは1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。また、これらのアクリルアミド系モノマーの中でも、水性溶媒又は水系混合溶媒への溶解性が高いという観点から、アクリルアミド;ジアルキルアクリルアミド、メタクリルアミド、ジアルキルメタクリルアミドが好ましく、アクリルアミドが特に好ましい。
前記シアン化ビニル系モノマーとしては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、2−ヒドロキシエチルアクリロニトリル、クロロアクリロニトリル、クロロメタクリロニトリル、メトキシアクリロニトリル、メトキシメタクリロニトリルが挙げられる。これらのシアン化ビニル系モノマーは1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。また、これらのシアン化ビニル系モノマーの中でも、炭素材料前駆体の炭化収率が向上するという観点から、アクリロニトリルが好ましい。
また、本発明に用いられるアクリルアミド/シアン化ビニル系共重合体においては、本発明の効果を損なわない範囲において、アクリルアミド系モノマー単位及びシアン化ビニル系モノマー単位以外の他の重合性モノマー単位が含まれていてもよい。このような他の重合性モノマー単位の含有量としては、アクリルアミド/シアン化ビニル系共重合体の全モノマー単位に対して、49.9モル%以下が好ましく、40モル%以下がより好ましく、30モル%以下が更に好ましい。前記他の重合性モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸及びその塩;無水マレイン酸、イタコン酸無水物等の不飽和カルボン酸無水物;アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル等の不飽和カルボン酸エステル;スチレン、α−メチルスチレン、塩化ビニル、ビニルアルコール等のビニル系モノマー;エチレン、プロピレン等のオレフィン系モノマーが挙げられる。
このようなアクリルアミド/シアン化ビニル系共重合体からなる本発明の炭素材料前駆体を製造する方法としては、溶液重合、懸濁重合、沈殿重合、分散重合、乳化重合(例えば、逆相乳化重合)等の公知の重合方法を採用することができる。溶液重合を採用する場合、溶媒としては、原料のモノマー及び得られるアクリルアミド/シアン化ビニル系共重合体が溶解するものであれば特に制限はないが、低コストで安全に製造できるという観点から、前記水性溶媒(水、アルコール等、及びこれらの混合溶媒等)又は前記水系混合溶媒(前記水性溶媒と有機溶媒(テトラヒドロフラン等)との混合溶媒)を使用することが好ましく、前記水性溶媒を使用することがより好ましく、水を使用することが特に好ましい。また、重合開始剤としては従来公知の重合開始剤を使用することができるが、溶媒として前記水性溶媒又は前記水系混合溶媒を使用する場合には、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の前記水性溶媒又は前記水系混合溶媒(好ましくは前記水性溶媒、より好ましくは水)に可溶なラジカル重合開始剤が好ましい。
〔炭素材料前駆体組成物〕
次に、本発明の炭素材料前駆体組成物について説明する。本発明の炭素材料前駆体組成物は、前記本発明の炭素材料前駆体と、酸及びその塩からなる群から選択される少なくとも1種の添加成分とを含有するものである。本発明の炭素材料前駆体に、酸及びその塩からなる群から選択される少なくとも1種の添加成分を添加することによって、炭化収率が更に向上する。
本発明の炭素材料前駆体組成物において、このような添加成分の含有量としては、炭化収率がより向上するという観点から、前記炭素材料前駆体100質量部に対して0.1〜40質量部が好ましく、0.1〜30質量部がより好ましく、0.2〜25質量部が更に好ましく、0.3〜20質量部が特に好ましい。
前記酸としては、リン酸、ポリリン酸、ホウ酸、ポリホウ酸、硫酸、硝酸、炭酸、塩酸等の無機酸、シュウ酸、クエン酸、スルホン酸、酢酸等の有機酸が挙げられる。また、このような酸の塩としては、金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩)、アンモニウム塩、アミン塩等が挙げられ、アンモニウム塩、アミン塩が好ましく、アンモニウム塩がより好ましい。特に、これらの添加成分のうち、得られる炭素材料前駆体の炭化収率が更に向上するという観点から、リン酸、ポリリン酸、ホウ酸、ポリホウ酸、硫酸、及びこれらのアンモニウム塩が好ましく、リン酸、ポリリン酸、及びこれらのアンモニウム塩が特に好ましい。
このような本発明の炭素材料前駆体組成物を製造する方法としては、溶融状態の前記炭素材料前駆体に前記添加成分を直接混合する方法(溶融混合)、前記炭素材料前駆体と前記添加成分とをドライブレンドする方法(乾式混合)、前記添加成分を含有する水性溶液又は水系混合溶液、或いは前記炭素材料前駆体は完全溶解していないが前記添加成分は溶解している溶液に所望の形状(例えば、フィルム状、シート状、繊維状)に成形した前記炭素材料前駆体を浸漬したり、通過させたりする方法等を採用することも可能であるが、使用する前記炭素材料前駆体及び前記添加成分が前記水性溶媒又は前記水系混合溶媒に可溶であり、前記炭素材料前駆体と前記添加成分とを均一に混合することができるという観点から、前記炭素材料前駆体と前記添加成分とを前記水性溶媒又は前記水系混合溶媒中で混合する方法(湿式混合)が好ましい。また、湿式混合としては、前記炭素材料前駆体の製造に際し、前述の重合を前記水性溶媒中又は前記水系混合溶媒中で行なった場合に、重合後等に前記添加成分を混合する方法も採用することができる。さらに、得られる溶液から前記溶媒を除去することによって本発明の炭素材料前駆体組成物を回収し、これを後述する炭素材料の製造に用いることができるほか、前記溶媒を除去することなく、得られる溶液をそのまま後述する炭素材料の製造に用いることもできる。また、前記湿式混合においては、より低コストで安全に炭素材料前駆体組成物を製造できるという観点から、溶媒として前記水性溶媒を使用することが好ましく、水を使用することがより好ましい。さらに、前記溶媒を除去する方法としては特に制限はなく、減圧留去、再沈殿、熱風乾燥、真空乾燥、凍結乾燥等の公知の方法のうちの少なくとも1つの方法を採用することができる。
〔炭素材料の製造方法〕
次に、本発明の炭素材料の製造方法について説明する。本発明の炭素材料の製造方法としては、前記本発明の炭素材料前駆体又は前記本発明の炭素材料前駆体組成物に、直接炭化処理を施すことも可能であるが、耐炎化処理を施し、次いで、炭化処理を施すことが好ましい。
本発明の炭素材料の好ましい製造方法においては、先ず、本発明の炭素材料前駆体又は炭素材料前駆体組成物に酸化性雰囲気下(例えば、空気中)で加熱処理を施す(耐炎化処理)。これにより、アクリルアミド系モノマー単位とシアン化ビニル系モノマー単位による環化反応や、シアン化ビニル系モノマー単位同士による環化反応が進行して、炭素材料前駆体を構成する前記アクリルアミド/シアン化ビニル系共重合体の構造が耐熱性の高い構造に変換されるため、炭素材料前駆体の炭化収率が向上する。特に、前記炭素材料前駆体組成物においては、添加成分である酸やその塩の触媒作用により、アクリルアミド系モノマー単位同士の脱水反応が促進されるため、環状構造が形成されやすく、アクリルアミド/シアン化ビニル系共重合体の構造が耐熱性の高い構造に変換されやすいため、炭素材料前駆体の炭化収率が更に高くなる。このような耐炎化処理における加熱温度としては500℃以下が好ましく、耐熱性の高い構造に効率的に変換され、炭化処理による炭化収率が向上するという観点から、150〜450℃がより好ましく、200〜400℃が更に好ましく、300〜400℃が特に好ましく、310〜400℃が最も好ましい。また、耐炎化処理における加熱時間としては特に制限はなく、長時間(例えば1時間超)の加熱も可能であるが、コスト低減の観点から1〜60分間が好ましい。
次に、このようにして耐炎化処理が施された炭素材料前駆体(耐炎化炭素材料前駆体)又は炭素材料前駆体組成物(耐炎化炭素材料前駆体組成物)に、不活性雰囲気下(窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス中)、前記耐炎化処理における加熱温度よりも高い温度で加熱処理を施す(炭化処理)。これにより、耐炎化炭素材料前駆体が炭化し、所望の炭素材料が得られる。このような炭化処理における加熱温度としては500℃以上が好ましく、1000℃以上がより好ましい。また、加熱温度の上限としては3000℃以下が好ましく、2000℃以下がより好ましい。さらに、炭化処理における加熱時間としては特に制限はないが、1〜60分間が好ましく、1〜30分間がより好ましい。また、前記炭化処理においては、例えば、先に1000℃未満の温度で加熱処理を行なった後、1000℃以上の温度で加熱処理を行うといったように、複数回の加熱処理を行うこともできる。なお、本発明の炭素材料の製造方法においては、前記耐炎化処理を施さずに、このような炭化処理を、本発明の炭素材料前駆体又は炭素材料前駆体組成物に直接施すことも可能である。
また、本発明の炭素材料の製造方法においては、耐炎化処理の前に(耐炎化処理を施さなかった場合には炭化処理の前に)、使用する炭素材料前駆体又は炭素材料前駆体組成物を予め所望の形状(例えば、フィルム状、シート状、繊維状)に成形加工することが好ましい。このとき、炭素材料前駆体又は炭素材料前駆体組成物をそのまま加圧成形したり、溶融状態の炭素材料前駆体又は炭素材料前駆体組成物を用いて溶融成形(例えば、溶融キャスト成形、溶融押出成形、射出成形、溶融紡糸、スパンボンド、メルトブローン、遠心紡糸)してもよいが、本発明の炭素材料前駆体又は炭素材料前駆体組成物が前記水性溶媒又は前記水系混合溶媒に可溶であり、成形加工性が高まるという観点から、前記炭素材料前駆体又は前記炭素材料前駆体組成物を前記水性溶媒又は前記水系混合溶媒に溶解し、得られた水性溶液又は水系混合溶液を用いて成形すること、或いは、前述の重合後の炭素材料前駆体の溶液又は前述の湿式混合で得られる炭素材料前駆体組成物の溶液をそのまま若しくは所望の濃度に調整した後、成形すること、が好ましい。このような成形方法としては、溶液キャスト成形、湿式成形、乾式紡糸、湿式紡糸、乾湿式紡糸、ゲル紡糸、フラッシュ紡糸、又はエレクトロスピニングを行うことが好ましい。これにより、所望の形状の炭素材料前駆体又は炭素材料前駆体組成物を低コストで安全に製造することができる。また、より低コストで安全に炭素材料を製造することができるという観点から、溶媒として前記水性溶媒を使用することがより好ましく、水を使用することが特に好ましい。このように予め所望の形状に成形加工した炭素材料前駆体又は炭素材料前駆体組成物を用いることによって、所望の形状の炭素材料(例えば、炭素フィルム、炭素シート、炭素繊維)を製造することができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、アクリルアミド/シアン化ビニル共重合体の組成は以下の方法により測定した。
13C−NMR測定>
アクリルアミド/シアン化ビニル系共重合体を重水に溶解(重水に不溶な場合には重水素化ジメチルスルホキシドに溶解)し、得られた溶液について、室温、周波数100MHzの条件で13C−NMR測定を行なった。得られる13C−NMRスペクトルにおいては、約121ppm〜約122ppmの位置にシアン化ビニル系モノマー単位のシアノ基の炭素原子に由来するピークが観測され、約177ppm〜約182ppmの位置にアクリルアミド系モノマー単位のカルボニル基の炭素原子に由来するピークが観測される。したがって、得られた13C−NMRスペクトルにおいて、これらのピークの積分強度の比を求め、この積分強度比から、アクリルアミド/シアン化ビニル系共重合体におけるアクリルアミド系モノマー単位とシアン化ビニル系モノマー単位との比を算出した。
また、実施例及び比較例で使用したアクリルアミド/シアン化ビニル共重合体は以下の方法により合成した。
(合成例1)
アクリルアミド(AAm、和光純薬工業株式会社製)96.0g(1.35mol)及びアクリロニトリル(AN)23.9g(0.45mol)をイオン交換水480mlに溶解し、得られた水溶液に過硫酸アンモニウム4.11g及びテトラメチルエチレンジアミン6.75mlを添加して、窒素雰囲気下、50℃で3時間重合反応を行なった。得られた水溶液をメタノール中に投入して共重合物を析出させ、これを回収して真空乾燥させることにより、アクリルアミド/アクリロニトリル共重合体(AAm/AN)を得た。このAAm/AN共重合体の組成比を求めたところ、アクリルアミド単位/アクリロニトリル単位(AAm/AN)=75mol%/25mol%であった。
(合成例2)
アクリルアミド(AAm)の量を89.6g(1.26mol)に、アクリロニトリル(AN)の量を28.7g(0.54mol)に変更し、重合温度を70℃に変更した以外は合成例1と同様にしてアクリルアミド/アクリロニトリル共重合体(AAm/AN)を得た。このAAm/AN共重合体の組成比を求めたところ、アクリルアミド単位/アクリロニトリル単位(AAm/AN)=70mol%/30mol%であった。
(合成例3)
アクリルアミド(AAm)の量を108.8g(1.53mol)に、アクリロニトリル(AN)の量を14.3g(0.27mol)に変更し、重合温度を70℃に変更した以外は合成例1と同様にしてアクリルアミド/アクリロニトリル共重合体(AAm/AN)を得た。このAAm/AN共重合体の組成比を求めたところ、アクリルアミド単位/アクリロニトリル単位(AAm/AN)=85mol%/15mol%であった。
(合成例4)
アクリルアミド(AAm)の量を115.2g(1.62mol)に、アクリロニトリル(AN)の量を9.56g(0.18mol)に変更し、重合温度を70℃に変更した以外は合成例1と同様にしてアクリルアミド/アクリロニトリル共重合体(AAm/AN)を得た。このAAm/AN共重合体の組成比を求めたところ、アクリルアミド単位/アクリロニトリル単位(AAm/AN)=90mol%/10mol%であった。
(合成例5)
アクリルアミド(AAm)の量を63.33g(0.89mol)に、アクリロニトリル(AN)の量を0.475g(0.0090mol)に、イオン交換水の量を900mlに、過硫酸アンモニウムの量を1.26gに、テトラメチルエチレンジアミンの量を6.75mlに変更し、重合温度を75℃に変更した以外は合成例1と同様にしてアクリルアミド/アクリロニトリル共重合体(AAm/AN)を得た。このAAm/AN共重合体の組成比を求めたところ、アクリルアミド単位/アクリロニトリル単位(AAm/AN)=99mol%/1mol%であった。
(比較合成例1)
アクリルアミド(AAm)の量を51.2g(0.72mol)に、アクリロニトリル(AN)の量を57.3g(1.08mol)に変更した以外は合成例1と同様にして重合反応を行なったところ、生成したアクリルアミド/アクリロニトリル共重合体(AAm/AN)は水に溶解せず、析出した。このため、メタノールを用いた精製が困難であった。なお、前記AAm/AN共重合体の組成比を求めたところ、アクリルアミド単位/アクリロニトリル単位(AAm/AN)=40mol%/60mol%であった。
(実施例1)
炭素材料前駆体として合成例1で得られたAAm/AN共重合体(AAm/AN=75mol%/25mol%)をそのまま使用した。
(実施例2)
炭素材料前駆体として合成例1で得られたAAm/AN共重合体(AAm/AN=75mol%/25mol%)を、炭素材料前駆体濃度が20質量%となるようにイオン交換水に溶解した。得られた水溶液に、前記炭素材料前駆体100質量部に対して2質量部のリン酸水素二アンモニウムを添加し、完全に溶解させた。得られた水溶液から水を減圧留去した後、得られた固体成分を真空乾燥して、AAm/AN共重合体及びリン酸水素二アンモニウムを含有する炭素材料前駆体組成物を得た。
(実施例3)
リン酸水素二アンモニウムの添加量を前記炭素材料前駆体100質量部に対して3質量部に変更した以外は実施例2と同様にして、AAm/AN共重合体及びリン酸水素二アンモニウムを含有する炭素材料前駆体組成物を得た。
(実施例4)
リン酸水素二アンモニウムの添加量を前記炭素材料前駆体100質量部に対して20質量部に変更した以外は実施例2と同様にして、AAm/AN共重合体及びリン酸水素二アンモニウムを含有する炭素材料前駆体組成物を得た。
(実施例5)
リン酸水素二アンモニウムの代わりにリン酸を、前記炭素材料前駆体100質量部に対して2質量部添加した以外は実施例2と同様にして、AAm/AN共重合体及びリン酸を含有する炭素材料前駆体組成物を得た。
(実施例6)
リン酸水素二アンモニウムの代わりにホウ酸を、前記炭素材料前駆体100質量部に対して2質量部添加した以外は実施例2と同様にして、AAm/AN共重合体及びホウ酸を含有する炭素材料前駆体組成物を得た。
(実施例7)
炭素材料前駆体として合成例2で得られたAAm/AN共重合体(AAm/AN=70mol%/30mol%)をそのまま使用した。
(実施例8)
炭素材料前駆体として合成例2で得られたAAm/AN共重合体(AAm/AN=70mol%/30mol%)を用い、リン酸水素二アンモニウムの添加量を前記炭素材料前駆体100質量部に対して3質量部に変更した以外は実施例2と同様にして、AAm/AN共重合体及びリン酸水素二アンモニウムを含有する炭素材料前駆体組成物を得た。
(実施例9)
炭素材料前駆体として合成例3で得られたAAm/AN共重合体(AAm/AN=85mol%/15mol%)をそのまま使用した。
(実施例10)
炭素材料前駆体として合成例3で得られたAAm/AN共重合体(AAm/AN=85mol%/15mol%)を用い、リン酸水素二アンモニウムの添加量を前記炭素材料前駆体100質量部に対して3質量部に変更した以外は実施例2と同様にして、AAm/AN共重合体及びリン酸水素二アンモニウムを含有する炭素材料前駆体組成物を得た。
(実施例11)
炭素材料前駆体として合成例4で得られたAAm/AN共重合体(AAm/AN=90mol%/10mol%)をそのまま使用した。
(実施例12)
炭素材料前駆体として合成例5で得られたAAm/AN共重合体(AAm/AN=99mol%/1mol%)をそのまま使用した。
(比較例1)
ポリアクリルアミドの10%水溶液(東京化成工業株式会社製、製品コード:A0140)を真空乾燥して水を除去し、ポリアクリルアミド(PAAm)を回収した。このPAAmをそのまま、炭素材料前駆体として使用した。
(比較例2)
炭素材料前駆体として比較合成例1で得られたAAm/AN共重合体(AAm/AN=40mol%/60mol%)をそのまま使用した。
<炭化収率の測定>
実施例及び比較例で得られた炭素材料前駆体(実施例1、7、9、11、12、比較例1)又は炭素材料前駆体組成物(実施例2〜6、8、10)3mgを80℃で12時間真空乾燥した後、示差熱天秤(株式会社リガク製「TG8120」)を用いて、流量500ml/minの窒素気流中、昇温速度20℃/minで室温から1000℃まで加熱した。500℃及び1000℃における炭素材料前駆体の炭化収率を、前記真空乾燥後に炭素材料前駆体に吸着した水の影響を考慮し、150℃における炭素材料前駆体の質量を基準として、下記式:
炭化収率[%]=M/M150×100
〔M:温度T(500℃又は1000℃)における炭素材料前駆体の質量、M150:150℃における炭素材料前駆体の質量〕
により求めた。その結果を表1に示す。なお、比較例2で得られた炭素材料前駆体については、比較合成例2においてメタノールによる精製が困難であったため、炭化収率の測定は実施しなかった。
<水への溶解性の測定>
実施例及び比較例で得られた炭素材料前駆体(実施例1、7、9、11、12、比較例1、2)又は炭素材料前駆体組成物(実施例2〜6、8、10)を、炭素材料前駆体濃度が10質量%となるようにイオン交換水に添加し、撹拌子を用いて室温で24時間撹拌した後、炭素材料前駆体の水への溶解性を観察した。その結果を表1に示す。
表1に示したように、アクリルアミド系モノマー単位とシアン化ビニル系モノマー単位とのモル比が所定の範囲にあるアクリルアミド/シアン化ビニル系共重合体からなる本発明の炭素材料前駆体(実施例1、7、9、11、12)及び炭素材料前駆体組成物(実施例2〜6、8、10)は、水溶性であり、シアン化ビニル系モノマー単位を含まないポリアクリルアミドからなる炭素材料前駆体(比較例1)に比べて、加熱温度500℃及び1000℃のいずれにおいても炭化収率が高いことが確認された。一方、アクリルアミド系モノマー単位の割合が所定の範囲より小さいアクリルアミド/シアン化ビニル系共重合体からなる炭素材料前駆体(比較例2)は、水に不溶であることがわかった。
また、実施例2〜6と実施例1、実施例8と実施例7、実施例10と実施例9とを対比すると明らかなように、アクリルアミド/シアン化ビニル系共重合体からなる炭素材料前駆体に所定量のリン酸、ホウ酸又はリン酸塩を添加した炭素材料前駆体組成物(実施例2〜6、8、10)は、リン酸塩を添加しなかった場合(実施例1、7、9)に比べて、炭化収率が大きく増加することがわかった。さらに、リン酸又はリン酸塩を添加した場合(実施例2、5)には、ホウ酸を添加した場合(実施例6)に比べても、炭化収率が大きく増加することがわかった。
(製造例1)
実施例1で得られた炭素材料前駆体を、濃度が30質量%となるようにイオン交換水に溶解した。得られた水溶液をシャーレ上にキャストした後、水を蒸発させ、炭素材料前駆体からなるフィルムを形成した。このフィルムは、厚みにムラがなく、表面外観に優れたものであった。
得られた炭素材料前駆体からなるフィルムに、空気雰囲気下、350℃で10分間の加熱処理(耐炎化処理)を施して耐炎化炭素材料前駆体からなるフィルムを得た。この耐炎化炭素材料前駆体からなるフィルムに、窒素ガス雰囲気下、1000℃で10分間の加熱処理(炭化処理)を施して炭素材料からなるフィルムを得た。
(製造例2)
実施例2で得られた炭素材料前駆体組成物を、炭素材料前駆体濃度が30質量%となるようにイオン交換水に溶解し、水溶液を調製した。この水溶液を用いた以外は製造例1と同様にして、炭素材料前駆体組成物からなるフィルムを得た。このフィルムは、厚みにムラがなく、表面外観に優れたものであった。得られた炭素材料前駆体組成物からなるフィルムを用いた以外は製造例1と同様にして耐炎化処理及び炭化処理を行い、炭素材料からなるフィルムを得た。
以上説明したように、本発明によれば、アクリルアミド系共重合体からなり、高い炭化収率を有する炭素材料前駆体を得ることが可能となる。
したがって、本発明の炭素材料の製造方法は、使用する炭素材料前駆体が水性溶媒又は水系混合溶媒に可溶であり、高い炭化収率を有するものであるため、低コストで安全な水性溶媒又は水系混合溶媒を用いて効率よく炭素材料を製造することが可能な方法として有用である。

Claims (6)

  1. アクリルアミド系モノマー単位50〜99.9モル%とシアン化ビニル系モノマー単位0.1〜50モル%とを含有するアクリルアミド/シアン化ビニル系共重合体からなることを特徴とする炭素材料前駆体。
  2. 前記アクリルアミド/シアン化ビニル系共重合体が水性溶媒又は水系混合溶媒に可溶であることを特徴とする請求項1に記載の炭素材料前駆体。
  3. 請求項1又は2に記載の炭素材料前駆体と、酸及びその塩からなる群から選択される少なくとも1種の添加成分とを含有することを特徴とする炭素材料前駆体組成物。
  4. 前記添加成分の含有量が前記炭素材料前駆体100質量部に対して0.1〜40質量部であることを特徴とする請求項3に記載の炭素材料前駆体組成物。
  5. 請求項1若しくは2に記載の炭素材料前駆体又は請求項3若しくは4に記載の炭素材料前駆体組成物に炭化処理を施すことを特徴とする炭素材料の製造方法。
  6. 前記炭化処理の前に、前記炭素材料前駆体又は前記炭素材料前駆体組成物に耐炎化処理を施すことを特徴とする請求項5に記載の炭素材料の製造方法。
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